特許第6009852号(P6009852)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6009852
(24)【登録日】2016年9月23日
(45)【発行日】2016年10月19日
(54)【発明の名称】シャッター枠部の下端構造
(51)【国際特許分類】
   E06B 1/70 20060101AFI20161006BHJP
【FI】
   E06B1/70 Z
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-168646(P2012-168646)
(22)【出願日】2012年7月30日
(65)【公開番号】特開2014-25314(P2014-25314A)
(43)【公開日】2014年2月6日
【審査請求日】2015年6月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】000239714
【氏名又は名称】文化シヤッター株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100067323
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 教光
(74)【代理人】
【識別番号】100124268
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 典行
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 正博
【審査官】 佐藤 美紗子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−211404(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 1/70
E06B 1/12
E06B 1/32
E06B 3/96
E06B 5/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
左右のガイドレールのそれぞれの外側に設けられる金属製の一対の外枠と、
それぞれの前記外枠の外枠下端部を接続する金属製の下枠と、
前記外枠下端部及び下枠端部が接続されてなる左右の出隅部と、
前記出隅部における外枠下端面及び前記下枠端部を覆い前記下枠端部に鉛直方向下側から固定される合成樹脂製のキャップ部材と、
を具備し、前記キャップ部材と前記下枠端部とが、加熱されることにより溶融して前記キャップ部材の固定を解除する熱解除性固定部材によって固定されていることを特徴とするシャッター枠部の下端構造。
【請求項2】
請求項記載のシャッター枠部の下端構造であって、
前記熱解除性固定部材が、上方から前記下枠端部を貫通して前記キャップ部材を固定することを特徴とするシャッター枠部の下端構造。
【請求項3】
請求項1記載のシャッター枠部の下端構造であって、
前記熱解除性固定部材が、前記下枠端部を貫通して合成樹脂製の前記キャップ部材を固定する熱伝導性が良好な金属製のビスにより形成されていることを特徴とするシャッター枠部の下端構造。
【請求項4】
請求項記載のシャッター枠部の下端構造であって、
前記熱解除性固定部材が、前記下枠端部を貫通して合成樹脂製の前記キャップ部材を固定する熱伝導性が良好な金属製のタッピングビスにより形成され、前記熱解除性固定部材が貫通する合成樹脂製の前記キャップ部材の貫通部分の底部には固定筒部が突出形成され、熱解除性固定部材が固定筒部の穴を貫通して設けられていることを特徴とするシャッター枠部の下端構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シャッター枠部の下端構造に関する。
【背景技術】
【0002】
窓用シャッターは、建物躯体に開口する窓を覆って外壁に取り付けられ、防錆性や意匠性等を考慮して、アルミやアルミ合金を素材とする部品や、樹脂を素材とする部品が多用されている(特許文献1参照)。窓用シャッターは、窓の上方にシャッター本体が取り付けられ、そのシャッター本体の両側から窓を挟むようにして外枠が左右に取り付けられる。それぞれの外枠の内側にはガイドレールが固定され、シャッター本体からシャッターカーテンがガイドレールに沿って引き出される。窓用シャッターは、左右の外枠下端部が窓の下方で水平に配置される下枠によって接続され、シャッター枠部が構成される。
【0003】
シャッター枠部は、外枠下端部と下枠端部との接続部が出隅部となる。この出隅部には、組立時の傷つきを防止するためや、下枠に対する外枠組立時のガイドとなるキャップ(特許文献2参照)や、エンドキャップ(特許文献3参照)が取り付けられることがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−45270号公報
【特許文献2】特開平8−4438号公報
【特許文献3】特開2009−256981号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、窓用シャッターは、シャッター枠部が躯体の外壁から突出するため、例えば一階の腰高窓に適用されると、外枠下端部と下枠端部とを接続した出隅部が、子供の頭にぶつかる等の虞がある。外枠や下枠はアルミ押出成形品からなり、その端部は切断加工面となる。上記の出隅部では、外枠と下枠との切断加工面が合わさるため、安全性を低下させることになる。一方、出隅部には上記のキャップ(特許文献2参照)や、エンドキャップ(特許文献3参照)が取り付けられることもあるが、組立時の傷つき防止や、外枠組立時のガイドを目的とするものであったため、外壁から突出して取り付けられたシャッター枠部の下端における出隅部の安全性を向上させるものではなかった。
【0006】
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、その目的は、腰高窓などでシャッター枠部が外壁から突出されている場合においても、下側の出隅部に人が衝突しても安全性が確保されるシャッター枠部の下端構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
次に、上記の課題を解決するための手段を、実施の形態に対応する図面を参照して説明する。
本発明の請求項1記載のシャッター枠部11の下端構造は、左右のガイドレール35のそれぞれの外側に設けられる金属製の一対の外枠31と、
それぞれの前記外枠31の外枠下端部37を接続する金属製の下枠39と、
前記外枠下端部37及び下枠端部41が接続されてなる左右の出隅部43と、
少なくとも前記出隅部43における外枠下端面63及び前記下枠端部41を覆い前記下枠端部41に鉛直方向下側から固定される合成樹脂製のキャップ部材61と、
を具備することを特徴とする。
【0008】
このシャッター枠部11の下端構造では、外枠下端部37と下枠端部41とが接続されると、金属製部材の切断加工面である外枠下端面63または下枠端面65が出隅部43で表出する。この出隅部43において、略平板状となる合成樹脂製のキャップ部材61が、下枠端部41の下面側に固定されることで、外枠下端面63または下枠端面65のいずれが表出しても、その切断加工面がキャップ部材61によって覆われる。また、外枠31の外側に、外枠31を覆って沿うように金属製の化粧枠45がさらに取り付けられる場合であっても、外枠下端面63と同様に化粧枠下端面71がキャップ部材61によって覆われる。
【0009】
本発明の請求項記載のシャッター枠部11の下端構造は、上記のシャッター枠部11の下端構造であって、
前記キャップ部材61と前記下枠端部41とが、加熱されることにより軟化およびまたは溶融して前記キャップ部材61の固定を解除する熱解除性固定部材によって固定されていることを特徴とする。
請求項3記載の構造では、前記熱解除性固定部材が、前記下枠端部を貫通して合成樹脂製の前記キャップ部材を固定する熱伝導性が良好な金属製のビスにより形成されていることを特徴とする。
請求項4記載の構造では、前記熱解除性固定部材が、前記下枠端部を貫通して合成樹脂製の前記キャップ部材を固定する熱伝導性が良好な金属製のタッピングビスにより形成され、前記熱解除性固定部材が貫通する合成樹脂製の前記キャップ部材の貫通部分の底部には固定筒部が突出形成され、熱解除性固定部材が固定筒部の穴を貫通して設けられていることを特徴とする。
【0010】
このシャッター枠部11の下端構造では、出隅部43の切断加工面を覆って取り付けられたキャップ部材61が、火災によって加熱されると、キャップ部材61を下枠39に固定している熱解除性固定部材がキャップ部材61の固定を解除する。熱解除性固定部材による固定が解除されたキャップ部材61は、自重によって下枠39から落下する。
【0011】
本発明の請求項記載のシャッター枠部11の下端構造は、請求項記載のシャッター枠部11の下端構造であって、
前記熱解除性固定部材が、上方から前記下枠端部41を貫通して前記キャップ部材61を固定することを特徴とする。
【0012】
このシャッター枠部11の下端構造では、熱解除性固定部材として、下枠39の上方から下枠端部41を貫通してキャップ部材61に螺合する例えば金属製のビス73が好適に使用可能となる。すなわち、ビス73は熱伝導性が良好であり、火災時の熱により高温となり、キャップ部材61との螺着部75を加熱する。合成樹脂製の螺着部75では、ビス73からの加熱によってねじ山が軟化し、螺着部75の耐荷重がキャップ部材61の重量よりも低下することで、キャップ部材61の固定が解除される。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る請求項1記載のシャッター枠部の下端構造によれば、腰高窓などでシャッター枠部が外壁から突出し、下側の出隅部に人が衝突した場合であっても怪我を負わせることがなく、安全性を高めることができる。
【0014】
本発明に係る請求項1乃至4記載のシャッター枠部の下端構造によれば、火災発生時の熱によって、熱解除性固定部材による固定を解除してキャップ部材を落下させるので、キャップ部材が取り付けられたままの状態で燃焼、すなわち炎があがってしまうことを回避でき、延焼などを抑えることができる。
【0015】
本発明に係る請求項記載のシャッター枠部の下端構造によれば、熱解除性固定部材として熱伝導の良好な金属製のビスを用いて下枠の上側からキャップ部材を螺着し、簡素な構造でキャップ部材との螺着部を軟化およびまたは溶融させてキャップ部材を落下させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明に係るシャッター枠部の下端構造を備える窓用シャッターの全体斜視図である。
図2図1に示した窓用シャッターの一部省略縦断面図である。
図3】シャッター枠部の下端構造の縦断面図である。
図4】シャッター枠部の下端構造の平断面図である。
図5】(a)はキャップ部材の平面図、(b)は右側側面図、(c)は下側側面図、(d)はA−A断面図、(e)はB−B断面図である。
図6】キャップ部材の取り付けられた出隅部を下から見た斜視図である。
図7図6の分解斜視図である。
図8】出隅部補強部材の取り付け方法を説明する分解斜視図である。
図9】キャップ部材の取り付け方法を説明する分解斜視図である。
図10】異なる熱解除性固定部材が用いられる変形例に係る下端構造の分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明に係る実施形態を図面を参照して説明する。
図1は本発明に係るシャッター枠部の下端構造を備える窓用シャッターの全体斜視図、図2図1に示した窓用シャッターの一部省略縦断面図、図3はシャッター枠部の下端構造の縦断面図、図4はシャッター枠部の下端構造の平断面図、図5(a)はキャップ部材の平面図、(b)は右側側面図、(c)は下側側面図、(d)はA−A断面図、(e)はB−B断面図、図6はキャップ部材の取り付けられた出隅部を下から見た斜視図である。
本実施形態に係るシャッター枠部11の下端構造は、例えばシャッターカーテン13を用いて建物開口部15(図2参照)を開閉する窓用シャッター装置17に好適に用いることができる。窓用シャッター装置17は、例えば住宅の窓部を構成するサッシ窓19(図2参照)の外側に取り付けられる。
【0018】
窓用シャッター装置17は、建物開口部15の上方に収納部21が取り付けられる。収納部21は、シャッターカーテン13や巻取装置を収納している。シャッターカーテン13は、アルミ製やスチール製のスラットを複数連結した一般的なシャッターカーテン13の他、パネル材や樹脂製シート状のシャッターカーテン13とすることもできる。シャッターカーテン13は、操出方向の最先端、すなわち、全閉時での下端に、水切スラット23(図2参照)を有している。
【0019】
窓用シャッター装置17は、建物躯体25である例えば柱などの縦材27に一対のスチール製の側部ブラケット29が固定される。それぞれの側部ブラケット29(図2参照)の内側には軸受金具が対向して固定され、軸受金具は巻取軸の両端を支持している。巻取軸には巻取ホイールが回転自在に支持され、巻取ホイールはシャッターカーテン13の操出方向後端である吊元を固定する。
【0020】
この収納部21の左右には、アルミ合金製の一対の外枠31が固定されて垂下する。外枠31は、サッシ窓19を挟んで外壁33(図2参照)から突出して設けられる。図7に示すように、それぞれの外枠31の内側にはガイドレール35が固定される。垂下した一対の外枠31の外枠下端部37は、アルミ合金製の下枠39によって連結される。下枠39は、胴縁(図示せず)の上端に当接する。胴縁の表面は、外壁仕上材によって覆われる。従って、それぞれの外枠下端部37と下枠端部41との連結部分は左右二箇所で出隅部43(図4参照)となって外壁33から突出する。
【0021】
本実施形態において、それぞれの外枠31の外側は、さらにアルミ合金製の化粧枠45によって覆われる。化粧枠45は、化粧枠下端部47(図7参照)によって、下枠39の起立前板49を覆う。一対のガイドレール35の外側に設けられる外枠31と、それぞれの外枠31の外側に設けられる化粧枠45と、一対の外枠31の外枠下端部37を接続する下枠39とによってシャッター枠部11が構成される。
【0022】
出隅部43は、外側からスチール製の出隅部補強部材51(図8参照)によって覆われる。出隅部補強部材51は、下枠39の下面に当接する底板部53と、底板部53から起立して折り曲げられて外枠31と平行となる起立板部55と、底板部53から起立して折り曲げられて下枠39の前面に当接する前面片57と、からなる。出隅部43を覆った出隅部補強部材51は、底板部53がリベット59(図8参照)によって下枠端部41に固定される。
【0023】
出隅部補強部材51の外側には合成樹脂製、例えばナイロン樹脂製のキャップ部材61(図8参照)が固定される。すなわち、キャップ部材61は、図7に示すように、出隅部43における外枠下端面63及び下枠端面65を覆い下枠端部41に鉛直方向下側から固定される。図5に示すように、キャップ部材61は、下枠39に沿って水の流れ方向に前傾する矩形状のキャップ本体板67を有する。キャップ本体板67の出隅側となる隣接する二辺部にはL字状に形成される樋状の溝を形成する被覆部69が張り出して形成され、被覆部69は化粧枠下端面71(図7参照)を含む縁部を覆う。
【0024】
通常、樹脂部品は、上記下枠39などに対して爪などの係止や嵌合する嵌め込み形状などとして、隙間無く密着し容易に外れることのない組み付け構造とするが、本発明のキャップ部材61はそのような形状とはしていない。つまり、嵌合させない構造とされ、略平板形状の部材が単に覆う構造で固定されている。
【0025】
このキャップ部材61と下枠端部41とは、加熱されることにより軟化およびまたは溶融してキャップ部材61の固定を解除する熱解除性固定部材によって固定されている。熱解除性固定部材は、上方から下枠端部41を貫通してキャップ部材61を固定する。
【0026】
本実施形態において、熱解除性固定部材は、図9に示す金属製のビス73からなる。ビス73は、キャップ部材61の螺着部75に螺合固定される。キャップ部材61の螺着部75は、下穴77を有してキャップ本体板67に垂設される固定筒部79からなる。ビス73は、図3に示すように、軸線方向が鉛直方向となるように使用され、キャップ部材61が落ちる際に、なるべく抵抗にならない、引っ掛かったりしないようになっている。ビス73には、例えばタッピングビスが使用される。タッピングビスは、螺着部75の下穴77に所定のトルクでねじ込まれることで、ねじを刻みながら螺合される。なお、キャップ部材61のキャップ本体板67には透孔81が穿設され、透孔81は出隅部補強部材51を固定する際に用いられたリベット59との干渉を回避可能とする。
【0027】
次に、上記構成を有するシャッター枠部11の下端構造の作用を説明する。
図7図6の分解斜視図、図8は出隅部補強部材51の取り付け方法を説明する分解斜視図、図9はキャップ部材61の取り付け方法を説明する分解斜視図である。
図7に示すように、シャッター枠部11の下端構造では、外枠下端部37と下枠端部41とが接続されると、金属製部材の切断加工面である外枠下端面63または下枠端面65が出隅部43で表出する。この出隅部43には、下方より出隅部補強部材51が図8に示すリベット59によって固定される。
【0028】
出隅部補強部材51の固定された出隅部43には、図9に示すように、さらに、出隅部補強部材51の下方からキャップ部材61が固定される。出隅部43において、略平板状となる合成樹脂製のキャップ部材61が、下枠端部41の下面側に固定されることで、外枠下端面63または下枠端面65のいずれが表出しても、その切断加工面がキャップ部材61によって覆われる。本実施形態のように、スチール製の出隅部補強部材51が取り付けられ場合では、この出隅部補強部材51もキャップ部材61によって覆われる。
【0029】
また、外枠31の外側に、外枠31を覆って沿うように金属製の化粧枠45がさらに取り付けられる場合であっても、外枠下端面63と同様に化粧枠下端面71がキャップ部材61によって覆われる。なお、出隅部43は、キャップ部材61によって覆われることで、下枠39、外枠31、化粧枠45の組み付き状態のガタツキを防止するようにも働く。
【0030】
シャッター枠部11の下端構造では、出隅部43の切断加工面を覆って取り付けられたキャップ部材61が、火災によって加熱されると、キャップ部材61を下枠39に固定している熱解除性固定部材がキャップ部材61の固定を解除する。熱解除性固定部材による固定が解除されたキャップ部材61は、自重によって下枠39から落下する。このように、シャッター枠部11の下端構造は、火災発生時の熱によって、熱解除性固定部材による固定を解除してキャップ部材61を落下させ、キャップ部材61が取り付けられたまま燃焼してしまう、すなわち延焼してしまうことを回避できるようになっている。
【0031】
キャップ部材61は、シャッター枠部11に取り付けられたままで燃え続けると、火が各部材の隙間から逆側、例えば室外から室内、または室内から室外に炎が出入りする虞がある。キャップ部材61によれば、どちらからの火、或いは熱に対しても落下することとなるので、開口部分からの延焼を抑えることができる。
【0032】
熱解除性固定部材としては、下枠39の上方から下枠端部41を貫通してキャップ部材61に螺合する例えば金属製のビス73が好適に使用可能となる。ビス73は熱伝導性が良好であり、火災時の熱により高温となり、キャップ部材61との螺着部75(図6参照)を加熱する。合成樹脂製の螺着部75では、ビス73からの加熱によってねじ山が軟化し、螺着部75の耐荷重がキャップ部材61の重量よりも低下することで、キャップ部材61の固定が解除される。これにより、熱解除性固定部材として熱伝導の良好な金属製のビス73を用いて下枠39の上側からキャップ部材61を螺着し、簡素な構造でキャップ部材61との螺着部75を溶融させてキャップ部材61を落下させることができる。
【0033】
そして、本実施形態に係るシャッター枠部11の下端構造によれば、腰高窓などでシャッター枠部11が外壁33から突出し、下側の出隅部43に人が衝突した場合であっても怪我を負わせることがなく、安全性を高めることができる。
【0034】
図10は異なる熱解除性固定部材が用いられる変形例に係る下端構造の分解斜視図である。
なお、上記の実施形態では、熱解除性固定部材がビス73である場合を例に説明したが、本発明に係るシャッター枠部11の下端構造は、熱解除性固定部材として図10に示す合成樹脂製のファスナー83を用いてもよい。ファスナー83を介してキャップ部材61を固定することで、ファスナー83を直接溶解してキャップ部材61を落下させることができる。なお、このファスナー83によれば、下枠39に対するキャップ部材61の取り付けが容易なものとなる。この他、熱解除性固定部材としては、ファスナー83と同様に直接溶解させることでキャップ部材61の固定の解除が可能となる合成樹脂製のねじ、係止爪構造などを用いてもよい。
【符号の説明】
【0035】
11…シャッター枠部
31…外枠
35…ガイドレール
37…外枠下端部
39…下枠
41…下枠端部
43…出隅部
61…キャップ部材
63…外枠下端面
73…熱解除性固定部材(ビス)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10