特許第6009669号(P6009669)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6009669
(24)【登録日】2016年9月23日
(45)【発行日】2016年10月19日
(54)【発明の名称】冷蔵庫用鮮度保持殺菌装置及び制御方法
(51)【国際特許分類】
   F25D 23/00 20060101AFI20161006BHJP
   A61L 9/22 20060101ALI20161006BHJP
   A61L 2/20 20060101ALI20161006BHJP
【FI】
   F25D23/00 302Z
   F25D23/00 302M
   A61L9/22
   A61L2/20
【請求項の数】10
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-524612(P2015-524612)
(86)(22)【出願日】2013年7月1日
(65)【公表番号】特表2015-526688(P2015-526688A)
(43)【公表日】2015年9月10日
(86)【国際出願番号】CN2013078567
(87)【国際公開番号】WO2015000099
(87)【国際公開日】20150108
【審査請求日】2014年11月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】514305482
【氏名又は名称】ハイセンス ロンシェン(グァンドン) リフリジレイター カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Hisense Ronshen (Guangdong) Refrigerator Co., Ltd
(74)【代理人】
【識別番号】100121728
【弁理士】
【氏名又は名称】井関 勝守
(74)【代理人】
【識別番号】100165803
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 修平
(72)【発明者】
【氏名】ヤン ミン
(72)【発明者】
【氏名】コン ドン
(72)【発明者】
【氏名】フ ジェ
【審査官】 河内 誠
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−054591(JP,A)
【文献】 特開2011−064366(JP,A)
【文献】 特開2012−229910(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25D 23/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷蔵庫用鮮度保持殺菌装置であって、順次に接続されている電気制御板、直流高電圧電源、イオン発生器を備え、イオン発生器は、正、負イオン放電電極を含み、前記イオン発生器は、前記電気制御板から前記直流高電圧電源への入力電圧が一定であるときに、前記直流高電圧電源から前記イオン発生器に出力された直流高電圧を、鮮度保持に必要な高電圧と殺菌に必要な高電圧との間で切り替えられるように調整可能であり、鮮度保持と殺菌に必要な高電圧をそれぞれ得て、
前記鮮度保持に必要な高電圧は、水クラスターを分解可能でかつ水分子自身の構造を破壊しない高電圧であり、
前記殺菌に必要な高電圧は、前記鮮度保持に必要な高電圧よりも高くかつ正イオンと負イオンとを生じさせる高電圧である、
ことを特徴とする、冷蔵庫用鮮度保持殺菌装置。
【請求項2】
前記直流高電圧電源は、高電圧トリガーモジュールと高電圧トリガーモジュールに接続している昇圧モジュールI及び昇圧モジュールIIとを含み、前記昇圧モジュールI及び昇圧モジュールIIは、異なる巻線比でコイルによって昇圧し、鮮度保持と殺菌に必要な高電圧をそれぞれ得ることを特徴とする、請求項1に記載の冷蔵庫用鮮度保持殺菌装置。
【請求項3】
前記直流高電圧電源は、主に、高電圧トリガー回路、一つの選択スイッチ、二つのブースター回路、正負高電圧整流フィルター回路からなり、前記電気制御板は、一つの交流電圧を入力した後、高電圧トリガー回路で高頻度交流信号へ変更し、選択スイッチを通る時に、電気制御板が電気信号を出力することにより、二つのブースター回路の一つに入り、高電圧を獲得し、高電圧は正負高電圧整流フィルター回路を通過した後、必要な正高電圧と負高電圧を得ることを特徴とする、請求項1に記載の冷蔵庫用鮮度保持殺菌装置。
【請求項4】
前記直流高電圧電源は、高電圧トリガーモジュールI及び高電圧トリガーモジュールIIと、二つの高電圧トリガーモジュールに同時に接続している昇圧モジュールとを含み、前記高電圧トリガーモジュールI及び高電圧トリガーモジュールIIは、異なる電流振動数を採用し、昇圧モジュールを経由して、鮮度保持と殺菌に必要な高電圧をそれぞれ得ることを特徴とする、請求項1に記載の冷蔵庫用鮮度保持殺菌装置。
【請求項5】
前記直流高電圧電源は、主に、二つの高電圧トリガー回路、一つの選択スイッチ、一つのブースター回路、正負高電圧整流フィルター回路からなり、前記電気制御板は、一つの交流電圧を入力した後、交流電圧は選択スイッチを通過する時に、電気制御板が電気信号を出力することにより、二つの高電圧トリガー回路の一つはブースター回路を通過して、高電圧を獲得し、高電圧は正負高電圧整流フィルター回路を通過した後、必要な正高電圧と負高電圧を得ることを特徴とする、請求項1に記載の冷蔵庫用鮮度保持殺菌装置。
【請求項6】
前記直流高電圧電源220V交流信号が入力され、或いは12V直流信号とインバーター回路により置き換えられる交流信号が入力されることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の冷蔵庫用鮮度保持殺菌装置。
【請求項7】
鮮度保持に必要な高電圧は1KV〜2KVの間にあることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の冷蔵庫用鮮度保持殺菌装置。
【請求項8】
殺菌に必要な高電圧は2.2KV〜3KVの間にあることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の冷蔵庫用鮮度保持殺菌装置。
【請求項9】
当該鮮度保持殺菌装置は、冷蔵庫内部の頂面若しくは裏面に取り付けられ、又は空冷式冷蔵庫のエアダクトのカバープレートに嵌め込まれることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の冷蔵庫用鮮度保持殺菌装置。
【請求項10】
冷蔵庫用鮮度保持殺菌装置の制御方法であって、
S1.使用者は機能パネルで鮮度保持機能を起動させると、制御システムは、イオン発生器がモードIに入るように制御し、イオン発生器が安定の強電界を生じさせ、空気における水クラスターのクラスター構造を破壊し、冷蔵庫の冷蔵室にある大きなクラスターである水を小さなクラスターである水に分解して、果物や野菜の吸収を促進し、冷蔵庫の冷蔵室の鮮度保持・水分保持機能を実現することと、
S2.使用者は、機能パネルで殺菌機能を起動させると、制御システムは、イオン発生器がモードIIに入るように制御し、そのときに、イオン発生器は空気を電離して、大量の正イオンと負イオンを生じさせ、正イオンと負イオンは空気において結合する瞬間、巨大のエネルギーを放出することによって、周囲環境における細菌の構造変化とエネルギー移動をもたらして、細菌を死滅させ、冷蔵庫の冷蔵室の殺菌機能を実現することとの間で切り替えることを含むことを特徴とする、冷蔵庫用鮮度保持殺菌装置の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
本発明は冷蔵設備技術分野に関し、より詳しく、冷蔵庫用鮮度保持殺菌装置及び制御方法に関する。
【背景技術】
生活水準が日増しに向上するにつれて、冷蔵庫はすでに数多くの家庭に入り、家庭用の生活必需品となる。人々の冷蔵庫自体の性能に対する要求がますます高まって、健康、衛生と安全性はすでに冷蔵庫の技術発展の永遠の課題となる。
最初の冷蔵庫は単に低い温度で食物の鮮度を保持するもので、殺菌機能と鮮度保持機能を持っていなかった。このような冷蔵庫にある食品、特に冷蔵室にある食品は長期間にわたって依然として腐敗して変質する。それは、低温環境でも依然として細菌が存在するためである。勿論、食品が十分の水分と栄養成分を有するように確保することもできない。冷蔵庫には、細菌が食物に付着することが多い。従来の殺菌装置は食物に付着する細菌まで達することができず、同様に、装置から離れている隅においても同じである。局所或いは空気に遊離している細菌数が減少するものの、冷蔵庫の隅或いは食品の表面にある細菌は増殖しつつあり、また嫌な匂いを発生する。
ここ数年で、冷蔵庫の殺菌と鮮度保持の技術が速やかに発展しており、ライナーに抗菌性材料を添加する受動的殺菌技術以外、様々な主動的殺菌技術が開発され、例えばオゾン発生装置、イオン殺菌装置、紫外線殺菌装置などが挙げられる。冷蔵庫の鮮度保持に関する技術も負けておらず、現在では、市場において比較的評判のよい鮮度保持技術は主に、三つの種類がある。第一種類は、シミュレーション誘導型鮮度保持技術(光合成鮮度保持とVC誘導鮮度保持を含む)である。第二種類は、高精度温度制御型鮮度保持技術である。第三種類は、殺菌型鮮度保持技術であり、主に銀イオン殺菌と負イオン殺菌技術を含む。
現在では、優れる鮮度保持機能と殺菌力は、冷蔵庫製品の二つの重要な性能指数である。従来の冷蔵庫製品では、鮮度保持のために用いられる水クラスター分離器は、果物や野菜に吸収されやすい小さな水クラスターを発生できて、良い鮮度保持機能を持っているが、殺菌力が極めて弱い。殺菌のために用いられる正負イオン発生器は大量の正負イオンを発生でき、正、負イオンが結合して、強い殺菌効果をもたらすが、鮮度保持機能を備えない。
【発明の概要】
本発明が解決しようとする技術的課題は、従来技術の欠陥を克服して、殺菌機能と鮮度保持機能を同時に備えている冷蔵庫用鮮度保持殺菌装置を提供することである。
また、本発明は前記冷蔵庫用鮮度保持殺菌装置の制御方法を提供する。
前記技術的課題を解決するために、本発明が採用する技術手段は、冷蔵庫用鮮度保持殺菌装置であって、順次に接続されている電気制御板、直流高電圧電源、イオン発生器を備え、イオン発生器は、正、負イオン放電電極を含み、上記のイオン発生器は、入力電圧が一定であるときに、その出力された直流高電圧が調整可能であり、鮮度保持と殺菌に必要な高電圧をそれぞれ得る。
一実施態様において、前記直流高電圧電源は、高電圧トリガーモジュールと高電圧トリガーモジュールに接続している昇圧モジュールI及び昇圧モジュールIIとを含み、前記昇圧モジュールI及び昇圧モジュールIIは、異なる巻線比でコイルによって昇圧し、鮮度保持と殺菌に必要な高電圧をそれぞれ得る。
具体的には、前記直流高電圧電源は、主に、高電圧トリガー回路、一つの選択スイッチ、二つのブースター回路、正負高電圧整流フィルター回路からなり、前記電気制御板は、一つの交流電圧を入力した後、高電圧トリガー回路で高頻度交流信号へ変更し、選択スイッチを通る時に、電気制御板が電気信号を出力することにより、二つのブースター回路の一つに入り、高電圧を獲得し、高電圧は正負高電圧整流フィルター回路を通過した後、必要な正高電圧と負高電圧を得る。
別の一実施態様において、前記直流高電圧電源は、高電圧トリガーモジュールI及び高電圧トリガーモジュールIIと、二つの高電圧トリガーモジュールに同時に接続している昇圧モジュールとを含み、前記高電圧トリガーモジュールI及び高電圧トリガーモジュールIIは、異なる電流振動数を採用し、昇圧モジュールを経由して、鮮度保持と殺菌に必要な高電圧をそれぞれ得る。
具体的には、上記の直流高電圧電源は、主に、二つの高電圧トリガー回路、一つの選択スイッチ、一つのブースター回路、正負高電圧整流フィルター回路電子回路からなり、前記電気制御板は、一つの交流電圧を入力した後、交流電圧は選択スイッチを通過する時に、電気制御板が電気信号を入力することにより、二つの高電圧回路の一つはブースター回路を通過して高電圧を獲得し、高電圧は正負高電圧整流フィルター回路を通過した後、必要な正高電圧と負高電圧を得る。
前記冷蔵庫用鮮度保持殺菌装置において、前記直流高電圧電源は220V交流信号を入力し、或いは一つの12V直流信号と一つのインバーター回路により置き換えられる。
前記冷蔵庫用鮮度保持殺菌装置において、鮮度保持に必要な高電圧は1KV〜2KVの間にあり、殺菌に必要な高電圧は2.2KV〜3KVの間にある。
本発明の鮮度保持殺菌装置は、設置場所に柔軟に対応可能であり、冷蔵庫内部の頂面若しくは裏面に取り付けられ、又は空冷式冷蔵庫のエアダクトのカバープレートに嵌め込まれることが可能である。
更に、本発明は前記冷蔵庫用鮮度保持殺菌装置の制御方法を提供し、
S1.使用者は機能パネルで鮮度保持機能を起動させると、制御システムは、イオン発生器がモードIに入るように制御し、イオン発生器が安定の強電界を生じさせ、空気における水クラスターのクラスター構造を破壊し、冷蔵庫の冷蔵室にある大きなクラスターである水を小さなクラスターである水に分解して、果物や野菜の吸収を促進し、冷蔵庫の冷蔵室の鮮度保持・水分保持機能を実現し、又は、
S2.使用者は、機能パネルで殺菌機能を起動させると、制御システムは、イオン発生器がモードIIに入るように制御し、そのときに、イオン発生器は空気を電離して、大量の正イオンと負イオンを生じさせ、正イオンと負イオンは空気において結合する瞬間、巨大のエネルギーを放出することによって、周囲環境における細菌の構造変化とエネルギー移動をもたらして、細菌を死滅させ、冷蔵庫冷蔵室の殺菌機能を実現することを含む。
従来技術と比べると、本発明の技術手段は以下の有益な効果をもたらす。本発明は、イオン発生器における直流高電圧電源の回路設計を調整することによって、イオン発生器の出力電圧の切り替えを実現し、従来の冷蔵庫用イオン発生器は、入力電圧が一定であるときに、固定の直流高電圧のみを出力して、単に鮮度保持機能又は殺菌機能を単独で実現するという問題を解決した。本発明は、冷蔵庫をインテリジェント制御し、冷蔵庫の鮮度保持機能と殺菌機能の両立を実現し、同一の装置により、冷蔵庫の冷蔵室で殺菌機能と鮮度保持機能を同時に確保する効果を達する。
【図面の簡単な説明】
図1】本発明の実施例に係るイオン鮮度保持殺菌装置の電気的原理図(一)である。
図2図1の電気的原理図に従って設計される鮮度保持殺菌装置の構造を示す概略図である。
図3】本発明の実施例に係るイオン鮮度保持殺菌装置の電気的原理図(二)である。
図4図3の電気的原理図に従って設計される鮮度保持殺菌装置の構造を示す概略図である。
図5】本発明の実施例に係る鮮度保持殺菌装置の制御方法のフローチャートを示す概略図である。
図6】本発明の実施例に係る鮮度保持殺菌装置を冷蔵庫に適用することを示す概略図である。
図面は例示的な説明に用いられるものであり、本発明を限定するものではないと理解されるべきである。実施例をより良く説明するために、図面における一部の部材は省略、拡大、又は縮小されることがあるが、製品の実際のサイズを示すものではない。当業者にとって、図面における一部の既知の構造及びその説明を省略できることを理解するべきである。
【発明を実施するための形態】
以下、図面と具体的な実施例を結合して、本発明をより詳しく説明する。
本発明は冷蔵庫用鮮度保持殺菌装置を開示し、その冷蔵庫用鮮度保持殺菌装置は、直流電源と直流電源に接続しているイオン発生器とを備え、上記のイオン発生器は、入力電圧が一定であるときに、その出力された直流高電圧が調整可能であり、鮮度保持と殺菌に必要な高電圧をそれぞれ得る。当該冷蔵庫用鮮度保持殺菌装置は、鮮度保持機能と殺菌機能を実現するための直流高電圧を厳しく限定し、具体的には、鮮度保持用の高電圧が1KV〜2KVである必要がある。当該電圧範囲内にあると、水クラスターの分解効果は最も望ましい。電圧が低すぎると、水クラスターを分解する能力がない。また、電圧が高すぎると、水分子自身の構造を破壊する。直流高電圧が2KVより低い時に、当該冷蔵庫用鮮度保持殺菌装置は、空気を電離する能力が弱くなり、直流高電圧が増大するにつれて、上記の装置は空気を電離する能力が飽和まで向上しつつある。本装置の電気的安全信頼性と殺菌効果を考慮する場合、殺菌用の高電圧が2.2KV〜3KVとなるように制御し、装置に提供される具体的な直流高電圧は、装置における正負イオンエミッターの材質と両者のピッチによって若干変わる。
本発明に開示された鮮度保持殺菌装置において、2つの実現方法がある。
1. 鮮度保持殺菌装置における直流高電圧電源を改善し、元の電子回路に一つの選択スイッチと一つのブースター回路を追加し、異なるブースター回路を選択することにより、大きな水クラスターを分解し、空気を電離して正負イオンを発生するに適する高電圧を得る。
2. 直流高電圧電源の元の電子回路に一つの選択スイッチと一つの高電圧トリガー回路を追加し、異なる高電圧トリガー回路を選択することにより、異なる周波数の高頻度電気信号を獲得し、昇圧し、整流し、フィルターした後、それぞれ大きな水クラスターを分解し、空気を電離して正負イオンを発生するに適する高電圧を得る。
(実施例1)
図1に示すように、本発明の直流高電圧電源は、高電圧トリガーモジュールと高電圧トリガーモジュールに接続している昇圧モジュールI及び昇圧モジュールIIとを含み、昇圧モジュールI及び昇圧モジュールIIは、異なる巻線比でコイルによって昇圧し、鮮度保持と殺菌に必要な高電圧をそれぞれ得る。即ち、昇圧モジュールIにより鮮度保持用の高電圧を得て、昇圧モジュールIIにより殺菌用の高電圧を得る。
図2図1の電気的原理図に従って設計される鮮度保持殺菌装置の構造を示す概略図であり、本発明の鮮度保持殺菌装置は、主に電気制御板、直流高電圧電源、正負イオン放電電極からなり、正負イオン放電電極は、抗酸化性を有する金属針で構成され、その中、電気制御板は交流電圧を提供するとともに、一つの電気信号を提供して選択スイッチを制御し、異なる輸出電圧を得るように、直流高電圧電源はブースター回路Iを選択するか、又はブースター回路IIを選択するかを決定する。当該直流高電圧電源は、主に、高電圧トリガー回路、一つの選択スイッチ、二つのブースター回路、正負高電圧整流フィルター回路からなる。
電気制御板は一つの交流電圧を入力した後、高電圧トリガー回路を通って高頻度交流信号へ変更し、選択スイッチを通る時に、電気制御板は電気信号を出力することにより、二つのブースター回路の一つに入り、高電圧を獲得し、高電圧は正、負高電圧整流フィルター回路を通過した後、必要な正高電圧と負高電圧を得る。電子回路は異なる二つのブースター回路を通過して、大きな水クラスターを分解し、空気を電離して正負イオンを発生するに適する高電圧を得ることができるので、水分保持と殺菌の機能を実現する。
ある場合に便利に使用できるために、本鮮度保持殺菌装置の直流高電圧電源が入力する220V交流信号は、等価で一つの12V直流信号と一つのインバーター回路で置き換えられる。
(実施例2)
本実施例において、直流高電圧電源は、高電圧トリガーモジュールI及び高電圧トリガーモジュールIIと、二つの高電圧トリガーモジュールに同時に接続している昇圧モジュールとを含み、高電圧トリガーモジュールI及び高電圧トリガーモジュールIIは、異なる電流振動数を採用し、同一の昇圧モジュールを経由して、鮮度保持と殺菌に必要な高電圧をそれぞれ得る。
図4図3の電気的原理図に従って設計される鮮度保持殺菌装置の構造を示す概略図である。
本実施例の鮮度保持殺菌装置の構造は実施例1の構造と基本原理が一致であり、実施例1は、異なるブースター回路を選択することにより、異なる高電圧を得るが、本実施例は、異なる高電圧トリガー回路を選択することにより、異なる高電圧を得る。当該構造において、交流電圧は選択スイッチを通過する時に、電気制御板は電気信号を入力することにより、二つの高電圧トリガー回路の一つはブースター回路を通過して高電圧を得て、高電圧は正負高電圧整流フィルター回路を通過した後、必要な正高電圧と負高電圧を得る。二種類の高電圧トリガー回路は、異なる周波数の高頻度電圧を生じさせるので、昇圧してフィルターして得る高電圧も異なり、それぞれ大きな水クラスターを分解し、空気を電離して正負イオンを発生するに適する高電圧を得ることにより、水分保持と殺菌の機能を実現する。
ある場合に便利に使用できるために、本装置の直流高電圧電源が入力する220V交流信号は、等価で一つの12V直流信号と一つのインバーター回路で置き換えられる。
また、実施例1でも実施例2でも冷蔵庫用鮮度保持殺菌装置は、設置場所に柔軟に対応可能であり、冷蔵庫内部の頂面若しくは裏面に取り付けられ、又は空冷式冷蔵庫のエアダクトのカバープレートに嵌め込まれることが可能である。図6はイオン鮮度保持殺菌装置を冷蔵庫に適用することを示す概略図である。その中で、符号1は、冷蔵庫内部の頂面に取り付けられている鮮度保持殺菌イオン発生器装置を表し、符号2は冷蔵室扉体を表し、符号3は扉体シールを表し、符号4は冷凍室扉体を表し、符号5は箱体を表し、符号6は冷蔵層用棚を表し、符号7は冷蔵用引き出しを表し、符号8は冷凍層用棚を表し、符号9は冷凍用引き出しを表し、符号10はコンプレッサーを表す。
図5に示すように、本発明は冷蔵庫用鮮度保持殺菌装置の制御方法を開示する。
1.使用者は機能パネルで鮮度保持機能を起動させると、制御システムは、イオン発生器がモードIに入るように制御し、イオン発生器が安定の強電界を生じさせ、空気における水クラスターのクラスター構造を破壊し、冷蔵庫の冷蔵室にある大きなクラスターである水を小さなクラスターである水に分解して、果物や野菜の吸収を促進し、冷蔵庫の冷蔵室の鮮度保持機能を実現する。又は、
2. 使用者は、機能パネルで殺菌機能を起動させると、制御システムは、イオン発生器がモードIIに入るように制御し、そのときに、イオン発生器は空気を電離して、大量の正イオンと負イオンを生じさせ、正イオンと負イオンは空気において結合する瞬間、巨大のエネルギーを放出することによって、周囲環境における細菌の構造変化とエネルギー移動をもたらして、細菌を死滅させ、冷蔵庫冷蔵室の殺菌機能を実現することを含む。
結論として、従来技術において、冷蔵庫は鮮度保持機能を実現するために水クラスター分離器を使用しており、電界力により、大きな水クラスターを小さな水クラスターに分解し、果物や野菜に吸収されやすい。殺菌機能を実現するために正負イオン発生器を使用しており、発生された正、負イオンは、空気において結合して、細菌自身の構造を変えさせて、エネルギーを移動させて、殺菌の目的を達する。ハードウェアから見ると、元の冷蔵庫は鮮度保持と殺菌の機能を実現するために異なる二つの装置を使用していた。この二種類の装置のコストは基本的に同じである。
本発明に係るイオン発生器は直流電源を改善したうえで、一つの装置で鮮度保持と殺菌の機能を実現する。製造コストは元の水クラスター分離器と正負イオン発生器の両方のコストの半分しかない。
本発明の前記実施例は本発明をはっきり説明するための例示にすぎず、本発明の実施態様を限定するものではないことは明らかである。当業者にとって、上記の説明に基づいて、様々な変更又は変形することができる。ここで、あらゆる実施態様を例示する必要がない。また、あらゆる実施態様を例示することもできない。本発明の主旨と原則の範囲内に行うあらゆる変更、等価の置き換え、改良などはいずれも本発明の特許請求の範囲に含まれるべきである。
【符号の説明】
1 冷蔵庫内部の頂面に取り付けられている鮮度保持殺菌イオン発生器装置
2 冷蔵室扉体
3 扉体シール
4 冷凍室扉体
5 箱体
6 冷蔵層用棚
7 冷蔵用引き出し
8 冷凍層用棚
9 冷凍用引き出し
10 コンプレッサー
図1
図2
図3
図4
図5
図6