特許第6009721号(P6009721)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ フィリップス ライティング ホールディング ビー ヴィの特許一覧

特許6009721担体を保持するホルダ、照明モジュール、照明器具及び照明モジュール用のホルダを製造する方法
<>
  • 特許6009721-担体を保持するホルダ、照明モジュール、照明器具及び照明モジュール用のホルダを製造する方法 図000002
  • 特許6009721-担体を保持するホルダ、照明モジュール、照明器具及び照明モジュール用のホルダを製造する方法 図000003
  • 特許6009721-担体を保持するホルダ、照明モジュール、照明器具及び照明モジュール用のホルダを製造する方法 図000004
  • 特許6009721-担体を保持するホルダ、照明モジュール、照明器具及び照明モジュール用のホルダを製造する方法 図000005
  • 特許6009721-担体を保持するホルダ、照明モジュール、照明器具及び照明モジュール用のホルダを製造する方法 図000006
  • 特許6009721-担体を保持するホルダ、照明モジュール、照明器具及び照明モジュール用のホルダを製造する方法 図000007
  • 特許6009721-担体を保持するホルダ、照明モジュール、照明器具及び照明モジュール用のホルダを製造する方法 図000008
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6009721
(24)【登録日】2016年9月23日
(45)【発行日】2016年10月19日
(54)【発明の名称】担体を保持するホルダ、照明モジュール、照明器具及び照明モジュール用のホルダを製造する方法
(51)【国際特許分類】
   F21V 19/00 20060101AFI20161006BHJP
   F21V 29/70 20150101ALI20161006BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20161006BHJP
   F21Y 115/15 20160101ALN20161006BHJP
   F21Y 115/30 20160101ALN20161006BHJP
【FI】
   F21V19/00 450
   F21V29/70
   F21Y115:10
   F21Y115:15
   F21Y115:30
【請求項の数】14
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2016-516007(P2016-516007)
(86)(22)【出願日】2014年7月17日
(86)【国際出願番号】IB2014063177
(87)【国際公開番号】WO2015028902
(87)【国際公開日】20150305
【審査請求日】2016年2月24日
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2013/001020
(32)【優先日】2013年8月28日
(33)【優先権主張国】CN
(31)【優先権主張番号】13194174.2
(32)【優先日】2013年11月23日
(33)【優先権主張国】EP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】516043960
【氏名又は名称】フィリップス ライティング ホールディング ビー ヴィ
(74)【代理人】
【識別番号】110001690
【氏名又は名称】特許業務法人M&Sパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】リャオ ファイジョウ
(72)【発明者】
【氏名】リ チン
(72)【発明者】
【氏名】デューレンバーグ ペーター ヒュバータス フランシスカス
(72)【発明者】
【氏名】ヘ フォン
【審査官】 當間 庸裕
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−62148(JP,A)
【文献】 特開2012−48969(JP,A)
【文献】 特開2015−11840(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21V 19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
固体光エミッタを含む担体を保持するための、照明モジュール用のホルダであって、前記ホルダは、
前記担体の前記固体光エミッタによって使用時に放射される、前記ホルダの周囲の環境への光の透過を可能にする光出射窓と、
別の物体の取付け面に前記ホルダを固定する固定手段を受容する固定要素であって、前記ホルダが前記担体を保持し、前記ホルダが前記取付け面に固定される場合に、前記ホルダの外側から、ユーザによってアクセス可能である、当該固定要素と、
前記担体が前記ホルダ内で組み立てられる場合に、前記担体が接触する停止位置を提供し、前記ホルダが前記別の物体の前記取付け面に固定される場合に、接触面と前記別の物体の前記取付け面との間に前記担体を保持する、当該接触面と、
クランプ位置と側方位置との間で移動可能である少なくとも2つのフックと、
を含み、
前記ホルダが前記担体に組み付けられる場合に、i)前記少なくとも2つのフックが前記クランプ位置にある場合は、前記少なくとも2つのフックは、前記少なくとも2つのフックと前記接触面との間に前記担体をクランプし、ii)前記ホルダが前記別の物体の前記取付け面に固定される場合は、前記少なくとも2つのフックは、前記担体から離れる位置である前記側方位置にある、ホルダ。
【請求項2】
前記接触面及び前記側方位置における前記少なくとも2つのフックの位置は、前記担体と前記別の物体の前記取付け面との間の接触を可能にする、請求項1に記載のホルダ。
【請求項3】
前記光出射窓を含む前パネルを含み、
前記少なくとも2つのフックは、前記前パネルから離れるように突出するアームを含み、前記アームは、前記アームが前記前パネルに結合される位置に、基部端を有し、また、前記基部端の反対側に、自由端を有し、
前記少なくとも2つのフックは、前記クランプ位置において、クリップと前記接触面との間に前記担体をクランプするために、前記担体の側面と係合する当該クリップを含み、前記クリップは、前記アームの前記自由端に配置され、前記ホルダが前記担体を保持する場合に、前記自由端から、前記担体の中心点の方向に実質的に延在する、請求項1に記載のホルダ。
【請求項4】
前記前パネルから離れるように延在する接触突出部を更に含み、前記接触突出部の第1の端は、前記接触突出部の第2の端の反対側であり、前記第1の端は、前記接触面を含み、前記接触突出部の前記第2の端は、前記前パネルに結合される、請求項3に記載のホルダ。
【請求項5】
前記少なくとも2つのフックは、前記ホルダが前記別の物体の前記取付け面に押し付けられる場合に、前記クランプ位置から前記側方位置に前記少なくとも2つのフックを少なくとも部分的に移動させる力を、前記取付け面から受ける、請求項3に記載のホルダ。
【請求項6】
前記少なくとも2つのフックは、前記アームの前記自由端に設けられるアンカー棒を含み、前記アンカー棒は、前記クリップから離れる方向に前記自由端から離れるように延在し、前記アンカー棒は、前記ホルダが前記担体に組み付けられ、前記ホルダが前記別の物体の前記取付け面に押し付けられる場合に、前記取付け面からの前記力を少なくとも部分的に受ける、請求項5に記載のホルダ。
【請求項7】
前記少なくとも2つのフックの前記アームは、前記クランプ位置から前記側方位置への撓みを可能とするために、僅かに弾性である、請求項3に記載のホルダ。
【請求項8】
前記アームは、第1の部分と第2の部分とに分割され、前記第1の部分は、前記アームの前記基部端にあり、前記前パネルに結合され、前記少なくとも2つのフックが前記クランプ位置にある場合に、i)前記前パネルと前記第1の部分とがなす第1の角度は、45度乃至80度の範囲内にあり、ii)前記第2の部分は、前記前パネルに実質的に垂直に配置され、iii)前記アンカー棒と、前記アンカー棒が結合される前記第2の部分とがなす第2の角度は、95度乃至120度の範囲内にある、請求項6に記載のホルダ。
【請求項9】
前記アームの前記クリップは、前記ホルダが前記担体と共に組み立てられ、前記ホルダが前記取付け面に固定されていない場合に、前記担体に接触するクリップ面を有し、前記クリップの前記クリップ面は、前記クリップが結合される前記第2の部分に実質的に垂直に配置される、請求項8に記載のホルダ。
【請求項10】
前記ホルダの外面は、前記光出射窓に実質的に平行な平面において見た場合に、実質的に円形の断面形状を有する、請求項1に記載のホルダ。
【請求項11】
請求項1乃至10の何れか一項に記載のホルダと、
固体光エミッタを含む担体と、
を含み、
前記ホルダは、前記担体を保持する、照明モジュール。
【請求項12】
前記照明モジュールが別の物体の取付け面に固定されていない場合に、前記接触面と前記ホルダの前記少なくとも2つのフックとの間に前記担体がクランプされる、請求項11に記載の照明モジュール。
【請求項13】
請求項1乃至10の何れか一項に記載のホルダを含むか、又は、請求項11若しくは12に記載の照明モジュールを含む、照明器具。
【請求項14】
照明モジュール用のホルダを製造する方法であって、前記ホルダは、固体光エミッタを含む担体を保持し、前記方法は、合成材料からホルダを形成するステップを含み、前記ホルダを形成する前記ステップは、少なくとも、
前記担体の前記固体光エミッタによって使用時に放射される、前記ホルダの周囲の環境への光の透過を可能にする光出射窓を形成するステップと、
前記ホルダを、別の物体の取付け面に固定する固定手段を受容する固定要素を形成するステップと、
前記担体が前記ホルダ内に組み立てられる場合に、前記担体が接触する停止位置を提供し、前記ホルダが前記別の物体の前記取付け面に固定される場合に、接触面と前記別の物体の前記取付け面との間に前記担体を保持する、当該接触面を提供するステップと、
前記ホルダが前記担体に組み付けられる場合に、前記担体を前記接触面に対してクランプし、前記担体を含む前記ホルダが前記別の物体の前記取付け面に固定される場合に、前記担体から離れるように移動する少なくとも2つのフックを形成するステップと、
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホルダによって保持される担体上の固体光エミッタを含む照明モジュールに関する。照明モジュールは、しばしば、カバー及び/又は光学コンポーネントが具備され、当該照明モジュールを他のコンポーネントに、当該照明モジュールが例えば照明器具内に容易に組み込まれることができるように、接続する手段を含む。
【0002】
本発明は更に、照明モジュールと、照明モジュール用のホルダを製造する方法とに関する。
【背景技術】
【0003】
光エミッタ製造業者は、照明器具内への組み込みの準備が整っている半完成照明モジュール内に、発光ダイオード(LED)といった製造済み固体光エミッタを組み込むことがある。様々な組み込みレベルが規定されている。レベル2のモジュールは、プリント回路基板(PCB)上の固体光エミッタを少なくとも含み、また、駆動回路を含む。当該駆動回路は、別のPCB上に設けられていてもよい。固体光エミッタを有するPCBは、しばしば、ヒートシンクへの接合面機能を果たす。レベル2+の照明モジュールは、固体光エミッタを有するPCBを保持する及び/又は取り囲むホルダを更に含み、当該ホルダは、レベル2+のモジュールを、他の表面/モジュール(例えば照明器具のヒートシンク)に取り付けるための穴を含む。ユーザ、又は、照明器具製造業者は、レベル2+の照明モジュールを取り付けるために、ねじを使用する。ホルダは、照明モジュールが照明器具内に組み立てられた場合に、ユーザが、PCB及び/又は固体光エミッタに触ることができないように、固体光エミッタを有するPCBを保護する。ホルダは、追加の光学要素を含んでもよく、使用時に、これらの光学要素を通して、光が、レベル2+のモジュールの周囲の環境へと放射される。
【0004】
一般に、(レベル2+の)照明モジュールの製造業者は、固体光エミッタを有するPCBが、少なくとも、ホルダに取り付けられて、客が、照明器具の適切な表面に、組み立てられた照明モジュールをねじで容易に留めることができるように、できる限り、照明モジュールを組み立てる。
【0005】
欧州特許出願第2423570A2号は、このような照明モジュールの一実施形態について開示している。照明モジュールは、プリント回路基板を有する光エンジンと、プリント回路基板に結合される発光ダイオードのアレイとを含む。プリント回路基板は、光モジュールの電力コネクタに結合するための分離可能なインターフェースを規定する電力コネクタインターフェースを有する。基部リングが、光エンジンを保持し、空洞が画成された側壁を有する。側壁は、固定特徴を有する。基部リングは更に、照明モジュールを別のコンポーネントに留めるためのねじを受ける穴を含む。光学コンポーネントが、空洞内に収容され、LEDからの光を受光するように位置付けられる。光学コンポーネントは、所定の照明特徴を有し、当該所定の照明特徴に従って、LEDによって生成された光を放射する。トップカバーが、基部リングに結合され、基部リングの固定特徴に係合する固定特徴を有して、トップカバーが基部リングに結合される。基部リングと光学コンポーネントとの間に、圧縮リングが位置付けられる。この圧縮リングは、トップカバーが基部リングに結合されると、基部リングと光学コンポーネントとの間で圧縮される。
【0006】
上記特許出願の照明モジュールは、基部リングに、当該モジュールをコンポーネント(例えば照明器具のヒートシンク)に取り付けるためのねじを受ける穴を有している。これらの穴は、照明モジュールが組み立てられると、少なくとも光学コンポーネントによって覆われる。したがって、照明モジュールの製造業者が、組み立てられた照明モジュールを客に納品すると、客は、穴にアクセスするためには、トップカバーと光学コンポーネントとを取り外さなければならない。或いは、製造業者が、半完成の照明モジュールを納品し、客は、自分自身で、照明モジュールを組み立てなければならない。これらのオプションは共に、客にとって不便である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、固体光エミッタを有するプリント回路基板(PCB)を確実に保持し、ユーザが、当該PCBを含む組み立てられた照明モジュールとホルダとを固定することを容易に可能にする当該ホルダを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の第1の態様は、照明モジュール用のホルダを提供する。第2の態様は、照明モジュールを提供する。第3の態様は、照明器具を提供する。第4の態様は、照明モジュール用のホルダを製造する方法を提供する。有利な実施形態は、従属項に規定される。
【0009】
本発明の第1の態様によるホルダは、光出射窓と、固定要素と、接触面と、少なくとも2つのフックとを含む。ホルダは、固体光エミッタを含む担体を保持するのに適している。光出射窓は、ホルダの周囲の環境への光の透過を可能にし、当該光は、使用時に、担体の固体光エミッタによって放射される。固定要素は、別の物体の表面にホルダを固定する固定手段を受容するためのものである。固体要素は、ホルダが担体を保持し、担体を有するホルダが取付け面に固定される場合に、ホルダの外側から、ユーザによってアクセス可能である。接触面は、担体がホルダ内で組み立てられる場合に、担体が接触する停止位置を提供し、ホルダが別の物体の取付け面に固定される場合に、接触面と別の物体の表面との間に担体を保持する。少なくとも2つのフックは、クランプ位置と側方位置との間で移動可能である。ホルダが担体に組み付けられ、フックがクランプ位置にある場合は、フックは、当該フックと接触面との間に担体をクランプする。ホルダが担体に組み付けられ、ホルダが別の物体の表面に固定される場合は、フックは、担体から離れる位置である側方位置に配置される。
【0010】
ホルダは、固体光エミッタを含む担体を保持する。担体は、プリント回路基板であるが、(ガラス又は合成材料の基板といった)別のタイプの担体であってもよく、その上に、ワイヤ及び固体光エミッタが設けられる。担体は平らであるが、僅かに湾曲していてもよい。ホルダは、特に、ホルダが別の物体の取付け面に固定される場合に、担体を保持する。当該別の物体は、照明器具のコンポーネントであり、別の物体の取付け面は、ヒートシンクへの接合面を提供する。ホルダが担体に組み付けられ、即ち、ホルダが担体を保持し、担体の固体光エミッタが光を放射すると、放射された光は、ホルダの周囲の環境へと光出射窓を透過する。
【0011】
ホルダが担体に組み付けられると、したがって、ホルダが担体を保持すると、担体は、ホルダの接触面に接触する。以下に説明されるように、担体はホルダ内でクランプされる、及び/又は、担体は接触面と別の物体の取付け面との間に提供される。担体がホルダ内でクランプされる又はホルダによって保持されると、担体は、光出射窓の方向への力を受け、接触面は、担体が当該力を受けたときに、担体が停止する位置(担体の表面が押し付けられる表面)を規定する。より具体的には、ホルダが、固定手段で取付け面に固定されると、担体の一部が接触面と別の物体の表面との間にある。
【0012】
ホルダは更に、少なくとも2つのフックを含む。フックは、ホルダの担体への組み付けに特に重要な役割を有している。ホルダが担体に組み付けられると、少なくとも2つのフックは、クランプ位置にあり、この位置では、少なくとも2つのフックは、フックと接触面との間に担体をクランプする。なお、少なくとも2つのフックが担体を接触面に対してクランプするこの構成は、ホルダが別の物体の取付け面に固定されていない構成に関連する。担体を保持しているホルダが、別の物体の取付け面に固定されると、フックは、側方位置になる。これは、フックは、担体から離れる位置に配置されることを意味する。つまり、フックは、担体に接触せず、担体と取付け面の間とはならない位置にある。フックは、クランプ位置と側方位置との間で移動可能である。
【0013】
上記ホルダは、固体光エミッタを有する担体がホルダ内に固定されるように、担体を接触面に接する位置にクランプするフックを有する。ホルダを取付け面に固定する必要なく、ホルダを担体に組み付けられることは、製造業者及び客にとって非常に好都合である。これは、製造業者は、担体を有するホルダを、単一のコンポーネントとして販売できることを意味する。その後、客が、担体を有するホルダを取付け面に固定するときに、フックは側方位置にあり、側方位置では、取付け面と接触面との間に担体が保持され、フックの部分は、担体と取付け面との間にはない。したがって、担体は、例えば取付け面との優れた熱結合を形成するために、取付け面と優れた接触をする。客は、フックをホルダから取り外す必要がなく、また、客は、フックを取り外すために又は固定手段を提供するために、ホルダ全体を開く必要もない。したがって、ホルダが取付け面に固定されるときに、フックが側方位置にあることは、客にとって好都合である。
【0014】
なお、「客」との用語が使用される又は「ユーザ」との用語が使用されるいずれの個所においても、「照明器具の製造業者」との用語に読み替えられてよく、これは、多くの実際の状況では、照明器具の製造業者が、担体を有するホルダを購入し、担体を有するホルダを別の物体の取付け面に固定するからである。
【0015】
固定要素は、ホルダが担体を保持し、ホルダが取付け面に固定されるときに、ホルダの外側に設けられる。これは、ユーザが、固定要素にアクセスするために、ホルダを開く必要がない、又は、ホルダから要素を取り外す必要がないことを意味する。一例では、固定開口は、ホルダの外面における凹部であり、当該凹部は、ホルダを取付け面に固定するためのねじ又はくぎを受けるためのものである。別の例では、固定開口は、ホルダから延在し、ホルダが別の物体の取付け面に押し付けられる場合に、取付け面に接触する突出部である。当該突出部は、ホルダを取付け面に固定するためのねじ又はくぎを受けるための開口が設けられていてもよい。
【0016】
上記ホルダ(及び担体)は、任意の特定のタイプの固体光エミッタに限定されない。特定の実施形態では、固体光エミッタは、レーザダイオード、発光ダイオード(LED)又は有機発光ダイオード(OLED)である。固体エミッタは更に、様々なタイプの固体光エミッタの組み合わせを含んでもよい。
【0017】
上記されたように、別の物体の取付け面は、ヒートシンクへの接合面を提供するか、又は、ヒートシンクの表面であってよい。例えば取付け面が金属面である場合、当該取付け面は、熱を受け取り、当該熱を、固体光エミッタを含む担体を有するホルダから離れるように輸送することが十分に可能である。固体光エミッタを含む担体の多くの実用的な実施形態では、担体の第1の側面に、固体光エミッタが設けられ、固体光エミッタの熱を担体の第2の側面(担体の第1の側面の反対側)に輸送するための手段が取られている。したがって、担体を有するホルダの多くの実用的な実施形態では、担体の第1の側面は、固体光エミッタによって放射される光が、ホルダの周囲の環境へと光出射窓を透過できるように、光出射窓に向き、担体の第2の側面は、光出射窓とは反対側のホルダの側面にあり、担体を有するホルダが取付け面に固定されるときに、取付け面に接触する。従って、多くの実用的な実施形態では、担体の第1の側面は、接触面に部分的に接触している。多くの実用的な実施形態では、ホルダの前側(光出射窓を含む側)とは反対側の後側は、ホルダが担体を保持するときに、担体の第2の表面と平行である。
【0018】
担体は、固体光エミッタを含む。より具体的には、担体は、固体光エミッタを担持する。固体光エミッタを含む担体の特定の実施形態は、プリント回路基板である。金属トラック又は固体光エミッタがその上に設けられている例えばガラス製の担体といった他の実施形態も可能である。
【0019】
側方位置では、フックは、担体から離れる位置にある。これは、フックは、担体にもはや接触しておらず、担体とフックとの間には、少なくとも小さい距離があることを意味する。一実施形態では、フックは、側方位置にあるときに、担体の側方にある。担体の側方とは、横方向(担体に平行な方向)で見た場合に、側方位置は、担体から離れた位置であることを意味する。これは、クランプ位置に比べて、担体の中心から更に離れた位置を意味する。
【0020】
任意選択的に、接触面の位置及び側方位置における少なくとも2つのフックは、担体と別の物体の取付け面との間の接触を可能にする。担体と取付け面との間の良好な接触は、固体光エミッタにおいて発生した熱が、取付け面に熱結合されているヒートシンクへと容易に流れるように、比較的良好な熱接合面をもたらす。一実施形態では、担体が、固体光エミッタを担持する第1の表面と、第1の表面とは反対側の第2の表面とを有する場合、第2の表面全体が、取付け面に接触するようにされる。特定の他の実施形態では、担体の第2の表面は、熱伝導性である突出要素を有し、当該突出要素が、取付け面に接触するようにされる。
【0021】
任意選択的に、ホルダは、前パネルを有する。前パネルは、光出射窓を含むホルダのパネルである。フックは、前パネルから離れるように突出するアームを含む。アームは、アームが前パネルに結合される位置に、基部端を有し、また、アームは、基部端の反対側に、自由端を有する。フックは、フックのクランプ位置において、担体の側面と係合するクリップを含む。クリップは、当該クリップと接触面との間に担体をクランプするためのものであり、アームの自由端に配置され、ホルダが担体を保持する場合に、自由端から、担体の中心点の方向に実質的に延在する。
【0022】
クリップを有するアームの製造は、比較的容易であり、したがって、ホルダの価格が比較的低くなる。更に、アーム上のクリップは、担体をホルダ内にカチッとはめ込むことを可能にし、これは、行うのが比較的簡単なステップであり、これにより、効率的、したがって、比較的安価な組み立てステップがもたらされる。
【0023】
なお、アームは、棒形状又はロッド形状を必ずしも有さなくてもよい。「アーム」との用語は、断面形状において、アームは、ロッド状又は棒状の形状を有することから、使用される。したがって、アームは更に、壁の形状を有してもよく、壁は、円柱の一部の形状を有してもよい。アームの基本的な特性は、1つの方向において、比較的薄いということである。
【0024】
ホルダの前パネルは、必ずしも固体材料で作られなくてもよい。光出射窓は、開口であり、このような状況では、前パネルは、開口によって画成される仮想平面によって部分的に形成される。1つの実用的な実施形態では、ホルダの前パネルは、担体を有するホルダが別の物体の取付け面に固定されるときの取付け面とは反対側の(組み立てられた)ホルダの側面である。
【0025】
任意選択的に、ホルダは、前パネルから離れるように延在する接触突出部を含む。接触突出部の第1の端は、接触突出部の第2の端の反対側であり、第1の端は、接触面を含み、第2の端は、前パネルに結合される。このような接触突出部を、比較的低価格で製造することは、比較的容易である。突出部は、材料にも費用がかからない。一実施形態では、それぞれが第1の端及び第2の端を有する複数の接触突出部が設けられる。複数の接触突出部が設けられる場合、接触面は、当該複数の接触突出部の第1の端によって形成される。幾つかの接触突出部を使用して、担体の表面をホルダに接触させる場合、接触突出部間の空間は、空気の循環を可能にし、これは、固体光エミッタから離れるように熱を輸送するのに有利である。接触突出部は、棒形状、ロッド形状、ピラミッド形状又は壁若しくは円柱の形状といった前パネルから離れるように突出する任意の形状を有してよい。
【0026】
任意選択的に、フックは、ホルダが別の物体の取付け面に押し付けられる場合に、取付け面からの力を受ける。フックは、力を受けることがフックのクランプ位置から側方位置への移動をもたらすように、力を受ける。したがって、フックの側方位置への移動は、例えばホルダが取付け面に固定される場合である、ホルダが取付け面に対して押し付けられる場合に、自動的に行われる。したがって、ユーザが、介入する必要がなく、また、ユーザは、フックを側方位置に動かす必要もない。したがって、担体がその中に設けられているホルダの購入者は、固定手段を提供するだけで、ホルダを取付け面に固定することができ、ホルダが固定されると、フックは移動し、担体は、取付け面と良好な接触をすることができる。
【0027】
任意選択的に、フックが、上記されたように、クリップを有するアームを含み、フックが、上記されたように、力を受ける場合は、フックは、アームの自由端に設けられるアンカー棒を含む。アンカー棒は、クリップから離れる方向に自由端から離れるように延在する。アンカー棒は、ホルダが担体に組み付けられ、ホルダが別の物体の取付け面に対し押し付けられる場合に、取付け面からの力を少なくとも部分的に受ける。したがって、アンカー棒は、力を受けた場合に、フックが側方位置へと少なくとも部分的に移動するように、力を受けるのに十分に大きく、また、十分に強い。アンカー棒は、アーム及びクリップと同様に、製造が容易であり、当該アンカー棒を製造するのに多くの材料を必要としない。したがって、アンカー棒は、力を受け、フックを側方位置に少なくとも部分的に移動するのに費用効果的な手段である。なお、アンカー棒が力を受けるように、担体を有するホルダを、表面に固定する必要はない。一実施形態では、フックのアンカー棒の端は、担体を有するホルダから少し突出し、担体を有するホルダが取付け面に接触させられると、アンカー棒が、最初に、力を受けるために、取付け面に接触する。具体的には、担体を有するホルダが、取付け面に接触させられ、ユーザが、担体を有するホルダを(取付け面に向けて)より押し付けると、アンカー棒は、フックの側方位置への移動をもたらすより大きな力を受ける。なお、一実施形態では、フックのクリップも、例えばフックのクランプ位置から側方位置への移動を完了させるために、力を少なくとも部分的に受ける。
【0028】
任意選択的に、ホルダがアームを含む場合、フックのアームは、クランプ位置から側方位置への撓みを可能とするために少し弾性である。撓みは、例えばアンカー棒が受ける上記力によって開始される。力を受けなくなると、アームは、それらのクランプ位置に戻る。少し弾性であるアームの製造は、比較的容易であり、かつ、費用効果的である。例えば少し可撓性のある合成材料からできたアームを製造することができる。当該アームは、比較的薄く、また、少し弾性の特性を自然と有する。
【0029】
任意選択的に、アームは、第1の部分と第2の部分とに分割される。第1の部分は、前パネルに結合され、第1の部分は、アームの基部端におけるアームの一部である。したがって、第2の部分は、自由端も含むアームのもう1つの部分である。フックがクランプ位置にある場合に、i)前パネルとアームの第1の部分とがなす第1の角度は、45度乃至80度の範囲内にあり、当該第1の角度は、ホルダが担体を保持する場合に、担体の中心から外方を向くアームの片側で測定され、ii)第2の部分は、前パネルに実質的に垂直に配置され、iii)アンカー棒と、アームの第2の部分とがなす第2の角度は、95度乃至120度の範囲内にあり、当該第2の角度は、クリップから外方を向くアームの片側で測定される。この任意選択の実施形態による形状を有するフックが、クリップと接触面との間に担体をクランプし、また、担体が取付け面と良好な接触をすることができるように側方位置の方に撓むのに効果的かつ効率的であることが実証されている。
【0030】
任意選択的に、アームのクリップは、ホルダが担体に組み付けられ、ホルダが取付け面に固定されていない場合に、担体に接触するクリップ面を有する。クリップのクリップ面は、アームの第2の部分に実質的に垂直に配置されている。
【0031】
任意選択的に、ホルダの外面は、光出射窓に実質的に平行な平面において見た場合に、実質的に円形の断面形状を有する。別の実施形態では、光出射窓は、実質的に円形の形状を有する。なお、ホルダ及び/又は光出射窓の形状は、円形だけに限定されない。一実施形態では、形状は、長方形、四角形又は楕円形であってもよい。ホルダの特定の応用では、特定の形状が、他の形状よりも適していることがある。
【0032】
第2の態様によれば、上記実施形態の何れか1つによるホルダを含み、また、固体光エミッタを含む担体を含む照明モジュールが提供される。ホルダは担体を保持する。
【0033】
任意選択的に、照明モジュールが別の物体の取付け面に固定されていない場合に、担体は、接触面とホルダの少なくとも2つのフックとの間にクランプされる。
【0034】
本発明の第3の態様によれば、第1の態様によるホルダを含むか、又は、第2の態様による照明モジュールを含む照明器具が提供される。
【0035】
第4の態様によれば、照明モジュール用のホルダを製造する方法が提供される。ホルダは、固体光エミッタを含む担体を保持するためのものである。当該方法は、合成材料からホルダを形成するステップを含む。ホルダを形成する当該ステップは、少なくとも、i)ホルダの周囲の環境への光の透過を可能にする光出射窓を形成するステップであって、光は、使用時に、担体上に設けられている固体光エミッタによって放射される、当該ステップと、ii)ホルダを、別の物体の取付け面に固定する固定手段を受容する固定要素を形成するステップと、iii)担体がホルダ内に組み立てられる場合に、担体が接触する停止位置を提供し、ホルダが別の物体の取付け面に固定される場合に、接触面と別の物体の取付け面との間に担体を保持する、当該接触面を提供するステップと、iv)ホルダが担体に組み付けられる場合に、担体を接触面に対してクランプし、担体を含むホルダが別の物体の取付け面に固定される場合に、担体から離れるように移動する少なくとも2つのフックを形成するステップとを含む。
【0036】
第2の態様による照明モジュールと第4の態様による方法とは、本発明の第1の態様によるホルダと同じメリットを提供し、また、システムの対応する実施形態と同様の効果を有する同様の実施形態を有する。
【0037】
本発明のこれらの及び他の態様は、以下に説明される実施形態を参照して、明らかとなろう。
【0038】
当業者であれば、本発明の上記選択肢、実施態様及び/又は態様のうちの2つ以上が、有用と思われるどの態様で組み合わされてもよいことは理解できよう。
【0039】
ホルダの修正態様及び変更態様、ホルダの説明された修正態様と変更態様とに対応する照明モジュール並びに/又は方法は、本説明に基づいて、当業者によって実行可能である。
【図面の簡単な説明】
【0040】
図1図1は、別の物体の取付け面に組み付けられるレベル2の照明モジュールの一実施形態を概略的に示す。
図2図2は、ホルダのフックがクランプ位置にある担体を有するホルダを概略的に示す。
図3図3は、取付け面に組み付けられ、ホルダのフックが側方位置にある、担体を有するホルダを概略的に示す。
図4図4は、プリント回路基板を保持するホルダの別の実施形態の断面図を概略的に示す。
図5図5は、図示されるフックはクランプ位置にある図4の断面図の詳細を概略的に示す。
図6図6は、ホルダが別の物体に固定される状態の当該ホルダの別の実施形態の断面図を概略的に示す。
図7図7は、図示されているフックは側方位置にある図6の断面図の詳細を概略的に示す。
図8図8は、照明モジュール用のホルダを製造する方法の一実施形態を概略的に示す。
図9図9は、照明器具を概略的に示す。
【0041】
なお、様々な図面において、同じ参照符号によって示されるアイテムは、同じ構造上の特徴及び同じ機能を有するか、又は、同じ信号である。そのようなアイテムの機能及び/又は構造が説明されている場合には、詳細な説明において、それらの説明を繰り返す必要はない。
【0042】
図面は、図表に過ぎず、縮尺通りに描かれているわけではない。特に、明瞭とするために、一部の寸法は、大きく拡大されている。
【発明を実施するための形態】
【0043】
図1は、別の物体150の取付け面152に組み付けられているレベル2の照明モジュールの一実施形態を概略的に示す。図1は、取付け面152を含む別の物体150の一部を示す。レベル2の照明モジュールのホルダ110が、取付け面152上に設けられている。ホルダ110は、光出射窓114を有し、また、例えば、ホルダ110を取付け面152に固定する固定手段がその中に設けられている穴112を含む。固定手段は、例えばねじ又はくぎであるが、固定手段の実施形態は、くぎ又はねじに限定されない。他の固定手段は、磁石、接着剤、又は例えばベルクロ(登録商標)を使用してもよい。図1では、固体光エミッタを有する担体が、ホルダ110の内部にあることは図示されていない。図1に示される構成では、担体はホルダによって保持され、また、担体は、担体から別の物体150へ熱が輸送されるように、取付け面152と優れた接触を有する。取付け面152は、別の物体150内にあるヒートシンクに熱を伝導する接合面を提供する表面であってよい。別の物体150は、金属製で、したがって、ヒートシンクの機能を果たすこともできる。
【0044】
図2は、ホルダ210のフック220がクランプ位置にある担体240を有するホルダ210の断面図を概略的に示す。
【0045】
担体240は、プリント回路基板又は特定の材料の固体基板であってよく、その上に、1つ以上の固体光エミッタ242が設けられている。固体光エミッタ242は、例えば発光ダイオード、有機発光ダイオード又はレーザダイオードである。担体は、固体光エミッタ242が設けられる第1の側面を含み、また、第1の側面とは反対側の第2の側面244を含む。担体240が、プリント回路基板である場合、プリント回路基板の内部に、導電経路が設けられる。担体240が、別の材料の基板である場合、担体240の第1の側面上に電線が設けられるか、又は、電線も、担体240の内部に組み込まれてもよい。動作時、固体光エミッタ242は、光246を放射する。固体光エミッタ242を有する担体240が、ホルダ210に組み付けられると、光246は、ホルダ210の周囲の環境へと、ホルダ210の光出射窓214を透過する。なお、ホルダ210の光出射窓214は更に、光学要素216を含んでもよい。光学要素216は、拡散器、レンズ又は透明固体層であってよい。1つ以上のリフレクタといった他の光学要素も、固体光エミッタ242と光出射窓214との間に設けられてもよい。光学要素216は、平らな形状の要素として描かれているが、ドーム形状の拡散器といったように湾曲形状を有していてもよい。
【0046】
ホルダ210は、光出射窓214を含む、ホルダ210の(仮想)パネルである前パネル218を含む。具体的には、「仮想」との用語は、光出射窓214が、光学要素を含んでも、又は、任意の特定の他の要素若しくは層を含まなくてもよいので、使用される。ホルダ210が別の物体に固定されると、前パネル218は、別の物体から最も離れているホルダ210のパネルである。図2に示されるホルダは、前パネル218に、固定要素212も含む。固定要素212は、前パネル218の穴によって形成される。前パネル218から見た場合に、固定要素212の後ろの空間は、ホルダ210を別の物体の取付け面に固定するために、くぎ又はねじを固定要素212内に挿入できるように、空いている。代替の固定要素213が、固定要素212に加えて又はそれに代えて、設けられてもよい。代替の固定要素213は、ホルダ210から横方向に突出し、くぎ又はねじを受けるための穴を含む突出要素である。
【0047】
ホルダ210は、接触面226を含む。接触面226は、前パネル218から外方に向いている接触突出部224の表面である。接触面226は、複数の接触突出部224の表面によって形成されてもよい。接触突出部224は、前パネル218に結合され、担体214がホルダによって受け入れられる位置に向かって突出する。接触面226は、担体240がホルダ内に組み立てられる場合に、担体240が接触する停止位置を提供する。ホルダ210が、別の物体の取付け面に固定されると、当該取付け面と接触面226との間に担体240が設けられる。一実施形態において、ホルダ210が、別の物体の取付け面に固定されると、取付け面と接触面226との間に担体240がクランプされる。
【0048】
ホルダ210は、少なくとも2つのフック220を含む。図2では、2つのフックが描かれているが、3つ以上のフック220が設けられてもよい。フック220は、断面図では、アーム形状である。フック220は、アームの基部端において、ホルダ210の前パネル218に結合され、アームの自由端(基部端とは反対側の端)において、フック220は、クリップ222を含む。
【0049】
図2では、フック220は、そのクランプ位置にある。フックがクランプに位置にあると、フック220と接触面226との間に担体240がクランプされる。より具体的には、フック220がクリップ222を含む場合、クリップ222の表面と接触面226との間に担体240がクランプされる。
【0050】
フック220は、側方位置に移動可能である。この側方位置において、フックは、担体240の側方の場所にある。より具体的には、フックは、ホルダが別の物体の取付け面に固定されると、側方位置の方に移動する。これは、図3に概略的に示されている。
【0051】
ホルダ210は、固体光エミッタ242を有する担体240と共に、照明モジュール200を形成する。
【0052】
図3は、別の物体150の取付け面152に組み付けられた担体240を有し、ホルダ210のフック220は側方位置にある当該ホルダ210の断面図を概略的に示す。図3では、ホルダ210は、くぎ299で、別の物体に固定されている。或いは、ねじが使用されてもよい。また、他の固定手段が使用されてもよい。担体240の第2の側面244は、例えば熱が担体240から別の物体150に伝達可能であるように、別の物体150の取付け面152と接触している。この構成では、担体240は、接触面226と、取付け面152との間にある。図示されるように、フック220は、クリップ222が、担体240の第2の側面244と取付け面152との間にないように、別の位置の方に動かされる。
【0053】
図4は、プリント回路基板340を保持しているホルダ310の別の実施形態の断面図を概略的に示す。プリント回路基板340は、複数の発光ダイオード(LED)を含む。動作時、LEDは、光を放射し、プリント回路基板340がホルダ310によって保持されると、放射された光は、ホルダ310の周囲の環境へと拡散要素316及び光出射窓316を透過する。ホルダ310の(仮想)前パネルは、参照符号318で示される。ホルダ310は更に、前パネル318に実質的に垂直に配置される外壁328を含む。前パネル318及び外壁328は、空洞を取り囲む。空洞内に、フック320と接触突出部324とが設けられる。プリント回路基板340がホルダ310によって保持されると、プリント回路基板340も、空洞内に配置される。前パネル318と実質的に平行な平面において、ホルダ310からの断面図が得られると、ホルダ310の外壁328は、実質的に円形の形状を有する。長方形、四角形又は楕円形といった他の断面形状も可能である。
【0054】
図4では、フック320は、そのクランプ位置にある。これは、フック320は、接触面326とフック320との間にプリント回路基板をクランプするように当該位置に配置されていることを意味する。
【0055】
図4では、プリント回路基板340の中心Cが示されている。
【0056】
図5は、図4の断面図の詳細を概略的に示し、図示されているフックは、クランプ位置にある。図5は、1つのフックの一実施形態のみを示すが、図4から分かるように、もう一方のフックは、同様の左右反対の形状を有する。図5に示されるように、フックは、基部端352を含み、フックは、基部端において、前パネルに結合されている。フックの基部端352の反対側に、フックは、自由端358を含む。断面図において、フックの比較的大きい部分は、アーム形状であり、フックのアーム形状部分は、第1の部分354と第2の部分356とに分割される。第1の部分354は、フックの基部端352に接触し、第2の部分356は、フックの自由端358に接触する。フックの自由端358には、クリップ362が設けられ、クリップ362は、フックがクランプ位置にあると、プリント回路基板の中心の方向に配置されている(図4参照)。クリップ362は、クリップと接触面との間にプリント回路基板をクランプするために、プリント回路基板の表面に接触するクリップ面364を有する。クリップ面364は、フックの第2の部分356に実質的に垂直に向けられている。
【0057】
フックは更に、その自由端358において、アンカー棒360を含む。アンカー棒360は、クリップ362から離れる方向に自由端358から離れるように延在する。ホルダ310が、別の物体150の取付け面に接触させられると、アンカー棒は、別の物体150からの力を受ける。この力は、ホルダが、別の物体150に対して押し付けられると増加する。アンカー棒は、クランプ位置から、側方位置に向かって少なくともある距離でアームを移動させるために、当該力を利用する特定の形状を有する。クランプ位置から側方位置への移動の間に、クリップ362も、側方位置への移動を完了させるための力を受ける。
【0058】
図5には、幾つかの線が描かれている。線394は、前パネルの方向に従い、線390は、フックの第1の部分354の方向に従い、線392は、フックの第2の部分356の方向に従い、線396は、アンカー棒360の方向に従う。フックが、クランプ位置にある場合に、第2の部分356は、前パネルに実質的に垂直な向きを有する。これは、線392と線394とがなす角度が、約90度であることを意味する。フックが、クランプ位置にある場合に、線390と線394とがなす角度αは、45乃至80度の範囲内にあるか、別の実施形態では、55乃至75度の範囲内にあるか、又は、約67度の値を有する。角度αは、線390と線394とがなす最小角度である。フックがクランプ位置にある場合に、線392と線396とがなす角度βは、95乃至120度の範囲内にあるか、別の実施形態では、100乃至115度の範囲内にあるか、又は、約110度の値を有する。角度βは、線390と線394とがなす最大角度である。
【0059】
図6は、ホルダ310が、別の物体150に固定される場合のホルダ310の別の実施形態の断面図を概略的に示す。図6は、ホルダ310が別の物体150に固定されるやり方を正確には示していない。固定は、先に説明された固定要素及び固定手段を用いて行われる。図6では、フック320は、プリント回路基板340の中心Cから離れる位置である側方位置にある。側方位置では、プリント回路基板340の第2の側面344と別の物体150の取付け面152との間にあるフック320の部分はない。上記されたように、ホルダ310が、取付け面152に押し付けられると、フック320のアンカー棒が、フック320の側方位置への移動を開始する力を受ける。フック320は、少し弾性のある材料で作られ、これは、フック320のクランプ位置から側方位置への移動が、当該材料が破損しないように、当該材料によって可能にされることを意味する。別の実施形態では、ホルダ310が製造され、プリント回路基板340がホルダ内に組み立てられていない場合は、フック320は、クランプ位置にあり、フック320の材料の弾性特性によって、力を受けたときにフック320が側方位置に撓む。フック320が側方位置にあるときに、力を受けなくなると、フック320は、弾性によって、クランプ位置に戻る。
【0060】
図7は、図6の断面図の詳細を概略的に示し、図示されるフック320は、側方位置にある。図7から分かるように、フック320が側方位置にあると、線392は、線394に対して垂直に向けられなくなるが、これらの線の間の角度γは、60乃至85度の範囲内、若しくは、一実施形態では、70乃至80度の範囲内の値を有するか、又は、75度の値を有する。
【0061】
図8は、照明モジュール用のホルダを製造する方法500の一実施形態を概略的に示す。ホルダは、固体光エミッタを含む担体を保持するためのものである。方法500は、合成材料からホルダを形成するステップ502を含む。ホルダを形成する当該ステップ502は、少なくとも、a)ホルダの周囲の環境への光の透過を可能にする光出射窓を形成するステップ504であって、当該光は、使用時に、担体上に設けられている固体光エミッタによって放射される当該ステップ504と、b)ホルダを、別の物体の取付け面に固定する固定手段を受容する固定要素を形成するステップ506と、c)担体がホルダ内に組み立てられる場合に、担体が接触する停止位置を提供し、また、ホルダが別の物体の取付け面に固定される場合に、接触面と別の物体の取付け面との間に担体を保持する、当該接触面を提供するステップ508と、d)ホルダが担体に組み付けられる場合に、担体を接触面に対しクランプし、担体を含むホルダが別の物体の取付け面に固定される場合に、担体から離れるように移動する少なくとも2つのフックを形成するステップ510とを含む。
【0062】
図9は、照明器具900を概略的に示す。照明器具900は、上記された実施形態のうちの1つによるホルダ(図示せず)を含むか、又は、上記された照明モジュール(図示せず)を含む。
【0063】
要約するに、固体光エミッタを含む担体を保持するホルダと、照明モジュールと、照明機器と、照明モジュール用のホルダを製造する方法とが提供される。ホルダは、光出射窓と、固定要素と、接触面と、少なくとも2つのフックとを含む。接触面は、担体がホルダ内に組み立てられる場合に、担体が接触する停止位置を提供する。少なくとも2つのフックは、クランプ位置と側方位置との間で移動可能である。ホルダが担体に組み付けられる場合に、i)フックがクランプ位置にある場合は、フックは、当該フックと接触面との間に担体をクランプし、ii)ホルダが、別の物体の取付け面に固定される場合は、フックは、担体から離れる位置である側方位置にある。
【0064】
なお、上記実施形態は、本発明を説明するものであって、限定するものではない。また、当業者であれば、添付の請求項の範囲から逸脱することなく、多くの代替実施形態をデザインすることができるであろう。
【0065】
請求項において、括弧内に配置される任意の参照符号は、請求項を限定するものと解釈されるべきではない。「含む」との動詞及びその活用形の使用は、請求項に記載される要素又はステップ以外の要素又はステップの存在を排除するものではない。要素に先行する「a」又は「an」との冠詞は、当該要素が複数存在することを排除するものではない。幾つかの手段を列挙する装置クレームにおいて、これらの手段のうちの幾つかは、同一のハードウェアアイテムによって具現化されてもよい。特定の手段が相互に異なる従属項に記載されることだけで、これらの手段の組み合わせを有利に使用することができないことを示すものではない。
【要約】
固体光エミッタ242を含む担体240を保持するホルダ210と、照明モジュールと、照明器具と、照明モジュール用のホルダを製造する方法とが提供される。ホルダ210は、光出射窓214と、固定要素212と、接触面226と、少なくとも2つのフック220とを含む。接触面は、担体がホルダ内で組み立てられる場合に、担体が接触する停止位置を提供する。少なくとも2つのフックは、クランプ位置と側方位置との間で移動可能である。ホルダが担体に組み付けられる場合に、i)フックがクランプ位置にある場合は、フックは、当該フックと接触面との間に担体をクランプし、ii)ホルダが担体に組み付けられ、ホルダが別の物体の取付け面に固定される場合は、フックは、担体から離れる位置である側方位置に配置される。
図1
図2
図3
図4-5】
図6-7】
図8
図9