(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6010143
(24)【登録日】2016年9月23日
(45)【発行日】2016年10月19日
(54)【発明の名称】飲料作製システム
(51)【国際特許分類】
A47J 31/36 20060101AFI20161006BHJP
A47J 31/06 20060101ALI20161006BHJP
A23F 5/24 20060101ALN20161006BHJP
A23L 2/00 20060101ALN20161006BHJP
【FI】
A47J31/36 120
A47J31/06 320
!A23F5/24
!A23L2/00 X
【請求項の数】11
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2014-561546(P2014-561546)
(86)(22)【出願日】2013年2月28日
(65)【公表番号】特表2015-511506(P2015-511506A)
(43)【公表日】2015年4月20日
(86)【国際出願番号】IB2013051595
(87)【国際公開番号】WO2013136209
(87)【国際公開日】20130919
【審査請求日】2015年2月20日
(31)【優先権主張番号】VR2012A000043
(32)【優先日】2012年3月14日
(33)【優先権主張国】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】514028558
【氏名又は名称】カフィタリー システム エス.ピー.エー.
【氏名又は名称原語表記】CAFFITALY SYSTEM S.p.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】100156867
【弁理士】
【氏名又は名称】上村 欣浩
(74)【代理人】
【識別番号】100149249
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 達也
(72)【発明者】
【氏名】パオロ ディグーニ
【審査官】
土屋 正志
(56)【参考文献】
【文献】
特表2008−517838(JP,A)
【文献】
実開昭62−204525(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 31/36
A47J 31/06
A23F 5/24
A23L 2/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲料作製システムであって、
加圧水を通すことにより抽出して飲料を作ることができる少なくとも1つの粉末状食品物質を含むカプセル(2)であって、該カプセル(2)は、中心軸(4)を有する実質的にカップ形状の本体(3)を備え、該本体(3)は、下壁(5)と、該下壁(5)から延在する側壁(6)と、側壁(6)の、下壁(5)とは反対端において、側壁(6)から外側に向かって突出する外周縁(7)とを備え、該カプセル(2)は、本体(3)の頂部を閉鎖するために前記外周縁(7)と関連する蓋(8)をさらに備える、該カプセル(2)と、
前記カプセル(2)を収容するためのハウジング(10)をその内部に形成するカプセルホルダ(9)であって、該カプセルホルダ(9)は送込み開口部(11)を備え、前記カプセル(2)は該送込み開口部(11)を通じて前記ハウジング(10)に挿入することができ、前記送込み開口部(11)は、その外周を前記カプセルホルダ(9)の環状縁(12)により定められ、前記カプセルホルダ(9)の頂部には、突出環状要素(19)および/または環状底部(20)がそれぞれある、該カプセルホルダ(9)と、
前記下壁(5)を介して前記カプセル(2)に加圧水を実用において注入するために、前記カプセルホルダ(9)に取り付けられた注入手段(14)と、
前記カプセル(2)の蓋(8)を介して供給される飲料を実用において回収するための回収手段(15)と
を備え、
前記外周縁(7)の、前記カプセル(2)の蓋(8)と関連している面とは反対の面に、前記中心軸(4)を中心に環状配置された下部域(23)と該下部域(23)の両側に横方向に位置する2つの内側面(24,25)とからなる3つの部分を表面に有する環状溝(21)、および/または前記中心軸(4)を中心に環状配置された先端部(29)と該先端部(29)の両側に横方向に位置する2つの外側面(30、31)とからなる3つの部分を表面に有する環状突起部(22)があり、
前記カプセルホルダ(9)とカプセル(2)は、前記環状縁(12)が前記カプセル(2)と接触し液密封止で前記カプセル(2)と連結する、封止配置を採ることができ、
前記封止配置では、それぞれ、前記突出環状要素(19)は前記環状溝(21)に挿入され、前記内側面(24、25)のうち少なくとも一方と封止接触し、かつ/または、前記環状底部(20)はその内部に前記環状突起部(22)を受け、前記外側面(30、31)の少なくとも一方と封止接触する、飲料作製システム。
【請求項2】
前記中心軸(4)に最も近い前記環状溝(21)の前記内側面(25)は、前記カプセル(2)の本体(3)の前記側壁(6)の一部であることを特徴とする、請求項1に記載の飲料作製システム。
【請求項3】
前記突出環状要素(19)の表面上に、頂部(26)と該頂部(26)の両側に横方向に位置する2つの外側部(27、28)とからなる3つの部分があることを特徴とし、かつ前記環状底部(20)の表面上に、それぞれ、下部(32)と該下部(32)の両側に横方向に位置する2つの内側部(33、34)とを備えた3つの部分があることを特徴とする、請求項1または2に記載の飲料作製システム。
【請求項4】
前記内側面(24,25)は、前記中心軸(4)により規定される方向に対して角度付けられ、前記下部域(23)に向かって収束し、かつ/または前記外側面(30、31)は、前記中心軸(4)により規定される方向に対して角度付けられ、前記先端部(29)に向かって収束することを特徴とし、かつ前記外側部(27、28)は、前記中心軸(4)により規定される方向に対して角度付けられ、前記頂部(26)に向かって収束し、かつ/または前記内側部(33、34)は角度付けられ、前記下部(32)に向かって収束することを特徴とする、請求項3に記載の飲料作製システム。
【請求項5】
前記封止配置では、前記環状溝(21)および/または前記環状突起部(22)は、それぞれ、前記内側面(24、25)のうちの少なくとも一方および/または前記外側面(30、31)のうち少なくとも一方において変形していることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の飲料作製システム。
【請求項6】
前記封止配置では、前記液密封止は、前記中心軸(4)から最も遠い前記外側面(30)と前記中心軸(4)から最も遠い前記内側部(33)との側面接触、および/または前記中心軸(4)に最も近い外側面(31)と前記中心軸(4)に最も近い内側部(34)との側面接触、および/または前記中心軸(4)から最も遠い外側部(27)と中心軸(4)から最も遠い内側面(24)との側面接触、および/または中心軸(4)に最も近い外側部(28)と中心軸(4)に最も近い内側面(25)との側面接触により確保されることを特徴とする、請求項3に記載の飲料作製システム。
【請求項7】
前記環状縁(12)には、前記突出環状要素(19)と前記環状底部(20)の両方があり、前記外周縁(7)には、前記環状溝(21)と前記環状突起部(22)の両方があることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の飲料作製システム。
【請求項8】
前記環状突起部(22)は、前記環状溝(21)よりも前記中心軸(4)から径方向に遠い位置にあり、前記環状底部(20)は、前記突出環状要素(19)よりも前記中心軸(4)から径方向に遠い位置にあり、かつ前記封止配置では、前記環状突起部(22)は前記環状底部(20)に挿入され、前記突出環状要素(19)は前記環状溝(21)に挿入されることを特徴とする請求項7に記載の飲料作製システム。
【請求項9】
前記中心軸(4)から径方向に最も遠い、前記環状溝(21)の表面の前記内側面(24)は、前記中心軸(4)に最も近い、前記環状突起部(22)の表面の前記外側面(31)に相当し、かつ前記中心軸(4)から最も遠い、前記突出環状要素(19)の表面の前記外側部(27)は、前記中心軸(4)に最も近い、前記環状底部(20)の表面の前記内側部(34)に相当することを特徴とする、請求項8に記載の飲料作製システム。
【請求項10】
前記封止配置では、前記環状溝(21)および/または前記環状突起部(22)は、それぞれ、前記各内側面(24、25)および/または各外側面(30、31)のうちの少なくとも一方において、弾性的または可塑的に変形することを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項に記載の飲料作製システム。
【請求項11】
前記封止配置では少なくとも前記外周縁(7)に前記カプセル(2)の前記蓋(8)を載置することができ、前記回収手段(15)と関連付けられている接触要素(13)をさらに備えた請求項1〜10のいずれか一項に記載の飲料作製システムであって、前記カプセルホルダ(9)と前記接触要素(13)のうち少なくとも一方が、開放位置と閉鎖位置の間で互いに対して移動可能であり、前記開放位置では前記カプセル(2)を前記送込み開口部(11)を通じて前記ハウジング(10)に挿入することができ、前記閉鎖位置では、前記カプセルホルダ(9)と前記カプセル(2)が前記封止配置にある状態で、前記カプセルホルダ(9)と前記カプセル(2)はそれらの間で前記カプセル(2)の外周縁(7)を閉じて、前記回収手段(15)が前記カプセル(2)の蓋(8)を介して供給される飲料を実用において実質的にすべて回収できるように、少なくとも前記外周縁(7)と前記接触要素(13)の間でも液密封止を形成することを特徴とする、飲料作製システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は飲料作製システムに関する。
【0002】
本発明は、特に、水を通過させることにより抽出を行って飲料(例えばコーヒー)を作ることができる粉末状の食品物質(例えばコーヒー粉末)を含むカプセルに基づく飲料作製システムに関する。
【背景技術】
【0003】
従来技術におけるシステムは、カプセルを挿入するカプセルホルダを備える。いくつかのシステムでは、カプセルホルダ内部には、カプセルの底部を破って開口をつくることができる刃が挿入されており、この開口を通して水をカプセル内へ侵入させて食品物質との相互作用を可能にしている。カプセルは一般に蓋も備えており、適した条件下においてその蓋を介して飲料は外部に放出される。実際は、蓋にはさまざまなタイプがあり、例えば、単純に穴をあけられたものや、それとは対照的に、カプセル内の圧力が所定の閾値を超えると突出部品により破られる金属シートからなるものがある。
【0004】
底部に開口がつくられると水がカプセルに注入される。しかしながら、カプセル内に粉末状食品物質があることにより、水が通過する際に抵抗が生じ、ゆえに水の一部が開口を経てカプセルから漏れ出てしまい、カプセルとカプセルホルダの間に入り込んでしまう可能性がある。これにより水がシステムから漏出し飲料の抽出が不適切になってしまう場合がある。これを防止するため、従来技術におけるシステムでは、カプセルとカプセルホルダとの間に液密封止を形成するための封止手段を備えている。これらの封止手段は、特に、カプセルホルダと、カプセルの縁に一般に存在するカプセル表面上の封止部材との間で通常液密封止を形成する。特許文献1には、例えば、圧縮性および弾性を有し、カプセルホルダの縁と連結したときに圧縮される封止部材を有するカプセルを備えたシステムが記載されている。
【0005】
一方、特許文献2には、液密封止効果を実現するための中空封止部材を外表面に備えた飲料作製システムに挿入するのに適したカプセルが記載されている。封止部材は、例えば、その幾何学形状により変形可能である。
【0006】
加えて、特許文献3には、飲料作製システムに挿入されるカプセルが記載されており、カプセルの外表面には、カプセルの材料とは異なる材料で、ゴム状、かつ弾性を有する、例えばシリコーン等の材料で作られた弾性封止部材が備わっている。
【0007】
特許文献4には、カプセルホルダと連結したときに封止部材(弾性を有していてもよい)が圧縮されて、カプセルホルダとカプセルとの間に液密封止を形成するシステムが記載されている。
【0008】
最後に、特許文献5の代替的な実施形態には、封止部材を用いた封止連結が、カプセルホルダが最小の軸方向圧力をカプセル(および特に封止部材それ自体)にかけるときにだけ有効となり、カプセルホルダがかける圧力が最小圧力を下回ったらすぐに連結が自動的に解除するように、カプセルホルダに少なくとも1つの通気道が備えられたシステムが記載されている。この場合、カプセルと接しているカプセルホルダの接触面は、実質的に、鋸歯状部を形成する通気道がその表面上にある環状縁である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】欧州特許第1816936号明細書
【特許文献2】欧州特許第1700548号明細書
【特許文献3】欧州特許第1654966号明細書
【特許文献4】欧州特許第1816935号明細書
【特許文献5】欧州特許第1702543号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、この従来技術にはいくつか不都合な点がある。
【0011】
カプセルホルダの縁に鋸歯状部があるということは、縁にカプセルホルダの鋸歯状部を沈み込ませることができる弾性封止部材を有するカプセルでなければ、封止が形成できないことを意味する。
【0012】
さらに、カプセルとカプセルホルダとの間の液密封止は、カプセルホルダがカプセルの弾性封止部材にかける軸方向圧力により形成される。ゆえに封止に必要な圧力はきわめて正確に調整されなければならず、かつ封止を形成するのに十分でありながらも過剰であってはいけない。これにより、その後カプセルのカプセルホルダからの離脱が可能になる。
【0013】
加えて、カプセルおよび弾性封止部材はかなり正確に製造する必要がある。製造技術の高度化の度合によって製造コストが影響される可能性がある。
【0014】
さらに、カプセルとは異なる材料で封止部材を作るということは製造コストの増加を意味する。このような状況に鑑みて、本発明の基礎をなす技術的な目的は、上記不都合な点を克服することができる飲料作製システムを提供することである。
【0015】
特に本発明の技術的な目的は、上記の技術に代えて選択することができる、液密封止の形を可能にする飲料作製システムを提供することである。
【0016】
本発明のさらなる技術的目的は、カプセルホルダの環状縁に鋸歯状部または通路があるかどうかにかかわらず、カプセルとカプセルホルダとの間の液密封止の形成を可能にする、飲料作製システムを提供することである。
【0017】
本発明の別の技術目的は、カプセルホルダによりカプセルにかけられる軸方向圧力に対する封止の依存度を減らすことができる、カプセルとカプセルホルダとの間の液密封止を形成する飲料作製システムを提供することである。
【0018】
さらに、本発明の別の技術目的は、製造プロセスを簡略化し過剰な製造精度の要求をなくすことで製造コストを削減できる、カプセルとカプセルホルダとの間の液密封止を可能にする飲料作製システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0019】
上記に特定した技術目的および示した目標は、添付の特許請求の範囲に記載する飲料作製システムにより実質的に達成される。
【0020】
本発明のさらなる特徴や利点は、いくつかの好適かつ限定目的ではない飲料作製システムの実施形態を例示する添付の図面を参照しつつ、以下の詳細な説明においてよりはっきりと示される。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明に係るシステムの軸方向断面図である。
【
図2】
図1のシステムの閉鎖位置における軸方向断面図である。
【
図4】
図3に示す詳細図の代替的実施形態を示す図である。
【
図6】
図5に示す詳細図の代替的実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
より明確にするために、添付図面では、切り口面に対して裏側にある要素を表わす線(軸の周りの環状延長線等)もいくつか示されていることに留意されたい。
【0023】
これら図面中では、参照符号1により本発明に係る飲料作製システム全体が示される。
【0024】
本発明に係るシステム1は、加圧水を通過させることにより抽出を行って飲料(例えばコーヒー)を作ることができる少なくとも1つの粉末状食品物質(例えばコーヒー粉末)を含むカプセル2を備える。本明細書では、「粉末状食品物質」という用語は、浸出により抽出可能または可溶性を有するあらゆる物質のことを表し、具体的には、コーヒー、お茶、煎じ汁(infusions)、スープ等が挙げられる。
【0025】
カプセル2は、中心軸4を有する実質的にカップ形状を有する本体3を備える。基本的には、カプセル2の本体3は、上記中心軸4を軸とする回転固体であることが好ましい。本体3は、下壁5と、下壁5から延在する側壁6と、側壁6の下壁5とは反対端(上端)に側壁6から外側に突出する外周縁7とを備える。カプセル2の本体3は、金属や、例えば射出成形や熱成形によるプラスチック材料、といったさまざまな材料から製造可能である。
【0026】
カプセル2は、本体3の最上部を閉鎖するために外周縁7と関連する蓋8も備える。蓋8は、アルミニウム膜、プラスチック膜、または積層材から製造可能である。
【0027】
システム1は、カプセル2を収容するための、ハウジング10をその内部に形成するカプセルホルダ9も備える。カプセル2は、カプセルホルダ9内の送込み開口部11を通じてハウジング10に挿入することができる。送込み開口部11は、カプセルホルダ9の環状縁12によってその外周を定められる。使用時は、カプセルホルダ9とカプセル2は封止配置を採ることができ、その配置では、カプセル2はハウジング10に挿入され、カプセルホルダ9の環状縁12はカプセル2と接触して連結し、液密封止が形成される。
【0028】
液密封止は、カプセルホルダ9と接触要素13の間の相対的な動きにより得られると有利である。接触要素13もシステム1の一部であり、その上にはカプセル2の蓋8を少なくとも外周縁7において載置することができる。特に、カプセルホルダ9および接触要素13のうちの少なくとも一方は、開放位置と閉鎖位置の間で相対的に動作可能である。開放位置では、カプセルホルダ9および接触要素13により、カプセル2は送込み開口部11を通じてハウジング10に挿入可能である。閉鎖位置では、カプセルホルダ9とカプセル2とは封止配置にあり、カプセルホルダ9と接触要素13はそれらの間でカプセル2の外周縁7を閉鎖する。上記開放位置では、カプセル2はカプセルホルダ9と接触要素13の間に位置し、カプセル2は、閉鎖位置に到達した後に、実質的に知られている方法で、ハウジング10に挿入される。上記閉鎖位置では、液密封止がカプセル2と接触要素13の間でも形成されて、飲料がシステム1から漏出することが防止される。この液密封止は、少なくとも接触要素13と、外周縁7におけるカプセル2の蓋8の部分との間で形成されると有利である。
【0029】
システム1は、カプセルホルダ9に取り付けられた、加圧水を下壁5を介してカプセル2に注入するための注入手段14と、カプセル2の蓋8を介して供給される飲料を回収するための回収手段15とをさらに備える。
【0030】
回収手段15は、カプセル2の蓋8を介して供給される飲料を搬送回収し、落下点(図示せず)において、システム1の外部へ該飲料を運び出すための、回収管16を少なくとも1つ備える。それらは接触要素13と関連しており、特に回収管16の少なくとも一部は、接触要素13自体の内部に作られていると有利である。ゆえに、閉鎖位置では、カプセル2と接触要素13の間が液密封止されているため、回収手段15は、カプセル2の蓋8を介して供給される飲料を実質的にすべて回収することが可能になる。該飲料は、(知られている)さまざまな方法により、カプセル2の蓋8を介して供給されてもよい。例えば、カプセル2の蓋8に穴が開けられ、1つ以上の貫通穴を備えている場合、飲料はそれらの穴を通じて供給することができる。一方、例示した実施形態の場合のように、蓋8が例えば破損可能な金属シートからなる場合は、接触要素13は、注入手段14による水の挿入に続いて、カプセル2内部の圧力が所定の閾値を超えたときに蓋8を破ることができる突出要素36を備えていると有利である。
【0031】
一方、注入手段14は、カプセル2それ自体の下壁5を介してカプセル2に水を注入することを可能にする1つ以上の注入パイプ17を備える。カプセルホルダ9から水が漏れ出ないように、水はカプセル2とカプセルホルダ9が封止配置にあるときに注入される。
【0032】
第1の実施形態では、カプセル2の下壁5は、カプセル2に水を通すための穴を有する。これにより、単純な仕組みで注入パイプ17からカプセルホルダ9に加圧水を供給でき、カプセル2に該加圧水を通すことが可能になる。
【0033】
一方、第2の実施形態では、カプセル2の下壁5はどのような穴も有しておらず、穴を開けられた後または破られた後に、水がカプセル2に侵入することを可能にする。ゆえに、例示した実施形態の場合のように、注入手段14は、知られた方法だが、刃18等を備えていると有利である。刃18等は、カプセルホルダ9に固定され、水のカプセル2への侵入を可能にする少なくとも1つの開口を形成するために、カプセル2の下壁5に穴を開けるかまたは破るように設計されていることが好ましい。刃18等は中空かつその内部が、刃18により作られる破れ目からカプセル2へ水を注入させることを可能にする注入パイプ17の一部であると有利である。例示した実施形態では、注入手段14は、カプセル2の下壁5に切り込みを入れる(下壁5を破る)ことを可能にする刃18を備え、水は単純に注入パイプ17からカプセルホルダ9に供給される。
【0034】
カプセル2の下壁5は、少なくともカプセル2が完全にハウジング10に挿入されたときに破られる。注入手段14(および特に刃18)とカプセル2の下壁5の接触および破る動作は、知られた方法で、カプセル2と注入手段14(上述したようにカプセルホルダ9に固定されていると有利である)の間の相対的な動きにより生じると有利である。カプセル2とカプセルホルダ9の相対的な動きは、接触要素13の存在により、知られた方法で得られる。実際には、その相対的な動きでは、カプセルホルダ9は、カプセル2の蓋8が少なくともその外周縁7において接触要素13に当接するまで、接触要素13に向けてカプセル2を押し動かす。その時に、閉鎖位置を達成するまでの間または閉鎖位置において、注入手段14および特に刃18によりカプセル2の下壁5に穴が開けられる。
【0035】
上述のように、封止配置では、カプセルホルダ9とカプセル2は、液密封止状態で互いに連結している。封止連結は、カプセルホルダ9の環状縁12で生じると有利である。特に、カプセルホルダ9の環状縁12の頂部には、突出環状要素19および/または環状底部20がそれぞれある。一方、カプセル2の蓋8と関連付けられている面とは反対の面の外周縁7には、環状溝21および/または環状突起部22がそれぞれある。封止配置において、それぞれ、突出環状要素19は環状溝21に挿入され、かつ/または環状底部20はその内部に環状突起部22を受ける。
【0036】
ゆえに、本発明によると、突出環状要素19と環状溝21のみが存在することもできるし、環状底部20と環状突起部22だけが存在することもできるし、または突出環状要素19と環状底部20と環状突起部22と環状溝21とが存在することもできる。
【0037】
環状溝21が存在する場合は、その環状溝21の表面に中心軸4を中心に環状配置された3つの部分があり、該3つの部分は下部域23と下部域23の両側に横方向に配置された2つの内側面24、25からなる。封止配置では、突出環状要素19は環状溝21の内側面24、25のうちの少なくとも一方と封止接触している。すなわち、突出環状要素19と環状溝21は、突出環状要素19と環状溝21の各接触点にかかる、封止を生じさせる力が、軸線方向を横切り(つまり中心軸4と平行な方向であり)、かつ突出環状要素19が接触する内側面24、25のうちの一方または両方に対して実質的に垂直である成分を有するように、成形される。
【0038】
特に、内側面24,25は、中心軸4により規定される方向に対して角度付けられ、下部域23に近づくにつれて互いに向かって収束するよう構成すると有利である。
【0039】
さらに、突出環状要素19の表面においても、頂部26と、頂部26の両側に横方向に配置された2つの外側部27、28からなる3つの部分があると有利である。この場合、液密封止は、中心軸4から最も遠い外側部27と中心軸4から最も遠い内側面24との側面接触、および/または中心軸4に最も近い外側部28と中心軸4に最も近い内側面25との側面接触により確保される。
【0040】
特に、外側部27、28は、中心軸4により規定される方向に対して角度付けられ、頂部26に近づくにつれて互いに向かって収束するよう構成すると有利である。
【0041】
環状突起部22が存在する場合は、環状突起部22の表面に中心軸4を中心に環状配置された3つの部分があり、該3つの部分は先端部29と先端部29の両側に横方向に配置された2つの外側面30、31からなる。封止配置では、環状底部20は、環状突起部22の外側面30、31のうちの少なくとも一方と封止接触している。
【0042】
再度この場合、環状底部20と環状突起部22は、環状底部20と環状突起部22の各接触点にかかる、封止を生じさせる力が、軸線方向を横切り、かつ環状底部20が接触する外側面30、31のうちの一方または両方に対して実質的に垂直な成分を有するように、成形される。
【0043】
特に、外側面30、31は、中心軸4により規定される方向に対して角度付けられ、先端部29に近づくにつれて互いに向かって収束するよう構成すると有利である。
【0044】
環状底部20の表面においても、下部32と、下部32の両側に横方向に配置された2つの内側部33、34からなる3つの部分があると有利である。
【0045】
この場合、中心軸4から最も遠い外側面30と、中心軸4から最も遠い内側部33との側面接触、および/または中心軸4に最も近い外側面31と中心軸4に最も近い内側部34との側面接触により液密封止が確保される。
【0046】
特に、内側部33、34は中心軸4により規定される方向に対して角度付けられ、下部32に近づくにつれて互いに向かって収束するよう構成すると有利である。
【0047】
ゆえに、すべての場合において液密封止が側面にそって形成する。言い換えると、突出環状要素19と環状溝21に、および/または環状底部20と環状突起部22に、それぞれかかる力は、軸線方向を横切り、かつ互いに接触している角度付けられた表面に対して実質的に垂直な分力を有している。
【0048】
既に示したように、閉鎖位置では、カプセルホルダ9とカプセル2は封止配置にある。特に、封止配置では、カプセル2の外周縁7とカプセルホルダ9の環状縁12が連結する。連結している間、カプセルホルダ9の環状縁12はカプセル2を変形させてもよい。実際は、既に示したように、カプセル2はカプセルホルダ9の材料より曲がりやすい例えばプラスチックまたは金属材料から製造することができ、突出環状要素19を環状溝21に挿入した後、かつ/または環状突起部22を環状底部20に挿入した後、塑性変形または弾性変性にさらされてもよい。封止位置では、環状溝21および/または環状突起部22は、それぞれ、各側面24、25、30、31のうちの少なくとも一面において弾性的または塑性的変形して封止を促進することができる。
【0049】
例示した実施形態では、環状溝21が封止配置へ移動するにつれて変形することが示されている。特に、カプセル2がカプセルホルダ9と連結していないとき、環状溝21に変形はない(
図3および
図4参照)。一方、封止配置においては、突出環状要素19が環状溝21に挿入されることにより、環状溝21内に変形が生じ結果的に環状溝21の幅寸法が大きくなると有利である(
図5および
図6参照)。例示した実施形態のように、中心軸4に最も近い環状溝21の内側面25が、カプセル2の本体3の側壁6の一部であると有利である。ゆえに、環状溝21は、実質的に、カプセル2の側壁6と外周縁7の間の連結部分に作られるはずである。実際は、例示した実施形態の封止配置では、環状溝21に最も近いカプセル2の側壁6は、環状溝21が突出環状要素19と連結した後に変形する(カプセル2の内側方向に押し込まれる)。
【0050】
しかしながら、一般に、環状溝21と環状突起部22は両方とも封止配置で変形する可能性がある。特に、変形は、カプセル2とカプセルホルダ9との封止連結により生じるはずであり、下部域23、先端部29、内側面24、25、および外側面30、31の変形を伴うこともある。
【0051】
有利には、カプセル2が弾性変形した場合には、カプセル2自体が、カプセルホルダ9に対する、軸線方向を横切る力成分の生成に寄与することになる。
【0052】
環状溝21と環状突起部22は異なる方法で作ることもできる。好適な実施形態では、環状突起部22は、カプセル2の外周縁7を折り返した部分として作られる。すなわち、環状突起部22において、カプセル2の蓋8側の外周縁7に、空間35(
図3および
図5参照)がある。この空間35により、環状溝21と環状突起部22の変形性およびそれらの可塑性を促進することができる。
【0053】
もしくは、環状突起部22は、単純に、カプセル2の外周縁7の下部から突出する突出部として形成し、結果的に、側壁6とともに環状溝21を画定することもできる(
図4および
図6参照)。この場合、環状突起部22は、実質的に、突起部22と蓋8の間にいかなる空間も画定しない。
【0054】
ゆえに本発明によると、下部域23および/または先端部29の両方において、液密封止が形成される必要性はない。これにより、例えば、カプセルホルダ9の環状縁12の表面に鋸歯状部があり、カプセル2に弾性封止部材が設けられていない場合でも、液密封止が形成される。さらに、これにより、例えば摩耗により環状縁12の頂部26が損なわれ、ゆえに軸方向の封止連結が確保されなくなった場合でも、液密封止が確保される。
【0055】
既に示したように、第1の実施形態では、カプセルホルダ9の環状縁12において、突出環状要素19のみが特定される。この場合、有利には、突出環状要素19は、カプセルホルダ9の環状縁12の肉厚部全体により構成されてもよい。そして、カプセル2はその外周縁7に環状溝21のみを有し、環状溝21の内側面24、25のうち少なくとも一方と突出環状要素19の外側部27、28のうち少なくとも一方との間で封止接触が生じる。このようにして、頂部26におけるカプセルホルダ9の環状縁12の表面形状にかかわらずまたはその表面上に凹凸があるか否かにかかわらず液密封止が形成される。実際は、既に示したように、いくつかの実施形態では、頂部26における環状縁12の表面はその内側に鋸歯状部または凹凸を有することができる。この原則は以下に記載する第2の実施形態にも適用される。頂部26内部に鋸歯状部があった場合、添付図面で見られる部分は、並んで位置する2つの突起の間に位置する部分に対応する(言い換えると、鋸歯状部は、添付図面に例示された頂部26を基準として上方向に突出する)はずであることに留意されたい。
【0056】
添付図面に例示した第2の実施形態では、環状縁12には、突出環状要素19と環状底部20の両方があり、外周縁7には、環状溝21と環状突起部22の両方がある。再度この場合、中心軸4に最も近い環状溝21の内側面25は、カプセル2の本体3の側壁6の一部であると有利である。さらに、環状突起部22を、径方向において環状溝21より中心軸4から離れている位置に配置し、環状底部20を、径方向において突出環状要素19より中心軸4から離れている位置に配置すると有利である。封止配置では、環状突起部22は、環状底部20に挿入され、突出環状要素19は環状溝21に挿入される。
【0057】
環状底部20と突出環状要素19、および環状溝21と環状突起部22は、それぞれ、互いに隔てられ離された位置に配置することもできる。しかしながら、環状底部20は突出環状要素19と内側部34を共有し、環状溝21は環状突起部22と内側面24を共有していると有利である。より詳細には、中心軸4から径方向に最も遠い環状溝21の表面にある内側面24は、中心軸4に最も近い環状突起部22の表面の外側面31に相当し、中心軸4から最も遠い突出環状要素19の表面の外側部27は、中心軸4に最も近い環状底部20の表面の内側部34に相当する。
【0058】
本発明に係る飲料作製システム1の動作をより詳細に見ていく。カプセル2は、カプセルホルダ9の環状縁12によってその外周が定められる送込み開口部11を通じて、カプセルホルダ9に作られたハウジング10に挿入される。カプセルホルダ9と接触要素13が相対的に動作することで、カプセル2の蓋8は、少なくともカプセル2の外周縁7において接触要素13と当接する。さらに、カプセルホルダ9が接触要素13に向かって移動することにより閉鎖位置が達成され、注入手段14がカプセル2に挿入される(すなわち、刃18によってカプセル2の下壁5が破られる)。閉鎖位置では、カプセルホルダ9の環状縁12においてカプセル2とカプセルホルダ9の間の液密封止が形成され、かつ接触要素13とカプセル2の蓋8が接触する部分でカプセル2と接触要素13との間の液密封止が形成されると有利である(これは、少なくともカプセル2の外周縁7と接触している蓋8の部分で生じると有利である)。ゆえに、カプセル2の外周縁7は、接触要素13とカプセルホルダ9の間でクランプされると有利である。しかしながら、既に述べたように、カプセル2とカプセルホルダ9の封止連結は、実施形態によるが、側面24、25、30、31のうちの1側面、または環状側部27、28、33、34のうちの1側部においてのみ生じると有利である。上記4側面および4環状側部は、それぞれ環状溝21、環状突起部22、突出環状要素19、環状底部20に備わるものである。
【0059】
本発明は有意義な利点をもたらす発明である。
【0060】
第1に、カプセルホルダの表面に鋸歯状部やムラがあり、またカプセルにそれらを埋める弾性封止部材が備わっていない場合でも、カプセルとカプセルホルダとの間に液密封止を形成できる。該液密封止は側面に沿って得られるものである。すなわち、実施形態によるが、液密封止は、第1の突起部、溝、底部、第2の突起部のそれぞれの環状側部で生じる。
【0061】
第2に、カプセルとカプセルホルダの間の液密封止は、側部または側面で形成されるので、軸方向圧力への封止の依存性を低減できる。
【0062】
第3に、カプセルとカプセルホルダの間で形成されるタイプの液密封止では、高度な技術も構造の公差を過度に検査する必要もない。実際は、突出環状要素と溝の間の封止連結または環状底部と環状突起部の間の封止連結は、下部域、先端域、下部、または頂部それぞれにおいて形成されるのではなく、有利には変形の可能性をもちつつ、側部と側面において形成されるので、底部と第2の突起部または溝と第2の突起部が、軸方向に完全に補完し合う必要がない。
【0063】
最後に、本発明は比較的容易に製造することができ、本発明の実施に関連するコストもそれほど高いものではないことに留意されたい。
【0064】
上記発明は、発明の概念の範囲から逸脱することなく、幾通りかの方法で改変および応用することができる。さらに、本発明のすべての詳細は、他の技術的に同等の要素および材料で代用することができる。また種々の部品の形状および寸法は、需要によって変更可能である。