(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記エンクロージャの前記少なくとも1つ内に少なくとも一部が配され、前記輻射体から熱を取り去るように動作することができる、冷却装置をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のガラス成形システム。
前記冷却プレートがその中に流体を受け取る第1のフローチャネル、前記冷却プレートがそこから流体を排出する第2のフローチャネル及び、前記第2のフローチャネルの全長に沿ういくつかのポイントにおいて前記第1のフローチャネルから前記第2のフローチャネルに流体が渡ることを可能にする、前記第1のフローチャネルと前記第2のフローチャネルの間の障壁を有するプレート部材を前記冷却プレートが有することを特徴とする請求項4に記載のガラス成形システム。
前記金型のいずれか1つが前記エンクロージャのいずれの1つにも割り送られていないステーションにある間、前記金型を予備加熱するために前記割送りテーブルに沿って配された加熱装置をさらに備え、前記加熱装置の構成及び前記加熱装置の前記割送りテーブルに対する配置が、前記ステーションのいずれの1つも前記加熱装置に割り送られ得るような構成及び配置であることを特徴とする請求項3に記載のガラス成形システム。
前記測定手段が、測定面、前記測定面に実質的に平行な平面に前記3Dガラス製品を支持するための前記測定面上の支持素子及び前記3Dガラス製品が前記支持素子によって支持されているときに前記3Dガラス製品上の点の変位を測定するように構成された少なくとも1つの変位ゲージを有し、前記測定手段が、前記3Dガラス製品を前記測定面上で位置合せするための手段をさらに有するか、または前記3Dガラス製品を前記支持素子にクランプするための手段をさらに有することを特徴とする請求項7に記載のガラス成形システム。
前記輻射反射器面が前記割送りテーブル上に形成され、前記割送りテーブルが前記輻射反射器面を前記エンクロージャの前記少なくとも1つ内に配置するために前記エンクロージャを通って移動可能であることを特徴とする請求項1から11のいずれか1項に記載のガラス成形システム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は上述したような3Dガラスカバーを作製するための熱二次成形の使用を可能にするシステムを提供することにある。本発明の課題は、形状が一貫し、寸法精度が高い、複数個のガラス製品を形成するプロセスも提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様において、ガラス成形システムは、割送りテーブル、割送りテーブルに沿って配列された複数個のエンクロージャ及び、それぞれがエンクロージャのいずれの1つにも選択的に割送り可能であるように、割送りテーブル上に定められた複数台のステーションを備える。少なくとも1つの輻射加熱器が少なくとも1つのエンクロージャ内に配される。輻射反射器面が少なくとも1つの輻射加熱器に対向する位置関係で少なくとも1つのエンクロージャ内に配される。輻射体が、少なくとも1つのエンクロージャ内で、少なくとも1つの輻射加熱器と輻射反射器面の間に配される。輻射体は少なくとも1つの輻射加熱器に対向する位置関係にある第1の表面及び輻射反射器面に対向する位置関係にある第2の表面を有する。
【0006】
一実施形態において、ガラス成形システムは少なくとも1つのエンクロージャ内に少なくとも一部が配され、輻射体から熱を取り去るように動作することができる、冷却装置をさらに備える。
【0007】
一実施形態において、ガラス成形システムは複数個の金型及び金型支持体をさらに備え、それぞれの金型支持体はステーションの1つにおいて金型の1つを支持するように構成される。
【0008】
一実施形態において、輻射反射器面は金型のいずれの1つも、輻射反射器面がその金型の周囲を囲むように、受け入れるための開口を有する。
【0009】
一実施形態において、輻射反射器面の開口の面積は輻射体の第2の表面の面積より小さい。
【0010】
一実施形態において、ガラス成形システムは金型のいずれの1つも冷却するための冷却プレートをさらに備える。冷却プレートは、金型がステーションの1つにおいて金型支持体の1つによって支持されたときに、間隔をおかれた位置関係で金型の下側に取り付けられる。
【0011】
一実施形態において、冷却プレートは、冷却プレートがその中に流体を受け入れる第1のフローチャネル、冷却プレートがそこから流体を排出する第2のフローチャネル及び、第2のフローチャネルの全長に沿ういくつかのポイントにおける流体の第1のフローチャネルから第2のフローチャネルへの乗換えを可能にする、第1のフローチャネルと第2のフローチャネルの間の障壁を有するプレート部材を有する。
【0012】
一実施形態において、ガラス成形システムは金型のいずれの1つも、エンクロージャのいずれの1つにも割り送りされていないステーションに金型がある間に、予備加熱するための割送りテーブルに沿って配された加熱装置をさらに備える。加熱装置の構成及び割送りテーブルに対する加熱装置の配置はステーションのいずれの1つも加熱装置とともに割り送りされ得るような構成及び配置である。
【0013】
一実施形態において、加熱装置は少なくとも1つの輻射加熱器を有する。
【0014】
一実施形態において、加熱装置は割送り装置の一滞留時間内にあらかじめ定められた大きさだけ金型のいずれの1つの温度も上昇させるように構成される。
【0015】
一実施形態において、ガラス成形システムは金型のいずれの1つで作製された3Dガラス製品の形状も測定するための手段をさらに備える。
【0016】
一実施形態において、測定手段は、測定面、測定面に実質的に平行な平面に3Dガラス製品を支持するための測定面上の支持素子及び、3Dガラス製品が支持素子によって支持されたときに、3Dガラス製品上の点の変位を測定するように構成された少なくとも1つの変位ゲージを有する。
【0017】
一実施形態において、測定手段は測定表面上で3Dガラス製品を位置合せするための手段をさらに有する。
【0018】
一実施形態において、測定手段は3Dガラス製品を支持素子にクランプするための手段をさらに有する。
【0019】
一実施形態において、ガラス成形システムは2Dガラス板を金型上に装填するための手段及び3Dガラス製品を金型から取り出すための手段をさらに備える。
【0020】
一実施形態において、ガラス成形システムはエンクロージャの外部で2Dガラス板を加熱するための手段をさらに備える。
【0021】
一実施形態において、エンクロージャのそれぞれは断熱耐熱壁を有するハウジングによって与えられる耐熱容器である。
【0022】
一実施形態において、少なくとも1つの輻射加熱器は赤外線加熱器である。
【0023】
一実施形態において、輻射体の輻射率は0.8より大きく、輻射反射器面の輻射率は0.4より小さい。
【0024】
一実施形態において、輻射体の第2の表面及び輻射反射器面は10mmから50mmの範囲の空隙で隔てられる。
【0025】
一実施形態において、輻射反射器面は割送りテーブル上に形成され、割送りテーブルはエンクロージャの少なくとも1つの内に輻射反射表面を配置するようにエンクロージャを通って移動可能である。
【0026】
一実施形態において、割送りテーブルは回転割送りテーブルである。
【0027】
本発明の別の態様において、ガラス製品を作製する方法は、3D形状をもつ成形面を有する金型上に2Dガラス板を置く工程を含む。2Dガラス板及び金型は輻射環境内に置かれ、2Dガラス板はガラスのアニール点と軟化点の間の第1の温度に加熱される。輻射環境内にある間に、2Dガラス板は力によって成形面と一致させられて、3Dガラス製品になる。3Dガラス製品は、3Dガラス製品及び金型の温度が第2の温度にされている間、力によって成形面に密着保持される。3Dガラス製品を金型に密着させている力が解放される。次いで。3Dガラス製品はガラスの歪点より低い第3の温度に急速に冷却される。
【0028】
一実施形態において、2Dガラス板を成形面と一致させる工程において用いられる力は3Dガラス製品を成形面に密着保持する工程において用いられる力より大きい。
【0029】
一実施形態において、同形にする力及び密着保持する力のそれぞれを発生するため、成形面と2Dガラス板または3Dガラス製品の間に真空が与えられる。一実施形態において、方法は3Dガラス製品の形状を制御するために少なくとも1つのプロセスパラメータを調節する工程をさらに含む。
【0030】
一実施形態において、少なくとも1つのプロセスパラメータを調節する工程は3Dガラス製品を金型に密着保持している力が解放される間に金型の温度を調節する工程を含む。
【0031】
一実施形態において、金型の温度を調節する工程は金型を冷却する工程を含む。一実施形態において、冷却は輻射伝熱による。
【0032】
一実施形態において、金型の温度を調節する工程は3Dガラス製品の形状の特徴を定める一組の形状測定基準を定める工程をさらに含む。
【0033】
一実施形態において、金型の温度を調節する工程は、金型によって既に形成されている3Dガラス製品の形状の少なくとも1つの形状測定基準からの偏差に基づいて、金型から取り去る熱の量を決定する工程をさらに含む。
【0034】
一実施形態において、冷却する工程は冷却プレート通して冷却流体を循環させる工程を含み、取る去る熱の量を決定する工程は冷却プレートに冷却流体が供給される流量を決定する工程を含む。
【0035】
一実施形態において、輻射環境内で2Dガラス板を加熱する工程は2Dガラス板によって吸収される輻射を発するために輻射体を用いる工程を含む。
【0036】
一実施形態において、輻射体は輻射環境における2Dガラス板の加熱中に少なくとも1つの赤外線加熱器から輻射を吸収する。
【0037】
一実施形態において、3Dガラス製品及び金型を第2の温度にする工程は3Dガラス製品から熱を吸収するために輻射体を用いる工程を含む。
【0038】
一実施形態において、方法は、輻射体が3Dガラス製品から熱を吸収している間、輻射体から熱を取り去る工程をさらに含む。
【0039】
一実施形態において、方法は、輻射体が3Dガラス製品から熱を吸収している間、輻射体を第2の温度に維持するために輻射体に熱を選択的に送る工程をさらに含む。
【0040】
一実施形態において、方法は、2Dガラス板を金型上に置く前に、個別に、2Dガラス板及び金型を予備加熱する工程をさらに含む。
【0041】
本発明の別の態様において、熱交換器装置は、回旋状に取り巻く壁で分離された第1のフローチャネル及び第2のフローチャネルを有する、本体を有する。回旋状に取り巻く壁は、流体が第1のフローチャネルから回旋状の壁を越えて第2のプローチャネルに流入できるように構成される。本体は少なくとも、流体がそれを通して第1のフローチャネル内に供給され得る第1のフローチャネルポート及び流体がそれを通して第2のフローチャネルから排出され得る第2のフローチャネルポートの、2つのフローチャネルポートをさらに有する。本体は第1及び第2のフローチャネルとは別のフロー分配チャネルをさらに有する。フロー分配チャネルは第1のフローチャネルと通じており、第1のフローチャネルの長さに沿う複数個のポイントに流体を分配するように構成される。
【0042】
一実施形態において、本体はプレートの形態にあり、熱交換器装置は、第1のフローチャネル、第2のフローチャネル及び回旋状の壁が配されている本体の前面を覆うフロントカバープレート部材をさらに有する。フロントカバープレートで与えられる外装は、フロントカバープレート部材と回旋状の壁が配されている本体の間に空隙が形成されるような外装である。
【0043】
一実施形態において、熱交換器装置は、回旋状の壁に沿って空隙を一様な高さに維持するために本体とフロントカバープレート部材の間に配置された、複数のスペーサをさらに有する。
【0044】
一実施形態において、フロントカバープレート部材は、第1のフローチャネル内の流体が回旋状の壁を越えて第2のフローチャネルに流入することを可能するための第1のフローチャネル内の流体の加圧を可能にするように、密閉態様で本体に嵌合する。
【0045】
一実施形態において、熱交換器装置は、フロー分配チャネルが配されている本体の背面を覆うバックカバープレート部材をさらに有する。バックカバープレート部材は少なくとも、本体に流体を供給するための第1のフローポート及び本体から流体を抜き取るための第2のフローポートの、2つのフローポートを有する。バックカバープレート部材で与えられる外装は、第1のフローポートがフロー分配チャネルと通じていて、第2のフローポートが第2のフローチャネルポートと通じているような外装である。
【0046】
本発明の別の態様において、製品の形状を測定するための装置は測定表面及び物品を安定に支持するための測定表面上に配置された複数の支持体を有する。装置は、測定表面に隣接し、製品を測定表面に対して配置するための基準点としてはたらく、少なくとも1つの位置合せガイドをさらに有する。装置は、製品が支持体上に配されたときに、製品上の点の変位を測定するための少なくとも1つの変位ゲージをさらに有する。
【0047】
一実施形態において、少なくとも1つの変位ゲージは非接触型変位センサを有する。
【0048】
一実施形態において、非接触型変位センサは、レーザ三角法センサ、スペクトル干渉レーザ変位センサ及び共焦点色変位センサからなる群から選ばれる。
【0049】
一実施形態において、形状測定装置は製品を支持体にクランプするための手段をさらに有する。
【0050】
一実施形態において、クランプ手段は、製品が支持体上にあるときにそれを通して製品に真空をかけることができる軸穴を支持体に有する。
【0051】
一実施形態において、測定表面は少なくとも1つの変位ゲージがその中に配置される少なくとも1つの開口を有する載置ブロックによって与えられる。
【0052】
一実施形態において、形状測定装置は少なくとも1つの変位ゲージを載置ブロックにクランプするための手段を有する。
【0053】
本発明の別の態様において、製品の形状を測定するための装置は、製品を支持するための第1の取付具、第1の取付具に対向する位置関係で配された第2の取付具及び、製品が第1の取付郡上に支持されているときに製品上の複数の点の変位を測定するため、所定の位置で第2の取付具に沿って支持される複数の変位ゲージを有する。
【0054】
上記の全般的説明及び以下の詳細な説明がいずれも本発明の例示であり、特許請求されるような本発明の本質及び特質を理解するための枠組みの提供が目的とされていることは当然である。添付図面は本発明のさらに深い理解を提供するために含められ、本明細書に組み入れられて本明細書の一部をなす。図面は本発明の様々な実施形態を示し、記述とともに本発明の原理及び動作の説明に役立つ、
以下は添付図面の図の説明である。図は必ずしも比例尺で描かれてはおらず、いくつかの図及び図のいくつかの描写は、明解さ及び簡明さのため、比例関係が誇張されて、または簡略に、示されることがあり得る。
【発明を実施するための形態】
【0056】
以下の詳細な説明においては、本発明の実施形態の完全な理解を提供するために数多くの特定の詳細が述べられるであろう。しかし、これらの特定の詳細のいくつかまたは全てを含まずに本発明の実施形態を実施できる場合が当業者には明らかであろう。他の場合、本発明を不必要に曖昧にすることのないように、周知の特徴またはプロセスを詳細には説明しないことがある。さらに、同様のまたは同一の参照数字が共通であるかまたは同様の要素を識別するために用いられることがある。
【0057】
図1は2Dガラス板から熱二次成形によって3Dガラス製品を作製するためのガラス成形システム100を示す。ガラス成形システム100は主回転割送りテーブル104を有する主回転テープルシステム102を備える。主回転テーブルシステム102は、円軌道またはループ軌道に沿って選ばれた角度ずつ主回転テーブル104を並進させることができる、いずれかの特注または市販の回転テーブルシステムとすることができる。別の実施形態において、回転割送りテーブルを有する回転テーブルシステムの代わりに、直進割送りテーブルのような、無回転割送りテーブルを有する、直進テーブルシステムのような、無回転テーブルシステムを用いることができる。主回転割送りテーブル104上にいくつかのステーション106が定められ、それぞれのステーション106は金型108のための支持体を有する。主回転割送りテーブル104に沿って伝熱(HT)モジュール110が配列され、主回転割送りテーブル104は、それぞれのステーション106のHTモジュール110のいずれか1つへの選択的な割送りが可能になるように、回転させることができる。ステーション106がHTモジュール110に割り送られると、ステーション106に支持された金型108がHTモジュール110内に配され、金型108上に支持された2Dガラス板がHTモジュール110内で熱二次成形プロセスの少なくとも一部を受けることが可能になる。一般に、ステーション106の数は、いつでもステーション106の内のいくつかだけがHTモジュール110に割り送られるように、HTモジュール110の数を上まわるであろう。
図1に示される実施形態においては、システム内に24のステーション108及び18のHTモジュール110があるが、システム内のステーション106及びHTモジュール110の数には十分な選択の余地がある。HRモジュール110に割り送られていないそれぞれのステーション106は一般に金型内への2Dガラス板の装填、金型からの3Dガラス製品の取り出し、金型の清掃及び金型の修理または交換のような作業の実施が可能になるように、大気に開放される。ガラス成形システム100のそれぞれのサイクルには、割送り時間とこれに続く待ち時間がある。割送り時間中、主回転割送りテーブル104は(時計回りまたは反時計回りとすることができる)選ばれた方向に選ばれた角度だけ回転され、この結果、特定の構成のステーション106がHTモジュール110に割り送られる。割送り時間中の回転速度は一定とするかまたは変化させることができる。変化の一例は、初期加速、続いて定速、続いて最終減速である。第1のサイクルに対し、HTモジュール110に割り送られたステーション106の内の1つだけが2Dガラス板を載せている金型108を支持する。さらにいくつかのサイクルの後、HTモジュール110に割り送られた全てのステーション106のそれぞれは、2Dガラス板を載せている金型108または3Dガラス製品を載せている金型108あるいは空の金型108を支持しているであろう。金型108が2Dガラス板または3Dガラス製品を載せているかあるいは空であるかは、HTモジュール110のシーケンスに沿う金型108の位置に依存するであろう。待ち時間中、2Dガラス板の3Dガラス製品への熱二次成形がHTモジュール110に割り送られているそれぞれのステーション106において実施される。連続生産に対し、単一のHTモジュール110内での熱二次成形の完了は実行可能ではないであろう。この場合、熱二次成形は一連のHTモジュール110の間で分散させることができる。
【0058】
一般的な熱二次成形プロセスは、2Dガラス板が金型の上部にある間、2Dガラス板を成形温度、例えば10
7ポアズ(10
6Pa・秒)〜10
11ポアズ(10
10Pa・秒)の粘度に対応する温度範囲内またはガラスのアニール点から軟化点の間の温度に加熱する工程を含む。加熱される2Dガラス板は、加熱されると垂れ下がり始めることができる。一般に、次いで、ガラス板を成形面に一致させ、よってガラス板を3Dガラス製品に成形するため、ガラス板と金型の間に真空が与えられる。3Dガラス製品成形後、3Dガラス製品は、3Dガラス製品のハンドリングが可能になるであろう、ガラスの歪点より低い温度まで冷却される。分散熱二次成形に対し、HTモジュール110の一セグメントを2Dガラス板の成形温度までの加熱専用とすることができ、HTモジュール110の別のセグメントを2Dガラス板の3Dガラス製品への成形専用とすることができ、HTモジュール110のまた別のセグメントを3Dガラス製品のガラスの歪点より低い温度への冷却専用とすることができるであろう。
【0059】
上述したサイクルは、熱二次成形による2Dガラス板からの3Dガラス製品の連続生産のため、所望に応じて多数回繰り返される。サイクルが進行している間、金型からの3Dガラス製品の取出し及び空の金型への新しい2Dガラス板の装填のような、別の作業が行われる。主回転割送りテーブル104が回転するにつれて、3Dガラス製品を載せている金型108を支持しているステーション106は最終的に大気にさらされることになり、3Dガラス製品へのアクセスが可能になるであろう。次いで、金型108から3Dガラス製品を取り出して取出エリア104上に移すためにロボット112を用いることができる。また、新しい2Dガラス板を装填エリア118から空の金型108上に装填するため、ロボット116を用いることもできる。高スループットを可能にするため、2Dガラス板は金型108上に搭載される前に予備加熱される。この目的のため、装填エリア118は、副回転テーブル122を有する、副回転割送りテーブル120を有する。主回転割送りテーブル104の場合と同様に、いくつかのステーションが副回転割送りテーブル上に定められる。副回転割送りテーブル122は炉124内に配される。2Dガラス板は初め、副回転割送りテーブル122のステーション上に装填され、炉124内で予備加熱される。一実施形態において、2Dガラス板を予備加熱する工程は、2Dガラス板にかけて、窒素のような、加熱気体を流す工程を含む。2Dガラス板は成形温度より低い温度まで加熱される。次いで、ロボット116が、以降の加熱及び熱二次成形による3Dガラス製品への成形のため、主回転割送りテーブル104のステーション106上に、予備加熱された2Dガラス板を移載する。一実施形態において、副回転割送りテーブル122は6ステーションを有するが、副回転割送りテーブル122上にいくつのステーションが定められ得るかについての特定の制限はない。ロボット116,112はそれぞれ、2Dガラス板及び3Dガラス製品を把持するために、真空カップまたは吸引カップを用いることができる。好ましくは、真空カップまたは吸引カップあるいはその他の2Dガラス板及び3Dガラス製品を把持する手段は、ガラスにすり傷を付けるべきではなく、ガラスを損なうべきではなく、あるいはガラス上に残渣を残すべきではない。
【0060】
HTモジュール110は全てが同じである必要はない。HTモジュール110の内のいくつかは能動加熱用に構成することができる。HTモジュール110の内のいくつかは能動冷却用に構成することができる。HTモジュール110の内のいくつかは、能動的な冷却も加熱も行わないように構成することができ、単に、所望の温度が維持され得るかまたは温度が徐々に低下することが可能にされ得る安定な熱環境を、例えば断熱により、提供することができる。HTモジュール110として用いられ得るであろうHTモジュールの特定の例は以下に説明される。これらの特定の例においては、輻射加熱器が加熱に用いられることが好ましい。しかし、他の加熱手段も用いることができる。
【0061】
図2は、上述したHTモジュール110のいずれの1つとしても用いられ得るであろうHTモジュール200を示す。加熱モジュール200は、熱エンクロージャ204を定めるハウジング202を有する。熱エンクロージャはその中身を周囲環境とは異なる温度に維持することができるエンクロージャである。ハウジング202の壁体は、耐熱材料でつくられて熱エンクロージャ204を囲む壁体層203,耐熱材料でつくられて壁体層203の部分を囲む壁体層205及び断熱材料でつくられて壁体層203,205を囲む壁体層207を有する。ハウジング202の断熱された耐熱壁体により、熱エンクロージャ204内の温度を制御可能にすることが可能になる。加熱器206のアレイが熱エンクロージャ204の上部領域209に配される。加熱器206は輻射加熱器であることが好ましい。輻射加熱器は輻射エネルギーによって加熱する。輻射エネルギー源の例は、マイクロ波源、高周波源、可視光源、赤外線熱源及び電気熱源である。輻射加熱器は赤外線輻射加熱器であることが好ましい。他の実施形態において、加熱器206は抵抗加熱器とすることもできる。熱エンクロージャ204の上部領域209には、加熱器206のアレイの下側に輻射体208も配される。輻射体208は輻射を発するかまたは吸収することができる物体である。一実施形態において、輻射体208は、例えばハウジング202の耐熱層203の溝211に輻射体208の末端を差し込むことによって、ハウジング202に確実に固定される。
【0062】
輻射反射器面210が、熱エンクロージャ204内で輻射体208の下側に配される。一実施形態において、輻射反射器面210はHTモジュール200の組込部品である。例えば、輻射反射器面210は熱エンクロージャ204内の表面上に支持するか、またはハウジング202の壁体に確実に固定することができる。この実施形態において、輻射反射器面210は静止しているであろう。
図2に示されるような、別の実施形態において、輻射反射器面210は割送りテーブル104の表面によって与えられるかまたは割送りテーブル104の表面上に形成される。この実施形態において、輻射反射器面210は割送りテーブル104とともに熱エンクロージャ204を通って移動することができるであろう。輻射反射器面210は、金型、例えば金型214の受け取りのために指定された領域である、受け領域を有する。一実施形態において、輻射反射器面210の受け領域は、金型、例えば金型214を受け入れる寸法につくられた受け穴212を有する。
【0063】
熱エンクロージャ204の下部領域213は、熱エンクロージャ204を通して割送りテーブル104を走行させるための開口215を有する。
図2において、割送りテーブル104上のステーションは、ステーションにある金型214が熱エンクロージャ204内に置かれるように、HTモジュール200に割送りされている。金型214も、熱エンクロージャ204に配されている、輻射反射器面210の受け穴212内に置かれる。受け穴212内に金型214を置くことにより、輻射反射器面210が金型214の周囲を囲むことが可能になる。この配置により、金型214の上面は輻射反射器面210と共面になることもならないこともある。
【0064】
輻射加熱器206のアレイは、輻射体208の上面222において受け取られて輻射体208内に吸収される、輻射を発する。輻射体208の底面216において、底面216の下側にある物体の温度に依存して、輻射が吸収されるかまたは発せられる。輻射体208の動作温度は底面216の下側にある物体に入射するスペクトルエネルギーを規定する。輻射体208と組み合わされた加熱器206のアレイは金型214及び金型214に載せられているガラスに対して熱的に一様な熱源を提供する。金型214及びガラスによって吸収されない輻射は輻射反射器面210によって反射されて輻射吸収体208に戻る。
【0065】
一実施形態において、輻射反射器面210は平表面である。一実施形態において、輻射体208の底面210は平坦であり、輻射反射器面210に対向する。一実施形態において、輻射反射器面210及び輻射体208の底面216は相互に実質的に平行である。輻射反射器面210はプレートの表面とすることができ、あるいは、割送りテープル104の表面のような、いずれか適する表面上のめっき膜とすることができる。一実施形態において、輻射反射器面210は耐熱材料、例えば、ZIRCAR Refractory Composites, Inc.から入手できるアルミナ被覆セラミック材料でつくられる。一実施形態において、輻射反射器面210は比較的低い輻射率、好ましくは0.4より小さい輻射率を有する。一実施形態において、輻射体208はプレートである。一実施形態において、輻射体208は比較的高い輻射率、好ましくは0.8より大きい輻射率を有する。輻射体208の輻射率は輻射反射器面210の輻射率より高いことが好ましい。輻射体208に適する材料の一例は炭化ケイ素である。輻射体208及び輻射反射器面210の材料は熱エンクロージャ204内で遭遇するであろう高い温度、すなわちガラスが二次成形され得る温度に適切な材料とすべきである。
【0066】
無限平行プレート熱システムを、輻射反射器面210の輻射率を低く、例えば0.4より小さくするような選択とともに、達成するため、輻射体208の底面216の面積は、輻射反射器面210の受け穴212の面積(または金型214の上面の面積)よりかなり大きくなるように選ばれる。一実施形態において、輻射体208の底面216の面積は輻射反射器面210の受け穴212の面積(または金型214の上面の面積)よりほぼ9倍大きい。輻射体208の底面216の全長は輻射反射器面210の全長より大きく、または輻射反射器面210の全長とほぼ同じとすることができる。システムの熱放射形態係数はシステムの伝熱効率を最大化するように選ばれることが好ましい。これは一実施形態において金型214の上面(または金型214のための受け穴212を有する輻射反射器面210)を輻射体208の底面216に近づけて、好ましくは輻射体208の底面216から10mm〜50mmに、配置することによって達成され得る。
【0067】
必要な場合に輻射体208にさらに熱を供給するため、複数の輻射加熱器206と輻射体208の間に追加の輻射加熱器218を配することができる。例えば、熱エンクロージャ204の周縁近傍の輻射体208の領域には熱がさらに必要になり得る。追加の輻射加熱器218及び複数の輻射加熱器206は、輻射体208がガラス及び金型214を一様に加熱するように、輻射体208を一様に加熱するために制御される。輻射体208の、または加熱器206,218と輻射体208の間の、温度は適する温度センサを用いてモニタすることができ、センサの出力は加熱器206,218の出力を制御するために用いることができる。
【0068】
輻射加熱器206,208の末端はハウジング202の壁を貫通して突き出し、ハウジング202の外部に取り付けられた孔あきエンドプレート220内に収められる。これらの末端は輻射加熱器206,218の電源への接続のための電気コネクタを有する。これらの電気コネクタを保護するため、エンドプレート220の孔は電気コネクタの周りに冷却空気を循環させるために用いることができる。
【0069】
金型装置226が開口215に示される。金型装置226は割送りテーブル104のステーションを通って開口215に延び込む。金型装置226は上述した金型214及び金型214のための支持体228を有する。金型支持体228は、金型214が輻射反射器面210の受け穴212(または受け領域)に受け入れられている間、金型214を傾けるための可傾ステージを組み込むことができる(可傾能力の妥当性は、金型214が傾けられることを、金型214上にガラスを位置合せする一方法が必要とすることにある)。金型装置226が割送りテーブル104とともに進むことができるように、適する位置決めシステムが金型支持体228を割送りテーブル104に取り付ける。金型装置226は、金型214に真空を与えるための1本(または複数本)のコンジット及び金型214の周囲に気体を供給するための1本(または複数本)のコンジットをさらに有することができる。金型214の周囲に供給される気体は、3Dガラス製品成形後に、金型上の3Dガラス製品を冷却するための気体とすることができる。金型214の詳細は本明細書では開示されない。一般に、金型214は金型を用いて成形されるべきガラス製品の3D形状に対応する3D外形を有する成形面を有するであろう。金型214は、ガラスを成形面に引き付けるためにそれを通してガラスに真空を与えることができる、ポートも有するであろう。ポートは成形面に開口し、金型214に真空を与えるための(1本または複数本の)コンジットに通じているであろう。
【0070】
HTモジュール200は輻射体208が輻射を発する加熱モードまたは輻射体208が輻射を吸収する冷却モードで動作することができる。加熱モードで動作しているHTモジュール200に対し、加熱HTモジュール200内に割り送られたガラスは輻射体208によって放射される輻射を吸収するであろう。この吸収は、(i)ガラスの温度が輻射体208の温度とほぼ同じであるかまたは(ii)ガラスがHTモジュール200から割り送られる、の2つの場合の内の一方になるまで継続するであろう。冷却モードで動作しているHTモジュール200に対し、冷却HTモジュール200内に割り送られたガラスは輻射を放射し、輻射は輻射体208によって吸収されるであろう。この放射は、(i)ガラスの温度が輻射体208の温度とほぼ同じであるかまたは(ii)ガラスが冷却HTモジュール200から割り送られる、の2つの場合の内の一方になるまで継続するであろう。
【0071】
図3は、基本的には[(
図2の)HTモジュール200+冷却装置302]であるHTモジュール300を示す。すなわち、冷却装置302が用いられなければ、HTモジュール300はHTモジュール200について上述した態様と同じ態様で動作するであろう。HTモジュール300は、以下で説明されるように、ガラス冷却に対してHTモジュール200より効率的である。HTモジュール300の構成の説明においては、既に上述したHTモジュール200のパーツが再び用いられるであろう。
【0072】
冷却装置302は、HTモジュール300の熱エンクロージャ306の内部に配された冷却プレート304を有する。冷却プレート304は輻射加熱器206とHTモジュール300の上部壁体310の間にある。冷却プレート304の配置は輻射体208から冷却プレート304の輻射形態が見えるような配置である。冷却プレート304は内部チャンバ314を有する。冷却プレート304の内部チャンバ314内に流体を分配するため、充気室316が冷却プレート304の上に形成される。充気室316と内部チャンバ314の間の流通のため、冷却プレート304の充気室316に隣接する部分に小孔318が設けられる。
【0073】
流体供給管320がHTモジュール300の上部壁体310を貫通して充気室316まで延び、充気室316に冷却流体を供給するために用いられる。充気室316内の冷却流体は冷却プレート304の小孔318を押し通されて冷却プレート304の内部チャンバ314に入る。冷却流体はジェットの形態で冷却プレート304の内壁に打ち当たる。打ち当たるジェットには、小さい面積にわたって大量の伝熱を得られるという利点がある。冷却流体は一般に空気であり、流量は一般に毎分200リットルより少ない。2本の流体排出管322,324がHTモジュール300の上部壁体310を貫通して冷却プレート304まで延び、冷却プレート304の内部チャンバ314から流体を取り出すために用いられる。冷却流体は冷却装置302内に完全に収められているから、冷却装置302からの熱エンクロージャ306内部の粒子汚染の危険は低い。万一、冷却装置302からの漏れがあっても、漏れが輻射加熱器306の動作を妨害しないであろうように、冷却流体は、空気のような、気体であることが好ましい。冷却装置302内に完全に収められている冷却流体には、冷却プレート304にわたって温度がある程度一様であるように、流体管320,322,324にかかる温度勾配を下げるという利点もある。
【0074】
ガラスを冷却するためには、金型214上のガラスが冷却されるべき温度を決定するであろう何らかの温度に輻射体208が設定されなければならない。輻射体208がガラスと金型214及び輻射反射器面210から輻射を吸収するにつれて、輻射体208の温度は上昇するであろう、冷却装置302の目的はこの過剰な熱を、輻射体208が所望の設定温度にあるように、輻射体208から取り去ることである。この冷却がないと、ガラスは所望より高い温度になってしまうであろう。適切な温度の達成は冷却の一態様である。別の態様は、後にガラスの反りのような欠陥を生じさせ得る熱誘起応力を避けるために、制御された態様でガラスを冷却することである。ガラスの制御された冷却は、冷却装置302を用いて輻射体208から熱を取り去りながら、輻射加熱器を用いて輻射体208に熱を選択的に送ることによって、ある程度達成される。輻射体208に送られる熱の量は、輻射体208が熱を吸収し、冷却装置302によって冷却されている間の、輻射体208の温度に基づく。輻射体208の温度は温度センサによって直接に、または加熱器206の出力及び冷却装置302によって取り去られる熱の量によって間接的に、モニタすることができる。
【0075】
最大のスループット及び効率のため、
図1のシステムを用いてガラス製品を成形するプロセスはシステムを通して複数の金型を循環させる工程を含む。いずれの与えられた製品についても、成形されるべきガラス製品に対する理想形状があるであろう。理想形状からのいくらかの偏差は許容され得る。カバーガラス用途に対して、許容され得る偏差は一般に非常に小さく、例えば±50μm内であろう。それぞれの金型は許容偏差内で理想形状を有するガラス製品が得られるように設計することができる。システムを通して循環される金型の全てがそのように設計され、同じ伝熱特性を有していれば、金型でつくられるガラス製品は、許容偏差内で理想形状に一致する、一貫した形状を有するはずである。しかし、金型は一般に、金型の材料、被覆または加工処理における変動により、同じ伝熱特性を有することはない。これらの変動は、それぞれの金型が受ける循環の回数が相異なることまたは金型が修理調製されることからおこり得る。金型の伝熱特性の差は、例えば成形面輻射率の差または金型とガラスの間の界面熱伝導の差として現れ得る。
【0076】
ガラス製品の形状は、ガラスが金型に合わせられるときのガラス内の熱勾配によって影響され、ガラス内の熱勾配は金型の温度によって影響され、金型の温度は金型の伝熱特性によって影響される。本発明の一態様において、金型温度は、金型によってつくられるガラス製品が一貫した形状を有するように、金型の伝熱特性の差を補償するように制御される。金型温度を能動的に制御するために、金型の下側に置かれた熱交換器が用いられる。熱交換器と金型の間の伝熱は、伝導、対流または輻射によることができる。一実施形態において、熱交換器は金型からあらかじめ定められた量の熱を取り去るために中間レベルで動作させられる。中間レベルの上または下に熱交換器を調節することにより、取り去られる熱を多くまたは少なくすることができる。ガラス製品を成形するための一般的手順は、初めに、所望の形状をもつガラス製品を作製する基礎プロセスを確立することである。次いで理想型上からのガラス製品の偏差が測定される。この偏差は以降のプロセス欄中に金型からどれだけの熱を取り去るかを決定するために用いられる。
【0077】
図4Aは金型から熱を取り去るために用いることができる冷却プレート(すなわち熱交換器)400を示す。一般に、輻射、対流または伝導を用いて、冷却プレート400の上面に熱流束を与えることができる。冷却プレート400は、冷却プレートの流路を通って循環している流体にその熱を捨てることによって熱を取り去るようにはたらくであろう。冷却プレート400は金型冷却の状況において説明されるであろうが、冷却プレート400は、コンピュータチップのような電子デバイスの冷却のような、他の冷却用途に用いられ得ることに注意されたい。
【0078】
一実施形態において、冷却プレート400は、天プレート402,中間プレート404及び底プレート406を有する。中間プレート404は冷却プレート400の内部流路を収める。
図4Bに示されるように、中間プレート404は、周回(または連続)ループの形態の外帯(または外部隆起領域)408,及び周回(または連続)ループの形態の内帯(または内部隆起領域)410を有し、外帯408は内帯410を囲む。内帯410は、概ね相互に平行な、直帯区画412,414を有する。内帯410は、直帯区画412,414を接続する、回旋帯区画416,418も有する。回旋帯区画416,418はU字形ループでつくられる。
【0079】
外帯408と内帯410の間に流入チャネル420が定められ、内帯410内に流出チャネル422が定められる。回旋帯区画416,418のU字形ループ内で流入チャネル420に流入スペーサ424が配される。流入チャネル420には中間プレート404の中心線に沿って流入スペーサ425も配される。直帯区画412,414に沿って、または直帯区画412,414と回旋帯区画416,418の間で、流出チャネル422に流出スペーサ426が配される。
【0080】
外帯408及びスペーサ424.425,426は同じ高さであり、内帯410は外帯408より低い。(
図4Aに示されるように)天プレート402が中間プレート404に重ねられると、外帯408及びスペーサ424,425,426は天プレート408に接触して天プレート408との密封を形成する。同時に、流入チャネル420,流出チャネル422及び内帯410に対応する場所で、天プレート402と中間プレート404の間に空隙427(
図4C)がつくられる。スペーサ424,425,426は天プレート402と内帯410の一定間隔を維持し、冷却プレート400にわたる空隙428の一貫した高さを可能にする。
図4Cに示されるように、流体は空隙427を流過し、流入チャネル420から内帯410をこえて流出チャネル422内に渡ることができる。流入チャネル420は、流入チャネル420から流出チャネル422への流体の乗換えを可能にするため、流体の溢出が可能でなければならない。この場合、内帯410はチャネル420,422間の境界壁としてはたらく。空隙427を渡って流れる流体の抵抗は、流体がチャネル420の全体を通って流れるための抵抗または流体がチャネル422の全体を通って流れるための抵抗よりかなり大きくなければならない。抵抗は、工学では、流体が流路に沿って進む間に流体が受ける圧力降下をその流路に沿って流れるその流体の流量で割った値として定義される。空隙427を渡る流体の抵抗がRgであり、流入チャネルの長さに沿って流れるための流体の抵抗がRsであり、流出チャネル422の長さに沿って流れるための流体の抵抗がRdであれば、Rd及びRsのそれぞれはRgよりかなり小さく、例えば大きくとも1/10であるべきである。これは間隙427の全領域にわたる非常に一様な流体流を保証するであろう。一様な冷却及び冷却プレート400の一様な温度を生じさせるためには一様な流れが必要である。流入チャネル420内の流体の圧力が十分に一様であることに注意することも重要である。流体の圧力変化の大半は流体が空隙427を渡る間におこる。
【0081】
図4Dは中間プレート404の裏面に形成された供給チャネル(またはフロー分配チャネル)のネットワーク430を示す。ネットワーク430には、概ね中間プレート404の中心線に沿って通る主供給チャネル432及び主供給チャネル432から分岐する側方供給チャネル434がある。島436が主供給チャネル432内に形成される。流体は主供給チャネル432に沿い、島436を巡って、移動して側方供給チャネル434に達する。島436から(
図4Bの)流出チャネル422に排出穴437が貫通する。概ね主供給チャネル432の中心線に沿って主供給穴438,439及び渡り穴440が設けられる。供給穴438,439,440は中間プレート404の裏面から(
図4Bの)流入チャネル420に貫通する。中間プレート404の周縁に沿って補助供給孔442が設けられる。補助供給孔442は側方供給チャネル434の終端に配され、中間プレート404の裏面から流入チャネル420に貫通する。ネットワーク430により、流入チャネル420への流体の迅速な分配が可能になる。流体が主供給穴438,439に送られると直ぐに、流体はネットワーク430を通って広がって渡り穴440及び周縁供給穴442に達し、次いで流入チャネル420に入るであろう。
【0082】
底プレート406は供給穴444,445(
図4E)及び排出穴437(
図4E)を有する。中間プレート404が底プレート406上に重ねられると、底プレート406の供給穴444,445は中間プレート404の主供給穴438,439と位置が合わせられ、底プレート406の排出穴437は中間プレート404の排出穴437と位置が合わせられるであろう。使用において、(
図4Aの)流体供給管446.447がそれぞれ底プレート406の供給穴444,445に結合され、(
図4Aの)流体排出管448が底プレート406の排出穴437に結合される。流体供給管446,447内の冷却流体は主供給穴438,439に送られ、次いでネットワーク430を介して流入チャネル420に分配される。冷却流体は、空気のような、気体であることが好ましい。流入チャネル420内の流体は、十分なレベルにあれば、内帯410に沿ういくつかの(非常に多くの)ポイントにおいて流出チャネル422に渡るであろう。流体は流出チャネル422から中間プレート404の排出穴437及び底プレート406の排出穴437を通って流体排出管448内に排出される。
【0083】
冷却プレート内の流路は、流体が流入チャネル内にある間は、できるだけ僅かにしか熱を吸収しないであろうように設計される。流体が流入チャネル420に沿って進んでいる間に流体の温度が上がると、冷却プレート400の温度は一様にならないであろう。流体が一様に分布されている(
図4Cの)空隙427を流体が過ぎ越す間に流体の温度が上がることが好ましい。流体が空隙427を過ぎ越す間に流体の温度が上がれば、冷却プレートの全体にわたって温度が一様になるであろう。流入チャネル420及び空隙427は、流体が空隙427を過ぎ越す間に流体が吸収熱のほとんどを得るような寸法につくられる。例えば、流入チャネル420は、流入チャネル420が空隙427より低い対流伝熱係数を有するように、空隙427より大きい。
【0084】
中間プレート404により、冷却プレート400にわたる流体の平行分布が可能になる。この平行分布は冷却プレート400にかけての温度勾配を最小限に抑える正味の効果を有し、これにより、冷却プレート400が金型に一様な冷却を与えることが可能になるであろう。ネットワーク430及び渡り穴440は、可能な限り僅かな抵抗及び可能な限り流入流体の温度、すなわち供給管446に供給される流体の温度、に近い温度で、流体を流入チャネル420内に広がらせるように設計される。中間プレート404がネットワーク430及び渡り穴440を有していなければ、流体は主供給穴438,439に入って、流入チャネル420に入るであろう。流体は次いで流入チャネル420内に広がるであろう。しかし、流体が流入チャネル420を通って移動している間、流体は中間プレート404の壁体から熱を吸収するであろう。しかし、冷却プレート400の一様冷却及び一様な温度のためには、流体が流入チャネルを通って広がる間に流体が吸収する熱を最小限に抑えることが望ましい。ネットワーク430及び渡り穴440を有することにより、比較的低温の流体は、流体の温度が上がる機会が来る前に、流体が必要とされる領域、すなわち空隙427への入口の周辺全体にさらに速く直行することができる。
【0085】
冷却プレート400のそれぞれのプレートは、高温において、高い熱伝導率及び優れた耐酸化性及び安定性を有する、すなわち、破壊または剥離をおこさない、材料でつくられる。熱伝導度の高い材料を用いることで、冷却プレート400の熱一様性が助長される。一実施形態において、プレートはニッケルでつくられる。別の実施形態において、プレートは銅でつくられ、次いで、ニッケルまたは金のような、耐酸化性被膜で被覆される。プレートは耐熱青銅材料でもつくられ得るであろう。
【0086】
冷却プレート400のプレートはいずれか適する手段を用いて集成することができる。一例において、プレートを集成するため、銀ベース金属のような鑞付材料が用いられる。銀ベース金属はプレートアセンブリの最高動作温度より高い融点を有する。鑞付材料は外帯408及びスペーサ424,425,426に施される。鑞付材料は外帯408及びスペーサ424,425及び426の場所において天プレート402と中間プレート404の間を密封する。鑞付材料で与えられる接合により、流入チャネル420及び流出チャネル422が加圧流体で満たされた場合であっても、空隙427が全体にわたって内帯410を一様な距離に保つことが可能になる。流体に空隙427を押し通らせるため、流入チャネル420内の流体は必ず加圧されなければならない。また流体は、流体が流出チャネル422を通って流れて流体排出管448から出る間に小さな圧力降下があるから、流出チャネル422内で大気圧より若干高い圧力にある。
【0087】
図5Aは、金型を支持している間、金型の下側への冷却プレート400の配置を可能にする金型支持システム500を示す。金型支持システム500は、
図3に参照数字500で示されるように、いずれのステーションにも配することができる。金型支持システム500は割送りテーブル104から延び上がっている主基盤支柱504上に取り付けられた主基盤502を有する。主基盤支柱504はいずれか適する手段を用いて主基盤602及び割送りテーブル104に確実に固定される。主基盤502の上方に金型キャリア506が支柱管508によって支持される。支柱管508は、支柱基盤510を通して主基盤502に、また支柱取付ブロック512を通して金型キャリア506に、結合される。支柱管508は、支柱管壁体に沿う熱伝導を最小限に抑えるため、肉薄につくられる。金型キャリア506は基盤プレート516及び充気室518を有する。アダプタプレート514が、その底面で支柱支持ブロック512に、その上面で基盤プレート516に取り付けられる。充気室518は基盤プレート516上に取り付けられる。基盤プレート516は、充気室518の底面にある孔のような構造に嵌合する、ピンのような構造をその上面に有することができる。
【0088】
金型214は充気室518の上面に搭載される。一実施形態において、充気室518の上面との金型214の位置合せを補助するため、充気室518の側面に金型位置合せタブ520が設けられる。この実施形態において、金型214は充気室518上に単に載っているだけあり、金型214は金型の重量だけで充気室518上に保持される。金型214の底面の孔に嵌合する充気室548の上面の位置決めピンのような、異なる方法を金型214を充気室518の上面と位置合せするために用いることができる。
【0089】
別の実施形態において、金型キャリア506,すなわち基盤プレート516及び充気室58と金型214はボルトで留め合わせられる。次いで、金型キャリア503を下側のアダプタプレートにクランプするために真空が用いられる。
図5Bは真空溝511及び真空穴513をもつアダプタプレート514を示す。真空穴513は真空維持管515に結合される。真空は、真空維持管515により、真空穴513に、次いで真空溝211に与えることができる。真空溝511内の真空が基盤プレート516をアダプタプレート514にクランプするであろう。アダプタプレート514の真空穴513は、金型214を下の金型キャリア506にクランプするために真空が金型214の下側に与えられ得るように、基盤プレート516及び充気室518の同様の穴と連結することができる。
【0090】
図5Aに戻れば、充気室518は、金型214の底面と基盤プレート516の上面の間に配される、チャンバ522を提供する。割送りテーブル104,主基盤502,アダプタプレート514及び基盤プレート516を、サービス管523が貫通する。サービス管523は基盤プレート516の上面でチャンバ522に対して開口する。サービス管523はチャンバ522内のサービスを実施するために用いることができる。例えば、サービス管523はチャンバ522に真空を与えるために用いることができる。チャンバ522に与えられる真空は金型214の(1つまたは複数の)真空穴を介して金型214と金型214上のガラス525の間に与えることができる。サービス管523はチャンバ522に気体を送るために用いることもできる。この場合、金型214の底面から金型214の上面まで穴が通る。穴はチャンバ522に開口するであろう。冷却プレート400と金型214の底面の間に空隙を残すことにより、チャンバ522に入る気体が金型214の穴を通って分配されて進むことが可能になる。ガラス525が金型214上に載っている場合、例えばガラスが二次成形された後、ガラスを金型から持ち上げるため、ガラス525と金型214の間の界面に気体を供給することができる。
【0091】
冷却プレート400はチャンバ522の上部で金型214の下側に配される。冷却プレート400は、金型に近接しているが、金型214と物理的に接触してはいないことが好ましい。これにより、金型214から冷却プレートへの伝熱が主として輻射によっておこることが可能になるであろう。輻射伝熱のため、冷却プレート400と金型214の間に輻射路があるべきである。冷却プレート400を金型214から隔てることにより、冷却プレート400の設計とは独立な金型214の設計が、またはこの逆が、可能になる。これは最終的に金型の製造コストを低減するであろう。
【0092】
供給支柱管446,447及び排出支柱管448は、割送りテーブル、主基盤502,アダプタプレート516及び基盤プレートを貫通し、冷却プレート400に連結される。管446,447,448は冷却流体を冷却プレート400に送り、冷却プレート400から出すためにはたらく。管446,447,448は、冷却プレート400と基盤プレート516の間におこる熱伝導に対して高い抵抗を有する肉薄管である。熱伝導に対して高い抵抗を有することにより、冷却プレート400は、冷却プレート400への冷却流体の流量を変えることによって冷却プレート400の温度が容易に調節され得るように、断熱される。金型214も、冷却プレート400による金型214の温度の十分な制御を可能にするため、断熱され得る。
【0093】
一般に、冷却プレート400の温度は、中間の流量で冷却プレートを通して流体を循環させることにより、中間の値に維持される。冷却プレート400の温度は循環する流体の流量を中間の流量から上げるかまたは下げることで調節することができる。冷却プレート400の温度が調節されると、金型214の温度が調節されるであろう。例えば、循環する流体の流量を上げることで冷却プレート400の温度を下げることができ、これは金型214から冷却プレート400の輻射伝熱を高めさせ、対応して金型214の温度を下げることになろう。逆に、冷却プレート400を取って循環される冷却流体の流量を下げることで冷却プレート400の温度を高めることができ、これは金型214から冷却プレート400への輻射伝熱を低めさせ、対応して金型214の温度を上げることになろう。金型214からの熱の取去りは、冷却プレートにわたる温度勾配を最小限に抑える冷却プレート400の内部流路の設計により、比較的一様であろう。冷却プレート400により、既知の量の冷却流体が決定論的で繰返し可能な強さの冷却を行うように、冷却流体が可能な限り効率良く熱を取り去ることが可能になる。
【0094】
測定はガラス製品の作成プロセスをより良く制御するためにガラス製品の形状の偏差を決定する重要な態様である。本発明の一態様において、ガラス製品の一組の別々の点を迅速かつ正確に測定する測定システムが提供される。
図6Aに示されるような、一実施形態において、測定システム601は平坦上面、すなわち測定面602を有する取付ブロック600を備える。支持体604がガラス製品606のような、測定されるべきガラス製品を支持するために提供され、測定面602に取り付けられる。一実施形態において、ガラス製品606に対して少なくとも3つの接触点を与えるため、少なくとも3つの支持体604が測定面602に取り付けられる。支持体604は測定面602に平行な平面にガラス製品を支持するための安定な構造を形成するように配される。例えば、
図6において、支持体604はガラス製品を安定に支持するに十分に大きい三角形をなして配される。支持体604は截頭円錐支持体とすることができ、截頭端は、安定構造を提供し、支持体604とガラス製品606の間の接触面積を最小限に抑えるに必要な最小値に設定される。
【0095】
支持体604で形成される支持構造の外側の場所で、位置合せガイド608が測定面602に取り付けられる。一実施形態において、位置合せガイド608は支持体604上に置かれるガラス製品606のコーナーと嵌合するであろうコーナーを形成するように配される。したがって、位置合せガイド608は、このシステムを用いて測定が一貫してなされ得るように支持体604上にガラス製品を置くための、基準点としてはたらく。位置合せガイド608は、尖らされているか、截頭されているかまたは別の、位置合せガイド608とガラス製品606の間の接触面積を最小限に抑えるような、形状につくられたタブ609を介してガラス製品606と突き合う。取付ブロック600は脚611の上に載る。脚611は、ガラス製品606が重力によって滑り、タブ609と軽く接触する方向に向かうように、取付ブロック600が2つの角度で傾けられるように調節できることが好ましい。角度は一般に5°より小さい。
【0096】
取付ブロックの底面の下側にレーザゲージ610がある。レーザゲージ610はクランプリング612によって取付ブロックに確実に固定される。クランプリング612は、ねじが締められると、コレットのようにレーザゲージ610を把持する。クランプリング612により、締め付ける前にレーザゲージをその軸に沿って若干移動させることが可能になる。クランプリング612は、ガラスの位置の読みに誤差を生じさせるゆるみが全くないようにクランプリングが締め付けられた後、レーザゲージ610の取付ブロック600への強固な連結も保つ。
図6Bに示されるように、レーザゲージ610は取付ブロック600の穴614に挿入される。取付ブロック600の側面に取り付けられたレーザ空気パージフィッティング616が横向きに開けられた取付ブロック600の穴を介して穴614に通じている。レーザ空気パージフィッティングは、穴614に落ち込んでレーザゲージ610の上に載っていることがあり得るいかなる粒子も穴614からパージするために、穴614に、空気流のような、清浄な気体流を供給するために用いられる。
【0097】
レーザゲージ610は、レーザゲージ610の測定方向が測定面602に対して垂直であるかまたは傾けられ、ガラス製品606上の別々の点と交差するように、取り付けることができる。ガラス製品606上の別々の点において測定を行うためには少なくとも1つのレーザゲージ610が必要である。複数のレーザゲージ610が用いられる場合、それぞれのレーザゲージ610はガラス製品606上の別々の点の内の1つを担当するであろう。レーザゲージ610は、レーザ光をガラス製品606に投射し、ガラス製品606からの反射光を検出することによって動作する。レーザゲージ610によってとられた測定値は、電子データ記憶媒体のような、適する媒体に記録され、コンピュータで処理される。コンピュータ上のプログラムがレーザゲージ610でとられた測定値を取りだして、レーザゲージ610の測定方向に沿う、ガラス製品606上の別々の点とレーザゲージ610との,または別の基準点との、間の距離を計算する。測定された距離は、理想ガラス形状について同じ測定システムを用いるかまたはコンピュータモデル計算によって決定されているであろう、目標距離と比較される。測定された距離の目標距離からのいかなる偏差も、電子データ記憶媒体のような、適する媒体に格納され、後にプロセスを改善するために、例えば金型の冷却または輻射体からの熱の取去りを制御するために用いられる。
【0098】
図6Bにおいて、支持体604のそれぞれを通る軸穴620が開けられる。真空フィッティング622及び取付ブロック600に横向きに開けられた穴(図示せず)を用いて真空圧が軸穴620に伝えられる。真空圧は、測定値がとられている間、ガラス製品606を支持体604にクランプするために用いられる。真空圧によってガラス製品606が支持体604にクランプされる前に、ガラス製品を支持体604から持ち上げるため、軸穴620を通して若干正の空気圧を押し入れることができる。これにより、ガラス製品606と支持体604の間の全ての摩擦が排除され、位置合せガイド608のタブ609へのガラス製品606の自発的なもたれかかりが可能になるであろう。続いて、ガラス製品606を支持体604にクランプするため、真空圧を与えることができる。ガラス製品606をタブ609に対して浮かせなければ、ガラス製品606をタブ609に合わせて配するために作業者に頼らなければならないであろう。ガラス製品を浮かせて所定の場所に置くために正の空気圧を用いることは、作業者の過ちを排除するに役立つ。
【0099】
図6Cはガラス製品上の点を測定する別の測定システムを示す。この測定システムは、治具632に取り付けられた変位ゲージ630を備える。治具632は,(
図6Aの測定面602と同様の)測定面636を提供する、取付ブロック634を有する。変位ゲージ630は取付ブロック634の窓638の下側に取り付けられ、窓638を通して測定を行う。(
図6Aの支持体604と同様の)支持体640及び(
図6Aの位置合せガイド608と同様の)位置合せガイド642が、測定面636に対してガラス製品644を配置するために測定面636上に配される。位置合せガイド642またはガラス製品644は、測定されるべきガラス製品の部分が窓638のほぼ中心に置かれるように、配することができる。
【0100】
変位ゲージ630は非接触型変位センサを用いて測定を行うことが好ましい。非接触型変位センサは、測定値がとられている間にガラスを変形させ得るガラスとの物理的接触を必要としないであろうから、この測定システムに好ましい。異なるいくつかのタイプの非接触型変位センサを用いることができる。レーザ三角法センサは一例であり、レーザ線が表面に接触するかまたは表面から反射する位置を測定することで動作する。ガラスのような、透明であるかまたは非常に反射率の高い材料はレーザを反射して直接センサに戻すような形状にされる(鏡面反射)。非鏡面材料はレーザが表面に直交する形状にされ、センサが表面からの拡散反射を検出する。レーザ三角法センサの例は、キーエンス(Keyence)社からLKシリーズとして、またマイクロ-イプシロン(Micro-Epsilon)社からoptoNCDEシリーズとして入手できる。
【0101】
非接触型変位センサの別の例は、基準面及び標的面から反射された広い波長の光の干渉を測定することで動作する、スペクトル干渉レーザ変位センサである。戻り信号のスペクトル内容は回折格子を用いて空間的に広げられ、得られた信号はCCD上に結像される。変位データを抽出するため、干渉パターンが解析される。基準面から標的面までの距離に依存して、基準信号と標的信号の強め合いか、または基準信号と標的信号の弱め合いか、あるいは両者の間のどこかで、様々なスペクトルが干渉するであろう。スペクトル干渉レーザ変位センサの例は、キーエンス社からSI-Fシリーズとして入手できる。
【0102】
非接触型変位センサの別の例は共焦点色変位センサである。このセンサでは2つのレンズ(または曲面ミラー)がそれぞれの焦点が一致する共焦点態様で相互に配置される。共焦点色測定原理により、白色光がレンズによって異なるスペクトルに分離され、複レンズ光学系によって物体上に集束される。レンズ(または曲面ミラー)は、制御された色収差により変位に応じて光が単色波長に分解されるように、配置される。共焦点色変位センサの例はマイクロ-イプシロン社からDTシリーズとして入手できる。
【0103】
変位ゲージ630に用いるには非接触型変位ゲージが好ましいが、接触型変位センサを用いることも可能である。接触型変位センサは、測定されている製品を歪ませないであろう、極めて小さい力で測定を行うことが好ましいであろう。線形可変作動トランス(LVDT)位置センサが、用いられ得るであろう接触型変位センサの一例である。
【0104】
一実施形態において、変位ゲージ630には測定を行うためにレーザ三角法センサが用いられる。変位ゲージ630の測定軸は概ね線646に沿う。測定はガラス製品644の中心近くの点にレーザ光を向けるように変位ゲージ630を操作することによって行われる。光はガラス製品に当たり、反射されて変位ゲージ630に戻る。変位ゲージ630内のセンサが反射光を検出する。センサ出力はレーザ読出装置648に送られる。変位ゲージは有線接続または無線接続を介してレーザ読出装置648と通信することができる。レーザ読出装置648はセンサからの変位測定値を表示する。レーザ読出装置648は後の使用のために測定値を格納することもでき、あるいは測定値を別のシステムに送信することもできる。
【0105】
測定システムはガラス形状の理想形状からの偏差を測定するために用いることができる。一例において、システムはガラス製品の平坦区画の理想からの偏差を測定するために用いられる。この例に対し、初めに、平坦度がサブミクロンレベルの平坦ガラス製品が治具632上に置かれ、レーザ変位ゲージが零点規正される。レーザ変位ゲージ530を零点規正する代わりに、単に平坦ガラス製品に対するレーザゲージの応答を記録することができる。次いで、連続するガラス製品のいずれもが治具632上に置かれ、レーザ変位ゲージ630によって測定された変位読み値がそれぞれのガラス製品の平坦度に対応するであろう。
【0106】
図6Dは
図6Cのシステムを用いて収集された繰返し精度データのグラフを示す。このグラフに示されるデータについては、同じ単品ガラス製品を治具632上に手で繰返し載せ、測定値を記録した。ガラス製品の平坦度値は、平坦度が1μmより小さい基準ガラス製品を治具632上に置き、レーザ変位ゲージを零点規正することで得た。試験の継続時間は30分であった。レーザゲージが試験期間の開始時に一度だけ零点規正された場合には、線650で示されるように、時間の経過とともに読み値にかなりのドリフトがおこった。しかし、試験期間中、それぞれの測定の前に、基準ガラス製品が戻されてフィクチャ632上に置かれ、レーザゲージが零点規正されれば、測定の繰返し精度は、線652で示されるように、0.7μm以内であった。
【0107】
別の例において、測定システムはガラス製品の湾曲区画の理想からの偏差を測定するために用いられる。この場合、基準3D形状が治具632上に置かれ、基準3D形状に対するレーザ変位ゲージ630の応答が記録される。連続する3D形状のいずれについてもレーザ変位ゲージ630によって測定された変位読み値を基準3D形状に対する変位読み値と比較することができる。
【0108】
図6Eはガラス製品670上の点の変位を測定する別の測定システムを示す。ガラス製品670はガラス支持治具672上に支持される。ガラス支持治具672の上方にプローブ支持治具674がある。上述したセンサのいずれも用いることができる、変位ゲージ676がプローブ支持治具674に、プローブ支持治具674に沿って、支持される。変位ゲージはガラス製品670に対向する位置関係にある。それぞれの変位ゲージ676がガラス製品670上の点と変位ゲージ676の間の距離、すなわちガラス製品670上の点の変位の測定を担当するであろう。変位ゲージ676からの信号は、例えばプロセッサを用いて、信号を処理してガラス製品670の形状を決定することができる、測定モジュール678で収集することができる。測定モジュール678はガラス製品の形状を制御するためにシステムに測定された形状を出力することができる。測定モジュール678はさらに、測定された形状を基準形状と比較し、ガラス製品の形状を制御するためにシステムに基準形状からの測定された形状の偏差に関する情報を出力することができる。そのようなシステムは以下でさらに詳細に説明される。
【0109】
図1に戻れば、2Dガラス板が金型108上に置かれて金型108がHTモジュール110のいずれかの内に割り送られる前に、金型108を予備加熱することによってサイクルタイムを改善することができる。本発明の一態様において、金型を予備加熱するための加熱システムが提供される。
図7Aの、一実施形態において、金型を予備加熱するための加熱モジュール700は、赤外範囲で動作する輻射加熱器704のアレイを有する。集成加熱器702を有する。集成加熱器702はシールドボックス708の空洞706内に取り付けられる。シールドボックス708は加熱モジュール700からの高強度の光及び熱の、光及び熱が作業者に危険になり得るであろう場所への、放射をほとんど遮断する。シールドボックス708の底板710はスロット712を有する。加熱モジュール700が使用のために、
図7Bに示されるように、取り付けられると、割送りテーブル104の上部がスロット712を通って延び、スロット712に対して並進することができる。
【0110】
耐熱材料でつくられたフェンス714が割送りテーブル104の上面上に設けられる。隣接する対をなすフェンス714のそれぞれの間の空間はステーション106の1つを定める。ステーション106が加熱モジュール700に割り送られると、そのステーション106に隣接するフェンス714がシールドボックス708のスロット712の開口側をふさぐ。次いでチャンバ716が、フェンス714,集成加熱器702及び割送りテーブル104の間に定められる。集成加熱器702で加熱されるべき金型214が上述した金型支持システムによってチャンバ716に挿入される。この位置において、システムの一割送り滞留時間中に金型214の温度を急速に高めることができる、非常に強度の高い熱流束を送るように、集成加熱器702を動作させることができる。一実施形態において、金型のバルク温度は一割送り滞留時間内に少なくとも40℃は高められる。一般に、金型のバルク温度は一割送り滞留時間内に100℃まで高められる。割送り滞留時間は、割送りテーブルが静止していて、ステーションがHTモジュールに割り送られている時間である。金型を予備加熱することの利点は、ガラスが金型上に置かれてHTモジュールに割り送られたときに金型を成形温度まで加熱するに必要な時間が短縮され、これがサイクルタイムを短縮するであろうことである。
【0111】
図7Cは加熱モジュールの上面にある電気コネクタ726を示す。電気コネクタ726は集成加熱器702に結合され、またケーブル728に接続されて、集成加熱器702への送電を可能にすることができる。
図7Cは集成加熱器702の上に取り付けられた冷却ユニット718も示す。冷却ユニット718は集成加熱器702を安全温度に保つために動作させることができる。冷却ユニット718は、冷却流体がそれを通して循環されるチャンバ720を、流体をチャンバ720に供給し、流体をチャンバ720から取り出すための適切なフィッティング722,724(
図7Bも見よ)とともに有することができる。冷却流体は水であることが好ましいが、空気またはその他の、気体または液体の、冷却流体を用いることができる。
【0112】
集成赤外線加熱器702は誘導加熱器で置き換えることができる。誘導加熱器は、電圧が印加されると高周波電磁(EM)場を発生することができる、1つ以上の電極でつくることができる。EM場は金型を抵抗加熱する渦電流を金型内につくるであろう。誘導加熱法は赤外線加熱法より一層速く金型214の温度を高めることを可能にし得る。金型の一様加熱のためには、(1つまたは複数の)電極と成形面の間に実質的に一様な空隙があるように、(1つまたは複数の)電極を形成し、金型214の上方に配置すべきである。
【0113】
3Dガラス製品に成形することができる2Dガラス板は、ある程度、3Dガラス製品の所望の属性に依存する。3Dガラスカバー用途に対しては、高い強度及び耐損傷性が重要である。一般に、そのような用途の要件はイオン可換ガラスによって満たされ得る。イオン可換ガラスは、イオン交換プロセス中に大きなアルカリ金属またはアルカリ土類金属のイオンと交換され得る小さいアルカリ金属またはアルカリ土類金属のイオンの存在を特徴とする。一般に、イオン可換ガラスはアルカリ−アルミノケイ酸ガラスまたはアルカリ−アルミノホウケイ酸ガラスである。イオン可換ガラスの特定の例は、米国特許第7666511号明細書(エリスン(Ellison)等;2008年11月20日)、米国特許第4483700号明細書(フォーカー・ジュニア(Forker. Jr.)等;1984年11月20日)及び米国特許第5674790号明細書(アラウヨ(Araujo);1997年10月7日)、米国特許出願第12/277573号明細書(ディネカ(Deineka)等;2008年11月25日)、米国特許出願第12/392577号明細書(ゴメス(Gomez)等;2009年2月25日)、米国特許出願第12/856840号明細書(ディネカ等;2010年8月10日)、米国特許出願第12/858490号明細書(ベアフット(Barefoot)等;2010年11月18日)及び米国特許出願第13/305271号明細書(ブックバインダー(Bookbinder)等;2020年11月28日)、及び米国仮特許出願第61/503734号明細書(ディネカ等;2011年7月1日)に開示されている。
【0114】
ガラス製品を作製するための全般的手順は、金型をステーションにおいて支持する工程及び金型が予備加熱され得るようにステーションを(
図7A〜7Cの)加熱モジュール700に割り送る工程を含む。同じ時間枠内に、2Dガラス板が(
図1の)装填エリア118において予備加熱される。金型が予備加熱された後、予備加熱された2Dガラス板が金型上に装填されて、金型及び2Dガラス板が第1のシーケンスの(
図1の)HTモジュール110に並進される。これらのHTモジュール110は、2Dガラス板が成形面に一致して3Dガラス製品に成形されるに十分に柔らかい温度、一般にはガラスのアニール点と軟化点の間の温度まで、2Dガラス板が加熱され得るような、加熱モードで動作しているであろう。金型及び3Dガラス製品は次いで、3Dガラス製品のハンドリングが可能な温度、一般にはガラスの歪点より低い温度まで3Dガラス製品が冷却され得るような、冷却モードで動作している第2のシーケンスのHTモジュール110を通して並進される。金型及び3Dガラス製品は冷却モードで動作している第2のシーケンスのHTモジュールからシステムの取出し区画に並進され、そこで3Dガラス製品が金型から取り出される。金型は次いでシステムを通して再び循環される。ガラス製品の連続生産のため、金型は全てのステーションが金型で埋められるまでシステムのステーションに置かれている。それぞれの金型は、3Dガラス製品とともに取出し区画に出てくるまで、上述したサイクルと同じサイクルを受けるであろう。
【0115】
3Dガラス製品及び金型はそれぞれの3Dガラス製品を作製する金型が分かるように追跡される。次いで、それぞれの3D製品の形状が、例えば上述した
図6の測定システムを用いて、測定される。3Dガラス製品の形状の理想形状からの偏差が決定される。偏差が許容限界内になければ、形状を改善するための手段がとられる。偏差が許容限界内にある場合であっても、形状を改善するための、すなわち実行できる限り完全な形状に近づけるための、手段をとることができる。とることができるであろう一手段は、3Dガラス製品を作製している金型の温度の能動制御である。一般に、3Dガラス製品を金型に保持するために用いられる力が解放される時点において金型の温度を制御することが最善の手法である。これはガラスが金型に一致した後に行われる。ガラスが金型に一致していて、金型に密着していない場合に、残る、ガラスが反り、よって形状を損ない得る、機構は保持力が開放されるときのガラス内の熱勾配であると考えられる。ガラス内の熱勾配は金型の温度によって制御することができる。先に金型でつくられた3Dガラス製品の形状の偏差はその後に正しい形状をもつ3Dガラス製品をつくるにはどの程度の金型の冷却が必要であるかについての手掛かりを与えるであろう。金型から取り去るべき熱の量は、既に上述したように、金型の伝熱特性の変動により、金型毎に変わるであろう。したがって、金型のそれぞれの温度をどのように調節するかを決定するためには、システムを通して循環されている金型のそれぞれによってつくられた3Dガラス製品を測定することが重要であろう。
図8は3Dガラス製品の形状がいくつかのサイクルにわたって金型の冷却流量にどのように応答するかを示すグラフである。線800は冷却プレート流量を表す。線802,804,806はガラス上の異なる点を表す。金型温度を変えるために冷却プレート流量を変えると、ガラスの形状は理想の、すなわち偏差がほとんどゼロである、形状に近づく。
【0116】
図9Aは3Dガラス製品の最終形状を制御するためのシステム900を示す。制御システム900において、3Dガラス製品の理想形状902及び測定された3Dガラス製品の形状904が合算点906で受け取られる。合算点に与えられた理想形状及び測定された形状はそれぞれ一組の形状測定基準に関して与えることができる。
図10A及び10Bは、測定し、3Dガラス製品の形状の特徴を表すために用いることができるであろう、形状測定基準の例を示す。
図10Aにおいて、形状測定基準R1は3Dガラス製品1002の曲げ区画1000に形成された曲げの曲率半径を表す。
図10Bにおいて、形状測定基準R2及びR3は3Dガラス製品1002の平坦区画1004における曲率半径を表す。R2とR3の組合せは別の測定基準とすることができる。
図10A及び10Bに示される形状測定基準はプロセスパラメータを用いて操作することができる。そのようなプロセスパラメータの1つは金型温度である。測定されて合算点に与えられる形状特性は上述した形状測定基準の内の1つ以上に、または別の組合せの形状測定基準に、基づくことができる。形状測定値は上述した測定システムのいずれからも、または上述していない別の測定システムから、得ることができる。
【0117】
理想形状902と測定された形状904の間の差907が、ガラス形状を冷却流量に相関させるモデル910を有している、モデルベースコントロール908に送られる。モデル910の出力912は目標冷却流量である。目標冷却流量912及び実冷却流量914が合算点916において受け取られる。目標冷却流量912と実冷却流量914の間の差917が流量コントローラ918に送られ、流量コントローラ918の出力がシステム930に与えられる。流量コントローラ918は比例−積分ベース制御方式の在庫製品とすることができよう。システム930は冷却プレート及び金型(
図5Aの400,214)の付帯セットを含むことができる。冷却プレートは既に上述した機構を用いて金型の温度を調節する。また、金型温度も測定されて、矢印932で示されるように、モデル910を更新するために用いられる。金型温度はプロセスの出口に設置された高温計を用いて測定することができる。測定された金型温度には金型の輻射率のいかなる変化もかかわるであろう。フィードバック904は、システム930の金型によって成形された3Dガラス製品の形状が測定されて合算点906に戻されることを示す。
【0118】
図9Bは3Dガラス製品の最終形状を制御するためのシステム950を示す。
図Bの制御システム950は、モデルベースコントロール908が2つのモデル954,956を有していることを除いて、
図9Aの制御システム900と同様である。
図9Aでは、モデルベースコントロール908はモデル910しか有していなかった。
図9Bでは、モデル954がガラス形状を金型温度に相関させ、モデル956が金型温度を冷却流量に相関させる。この場合、理想形状902と測定された形状904の間の差907はモデル954に送られる。次いで、モデル954の出力がモデル956に送られる。モデル956の出力960は目標冷却流量であり、実冷却流量914とともに合算点916において受け取られる。プロセスの残り部分は、矢印962によって示されるように、モデル954だけが金型温度に関する情報によって更新されることを除いて、上述したように続けられる。制御システム950は、形状と冷却流量の間の直接の関係を決定することが困難な場合に用いることができる。
【0119】
モデルは実験データを用いてつくり出すことができる。例えば、
図11Aは冷却流量の最大値から最小値への変化に対する金型温度の変化を示す。
図11Bは冷却流量の最小値から最大値への変化に対する金型温度の変化を示す。
図11A及び11Bにおいて、星印1100は金型温度を表し、丸印は冷却流量を表す。
図11A及び11Bに示されるデータについての冷却流体は空気である。
図11A及び11Bに示されるデータから、金型温度対冷却流量モデルを決定することができる。このモデルの逆転により冷却流量対金型温度モデルが得られるであろう。一方法として、モデルは無駄時間を含む一次遅れ(FOPDT)モデルとして式に表すことができるであろう。しかし、主としてプロセスの高い非線形性のため、狭い動作範囲にかけてのモデルパラメータの決定には慎重でなければならない。以下の誘導はそのようなモデルをどのようにしてつくり出すことができるかの一例である。
【0120】
いかなるFOPDTモデルも、式(1):
【0122】
として表すことができる。ここで、Y(s)は出力(金型温度)のラプラス変換、U(s)は入力(冷却流量)のラプラス変換、Kは(入力の変化に対する出力の変化の比として定義される)プロセスゲイン、T
dは(プロセスが入力の変化に応答するためにかかる時間として定義される)デッドタイム、Tは(プロセスが現在の状態から次の定常状態の63%に進むにかかる時間として定義される)プロセス時定数である。
【0123】
図11A及び11Bに示されるデータに基づけば、プロセスゲインに対して−0.75(負号は、冷却流量を高め、金型温度を下げる)、デッドタイムに対して1サイクル未満。すなわちほぼ7分、及びプロセス時定数に対して1サイクル時間、すなわちほぼ7分のモデルパラメータが得られる。よって金型温度(Tm)対冷却流量(Qc)モデルは、式(2):
【0126】
他のモデルも上述した手法と同様の手法を用いて決定することができる。しかし、先述したように、モデルパラメータは狭い動作範囲に対して決定されなければならない。複数の動作範囲に対して複数のモデルパラメータを決定することができ、次いで、現在の動作範囲に応じてモデルパラメータを実時間で切り換えることができる。制御システム900,950はコンピュータ上またはプログラマブルロジックコントローラ上に実装することができる。さらに、コントローラ900,950の一部をコンピュータ上に実装することができる。例えば、モデル910,954をコンピュータ上に実装することができる。
【0127】
2Dガラス板を3Dガラス製品に成形する場合、ガラスを金型に一致させるため、ガラスに力が印加される。好ましい実施形態において、成形力は金型とガラスの間に真空を与えることによってつくられる。真空は軟化したガラスが成形面に完全に追随する力をかけるに十分でなければならない。一般に、これは20kPa(すなわち3.5psi)をこえる真空レベルを意味する。成形が完了した後、成形応力が緩和し、ガラス温度が平衡する間、ガラスを金型に追随させたまま保持するために真空が維持される。高強度ガラスに対し、ガラス内の高レベルのナトリウムが成形温度において成形面と反応し、成形面の腐蝕及び劣化を生じさせ得る。この反応は高温のガラスと成形面の間の高接触圧により強められ、成形面の劣化を加速させ得る。強い力はガラスの成形初期にだけ必要であるから、初期成形が完了してしまえば、ガラスを成形面に密着保持するにちょうど十分なレベルまで真空を弱めることができる。
【0128】
上述から、ガラスを3D形状に成形する工程は、ガラスを成形面に一致させるために成形真空力を印加する工程及び、次いで、ガラスを金型に密着保持するための保持真空力まで形成真空力を弱める工程を含む。成形にかかる時間は一般に20秒より短いが、最良の反り性能のため、ガラスをさらに40秒以上真空下に保持することができる。高温のガラスと金型の間の弱められた力はガラス内のナトリウムと成形面の間の反応を弱めるであろう。例えば、2段階真空プロセスにおいて、25秒後に真空を27kPaから9kPaに弱め、さらに35秒間9kPaに保持することができる。成形後に真空を弱めることで、金型の更新が必要になるまでに、成形サイクル数がかなり増えることが示された。真空を弱める余分の工程は、保持力と金型寿命の間の最善のバランスを生じさせるため、必要に応じて追加することができる。この、ガラスを成形面に一致させた後にガラスに印加される力を段階的に下げるという原理は、プランジャー法のような、他のガラスに力を印加する方法によっても用いることができる。
【0129】
ガラスの反りを最小限に抑える、3Dガラス製品の成形プロセスは、
図12を参照して説明することができる。この図においては、平坦になるであろうガラスの領域の温度が線1200で示され、湾曲するであろうガラスの領域の温度が線1202で示され、ガラスの平坦領域に対応する金型の領域の温度が線1204で示される。ガラスの湾曲領域に対応する金型の領域の温度は線1204と同様である。
【0130】
時点T1とT2の間、ガラスは、加熱モードで動作している1つ以上のHTモジュールによって与えられ得る、輻射環境内で成形温度まで加熱される。成形温度はガラスのアニール点と軟化点の間であることが好ましい。ガラスはこの時間中金型上にあるから、金型はガラスとともに加熱される。
【0131】
時点T2においてガラスは成形温度にある。時点T2とT3の間、ガラスは輻射環境内にあって、ガラスを金型に一致させるために力が用いられる。力はガラスと金型の間に真空を与えることによってつくられる。この段階における輻射源は一般に、成形動作中にガラスを可能な限り軟らかくしておくため、金型温度よりかなり高温である。金型温度は一般にガラスの粘弾性遷移領域より約50℃から70℃高い温度に維持される。輻射環境にある間、ガラスは、輻射温度と金型温度の間の、弾性遷移領域より十分に高い、中間温度にとどまるであろう。これにより、成形によってガラスに生じる曲げ応力が、ガラスが金型に一致したままでいる間に、緩和することが可能になるであろう。肝要なことは、成型による機械的応力の大部分が、ガラスをアニール点より十分高い温度に維持することによって緩和することである。この時点においては、ガラスが軟らかく、熱勾配による応力は急速に緩和するであろうから、熱勾配は重要ではない。
【0132】
時点T3とT4の間、ガラスは力によって金型に密着保持される。保持力はガラスと金型の間に真空を与えることによってつくられる。一般に、成形力の印加と保持力の印加の間には連続性があるべきであるが、保持力は成形力に比べて弱められ得る。ガラスと金型の間の真空を保ち続けながら、ガラス温度は次いで金型温度と一致させられて、ガラス及び金型を金型温度に整合する輻射環境内に割り送ることにより、可能な限り一様にされる。理想的には、金型温度は、ガラスの残留曲げ応力のさらなる緩和を可能にする、アニール点より、例えば30℃〜50℃高い、温度にとどまるであろう。時点T4において、金型温度、ガラス温度及び輻射環境温度は実質的に等しく、全体にわたって一様である。ガラに内の熱勾配は可能な限りゼロに近くするべきである。
【0133】
時点T4の直後に、ガラスが名目上はまだ粘弾性にあっても、ガラスと金型の間から真空が解放される。残る、ガラスにかかる力は、重力、すなわちガラス自体の重さだけである。これはガラスを成形するために印加された力の0.1%より小さい。印加力が小さく、ガラス粘度が極めて高ければ、いかなる余分の垂下及び物理的緩和も極めて緩やかであり、数分のオーダーであろう。
【0134】
真空解放後、ガラスは純弾性域まで冷却される。この冷却は、冷却中に発生する熱勾配によるいかなる反りも垂下によって緩和する時間がないであろうように、極めて急速に行われるべきである。ガラスが一様な室温になれば、ガラスは金型で決定された形状に戻るであろう。この急速冷却中に発生する熱勾配は、定められた時間内に有意な弾性緩和をおこすに十分に高い応力を発生させない限り、それほど重要ではない。
【0135】
限られた数の実施形態を用いて本発明を説明したが、本開示の恩恵を有する当業者には本明細書に開示される本発明の範囲を逸脱しない他の実施形態が案出され得ることが当然であろう。したがって、本発明の範囲は添付される特許請求の範囲によってのみ限定されるべきである。