【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の第1の態様は、照明モジュール用のホルダを提供する。第2の態様は、照明モジュールを提供する。第3の態様は、照明器具を提供する。第4の態様は、照明モジュール用のホルダを製造する方法を提供する。有利な実施形態は、従属項に規定される。
【0009】
本発明の第1の態様によるホルダは、光出射窓と、固定要素と、接触面と、少なくとも2つのフックとを含む。ホルダは、固体光エミッタを含む担体を保持するのに適している。光出射窓は、ホルダの周囲の環境への光の透過を可能にし、当該光は、使用時に、担体の固体光エミッタによって放射される。固定要素は、別の物体の表面にホルダを固定する固定手段を受容するためのものである。固体要素は、ホルダが担体を保持し、担体を有するホルダが取付け面に固定される場合に、ホルダの外側から、ユーザによってアクセス可能である。接触面は、担体がホルダ内で組み立てられる場合に、担体が接触する停止位置を提供し、ホルダが別の物体の取付け面に固定される場合に、接触面と別の物体の表面との間に担体を保持する。少なくとも2つのフックは、クランプ位置と側方位置との間で移動可能である。ホルダが担体に組み付けられ、フックがクランプ位置にある場合は、フックは、当該フックと接触面との間に担体をクランプする。ホルダが担体に組み付けられ、ホルダが別の物体の表面に固定される場合は、フックは、担体から離れる位置である側方位置に配置される。
【0010】
ホルダは、固体光エミッタを含む担体を保持する。担体は、プリント回路基板であるが、(ガラス又は合成材料の基板といった)別のタイプの担体であってもよく、その上に、ワイヤ及び固体光エミッタが設けられる。担体は平らであるが、僅かに湾曲していてもよい。ホルダは、特に、ホルダが別の物体の取付け面に固定される場合に、担体を保持する。当該別の物体は、照明器具のコンポーネントであり、別の物体の取付け面は、ヒートシンクへの接合面を提供する。ホルダが担体に組み付けられ、即ち、ホルダが担体を保持し、担体の固体光エミッタが光を放射すると、放射された光は、ホルダの周囲の環境へと光出射窓を透過する。
【0011】
ホルダが担体に組み付けられると、したがって、ホルダが担体を保持すると、担体は、ホルダの接触面に接触する。以下に説明されるように、担体はホルダ内でクランプされる、及び/又は、担体は接触面と別の物体の取付け面との間に提供される。担体がホルダ内でクランプされる又はホルダによって保持されると、担体は、光出射窓の方向への力を受け、接触面は、担体が当該力を受けたときに、担体が停止する位置(担体の表面が押し付けられる表面)を規定する。より具体的には、ホルダが、固定手段で取付け面に固定されると、担体の一部が接触面と別の物体の表面との間にある。
【0012】
ホルダは更に、少なくとも2つのフックを含む。フックは、ホルダの担体への組み付けに特に重要な役割を有している。ホルダが担体に組み付けられると、少なくとも2つのフックは、クランプ位置にあり、この位置では、少なくとも2つのフックは、フックと接触面との間に担体をクランプする。なお、少なくとも2つのフックが担体を接触面に対してクランプするこの構成は、ホルダが別の物体の取付け面に固定されていない構成に関連する。担体を保持しているホルダが、別の物体の取付け面に固定されると、フックは、側方位置になる。これは、フックは、担体から離れる位置に配置されることを意味する。つまり、フックは、担体に接触せず、担体と取付け面の間とはならない位置にある。フックは、クランプ位置と側方位置との間で移動可能である。
【0013】
上記ホルダは、固体光エミッタを有する担体がホルダ内に固定されるように、担体を接触面に接する位置にクランプするフックを有する。ホルダを取付け面に固定する必要なく、ホルダを担体に組み付けられることは、製造業者及び客にとって非常に好都合である。これは、製造業者は、担体を有するホルダを、単一のコンポーネントとして販売できることを意味する。その後、客が、担体を有するホルダを取付け面に固定するときに、フックは側方位置にあり、側方位置では、取付け面と接触面との間に担体が保持され、フックの部分は、担体と取付け面との間にはない。したがって、担体は、例えば取付け面との優れた熱結合を形成するために、取付け面と優れた接触をする。客は、フックをホルダから取り外す必要がなく、また、客は、フックを取り外すために又は固定手段を提供するために、ホルダ全体を開く必要もない。したがって、ホルダが取付け面に固定されるときに、フックが側方位置にあることは、客にとって好都合である。
【0014】
なお、「客」との用語が使用される又は「ユーザ」との用語が使用されるいずれの個所においても、「照明器具の製造業者」との用語に読み替えられてよく、これは、多くの実際の状況では、照明器具の製造業者が、担体を有するホルダを購入し、担体を有するホルダを別の物体の取付け面に固定するからである。
【0015】
固定要素は、ホルダが担体を保持し、ホルダが取付け面に固定されるときに、ホルダの外側に設けられる。これは、ユーザが、固定要素にアクセスするために、ホルダを開く必要がない、又は、ホルダから要素を取り外す必要がないことを意味する。一例では、固定開口は、ホルダの外面における凹部であり、当該凹部は、ホルダを取付け面に固定するためのねじ又はくぎを受けるためのものである。別の例では、固定開口は、ホルダから延在し、ホルダが別の物体の取付け面に押し付けられる場合に、取付け面に接触する突出部である。当該突出部は、ホルダを取付け面に固定するためのねじ又はくぎを受けるための開口が設けられていてもよい。
【0016】
上記ホルダ(及び担体)は、任意の特定のタイプの固体光エミッタに限定されない。特定の実施形態では、固体光エミッタは、レーザダイオード、発光ダイオード(LED)又は有機発光ダイオード(OLED)である。固体エミッタは更に、様々なタイプの固体光エミッタの組み合わせを含んでもよい。
【0017】
上記されたように、別の物体の取付け面は、ヒートシンクへの接合面を提供するか、又は、ヒートシンクの表面であってよい。例えば取付け面が金属面である場合、当該取付け面は、熱を受け取り、当該熱を、固体光エミッタを含む担体を有するホルダから離れるように輸送することが十分に可能である。固体光エミッタを含む担体の多くの実用的な実施形態では、担体の第1の側面に、固体光エミッタが設けられ、固体光エミッタの熱を担体の第2の側面(担体の第1の側面の反対側)に輸送するための手段が取られている。したがって、担体を有するホルダの多くの実用的な実施形態では、担体の第1の側面は、固体光エミッタによって放射される光が、ホルダの周囲の環境へと光出射窓を透過できるように、光出射窓に向き、担体の第2の側面は、光出射窓とは反対側のホルダの側面にあり、担体を有するホルダが取付け面に固定されるときに、取付け面に接触する。従って、多くの実用的な実施形態では、担体の第1の側面は、接触面に部分的に接触している。多くの実用的な実施形態では、ホルダの前側(光出射窓を含む側)とは反対側の後側は、ホルダが担体を保持するときに、担体の第2の表面と平行である。
【0018】
担体は、固体光エミッタを含む。より具体的には、担体は、固体光エミッタを担持する。固体光エミッタを含む担体の特定の実施形態は、プリント回路基板である。金属トラック又は固体光エミッタがその上に設けられている例えばガラス製の担体といった他の実施形態も可能である。
【0019】
側方位置では、フックは、担体から離れる位置にある。これは、フックは、担体にもはや接触しておらず、担体とフックとの間には、少なくとも小さい距離があることを意味する。一実施形態では、フックは、側方位置にあるときに、担体の側方にある。担体の側方とは、横方向(担体に平行な方向)で見た場合に、側方位置は、担体から離れた位置であることを意味する。これは、クランプ位置に比べて、担体の中心から更に離れた位置を意味する。
【0020】
任意選択的に、接触面の位置及び側方位置における少なくとも2つのフックは、担体と別の物体の取付け面との間の接触を可能にする。担体と取付け面との間の良好な接触は、固体光エミッタにおいて発生した熱が、取付け面に熱結合されているヒートシンクへと容易に流れるように、比較的良好な熱接合面をもたらす。一実施形態では、担体が、固体光エミッタを担持する第1の表面と、第1の表面とは反対側の第2の表面とを有する場合、第2の表面全体が、取付け面に接触するようにされる。特定の他の実施形態では、担体の第2の表面は、熱伝導性である突出要素を有し、当該突出要素が、取付け面に接触するようにされる。
【0021】
任意選択的に、ホルダは、前パネルを有する。前パネルは、光出射窓を含むホルダのパネルである。フックは、前パネルから離れるように突出するアームを含む。アームは、アームが前パネルに結合される位置に、基部端を有し、また、アームは、基部端の反対側に、自由端を有する。フックは、フックのクランプ位置において、担体の側面と係合するクリップを含む。クリップは、当該クリップと接触面との間に担体をクランプするためのものであり、アームの自由端に配置され、ホルダが担体を保持する場合に、自由端から、担体の中心点の方向に実質的に延在する。
【0022】
クリップを有するアームの製造は、比較的容易であり、したがって、ホルダの価格が比較的低くなる。更に、アーム上のクリップは、担体をホルダ内にカチッとはめ込むことを可能にし、これは、行うのが比較的簡単なステップであり、これにより、効率的、したがって、比較的安価な組み立てステップがもたらされる。
【0023】
なお、アームは、棒形状又はロッド形状を必ずしも有さなくてもよい。「アーム」との用語は、断面形状において、アームは、ロッド状又は棒状の形状を有することから、使用される。したがって、アームは更に、壁の形状を有してもよく、壁は、円柱の一部の形状を有してもよい。アームの基本的な特性は、1つの方向において、比較的薄いということである。
【0024】
ホルダの前パネルは、必ずしも固体材料で作られなくてもよい。光出射窓は、開口であり、このような状況では、前パネルは、開口によって画成される仮想平面によって部分的に形成される。1つの実用的な実施形態では、ホルダの前パネルは、担体を有するホルダが別の物体の取付け面に固定されるときの取付け面とは反対側の(組み立てられた)ホルダの側面である。
【0025】
任意選択的に、ホルダは、前パネルから離れるように延在する接触突出部を含む。接触突出部の第1の端は、接触突出部の第2の端の反対側であり、第1の端は、接触面を含み、第2の端は、前パネルに結合される。このような接触突出部を、比較的低価格で製造することは、比較的容易である。突出部は、材料にも費用がかからない。一実施形態では、それぞれが第1の端及び第2の端を有する複数の接触突出部が設けられる。複数の接触突出部が設けられる場合、接触面は、当該複数の接触突出部の第1の端によって形成される。幾つかの接触突出部を使用して、担体の表面をホルダに接触させる場合、接触突出部間の空間は、空気の循環を可能にし、これは、固体光エミッタから離れるように熱を輸送するのに有利である。接触突出部は、棒形状、ロッド形状、ピラミッド形状又は壁若しくは円柱の形状といった前パネルから離れるように突出する任意の形状を有してよい。
【0026】
任意選択的に、フックは、ホルダが別の物体の取付け面に押し付けられる場合に、取付け面からの力を受ける。フックは、力を受けることがフックのクランプ位置から側方位置への移動をもたらすように、力を受ける。したがって、フックの側方位置への移動は、例えばホルダが取付け面に固定される場合である、ホルダが取付け面に対して押し付けられる場合に、自動的に行われる。したがって、ユーザが、介入する必要がなく、また、ユーザは、フックを側方位置に動かす必要もない。したがって、担体がその中に設けられているホルダの購入者は、固定手段を提供するだけで、ホルダを取付け面に固定することができ、ホルダが固定されると、フックは移動し、担体は、取付け面と良好な接触をすることができる。
【0027】
任意選択的に、フックが、上記されたように、クリップを有するアームを含み、フックが、上記されたように、力を受ける場合は、フックは、アームの自由端に設けられるアンカー棒を含む。アンカー棒は、クリップから離れる方向に自由端から離れるように延在する。アンカー棒は、ホルダが担体に組み付けられ、ホルダが別の物体の取付け面に対し押し付けられる場合に、取付け面からの力を少なくとも部分的に受ける。したがって、アンカー棒は、力を受けた場合に、フックが側方位置へと少なくとも部分的に移動するように、力を受けるのに十分に大きく、また、十分に強い。アンカー棒は、アーム及びクリップと同様に、製造が容易であり、当該アンカー棒を製造するのに多くの材料を必要としない。したがって、アンカー棒は、力を受け、フックを側方位置に少なくとも部分的に移動するのに費用効果的な手段である。なお、アンカー棒が力を受けるように、担体を有するホルダを、表面に固定する必要はない。一実施形態では、フックのアンカー棒の端は、担体を有するホルダから少し突出し、担体を有するホルダが取付け面に接触させられると、アンカー棒が、最初に、力を受けるために、取付け面に接触する。具体的には、担体を有するホルダが、取付け面に接触させられ、ユーザが、担体を有するホルダを(取付け面に向けて)より押し付けると、アンカー棒は、フックの側方位置への移動をもたらすより大きな力を受ける。なお、一実施形態では、フックのクリップも、例えばフックのクランプ位置から側方位置への移動を完了させるために、力を少なくとも部分的に受ける。
【0028】
任意選択的に、ホルダがアームを含む場合、フックのアームは、クランプ位置から側方位置への撓みを可能とするために少し弾性である。撓みは、例えばアンカー棒が受ける上記力によって開始される。力を受けなくなると、アームは、それらのクランプ位置に戻る。少し弾性であるアームの製造は、比較的容易であり、かつ、費用効果的である。例えば少し可撓性のある合成材料からできたアームを製造することができる。当該アームは、比較的薄く、また、少し弾性の特性を自然と有する。
【0029】
任意選択的に、アームは、第1の部分と第2の部分とに分割される。第1の部分は、前パネルに結合され、第1の部分は、アームの基部端におけるアームの一部である。したがって、第2の部分は、自由端も含むアームのもう1つの部分である。フックがクランプ位置にある場合に、i)前パネルとアームの第1の部分とがなす第1の角度は、45度乃至80度の範囲内にあり、当該第1の角度は、ホルダが担体を保持する場合に、担体の中心から外方を向くアームの片側で測定され、ii)第2の部分は、前パネルに実質的に垂直に配置され、iii)アンカー棒と、アームの第2の部分とがなす第2の角度は、95度乃至120度の範囲内にあり、当該第2の角度は、クリップから外方を向くアームの片側で測定される。この任意選択の実施形態による形状を有するフックが、クリップと接触面との間に担体をクランプし、また、担体が取付け面と良好な接触をすることができるように側方位置の方に撓むのに効果的かつ効率的であることが実証されている。
【0030】
任意選択的に、アームのクリップは、ホルダが担体に組み付けられ、ホルダが取付け面に固定されていない場合に、担体に接触するクリップ面を有する。クリップのクリップ面は、アームの第2の部分に実質的に垂直に配置されている。
【0031】
任意選択的に、ホルダの外面は、光出射窓に実質的に平行な平面において見た場合に、実質的に円形の断面形状を有する。別の実施形態では、光出射窓は、実質的に円形の形状を有する。なお、ホルダ及び/又は光出射窓の形状は、円形だけに限定されない。一実施形態では、形状は、長方形、四角形又は楕円形であってもよい。ホルダの特定の応用では、特定の形状が、他の形状よりも適していることがある。
【0032】
第2の態様によれば、上記実施形態の何れか1つによるホルダを含み、また、固体光エミッタを含む担体を含む照明モジュールが提供される。ホルダは担体を保持する。
【0033】
任意選択的に、照明モジュールが別の物体の取付け面に固定されていない場合に、担体は、接触面とホルダの少なくとも2つのフックとの間にクランプされる。
【0034】
本発明の第3の態様によれば、第1の態様によるホルダを含むか、又は、第2の態様による照明モジュールを含む照明器具が提供される。
【0035】
第4の態様によれば、照明モジュール用のホルダを製造する方法が提供される。ホルダは、固体光エミッタを含む担体を保持するためのものである。当該方法は、合成材料からホルダを形成するステップを含む。ホルダを形成する当該ステップは、少なくとも、i)ホルダの周囲の環境への光の透過を可能にする光出射窓を形成するステップであって、光は、使用時に、担体上に設けられている固体光エミッタによって放射される、当該ステップと、ii)ホルダを、別の物体の取付け面に固定する固定手段を受容する固定要素を形成するステップと、iii)担体がホルダ内に組み立てられる場合に、担体が接触する停止位置を提供し、ホルダが別の物体の取付け面に固定される場合に、接触面と別の物体の取付け面との間に担体を保持する、当該接触面を提供するステップと、iv)ホルダが担体に組み付けられる場合に、担体を接触面に対してクランプし、担体を含むホルダが別の物体の取付け面に固定される場合に、担体から離れるように移動する少なくとも2つのフックを形成するステップとを含む。
【0036】
第2の態様による照明モジュールと第4の態様による方法とは、本発明の第1の態様によるホルダと同じメリットを提供し、また、システムの対応する実施形態と同様の効果を有する同様の実施形態を有する。
【0037】
本発明のこれらの及び他の態様は、以下に説明される実施形態を参照して、明らかとなろう。
【0038】
当業者であれば、本発明の上記選択肢、実施態様及び/又は態様のうちの2つ以上が、有用と思われるどの態様で組み合わされてもよいことは理解できよう。
【0039】
ホルダの修正態様及び変更態様、ホルダの説明された修正態様と変更態様とに対応する照明モジュール並びに/又は方法は、本説明に基づいて、当業者によって実行可能である。