(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記裁断機構は、前方端を有するカッタリンクを含み、前記刃部材は、刃リンク開口を含み、前記刃リンク開口は、前記刃リンク開口を通して前記カッタリンクの前記前方端を固定し、それによって、裁断の間の前記カッタリンクの往復運動中、前記カッタリンク上に前記刃部材を支持するように配置されている、請求項10に記載のツール。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図1は、本発明による、結束バンド緊張および裁断ツールの斜視図である。
【
図3】
図3は、
図1および2に図示されるツールの上面図である。
【
図4A】
図4Aは、
図2のものに類似する図であるが、筐体の一部が、除去され、結束バンドおよび束が、想像線で示される。
【
図4B】
図4Bは、
図4Aのものに類似する図であって、緊張および裁断プロセスの開始を示し、ツール部品が、矢印の方向に移動する。
【
図4C】
図4Cは、
図4Bのものに類似する図であって、緊張および裁断プロセスの続きを示し、ツール部品が、矢印の方向に移動する。
【
図4D】
図4Dは、
図4Bおよび4Cのものに類似する図であって、緊張および裁断プロセスの完了を示し、ツール部品が、矢印の方向に移動し、結束バンド尾部が切断される。
【
図5】
図5は、張力調節を提供する、
図1−4Dに示されるツール上の制御ノブの斜視図である。
【
図7A】
図7A−7Cは、
図5に図示され、その線7Aに沿って切り取られた制御ノブの断面であって、制御ノブの形態および機能および制御ノブの動作のさらなる詳細を示す。
【
図7B】
図7A−7Cは、
図5に図示され、その線7Aに沿って切り取られた制御ノブの断面であって、制御ノブの形態および機能および制御ノブの動作のさらなる詳細を示す。
【
図7C】
図7A−7Cは、
図5に図示され、その線7Aに沿って切り取られた制御ノブの断面であって、制御ノブの形態および機能および制御ノブの動作のさらなる詳細を示す。
【
図8】
図8Aおよび8Bは、それぞれ、
図1−4Dに示されるツール上の係止機構の断片から成る部分的に分解された断片図である。
【
図9】
図9は、筐体の一部が除去されたツールの左側面図であって、随意の低張力特徴を示す。
【
図9A】
図9A−9Dは、
図9に図示される低張力特徴の拡大された断片図であって、関連付けられた部品の移動を示す。
【
図9B】
図9A−9Dは、
図9に図示される低張力特徴の拡大された断片図であって、関連付けられた部品の移動を示す。
【
図9C】
図9A−9Dは、
図9に図示される低張力特徴の拡大された断片図であって、関連付けられた部品の移動を示す。
【
図9D】
図9A−9Dは、
図9に図示される低張力特徴の拡大された断片図であって、関連付けられた部品の移動を示す。
【
図10】
図10は、筐体の一部が除去されたツールの左側面図である。
【
図10A】
図10Aおよび10Bは、それぞれ、
図1−4Dに示されるツール上の結合部の断片的斜視図および分解図である。
【
図10B】
図10Aおよび10Bは、それぞれ、
図1−4Dに示されるツール上の結合部の断片的斜視図および分解図である。
【
図11A】
図11A−11Dは、本願によるツールの左側断片図であるが、筐体の一部が除去され、矢印とともに示されるツール部品の移動を伴う、使用時の緊張−係止−裁断結合システムを示す。
【
図11B】
図11A−11Dは、本願によるツールの左側断片図であるが、筐体の一部が除去され、矢印とともに示されるツール部品の移動を伴う、使用時の緊張−係止−裁断結合システムを示す。
【
図11C】
図11A−11Dは、本願によるツールの左側断片図であるが、筐体の一部が除去され、矢印とともに示されるツール部品の移動を伴う、使用時の緊張−係止−裁断結合システムを示す。
【
図11D】
図11A−11Dは、本願によるツールの左側断片図であるが、筐体の一部が除去され、矢印とともに示されるツール部品の移動を伴う、使用時の緊張−係止−裁断結合システムを示す。
【
図12】
図12は、
図11A−11Dのものに類似する図であるが、筒体部分および緊張−係止−裁断結合システムの裁断ステップを示す。
【
図13A】
図13Aは、本ツールとの使用のための可撤性ハンドルブーツの左側の部分的想像分解図である。
【
図13C】
図13Cは、
図13Bの横断面図であって、その線13C−13Cに沿って切り取られ、ハンドルの空気袋を図示する。
【
図14A】
図14Aは、本ツールとの使用のための可撤性トリガブーツの左側の部分的想像分解図である。
【
図15B】
図15Bは、本ツールの先端部材の断片図であって、想像線のように添着された刃部材を示す。
【
図16A】
図16Aおよび16Bは、本デバイスとの使用のための較正ツールの斜視図である。
【
図16B】
図16Aおよび16Bは、本デバイスとの使用のための較正ツールの斜視図である。
【
図17A】
図17Aおよび17Bは、張力調節システムおよび張力較正ツールの使用の断片的横断面図である。
【
図17B】
図17Aおよび17Bは、張力調節システムおよび張力較正ツールの使用の断片的横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本明細書の開示は、当業者が本発明を実践することを可能にするために詳述され、正確であるが、本明細書に開示される物理的実施形態は、単に、他の具体的構造においても具現化され得る、本発明を例示するものである。好ましい実施形態が説明されるが、その詳細は、本発明から逸脱することなく、変更され得る。
【0015】
次に、図面、特に、
図1および2を参照すると、本発明の原理を組み込む、結束バンド緊張および裁断ツール10の実施形態が、ピストルまたは拳銃の形状の筐体12を有し、ハンドルまたは把持部分14、筒体部分16、およびトリガ18を有するように示される。トリガ18は、把持部14の前方かつ筒体部分16の下方に位置し、ユーザ(図示せず)の手に自然に適合する。ツール10は、典型的には、結束バンド20(
図4A−4Dの想像線に見られる)をワイヤケーブル等の細長い束22の周囲に取り付けるために使用される。前述のように、結束バンドは、種々の環境および用途において広く使用されており、例えば、図に示されるように、複数の細長いワイヤ、ケーブル、または他の細長い物品22を束にするために使用され得る。しかしながら、本発明のツール10は、非限定的実施例として、細長い物品を剛体構造に固定するため等、他の用途において、結束バンド20を固定するために使用される、またはホースクランプ(図示せず)として使用され得ることを理解されたい。図示されるように、バンド20は、頭部部分24およびバンド尾部部分26を含む。ツール10は、バンド20の尾部部分26を把持し、所定の張力が達成されるまで、頭部24を通して、それを引っ張る。ツール10は、次いで、緊張を係止し、自動的に、頭部24に隣接して、過剰尾部部分26を裁断する。
【0016】
図4A−4Dに見られるように、一方の筐体12側壁は、反対筐体12側壁ならびに本ツール10の内部部品および機構を示すために、切断されている。ツール10は、概して、ツール10の筒体部分16内に位置する、示される爪リンク28等の往復運動緊張機構を含む。緊張機構28はさらに、バンド20の尾部部分26を把持するための示されるバンド−把持爪30等の把持機構と、裁断機構の作動に先立って、緊張機構28を所定の張力にロックするための示されるラック32およびピニオン34等の係止機構とを含む。動作において、緊張機構は、把持された尾部部分26を所定の張力まで後方に引っ張る。所定の張力への到達に応じて、係止機構は、緊張を係止する。同様に筒体部分16の前方端に位置する、図示されるカッタリンク118等の裁断機構が、次いで、作動し、刃部材160に、頭部部分24の近くに隣接させて、バンド尾部26を裁断させる。所定の張力は、詳細に論じられるであろうように、ツール10の後方に位置する張力調節機構によって、設定または調節される。
【0017】
本デバイスは、全ツールにわたって、設定毎に均一張力が達成されるように、一貫した緊張および裁断性能を提供する。デバイスが目的とする目標は、設定毎に緊張力にばらつきがないようにすることである。本デバイスは、公差最大+/−25Nを有する。公差範囲は、本デバイスによって大幅に低減される。
【0018】
(張力調節システム)
本ツール10は、新規張力調節機構を含む。図示されるであろうように、本ツール10の張力制御および調節機構は、裁断カム36の後方に制御された張力を提供するように機能する(
図4A−4C参照)。これは、順に、裁断カム36が旋回し、係止機構および裁断機構を作動させ、それによって、バンド尾部26を裁断する点を決定する。
【0019】
本デバイスの張力調節システムは、使用が単純であって、論じられるであろうように、アクメネジカム作用およびノブの使用を通して、公知のデバイスにおけるような2つのノブの使用を排除する。特に、
図5−7Cの図を参照すると、張力制御機構は、水平に位置付けられ、筒体部分16の後端において、筐体12内を摺動可能に移動可能なU型ブラケット38を含むことを理解できるであろう。U型ブラケット38の前方端40は、U型ブラケット38の前方端40および裁断カム36内に形成される細長いスロット44を通して延在する張力ピン42によって、裁断カム36の後端に旋回可能に連結される(特に、
図10B参照)。U型ブラケット38の後方端は、内側および外側張力バネ46、48によって、筐体12の後方に向かって付勢される。張力バネ46、48は、張力シャフト50と張力ナット52との間に閉じ込められる。回転カム54は、調節ノブ56内の対応する相互係止キー溝60に係合するモザイク式部分58によって、張力調節ノブ56に連結される。回転カム54はさらに、固定カム64およびその筐体66にネジ式係合するように適合される、ネジ状部分62を含む。調節ノブ56が回されるにつれて、回転カム54は、調節ノブ56が回される方向に応じて、張力シャフト50を筐体12の後方により近接するように牽引するか、または張力シャフト50を筐体12の後方からより離れるように駆動させるかのいずれかを行う。故に、U型ブラケット38によって、裁断カム36に与えられる張力は、調節ノブ56が、張力バネ46、48を圧縮するように回されるにつれて、増加され、調節ノブ56が、張力バネ46、48の圧縮を解除するように回されるにつれて、減少される。
【0020】
図7Aに見られるように、回転カム54のモザイク式部分58は、キー溝60と嵌合し、その上で摺動する。この特徴は、ネジ状部分62が、回転し、キー溝に沿って縦方向に移動する一方、調節ノブ56が静止したままであることを可能にする。この特徴は、全体的ツール10の長および全体的人間工学が、その調節範囲全体を通して、一定のままであることを可能にする。
【0021】
好ましくは、調節ノブ56は、選択された張力設定を指定するための印68を含む。印68は、ボール72または他の好適なデバイスが乗っている調節ノブ56上の戻り止め70によって提供される漸増張力範囲に対応し得る。本張力調節システムはさらに、較正、保持、および係止能力を含む。係止ラッチ74は、固定カム64の筐体66上に摺動可能に位置する。特に、
図6−8Bの図に見られるように、係止ラッチ74は、スイッチ76と、これらの図では、ネジとして見られる、係止ピン78とを含む。張力を調節するために、ツール10の上部の保持スイッチ76が、係止解除位置に移動され、調節ノブ56が、所望の張力設定に回転され、保持スイッチ76が、係止位置に解放される。精密な張力設定は、複数の個別の戻り止め停止部70にわたって、調節ノブ56を回転させることによって達成される。張力調節システムは、好ましくは、1/2および1/4増分を含む、Mil Spec1〜8設定を含む。さらに、張力調節システムは、製造時点または現場で較正され得る。デバイス10が、現場で較正されるべきとき、較正張力ツール80が、
図16A−17Bを参照して後に論じられるであろうように、使用され得る。
【0022】
(緊張−係止−裁断システム)
本発明の種々の特徴を採用する緊張−係止−裁断システムおよびその動作は、
図9−12に見られ得る。本発明の緊張−係止−裁断システムは、ユーザによって感知されるツール10の跳ね返りを低減させ、緊張および裁断段階の間、結束バンド20上の動的張力を排除し、裁断段階の間、裁断力を標準化させる。これらの目的のために、緊張−係止−裁断システムは、緊張−係止−裁断結合部82(
図10Aおよび10B参照)を含む。
【0023】
(結合部)
図示されるように、結合部82は、筐体12に対する水平線形往復運動のために搭載される、爪リンク28を含む。爪リンク28は、筐体12の内部壁内に形成されるチャネル(図示せず)によって、筐体12内の線形移動のために支持される。バンド把持爪30は、爪リンク28の最前方端84(
図10参照)に支持され、爪リンク28に旋回可能に取り付けられる。把持爪30は、以下により詳細に論じられるであろうように、上方へ旋回可能である。
【0024】
さらに
図10Aおよび10Bを参照すると、爪リンク28は、トリガ18、短リンク86、およびハンドルリンク88において位置する作動構造によって、筐体12内において往復運動される。トリガ18は、上方へ筐体12の筒体部分16の中へ延在する、細長い剛体のトリガハンドルリンク90を含む。図示されるように、トリガハンドルリンク90は、その上側端に、2つの実質的に平行に離間したアーム92を含む。アーム92は、各々、開口94を含む。開口94内に近接して受け取られるための寸法を有する一対のトリガ軸受96は、実質的に水平な旋回軸98の周りの移動のために、筐体12内にトリガハンドルリンク90を旋回可能に搭載する役割を果たす。したがって、搭載されると、トリガ18は、
図11Aに示される前方または初期位置から、
図11Dに示されるようなハンドル14に隣接する後方または最終位置に移動可能である。
【0025】
一対のトリガ内側リンク100は、アーム92間で、トリガハンドルリンク90と並んで上方へ筐体12の筒体部分16の中へ延在する。トリガ内側リンク100の下側端102は、実質的に水平な旋回軸104の周りの旋回移動のために、トリガハンドルリンク90に旋回可能に接合される。トリガ内側リンク100の上側端106はさらに、開口108を含む。上側端106は、トリガハンドルリンク90の上側端内の開口94と内側トリガリンク100内の開口108とに同心円状に整列される水平に配置されるドッグボーン形カムシャフト110を支持する。中間リンク112は、各々、弓状形態である、剛体の、細長い、実質的に平行な部材を備える。中間リンク112は、各々、カッタリンク118の後方点116において、その下側端114において旋回可能に接合される。中間リンク112はさらに、その上側端120において、ドッグボーン形カムシャフト110によって、トリガ内側リンク100の上側端106に旋回可能に接合される。
【0026】
複数の直立歯31を有するラック部材32は、爪リンク28の最後方端122に添着される。ラック部材32は、ピニオン部材34を係合可能に支持するように適合される。ピニオン部材34は、ラック部材32の対応する歯部材31に係合するように適合される複数の歯部材33を含む。ピニオン部材34はさらに、直立アーム部材124および旋回部材126を含む。旋回部材126は、ピニオンねじりバネ128を支持するように適合される(
図10Bおよび11A参照)。ピニオンねじりバネ128は、直立アーム部材124が裁断カム36と接触するように、ピニオン34を裁断カム36に向かって、旋回可能に付勢する。
【0027】
裁断カム36は、実質的に水平な旋回軸130の周りの旋回移動のために、旋回可能に搭載され、その上側表面に、架台132を含む。ドッグボーン形カムシャフト110は、通常、架台132内に置かれている。裁断カム36は、好ましくは、さらに、裁断カム36の後方部分にチャネル136を形成する一対の離間したブロック134とともに形成される。チャネル136は、ピニオン34の直立アーム部材124を受け取るように適合される。架台132の幅は、好ましくは、総寿命および一貫した再現性を向上させるために十分な幅であることに留意されたい。
【0028】
さらに示されるように、結合部82はまた、爪リンク28の後端122に向かって、上方かつ前方へ延在する上側端を有する、ハンドルリンク88を含む。一対の実質的に平行に離間する短リンク86は、その前方端138において、旋回軸140においてトリガ内側リンク100に旋回可能に接合される。短リンク86はさらに、実質的に水平な軸142の周りの旋回移動のために、その後方端130において、ハンドルリンク88に接合される。
【0029】
前述のように、結合部82は、U型ブラケット38を通して、張力調節システムに連結される。U型ブラケット38の前方端40は、U型ブラケット38の前方端および裁断カム36内に形成される細長いスロット44を通して延在するピン42によって、裁断カム36の後端に旋回可能に連結される。
【0030】
(緊張動作)
図11Aは、その初期の非作動状態における結合部を示す。この位置では、トリガハンドルリンク90およびトリガ内側リンク100は、ハンドル部材14から離れ、完全に前方にある。裁断カム36は、張力調節システムによって発生および制御される所定の張力において、旋回軸130の周りにその完全時計回り位置において旋回される。これは、ドッグボーン形カムシャフト110を架台132に置き、ドッグボーン形カムシャフト110、内側トリガリンク100の上側端106、および中間リンク112の上側端120を旋回軸144と整列させる。
【0031】
図11Bに見られるように、結束バンド緊張は、トリガ18が、ハンドルまたは把持部部分14に向かって、矢印の方向Aに圧搾されると、開始する。トリガ18が移動し始めるにつれて、短リンク86は、旋回軸146の周囲において、ハンドルねじりバネ148に抗して、時計回り方向にハンドルリンク88を旋回させる。同時に、ハンドルリンク88は、爪リンク28を先端部材150から離れるように牽引する(
図4bおよび4C参照)。爪リンク28が、矢印の方向Bに戻り始めるにつれて、爪30は、先端誘導ブロック152から係脱し、そのバネ付勢に応答して、上方へ駆動し始め、それによって、バンド尾部26をそれ自体と先端部材受け板154との間に捕捉する。これは、バンド尾部26を把持し、爪30および爪リンク28とともに、バンド尾部26を引き戻す。これは、バンド尾部26を頭部部分24を通して引っ張り、バンド20を束22の周囲に緊締するさらなる効果を有する。
【0032】
バンド20が、最初に取り付けられ、バンド尾部26が、初めに引き戻されると、引っ張られることに対してほとんど抵抗を生じない。バンド20が、束22に対して引かれるにつれて、バンド尾部26は、引っ張られることに対して抵抗し始める。抵抗が、爪リンク28によって感じられ、ハンドルリンク88、短リンク86、および内側トリガリンク100を通して、ドッグボーン形カムシャフト110に伝達される。バンド尾部26が、爪リンク28によって引っ張られることに抵抗しない限り、ハンドルリンク88は、短リンク86によって押し戻されるので、抵抗は、ハンドルリンク88によってほとんど感じられない。バンド尾部26が、引っ張られることに抵抗し始めるにつれて、爪リンク28によって感じられる抵抗は、ハンドルリンク88、短リンク86、内側トリガリンク100を通して、ドッグボーン形カムシャフト110に伝達される。短リンク86によって内側トリガリンク100に伝達される抵抗力は、旋回軸140を中心として、内側トリガリンク100を時計回り方向に旋回させる傾向となる。内側トリガリンク100におけるそのような旋回移動は、裁断カム36によって定位置に保持されるドッグボーン形カムシャフト110によって妨害される。
【0033】
内側トリガリンク100を通してドッグボーン形カムシャフト110に伝達される抵抗力は、カム旋回軸130の周囲において、裁断カム36を回転させる傾向となる。裁断カム36は、張力制御機構によってそれに与えられる抑制力により、そのような回転に抵抗する。抵抗力が、張力制御機構によって裁断カム36に与えられる力を克服するために十分となるまで、バンド尾部26が、よりぴったりと引張されるにつれて、力が増加する。これが生じると、裁断カム36は、
図11Dの矢印Cによって示される反時計回り方向に回転する。
【0034】
代替として、低張力配置が、
図9−9Dの図に見られ得る。ツール10が、低張力動作において使用されている場合、張力が不十分であり、裁断カム36を係脱させる可能性がある。この状況では、示されるように、ツール10は、バネ付勢ボール軸受202を有する、空洞200を具備し得る。係合されると、ボール軸受202は、裁断カム36に対して、付勢圧力を提供し、それによって、低張力用途における適切なツール10機能のために必要な追加の張力を提供する。図示されるように、摺動可能低張力ラッチ204は、第1の位置から第2の位置に移動し、それによって、バネ206上の圧縮の程度を変更し、それによって、裁断カム36に対するボール202の付勢程度を調節し得る。
【0035】
(係止動作)
係止動作は、
図11Dの例証に最も良く見られ得る。図示されるように、デバイスの動作は、爪リンク28、ハンドルリンク88、短リンク86、および内側トリガリンク100を通してドッグボーン形カムシャフト110に伝達された抵抗力が、張力制御機構によって裁断カム36に与えられる力を克服するために十分になる点まで進展している。図示されるように、裁断カム36は、カム旋回軸130の周りの矢印Cによって示される反時計回り方向に回転し、それによって、ドッグボーン形カムシャフト110が、裁断カム36内の架台132から、矢印Dの方向に、前方に移動することを可能にする。これが生じると、ピニオン34は、ピニオンねじりバネ128の付勢作用を通して、矢印Eによって示される反時計回り方向に回転する。ピニオン34は、複数のピニオン歯部材33が、ラック32内の対応する歯部材31に係合するまで、矢印Eの方向に回転し続ける。ピニオン歯部材33およびラック歯部材31の係合は、構成要素部品のさらなる後方への緊張を効果的に係止する。裁断動作直前の後方への緊張の係止によって提供される利点は、ツール10に、裁断が行われる度に、バンド尾部26を正確に緊張させることを理解されるであろう。さらに、バンド尾部26が、裁断中、静止しているので、刃160の寿命は増加される。これは、バンド尾部26が、裁断動作の間、一定に緊張される場合に生じる、刃160の鋭利縁を横切るバンド尾部26の偶発的牽引を排除する。
【0036】
(裁断動作)
バンド尾部26の裁断および協働部品の移動は、
図4Dおよび12に見られ得る。図示されるように、ピニオン34およびラック32が、相互に係合し、後方への緊張が停止すると、中間リンク112は、矢印Fの方向に移動する(
図12参照)。そのため、カッタリンク118の後端116を矢印Gの方向に下方に押動する(
図11D参照)。この移動は、カッタリンク軸162の周囲において、カッタリンク118を旋回させ、それによって、カッタリンク118に、刃部材160を矢印Hの方向に上昇させ、それによって、バンド尾部26を裁断する。バンド尾部26が裁断されると、もはや爪リンク28に抵抗力を与えず、ツール10は、
図4Aに見られる元の状態に戻る。
【0037】
(人間工学)
本デバイス10はさらに、デバイスの人間工学を改善するように設計される、ある特徴を具備する。特に、
図13A−14Cに見られ得るように、デバイス10は、ユーザ界面のある面積にわたって、保護カバーまたはブーツ170を含み得る。
【0038】
特に、
図13A−13Cを参照すると、ハンドル部分14は、ハンドルブーツ170を含み得ることを理解できるであろう。ハンドルブーツ170は、好ましくは、ゴム等の軟質エラストマー材料またはユーザの手(図示せず)に適合するであろう他の好適な弾力的材料から加工される。ブーツ170は、示されるようなキー係止システムによって、ハンドル部材14に接合され得、キー部材172は、ブーツ170の一部として成形され、キー部材172は、ハンドル部材14の係止開口168内に係合されるように適合される。特に、
図13Cを参照して見られ得るように、取り付けられた位置にある間、ハンドルブーツ170およびハンドル部材14は、空気袋174を生成するように相互作用する。空気袋174は、ハンドルブーツ170の軟質特性と併せて、ツール10の使用の間、トランポリン効果をもたらす。例えば、ユーザの手が、ハンドルブーツ表面171を押すにつれて、空気袋174およびブーツ170が、ユーザの手に適合し、それによって、ユーザの疲労および不快感を低減させる。
【0039】
図14A−14Cに見られ得るように、デバイス10は、トリガブーツ170Aをさらに含むように見られる。ハンドルブーツ170と同様に、トリガブーツ170Aは、好ましくは、ゴム等の軟質エラストマー材料またはユーザの手に適合するであろう他の好適な弾性材料から形成される。ハンドルブーツ170におけるように、トリガブーツ170Aは、キー係止システムによって、トリガ部材18に接合され得る。トリガブーツ170Aの場合、キー部材172は、トリガブーツ170A内に形成される係止開口168内に係合されるように適合される、トリガ部材18の一部として形成され得る。
【0040】
ツール10の全体的設計および前述の人間工学的改良点は、測定可能な与えられる把持力を改善し、それによって、ユーザへの筋骨格系障害を低減させ、作業環境の安全性を改善することが分かっている。例えば、Borgの10段階自覚的運動強度に基づいて評価すると、ユーザは、一貫して、他の先行技術ツールと比較して、「中程度」未満の力を要するとツール10を評価した。(Borg−10スケールの議論については、Borg,G.A.,Psychophysical Bases of Perceived Exertion,Med Sci Sports Exerc. 1982;14(5):377−81を参照)。さらに、負担指標(Moore JS,Garg A.,The Strain Index:A Proposed Method to Analyze Jobs for Risk of Distal Upper Extremity Disorders,Am Ind Hyg AssocJ. 1995 May;56(5):443−458参照)を使用して評価すると、本ツール10は、他の先行技術ツールと比較して、より「低リスク」シナリオをもたらした。負担指標は、ユーザ筋骨格系障害のリスクを決定するために、いくつかの暴露変数を考慮する、半定量的評価方法である。変数として、とりわけ、力の強度、1分あたりの力、力の付与のパーセント持続時間が挙げられる。
【0041】
(刃界面)
次に、
図15Aおよび15Bを参照すると、デバイス10の筒体16の最前方端が、先端部材150を支持することを理解できるであろう。先端部材150は、好ましくは、バンド20が緊張されると、結束バンド20の頭部24(これらの図には見られない)に突き当たるように適合される、鈍頭の実質的に垂直な平面151を含む。先端部材150はさらに、面151と協働して、結束バンド20のバンド尾部部分26を受け取るためのスロット156を画定する、上側水平部分153を含む。さらに見られ得るように、スロット156は、尾部26が、側面からデバイス10内に挿入され得るように、デバイス10の左側に向かって開放し得る。先端部材150の背後に位置付けられる先端誘導ブロック152は、バンド尾部26の下側を支持するための下側表面を画定する。
【0042】
図15Aおよび15Bにさらに見られるように、鋭利刃部材160は、先端部材150および先端誘導ブロック152のすぐ背後に位置する。刃部材160は、先端部材150と筐体12との間に画定される一対の垂直チャネル157間に閉じ込められ、刃部材160が、先端部材150の背後で垂直に往復運動することを可能にする。さらに見られるように、刃部材160は、それを通してカッタリンク118の前方端119を固定し、それによって、裁断の間のカッタリンク118の往復運動の中にカッタリンク118上に刃部材160を支持するために配置される、刃リンク開口161を含む。
【0043】
具体的に
図15Aを参照すると、刃部材160はさらに、傾斜部分159を有する、刃周縁158を含むことを理解できるであろう。図示されるように、傾斜部分159は、筐体12上のそれぞれの傾斜領域164に対応する。刃傾斜部分159は、ユーザによる刃160の単一方向搭載を可能にするように構成される。この特徴は、交換または修理の際の不適切な刃160の搭載を軽減する。正確な刃160の搭載はさらに、刃部材160およびツール10両方の寿命を延長させる。さらに、傾斜部分159は、ユーザに、正確な刃160の設置の明確な指標を与え、それによって、刃交換の際のユーザ効率を向上させる。
【0044】
(較正)
前述のように、張力調節システムは、製造時点で較正され得るか、または現場で較正され得る。較正は、基準張力点を設定し、そこから、前述のようなさらなる張力調節が行われ得る。較正の際、較正張力ツール80が、使用され得る。
【0045】
具体的に、
図16A−17Bを参照すると、本デバイス10との使用のための較正張力ツール80が、見られ得る。図示されるように、較正張力ツール80は、第1の側180および第2の側182を含む。特に、
図16Aに見られるように、第1の側180は、好ましくは、複数の直立突起184を含む。
図16Bに図示されるのは、較正張力ツール80の第2の側182であり、直立した細長いキーデバイス186を示す。示されるように、キーデバイス186はさらに、少なくとも1つのピン部分188を含み得る。較正張力ツール80の使用は、
図17Aおよび17Bに見られ得る。
図17Aに見られるように、較正ツール80の第1の側180は、較正キャップ190を除去するために使用され得る。図示されるように、突起184は、較正キャップ190内の対応する戻り止め191に係合しながら、較正ツール80は、矢印Fの方向に回転し、較正キャップ190をねじって外す。較正キャップ190が除去され、
図17Bに見られるように、較正ツール80の第2の側182上のキーデバイス186は、ピン部分188とともに、対応する戻り止め192内の張力較正ナット52に係合する。較正ツール80は、次いで、矢印Gの方向に回転され、それによって、張力シャフト50および回転カム54を所定の張力位置に回転させる。張力シャフト50の回転は、ユーザが、より高いまたはより低い設定張力への較正設定を所望するかに応じて、時計回りまたは反時計回り方向であり得ることに留意されたい。
【0046】
前述は、本発明の原理の単なる例証と見なされる。さらに、多数の修正および変更が、当業者に容易に想起されるであろうため、本発明を図示および説明される正確な構造および動作に限定することを所望するものでもない。好ましい実施形態が説明されたが、その詳細は、本発明から逸脱することなく、変更され得る。