特許第6010061号(P6010061)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6010061
(24)【登録日】2016年9月23日
(45)【発行日】2016年10月19日
(54)【発明の名称】レーザーマーキング装置
(51)【国際特許分類】
   B23K 26/00 20140101AFI20161006BHJP
   B23K 26/03 20060101ALI20161006BHJP
   B23K 26/70 20140101ALI20161006BHJP
【FI】
   B23K26/00 B
   B23K26/03
   B23K26/70
【請求項の数】3
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-39311(P2014-39311)
(22)【出願日】2014年2月28日
(65)【公開番号】特開2015-163405(P2015-163405A)
(43)【公開日】2015年9月10日
【審査請求日】2015年4月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001225
【氏名又は名称】日本電産コパル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000626
【氏名又は名称】特許業務法人 英知国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】宇賀神 智久
【審査官】 篠原 将之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−158901(JP,A)
【文献】 特開2009−248182(JP,A)
【文献】 特開2006−007293(JP,A)
【文献】 特開平06−134585(JP,A)
【文献】 特開2001−135711(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0051583(US,A1)
【文献】 特開2012−171782(JP,A)
【文献】 米国特許第05362039(US,A)
【文献】 米国特許第09415605(US,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23K 26/00 − 26/70
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被照射体に印刷された画像または該被照射体のエッジを基準として、該被照射体の所定の位置にレーザー光を照射してマーキングを行うレーザーマーキング装置であって、
レーザー装置と、
前記被照射体を、少なくとも前記レーザー装置によるレーザー光の照射領域まで搬送する第1の搬送部と、
前記第1の搬送部の上流側に位置し、前記第1の搬送部に対して下方または上方に前記被照射体を搬送可能な第2の搬送部と、
前記第1の搬送部と前記第2の搬送部との間に配置され、前記第1の搬送部または前記第2の搬送部へ前記被照射体の搬送先を切り替える切替機構と、
前記第1の搬送部の下方または上方に配置され、前記第2の搬送部により搬送される前記被照射体を撮像する撮像部と、を有することを特徴とする
レーザーマーキング装置。
【請求項2】
前記切替機構は、前記被照射体を回転自在に挟持し、前記被照射体の搬送先の切り替え、および、前記被照射体の反転を行う回転構造を有することを特徴とする請求項1に記載のレーザーマーキング装置。
【請求項3】
前記撮像部は、前記第1の搬送部と前記第2の搬送部の間でそれぞれに囲まれる位置に配置されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のレーザーマーキング装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザーマーキング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
レーザー光の照射によって紙葉類に印画するレーザマーカ(レーザーマーキング装置)が知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、紙葉類などの被照射体に予め印刷された画像を基準として、被照射体の所定の位置にレーザー光を照射することによりマーキングを行うレーザーマーキング装置が知られている。レーザーマーキング装置は、マーキング前に、被照射体7にプレ印刷された画像を撮像部で撮像し、画像の位置を特定した後、その画像位置を基準として被照射体上の所定の位置にマーキングを行う。
【0003】
図7に示した一般的なレーザーマーキング装置では、被照射体7を水平方向に搬送する搬送部B61の搬送方向の上流側、且つ、レーザー装置10の照射領域10Rよりも上流側に、撮像部B40が配置されており、撮像部B40が搬送部B61上の被照射体7を撮像する。図7に示した例では、撮像部B40がレーザー装置10の近傍に並んで配置されている。このレーザーマーキング装置は、紙葉類の表面および裏面にレーザーマーキングを行うために、紙葉類を表裏反転させる紙葉類反転機構B63を有する。紙葉類反転機構B63の上流側には撮像部B40が配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013−244692号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、図7に示したレーザーマーキング装置では、搬送部B61の上流側で被照射体7を撮像するように、レーザー装置10の近傍に撮像部B40が配置されているので、搬送方向の長さが比較的長く、レーザーマーキング装置の設置床面積が比較的大きい。
【0006】
本発明は、このような問題に対処することを課題の一例とするものである。簡単な構成で、設置床面積の小さい、小型のレーザーマーキング装置を提供すること、などを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
このような目的を達成するために、本発明による撮像装置は、以下の構成を少なくとも具備するものである。
被照射体に印刷された画像または該被照射体のエッジを基準として、該被照射体の所定の位置にレーザー光を照射してマーキングを行うレーザーマーキング装置であって、
レーザー装置と、
前記被照射体を、少なくとも前記レーザー装置によるレーザー光の照射領域まで搬送する第1の搬送部と、
前記第1の搬送部の上流側に位置し、前記第1の搬送部に対して下方または上方に前記被照射体を搬送可能な第2の搬送部と、
前記第1の搬送部と前記第2の搬送部との間に配置され、前記第1の搬送部または前記第2の搬送部へ前記被照射体の搬送先を切り替える切替機構と、
前記第1の搬送部の下方または上方に配置され、前記第2の搬送部により搬送される前記被照射体を撮像する撮像部と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、簡単な構造で、設置床面積の小さい、小型のレーザーマーキング装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施形態に係るレーザーマーキング装置の一例を示す図。
図2】本発明の実施形態に係るレーザーマーキング装置の一例を示す機能ブロック図。
図3図1に示したレーザーマーキング装置の動作の一例を示す図。
図4】本発明の実施形態に係るレーザーマーキング装置の要部の一例を示す斜視図。
図5】第2の搬送部が開状態のレーザーマーキング装置の要部の一例を示す斜視図。
図6図4に示したレーザーマーキング装置の撮像部による撮像範囲の一例を説明するための斜視図。
図7】従来のレーザーマーキング装置の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。
本発明の実施形態は図示の内容を含むが、これのみに限定されるものではない。なお、以後の各図の説明で、既に説明した部位と共通する部分は同一符号を付して重複説明を一部省略する。
【0011】
図1は、本発明の実施形態に係るレーザーマーキング装置1の一例を示す図である。図1において、右側に第1の搬送部61の搬送路の上流側を示し、左側に下流側を示す。
図2はレーザーマーキング装置1の一例を示す機能ブロック図である。図3はレーザーマーキング装置1の動作の一例を示す図である。
図4は本発明の実施形態に係るレーザーマーキング装置1の要部の一例を示す斜視図である。図5は第2の搬送部62が開状態のレーザーマーキング装置1の要部の一例を示す斜視図である。図6図4に示したレーザーマーキング装置1の撮像部40による撮像範囲40Rの一例を説明するための斜視図である。
【0012】
本発明の実施形態に係るレーザーマーキング装置1は、紙葉類などのカード状の被照射体7を反転させる機構を有し、紙葉類などの被照射体7の表面、裏面の一方または両方にレーザー光を照射してマーキングを行う。また、レーザーマーキング装置1は、被照射体7を撮像する撮像部40を有し、予め被照射体7に印刷された画像または被照射体7のエッジを基準として、被照射体7の所定の位置にレーザー光を照射してマーキングを行う。
以下、レーザーマーキング装置1の構成要素について、詳細に説明する。
【0013】
レーザーマーキング装置1は、例えば、レーザー光によりマーキングを行うための画像データに基づいて、ラスタ方式で1ライン毎に、パルスレーザー光を被照射体7(露光対象物)の所定位置に1画素ずつ露光を行う。被照射体7としては、カーボン含有の樹脂製カードなどの所定の部材を採用することができる。
【0014】
レーザーマーキング装置1は、レーザー装置10と、露光光学系20と、コントロール部30と、第1の搬送部61と、第2の搬送部62と、切替機構63と、撮像部40と、などを有する。
レーザーマーキング装置1の筐体内にレーザー装置10、露光光学系20、コントロール部30、などが収容されている。筐体は底部1aとケース1bなどにより構成されている。コントロール部30は筐体の外部に設けられていてもよい。
【0015】
レーザー装置10は、例えば、共振器を有し、LD(レーザーダイオード)やLED(発光ダイオード)などの励起光源からの励起光を増幅して大きい強度のパルスレーザー光を出力する。
【0016】
露光光学系20は、レーザー装置10から出射されたパルスレーザー光を、画像データに基づいて、ラスタ方式により、樹脂製カードなどの被照射体7(露光対象物)の所定位置に1画素ずつ照射させる。
【0017】
露光光学系20は、ガルバノスキャナとして一つまたは複数のガルバノミラー、fθレンズ25、などを有する。
【0018】
ガルバノミラーは、例えば、X軸走査用ガルバノミラー、Y軸走査用ガルバノミラーなどを有し、ガルバノミラーコントローラー23(ガルバノミラー駆動部)により駆動制御される。
【0019】
fθレンズ25は、ガルバノミラーで反射されたパルスレーザー光を、被照射体7上に集光させるように構成されている。例えば、fθレンズ25は、ガルバノミラーなどにより、所定角度ずつ走査されたパルスレーザー光を、被照射体7の結像面上で所定のピッチで走査させるように構成されている。
【0020】
尚、本実施形態では、被照射体7上を走査する走査光学系としてガルバノミラーとfθレンズ25を用いたが、この形態に限られるものではなく、例えば、ガルバノミラーの代わりにポリゴンミラーなどを用いてもよい。
【0021】
また、本実施形態では、レーザーマーキング装置1は、画像データに応じてラスタ方式により、各画素毎に被照射体7上を走査しながらレーザー露光を行うが、走査時に、レーザー露光を行う必要のない画素をスキップし、レーザー露光を行う必要のある次の画素まで移動させるようにガルバノミラーを移動制御する。
【0022】
本実施形態に係るレーザーマーキング装置1は、筐体内に供給部3を有する。供給部3は、複数のカード状の被照射体7を収容可能であり、必要に応じて被照射体7を第1の搬送部61などへ供給することができる。
【0023】
第1の搬送部61は、被照射体7を、少なくともレーザー装置10によるレーザー光の照射領域10Rまで略水平方向に搬送する。本実施形態では、被照射体7は、供給部3からローラ6a,6bにより切替機構63を介して下流側(図1の左側)に搬送され、照射領域10Rでレーザー光によりマーキングされた後、所定の排出口などに搬送される。
第1の搬送部61は、駆動部により駆動されるローラ6c,6d,6e,6f,6g、無端ベルトなどを有し、被照射体7を搬送方向に搬送する。
【0024】
第2の搬送部62は、第1の搬送部61の上流側に位置し、第1の搬送部61に対して略垂直方向に被照射体7を搬送するように構成されている。本実施形態では、第2の搬送部62は、複数のローラ62a、ベルト62bなどを有し、複数のローラ62a間に隙間62hが形成され、カード状の被照射体7を挟持可能に構成されており、被照射体7を略垂直方向に移動自在に構成されている。
また、第2の搬送部62は、例えば、カード形状の被照射体を搬送方向に移動自在に保持するガイド部621,622と、被照射体を挟持可能なローラ623,ローラ625、などを有する(図4図5参照)。ローラ625を備える可動部材624は、一方の端部が筐体に対して回転自在に軸支されており、被照射体の搬送時に閉状態(図4参照)、撮像部40による撮像時などに開状態(図5参照)となるように構成されている。例えば、撮像部40は、第2の搬送部62により搬送される被照射体を撮像できるように、撮像範囲40Rが設定されている(図6参照)。
【0025】
また、切替機構63は、第1の搬送部61と第2の搬送部62との間に配置され、第1の搬送部61または第2の搬送部62へ被照射体7の搬送先を切り替えるように構成されている。紙葉類反転機構としての切替機構63は、例えば、複数のローラ63aや無端ベルトなどにより構成され、ローラ63a間に形成された隙間に位置する被照射体7を回転自在に挟持し、被照射体7の搬送先の切り替え、および、被照射体7の反転を行う回転構造を有する。本実施形態では、切替機構63は、搬送方向に直交する水平軸を回転軸とし、被照射体7を規定方向またはその逆方向に90°など所定角度に回転可能に構成されている(図1図3参照)。切替機構63はモータ(不図示)などにより回転駆動される。
【0026】
撮像部40は、第2の搬送部62の近傍に配置され、第2の搬送部62により搬送される被照射体7を撮像する。詳細には、撮像部40は、第1の搬送部61と第2の搬送部62の間でそれぞれに囲まれる位置に配置されている。
【0027】
詳細には、本発明の実施形態では、第2の搬送部62が、第1の搬送部61の上流側に位置し、且つ、第1の搬送部61の搬送路の下側に、略垂直方向に被照射体7を搬送可能に構成されている。また、撮像部40が、第1の搬送部61の下方に位置するように配置されている。詳細には、レーザー装置10と、撮像部40との間に、第1の搬送部61の搬送路が配置されている。また、上述した実施形態では、撮像部40は、第1の搬送部61の下流側の下部に配置され、第1の搬送部61の上流側に位置する第2の搬送部62により搬送される被照射体7を撮像するように構成されている。
【0028】
コントロール部30は、レーザーマーキング装置1の各構成要素を統括的に制御する。コントロール部30は、制御部31(CPU)と、通信部32と、表示部33と、入力部34と、インタフェース35(IF)と、記憶部36と、などを有する(図2参照)。コントロール部30の各構成要素はバスなどの通信線などでデータ通信可能に接続されている。
【0029】
制御部31(CPU)は、コントロール部30およびレーザーマーキング装置1の各構成要素を統括的に制御する。制御部31は、記憶部36に記憶されているプログラム(PRG)を実行することにより、本発明に係る機能をレーザーマーキング装置1に実現する。制御部31の詳細な動作を後述する。
【0030】
通信部32は、制御部31の制御により、有線式または無線式の通信路を介して外部のコンピュータ(PC)などとデータ通信を行う。この外部のコンピュータは、ユーザの操作などにより画像データを作成することができる。
【0031】
表示部33は、液晶パネル表示装置などの表示装置であり、制御部31の制御により、本発明に係る情報を表示する。
入力部34は、各種操作スイッチやボタンなどの操作入力装置であり、ユーザの操作に応じた信号を制御部31に出力する。
インタフェース35(IF)は、レーザー装置10、ガルバノミラーコントローラー23、撮像部40、第1搬送駆動部610、第2搬送駆動部620、回転駆動部630、などに電気的に接続されている。制御部31は、インタフェース35を介して、レーザー装置10、ガルバノミラーコントローラー23、撮像部40、第1搬送駆動部610、第2搬送駆動部620、回転駆動部630を制御する。
【0032】
ガルバノミラーコントローラー23は、制御部31の制御により、ガルバノミラーを駆動制御する。
【0033】
第1搬送駆動部610は、モータなどを駆動することにより、制御部31の制御により、第1の搬送部61の所定のローラを駆動制御することにより、被照射体7を所定方向に搬送する。
第2搬送駆動部620は、モータなどを駆動することにより、第2の搬送部62の所定のローラを駆動制御することにより、被照射体7を所定方向に搬送する。
回転駆動部630は、モータなどを駆動することにより、切替機構63の搬送方向に直交する水平軸を回転軸とした回転や、被照射体7の搬送方向を制御する。
【0034】
記憶部36は、RAMやROMなどの記憶装置である。記憶部36は、レーザーマーキング装置1の制御用プログラム(PRG)などを記憶する。
【0035】
制御部31は、レーザーマーキング動作時、レーザー装置10にパルスレーザー光を照射させる。
【0036】
次に、レーザーマーキング装置1の動作の一例を説明する。なお、供給部3には、カード状の被照射体7の表面および裏面に共通のデザインの画像がプレ印刷されているとする。
【0037】
レーザーマーキング装置1の制御部31は、例えば、ローラ6a,6bをモータなどで駆動することにより、供給部3からカード状の被照射体7を1つずつ供給する。
【0038】
初期時、切替機構63は、図1に示すように、水平方向に沿って搬送路が配置された状態となっている。制御部31は、切替機構63により供給部3から供給された被照射体7を挟持させ、図1の左回りに90°回転させ、被照射体7を下部の第2の搬送部62へ搬送させる。
【0039】
第2の搬送部62は、制御部31の制御により、撮像部40の撮像位置まで被照射体7を移動させて停止させる。
制御部31は、撮像部40により被照射体7の表面の画像や被照射体7のエッジを撮像する。
制御部31は、第2の搬送部62および切替機構63を駆動して、被照射体7を切替機構63に移動させる処理を行う。
【0040】
制御部31は、切替機構63により被照射体7を挟持させ、図1の右回りに90°回転させる。次に、第1の搬送部61のローラ6c,6d,6eなどを駆動して、被照射体7をレーザー光の照射領域10Rまで移動させる。
【0041】
制御部31は、撮像部40により撮像した、被照射体7に印刷された画像または被照射体7のエッジを基準として、ガルバノミラーコントローラー23によりガルバノミラーの角度を調整し、被照射体7の表面の所定の位置にレーザー装置10からのレーザー光を照射してマーキングを行う。
【0042】
次に、制御部31は、被照射体7の裏面側へのマーキングの制御を行う。詳細には、制御部31は、第1の搬送部61のローラ6c,6d,6e、切替機構63のローラ63aなどを駆動して、被照射体7を切替機構63まで移動させる。
制御部31は、切替機構63により被照射体7を挟持させ、図1の右回りに90°回転させ、ローラ63a、ローラ62aなどを駆動して、被照射体7を下部の第2の搬送部62へ搬送させる。
【0043】
第2の搬送部62は、制御部31の制御により、撮像部40の撮像位置まで被照射体7を移動させて停止させる。制御部31は、撮像部40により被照射体7の表面の画像や被照射体7のエッジを撮像する。
制御部31は、第2の搬送部62および切替機構63を駆動して、被照射体7を切替機構63に移動させる処理を行う。
【0044】
制御部31は、切替機構63により被照射体7を挟持させ、図1の右回りに90°回転させる。次に、第1の搬送部61のローラ6c,6d,6eなどを駆動して、被照射体7をレーザー光の照射領域10Rまで移動させる。
【0045】
制御部31は、撮像部40により撮像した、被照射体7に印刷された画像または被照射体7のエッジを基準として、ガルバノミラーコントローラー23によりガルバノミラーの角度を調整し、被照射体7の裏面の所定の位置にレーザー装置10からのレーザー光を照射してマーキングを行う。
【0046】
制御部31は、ローラ6d、6e、6f、6gなどを駆動して、表面および裏面にマーキングされた被照射体7を第1の搬送部61の下流側へ搬送し、所定の排出口(不図示)から被照射体7を排出させる。
【0047】
以上、説明したように、本発明の実施形態に係るレーザーマーキング装置1は、被照射体7に印刷された画像または被照射体7のエッジを基準として、被照射体7の所定の位置にレーザー光を照射してマーキングを行う。このレーザーマーキング装置1は、レーザー装置10と、被照射体7を、少なくともレーザー装置10によるレーザー光の照射領域10Rまで搬送する第1の搬送部61と、第1の搬送部61の上流側に位置し、第1の搬送部61に対して略垂直方向に被照射体7を搬送可能な第2の搬送部62と、第1の搬送部61と第2の搬送部62との間に配置され、第1の搬送部61または第2の搬送部62へ被照射体7の搬送先を切り替える切替機構63と、第2の搬送部62の近傍に配置され、その第2の搬送部62により搬送される被照射体7を撮像する撮像部40と、を有する。
レーザーマーキング装置1は、制御部31を有し、制御部31が撮像部40により撮像した、被照射体7に印刷された画像、または、被照射体7のエッジを基準として、被照射体7の所定の位置にレーザー光を照射してマーキングを行う。
【0048】
このように、撮像部40が第2の搬送部62で搬送される被照射体7を撮像するように配置されているので、第1の搬送部61の搬送方向の長さが比較的短く、簡単な構成で、設置床面積の小さい、小型のレーザーマーキング装置1を提供することができる。つまり、レーザーマーキング装置1は、第1の搬送部61の搬送方向に沿った長さが比較的短く、小型である。
【0049】
また、本発明の実施形態に係るレーザーマーキング装置1では、切替機構63としての紙葉類反転機構が、被照射体7を回転自在に挟持し、被照射体7の搬送先の切り替え、および、被照射体7の反転を行う回転構造を有する。つまり、本実施形態では、切替機構63は、被照射体7の搬送先を第1の搬送部61または第2の搬送部62へ切り替える機能と、被照射体7の表裏を反転する機能を兼ね備えている。
例えば、被照射体7の搬送先を切り替える装置、被照射体7の表裏を反転させる装置をそれぞれ別体で備えるレーザーマーキング装置(比較例)と比べて、本発明に係るレーザーマーキング装置1の切替機構63は、上述したように、2つの機能を兼ね備えるので、小型のレーザーマーキング装置1を提供することができる。
【0050】
また、本発明の実施形態では、撮像部40は、第1の搬送部61と第2の搬送部62の間でそれぞれに囲まれる位置に配置されている。このように、撮像部40を配置しているので、レーザーマーキング装置1は、第1の搬送部61の搬送方向に沿った長さが比較的短く、小型である。
【0051】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこれらの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。
また、上述の各図で示した実施形態は、その目的及び構成等に特に矛盾や問題がない限り、互いの記載内容を組み合わせることが可能である。
また、各図の記載内容はそれぞれ独立した実施形態になり得るものであり、本発明の実施形態は各図を組み合わせた一つの実施形態に限定されるものではない。
【0052】
上記実施形態では、第2の搬送部62は、切替機構63の下方に配置されていたが、この形態に限られるものではない。例えば、第2の搬送部62は、切替機構63の上方に配置されていてもよい。この場合、撮像部40は、第2の搬送部62の近傍で、第2の搬送部62により搬送される被照射体7を撮像できる位置、例えば、第1の搬送部61の上方に配置されていてもよい。
【0053】
また、第1の搬送部61、第2の搬送部62、切替機構63は、上記実施形態に限られるものではない。各構成要素が所定の機能を実現できれば、任意の構造であってもよい。
【符号の説明】
【0054】
1…レーザーマーキング装置、3…供給部、7…被照射体、10…レーザー装置、20…露光光学系、30…コントロール部、31…制御部、40…撮像部、61…第1の搬送部、62…第2の搬送部、63…切替機構(紙葉類反転機構)。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7