【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明の目的は、これらの欠点を克服することである。
【0014】
したがって、本発明の主な目的は、幾つかの包装容器が積み重ねられる場合に、汚染および容器のフランジの破損を効率的に防止する医療容器のための包装容器を提供することである。
【0015】
本発明の他の目的は、最終的に、輸送に使用される包装材料の量を削減し、具体的には、包装容器の重量を削減する包装容器を提供することである。
【0016】
本発明の他の目的は、こうした包装容器を収容する箱のより容易な開封作業を可能にする包装容器を提供することである。
【0017】
個々のトレイのための積み重ねおよび入れ子の解決法が知られている。
【0018】
文献、欧州特許第0592994号(特許文献1)は、カップを担持するためのフレームの上縁部の下に位置する支持トレイを有するフレームからなるカップラックを開示している。このカップラックを入れ子にし、積み重ねることができるが、シールカバーで封止することができる、タブなど、閉鎖可能な包装容器が開示されておらず、示唆されてもいない。文献、独国特許第29705636号(特許文献2)も、感応性物体を受けるための支持トレイを開示しているが、シールカバーで封止することができる、タブなど、閉鎖可能な包装容器を全く開示していない。さらに、これらの文献はどれも、支持トレイを支持するための包装容器内に位置する手段を開示していない。したがって、この2つの文献は、外部からの汚染に対する容器の保護の問題を解決する解決法を全く提供していない。
【0019】
最後に、文献、米国特許第3,589,511号(特許文献3)は、物体を受けるための上下に積み重ねられたトレイを有する包装容器を開示している。また、上下に積み重ねられた場合、物体と上部トレイの接触がある。したがって、この文献は、容器を破損から保護する解決法を全く提供していない。また、この文献では、物体がトレイの底部内に直接受けられ、したがって、同時に幾つかの物体を取り扱う保管および輸送手段が開示されていない。
【0020】
したがって、医療容器の簡単な取り扱い、および汚染と破損の両方に対する効率的な保護を同時に提供する医療容器のための包装容器の解決法が依然として求められている。
【課題を解決するための手段】
【0021】
関係する包装容器は、それ自体周知の方法で、
容器を受ける開口部を含む入れ子と、
前記入れ子を受け入れるようにした「第1のタブ」と以下で呼ばれるタブであって、
底壁と、
第1の対向する横方向の傾斜した壁と、
第2の対向する横方向の傾斜した壁と、
外縁のフランジを持つ上部開口部を有するタブと、
容器を外部の汚染に対して保護する前記外縁のフランジ上に配置可能なシールカバーと、を含む。
【0022】
本発明によれば、前記第1および第2の対向する横方向の壁は、それぞれ、タブの底部と向き合う支持面を有する支柱を前記壁の内側に形成する少なくとも1つの凹部を含み、
第1の対向する横方向の壁の凹部が、それぞれ、前記タブの底部から上部開口部まで延びタブ支持面を備えるタブ支持用支柱を形成し、
第1および第2の対向する横方向の壁の凹部が、それぞれ、タブ支持面の下に延びる入れ子支持面を備える入れ子支柱を形成し、
第1の対向する横方向の壁の1つのタブ支持用支柱を形成する1以上の凹部の位置付けが、第1の対向する横方向の壁の他の1つのタブ支持用支柱を形成する1以上の凹部の位置付けと異なっており、空の場合、第1のタブが第2のタブに対して第1の相対位置にある場合に、この第1のタブを第2の同一のタブ内に入れ子にすることができるようになり、第1のタブが第2のタブに対して第2の相対位置にある場合に、前記第1と第2のタブを上下に積み重ねることができるようになり、第1のタブの底壁が第2のタブのタブ支持面によって支持される。
【0023】
第1の相対位置では、前記第2のタブのタブ支持用支柱を受け入れるため前記第1のタブの第1の対向する横方向の壁の凹部が、前記第2のタブの第1の対向する横方向の壁のタブ支持用支柱と一致して、空の場合に、この第1のタブを第2の同一のタブ内に入れ子にすることができるようになる。
【0024】
第2の相対位置では、前記第1のタブの第1の対向する横方向の壁の凹部が、前記第2のタブの第1の対向する横方向の壁のタブ支持用支柱と一致せず、前記第1のタブの底壁が前記第2のタブのタブ支持用支柱のタブ支持面と当接し、したがって、第1のタブが前記第2のタブ内に入れ子になされずに、第1のタブを第2のタブ上に積み重ねることができるようになり、したがって、前記第2のタブ内に包装された容器の汚染または破損が防止される。
【0025】
入れ子は、タブ内に挿入されると、入れ子支持面によって支持される。
【0026】
入れ子支持面およびタブ支持用支柱は、入れ子を横方向(すなわちタブの底壁に対して平行)と軸方向の両方で安定させることができる。
【0027】
本文では、用語「下部」および「上部」は、それぞれ、タブの底部またはタブが配置された箱に「より近い」および「より遠い」ものを示す。
【0028】
本出願人は、幾つかのタブが積み重ねられた場合、医療容器の汚染または破損の問題が発生することがわかった。従来技術のタブでは、下部のタブに対する上部のタブの荷重の分散が不十分なのでこの荷重が、シールカバーによって支持される。この荷重の不十分な分散により、同じボール箱内に積み重ねることができるタブの数が制限され、前記荷重の前記分散をできるだけ向上させるために3つのタブの各層の間に前記中間ボール紙シートが必要になり、それによって包装材料の量が増加し、これらの包装容器を含む多数のボール箱の開封に必要とされる作業がもたらされる。
【0029】
したがって、本発明によるタブは、タブの前記第2の相対位置で、積み重ねの上部のタブの荷重をこの積み重ねの下部のタブの横方向の壁上に分散するタブ支持面を有するタブ支持用支柱が設けられる。こうすると、こうした下部のタブのシールカバー、および/または、容器が上部のタブの荷重を支持せず、したがって、保護される。その結果、高さで4つよりもかなり多いタブをボール箱内に積み重ねることができ、中間ボール紙シートを省くことができる。さらに、使用者は、容器の汚染または損傷の危険性がなく、ボール箱からこれらの包装容器を取り出した後に、幾つかの包装容器を積み重ねることができる。
【0030】
また、その中に入れ子がないタブを、入れ子をその中に入れる前に、互いに入れ子にすることができる。それによって、容器製造者には好都合な空間の節約ができ、または入れ子をそこから取り出した後に、これらの容器の使用者には好都合な空間の節約ができる。
【0031】
好ましくは、前記第1のタブは、第2の対向する横方向の壁を含み、前記第2の対向する横方向の壁の少なくとも1つが、タブ支持用支柱およびタブの外縁のフランジの下に位置付けられた入れ子支持面を有する入れ子支柱を壁の内側に形成する少なくとも1つの凹部を含み、この第2の対向する横方向の壁の外側に、前記第1と第2のタブが空で入れ子になされた場合に、前記第2のタブの入れ子支柱を摺動して受け入れることができる制限凹部を含む。
【0032】
本発明の実施例によれば、第2の対向する横方向の壁の凹部は、それぞれ、前記タブの底部から上部開口部まで延び、タブ支持面を備えるタブ支持用支柱も形成する。第1の対向する横方向の壁と同様に、第2の対向する横方向の壁の1つにタブ支持用支柱を形成する凹部の位置付けが、第2の対向する横方向の壁の他の1つにタブ支持用支柱を形成する凹部の位置付けと異なっており、空の場合に、この第1のタブを第2の同一のタブ内に入れ子にすることができるようになり、第1のタブが第2のタブに対して第2の相対位置にある場合に、前記第1と第2のタブを上下に積み重ねることができるようになり、第1のタブの底壁が第2のタブの第1および第2の対向する横方向の壁のタブ支持用支柱によって担持されるタブ支持面によって支持される。
【0033】
換言すれば、タブは、前記第1の対向する横方向の壁の1つと同一または同様の前記第2の対向する横方向の壁上の少なくとも1つの凹部を含み、すなわち、それぞれ前記凹部は、
前記開口部と同じ高さの第2の対向する横方向の壁の内側のタブ支持面を有するタブ支持用支柱と、
前記第1のタブと入れ子になされた場合に、前記第2のタブのタブ支持用支柱を受けることができるこの第2の対向する横方向の壁の外側の凹部と、を形成する。
【0034】
有利には、包装容器は、入れ子を含み、シールカバーによって封止されたタブを封入するヘッダバックをさらに含む。
【0035】
好ましくは、タブ支持面は、タブの外縁のフランジと同じ高さであり、第1のタブが第2のタブ上に積み重ねられた場合に、第1のタブの底壁がシールカバー上に圧力を加えないようになされる。
【0036】
好ましくは、前記第1のタブは、空で入れ子になされた場合に、第1のタブの前記第2のタブ内の入れ子の深さを制限するための制限構成を含む。
【0037】
前記制限構成を凹部、および/または、制限凹部内に配置することができる。
【0038】
したがって、タブの入れ子の深さを適切な深さに制限することができ、入れ子になされた場合に、第1のタブを第2のタブから容易に取り出すことができるようになる。
【0039】
この場合、実施例によれば、前記制限構成は、少なくとも1つの制限凹部内に配置された隆起部を含み、前記隆起部は、前記第1および第2のタブが入れ子になされた場合に、対応する入れ子支柱の入れ子支持面と当接する下方の当接端部を含む。
【0040】
本発明の実施例によれば、第1、および/または、第2の横方向の壁のタブ支持用支柱は、共にタブ支持面および入れ子支持面を含む。
【0041】
実際、前記タブ支持用支柱は、タブ支持面およびタブの外縁のフランジの下に位置付けられた入れ子支持面を形成する肩部を含むことができる。
【0042】
換言すれば、横方向の壁内の単一の凹部は、入れ子およびタブの支柱を形成する。
【0043】
その場合、支柱は、1つだけ(入れ子またはタブ)の支持面を備える柱よりも概して大きい。したがって、こうした大きい支柱は、入れ子の軸方向および横方向の安定性を向上させ、壁の多くの柱の必要性を回避する。
【0044】
あるいは、入れ子支柱は、同じ第1、および/または、第2の対向する横方向の壁上に形成されたタブ支持用支柱とは異なる。
【0045】
この構成により、タブ上に入れ子の荷重を均一に分散することができるようになる。
【0046】
さらに、タブは、より剛直であり、ねじり変形をあまり受けない。
【0047】
したがって、本発明によるタブは、限定された領域を有する入れ子を受けるための入れ子支持面を設けるが、従来技術によるタブは、タブの周囲に連続した支持肩部を形成する入れ子を受けるための細長い支持面を有する。限定された領域のこれらの入れ子支持面は、注射器容器を垂直に受けるための入れ子の上のより大きい空間を可能にし、増加した数の注射器容器(たとえば、100の代わりに120)を同じ外側寸法を有するタブ内の同じ入れ子の上に配置することができる。好ましくは、入れ子は、前記入れ子支持面に支持されるまで前記支柱の周囲に挿入することができるようにする切欠き、いわゆる、支柱用切欠きを有する。入れ子は、好ましくは、前記支柱用切欠きを画定し、入れ子を支柱に沿って移動させる場合に案内を向上させる壁を有する。前記支柱用切欠きおよび対応する壁は、入れ子をタブ支持用支柱の周囲で安定させることができる。
【0048】
入れ子は、好ましくは、入れ子を掴むために使用者の指を挿入するようにした指掛けも有する。したがって、入れ子をより容易に取り扱い、輸送することができる。
【0049】
各切欠きは、使用者の1つの指によって把持されるための把持当接部、特に、隆起部を有することができる。
【0050】
こうした指掛けは、好ましくは、また、使用者の指の接触面を増加させる壁によって画定される。
【0051】
本発明の他の実施例は、上述のように、複数の包装容器を輸送するための包装容器システム、たとえば、輸送ユニットを含み、各包装容器は、複数の医療容器を受ける入れ子を含むタブからなり、タブは、外縁のフランジ上に配置されたシールカバーによって封止され、ヘッダバック内に封入される。
【0052】
前記包装容器システムは、箱を含み、複数の包装容器が直接上下に積み重ねられ、上部のタブのタブ支持面が下部のタブの底壁上に依存し、タブは箱内に底部を上にして積み重ねられる。
【0053】
非限定的かつ非包括的な例として、関係する包装容器の2つの可能な実施例を示す添付の概略的な図面を参照すれば、本発明がより良く理解され、本発明の他の特徴および利点が明らかになるであろう。