特許第6010131号(P6010131)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6010131
(24)【登録日】2016年9月23日
(45)【発行日】2016年10月19日
(54)【発明の名称】線材輸送装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 51/10 20060101AFI20161006BHJP
【FI】
   B65H51/10 C
【請求項の数】15
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2014-540627(P2014-540627)
(86)(22)【出願日】2012年11月9日
(65)【公表番号】特表2014-534937(P2014-534937A)
(43)【公表日】2014年12月25日
(86)【国際出願番号】IB2012056307
(87)【国際公開番号】WO2013068988
(87)【国際公開日】20130516
【審査請求日】2015年10月20日
(31)【優先権主張番号】01811/11
(32)【優先日】2011年11月11日
(33)【優先権主張国】CH
(73)【特許権者】
【識別番号】599122503
【氏名又は名称】シュロニガー ホールディング アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】特許業務法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヴォルトマン トーマス
【審査官】 西村 賢
(56)【参考文献】
【文献】 特表2011−523391(JP,A)
【文献】 米国特許第06662987(US,B2)
【文献】 欧州特許出願公開第01009074(EP,A2)
【文献】 米国特許第06135164(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 51/00−51/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2つの駆動可能な圧力ローラ(20,21)を有し、その間を搬送経路(24)が通過する線材搬送手段(23)を備える、ワイヤー、ケーブル、光ファイバー等の電気線材又は光線材(1,2)を、搬送経路(24)に沿って輸送する線材輸送装置(22)であって、
前記線材輸送装置(22)が、2つの線材(1,2)を交互に搬送するために前記搬送経路(24)に対して相対的に移動可能な少なくとも1つのガイド手段(7,8)を有し、これを通じて1本の線材(1)が前記圧力ローラ(20,21)の間の前記搬送経路(24)に導入可能であり、及びこれを通じて他方の線材(2)が前記圧力ローラ(20,21)の間の前記搬送経路(24)から取り出し可能であり、
前記線材搬送手段(23)及び前記ガイド手段(7,8)が、全体としてピボット軸(4’)の周りを枢動可能であり、好ましくは前記ピボット軸(4’)が実質的に垂直に配置されていることを特徴とする線材輸送装置(22)。
【請求項2】
請求項1に記載の線材輸送装置であって、各線材(1,2)の前記線材輸送装置(22)が、前記搬送経路(24)のすぐ外側に位置する、当該線材(1,2)を固定するための少なくとも1つのブレーキ(17)を有すること、及び好ましくは、前記ブレーキ(17)がニューマチックに作動可能であることを特徴とする線材輸送装置。
【請求項3】
請求項2に記載の線材輸送装置であって、前記ブレーキ(17)が、前記ガイド手段(7,8)の領域内の前記線材(1,2)に作用すること、及び/又は前記ブレーキ(17)には、閉鎖する方向に事前に張力が加えられることを特徴とする線材輸送装置。
【請求項4】
請求項2又は3のいずれか1項に記載の線材輸送装置であって、前記ブレーキが、それぞれ前記ガイド手段(7,8)に緊結され、及び前記ブレーキ(17)を作動させるための作動装置(18)が前記ガイド手段(7,8)との関係において静止している間にこの/これらのガイド手段と共に移動可能であることを特徴とする線材輸送装置。
【請求項5】
請求項1から4の少なくとも1項に記載の線材輸送装置であって、線材搬送手段(23)及び前記ガイド手段(7,8)が、共通フレーム(4)により担持されることを特徴とする線材輸送装置。
【請求項6】
請求項1から5の少なくとも1項に記載の線材輸送装置であって、前記ガイド手段(7,8)が、その中に形成された少なくとも2つのガイドを有する基部本体を備え、前記2つのガイドは輸送の対象となる前記線材(1,2)に対応して互いに間隔を置いて配置され、好ましくは、前記ガイドは通路の形態で形成されることを特徴とする線材輸送装置。
【請求項7】
請求項1から6の少なくとも1項に記載の線材輸送装置であって、前記線材輸送装置(22)が、前記搬送経路(24)に沿って互いに間隔を置いて配置された2つのガイド手段(7,8)を有することを特徴とする線材輸送装置。
【請求項8】
請求項7に記載の線材輸送装置であって、1つのガイド手段(7)が、前記線材搬送手段(23)の上流に配置され、及び他方のガイド手段(8)が、前記線材搬送手段(23)の下流に配置されることを特徴とする線材輸送装置。
【請求項9】
請求項7又は8のいずれか1項に記載の線材輸送装置であって、前記2つのガイド手段(7,8)が、共通ガイドにより駆動可能であることを特徴とする線材輸送装置。
【請求項10】
請求項7から9のいずれか1項に記載の線材輸送装置であって、前記2つのガイド手段(7,8)が、好ましくはレール(16)の形態の連結要素により互いに連結され、好ましくは、前記ガイド手段(7,8)は交換可能に連結要素に緊結されることを特徴とする線材輸送装置。
【請求項11】
請求項7から10のいずれか1項に記載の線材輸送装置であって、前記2つのガイド手段(7,8)が、前記連結要素(16)により、それぞれ1つの部品又は2つの部品として形成されることを特徴とする線材輸送装置。
【請求項12】
請求項10又は11に記載の線材輸送装置であって、前記連結要素(16)が、前記ガイド手段(7,8)の間に平坦なセクションを有し、前記平坦なセクションが、前記搬送経路(24)に対して実質的に平行に、及び前記圧力ローラ(20,21)の回転軸(20’,21’)に対して実質的に平行に配置されることを特徴とする線材輸送装置。
【請求項13】
請求項10又は11のいずれか1項に記載の線材輸送装置であって、前記連結要素(16)が、前記圧力ローラ(20,21)間の前記搬送経路(24)の領域内に凹部(26)を有することを特徴とする線材輸送装置。
【請求項14】
請求項1から13のいずれか1項に記載の線材輸送装置であって、前記ガイド手段(7,8)が、前記圧力ローラ(20,21)の回転軸(20’,21’)に対して実質的に平行な方向に移動可能であることを特徴とする線材輸送装置。
【請求項15】
請求項1から14のいずれか1項に記載の線材輸送装置であって、前記線材搬送手段(23)が、圧力ローラ(20,21)により担持、駆動される少なくとも2つの駆動ベルト(5,6)を備え、その間を搬送経路(24)が通過することを特徴とする線材輸送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送経路に沿ってワイヤー、ケーブル、光ファイバー等の電気線材又は光線材を輸送する線材輸送装置と関連し、少なくとも2つの駆動可能な圧力ローラを有し、その間を搬送経路が通過する線材搬送手段を備える。
【背景技術】
【0002】
線材用の輸送装置は、処理の対象とされるケーブルをケーブル処理機内に引き込むために、ケーブル処理において特に用いられる。したがって、かかる装置は、引き込み装置と呼ばれることも多い。
【0003】
例えば、特許文献1は、かかる引き込み装置について開示する。同装置は、圧力ローラにより駆動され、搬送対象ケーブルに対して圧力を加える2つの回転バンド又はベルトを備える。いずれの場合にも、1つのケーブルしか搬送することができない。しかし複雑で高度に自動化されたアプリケーションの場合、複数の異なるケーブルを、ケーブル処理機に交互に搬送しなければならない。
【0004】
特許文献2は、ケーブル処理機用のケーブル供給・変更装置について開示する。2つ同一の並行稼働ベルトドライブが、2つのケーブルを同時に搬送するために設けられる。異なる方向から移動してくる2つのケーブルが、次にカプラーにより共通搬送経路上に統合される。このソリューションの欠点として、2つの構造的に同一のベルトドライブが必要とされ、その結果、複雑性及びコストが倍増することが挙げられる。
【0005】
特許文献3は、ケーブル輸送・枢動装置について開示する。同装置は、2つの輸送ローラからなる搬送機構を有する。
【0006】
特許文献4は、ベルト搬送装置について多少なりとも開示するが、類似した原理を有するものの、やはり上記問題の解決策とはならない。
【0007】
特許文献5は、クリンピング機について開示する。異なる厚さのケーブルが、(漏斗状の)受け入れ装置に導入される。しかしこの文書には、2つのケーブルがどのように搬送されるか、その方法についての教示が記載されていない。
【0008】
特許文献6は、特別なガイドを有するケーブル搬送手段を伴うケーブル処理機について開示する。
【0009】
特許文献7は、2つのコンベヤー搬送ベルト装置の間に配置されるツールを有するケーブル処理機について開示する。このケーブル処理機の具体的特徴として、コンベヤーベルト装置は、互いに向かって水平方向(前方及び後方)に移動可能であることが挙げられる。この設計は、ケーブル搬送装置ではない操作装置(切断、処理)を含む。
【0010】
特許文献8は、本発明を念頭に置いたベルトドライブの形態のケーブル輸送装置について開示する。
【0011】
先行技術において公知の輸送装置の欠点として、最初から1本の線材しか輸送可能ではない、又はケーブルをケーブル処理装置内に同時に若しくは連続的に引き込むのに2つの完全な並行稼働式の輸送装置が用いられることが挙げられる。第1のケースでは、可能なアプリケーションは限定的である。第2のケースでは、より複雑となり、その結果、製造、維持、及び修理の各コストは2倍となる。
【0012】
いわゆる多重シーケンスも公知である。しかし、シーケンサー内で線材変更を行う場合、ドライブ機構を通じて線材のディッピングを可能にする複雑なベルトドライブを必要とする。必要とされる構造は複雑で、また経費が嵩み、その結果製造コスト及び維持コストが極めて高くつく。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】国際公開第2009/141794号
【特許文献2】欧州特許出願公開第0598276号明細書
【特許文献3】欧州特許出願公開第0708050号明細書
【特許文献4】欧州特許出願公開第1447888号明細書
【特許文献5】特開2004−071237号公報
【特許文献6】米国特許第5,820,008号明細書
【特許文献7】米国特許出願公開第2005/0050713号明細書
【特許文献8】国際公開第2011/055336号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明の目的は、これらの欠点を取り除き、異なる線材の交互搬送を可能にする線材輸送装置を提供することにある。複雑性及びコストは、これまでに公知の先行技術と比較して顕著に低下するはずである。同時に、信頼性があり、容易に制御可能な線材輸送が可能となるはずである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、最初に記載した種類の線材輸送装置によりこの目的を実現し、こうすることにより、2本の線材を交互に搬送する線材輸送装置は、搬送経路に対して相対的に移動可能な少なくとも1つのガイド手段を有し、これを通じて1本の線材が、圧力ローラの間の搬送経路に導入可能であり、及びこれを通じて他方の線材が、圧力ローラの間の搬送経路から取り出し可能である。
【0016】
したがって、線材輸送装置は、例えば手動によりすでに装置内に挿入された2本(以上)の線材を、思い通りに高頻度で自動的に変更する線材チェンジャーを備える。この線材輸送装置は、断面が同一であるが異なる識別情報(色)を有する線材、又は断面が異なる線材を含み得る。搬送経路は、両線材につき同一であり、圧力ローラの間を通過する。したがって、1本用の線材搬送手段のみを必要とし、その結果設計経費は明らかに削減可能である。本発明の長所は、とりわけ、要件に基づけば、他方の線材は搬送経路外部の待機位置で待機した状態で、特に望まれる線材を搬送するという点にある。搬送経路の両側にある圧力ローラは、開放位置(距離がより離れた位置)で線材の変更を可能にし、また閉鎖位置(線材に圧力を加える、又は線材に密着する位置)で線材搬送を有効にするように、相互に交換可能である。
【0017】
アプリケーションの特別な領域として、撚線装置(ワイヤーツイスター)における本発明による線材輸送装置の使用が挙げられる。この場合、本発明による輸送装置は、撚線ユニットへの線材供給について線材チェンジャーの機能を受け持つ。2本の線材は、撚線ユニットに連続的に導入可能である。両線材が、撚線ユニットに連続して導入され次第、撚線プロセスを速やかに開始することができる。
【0018】
しかし、アプリケーションの領域は、上記事例に限定されるものではない。2本以上の異なる線材を搬送しなければならない場合には、いつでも線材輸送装置が利用可能である。アプリケーションの別の事例として、異なる断面又は識別情報(色)を有する分岐状の線材(ダブルクリンプ)を製造する線材チェンジャーが挙げられる。
【0019】
達成可能な利点は、アプリケーション領域に依存せず、また低製造コスト及び省スペース設計と関連する装置において低経費として主に認められる。既存のピボッティングベルト引き込み装置に対して小規模な拡張を行うだけで、本発明による輸送装置に更新することが可能である。線材搬送手段は1つしか存在しない。
【0020】
有利なさらなる開発例を、図及び従属する特許請求の範囲において記載する。
【0021】
1つの実施形態では、ガイド手段は、その中に形成された少なくとも2つのガイドを有する基部本体を備え、この2つのガイドは、輸送の対象となる線材に対して互いに間隔を置いて配置され、好ましくは、前記ガイドは通路の形態で形成される。線材毎に特別に設けられたガイドは、線材変更の信頼性を高め、また明確に定義された搬送位置又は待機位置を保証する。設計経費も、この手段により抑えられる。
【0022】
1つの実施形態では、線材輸送装置は、搬送経路に沿って互いに間隔を置いて配置された2つのガイド手段を有する。この場合、線材は、その全長にわたり搬送経路から又はその中に挙上可能である。搬送手段がカバーする、搬送経路に対する相対的な距離は、こうして最小限に抑えることができ、省スペースとできる効果がある。
【0023】
かかる線材輸送装置は、線材搬送手段により規定される搬送距離の先頭領域及び最終領域において、線材搬送手段と関連して交換可能なガイドから好ましくは構成される。
【0024】
1つの実施形態では、1つのガイド手段が、線材搬送手段の上流に配置され、及び他方のガイド手段が、線材搬送手段の下流に配置される。その結果、線材搬送手段及びガイド手段は、これらが相対的に移動する間、互いに障害となることはなく、設計の単純化を可能にする。
【0025】
1つの実施形態では、2つのガイド手段が、共通ガイドにより駆動可能である。その結果、ガイド手段の同期が特に容易に実現する。
【0026】
1つの実施形態では、2つのガイド手段は、好ましくはレールの形態の連結要素により互い連結され、好ましくは、当該ガイド手段は連結要素によりそれぞれ1つの部品又は2つの部品として形成される。両ガイド手段は一緒に取り外し可能なため、かかる連結要素は、線材対の迅速な装着及び変更を可能にする。取り外し期間中、線材はレールに留まり、またブレーキによって任意選択的に保持される。変更する際には、レールのみが輸送装置から取り除かれる必要があり、新しい線材がガイドを貫通し、そしてレールは輸送装置に再度配置される。又は新たなすでに線材が貫通したレールが、線材チェンジャーに挿入される。
【0027】
好ましくは、ガイド手段は、連結要素、例えばレールに交換可能に緊結され、また対応するガイド手段を用いれば、線材直径が異なる線材をガイドすることができる。
【0028】
好ましい実施形態では、連結要素は搬送経路上部に延在する。こうして、移動シーケンス期間中の線材搬送手段と線材チェンジャー(移動可能なガイド手段を備える)との衝突を防止する。
【0029】
1つの実施形態では、ガイド手段の間のレールは、平坦なセクションを有し、前記平坦なセクションは、搬送経路に対して実質的に平行に、及び圧力ローラの回転軸に対して実質的に平行に配置する。小空間要件及び最適な機械安定性に加えて、本実施形態は、最適なハンドリング特性を特徴とする。特に追加要素、例えばブレーキのための空間を、本設計により設けることができる。
【0030】
1つの実施形態では、レールは、圧力ローラ間の搬送経路の領域内に凹部を有する。そこで、線材搬送手段は、線材の両側面に圧力を加えてこれを駆動する。搬送経路を自由に保つ凹部があることから、洗練されたやり方で、線材搬送手段及び線材チェンジャーが互いに障害となることを免れる。
【0031】
1つの実施形態では、ガイド手段は、圧力ローラの回転軸に対して実質的に平行な方向に移動可能である。こうすれば、線材搬送手段とガイド手段を互いに分離する、特に単純な構成が可能になる。
【0032】
1つの実施形態では、線材搬送手段は、圧力ローラにより担持、駆動される少なくとも2つの駆動ベルトを備え、その間を搬送経路が通過する。駆動ベルトがあることから、線材との接触面積がより広く確保され、当初から滑り抜けが防止される。
【0033】
1つの実施形態では、各線材の線材輸送装置は、搬送経路のすぐ外側に位置する、当該線材を固定するための少なくとも1つのブレーキを有し、及び好ましくは、前記ブレーキはニューマチックに作動可能である。ブレーキは、待機位置に位置する線材が固定され、通り抜け不能であることを保証する。
【0034】
好ましくは、各ブレーキは、クリップ(又は線材クリップ)として構成される。この実施形態では、線材の固定は、線材をクランピングすること(又はクランピング)により実現する。
【0035】
好ましくは、ブレーキ又は線材クリップは、ニューマチックに調整可能な圧縮空気シリンダーにより作動する。すなわち、線材は、ニューマチックシリンダードライブによってニューマチックにクランピングされ、また切り替えられる。この場合、クランピング力を必要に応じてオン及びオフに切替え可能であり、またクランピング力が、特定の線材、例えば線材強度/絶縁強度が異なる線材に対して適合できるように、圧縮空気シリンダー内への圧縮空気供給が調整可能である、という長所を有する。
【0036】
1つの実施形態では、ブレーキは、ガイド手段領域内の線材に作用する。この場合、ブレーキはガイド壁に対して作用可能であり、またブレーキと壁の間の線材をクランピングすることができるので、この実施形態では特に単純な設計を可能にする。したがって、ブレーキが線材に圧力を加えることができる対向表面又は受圧面が、ガイドによりすでに設けられている。
【0037】
1つの実施形態では、各ブレーキはガイド手段に緊結され、各ブレーキを作動させるための作動装置がガイド手段との関係において静止している間にガイド手段と共に移動可能である。この実施形態では、各ブレーキが外部作用によらず線材を固定できるように、各ブレーキが閉鎖する方向に事前に張力を加えることができる。搬送経路内の線材の動きに起因して、関連するブレーキが、作動装置の作用領域に移動し、次に同装置がこのブレーキを開放する。要するに、搬送経路に位置する線材に割り振られたブレーキは、作動装置の作用領域内に位置し、一方、待機位置に位置する線材に割り振られたブレーキは、作動装置の作用領域外に位置する。作動装置は、搬送プロセスの時間、ブレーキを開放状態に保つオープナーである。この代表的な実施形態では、作動装置は、2つのブレーキ、すなわち第1の線材用のブレーキと第2の線材用のブレーキに同時に割り振られる。
【0038】
1つの実施形態では、各ブレーキは、ガイド手段の方向、好ましくは搬送経路に対して垂直方向に移動可能である、作動可能なボルトを含む。最適なブレーキング効果は、こうして実現する。
【0039】
1つの実施形態では、線材搬送手段及びガイド手段は、共通フレームにより担持される。こうすれば、コンパクト設計が可能になる。
【0040】
1つの実施形態では、線材搬送手段及びガイド手段は、全体としてピボット軸の周りを枢動可能であり、好ましくは、ピボット軸は実質的に垂直に配置される。こうすれば、例えばラインツイスター等の様々なアプリケーションで、線材輸送装置を枢動式の引き込み装置として用いることが可能になる。
【0041】
2本の線材が連続的に搬送可能とするために、各線材に対応するガイド手段(例えば、ガイドチューブ)は溝を有する。追加装置は、線材引き込み装置の基部プレート上に配置され、同プレートは、1つのケースでは第1の線材が、また1つのケースでは第2の線材が、駆動ベルトの間に正確に停止し、当該駆動ベルトにより搬送可能となるように、開放状態の圧力ローラ間又はベルト間におけるガイド手段の交換を可能にする。ガイド手段内への線材の滑り込みが生じ得ないように、しかるべきブレーキが取り付けられる。ブレーキが能動的に作動する場合には、これにふさわしいアクチュエータが設けられる。
【0042】
本発明のさらなる長所、特徴、及び詳細内容は、本発明の代表的な実施形態について図面を参照しながら記載する下記の説明から把握される。この場合、特許請求の範囲及び説明に記載する特徴は、いずれの場合にも、それ自身又は任意の組み合わせを問わず、それぞれ本発明にとって不可欠であり得る。
【0043】
符号表は開示の一部である。図を一括して、及び重複したやり方で記載する。同一の参照番号は、同一の構成要素を表し、異なるインデックスを有する参照番号は、機能的に同一又は類似の構成要素を規定する。
【図面の簡単な説明】
【0044】
図1】本発明による線材輸送装置の側面図を表す図である。
図2図1の線材輸送装置を詳細に表す図である。
図3】搬送方向に対して垂直な搬送経路の断面を表す図である。
図4】本発明の実施形態を斜視図で表す図である。
図5】線材チェンジャーを含めず、見やすくした線材輸送装置の図である。
図6】2つの統合されたガイド手段を有するレールを斜視図で表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0045】
図1は、2本の線材1,2を交互に搬送方向Fで搬送する本発明による線材輸送装置22を示す。この目的のために、線材輸送装置22は線材搬送手段23を備えており、線材搬送手段23は互いに反対側に位置する圧力ローラ20,21を有しており、その間を搬送経路24が通過する。本実施形態では、圧力ローラ20,21により保持される回転駆動ベルト5,6が、それぞれのケースでさらに設けられ、そして駆動される(ベルト引き込み装置とも呼ぶ、図4を参照)。好ましくは、圧力ローラ20,21及び駆動ベルト5,6は、歯状構造により同時作動する。したがって、線材搬送手段23は、搬送の対象となる線材に圧力を加えて線材を駆動する2つの互いに反対側に位置する部品を備える。線材搬送手段23の構造及び機能原理は、図4及び図5の実施形態から明確に推測される。線材輸送装置22の上流に、いわゆる位置合わせツール3が設けられ、各線材1、2を準備し、さらに搬送するためにこれらを整列した状態で提供する。1つの位置合わせツールが、線材毎に設けられる。
【0046】
図1に戻り、線材搬送手段23の上流及び下流にそれぞれ各線材1,2に対応したガイド手段7,8が設けられ、当該ガイド手段は、搬送経路24に対して相対的に移動可能であり、こうして1本の線材1は、圧力ローラ20,21の間の搬送経路24に導入可能であり(搬送位置)、また他方の線材2は、搬送経路24から取り出し可能である(待機位置)。ガイド手段7,8の移動方向は、搬送方向Fに対して垂直であり、またそれぞれ矢印Pで表す。ガイド手段7,8は、それぞれその中に形成された2つのガイド7a,7b又は8a,8bを有する基部本体を備え(例えば、図6を参照)、2つのガイド7a,7b又は8a,8bは、輸送の対象となる各線材1,2に対応して(搬送方向に対して垂直に)互いに間隔が置かれている。ガイドは、好ましくは例えば、各線材1,2が内部を通過する孔又はチューブ等の通路の形態で形成される。各線材1,2は、貫通した状態でガイドにより距離を置いて保持される。変位アクチュエータ9が、ガイド手段7を駆動するために設けられ、また変位アクチュエータ10がガイド手段8を駆動するために設けられる。変位アクチュエータは同期的に作動し、こうして各線材1,2は、搬送経路24から取り出され、又はこれに導入されて、その全長を線材搬送手段23に延在させる。
【0047】
図1では、第1の線材1がその待機位置12にとどまる一方、第2の線材2が搬送位置にある。第2の線材2の待機位置13を破線で表示する。ガイド手段7,8が下方に移動すると、その結果、第2の線材2は、この位置に移動する。ガイド手段7及び/又は8は、ここに示す代表的な実施形態では、圧力ローラ20,21の回転軸20’,21’に対して実質的に平行な方向Pに移動可能である。
【0048】
各外周ベルト5及び6を有する線材搬送手段23の2つの互いに反対側に位置する部品、すなわち圧力ローラ20及び21は互いに相対して、そして特にその回転軸20’及び21’に対して垂直の方向に移動可能であり、こうすることで圧力ローラは、搬送経路24内にちょうど位置する線材に圧力を加える。圧力ローラ20,21、したがって駆動ベルト5,6は、好ましくは共通ドライブにより駆動される。
【0049】
線材搬送手段23、及びガイド手段7,8とその変位アクチュエータ9,10は、共通フレーム4、例えばプラットフォーム、テーブル、又はマウンティングプレートにより担持される。ピボッティングコンベヤーとして用いられるように、線材搬送手段23及びガイド手段7,8は、全体としてピボット軸4’の周りを枢動可能であり、この場合ピボット軸4’は、好ましくは実質的に垂直に配置され、ほとんどのアプリケーションにとって好都合である。
【0050】
図2は、図1の線材輸送装置22を詳細に示す。ここに示す代表的な実施形態では、ベルト引き込み装置を開放及び閉鎖(圧力ローラ20,21によって保持される駆動ベルト5,6により、前記圧力ローラが相対的に移動)する作動装置15が、フレーム4の下方に配置される。
【0051】
図3は、搬送方向Fに対して垂直な断面を示す。搬送経路24の両側面に位置し、特に第1の線材1(搬送位置内)がその間に位置する駆動ベルト5,6が、ここで認めることができる。第2の線材2は、搬送経路24下方の待機位置13に位置し、回転式駆動ローラ20,21により駆動されない。搬送経路24上部に示すのは、第1の線材1の待機位置12であり、これは、ガイド手段が互いに距離を置いて保持される各線材1,2を上方に移動させたときに当てはまる。第2の線材2は、次に搬送経路24に、したがって搬送位置に移動し、そして第1の線材1は、待機位置12に移動する。フレーム4も認めることができ、空間が駆動ベルト5,6とフレーム4との間に第2の線材2のために設けられている。
【0052】
図4は、本発明の好ましい実施形態を示し、線材搬送手段23上流のガイド手段7、及び線材搬送手段23下流のガイド手段8は、連結要素であるレール16により相互に連結されている。図4の斜視図ではなおも隠れて見えないガイド手段が、レール16の(右側及び左側)端部領域にそれぞれ位置する。複数のブレーキ17が作用する領域内のガイド手段の位置(後ほど詳細に議論される)が把握できる。
【0053】
図4の好ましい実施形態では、ガイド手段7,8は、レール16と共に1つの部品としてそれぞれ形成される。レール16を取り出すことにより、その中に保持される各線材1,2は、1つの作業ステップ内で変更、又は貫通若しくは引き抜き可能である。
【0054】
図4から認識可能なように、レール16は平坦に形成され、また搬送経路24に対して実質的に平行に、及び圧力ローラ20,21の回転軸20’,21’に対して実質的に平行に配置される。レール16に対応するホルダー19は、上側に隣接する。線材搬送手段23の部品同士が衝突しないように、レール16は、圧力ローラ20,21の間の搬送経路24の領域内に凹部26を有する。各線材1,2は、特にこの凹部26を通過し、対向する駆動ベルト5,6によりそこで駆動される。
【0055】
図6は、2つのガイド手段7,8が組み込まれた平坦な形状を有するレール16を図式的に示す。線材1または線材2を変更する場合、単に、レール16が線材チェンジャーから取り出され、そして線材が新たに貫通する必要があるにすぎない。この場合、1つのガイド手段7,8は、搬送経路2に対して垂直の、互いに間隔が置かれた2つのガイド7a,7b、又は8a,8bを備え、2本の線材1,2を、距離を置いて保持する。ガイド手段7,8の間に、レール16の平坦なセクションは、凹部26を有する。詳細には、そこで、駆動ローラ20,21又は駆動ベルト5,6は、2本の線材1,2のうちの1つに対して両側面に圧力を加える。ドライブ(図示せず)は、両側矢印Pに沿ってレール16を移動させる。
【0056】
待機位置に位置する線材が、移動してそのガイドから飛び出さないように、線材輸送装置22は、輸送の対象となる線材1,2毎に、搬送経路24の外部に位置する当該線材を固定するための少なくとも1つのブレーキ17を有する。各ブレーキ17は、好ましくは、ガイド手段7,8の領域内で、各線材1,2に作用する。ここに示す代表的な実施形態では、各ブレーキ17は、ガイド手段7,8の方向に移動可能であり、そこで、例えばガイドの1つの壁のような受圧面に対して線材を押しつけるニューマチックに作動可能なボルトを備える。
【0057】
好ましくは、各ブレーキ17の力は、搬送経路24に対して垂直方向に向けられる。ブレーキ17を開放する作動装置18も図4に示す。各ブレーキ17は、レール16と共に上下に移動し、一方、作動装置(複数可)18は、プラットフォーム4に静止した状態で緊結される。各ブレーキ17が、作動しないでこれに割り振られた線材を常に固定するように、各ブレーキ17には、例えば閉鎖方向に事前に張力を加えることが可能である。作動装置18は、この場合オープナーとして作用し、また搬送プロセス全体を通じて各ブレーキ17に作用する。一方の線材を搬送するプロセスの終了時に、一方のブレーキ17は、作動装置18によりリリースされ、その結果、一方のブレーキ17は閉鎖位置に再度到達する。設計は、特に単純に構成可能である:ガイド7a,7b又は8a,8b、したがって関連する各ブレーキ17が上下に移動する結果、「該当する」ブレーキ17が作動装置18の作用領域に移動し、次に作動装置18は、搬送する時間これをオープン状態に保持する。
【0058】
図5は、より明確にするために線材チェンジャーを省略して示す線材輸送装置22を表わす。駆動ベルト5,6もここでは省略されている。ベルト引き込み装置全体が、垂直なピボット軸4の周りを枢動可能なプラットフォーム4上に配置される。プラットフォーム4を枢動させるドライブが、ドライブローラ及び回転ベルトの近傍に部分的に認めることができる。ベルト引き込み装置(線材搬送手段23)は、互いに平行な回転軸20’,21’の周りを回転可能な圧力ローラ20,21から構成される。搬送経路24は、対向する圧力ローラ20,21の間を通過し、また中間ローラ25が任意選択的に設けられる。第1の線材1が、特に搬送方向Fに移動する。
【0059】
図1〜6の実施形態は、具体的特徴に関して互いに異なる。主張する本発明の範囲内のさらなる実施形態も可能である。例えば、圧力ローラは、線材に直接圧力を加え、すなわち、追加駆動ベルトを要せずこれらを駆動することができる。また線材チェンジャーは、2本の線材に限定せず、それ以上の線材についても構成可能である。したがって、1本の線材当たり1つのガイドを有しさえすれば事足りる。特に搬送されない線材の待機位置について、しかるべき空間を考慮しなければならない。
【0060】
下記出願:S124PWO、S125PWO、S126PWO、S141PWO(出願者の内部ファイル参考文献)の開示内容は、2012年9月11日時点で国際事務局(IB)にすべて保管されており、本出願の不可欠な構成要素を成し、またこれらの分離した出願は、それぞれ同一機械の異なる態様と関連するので、本出願と組み合わせて認識すべきである。さらなる相乗効果がこれから生み出される。
【符号の説明】
【0061】
1 第1の線材、2 第2の線材、3 位置合わせツール、4 フレーム、枢動性の引き込み装置、5 (右側)駆動ベルト、6 (左側)駆動ベルト、7 第1のガイド手段、7a,7b 第1のガイド手段7内のガイド、8 第2のガイド手段、8a,8b 第2のガイド手段8内のガイド、9 第1のガイド手段7用の変位アクチュエータ、10 第2のガイド手段8用の変位アクチュエータ、11 搬送位置、12 第1の線材1の待機位置、13 第2の線材2の待機位置、15 ベルト引き込み装置を開放及び閉鎖する作動装置、16 第1及び第2のガイド手段を連結するレール(ガイドレール)、17 ブレーキ、18 ブレーキの作動装置、19 ガイドレール用のホルダー、20 圧力ローラ、21 圧力ローラ、22 線材輸送装置、23 線材搬送手段、24 搬送経路、25 中間ローラ、26 レール16内の凹部、F 線材(複数可)の搬送方向、P ガイド手段の移動方向。
図1
図2
図3
図4
図5
図6