(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1、
図2、
図5、及び
図6、特に
図1及び
図2を参照すると、一実施形態に係る遠心ファン装置10は、ベース20、化合物透過性基板(compound permeable substrate)30、ファンアセンブリ40及びカバー50を含む。
【0012】
ベース20は、化合物24が配置される環状に形成された容器22を備える。化合物24は芳香剤、殺虫剤(insecticide)、悪臭除去剤(odor eliminator)又は容器から放出可能な当業者に公知の異なる成分を含んでもよく、以下にて詳細に説明される。環状に形成された容器22は、ファンアセンブリ40が配置される円筒状に形成された中央空洞部26を定義する。プラグ28のようなキャップは、容器22の形状を補完する環形状を備え、容器22を完全に覆う。装置10のベース20は、環状に形成されているが、ベースは、三角形、長方形、多角形にすることもできる。
【0013】
化合物透過性基板30は、好ましくは環状に形成され、プラグ28上に配置されるように適合される。複数の芯(wicks)32は、水平面31から容器22内に延長し、化合物24と接触する。プラグ28の一連の孔29は、芯32が水平面31から下に、プラグ28を通って下方の容器22に延長するのに十分な大きさである。その結果、化合物24は、容器22から複数の芯32の上の水平面31に運搬されることができる。
【0014】
電気モータに電力を供給するための異なる手段を用いてもよいが、ファンアセンブリ40は、電気モータ42及びバッテリ44を含むハウジング41を含んでいる。さらに、ファンアセンブリ40は、遠心ファン46を含む。遠心ファン46は、複数のファンブレード48をさらに含む。好ましくは、遠心ファン46のベース49は、化合物透過性基板30の水平面31と略同じ高さにある。
【0015】
好ましくは、電気モータ42は、遠心ファン46を毎分100回転から4,000回転の間、好ましくは200回転から600回転の間で回転させる。さらに、好ましくは、遠心ファン46は、5枚から15枚の間のブレード48、好ましくは10枚から14枚の間のブレードを備える。遠心ファン46は、30°から150°の間、好ましくは90°から145°の間のファンブレード出口角度(β)を備える。遠心ファン46は、5mmから15mmの間、好ましくは9mmから12mmの間のファンブレードの内部高さ(Hi)を備え、ファンブレード入口高さの20%から100%の間、好ましくは内部高さの50%であるファンブレードの外部高さ(Ho)を備える。遠心ファン46は5mmから15mmの間のファンブレードの内部半径(Ri)及び20mm以上(≧)のファンブレードの外部半径(Ro)を備える。複数のブレード48がまっすぐな形状に示されているが、湾曲したブレードを用いてもよい。
【0016】
カバー50は、遠心ファン46上に配置される。カバーは、複数の開口部52を含む。カバー50は矢印60によって示されるように、遠心ファン46から外部環境に、側面の空気通路を提供する。1つの好ましい形態では、通路は、カバー50及びベース20の間の間隙によって提供される。カバー50は、複数の脚部54を用いてベース20に装着される。
【0017】
遠心ファン装置10の使用中に、バッテリ44によって電力が供給される電気モータ42は、遠心ファン46を回転駆動させ、矢印62によって示されるように、カバー50の開口部52を介して周囲から空気を吸引する。空気は、遠心ファン46に対して軸方向の下方へ移動する。次に、遠心ファン46は、空気を化合物透過性基板30の水平面31上に押上げ、最終的に、空気は矢印60によって示されるように、カバー50とベース20との間の間隙を通って装置10から出る。
【0018】
遠心ファン46は、水平面31と実質的に同じ高さにあり、それは、前記水平面を横切って空気を押し出すため、水平面31の大きさは、ファンが基板と同じ高さにない場合に同程度の化合物拡散を得るために必要なサイズに比べて、最小化される。
【0019】
さらに、遠心ファン装置10は、遠心ファン46を用いて化合物24の360度の拡散を許容することで、軸方向の下向きに、装置の中央に向かって空気を吸引し、結果的に蒸発面となる化合物透過性基板30上で放射状の360度に空気を吹き出す。
【0020】
容器22は、装置10の遠心ファン46の下に配置されているが、容器及び化合物透過性基板は、遠心ファン上、例えば装置のカバー区域内に配置されもよい。
【0021】
図3及び
図4を参照すると、
図1及び
図2と類似の要素は、図面符号が100だけ増加し、遠心ファン装置110は、異なるカバーを備えることを除いては、遠心ファン装置10と本質的に同一の代替的な実施形態を示す。したがって、遠心ファン装置10内のものと同一の様々な要素は、遠心ファン装置10内のものと本質的に同一であるため、ここでは繰り返さない。
【0022】
カバー150は、開口部156上に配置されたディスク157を含む。複数の脚部158は、カバーの主要部分159にディスク157を装着する。遠心ファン装置110の使用中に、遠心ファンモータ142が作動して遠心ファン146が回転するようになれば、矢印161によって示されるように、カバーの主要部分159とディスク157との間の環境から空気が引き込まれる。空気は、矢印162によって示されるように、開口部156を通って移動し、化合物124のための蒸発面として作用するようになる化合物透過性基板130の水平面131上で放射状の360度に吹き出す。
【0023】
図7〜
図15は、電気モータとは対称的な手動駆動機構によって作動する遠心ファン装置310の追加的な実施形態を示す。遠心ファン装置310は、ベース314及びカバー316を含むハウジング312を含む。ファンアセンブリ318及び手動駆動機構320は、ハウジング312内に配置される。ベース314は、一般にボウル(bowl)形状であり、ベース314の底面324に配置された円形孔322を含む。環状に形成されたリフィル326は、ベース314内に配置される。リフィル326は、液体化合物330が配置される環状に形成された容器328を含む。容器328及びベース314は、単一の構成要素であってもよい。実際に、リフィルの様々な代替的な実施形態が以下にて詳細に記述される。
【0024】
特に
図11を参照すると、リフィル326は、容器328と流体連通するために適合された、環状に形成された透過性基板332をさらに含む。本実施形態では、透過性基板332は、水平面334を含み、そこから延長する複数の芯336を備える。水平面334は、容器328内に配置された液体化合物330の上面330Aと実質的に平行である。複数の芯336は、水平面334から容器328内に延長し、液体化合物330と連通する透過性部材332の水平面334に置かれる。水平面334及び複数の芯336は、液体透過性材質で作られ、その中に液体化合物が吸収されるようにする。例えば、好適な実施形態において、水平面334及び芯336は、好ましくはポリエチレン、ポリプロピレン、ポリフッ化ビニリデン、及びポリカーボネートなどの多孔性プラスチックで作られる。液体透過性基板の芯336及び水平面334はまた、互いに結合したポリマー繊維(polymeric fibers)で形成された結合毛細管構造(bonded capillary structures)で作られてもよい。これらの結合毛細管構造を作るために用いられる材質は、ポリエステル、ポリオレフィン、ナイロン、セローシク(cellosics)、アセテート、及び他の繊維を含む。芯は、液体化合物を吸収できる他の材質で作成してもよい。さらに、水平面334及び芯336は、別の部品であっても、一体形成されていてもよい。
【0025】
図7〜
図10及び
図12を再び参照すると、カバー316は、ベース314と相互嵌合するように適合される。カバー316は、その下縁344から垂下する複数の脚部342を含む(
図10参照)。脚部342は、カバー316がベース314から解除されたり、または使用中に回転するのを防ぐために、ベース314の内側壁346と摩擦結合してもよい。当業者に公知の他の結合もまた、ベース314にカバー316を解除可能に取付けるために用いてもよい。
図9及び
図10は、カバー316がまた、その上端部350に配置された開口部348を含むことを示している。さらに、複数の排出口352がカバー316の側壁354に配置され、化合物330を含んだ空気が装置310から出るようにする。
【0026】
図9及び
図10をさらに参照すると、カバー316は、カバー316内に吊り下がった円筒状の支持体356をさらに含む。円筒状の支持体356は、各々開放された上端部360A及び下端部360Bを備え、カバー316の内側壁364から円筒状の支持体356に延長される、3つのアーム362によってカバー316内に垂下する。円筒状の支持体356は、ハウジング312内にファンアセンブリ318及び駆動機構320を保持及び支持するのを助けるように適合される。
【0027】
図9、
図10、及び
図12に戻ると、ファンアセンブリ318は、一般に遠心ファン366及びピボット368を含む。遠心ファン366は、その中央バレル(central barrel)372から延長する複数のファンブレード370を含む。
図9、
図10、及び
図15は、環状プレート374が複数のファンブレード370の外部の部分を覆って接続することを示す。環状プレート374とバレル372との間に形成された間隙376は、以下にてより詳細に説明するように、空気がファン366に吸引されることを可能にする。バレル372は、装置310が組立てられるときに、カバー316の円筒状の支持体356を受容するように成形される。
図15に示すように、ファン366は、その下端部380から上向きに延長してバレル372内に位置する、円筒状に形成された軸378をさらに含む。軸378の上端部382は、複数の歯384を含む。歯384は、傾斜した第1の側面386及び垂直な第2の側面388を含む。
【0028】
図9、
図10、及び
図12を再び参照すると、ピボット368は、底部390及び底部390から延長する複数のアーム392を含む。
図10に戻ると、ファン366のバレル372は、ピボット368のアーム392の中に受容される。バレル372の下端部380上に位置する溝(groove;394)は、ピボット368の底部390から延長する円錐形の突起部396上に置かれる。円錐形の突起部396は、装置310内でファン366が回転するピボットポイントとして作用する。
【0029】
図9及び
図10を参照すると、ピボット368は、装置310が組立てられるとき、環状に形成されたリフィル326の中央空洞部397内に挟まれるように設計される。
図12に示すように、アーム392は、ピボット368の底部390から上向きに延長される主要部分398及び主要部分398から約90°外側に延長される張出部(overhang portions)400を含む。張出部400は、環状リフィル326の透過性基板332の水平面334上に延長される。張出部400の先端部402は、ファン366が回転するときにピボット368が回転するのを防止するようにカバー316の脚部342内に受容される。脚部342内のピボット368のアーム392の受容は、カバー316内にファン366及びピボット368を保持するために当業者に公知の摩擦結合、又は他の固定手段によって達成してもよい。ファン366及びピボット368の保持力は、カバー316及びファンアセンブリ318が単一ユニットとして、ベース314から除去されるようにする(
図12参照)。
【0030】
図9、
図10、及び
図12〜
図14を参照すると、駆動機構の複数の構成要素が説明されている。駆動機構320は、プランジャ(plunger)406、スクリュー408、ばね410、ラチェット(ratchet)412及びラチェットカバー414を含む。プランジャ406は、円形ボタン416及びボタン416の底辺420から垂下する円筒状の壁418を含む(
図9及び
図10参照)。プランジャ406の円筒状の壁418は、カバー316の円筒状の支持体356内に挟まれるように形成される。円筒状の壁418の先端部に配置されるフック419は、プランジャ406がハウジング312から除去されるのを防止するように円筒状の支持体356と相互に作用する。スクリュー408は、円筒状の壁418内のボタン416の底辺420から延長する。プランジャ406がハウジング312に取付けられると、ボタン416は、カバー316の開口部348を実質的に覆い、空気がハウジングに入るようにするためにカバー316とボタン416との間に間隙421を提供する。
【0031】
図13及び
図14に示すように、ラチェット412は、円盤状のキャップ422及びキャップ422の底辺426に垂下する円筒状の管424を含む。複数の歯428もまた、キャップ422の底辺に垂下する。歯428は、傾斜した第1の側面430及び垂直な第2の側面432を含む。ラチェット412上の歯428は、遠心ファン366の軸378上の複数の歯384と相互に作用するように設計される。
図14に示すように、ラチェット412は、キャップ422内にスロット434をさらに含み、それはスクリュー408を受容するように形成されて、プランジャ406の垂直運動をファン366の回転運動に変換する。
【0032】
図13を参照すると、ラチェットカバー414は、閉鎖された上端部438を備える円筒状の胴体部436を含む。ラチェットカバー414は、装置310が組立てられるときに、ハウジング312内のラチェット412を保持するために軸378とラチェット412上に装着するように設計される。開口部440は、ラチェットカバー414の上端部438内に配置され(
図8参照)、スクリュー408は、ラチェット412内にラチェットカバー414を通過するように設計される。
【0033】
組立以後に、カバー316、ファンアセンブリ318及び駆動機構20は、単一カバーユニット442としてベース314上に挿入されることができる(
図12参照)。カバーユニット442の除去は、検査又は交換のためにリフィル326に対するアクセスを許容する。ベース314は、ベース314の側壁446内に配置された開口部444を含むことを、さらに考慮してもよい(
図9参照)。開口部は、リフィル326が装置310内に挿入されたか、リフィル326内に残っている液体化合物330の水面高さをユーザが確認できるようにし、リフィル326内に配置された化合物330の種類を示す容器の色を、カバーユニット442を除去せずにユーザが確認できるようにする。選択的に、ベース314は、ユーザがリフィル326を確認できるようにするために透明な材質で設けてもよく、ベース314は、カバーユニット442に保持されて相互に作用するように適合されたリフィル326と共に除去してもよい。
【0034】
カバーユニット442及びベース314が結合されるとき、複数のファンブレード370は、透過性基板332の水平面334と略同じ高さに配置される。上から複数のブレード370を環状プレート374に接続し、ファンの底面に隣接するように透過性基板332の水平面334を位置させることによって、水平面334の表面積の多くが露出される。リフィル326内に配置された液体化合物330は、複数の芯336を介して、透過性基板332の水平面334内に吸い上げられる。このような受動状態において、化合物330は、透過性基板332の水平面334から蒸発し、カバー316の複数の排出口352を通って装置310から出る。複数の芯336は、透過性基板332の水平面334内に液体化合物330を持続的に取り込んで液体化合物330が水平面334全体に分散するようにする。複数の芯336は、液体化合物330が水平面334の周囲に分散するようにし、水平面334の1つの領域が他の領域よりも大幅に多くの液体化合物330を含むことはない。水平面334の周囲における液体化合物330の均一な拡散は、均一な拡散プロフィルを生成し、受動状態で芳香剤の同様の量が均一に水平面334の全領域から蒸発され、液体化合物330が装置310の周囲の360°に分散される。
【0035】
いつでも、ユーザは、プランジャ406上に下向きの力Fを提供することによって、化合物330のより多くの量を放出するために装置310を作動させることができる。プランジャ406上における力Fの適用は、スクリューがラチェット412内にスロット434を通って下向きに垂直に移動できるようにし、ラチェット412が第1方向に回転するようにする。第1方向にラチェット412の回転は、ラチェット歯428の垂直の側面432が軸歯384の垂直の側面388と係合し、ファン366が回転するようにしてもよい。回転するファン366は、矢印Aによって確認されるように、カバー316とボタン416との間の間隙421を通って装置310のハウジング312内に空気を吸引する。空気は、その後、バレル372と環状プレート374との間の間隙376を通ってファン366に入る。複数のブレード370は、空気を透過性基板332の水平面334上に押し上げる。透過性基板332の水平面334を通過した後に、空気は化合物330を含み、カバー316の複数の排出口352を通って装置310のハウジング312から出る。本実施形態では、空気は、排出口352から放射状に装置310の略360°全方向に放出される。このような能動状態の間、受動状態に比べて増加した比率の化合物330が、装置310から放出される。さらに、受動状態と同様に、能動状態においても、同様の量の化合物が透過性基板332の水平面334の全領域から蒸発されるような、均一な拡散プロフィルがある。他の実施形態において、空気は、装置310の一部のみに対して排出口352から排出してもよい。
【0036】
下向きの力Fがプランジャ406から除去された時、ばね410は、非駆動位置(unactuated position)に対して上向きにプランジャ406を付勢する。プランジャ406の上向きの移動は、ラチェット412のスロット434を介してスクリュー408の上向きの移動を引き起こす。このような上向きの移動は、ラチェット412が第2反対方向に回転するようにする。ラチェット412が第2方向に回転するとき、ラチェット歯428の傾斜した側面430は、軸歯384の傾斜した側面386の上に乗って移動することができ、ファン366を回転させずにラチェット412を回転させることができる。
【0037】
図16及び
図17を参照して、リフィル326をより詳細に説明する。リフィル326の容器328は、一般にU字状の断面を備え、内側壁448及び外部壁450及び低壁452を含む。本実施形態において、容器328は、容器328を囲む内部壁448及び外部壁450と一体化した上壁454を含む。しかし、他の実施形態において、上壁454は、分離されたり、全て省略されてもよい。上壁454は、容器328の上部端456の下に配置され、凹部458を定義する。他の実施形態において、上壁454は、凹まずに上部端456と同じ高さ、又はそれより高くしてもよい。上壁454は、その内部に配置された複数の孔460を含み、それは、以下にて説明するように複数の芯336に対応する。
【0038】
図17に示すように、化合物透過性基板332の水平面334は、水平面334が容器328の上部端456と同じ高さ、又は略同じ高さになるように凹部458内に配置される。水平面334から延長する芯336は、容器328の上壁454内の孔460を通って延長する。本実施形態において、4つの芯336及び4つの孔460があるが、4つ以上の芯336及び孔460を用いてもよい。例えば、1つの好適な実施形態において、リフィル326は、4〜10個の芯336及び孔460を含む。芯336は、長さLを備えて水平面334は幅Wを備える。芯336の長さL及び水平面334の幅Wの比率は、好ましくは0.5:1から1.5:1の間である。より好ましくはLとWの間の比率は、0.8:1から1:1の間である。好適な実施形態において、芯336は、容器328の低壁452と接触したり真上に延長し、化合物330が用いられるときに、芯336が容器328内の液体化合物330と連通した状態に留まるようにしてもよい。環状に形成された透過性基板332の水平面334は、外部直径D
o及び内部直径D
iを備える。透過性基板の外部直径D
o及び内部直径D
iの比率は、好ましくは2:1から1.5:1の間であり、より好ましくは約1.75:1である。環状リフィル326の中央空洞部397は、内部直径D
Cを備える。
【0039】
図18を参照すると、代替的な実施形態においては、透過性基板332は、ただ容器328の上壁454内の孔460を通って延長する複数の芯336を含む。芯336は、化合物330を容器328から空気中に移動するようにさせ、次にファン336が作動したときに、装置310から受動的に排出及び放出されるようにする。特定の実施形態では、芯336は、より多くの又はより少ない化合物330を排出するために、容器328の上壁454より高く変化する範囲に位置してもよい。さらに、芯336が容器328内の中央に等間隔で示されているが、芯336は、容器328と上壁454との間のどこに配置されてもよい。
【0040】
図19及び
図20を参照すると、透過性基板332の水平面334が容器328の周囲に連続的に延長される必要はなく、先の実施形態に示した以外の形状を含むように設計され得ることが示されている。例えば、透過性基板332の水平面334は、円形、くさび形、三角形、長方形、又は、容器328の上壁454の上に載せたり上壁454の上方に配置することができ、かつ、化合物拡散のために十分な表面積を持つ、他の幾何学形状を含んでもよい(
図19参照)。さらに、
図20に示すように、透過性基板332の水平面334は、容器328の環状上壁454の一部だけを覆うように構成してもよい。
【0041】
本発明の遠心ファン装置10,110,310は、芳香剤又は、殺虫剤を伝達するための従来の装置で発見されない特徴及び利点を提供する。例えば、遠心ファン及び化合物透過性基板に隣接したその位置との組み合わせは、他の公知された受動及び/又は加熱装置に比べて、より良い化合物の伝達を許容する。
【0042】
本発明の遠心ファン装置のさらなる利点は、化合物透過性基板を横切るより良い空気の流れによって、さらに小さく、さらにコンパクトな装置を可能にできることである。その結果、本発明の遠心ファン装置は、使用環境において同一の化合物の伝達を得るために、従来の装置に比べて、化合物透過性基板の表面積がより小さくなり、より少ない芯で済み、及び/又は芯の小型化が可能となる。
【0043】
本発明の遠心ファン装置のさらなる利点は、透過性部材の表面に対抗する代りにその表面に沿って空気を押し上げる本発明の結果として、空気の流れに対する抵抗をさらに小さくし、従来装置に比べて、作動に最小限のエネルギー量を必要とし、電子装置内のバッテリ寿命を延長させる。
【0044】
ここに開示された例示的な実施形態は、本発明を不要に限定したり、包括することを意図するものではない。例示的な実施形態は、当業者が本発明を実施できるように、本発明の原理を説明するために選択して説明された。当業者に明白であるように、前述の発明の説明範囲内で様々な変更をなすことができる。当業者の能力の範囲内におけるそのような変更は、本発明の一部を形成する添付の請求項の範囲に含まれる。
【0045】
前述した実施形態、及び例示のそれぞれの個別的な特徴の全ての可能な異なる様々な組合せを含む本発明の他の実施形態は、本明細書に明確に含まれる。
【0046】
多くの変更は、上述した詳細な説明の観点から当業者に明白になるであろう。したがって、この説明は、例示としてのみ解釈されるべきであり、当業者が本発明を用いて同一の実施を行うことのできる最良の形態を教示するために提示される。添付された請求項の範囲内にある全ての変更に対する独占的な権利が保たれる。