(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記少なくとも1つの他のサブフレームが表示される前記時間量を増加させることが、複数の色のサブフレームを表示するために、追加の時間を割り振ることを含み、そのような追加の時間が、選択された色の少なくとも1つのサブフレームに不均衡に割り振られる、請求項1に記載の装置。
前記少なくとも1つの他のサブフレームが、暗サブフレームであるとして識別されたもの以外の、前記受信された画像フレームのために生成されたすべてのサブフレームを含む、請求項1に記載の装置。
前記少なくとも1つの他のサブフレームが表示される前記時間量を増加させることが、前記少なくとも1つの他のサブフレームが表示される回数を増加させることを含む、請求項1に記載の装置。
前記少なくとも1つの他のサブフレームが表示される前記時間量を増加させることが、前記識別された暗サブフレームの色にかかわらず、選択された色の少なくとも1つのサブフレームを表示するために、追加の時間を割り振ることを含む、請求項1に記載の装置。
前記合成色サブフレームが表示される前記時間量を増加させることが、場合によっては表示されていなかったであろう合成色サブフレームを表示することを含む、請求項12に記載の装置。
前記出力論理が、前記少なくとも1つの他のサブフレームとともに前記ディスプレイをアドレス指定することに関連する、ドライバのスルーレートを低下させるようにさらに構成される、請求項1に記載の装置。
前記少なくとも1つの他のサブフレームが表示される前記時間量を増加させることが、場合によっては表示されていなかったであろうサブフレームを表示することを含む、請求項1に記載の装置。
前記プロセッサが、前記サブフィールド導出論理、前記サブフレーム生成論理、前記暗サブフレーム検出論理、および前記出力論理のうちの少なくとも1つを含む、請求項20に記載の装置。
前記ディスプレイが、前記サブフィールド導出論理、前記サブフレーム生成論理、前記暗サブフレーム検出論理、および前記出力論理のうちの少なくとも1つを含む、制御論理を含む、請求項20に記載の装置。
前記制御論理が、マイクロプロセッサと特定用途向け集積回路(ASIC)とを含み、前記サブフィールド導出論理、前記サブフレーム生成論理、前記暗サブフレーム検出論理、および前記出力論理のうちの少なくとも1つが、前記マイクロプロセッサが実行するために構成されたプロセッサ実行可能命令を含む、請求項22に記載の装置。
前記少なくとも1つの他のサブフレームが、暗サブフレームであるとして識別されたもの以外の、前記受信された画像フレームのために生成されたすべてのサブフレームを含む、請求項27に記載の装置。
前記少なくとも1つの他のサブフレームが表示される前記時間量を増加させることが、前記少なくとも1つの他のサブフレームが表示される回数を増加させることを含む、請求項27に記載の装置。
前記少なくとも1つの他のサブフレームが表示される前記時間量を増加させることが、場合によっては表示されていなかったであろうサブフレームを表示することを含む、請求項27に記載の装置。
前記出力制御手段がさらに、前記少なくとも1つの他のサブフレームとともに前記ディスプレイをアドレス指定することに関連する、ドライバのスルーレートを低下させるためのものである、請求項27に記載の装置。
前記少なくとも1つの他のサブフレームが表示される前記時間量を増加させるステップが、前記少なくとも1つの他のサブフレームが表示される回数を増加させるステップを含む、請求項35に記載の方法。
前記少なくとも1つの他のサブフレームが表示される前記時間量を増加させるステップが、場合によっては表示されていなかったであろうサブフレームを表示するステップを含む、請求項35に記載の方法。
前記少なくとも1つの他のサブフレームとともに前記ディスプレイをアドレス指定することに関連する、ドライバのスルーレートを低下させるステップをさらに含む、請求項35に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0028】
様々な図面における同じ参照符号および記号は、同じ要素を示している。
【0029】
以下の説明は、本開示の発明的態様について説明する目的で、いくつかの実装形態を対象とする。ただし、本明細書の教示が多数の異なる方法で適用され得ることは、当業者には容易に認識されよう。説明する実装形態は、動いている(ビデオなど)か、動いていない(静止画像など)かにかかわらず、および、テキストであるか、グラフィックであるか、絵であるかにかかわらず、画像を表示するように構成され得る、任意のデバイス、装置、またはシステムにおいて実施され得る。より詳細には、説明する実装形態は、限定はしないが、携帯電話、マルチメディアインターネット対応セルラー電話、モバイルテレビジョン受信機、ワイヤレスデバイス、スマートフォン、Bluetooth(登録商標)デバイス、携帯情報端末(PDA)、ワイヤレス電子メール受信機、ハンドヘルドまたはポータブルコンピュータ、ネットブック、ノートブック、スマートブック、タブレット、プリンタ、コピー機、スキャナ、ファクシミリデバイス、全地球測位システム(GPS)受信機/ナビゲータ、カメラ、デジタルメディアプレーヤ(MP3プレーヤなど)、カムコーダ、ゲーム機、腕時計、時計、計算機、テレビジョンモニタ、フラットパネルディスプレイ、電子リーディングデバイス(電子リーダーなど)、コンピュータモニタ、自動ディスプレイ(オドメーターディスプレイ、および速度計ディスプレイなどを含む)、コックピットコントロールおよび/またはディスプレイ、カメラビューディスプレイ(車両中のリアビューカメラのディスプレイなど)、電子写真、電子ビルボードまたは標示、プロジェクタ、アーキテクチャ構造物、電子レンジ、冷蔵庫、ステレオシステム、カセットレコーダまたはプレーヤ、DVDプレーヤ、CDプレーヤ、VCR、ラジオ、ポータブルメモリチップ、洗濯機、乾燥機、洗濯機/乾燥機、パーキングメーター、パッケージング(マイクロ電気機械システム(MEMS)適用例を含む電気機械システム(EMS)適用例、ならびに、非MEMS適用例におけるものなど)、審美構造物(1つの宝飾品または衣類上の画像のディスプレイなど)、ならびに様々なEMSデバイスなど、様々な電子デバイス中に含まれるか、またはそれに関連付けられ得ることが企図される。本明細書の教示はまた、限定はしないが、電子スイッチングデバイス、無線周波フィルタ、センサ、加速度計、ジャイロスコープ、動き感知デバイス、磁力計、コンシューマーエレクトロニクスのための慣性構成要素、コンシューマーエレクトロニクス製品の部品、バラクタ、液晶デバイス、電気泳動デバイス、駆動方式、製造プロセス、および電子テスト機器など、非ディスプレイ適用例においても使用され得る。したがって、本教示は、単に図に示す実装形態に限定されることを意図しておらず、代わりに、当業者に直ちに明らかになるであろう広い適用性を有する。
【0030】
ディスプレイエネルギー効率を向上させると同時に、画像フレームを忠実に再生するために表示される必要のないサブフレームを識別し、次いで、場合によってはそのようなサブフレームを表示するために使用されるであろう時間を他の目的のために再割振りすることによって、向上した画像品質をなお提供することができる。特に、ディスプレイは、ディスプレイ中に含まれるすべての光変調器が非透過状態になるサブフレームを表示する必要がない。そのようなサブフレームを、本明細書では「暗サブフレーム」と呼ぶ。いくつかの実装形態では、暗サブフレームはまた、ディスプレイ中の実質的にすべての光変調器が非透過状態になるサブフレームを含み得る。そのような暗サブフレームを表示できないことで、画像品質は実質的に低下せず、実際には、ディスプレイのコントラスト比を高めることができる。
【0031】
集積された時間は、いくつかの方法で使用され得る。いくつかの実装形態では、集積された時間は、1つまたは複数のサブフレームがバックライトまたはフロントライトなどのディスプレイ光源によって照明される時間量を増加させ、それによって、光源が照明される必要のある強度を低下させるために使用され得る。いくつかの他の実装形態では、集積された時間は、画像フレームのために割り振られた表示時間中にサブフレームを2回以上表示するために使用され得る。いくつかの他の実装形態では、集積された時間は、場合によってはまったく表示されていなかったであろうサブフレームを表示するために使用され得る。さらにいくつかの他の実装形態では、その時間は、ディスプレイドライバがより低いスルーレートを使用して動作して、電力消費を低減することを可能にするために使用され得る。
【0032】
本開示で説明する主題の特定の実装形態は、以下の潜在的な利点のうちの1つまたは複数を実現するように実装され得る。暗サブフレームをディスプレイにロードし、そのような暗サブフレームを照明することをスキップすることで、ディスプレイのエネルギー効率および画像品質が向上する。場合によっては暗サブフレームをロードおよび照明する際に費やされるであろう時間を集積し、そのような時間を使用して、残りのサブフレームを表示するか、またはいくつかの実装形態では、追加のサブフレームを表示することによって、追加のエネルギー効率および/または画像品質利得が得られる。たとえば、集積された時間を、より長い持続時間にわたって他のサブフレームを表示するために再割振りすることで、ディスプレイ光源が、より低い強度で、その電力曲線上のより効率的なポイントで動作することが可能になる。集積された時間を使用して、より高く重み付けされたサブフレームを、画像フレームを表示するために割り振られた時間中に複数回表示することで、フリッカーアーティファクト、およびいくつかの場合には色割れ(CBU:color break up)アーティファクトをも低減することができる。集積された時間を、場合によってはまったく表示されていなかったであろう、より低く重み付けされたサブフレームに割り振ることで、ディスプレイが、画像フレームのために生成する色においてより高い粒度を提供することが可能になる。追加の時間を、データドライバがより低いスルーレートで1つまたは複数のサブフレームのためにディスプレイをアドレス指定するために割り振ることで、低減されたドライバ電力消費を提供することができる。
【0033】
図1Aは、例示的な直視型MEMS方式ディスプレイ装置100の概略図を示している。ディスプレイ装置100は、行および列に配列された複数の光変調器102a〜102d(全体として「光変調器102」)を含む。ディスプレイ装置100において、光変調器102aおよび102dは開状態にあり、光を通させる。光変調器102bおよび102cは閉状態にあり、光の通過を妨げる。光変調器102a〜102dの状態を選択的にセットすることによって、ディスプレイ装置100は、1つのランプまたは複数のランプ105で照射された場合、バックライト付きディスプレイ用の画像104を形成するのに利用することができる。別の実装形態では、装置100は、装置の前面から発する周辺光の反射によって、画像を形成することができる。別の実装形態では、装置100は、ディスプレイの前面に配置された1つのランプまたは複数のランプからの光の反射によって、すなわちフロントライトを使用して、画像を形成することができる。
【0034】
いくつかの実装形態では、各光変調器102は、画像104中の画素106に対応する。いくつかの他の実装形態では、ディスプレイ装置100は、複数の光変調器を利用して、画像104中の画素106を形成することができる。たとえば、ディスプレイ装置100は、3つの色固有の光変調器102を含み得る。特定の画素106に対応する色固有の光変調器102のうちの1つまたは複数を選択的に開くことによって、ディスプレイ装置100は、画像104中のカラー画素106を生成することができる。別の例では、ディスプレイ装置100は、画像104中のルミナンスレベルを提供するために、画素106ごとに2つ以上の光変調器102を含む。画像に関して、「画素」は、画像の解像度によって定義される最も小さいピクチャ要素に対応する。ディスプレイ装置100の構造構成要素に関して、「画素」という用語は、画像の単一画素を形成する光を変調するのに使用される、機械構成要素と電気構成要素との組合せを指す。
【0035】
ディスプレイ装置100は、投影型アプリケーションで通常見出される結像光学素子を含まなくてよいという点で、直視型ディスプレイである。投影型ディスプレイでは、ディスプレイ装置の表面に形成される画像は、スクリーンまたは壁に投影される。ディスプレイ装置は、投影画像よりもかなり小さい。直視型ディスプレイでは、ユーザは、光変調器を含み、場合によってはディスプレイ上で見られる輝度および/またはコントラストを増強するためのバックライトまたはフロントライトを含むディスプレイ装置を直接見ることによって、画像を見る。
【0036】
直視型ディスプレイは、透過モードまたは反射モードのいずれかで動作し得る。透過型ディスプレイでは、光変調器は、ディスプレイの後ろに配置された1つのランプまたは複数のランプから発する光をフィルタリングし、または選択的に遮断する。場合によっては、各画素を均一に照明できるように、ランプからの光は、光ガイドまたは「バックライト」に注入される。透過直視型ディスプレイは、光変調器を含む一方の基板がバックライトのすぐ上に配置されるサンドイッチアセンブリ配列を円滑にするように、透明基板またはガラス基板の上に構築されることが多い。
【0037】
各光変調器102は、シャッター108および開口109を含むことができる。画像104中の画素106を照明するために、シャッター108は、見ている人に向かって光が開口109を通るように配置される。画素106を未点灯のまま保つために、シャッター108は、光が開口109を通過するのを妨げるように配置される。開口109は、各光変調器102中の反射材料または光吸収材料を通じてパターニングされた開口部によって画定される。
【0038】
ディスプレイ装置は、シャッターの移動を制御するための、基板と、光変調器とに接続された制御マトリクスも含む。制御マトリクスは、画素の行ごとに、少なくとも1つの書込み許可相互接続110(「スキャンライン相互接続」とも呼ばれる)と、各画素列に対する1つのデータ相互接続112と、すべての画素に、または少なくとも、ディスプレイ装置100中の複数の列と複数の行の両方にある画素に共通電圧を与える1つの共通相互接続114とを含む、一連の電気相互接続(相互接続110、112および114など)を含む。適切な電圧(「書込み許可電圧、V
WE」)の印加に応じて、所与の画素行に対する書込み許可相互接続110は、行中の画素を、新規シャッター移動命令を受諾するように準備する。データ相互接続112は、新規移動命令を、データ電圧パルスの形で伝達する。データ相互接続112に印加されるデータ電圧パルスは、いくつかの実装形態において、シャッターの静電的な移動に直接寄与する。いくつかの他の実装形態では、データ電圧パルスは、トランジスタ、または、データ電圧よりも通常、規模が高い別個の作動電圧の、光変調器102への印加を制御する他の非線形回路要素などの、スイッチを制御する。次いで、これらの作動電圧を印加した結果、シャッター108の静電駆動移動が生じる。
【0039】
図1Bは、例示的なホストデバイス120(すなわち、セルフォン、スマートフォン、PDA、MP3プレーヤ、タブレット、電子リーダー、ネットブック、ノートブックなど)のブロック図を示している。ホストデバイス120は、ディスプレイ装置128、ホストプロセッサ122、環境センサ124、ユーザ入力モジュール126、および電源を含む。
【0040】
ディスプレイ装置128は、複数のスキャンドライバ130(「書込み許可電圧源」とも呼ばれる)、複数のデータドライバ132(「データ電圧源」とも呼ばれる)、コントローラ134、共通ドライバ138、ランプ140〜146、ランプドライバ148、および、
図1Aに示す光変調器102などのディスプレイ要素のアレイ150を含む。スキャンドライバ130は、スキャンライン相互接続110に書込み許可電圧を印加する。データドライバ132は、データ相互接続112にデータ電圧を印加する。
【0041】
ディスプレイ装置のいくつかの実装形態において、データドライバ132は、特に画像104のルミナンスレベルがアナログ方式で導出されるべきである場合、ディスプレイ要素のアレイ150にアナログデータ電圧を提供するように構成される。アナログ動作において、光変調器102は、ある範囲の中間電圧がデータ相互接続112を通して印加されると、シャッター108における、ある範囲の中間開状態が生じ、その結果、画像104におけるある範囲の中間照明状態すなわちルミナンスレベルが生じるように設計される。他の場合には、データドライバ132は、2つ、3つまたは4つのデジタル電圧レベルの縮小セットのみをデータ相互接続112に印加するように構成される。これらの電圧レベルは、デジタル方式で、シャッター108の各々に対して、開状態、閉状態、または他の不連続状態(discrete state)をセットするように設計される。
【0042】
スキャンドライバ130およびデータドライバ132は、デジタルコントローラ回路134(「コントローラ134」とも呼ばれる)に接続される。コントローラはデータを、行および画像フレームでグルーピングされた所定のシーケンスに編成されて、ほぼ直列方式でデータドライバ132に送る。データドライバ132は、直列並列データコンバータと、レベルシフティングと、一部のアプリケーション向けにはデジタルアナログ電圧コンバータとを含み得る。
【0043】
ディスプレイ装置は、場合によっては、共通電圧源とも呼ばれる1組の共通ドライバ138を含む。いくつかの実装形態において、共通ドライバ138は、たとえば、一連の共通相互接続114に電圧を供給することによって、ディスプレイ要素のアレイ150内のすべてのディスプレイ要素にDC共通電位を提供する。いくつかの他の実装形態では、共通ドライバ138は、コントローラ134からのコマンドに従って、ディスプレイ要素のアレイ150に対し電圧パルスまたは信号、たとえば、アレイ150の複数の行および列中のすべてのディスプレイ要素の同時作動を駆動および/または開始することが可能であるグローバル作動パルスを出す。
【0044】
異なるディスプレイ機能のためのドライバ(スキャンドライバ130、データドライバ132、および共通ドライバ138など)はすべて、コントローラ134によって時間同期される。コントローラからのタイミングコマンドが、ランプドライバ148と、ディスプレイ要素のアレイ150内の特定の行の書込み許可およびシーケンシングと、データドライバ132からの電圧の出力と、ディスプレイ要素作動を可能にする電圧の出力とにより、赤、緑および青および白色ランプ(それぞれ140、142、144、および146)の照明を調整する。いくつかの実装形態では、ランプは、発光ダイオード(LED)である。
【0045】
コントローラ134は、シャッター108の各々が、新規画像104に適した照明レベルにリセットされ得るためのシーケンシングまたはアドレス指定方式を決定する。新規画像104は、周期的間隔でセットされ得る。たとえば、ビデオディスプレイの場合、カラー画像104またはビデオフレームは、10〜300ヘルツ(Hz)の範囲の周波数でリフレッシュされる。いくつかの実装形態において、アレイ150への画像フレームの設定は、交替画像フレームが、赤、緑および青など、交替する一連の色で照射されるように、ランプ140、142、144、および146の照明と同期される。それぞれの色のための画像フレームは、カラーサブフレームと呼ばれる。フィールド順次式カラー方法と呼ばれるこの方法では、カラーサブフレームが、20Hzを超過する周波数で交替される場合、人間の脳は、交替するフレーム画像を、広い連続する範囲の色を有する画像の知覚に平均する。代替実装形態では、原色をもつ4つ以上のランプが、ディスプレイ装置100において利用されてよく、赤、緑、および青以外の原色を利用する。
【0046】
ディスプレイ装置100が、開状態と閉状態との間のシャッター108のデジタル切替えのために設計されるいくつかの実装形態において、コントローラ134は、前述のように、時分割グレースケールの方法によって画像を形成する。いくつかの他の実装形態では、ディスプレイ装置100は、画素ごとに複数のシャッター108を使用することによって、グレースケールを提供することができる。
【0047】
いくつかの実装形態において、画像状態104についてのデータは、コントローラ134によって、ディスプレイ要素アレイ150に、スキャンラインとも呼ばれる個々の行の順次アドレス指定によりロードされる。シーケンス中の行すなわちスキャンラインごとに、スキャンドライバ130は、アレイ150のその行について、書込み許可相互接続110に書込み許可電圧を印加し、続いて、データドライバ132が、選択された行中の各列について、所望のシャッター状態に対応するデータ電圧を供給する。このプロセスは、アレイ150中のすべての行についてデータがロードされるまで繰り返す。いくつかの実装形態において、データローディングのための選択された行のシーケンスは、線形であり、アレイ150中の上から下に進む。いくつかの他の実装形態では、選択された行のシーケンスは、視覚的アーティファクトを最小限にするために擬似ランダム化される。また、いくつかの他の実装形態では、シーケンシングはブロックで編成され、この場合、ブロックに対して、画像状態104の特定の一部のみについてのデータが、たとえば、シーケンス中のアレイ150の5行おきにのみアドレス指定することによってアレイ150にロードされる。
【0048】
いくつかの実装形態において、アレイ150に画像データをロードするためのプロセスは、アレイ150のディスプレイ要素を作動させるプロセスとは、時間的に分離される。これらの実装形態において、ディスプレイ要素アレイ150は、アレイ150中の各ディスプレイ要素に対するデータメモリ要素を含むことができ、制御マトリクスは、メモリ要素に記憶されたデータに従って、シャッター108の同時作動を開始するためのトリガ信号を、共通ドライバ138から搬送するためのグローバル作動相互接続を含み得る。
【0049】
代替実装形態では、ディスプレイ要素のアレイ150と、ディスプレイ要素を制御する制御マトリクスとが、方形の行および列以外の構成で配列され得る。たとえば、ディスプレイ要素は、六角形アレイまたは曲線をなす行および列で配列され得る。概して、本明細書で使用するスキャンラインという用語は、書込み許可相互接続を共有する、任意の複数のディスプレイ要素を指すものである。
【0050】
ホストプロセッサ122は全般的に、ホストの動作を制御する。たとえば、ホストプロセッサ122は、ポータブル電子デバイスを制御するための汎用または専用プロセッサであり得る。ホストデバイス120内に含まれるディスプレイ装置128に対して、ホストプロセッサ122は、画像データならびにホストに関する追加データを出力する。そのような情報は、環境センサからのデータ、たとえば周辺光もしくは温度、たとえば、ホストの動作モードもしくはホストの電源に残っている電力量を含むホストに関する情報、画像データの内容に関する情報、画像データのタイプに関する情報、および/または画像モードを選択する際に使用するディスプレイ装置に関する指示を含み得る。
【0051】
ユーザ入力モジュール126は、ユーザの個人的好みをコントローラ134に直接、またはホストプロセッサ122を介して伝える。いくつかの実装形態では、ユーザ入力モジュール126は、ユーザが「色をより濃く」、「コントラストをより良好に」、「電力をより低く」、「輝度を増して」、「スポーツ」、「ライブアクション」、または「アニメーション」などの個人的好みをプログラムしているソフトウェアによって制御される。いくつかの他の実装形態では、これらの好みは、スイッチまたはダイヤルなどのハードウェアを使用して、ホストに入力される。コントローラ134への複数のデータ入力はコントローラに対し、最適な画像化特性に対応する様々なドライバ130、132、138および148にデータを提供するように指示する。
【0052】
環境センサモジュール124も、ホストデバイス120の一部として含まれ得る。環境センサモジュール124は、温度および/または周辺照明状態など、周辺環境に関するデータを受信する。センサモジュール124は、デバイスが屋内またはオフィス環境で動作しているのか、明るい昼光の中の屋外環境で動作しているのか、夜間の屋外環境で動作しているのかを区別するようにプログラムされ得る。センサモジュール124は、コントローラ134が周辺環境に応答して表示条件を最適化できるように、この情報をディスプレイコントローラ134に通信する。
【0053】
図2Aは、例示的なシャッター式光変調器200の透視図を示している。シャッター式光変調器200は、
図1Aの直視型MEMS方式ディスプレイ装置100への組込みに適している。光変調器200は、アクチュエータ204に結合されたシャッター202を含む。アクチュエータ204は、2つの別個のコンプライアント電極ビームアクチュエータ(compliant electrode beam actuator)205(「アクチュエータ205」)から形成され得る。シャッター202は、一方では、アクチュエータ205に結合する。アクチュエータ205は、表面203に対して実質的に平行である運動面における表面203の上方で、シャッター202を横方向に移動する。シャッター202の反対側は、アクチュエータ204によって加えられる力に対向する復元力を与えるスプリング207に結合する。
【0054】
各アクチュエータ205は、シャッター202をロードアンカ208に接続するコンプライアントロードビーム206を含む。ロードアンカ208は、コンプライアントロードビーム206とともに、機械的サポートとして働き、シャッター202を、表面203に近接して懸架されたまま保つ。表面203は、光を通過させるための1つまたは複数の開口穴211を含む。ロードアンカ208は、コンプライアントロードビーム206とシャッター202とを表面203に物理接続し、ロードビーム206を、バイアス電圧、一部の事例ではグランドに電気接続する。
【0055】
基板がシリコンのような不透過性のものである場合、基板204を通して穴アレイをエッチングすることによって、基板に開口穴211が形成される。基板204がガラスやプラスチックのような透明なものである場合、基板203に堆積された遮光材料の層に開口穴211が形成される。開口穴211は概して、円形、楕円、多角形、蛇行状、または形状が不規則でよい。
【0056】
各アクチュエータ205は、各ロードビーム206に隣接して配置されたコンプライアント駆動ビーム216も含む。駆動ビーム216は、一方の端部において、駆動ビーム216の間で共有される駆動ビームアンカ218に結合する。各駆動ビーム216の他端は、自由に移動する。各駆動ビーム216は、駆動ビーム216の自由端と、ロードビーム206の固定端との近くのロードビーム206に最接近するように湾曲される。
【0057】
動作時、光変調器200を組み込むディスプレイ装置は、駆動ビームアンカ218を介して駆動ビーム216に電位を印加する。第2の電位が、ロードビーム206に印加され得る。駆動ビーム216とロードビーム206との間の得られる電位差は、駆動ビーム216の自由端を、ロードビーム206の固定端の方に引き付け、ロードビーム206のシャッター端を、駆動ビーム216の固定端の方に引き付け、そうすることによって、シャッター202を、駆動アンカ218に向かって横に駆動する。コンプライアント部材206は、ビーム206および216の電位にわたる電圧が除去されたとき、ロードビーム206がシャッター202をその初期位置に押し戻すように、スプリングとして働き、ロードビーム206に蓄えられた応力を解放する。
【0058】
光変調器200などの光変調器は、電圧が除去された後にシャッターをその休止位置に戻すための、スプリングなどの受動復元力を組み込む。他のシャッターアセンブリは、「開」および「閉」アクチュエータの2種セット、ならびにシャッターを開状態または閉状態のいずれかに移動させるための「開」および「閉」電極の別個のセットを組み込むことができる。
【0059】
制御マトリクスによりシャッターおよび開口のアレイを制御して、画像が生じるようにし、多くの場合、適切なルミナンスレベルで画像を移動させるための様々な方法がある。一部のケースでは、制御は、ディスプレイの周囲にあるドライバ回路に接続された行および列相互接続の受動マトリクスアレイを用いて遂行される。他のケースでは、ディスプレイの速度、ルミナンスレベルおよび/または電力消散性能を向上させるために、切替えおよび/またはデータ記憶要素を、アレイ(いわゆるアクティブマトリクス)の各画素中に含めることが適切である。
【0060】
ディスプレイ装置100は、代替実装形態では、上述のシャッターアセンブリ200などの横方向シャッター式光変調器以外のディスプレイ要素を含む。たとえば、
図2Bは、例示的なローリングアクチュエータシャッター式光変調器220の断面図を示す。ローリングアクチュエータシャッター式光変調器220は、
図1AのMEMS方式ディスプレイ装置100の代替実装形態への組込みに適している。ローリングアクチュエータ式光変調器は、固定電極の反対側に配設され、電界の印加に伴ってシャッターとして機能するように特定の方向に移動するようにバイアスされた可動電極を含む。いくつかの実装形態では、光変調器220は、基板228と絶縁層224との間に配設された平面電極226、および、絶縁層224に取り付けられた固定端部230を有する可動電極222を含む。印加電圧がまったくない場合に、可動電極222の可動端部232は、固定端部230の方へ自由に回転して、回転状態をもたらす。電極222と電極226との間に電圧を印加すると、可動電極222は展開し、絶縁層224に横になり、それにより光が基板228を通るのを遮断するシャッターとして働く。可動電極222は、電圧が除去された後、弾性復元力によって回転状態に戻る。回転状態の方へのバイアスは、異方性応力状態を含むように可動電極222を製造することによって達成され得る。
【0061】
図2Cは、例示的な非シャッター式MEMS光変調器250の断面図を示す。光タップ変調器250は、
図1AのMEMS方式ディスプレイ装置100の代替実装形態への組込みに適している。光タップは、減衰全内部反射(TIR)の原理に従って作用する。すなわち、光252が光ガイド254にもたらされると、干渉がない状況において、光252はそのほとんどの部分について、TIRのために光ガイド254の前面または後面を通って光ガイド254を脱出することができない。光タップ250は、十分に高い屈折率を有するタップ要素256を有するので、タップ要素256が光ガイド254と接触したことに応答して、タップ要素256に隣接した光ガイド254の表面に衝突した光252は、光ガイド254を脱出してタップ要素256を通り、見ている人の方に向かい、それにより、画像の形成がもたらされる。
【0062】
いくつかの実装形態では、タップ要素256は、柔軟な透明材料のビーム258の一部として形成される。電極260は、ビーム258の一方の側の部分をコーティングする。対向する電極262が、光ガイド254上に配設される。電極260および262にわたって電圧を印加することによって、光ガイド254に対するタップ要素256の位置は、光ガイド254から光252を選択的に抽出するように制御され得る。
【0063】
図2Dは、例示的なエレクトロウェッティング式(electrowetting-based)光変調アレイ270の断面図を示す。エレクトロウェッティング式光変調アレイ270は、
図1AのMEMS方式ディスプレイ装置100の代替実装形態への組込みに適している。光変調アレイ270は、光キャビティ274上に形成された複数のエレクトロウェッティング式光変調セル272a〜d(全体として「セル272」)を含む。光変調アレイ270はまた、セル272に対応する1組のカラーフィルタ276を含む。
【0064】
各セル272は、水(または他の透明な導電性または極性の流体)278の層、光吸収オイル280の層、(たとえば、酸化インジウムスズ(ITO)から作られた)透明電極282、および光吸収オイル280の層と透明電極282との間に配置された絶縁層284を含む。本明細書で説明する実装形態では、電極はセル272の後面の一部分を占める。
【0065】
セル272の後面の残りは、光キャビティ274の前面を形成する反射開口層286から形成される。反射開口層286は、反射性金属または誘電鏡を形成する薄膜の積層などの反射性材料から形成される。セル272ごとに、光を通させるように反射開口層286中に開口が形成される。セルの電極282は、開口中に、および別の誘電体層によって分離された反射開口層286を形成する材料の上に堆積される。
【0066】
光キャビティ274の残りは、反射開口層286に近接して配置された光ガイド288、および、反射開口層286の反対側の光ガイド288の一方の側にある第2の反射層290を含む。一連の光リダイレクタ291は、光ガイドの後面上に、第2の反射層に近接して形成される。光リダイレクタ291は、拡散反射体または鏡面反射体のいずれかであり得る。LEDなどの1つまたは複数の光源292は、光ガイド288に光294を注入する。
【0067】
代替実装形態では、追加の透明基板(図示せず)が光ガイド288と光変調アレイ270との間に配置される。この実装形態では、反射開口層286は、光ガイド288の表面上ではなく追加の透明基板上に形成される。
【0068】
動作中、セル(たとえば、セル272bまたは272c)の電極282に電圧を印加すると、セル中の光吸収オイル280はセル272の1つの部分に集まる。その結果、光吸収オイル280は、反射開口層286中に形成された開口を光が通過するのを遮断しなくなる(たとえば、セル272bおよび272c参照)。次いで開口におけるバックライトを脱出した光は、セルを通り、1組のカラーフィルタ276中の対応するカラーフィルタ(たとえば、赤色、緑色または青色)を通って脱出して、画像中にカラー画素を形成することができる。電極282が接地されたとき、光吸収オイル280は、反射開口層286中の開口をカバーし、開口を通過しようとする光294を吸収する。
【0069】
電圧がセル272に印加されたときにオイル280が集まるエリアは、画像の形成に関連して廃棄空間(wasted space)を構成する。このエリアは、電圧が印加されるかまたはされないかに関係なく、透過しない。したがって、反射開口層286の反射部分を含めないことで、このエリアは、本来であれば画像の形成に寄与するために使用され得る光を吸収する。しかしながら、反射開口層286を含めることで、本来であれば吸収されているこの光は、異なる開口を通る将来の脱出のために、光ガイド288に逆反射される。エレクトロウェッティング式光変調アレイ270は、本明細書で説明するディスプレイ装置に含めるのに適した非シャッター式MEMS変調器の唯一の例ではない。他の形式の非シャッター式MEMS変調器も同様に、本開示の範囲から逸脱することなく、本明細書で説明する様々な形式のコントローラ機能によって制御され得る。
【0070】
図3Aは、例示的な制御マトリクス300の概略図を示している。制御マトリクス300は、
図1AのMEMS方式ディスプレイ装置100に組み込まれた光変調器を制御するのに適している。
図3Bは、
図3Aの制御マトリクス300に接続された例示的なシャッター式光変調器アレイ320の透視図を示している。制御マトリクス300は、画素アレイ320(「アレイ320」)をアドレス指定することができる。各画素301は、アクチュエータ303によって制御される、
図2Aのシャッターアセンブリ200などの弾性シャッターアセンブリ302を含み得る。各画素は、開口324を含む開口層322も含み得る。
【0071】
制御マトリクス300は、シャッターアセンブリ302が形成される基板304の表面に、拡散または薄膜堆積電気回路として組み立てられる。制御マトリクス300は、制御マトリクス300中の画素301の各行に対するスキャンライン相互接続306と、制御マトリクス300中の画素301の各列に対するデータ相互接続308とを含む。各スキャンライン相互接続306は、書込み許可電圧源307を、対応する画素301の行中の画素301に電気接続する。各データ相互接続308は、データ電圧源309(「V
dソース」)を、対応する画素の列中の画素301に電気接続する。制御マトリクス300中で、V
dソース309は、シャッターアセンブリ302の作動に使用されるエネルギーの大部分を提供する。このように、データ電圧源、V
dソース309は、作動電圧源としても働く。
【0072】
図3Aおよび
図3Bを参照すると、画素アレイ320中の各画素301または各シャッターアセンブリ302に対して、制御マトリクス300は、トランジスタ310とキャパシタ312とを含む。各トランジスタ310のゲートは、画素301が置かれているアレイ320中の行のスキャンライン相互接続306に電気接続される。各トランジスタ310のソースは、それに対応するデータ相互接続308に電気接続される。各シャッターアセンブリ302のアクチュエータ303は、2つの電極を含む。各トランジスタ310のドレインは、対応するキャパシタ312の1つの電極、および対応するアクチュエータ303の電極のうちの1つと並列に電気接続される。シャッターアセンブリ302内のキャパシタ312の他方の電極およびアクチュエータ303の他方の電極は、共通または接地電位に接続される。代替実装形態では、トランジスタ310は、半導体ダイオードおよび/または金属絶縁体金属サンドイッチ型スイッチ素子で置き換えることができる。
【0073】
動作時、画像を形成するために、制御マトリクス300は、各スキャンライン相互接続306にV
weを順に印加することによって、シーケンス中のアレイ320中の各行を書込み可能にする。書込み可能にされた行に対して、行中の画素301のトランジスタ310のゲートへのV
weの印加により、トランジスタ310を通してデータ相互接続308に電流が流れて、シャッターアセンブリ302のアクチュエータ303に電位が印加される。行が書込み可能にされている間、データ電圧V
dが、データ相互接続308に選択的に印加される。アナロググレースケールを与える実装形態では、各データ相互接続308に印加されるデータ電圧は、書込み可能にされたスキャンライン相互接続306とデータ相互接続308との交差に置かれた画素301の所望の輝度との関係で変えられる。デジタル制御方式を提供する実装形態では、データ電圧は、比較的低規模の電圧(すなわち、グランドに近い電圧)になるように、またはV
at(作動閾電圧)を満たし、もしくは超えるように選択される。データ相互接続308へのV
atの印加に応答して、対応するシャッターアセンブリ内のアクチュエータ303が作動し、シャッターアセンブリ302内のシャッターを開く。データ相互接続308に印加された電圧は、制御マトリクス300が行にV
weを印加するのをやめた後でも、画素301のキャパシタ312に蓄えられたままとどまる。したがって、シャッターアセンブリ302が作動するのに十分な程長い時間、行において電圧V
weを待ち、保持する必要はなく、そのような作動は、書込み許可電圧が行から除去された後も進行し得る。キャパシタ312は、アレイ320内のメモリ要素としても機能し、画像フレームの照明のために作動命令を記憶する。
【0074】
アレイ320の画素301ならびに制御マトリクス300は、基板304上に形成される。アレイ320は、基板304上に配設された開口層322を含み、開口層322は、アレイ320中のそれぞれの画素301に対する1組の開口324を含む。開口324は、各画素中のシャッターアセンブリ302と整列される。いくつかの実装形態では、基板304は、ガラスまたはプラスチックなどの透明材料から作られる。いくつかの他の実装形態では、基板304は、不透過性材料から作られるが、この場合、穴がエッチングされて開口324を形成する。
【0075】
シャッターアセンブリ302は、アクチュエータ303とともに、双安定にされ得る。すなわち、シャッターは、いずれかの位置にシャッターを保持するための電力がほとんどまたはまったく要求されることなく、少なくとも2つの均衡位置(開または閉など)に存在し得る。より具体的には、シャッターアセンブリ302は、機械的に双安定であり得る。シャッターアセンブリ302のシャッターが正しい位置でセットされると、その位置を維持するのに、電気エネルギーまたは保持電圧は要求されない。シャッターアセンブリ302の物理要素に対する機械的圧力が、シャッターを所定の場所で保持し得る。
【0076】
シャッターアセンブリ302はまた、アクチュエータ303とともに、電気的に双安定にされ得る。電気的に双安定のシャッターアセンブリでは、シャッターアセンブリの作動電圧を下回る電圧範囲が存在し、この電圧範囲は、(シャッターが開または閉のいずれかの状態で)閉アクチュエータに印加されると、シャッターに対向力が加えられたとしても、アクチュエータを閉のままに、かつシャッターを所定の位置に保持する。対向力は、
図2Aに示すシャッター式光変調器200内のスプリング207などのスプリングによって加えることができ、または対向力は、「開」もしくは「閉」アクチュエータなどの対向アクチュエータによって加えることができる。
【0077】
光変調器アレイ320は、画素ごとに単一のMEMS光変調器を有するものとして示されている。各画素中に複数のMEMS光変調器が設けられる他の実装形態も可能であり、そうすることによって、各画素中の単なる2進「オン」または「オフ」光学状態以上のものを可能にする。画素中の複数のMEMS光変調器が設けられ、光変調器の各々に関連付けられた開口324が不等面積をもつ符号化面積分割グレースケールのいくつかの形が可能である。
【0078】
いくつかの他の実装形態では、ローラー式光変調器220、光タップ250、またはエレクトロウェッティング式光変調アレイ270、ならびに他のMEMS方式光変調器が、光変調器アレイ320内のシャッターアセンブリ302の代わりに用いられ得る。
【0079】
図4Aおよび
図4Bは、例示的な二重アクチュエータシャッターアセンブリ400の図を示している。
図4Aに示す二重アクチュエータシャッターアセンブリ400は、開状態にある。
図4Bは、閉状態にある二重アクチュエータシャッターアセンブリ400を示している。シャッターアセンブリ200とは対照的に、シャッターアセンブリ400は、シャッター406の両側にアクチュエータ402および404を含む。各アクチュエータ402および404は、独立に制御される。第1のアクチュエータ、シャッター開アクチュエータ402は、シャッター406を開くのを担当する。第2の対向アクチュエータ、シャッター閉アクチュエータ404は、シャッター406を閉じるのを担当する。アクチュエータ402および404は両方とも、コンプライアントビーム電極アクチュエータである。アクチュエータ402および404は、シャッターがその上方で懸架されている開口層407に対して実質的に、平行な平面にあるシャッター406を駆動することによって、シャッター406を開閉する。シャッター406は、アクチュエータ402および404に取り付けられたアンカ408によって、開口層407の少し上方で懸架される。シャッター406の移動軸に沿って、シャッター406の両端に取り付けられたサポートを含むことにより、シャッター406の面外運動が低減され、運動を基板に対して実質的に平行な平面に閉じ込める。
図3Aの制御マトリクス300との類似性によって、シャッターアセンブリ400とともに使用するのに適した制御マトリクスは、対向するシャッター開アクチュエータ402およびシャッター閉アクチュエータ404の各々につき、1つのトランジスタおよび1つのキャパシタを含み得る。
【0080】
シャッター406は、光が通り得る2つのシャッター開口412を含む。開口層407は、3つの開口409からなるセットを含む。
図4Aにおいて、シャッターアセンブリ400は開状態にあり、したがって、シャッター開アクチュエータ402は作動しており、シャッター閉アクチュエータ404はその弛緩位置にあり、かつシャッター開口412の中心線が開口層の開口409のうちの2つの中心線と一致する。
図4Bにおいてシャッターアセンブリ400は閉状態に移されており、したがって、シャッター開アクチュエータ402はその弛緩位置にあり、シャッター閉アクチュエータ404は作動しており、かつシャッター406の遮光部分はこのとき、開口409(点線として示す)を通る光の透過を遮断するための所定の位置にある。
【0081】
各開口は、その周囲に、少なくとも1つの辺をもつ。たとえば、方形開口409は、4つの辺をもつ。円形、楕円、卵型、または他の湾曲開口が開口層407に形成される代替実装形態では、各開口は、単一辺のみを有し得る。いくつかの他の実装形態では、開口は、数学的な意味において分離され、または独立する必要はなく、連結されてよい。すなわち、開口の一部または成形断面が、各シャッターとの対応を維持し得る間、これらのセクションのいくつかは、開口の単一の連続外周が複数のシャッターによって共有されるように連結され得る。
【0082】
様々な出口角をもつ光を、開状態にある開口412および409に通すために、開口層407中の開口409の対応する幅またはサイズよりも大きい幅またはサイズをシャッター開口412に与えることが有利である。閉状態において光が漏れるのを効果的に阻止するために、シャッター406の遮光部分が開口409と重なるのが好ましい。
図4Bは、シャッター406内の遮光部分の辺と、開口層407内に形成される開口409の1つの辺との間の所定の重複416を示す。
【0083】
静電アクチュエータ402および404は、その電圧変位挙動により、シャッターアセンブリ400に双安定特性が与えられるように設計される。シャッター開アクチュエータおよびシャッター閉アクチュエータの各々について、作動電圧を下回る電圧範囲が存在し、この電圧範囲は、そのアクチュエータが閉状態である(シャッターは開または閉のいずれかである)間に印加されると、対向アクチュエータに作動電圧が印加された後でも、アクチュエータを閉のままに、かつシャッターを所定の位置に保持する。そのような対向力に対してシャッターの位置を維持するのに必要とされる最小電圧は、維持電圧V
mと呼ばれる。
【0084】
図5は、シャッター式光変調器(シャッターアセンブリ)502を組み込んだ例示的なディスプレイ装置500の断面図を示している。各シャッターアセンブリ502は、シャッター503とアンカ505とを組み込んでいる。アンカ505とシャッター503との間で接続されると、表面の少し上でシャッター503を懸架するのを助けるコンプライアントビームアクチュエータについては図示していない。シャッターアセンブリ502は、プラスチックまたはガラスで作られた基板など、透明基板504上に配設される。基板504上に配設された後ろ向き反射層、反射膜506が、シャッターアセンブリ502のシャッター503の閉位置の下に置かれた複数の表面開口508を画定する。反射膜506は、表面開口508を通らない光を、ディスプレイ装置500の後ろに向かって逆反射する。反射開口層506は、スパッタリング、蒸着、イオンめっき、レーザアブレーション、または化学気相堆積(CVD)を含むいくつかの気相堆積技法によって薄膜方式で形成された含有物をもたない微粒金属膜であり得る。いくつかの他の実装形態では、後ろ向き反射層506は、誘電鏡などの鏡から形成され得る。誘電鏡は、高および低屈折率の材料を交互に繰り返す誘電薄膜の積層として作製され得る。シャッターが自由に移動する反射膜506からシャッター503を分離する垂直ギャップは、0.5〜10ミクロンの範囲内である。垂直ギャップの規模は、
図4Bに示す重複416など、閉状態における、シャッター503の辺と、開口508の辺との間の横の重複よりも小さいことが好ましい。
【0085】
ディスプレイ装置500は、基板504を平面光ガイド516から分離する随意のディフューザ512および/または随意の輝度増強膜514を含む。光ガイド516は、透明材料、すなわちガラス材料またはプラスチック材料を含む。光ガイド516は、1つまたは複数の光源518によって照射され、バックライトを形成する。光源518は、たとえば、限定はしないが、白熱電球、蛍光灯、レーザ、または発光ダイオード(LED)でよい。反射体519は、ランプ518から光ガイド516に光を向けるのを助ける。前向き反射膜520が、バックライト516の後ろに配設され、シャッターアセンブリ502に向かって光を反射する。シャッターアセンブリ502のうちの1つを通らない、バックライトからの光線521などの光線は、バックライトに戻され、膜520から再度反射される。この方式において、第1のパス上に画像を形成するためにディスプレイ装置500を離れることができない光は、リサイクルし、シャッターアセンブリ502のアレイ中の他の開いた開口の透過のために利用可能にすることができる。そのような光リサイクルは、ディスプレイの照明効率を上げることがわかっている。
【0086】
光ガイド516は、ランプ518から開口508の方に、したがってディスプレイの前面の方に光を向け直す1組の幾何学的光リダイレクタまたはプリズム517を含む。光リダイレクタ517は、交替で断面が三角形、台形になる、または湾曲することができる形状をもつ光ガイド516のプラスチック本体内に成形することができる。プリズム517の密度は概して、ランプ518からの距離とともに増大する。
【0087】
いくつかの実装形態では、開口層506は、光吸収材料で作ることができ、代替実装形態では、シャッター503の表面は、光吸収材料または光反射材料のいずれかでコーティングすることができる。いくつかの他の実装形態では、開口層506は、光ガイド516の表面に直接堆積され得る。いくつかの実装形態では、開口層506は、(後で説明するMEMSダウン構成の場合のように)シャッター503およびアンカ505と同じ基板上に配設される必要はない。
【0088】
いくつかの実装形態では、光源518は、異なる色、たとえば、赤色、緑色、および青色のランプを含み得る。人間の脳が、異なる色の画像を単一の多色画像に平均するのに十分なレートで、異なる色のランプで画像を連続して照明することによって、カラー画像が形成され得る。様々な色固有画像が、シャッターアセンブリ502のアレイを使用して形成される。別の実装形態では、光源518は、4つ以上の異なる色を有するランプを含む。たとえば、光源518は、赤色、緑色、青色および白色ランプ、または赤色、緑色、青色および黄色ランプを有し得る。いくつかの他の実装形態では、光源518は、シアン色、マゼンタ色、黄色および白色ランプ、または赤色、緑色、青色および白色ランプを含み得る。いくつかの他の実装形態では、追加のランプが光源518に含まれ得る。たとえば、5つの色を使用する場合、光源518は、赤色、緑色、青色、シアン色および黄色ランプを含み得る。いくつかの他の実装形態では、光源518は、白色、オレンジ色、青色、紫色および緑色ランプ、または白色、青色、黄色、赤色およびシアン色ランプを含み得る。6つの色を使用する場合、光源518は、赤色、緑色、青色、シアン色、マゼンタ色および黄色ランプ、または白色、シアン色、マゼンタ色、黄色、オレンジ色および緑色ランプを含み得る。
【0089】
カバープレート522は、ディスプレイ装置500の前面を形成する。カバープレート522の後ろ側は、コントラストを増すために、ブラックマトリクス524でカバーされ得る。代替実装形態では、カバープレートは、カラーフィルタ、たとえば、シャッターアセンブリ502のうちの異なるものに対応する、固有の赤色、緑色、および青色フィルタを含む。カバープレート522は、シャッターアセンブリ502から所定の距離だけ離れて支えられ、ギャップ526を形成する。ギャップ526は、機械的サポートもしくはスペーサ527によって、および/またはカバープレート522を基板504に付着させる粘着シール528によって維持される。
【0090】
粘着シール528は、流体530を封じ込める。流体530は、好ましくは約10センチポアズを下回る粘度、好ましくは約2.0を上回る比誘電率、および約10
4V/cmを上回る絶縁破壊強度で工作される。流体530は、潤滑剤としても働き得る。いくつかの実装形態では、流体530は、高い表面湿潤性をもつ疎水性液体である。代替実装形態では、流体530は、基板504の屈折率よりも大きい、または小さい屈折率を有する。
【0091】
機械的光変調器を組み込んだディスプレイは、数百、数千、または場合によっては数百万の可動要素を含み得る。いくつかのデバイスでは、要素が移動するたびに、静止摩擦が要素のうちの1つまたは複数を無効にする可能性がある。この移動は、(流体530とも呼ばれる)流体にすべての部品を浸し、MEMSディスプレイセルの流体空間またはギャップ内に(接着剤でなど)流体を密閉することによって、促進される。流体530は通常、摩擦係数が低く、粘度が低く、長期的に劣化の影響が最小である。MEMS方式ディスプレイアセンブリが流体530用に液体を含むとき、液体は少なくとも部分的に、MEMS方式光変調器の可動部のうちのいくつかを囲む。いくつかの実装形態では、作動電圧を下げるために、液体は、70センチポアズを下回る粘度を有する。いくつかの他の実装形態では、液体は、10センチポアズを下回る粘度を有する。70センチポアズを下回る粘度をもつ液体は、4000グラム/モルを下回るか、または場合によっては400グラム/モルを下回る低分子量を有する材料を含み得る。そのような実装形態にも好適であり得る流体530は、限定はしないが、脱イオン水、メタノール、エタノールおよび他のアルコール、パラフィン、オレフィン、エーテル、シリコーンオイル、フッ化シリコーンオイル、または他の天然もしくは合成の溶剤もしくは潤滑剤を含む。有用な流体は、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、たとえば、ヘキサメチルジシロキサンおよびオクタメチルトリシロキサン、またはアルキルメチルシロキサン、たとえば、ヘキシルペンタメチルジシロキサン(hexylpentamethyldisiloxane)であり得る。有用な流体はアルカン、たとえば、オクタンまたはデカンであり得る。有用な流体はニトロアルカン、たとえば、ニトロメタンであり得る。有用な流体は芳香族化合物、たとえば、トルエンまたはジエチルベンゼンであり得る。有用な流体はケトン、たとえば、ブタノンまたはメチルイソブチルケトンであり得る。有用な流体はクロロカーボン、たとえば、クロロベンゼンであり得る。有用な流体はクロロフルオロカーボン、たとえば、ジクロロフルオロエタンまたはクロロトリフルオロエチレンであり得る。これらのディスプレイアセンブリについて考えられる他の流体には、酢酸ブチルおよびジメチルホルムアミドが含まれる。これらのディスプレイについてのさらに他の有用な流体には、ハイドロフルオロエーテル、ペルフルオロポリエーテル、ハイドロフルオロポリエーテル、ペンタノール、およびブタノールが含まれる。例示的な適切なハイドロフルオロエーテルには、エチルノナフルオロブチルエーテルおよび2-トリフルオロメチル-3-エトキシドデカフルオロヘキサン(2-trifluoromethyl-3-ethoxydodecafluorohexane)が含まれる。
【0092】
板金または成形プラスチックアセンブリブラケット532は、カバープレート522と、基板504と、バックライトと、他の構成要素部とを合わせて、辺の周りに保持する。アセンブリブラケット532は、複合ディスプレイ装置500に剛性を加えるために、ねじまたは刻みタブ(indent tab)で固定される。いくつかの実装形態では、光源518は、エポキシポッティング化合物によって、所定の場所に成形される。反射体536は、光ガイド516の辺から漏れた光を光ガイド516に戻すのを助ける。シャッターアセンブリ502およびランプ518に制御信号ならびに電力を与える電気相互接続は、
図5に示していない。
【0093】
いくつかの他の実装形態では、
図2A〜
図2Dに示すように、ローラー式光変調器220、光タップ250、またはエレクトロウェッティング式光変調アレイ270、ならびに他のMEMS方式光変調器が、ディスプレイ装置500内のシャッターアセンブリ502の代わりに用いられ得る。
【0094】
ディスプレイ装置500は、MEMSアップ構成と呼ばれ、MEMS方式光変調器が、基板504の前面、すなわち見ている人の方を向く表面上に形成される。シャッターアセンブリ502は、反射開口層506のすぐ上に構築される。MEMSダウン構成(MEMS-down configuration)と呼ばれる代替実装形態では、シャッターアセンブリは、反射開口層が形成される基板とは別個の基板上に配設される。複数の開口を画定する反射開口層が形成される基板は、本明細書では、開口プレートと呼ばれる。MEMSダウン構成において、MEMS方式光変調器を収容する基板は、ディスプレイ装置500におけるカバープレート522に取って代わり、上部基板の後面、すなわち見ている人に背を向けて、光ガイド516の方を向く表面にMEMS方式光変調器が配置されるように配向される。MEMS方式光変調器は、そうすることによって、反射開口層506からのギャップに直接対向して、かつギャップにわたって配置される。ギャップは、開口プレートと、MEMS変調器が形成される基板とを接続する、一連のスペーサポストによって維持され得る。いくつかの実装形態では、スペーサは、アレイ中の各画素内に、または各画素間に配設される。MEMS光変調器を、それらの対応する開口から分離するギャップまたは距離は、好ましくは10ミクロン未満、または重複416など、シャッターと開口との間の重複よりも小さい距離である。
【0095】
図6は、ディスプレイのMEMSダウン構成において使用するための、例示的な光変調器基板および例示的な開口プレートの断面図を示す。ディスプレイアセンブリ600は、変調器基板602と開口プレート604とを含む。ディスプレイアセンブリ600はまた、シャッターアセンブリ606および反射開口層608のセットを含む。反射開口層608は、開口610を含む。変調器基板602と開口プレート604との間の所定のギャップまたは分離は、スペーサ612および614の対向セットによって維持される。スペーサ612は、変調器基板602上に、または変調器基板602の一部として形成される。スペーサ614は、開口プレート604上に、または開口プレート604の一部として形成される。アセンブリ中に、2つの基板602および604は、変調器基板602上のスペーサ612がそれらのそれぞれのスペーサ614と接触するように、整合される。
【0096】
この例示的な例の分離または距離は、8ミクロンである。この分離を確立するために、スペーサ612は2ミクロンの高さであり、スペーサ614は6ミクロンの高さである。代替的に、スペーサ612と614の両方が、4ミクロンの高さであってもよく、または、スペーサ612が6ミクロンの高さであり得ると同時に、スペーサ614が2ミクロンの高さである。実際は、スペーサの全高が所望の分離H12を確立する限り、スペーサ高さの任意の組合せが用いられ得る。
【0097】
スペーサを基板602と604の両方の上に設け、次いでアセンブリ中にそれらが整合または嵌合されることは、材料および処理コストに関する利点を有する。8ミクロンよりも大きいスペーサなど、極めて高いスペーサを設けることは、フォトイメージ可能なポリマーの硬化、露光、および現像のために比較的長い時間を必要とし得るので、コストがかかり得る。ディスプレイアセンブリ600の場合のような嵌合するスペーサの使用は、基板の各々上のより薄いポリマーのコーティングの使用を可能にする。
【0098】
別の実装形態では、変調器基板602上に形成されるスペーサ612は、シャッターアセンブリ606を形成するために使用された同じ材料およびパターニングブロックから形成され得る。たとえば、シャッターアセンブリ606のために用いられたアンカもまた、スペーサ612と同様の機能を実行することができる。この実装形態では、スペーサを形成するためのポリマー材料の別個の塗布は必要とされず、またスペーサのための別個の露光マスクは必要とされない。
【0099】
図7は、例示的なディスプレイ装置700のブロック図を示している。ディスプレイ装置700は、ホストデバイス702とディスプレイモジュール704とを含む。ホストデバイスは、携帯電話、スマートフォン、タブレットコンピュータ、ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータ、テレビ、セットトップボックス、DVDもしくは他のメディアプレーヤ、または、グラフィカル出力をディスプレイデバイスに提供する任意の他のデバイスを含む、いくつかの電子デバイスのいずれかであり得る。一般に、ホストデバイス702は、ディスプレイ
モジュール704上で表示されるべき画像データのためのソースとして働く。
【0100】
ディスプレイモジュール704は、制御論理706と、フレームバッファ708と、ディスプレイ要素のアレイ710と、ディスプレイドライバ712と、バックライト714とをさらに含む。一般に、制御論理706は、ホストデバイス702から受信された画像データを処理するように働き、画像データ中で符号化される画像を一緒に生じるように、ディスプレイドライバ712と、ディスプレイ要素のアレイ710と、バックライト714とを制御する。
【0101】
いくつかの実装形態では、
図7に示すように、制御論理706の機能は、マイクロプロセッサ716とブリッジチップ718との間で分割される。いくつかの実装形態では、ブリッジチップ718は、特定用途向け集積回路(ASIC)など、集積回路論理デバイス中で実装される。いくつかの実装形態では、マイクロプロセッサ716は、制御論理706の画像処理機能のすべてまたは実質的にすべて、ならびに、ディスプレイモジュール704が受信された画像を生成するために使用するための適切な出力シーケンスを判断することを実行するように構成される。たとえば、マイクロプロセッサ716は、受信された画像データ中に含まれる画像フレームを、画像サブフレームのセットに変換するように構成され得る。各画像サブフレームは、色と重みとに関連付けられ、ディスプレイ要素のアレイ710中のディスプレイ要素の各々の所望の状態を含む。マイクロプロセッサはまた、所与の画像フレームを生じるために表示するための画像サブフレームの数と、画像サブフレームが表示されるべきである順序と、画像サブフレームの各々のための適切な重みを実装することに関連付けられたパラメータとを判断するようにも構成され得る。これらのパラメータは、様々な実装形態では、それぞれの画像サブフレームの各々が照明されるべきである持続時間と、そのような照明の強度とを含み得る。これらのパラメータ(すなわち、サブフレームの数、それらの出力の順序およびタイミング、ならびに、各サブフレームのためのそれらの重み実装パラメータ)は、「出力シーケンス」と総称され得る。
第1の色の2つの追加のサブフレームと、他の色のためのただ1つの追加のサブフレームとを追加し、または、他の色のための追加のサブフレームを追加しない。
【0102】
対照的に、ブリッジチップ718は、ディスプレイモジュール704のよりルーチン的な動作を実行するように主に構成される。それらの動作は、フレームバッファ708から画像サブフレームを取り出すことと、取り出された画像サブフレーム、およびマイクロプロセッサ716によって判断された出力シーケンスに応答して、制御信号をディスプレイドライバ712およびバックライト714に出力することとを含み得る。フレームバッファ708は、DRAM、高速キャッシュメモリ、またはフラッシュメモリなど、任意の揮発性または不揮発性集積回路メモリであり得る。いくつかの他の実装形態では、ブリッジチップ718は、データ信号をディスプレイドライバ712に直接出力することを、フレームバッファ708に行わせる。制御論理706の機能について、
図8〜
図13に関して以下でさらに説明する。
【0103】
いくつかの他の実装形態では、マイクロプロセッサ716およびブリッジチップ718の機能は、単一の論理デバイスに結合され、単一の論理デバイスは、マイクロプロセッサ、ASIC、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、または他のプログラマブル論理デバイスの形態をとり得る。いくつかの他の実装形態では、マイクロプロセッサ716およびブリッジチップ718の機能は、1つまたは複数のマイクロプロセッサ、ASIC、FPGA、デジタル信号プロセッサ(DSP)、または他の論理デバイスを含む、複数の論理デバイス間で、他の方法で分割され得る。
【0104】
ディスプレイ要素のアレイ710は、EMS光変調器のアレイを含み得る。いくつかの実装形態では、ディスプレイ要素は、
図4Aまたは
図4Bに示したものと同様のMEMSシャッター式光変調器である。いくつかの他の実装形態では、ディスプレイ要素は、時分割グレースケール画像形成プロセスとともに使用するために構成された、液晶光変調器、他のタイプのEMS方式光変調器、または、OLEDエミッタなどの発光体を含む、他の形態の光変調器であり得る。
【0105】
ディスプレイドライバ712は、ディスプレイ要素のアレイ710中のディスプレイ要素を制御するために使用される特定の制御マトリクスに応じて、様々なドライバを含み得る。いくつかの実装形態では、ディスプレイドライバ712は、すべて
図1Bに示した、スキャンドライバ130と同様の複数のスキャンドライバと、データドライバ132と同様の複数のデータドライバと、共通ドライバ138と同様の共通ドライバのセットとを含む。上記で説明したように、スキャンドライバは、書込み許可電圧をディスプレイ要素の行に出力するが、データドライバは、データ信号をディスプレイ要素の列に沿って出力する。共通ドライバは、ディスプレイ要素の複数の行および複数の列中のディスプレイ要素に、信号を出力する。
【0106】
いくつかの実装形態では、特に、より大きいディスプレイモジュール704では、ディスプレイ要素のアレイ710中のディスプレイ要素を制御するために使用される制御マトリクスは、複数の領域にセグメント化される。たとえば、
図7に示すディスプレイ要素のアレイ710は、4象限にセグメント化される。別個のセットのディスプレイドライバ712が、各象限に結合される。ディスプレイをこのようにしてセグメントに分割することで、ディスプレイドライバによって出力された信号が、所与のドライバに結合された最も遠いディスプレイ要素に到達するために必要とされる伝搬時間が低減され、それによって、ディスプレイをアドレス指定するために必要とされる時間が減る。そのようなセグメント化はまた、利用されるドライバの電力要件を低減することもできる。
【0107】
図7に示すように、ディスプレイドライバ712は、ディスプレイ要素がその上に形成されるガラス基板に直接結合される。そのような実装形態では、ドライバは、チップオングラス構成を使用して構築される。いくつかの他の実装形態では、ドライバは、別個の回路板上に構築され、ドライバの出力は、たとえば、フレックスケーブルまたは他の配線を使用して基板に結合される。
【0108】
バックライト714は、光ガイドと、1つまたは複数の光源(LEDなど)と、光源ドライバとを含む。光源は、赤色、緑色、青色、および、いくつかの実装形態では白色など、複数の原色の光源を含む。光源ドライバは、光源を複数の個別の光源レベルに個々に駆動して、バックライトにおける照明グレースケールおよび/またはコンテンツ適応型バックライト制御(CABC:content adaptive backlight control)を可能にするように構成される。光ガイドは、光源によって出力された光を、ディスプレイ要素のアレイ710の下で実質的に均等に分配する。いくつかの他の実装形態では、たとえば、反射性ディスプレイ要素を含むディスプレイでは、ディスプレイ装置700は、バックライトの代わりに、フロントライトまたは他の形態の照明を含み得る。そのような代替光源の照明は、コンテンツ適応型制御機能を組み込む照明グレースケールプロセスに従って、同様に制御され得る。説明を容易にするために、本明細書で説明する表示プロセスについて、バックライトの使用に関して説明する。ただし、そのようなプロセスがまた、フロントライトまたは他の同様の形態のディスプレイ照明とともに使用するためにも適合され得ることは、当業者には理解されよう。
【0109】
図8は、
図7に示すディスプレイ装置700において使用するのに好適な例示的な制御論理800のブロック図を示している。より詳細には、
図8は、マイクロプロセッサ716によって実行される機能モジュールのブロック図を示している。各機能モジュールは、マイクロプロセッサ716によって実行され得る、有形のコンピュータ可読媒体上に記憶されたコンピュータ実行可能命令の形態において、ソフトウェアとして実装され得る。制御論理800は、サブフィールド導出論理804と、サブフレーム生成論理806と、コードワードルックアップテーブル(LUT)807と、暗サブフレーム検出論理808と、出力シーケンス選択論理810とを含む。
図8では別々の機能モジュールとして示すが、いくつかの実装形態では、モジュールのうちの2つ以上の機能が、1つまたは複数のより大きい、より包括的なモジュールに結合され得る。
【0110】
マイクロプロセッサ716によって実行されるとき、制御論理800の構成要素は、ブリッジチップ718、ディスプレイドライバ712、およびバックライト714(すべて
図7に図示)とともに、ディスプレイ上で画像を生成するための方法を実行するように機能する。
図9は、そのような方法のフロー図である。
【0111】
図9は、ディスプレイ上で画像を生成するための例示的な方法900のフロー図を示している。方法900は、画像フレームを受信すること(段階902)と、画像フレームのための色サブフィールドを導出すること(段階904)と、導出された色サブフィールドに基づいて、サブフレームを生成すること(段階906)と、暗サブフレームを識別すること(段階908)と、少なくとも1つの非暗サブフレームのディスプレイパラメータを修正すること(段階910)と、非暗サブフレームを提示のためにディスプレイに出力すること(段階912)と、出力されたサブフレームをアドレス指定および照明すること(段階914)とを含む。
【0112】
図7〜
図9を参照すると、方法900は、一連の画像フレームの形態における画像データを受信すること(段階902)から開始する。典型的には、そのような画像データは、画像フレーム中の各画素の赤色成分、緑色成分、および青色成分のための強度値のストリームとして取得される。強度値は、典型的には、2進数として受信される。
【0113】
サブフィールド導出論理804は、次いで、受信された画像データに基づいて、画像フレームのための色サブフィールドのセットを導出および記憶する(段階904)。各色サブフィールドは、ディスプレイ中の画素ごとに、画像フレームを形成するために、その画素によってその色のために送信されるべき光の量を指示する、強度値を含む。
【0114】
いくつかの実装形態では、サブフィールド導出論理804は、受信された画像データ中で表された各原色(すなわち、赤色、緑色、および青色)のための画素強度値を分離することによって、色サブフィールドのセットを導出する。いくつかの他の実装形態では、サブフィールド導出論理804は、受信された画像データをさらに処理して、画像データ中で表されたもの以外の1つまたは複数の原色のための色サブフィールドを導出する。たとえば、サブフィールド導出論理804は、白色、シアン色、黄色、もしくはマゼンタ色サブフィールド、または、ディスプレイ光源のうちの2つ以上の組合せの照明を通して形成され得る別の色のためのサブフィールドを導出し得る。この追加のサブフィールドに割り当てられた光エネルギーが、次いで、入力色に関連付けられた色サブフィールドから引かれる。いくつかの実装形態では、ガンマ補正など、1つまたは複数の画像前処理ステップもまた、画像サブフレームを導出するプロセスより前に、またはそのプロセス中に、サブフィールド導出論理によって実行され得る。
【0115】
サブフレーム生成論理806は、次いで、導出されたサブフィールドの各々をサブフレームのセットに変換する(段階906)。各サブフレームは、時分割グレースケール画像出力シーケンス中の特定のタイムスロットに対応する。各サブフレームは、そのタイムスロットのためのディスプレイ中の各ディスプレイ要素の所望の状態を含む。各タイムスロットにおいて、ディスプレイ要素は、非透過状態、または、異なる度合いの光透過を可能にする1つもしくは複数の状態のいずれかを取ることができる。
【0116】
いくつかの実装形態では、サブフレーム生成論理806は、コードワードLUT807を使用して、サブフレームを生成する(段階906)。より詳細には、いくつかの実装形態では、コードワードLUT807は、所与の画素値を生じる一連のディスプレイ要素状態を指示する、コードワードと呼ばれる一連の2進値を記憶する。コードワード中の各数字の値は、ディスプレイ要素状態(たとえば、明または暗)を指示し、コードワード中の数字の位置は、その状態に起因するべきである重みを表す。いくつかの実装形態では、重みは、前の数字の重みの2倍である重みを各数字が割り当てられるように、コードワード中の各数字に割り当てられる。いくつかの他の実装形態では、コードワードの複数の数字が、同じ重みを割り当てられ得る。いくつかの他の実装形態では、各数字は異なる重みを割り当てられるが、重みはすべて線形的に数字ごとに増加するとは限らないことがある。
【0117】
サブフレームのセットを生成する(段階906)ために、サブフレーム生成論理806は、色サブフィールド中のすべての画素値のためのコードワードを取得する。サブフレーム生成論理806は、次いで、各画素のためのコードワード中のそれぞれの位置の各々における数字を一緒にサブフレームに統合する。たとえば、各画素のための各コードワードの第1の位置における数字が、第1のサブフレームに統合される。各画素のための各コードワードの第2の位置における数字が、第2のサブフレームに統合される。
【0118】
いくつかの他の実装形態では、特に、1つまたは複数の部分透過状態を達成することが可能な光変調器を使用した実装のために、コードワードLUT807は、3進法、4進法、10進法、またはある他の番号付け方式を使用するコードワードを記憶し得る。
【0119】
いくつかの実装形態では、追加の処理が、サブフレームの生成より前に、導出されたサブフィールド上で実行され得る。たとえば、いくつかの実装形態では、サブフィールド導出論理804またはサブフレーム生成論理806は、コンテンツ適応型バックライト制御(CABC)論理を実装し得る。いくつかの実装形態では、CABC論理は、サブフィールド中の最も高い画素強度値を識別し、最も高い強度レベルをもつ画素の画素値が、ディスプレイによって使用される最大強度値(たとえば、いくつかの1色当たり8ビットの画像化プロセスでは、255)に等しくなるように、サブフィールド中のすべての画素値をスケーリングするように構成される。画素強度値を調節するために使用されるスケーリング係数が、次いで、スケーリング係数に基づいて色サブフィールドのためのバックライト714の出力強度を調節するために、出力シーケンス選択論理810に渡される。いくつかの他の実装形態では、他のCABC論理が実装され得る。
【0120】
暗サブフレーム検出論理808は、次いで、生成されたサブフレームまたは導出されたサブフィールドを解析して、暗サブフレームを識別する(段階908)。いくつかの実装形態では、暗サブフレームは、サブフレーム、すなわち、すべてのディスプレイ要素が非透過状態になることが望まれるサブフレームである。いくつかの他の実装形態では、サブフレームは、それが、ある限られた数のディスプレイ要素が透過状態になることを指示する場合でも、暗サブフレームであると判断され得る。たとえば、様々な実装形態では、サブフレームは、ディスプレイ中の光変調器の1%未満、0.1%未満、または0.001%未満が透過状態である場合、暗であると見なされ得る。いくつかの実装形態では、しきい値数よりも少ない透過ディスプレイ要素を指示するサブフレームは、サブフレームの重みが選択されたサブフレーム重要性を下回る場合のみ、「暗」であると見なされ得る。たとえば、しきい値は、最も低い重要性を有する1つ、2つ、または3つのサブフレームにのみ適用され得る。いくつかの実装形態では、透過状態ディスプレイ要素の数のためのしきい値は、評価されているサブフレームの重要性に対して反比例して変化し得る。暗サブフレームを識別するための1つの例示的なプロセスについて、
図10に関して以下で説明する。
【0121】
任意の暗サブフレームの識別(段階908)に基づいて、出力シーケンス選択論理810は、1つまたは複数の非暗サブフレームのディスプレイパラメータを修正する(段階910)。そうするために、出力シーケンス選択論理810は、ディスプレイの出力シーケンスから、識別された暗サブフレームの表示を除去する。出力シーケンス選択論理810は、次いで、暗サブフレームとともにディスプレイをアドレス指定および照明することで費やされたであろう時間を集積し、非暗サブフレームの表示に再割振りする。
【0122】
図11〜
図14に関して以下でさらに説明するように、この集積された時間は、いくつかの方法で使用され得る。たとえば、
図11に関してさらに説明するように、所与の色の暗サブフレームから集積された時間は、同じ色の非暗サブフレームの間で分配され得る。
図12に示すように、余分の時間が使用されて、より高く重み付けされたサブフレームの表示が、画像フレームの表示のために割り振られた時間内で2つの時間期間に分割され得る。分割されたサブフレームは、暗サブフレームと同じ色、または異なる色であり得る。サブフレームのための合計照明時間は同じであり得るが、2回目にサブフレームを表示することは、サブフレームをディスプレイ要素にリロードするために同じ時間量を必要とする。集積された時間は、このアドレス指定時間を補償するために使用される。
図13および
図14に示すように、集積された時間は、暗サブフレームが表示された場合に表示するために十分な時間がなかった場合がある、追加のより低く重み付けされたサブフレームを表示するために使用され得る。出力シーケンス選択論理810は、上記で説明した1つまたは複数の技法を適用するように構成され得る。出力シーケンス選択論理810は、暗サブフレームから集積された時間量、画像のコンテンツ、ユーザもしくはアプリケーションの好み、または他のファクタに基づいて、1つまたは複数の時間再割振り技法を選択し得る。それらの修正は、ディスプレイの出力シーケンスの更新を生じる。
【0123】
必要に応じて、暗サブフレームの識別に基づいて、サブフレームのディスプレイパラメータが修正された(段階910)後、制御論理706は、更新された出力シーケンスに従って、非暗サブフレームがディスプレイ要素のアレイ710に出力されるようにする(段階912)。いくつかの実装形態では、出力シーケンス中で指示された時間に、ブリッジチップ718は、それぞれのサブフレームをディスプレイ要素のアレイ710に出力することを、フレームバッファ708に行わせる。出力されるべきサブフレームは、出力シーケンス選択論理810によって出力シーケンスに導入されたそれぞれのメモリアドレスによって、出力シーケンス中で識別され得る。サブフレーム中に含まれるディスプレイ要素状態は、ディスプレイドライバ712とコロケートされたレジスタ中に記憶され得る。
【0124】
サブフレームは、ディスプレイに連続的にアドレス指定され、画像フレームを生じるために照明される(段階914)。ディスプレイドライバは、各サブフレーム中に含まれるディスプレイ要素状態を、ディスプレイ要素にロードする。サブフレームがディスプレイ要素のアレイ710に完全にロードされた後、ブリッジチップ718は、バックライト714の適切な光源が、出力シーケンス中で指示された時間量にわたって照明されるようにする。ディスプレイを見るユーザの人間の視覚系は、表示された一連のサブフレームを一緒に統合し、受信された画像フレーム中で符号化された画像の知覚を生じる。
【0125】
図10は、暗サブフレームを識別するための例示的な方法1000のフロー図を示している。
図7、
図8、および
図10を参照すると、方法1000は、サブフィールド導出論理804からの色サブフィールドの受信(段階1002)から開始する。受信された色サブフィールドからの強度値が、次いで抽出される(段階1004)。いくつかの実装形態では、色サブフィールドは、サブフィールド中に含まれる異なる強度値のすべてを識別するヒストグラム関数によって処理される。コードワードLUT807を使用して、制御論理706は、識別された画素強度値のすべてのためのコードワードを取得する(段階1006)。一度に1つのコードワード位置ずつ、制御論理706は、それぞれの位置における識別されたコードワードのすべての値において、総和またはOR関数を実行する(段階1008)。あるコードワード位置に対する総和またはOR関数の結果がゼロに等しい場合、それは、その位置におけるすべての識別されたコードワード中の値自体がゼロに等しい場合にのみ起こることになり、制御論理706は、そのコードワード位置に関連付けられたサブフレームを暗サブフレームとして識別する(段階1010)。
【0126】
次の例を検討されたい。ディスプレイが、132、130、129、35、33、32、および10の画素強度値を含む色サブフィールドを生じる画像サブフレームを受信すると仮定する。ディスプレイが、そのサブフレームに対して8ビット2進重み付け方式を使用中である場合、これらの画素値の各々のためのコードワードは、以下のTable 1(表1)に記載のようになる。
【0128】
Table 1(表1)におけるコードワードでは、左から2番目および4番目の位置における2進数字の和およびOR値は、すべてゼロである。したがって、コードワードの2番目および4番目の位置に対応するサブフレーム中では、すべてのディスプレイ要素が暗になるようにアドレス指定されるようになり、暗サブフレームになる。したがって、例示的なセットの画素強度値は、サブフレームが8ビットコードワードによって表されるとしても、6個のサブフレームのみを使用して表示され得る。
【0129】
いくつかの他の実装形態では、ヒストグラム関数を使用して色サブフィールドから強度値を抽出する代わりに、制御論理706は、受信された色サブフィールドのためのサブフレームの完全セットを生成する。制御論理706は、次いで、各生成されたサブフレーム中のすべての画素の値に総和またはOR関数を適用する。所与のサブフレーム中のすべての画素値の和またはORがゼロに等しい場合、そのサブフレームは暗サブフレームとして識別される。暗サブフレームが、限られた数のディスプレイ要素が透過状態になることが意図されることを指示することができる実装形態では、画素値の和がしきい値と比較され得る。和がしきい値を下回る場合、サブフレームが暗であると判断される。
【0130】
図11〜
図13は、暗サブフレームから集積された時間を利用するための例示的な技法を示すタイミング図を示している。
図11は、暗サブフレームから集積された時間を利用するための第1の例示的な技法を示している。簡単な概要では、
図11は、1つの暗サブフレーム1104bを含む、複数のサブフレーム1104a〜1104m(概して「サブフレーム1104」)の表示を含む、第1のタイミング
図1102を示している。
図11は、暗サブフレーム1104bが抑制される、サブフレーム1104の代替出力を示す、第2のタイミング
図1106を示している。暗サブフレーム1104bをアドレス指定および照明することで費やされたであろう時間は、代わりに、他のサブフレーム1104a、1104c、および1104dの間で分配される。
【0131】
より詳細には、タイミング
図1102は、第1の画像フレーム1108に関連付けられた一連のサブフレーム1104a〜1104lと、第2の画像フレーム1110に関連付けられた最初のサブフレーム1104mとを示す。第1の画像フレーム1108は、3原色、すなわち、赤色、緑色、および青色の各々につき4個ずつ、12個のサブフレーム1104に分解されている。タイミング
図1102に示すように、所与のサブフレーム1104の高さは、そのサブフレームを照明するために使用される光源の強度に対応する。サブフレーム1104の幅は、サブフレーム1104が照明される持続時間、および、したがってその対応する重みに対応する。図示のように、タイミング
図1102における各サブフレーム1104は、同じ光源強度レベルで照明される。サブフレーム1104は、それらの対応する色、および、それらが照明される際の時間において異なる。各色について、タイミング
図1102は、最上位のサブフレーム、たとえば、サブフレームR3 1104a、G3 1104e、およびB3 1104i、ならびに、3個の下位のサブフレームR2〜R0 1104b〜1104d、G2〜G0 1104f〜1104h、およびB2〜B0 1104j〜1104lを含む。所与の色における各サブフレーム1104は、画像フレームのためのその色の前のサブフレームの照明持続時間の半分、および、したがってその重みの半分を有する。
【0132】
図示のように、サブフレームR2 1104bは、たとえば、
図10に示した方法1000の適用を通して、暗サブフレームであると判明している。したがって、R2サブフレームの照明は、生じる画像を見ている人の知覚に影響を及ぼすことなしに、省略され得る。実際に、R2サブフレームを省略することで、生じる画像を改善することができ、その理由は、そうすることで、R2サブフレーム中で起こり得る光漏れを低減することができ、それによって画像のコントラスト比を改善することができるからである。
【0133】
LEDなどのディスプレイ光源は、非線形電力曲線に従って動作する。したがって、より長い時間期間の間により低い電力で光源を動作させることによって同じ光出力を生成することは、より短い時間期間の間により高い強度で光源を動作させることと比較して、かなりの電力節約になり得る。多数のディスプレイバックライトのこの性質を活用するために、
図7に示すディスプレイ700の、同じく
図7に示す制御論理706は、暗サブフレームの表示を省略することから集積された時間を使用して、より長い時間期間の間により低い光源強度で、同じ色の1つまたは複数の他のサブフレームを出力することができる。したがって、タイミング
図1106では、R2サブフレーム1104bをアドレス指定および照明することで費やされたであろう時間が集積され、残りの赤色サブフレームR3 1104a、R1 1104c、およびR0 1104dの表示に再割振りされる。これらのサブフレーム1104a、1104c、および1104dの各々に割り振られた時間が増加するので、光源が各サブフレームのために照明される際の強度が、比例して低減される。したがって、
図11に示すように、サブフレーム1104a、1104c、および1104dは、第1のタイミング
図1102において示されるよりも、第2のタイミング
図1106において短く、および幅広くなるように示される。これによって、光源がそれらの電力曲線上のより電力効率の良いポイントで動作することが可能になる。
【0134】
図11では、ある色における暗サブフレームを抑制することから集積された時間が、同じ色の残りのサブフレームの間で再割振りされる。いくつかの他の実装形態では、集積された時間は、異なる方法で他のサブフレームの間で再割振りされ得る。たとえば、いくつかの実装形態では、集積された時間は、その色の残りのサブフレームのすべてよりも少ないものに割り振られる。いくつかの他の実装形態では、集積された時間は、他の色に関連付けられたサブフレームに割り振られ得る。いくつかのそのような実装形態では、集積された時間は、すべての非暗サブフレームにわたって比例して割り振られる。いくつかの他の実装形態では、1つまたは複数の色は、他の色と比較して、集積された時間の不均衡な量を割り振られる。たとえば、ある色は、1つまたは複数の他の色よりも、ある20%、30%、50%、100%または任意の他の割合だけ多い集積された時間を割り振られ得る。
【0135】
いくつかの他の実装形態では、1つまたは複数のサブフレームが、画像フレームを表示するために割り振られた時間中に表示される回数を増加させることによって、画像品質が向上し得る。たとえば、1つまたは複数のより高く重み付けされたサブフレームは、画像フレームを表示するために割り振られた時間中の異なる時間に2回提示され得る。これは、画像フレームにおけるフリッカー、ならびにCBUを低減する助けになり得る。そのような場合、サブフレームが表示される合計時間は、サブフレームが1回のみ表示された場合と同じであり得る。集積された時間は、代わりに、2回目にサブフレームが表示されるときにサブフレームをディスプレイ要素にリロードするために割り振られる。そのようなサブフレーム繰返しの利益は、
図11〜
図13に示すように、異なる色のサブフレームがすべて一緒にグループ化されるのとは対照的に、出力シーケンス全体にわたって分散する出力シーケンスにおいて、増加する。たとえば、いくつかのそのような実装形態では、繰り返されるサブフレームの第1のインスタンスは、出力シーケンスの開始の方へ出力され得るが、繰り返されるサブフレームの第2のインスタンスは、出力シーケンスの終了の方へ出力される。
【0136】
図12は、この例示的な集積された時間の再割振り技法の適用を示している。
図12は、暗サブフレームの抑制前(タイミング
図1202)、および、2つの例示的な集積された時間の再割振りプロセス後(タイミング
図1206および1210)の、サブフレーム1204a〜1204mのセット(概して「サブフレーム1204」)の表示を示す、3つのタイミング
図1202、1206、および1210を示している。より詳細には、タイミング
図1206は、ある色のサブフレーム1204を抑制することから集積された時間が、その色の他のサブフレームの表示のために再割振りされる、プロセスを示している。タイミング
図1210は、暗サブフレームに関連付けられた色にかかわらず、集積された時間が所与の色(この場合、緑色)に割り振られるプロセスの一例を示している。これらの例では、サブフレームR0 1204dが暗サブフレームであると判明する。
図11のように、各サブフレーム1204の高さは、対応する光源が照明される際の強度を指示し、各サブフレーム1204の幅は、そのサブフレームが光源によって照明される持続時間を指示する。
【0137】
タイミング
図1206では、暗R0サブフレーム1204dが省略され、R3サブフレーム1204aが2回、すなわち、R2サブフレーム1204bの前でサブフレーム1204aとして1回、および、R1サブフレーム1204cの後でサブフレーム1204a'として1回表示される。どちらのインスタンスでも、R3サブフレーム1204aおよび1204a'は、他のサブフレーム1204のすべてと同じ光源強度で照明される。図示のように、第2のタイミング
図1206においてR3サブフレーム1204aおよび1204a'が照明される合計持続時間は、第1のタイミング
図1202においてR3サブフレーム1204aの単一の提示に割り振られた時間に等しい。
【0138】
第2のタイミング
図1206では、R3サブフレーム1204a'の2回目の提示は、省略された暗R0サブフレーム1204dの位置になるように起こる。いくつかの実装形態では、これが意図的に行われる。いくつかの他の実装形態では、分割されたサブフレームの2回目の提示は、省略された暗サブフレームの位置にかかわらず、分割されたサブフレームの1回目の提示からより遠くに離間するように配置される。
【0139】
第3のタイミング図では、R0サブフレーム1204dを抑制することから集積された時間が、G3サブフレーム1204eを、サブフレーム1204eおよび1204e'として2回表示するために利用される。識別された暗サブフレームR0 1204dが赤色サブフレームであったとしても、人間の視覚系(HVS)は、他の色の画像に関するよりも緑色画像に関するフリッカーにより敏感になる傾向がある。したがって、タイミング
図1210において表されたものなど、いくつかの表示プロセスでは、識別された暗サブフレームがどの色に関連付けられ得るかにかかわらず、そのような表示プロセスは、集積された時間を最初に、最上位の緑色サブフレームを分割するために(それも暗であると判断されない限り)使用する。追加の集積された時間が、もしあれば、他の色のサブフレームを分割するために、または、本明細書で開示する他の方法のいずれかで使用され得る。
【0140】
いくつかの他の実装形態では、
図7に示すディスプレイ装置700は、追加のより低い重みサブフレームを表示することによって、画像品質を向上させることができる。たとえば、いくつかのディスプレイは、より高い色解像度(たとえば、12ビット色解像度)をもつ画像データを受信し得るが、時間の制約のために、より低い色解像度で(たとえば、6ビットまたは8ビットのみの色解像度を使用して)画像フレームを表示することしかできない。暗サブフレームを識別および抑制することから集積された時間は、ディスプレイ700によって、場合によっては表示されていなかったであろうより低く重み付けされたサブフレームを表示し、そのサブフレームのための追加の色解像度を生じるために利用され得る。
【0141】
図13および
図14は、この追加の例示的な集積された時間の再割振り技法の適用を示している。
図13は、
図11と同様に、2つのタイミング
図1302および1306を示している。
図11および
図12のように、各サブフレーム1304の高さは、対応する光源が照明される際の強度を指示し、各サブフレーム1304の幅は、それが照明される持続時間を指示する。タイミング
図1302および1306は、明快のために短縮される。
【0142】
タイミング
図1302および1306が、赤色、緑色、および青色サブフレームに加えて、色「X」と示す第4の色のサブフレーム(タイミング
図1302におけるサブフレーム1304h〜1304j、ならびに、タイミング
図1306におけるサブフレーム1304h〜1304jおよび1304p)を含むという点において、タイミング
図1302および1306は、タイミング
図1102および1106、ならびにタイミング
図1202および1206とは異なる。タイミング
図1302および1306において示されたものなど、いくつかの表示プロセスは、成分色と合成色との組合せを使用して画像を形成する。X色は、合成色を表す。
【0143】
成分色は、赤色、緑色、および青色など、所与の色域の原色に対応する色である。いくつかの実装形態では、成分色は、ディスプレイ中に含まれる光源の色に一致し得るが、いくつかの他の実装形態では、そのような色は、色域原色に一致するように、光源の複数の色の出力を混合することによって形成され得る。たとえば、赤色光源と、緑色光源と、青色光源とを有するディスプレイは、その赤色光源を高強度で、および、その緑色光源と青色光源とをはるかにより低い強度で照明することによって、その赤色成分色を生成し得る。合成色は、色域の原色を混合することによって生成された色である。たとえば、シアン色は青色および緑色の合成であり、マゼンタ色は青色および赤色の合成であり、かつ白色は赤色、緑色、および青色の合成である。いくつかの実装形態では、ディスプレイは、その光源の出力のさらなる混合によって、合成色を生成する。いくつかの他の実装形態では、ディスプレイは、ディスプレイが出力する合成色のための専用光源を含み得る。たとえば、ディスプレイは、白色サブフレームを照明するために、ならびに、成分色または他の合成色に関連付けられたサブフレームの照明を助けるために他の光源の出力と混合するために、ディスプレイが使用する白色光源を有し得る。
【0144】
いくつかの実装形態では、タイミング図において示されたXサブフレームの特定の色は、固定される。たとえば、Xサブフレームは、常に白色または黄色であり得る。いくつかの他の実装形態では、Xサブフレームの色は、現在の画像フレームの画像コンテンツ、および/または、1つもしくは複数の前の画像フレームのコンテンツに基づいて判断され得る。このような合成色の使用は、画像品質の向上と電力消費の低減とを助けることができる。
【0145】
合成色サブフレームを利用するいくつかの表示プロセスは、成分色のためのものよりも少ない、X色のためのサブフレームを生成および出力する。たとえば、そのようなプロセスは、各成分色のための8個のサブフレームと、合成色のための4個のみのサブフレームとを生成および出力し得る。合成色サブフレームは、いくつかのそのような実装形態では、より低く重み付けされたサブフレームを省略しながら、より高く重み付けされたサブフレームを含み得る。
【0146】
図13に戻って参照すると、第1のタイミング
図1302は、暗サブフレーム、この場合はサブフレームR2 1304bの抑制前の、サブフレーム1304a〜1304j(概して「サブフレーム1304」)のセットの表示を示している。上記で説明したように、R3〜R0、G3〜G0、およびB3〜B0サブフレームに加えて、タイミング図はまた、2個のより高く重み付けされた合成色サブフレームX3 1304hおよびX2 1304iを含む。
【0147】
第2のタイミング
図1306は、サブフレーム1304a、1304c、および1304d〜1304jを含む、第2のセットのサブフレームの表示を示している。加えて、第2のタイミング
図1306は、4個の追加のサブフレームR(-1)1304n、G(-1)(図示せず)、B(-1)1304o、およびX1 1304pを含む。追加のサブフレームのうちの3個、R(-1)、G(-1)、およびB(-1)は、タイミング
図1302において表示された元のサブフレームのいかなるものよりも低い重みを有し、時間の不足のために表示されなかった。
【0148】
上記で示したように、いくつかの実装形態では、成分色のために出力された可能性のある、より低く重み付けされたサブフレームは、合成色のための第1のインスタンスにおいて省略され得る。したがって、合成色のための追加のサブフレーム出力は、成分色のうちの1つまたは複数のための追加のサブフレーム出力の重みよりも大きい重みを有し得る。したがって、
図13においてサブフレーム1304(p)として示す、第4の追加のサブフレームX1は、R1、G1、およびB1サブフレームと同等の重みを有し、その重みは、R(-1)、G(-1)またはB(-1)サブフレームの重みよりも数倍大きい。暗R2サブフレーム1304bを表示する必要がないことによって利用可能にされた時間量が与えられると、ディスプレイは次に、新しいサブフレームR(-1)、G(-1)、B(-1)およびX(1)をディスプレイにロードし、それらを照明するために十分な時間を有する。
【0149】
図13に示すように、暗サブフレームを省略することで、ディスプレイが複数の色のより低く重み付けされたサブフレームを表示するために十分な時間を得ることができる。いくつかの実装形態では、ディスプレイは、ディスプレイによって使用される色のすべてよりも少ない色のための追加のサブフレーム1304のみを追加するように構成され得るか、またはそうするように決定し得る。いくつかの実装形態では、そのような決定は、集積された時間量、ならびに、表示されている画像中のディスプレイの原色の各々の色における変化に基づいて行われ得る。たとえば、表示されている画像が、ある色のためのいくつかの近い画素強度値を含むが、他の色ではそうでない場合、ディスプレイは、ディスプレイが暗サブフレームの表示を省略することから集積する時間を、ディスプレイが提示中である色の間で不均衡に使用するように選び得る。たとえば、ディスプレイは、第1の色の2つの追加のサブフレームと、他の色のためのただ1つの追加のサブフレームとを追加してよく、または、他の色のための追加のサブフレームを追加しなくてよい。
【0150】
代替的に、
図14に示すように、集積された時間は、成分色のサブフレームの前に、追加の合成色サブフレームを出力することに、最初に割り振られ得る。
図14は、
図13のように、4色のサブフレーム1404a〜
1404jを含む、2つのタイミング
図1402および1406を示している。それらの色のうちの3つは、成分色である赤色(R)、緑色(G)、および青色(B)である。第4の色は、合成色Xである。タイミング
図1402および1406は、暗サブフレームの識別および抑制の前後の、画像のための出力シーケンスを示している。
【0151】
図14では、R1サブフレーム1404cが暗であると判明する。より高く重み付けされたR2サブフレーム1304bが暗であるとして識別された
図13と比較して、より少ない時間が、タイミング
図1406における集積および再割振りのために利用可能である。したがって、4個の新しいより低く重み付けされたサブフレームを追加するのではなく、タイミング
図1406は、合成色に関連付けられた、単一の追加のサブフレームX1 1404kのみを含む。
【0152】
いくつかの実装形態では、ディスプレイは、
図11〜
図14に関して上記で説明した、集積された時間の再割振り技法のうちの複数のものを実行するように構成され得る。いくつかのそのような実装形態では、ディスプレイは、集積された時間量、および表示されている画像のコンテンツに基づいて、どの技法を利用するべきかを判断することができる。
【0153】
いくつかの他の実装形態では、ディスプレイはまた、集積された時間を使用して、
図1Bに示すデータドライバ132など、そのデータドライバがより少ない電力を使用して動作することを可能にすることもできる。データドライバは、より低いスルーレートで動作させられた場合、より少ない電力を消費することができる。ただし、そのようなより低いスルーレートでの動作は、ディスプレイをアドレス指定するプロセスの速度を落とす。したがって、別々に、または、上記で説明した集積された時間の再割振り技法のうちの1つもしくは複数と組み合わせて、ディスプレイは、暗サブフレームを抑制することから集積された時間の一部または全部を利用して、データドライバがより低いスルーレートで出力シーケンス中の1つまたは複数のサブフレームをアドレス指定することを可能にすることができる。
【0154】
様々なタイミング
図1102、1106、1202、1206、1210、1302、1306、1402、および1406は、所与の色のすべてのサブフレームが重みの順序で一緒に示される、比較的簡単な出力シーケンスを示している。このサブフレームの配列は、説明を容易にするために提供されている。いくつかの実装形態では、サブフレームの順序は、動的偽輪郭(DFC)またはCBUなどの画像アーティファクトに対処することを助けるために、かなり変更され得る。たとえば、異なる色のサブフレームは、出力シーケンス全体にわたって各色の出力を時間的に分散させるために、様々なパターンにおいて互いに交互配置され得る。いくつかの実装形態では、たとえば、各連続するサブフレームの色は、前のサブフレームの色とは異なり得る。いくつかの実装形態では、最も高い重みを有する各色のためのサブフレームは、直接連続して示される。他の実装形態では、出力シーケンス中のサブフレームは、1つまたは複数の不都合な画像アーティファクトに対処するために、多種多様な順序で編成され得る。
【0155】
図15および
図16は、複数のディスプレイ要素を含む例示的なディスプレイデバイス40のシステムブロック図である。ディスプレイデバイス40は、たとえば、スマートフォン、セルラー電話または携帯電話であり得る。ただし、ディスプレイデバイス40の同じ構成要素またはその若干異なる形態はまた、テレビ、コンピュータ、タブレット、電子リーダー、ハンドヘルドデバイス、およびポータブルメディアデバイスなど、様々なタイプのディスプレイデバイスを示す。
【0156】
ディスプレイデバイス40は、ハウジング41、ディスプレイ30、アンテナ43、スピーカ45、入力デバイス48およびマイクロフォン46を含む。ハウジング41は、射出成形および真空成形など、様々な製造プロセスのうちのいずれかから形成され得る。さらに、ハウジング41は、限定はしないが、プラスチック、金属、ガラス、ゴム、およびセラミック、またはそれらの組合せを含む、様々な材料のうちのいずれかから形成され得る。ハウジング41は、異なる色の、または異なるロゴ、ピクチャもしくはシンボルを含む他の取外し可能な部分と交換され得る取外し可能な部分(図示せず)を含み得る。
【0157】
ディスプレイ30は、本明細書で説明したように、双安定ディスプレイまたはアナログディスプレイを含む様々なデバイスのうちのいずれかであり得る。ディスプレイ30はまた、プラズマ、エレクトロルミネセント(EL)ディスプレイ、OLED、超ねじれネマチック(STN)ディスプレイ、LCDもしくは薄膜トランジスタ(TFT)LCDなどのフラットパネルディスプレイ、またはブラウン管(CRT)もしくは他のチューブデバイスなどの非フラットパネルディスプレイを含むように構成され得る。加えて、ディスプレイ30は、本明細書で説明するように、機械的光変調器方式ディスプレイを含み得る。
【0158】
ディスプレイデバイス40の構成要素は、
図15に概略的に示されている。ディスプレイデバイス40は、ハウジング41を含んでおり、その中に少なくとも部分的に包囲された追加の構成要素を含むことができる。たとえば、ディスプレイデバイス40はネットワークインターフェース27を含んでおり、ネットワークインターフェース27はアンテナ43を含んでおり、アンテナ43はトランシーバ47に結合され得る。ネットワークインターフェース27は、ディスプレイデバイス40に表示されることのある画像データのソースであり得る。したがって、ネットワークインターフェース27は、画像ソースモジュールの一例であるが、プロセッサ21および入力デバイス48も、画像ソースモジュールの働きをすることができる。トランシーバ47はプロセッサ21に接続され、プロセッサ21は調整ハードウェア52に接続される。調整ハードウェア52は、(信号をフィルタリングするか、または別の方法で操作するなど)信号を調整するように構成され得る。調整ハードウェア52は、スピーカ45およびマイクロフォン46に接続され得る。プロセッサ21は、入力デバイス48およびドライバコントローラ29にも接続され得る。ドライバコントローラ29は、フレームバッファ28およびアレイドライバ22に結合されてよく、アレイドライバ22は、次いでディスプレイアレイ30に結合され得る。
図15に明示されていない要素を含む、ディスプレイデバイス40における1つまたは複数の要素は、メモリデバイスとして機能するように構成され、プロセッサ21と通信するように構成され得る。いくつかの実装形態では、電源50は、特定のディスプレイデバイス40の設計における実質的にすべての構成要素に電力を提供することができる。
【0159】
ネットワークインターフェース27は、ディスプレイデバイス40がネットワークを介して1つまたは複数のデバイスと通信できるように、アンテナ43およびトランシーバ47を含む。ネットワークインターフェース27はまた、たとえば、プロセッサ21のデータ処理要件を緩和するためのいくつかの処理能力を有し得る。アンテナ43は、信号を送信および受信することができる。いくつかの実装形態では、アンテナ43は、IEEE 16.11規格、たとえばIEEE 16.11(a)、(b)、もしくは(g)、またはIEEE 802.11規格、たとえばIEEE 802.11a、b、g、n、およびそのさらなる実装形態に従って、RF信号を送信および受信する。いくつかの他の実装形態では、アンテナ43は、Bluetooth(登録商標)規格に従ってRF信号を送信および受信する。セルラー電話の場合、アンテナ43は、符号分割多元接続(CDMA)、周波数分割多元接続(FDMA)、時分割多元接続(TDMA)、Global System for Mobile communications(GSM(登録商標))、GSM(登録商標)/汎用パケット無線サービス(GPRS:General Packet Radio Service)、拡張データGSM(登録商標)環境(EDGE:Enhanced Data GSM(登録商標) Environment)、地上基盤無線(TETRA:Terrestrial Trunked Radio)、広帯域CDMA(W-CDMA(登録商標))、Evolution Data Optimized(EV-DO)、1xEV-DO、EV-DO Rev A、EV-DO Rev B、高速パケットアクセス(HSPA)、高速ダウンリンクパケットアクセス(HSDPA)、高速アップリンクパケットアクセス(HSUPA)、発展型高速パケットアクセス(HSPA+:Evolved High Speed Packet Access)、Long Term Evolution(LTE)、AMPS、または3G、4Gもしくは5G技術を利用するシステムなど、ワイヤレスネットワーク内で通信するために使用される他の既知の信号を受信するように設計され得る。トランシーバ47は、アンテナ43から受信された信号を、プロセッサ21によって受信でき、さらにプロセッサ21によって操作できるように前処理することができる。トランシーバ47はまた、プロセッサ21から受信された信号を、アンテナ43を介してディスプレイデバイス40から送信できるように処理することができる。
【0160】
いくつかの実装形態では、トランシーバ47は、受信機によって置き換えられ得る。さらに、いくつかの実装形態では、ネットワークインターフェース27は、プロセッサ21に送られることになる画像データを記憶または生成することができる画像ソースによって置き換えられ得る。プロセッサ21は、ディスプレイデバイス40の動作全体を制御することができる。プロセッサ21は、圧縮された画像データなどのデータを、ネットワークインターフェース27または画像ソースから受信し、そのデータを生の画像データへ、または生の画像データに素早く変換できるフォーマットへと処理する。プロセッサ21は、処理されたデータをドライバコントローラ29に、または記憶のためにフレームバッファ28に送ることができる。生データは通常、画像内の各ロケーションにおける画像特性を識別する情報を指す。たとえば、そのような画像特性は、色、飽和度およびグレースケールレベルを含み得る。
【0161】
プロセッサ21は、ディスプレイデバイス40の動作を制御するためのマイクロコントローラ、CPUまたは論理ユニットを含み得る。調整ハードウェア52は、スピーカ45に信号を送信するための、およびマイクロフォン46から信号を受信するための増幅器およびフィルタを含み得る。調整ハードウェア52は、ディスプレイ40内の個別構成要素であってよく、またはプロセッサ21もしくは他の構成要素に組み込まれてもよい。
【0162】
ドライバコントローラ29は、プロセッサ21によって生成された生画像データを、直接プロセッサ21から、またはフレームバッファ28から取得でき、かつ生画像データをアレイドライバ22への高速送信に向けて適切に再フォーマットすることができる。いくつかの実装形態では、ドライバコントローラ29は、生画像データを、ディスプレイアレイ30でスキャンするのに適した時間的順序を有するように、ラスタ様フォーマットを有するデータフローに再フォーマットすることができる。ドライバコントローラ29は、フォーマットされた情報をアレイドライバ22に送る。LCDコントローラなどのドライバコントローラ29は、独立型集積回路(IC)としてシステムプロセッサ21に関連付けられることが多いが、そのようなコントローラは、多くの方法で実装され得る。たとえば、コントローラは、ハードウェアとしてプロセッサ21中に埋め込まれること、ソフトウェアとしてプロセッサ21中に埋め込まれること、またはアレイドライバ22とハードウェアで完全に統合されることがある。
【0163】
アレイドライバ22は、フォーマットされた情報をドライバコントローラ29から受信することができ、ビデオデータを、ディスプレイ要素のディスプレイのx-yマトリクスから来る数百、場合によっては数千(またはそれよりも多く)のリード線(lead)に1秒当たり多数回適用される波形の並列セットに再フォーマットすることができる。いくつかの実装形態では、アレイドライバ22、およびディスプレイアレイ30は、ディスプレイモジュールの一部である。いくつかの実装形態では、ドライバコントローラ29、アレイドライバ22、およびディスプレイアレイ30は、ディスプレイモジュールの一部である。
【0164】
いくつかの実装形態では、ドライバコントローラ29、アレイドライバ22、およびディスプレイアレイ30は、本明細書で説明するタイプのデバイスのいずれにも適している。たとえば、ドライバコントローラ29は、従来型のディスプレイコントローラまたは双安定ディスプレイコントローラ(機械的光変調器ディスプレイ要素コントローラなど)であり得る。さらに、アレイドライバ22は、従来型のドライバまたは双安定ディスプレイドライバ(機械的光変調器ディスプレイ要素コントローラなど)であり得る。その上、ディスプレイアレイ30は、従来型のディスプレイアレイまたは双安定ディスプレイアレイ(機械的光変調器ディスプレイ要素のアレイを含むディスプレイなど)であり得る。いくつかの実装形態では、ドライバコントローラ29は、アレイドライバ22と統合され得る。そのような実装形態は、高集積システム、たとえば、携帯電話、ポータブル電子デバイス、ウォッチまたは小型ディスプレイ(small-area display)において有用であり得る。
【0165】
いくつかの実装形態では、入力デバイス48は、たとえば、ユーザがディスプレイデバイス40の動作を制御することを可能にするように構成され得る。入力デバイス48は、QWERTYキーパッドもしくは電話キーパッドなどのキーパッド、ボタン、スイッチ、ロッカー、タッチセンシティブスクリーン、ディスプレイアレイ30と統合されたタッチセンシティブスクリーン、または感圧性もしくは感熱性の膜を含むことができる。マイクロフォン46は、ディスプレイデバイス40の入力デバイスとして構成され得る。いくつかの実装形態では、マイクロフォン46を介したボイスコマンドが、ディスプレイデバイス40の動作を制御するために使用され得る。
【0166】
電源50は、様々なエネルギー蓄積デバイスを含むことができる。たとえば、電源50は、ニッケルカドミウムバッテリーまたはリチウムイオンバッテリーなどの充電式バッテリーであり得る。充電式バッテリーを使用した実装形態では、充電式バッテリーは、たとえば、壁コンセントまたは光起電デバイスもしくはアレイから来る電力を使用して充電可能であり得る。代替的に、充電式バッテリーはワイヤレス充電可能であり得る。電源50は、再生可能エネルギー源、キャパシタ、またはプラスチック太陽電池もしくは太陽電池塗料を含む太陽電池であってもよい。電源50はまた、壁コンセントから電力を受け取るように構成され得る。
【0167】
いくつかの実装形態では、電子ディスプレイシステム内のいくつかの場所に位置し得るドライバコントローラ29に制御プログラマビリティが存在する。いくつかの他の実装形態では、アレイドライバ22に制御プログラマビリティが存在する。上述の最適化は、任意の数のハードウェアおよび/またはソフトウェア構成要素において、および様々な構成で実施され得る。
【0168】
本明細書で使用する、アイテムのリスト「のうちの少なくとも1つ」を指すフレーズは、単一メンバーを含む、それらのアイテムの任意の組合せを指す。一例として、「a、b、またはcのうちの少なくとも1つ」は、a、b、c、a-b、a-c、b-c、およびa-b-cを包含するように意図される。
【0169】
本明細書で開示した実装形態に関連して説明した様々な例示的な論理、論理ブロック、モジュール、回路およびアルゴリズムのプロセスは、電子ハードウェア、コンピュータソフトウェア、または両方の組合せとして実装され得る。ハードウェアとソフトウェアの互換性は、全体的にそれらの機能に関して説明し、上述の様々な例示的な構成要素、ブロック、モジュール、回路およびプロセスにおいて示してきた。そのような機能がハードウェアとして実装されるか、またはソフトウェアとして実装されるかは、特定の適用例および全体的なシステムに課された設計制約に依存する。
【0170】
本明細書で開示した態様に関連して説明した様々な例示的な論理、論理ブロック、モジュールおよび回路を実装するために使用されるハードウェアおよびデータ処理装置は、汎用シングルチッププロセッサもしくは汎用マルチチッププロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)もしくは他のプログラマブル論理デバイス、個別ゲートもしくはトランジスタ論理、個別ハードウェア構成要素、または、本明細書で説明した機能を実行するように設計されたそれらの任意の組合せで、実装または実行することができる。汎用プロセッサはマイクロプロセッサ、または任意の従来のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、もしくは状態機械であり得る。プロセッサはまた、コンピューティングデバイスの組合せ、たとえば、DSPとマイクロプロセッサとの組合せ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと連携する1つもしくは複数のマイクロプロセッサ、または任意の他のそのような構成として実装され得る。いくつかの実装形態では、特定のプロセスおよび方法は、所与の機能に固有の回路によって実行され得る。
【0171】
1つまたは複数の態様では、説明した機能は、本明細書で開示した構造およびそれらの構造の同等物を含む、ハードウェア、デジタル電子回路、コンピュータソフトウェア、ファームウェアにおいて、またはそれらの任意の組合せで実装され得る。本明細書で説明した対象の実装形態はまた、1つまたは複数のコンピュータプログラム、すなわち、データ処理装置による実行のために、またはデータ処理装置の動作を制御するために、コンピュータ記憶媒体上に符号化されたコンピュータプログラム命令の1つまたは複数のモジュールとして実装され得る。
【0172】
ソフトウェアで実装される場合、機能を1つまたは複数の命令またはコードとしてコンピュータ可読媒体に記憶すること、またはコンピュータ可読媒体を介して送信することができる。本明細書で開示した方法またはアルゴリズムのプロセスは、コンピュータ可読媒体上に存在し得るプロセッサ実行可能ソフトウェアモジュールで実施され得る。コンピュータ可読媒体は、コンピュータ記憶媒体と通信媒体の両方を含み、これらは、ある場所から別の場所へのコンピュータプログラムの転送を可能にし得る任意の媒体を含む。記憶媒体は、コンピュータによってアクセスされ得る任意の利用可能な媒体であってよい。限定ではなく例として、そのようなコンピュータ可読媒体は、RAM、ROM、EEPROM、CD-ROM、または他の光ディスク記憶装置、磁気ディスク記憶装置もしくは他の磁気記憶デバイス、または命令もしくはデータ構造の形式で所望のプログラムコードを記憶するために使用でき、コンピュータによってアクセスできる任意の他の媒体を含むことができる。また、あらゆる接続がコンピュータ可読媒体と適切に呼ばれ得る。本明細書で使用するディスク(disk)およびディスク(disc)は、コンパクトディスク(disc)(CD)、レーザーディスク(登録商標) (disc)、光ディスク(disc)、デジタル多目的ディスク(disc)(DVD)、フロッピー(登録商標)ディスク(disk)、およびブルーレイディスク(disc)を含み、ディスク(disk)は通常、データを磁気的に再生し、ディスク(disc)はレーザで光学的にデータを再生する。上記の組合せも、コンピュータ可読媒体の範囲内に含まれる。さらに、方法またはアルゴリズムの動作は、コンピュータプログラム製品に組み込まれ得る、機械可読媒体およびコンピュータ可読媒体上に1つまたは任意の組合せまたはセットのコードおよび命令として存在し得る。
【0173】
本開示で説明した実装形態の様々な修正形態が当業者にはすぐに理解でき、本明細書に定める一般的原理は、本開示の趣旨または範囲から離れることなく他の実装形態に適用できる。したがって、特許請求の範囲は、本明細書に示す実装形態に限定されることを意図しておらず、本開示、この原理および本明細書で開示する新規の特徴と合致する最大の範囲を認めるものである。
【0174】
さらに、当業者は、「上側」および「下側」という用語が、図の説明を簡単にするために使用されることがあり、適切に配向されたページ上の図の方位に対応する相対位置を示しており、実装される任意のデバイスの適切な方位を反映していない場合があることを容易に諒解する。
【0175】
個別の実装形態との関連で本明細書で説明しているいくつかの特徴は、単一の実装形態において組合せで実装されてもよい。反対に、単一の実装形態との関連で説明している様々な特徴は、複数の実装形態で個別に、または任意の適切な副組合せで実装されてもよい。さらに、特徴は一定の組合せで機能するものとして上述され、当初はそういうものとして特許請求されることもあるが、特許請求される組合せによる1つまたは複数の特徴は、場合によっては、当該組合せにより実施可能であり、特許請求される組合せは、副組合せまたは副組合せの変形を対象にし得る。
【0176】
同様に、動作は特定の順序で図面に示されているが、これについては、所望の結果を達成するために、そのような動作を示された特定の順序でもしくは順次に実行すること、またはすべての示された動作を実行することを要求するものとして理解すべきではない。さらに、図面は、1つまたは複数の例示的なプロセスをフロー図の形式で概略的に示し得る。しかしながら、図示されていない他の動作を、概略的に示す例示的なプロセスに組み込むことができる。たとえば、1つまたは複数の追加の動作は、示された動作のいずれかの前、示された動作のいずれかの後、示された動作のいずれかと同時に、または示された動作のいずれかの間に実行され得る。いくつかの状況において、マルチタスキングおよび並列処理は有利であり得る。また、上述の実装形態における様々なシステム構成要素の分離については、すべての実装形態でかかる分離を要求するものとして理解すべきではなく、説明されるプログラム構成要素およびシステムは一般に単一のソフトウェア製品への統合、または複数のソフトウェア製品へのパッケージ化が可能であると理解されたい。さらに、他の実装形態も、以下の特許請求の範囲内に入る。場合によっては、請求項に記載のアクションは、異なる順序で実行されながらもなお、望ましい結果を達成することが可能である。