特許第6010152号(P6010152)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6010152
(24)【登録日】2016年9月23日
(45)【発行日】2016年10月19日
(54)【発明の名称】送風機を備えるレーザ発振器
(51)【国際特許分類】
   H01S 3/134 20060101AFI20161006BHJP
   H01S 3/00 20060101ALI20161006BHJP
【FI】
   H01S3/134
   H01S3/00 G
【請求項の数】2
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2015-28021(P2015-28021)
(22)【出願日】2015年2月16日
(65)【公開番号】特開2016-152280(P2016-152280A)
(43)【公開日】2016年8月22日
【審査請求日】2016年1月14日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】390008235
【氏名又は名称】ファナック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100102819
【弁理士】
【氏名又は名称】島田 哲郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100112357
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 繁樹
(74)【代理人】
【識別番号】100157211
【弁理士】
【氏名又は名称】前島 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100159684
【弁理士】
【氏名又は名称】田原 正宏
(72)【発明者】
【氏名】西尾 明彦
【審査官】 佐藤 秀樹
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−170885(JP,A)
【文献】 特開2014−165189(JP,A)
【文献】 特開平04−048668(JP,A)
【文献】 特開2001−144348(JP,A)
【文献】 特開昭60−157275(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01S 3/00−4/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御部と、
レーザ媒質の流路を形成するレーザ媒質流路と、
前記レーザ媒質流路を流れる前記レーザ媒質を用いてレーザ光を生成する共振器部と、
前記レーザ媒質流路において前記レーザ媒質を流動させる送風機と、
前記レーザ媒質流路における前記レーザ媒質の圧力を検出する圧力検出部と、
前記レーザ媒質流路へ前記レーザ媒質を供給し、前記レーザ媒質流路から前記レーザ媒質を排出するレーザ媒質給排部と、
前記共振器部によるレーザ光の生成の一時停止を前記制御部へ指令する一時停止指令部と、を備え、
前記制御部は、
前記一時停止指令部により一時停止が指令される前は、前記送風機が予め定められた第1の回転数で回転するように該送風機を制御するとともに、前記圧力が第1の目標値となるように前記レーザ媒質給排部を制御し、
前記一時停止指令部により一時停止が指令されると、前記共振器部を制御してレーザ光の生成動作を停止し、前記送風機を制御して該送風機の回転数を前記第1の回転数よりも小さい第2の回転数まで減速させ、前記圧力が、前記送風機の回転数が前記第2の回転数となった時点における前記圧力よりも低い第2の目標値となるように、前記レーザ媒質給排部を制御し、
前記第1の目標値をPとし、前記第2の目標値をPとし、前記送風機の回転数が前記第2の回転数になった時点における前記圧力をPとし、前記制御部が停止した前記共振器部の動作を再開させたときの前記圧力の上昇幅をΔPとすると、
前記第2の目標値Pは、P=P−P×ΔP/Pなる式によって求められる、レーザ発振器。
【請求項2】
前記第2の回転数は、ゼロである、請求項に記載のレーザ発振器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、送風機を備えるレーザ発振器に関する。
【背景技術】
【0002】
レーザ発振器の動作を一時停止させたときに、レーザ発振器のレーザ媒質流路内のレーザ媒質の圧力を制御する技術が知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−228624号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のような従来技術においては、レーザ発振器の一時停止を解除して、レーザ光の生成を開始したときに、レーザ媒質の圧力が、熱の影響等によって、レーザ光を生成するときの圧力目標値よりも上昇してしまうことが課題となっていた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様において、レーザ発振器は、制御部と、レーザ媒質の流路を形成するレーザ媒質流路と、レーザ媒質流路を流れるレーザ媒質を用いてレーザ光を生成する共振器部と、レーザ媒質流路においてレーザ媒質を流動させる送風機とを備える。
【0006】
また、レーザ発振器は、レーザ媒質流路におけるレーザ媒質の圧力を検出する圧力検出部と、レーザ媒質流路へレーザ媒質を供給し、レーザ媒質流路からレーザ媒質を排出するレーザ媒質給排部と、共振器部によるレーザ光の生成の一時停止を制御部へ指令する一時停止指令部とを備える。
【0007】
制御部は、一時停止指令部により一時停止が指令される前は、送風機が予め定められた第1の回転数で回転するように該送風機を制御するとともに、圧力が第1の目標値となるようにレーザ媒質給排部を制御する。
【0008】
また、制御部は、一時停止指令部により一時停止が指令されると、共振器部を制御してレーザ光の生成動作を停止し、送風機を制御して該送風機の回転数を第1の回転数よりも小さい第2の回転数まで減速させる。
【0009】
このとき、制御部は、圧力が第2の目標値となるようにレーザ媒質給排部を制御する。ここで、この第2の目標値は、送風機の回転数が第2の回転数となった時点における圧力よりも低い値に設定される。
【0010】
第2の目標値Pは、P=P−P×ΔP/Pなる式によって求められてもよい。ここで、Pは、第1の目標値であり、Pは、第2の目標値であり、Pは、送風機の回転数が第2の回転数になった時点における圧力であり、ΔPは、制御部が停止した共振器部の動作を再開させたときの圧力の上昇幅である。第2の回転数は、ゼロであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一実施形態に係るレーザ発振器の図である。
図2図1に示すレーザ発振器のブロック図である。
図3図1に示すレーザ発振器の動作フローの一例を示すフローチャートである。
図4】時間tと送風機の回転数Rとの間の関係を示すグラフである。
図5】第2の目標値P図3中のステップS5でYESと判断した時点における圧力Pに設定した場合の、時間tとレーザ媒質の圧力Pとの間の関係を示すグラフである。
図6】第2の目標値P図3中のステップS5でYESと判断した時点における圧力Pよりも低い値に設定した場合の、時間tとレーザ媒質の圧力Pとの間の関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。まず、図1および図2を参照して、本発明の一実施形態に係るレーザ発振器10について説明する。
【0013】
レーザ発振器10は、制御部12、共振器部14、レーザ媒質流路16、送風機18、圧力検出部20、レーザ媒質給排部22、および一時停止指令部24を備える。制御部12は、レーザ発振器10の各構成要素を、直接的または間接的に制御する。
【0014】
共振器部14は、制御部12からの指令に応じて、レーザ光を生成する。具体的には、共振器部14は、出力鏡26、リア鏡27、および放電管28とを有する。出力鏡26とリア鏡27とは、互いに対向して配置されている。放電管28は、中空の要素であって、出力鏡26とリア鏡27との間に配置されている。
【0015】
出力鏡26は、99%以上の反射率を有する部分反射鏡(いわゆるハーフミラー)から構成される。一方、リア鏡27は、全反射鏡から構成される。放電管28の内部は、レーザ媒質流路16と連通している。
【0016】
放電管28は、互いに対向配置された放電電極(図示せず)を有し、これら放電電極は、レーザ電源29に電気的に接続されている。レーザ電源29は、制御部12からの指令に応じて、放電電極に電圧を印加する。
【0017】
放電管28の内部には、炭酸ガス、窒素ガス、アルゴンガス等のレーザ媒質が供給される。放電電極に電圧が印加されると、放電電極間に発生する放電によってレーザ媒質が励起され、レーザ光が生成される。放電管28内で生成されたレーザ光は、出力鏡26とリア鏡27との間で光共振によって増幅され、出力鏡26を通して出力レーザ光30として外部へ出射される。
【0018】
レーザ媒質流路16は、放電管28の内部と連通し、放電管28の内部を流動するレーザ媒質の流路を形成する。具体的には、レーザ媒質流路16は、放電管28の一端と他端に接続された閉ループの流路管によって構成されている。レーザ媒質流路16には、レーザ媒質が封入されている。
【0019】
送風機18は、レーザ媒質流路16内の予め定められた位置に設けられている。具体的には、送風機18は、例えばファンまたはブロアから構成され、複数の羽根を含む回転体と、該回転体を回転駆動するモータ(ともに図示せず)とを有する。
【0020】
送風機18には、送風機インバータ32が接続されている。送風機インバータ32は、制御部12からの指令に応じて、送風機18へ電力を供給する。送風機18は、送風機インバータ32から供給される電力によって、上記回転体を回転させる。
【0021】
これにより、送風機18は、レーザ媒質流路16内のレーザ媒質に圧力変動を生じさせ、レーザ媒質を図1中の矢印34に示す方向へ流動させる。その結果、レーザ媒質は、レーザ媒質流路16を介して放電管28の内部に導入され、放電管28内を通過し、放電管28から排出される。
【0022】
送風機18の発熱を抑えるために、レーザ媒質流路16には、冷却装置36が設けられている。冷却装置36は、冷却通路38内で冷媒を循環させる冷媒循環装置40と、冷媒を冷却する冷媒冷却装置42とを有する。
【0023】
送風機18は、冷却通路38内を流れる冷媒によって冷却される。該冷媒としては、例えば冷却水を用いることができる。冷媒循環装置40は、冷媒を圧送するポンプ等から構成される。一方、冷媒冷却装置42は、例えば大気との熱交換により冷媒を冷却する熱交換器等から構成される。
【0024】
送風機18の上流側および下流側のレーザ媒質流路16には、それぞれ、第1の熱交換機44および第2の熱交換機46が配置されている。第1の熱交換機44および第2の熱交換機46の各々には、冷媒(例えば冷却水)が供給される。レーザ媒質は、この冷媒との熱交換により第1の熱交換機44および第2の熱交換機46の通過時に冷却され、所定の温度に保たれる。
【0025】
圧力検出部20は、レーザ媒質流路16内における予め定められた位置に設置されている。本実施形態においては、圧力検出部20は、送風機18の上流側、且つ放電管28の下流側の位置に、配置されている。
【0026】
圧力検出部20は、例えば、気体等の流体の圧力を計測可能な圧力センサを含む。圧力検出部20は、制御部12からの指令に応じて、レーザ媒質流路16内のレーザ媒質の圧力を計測し、圧力に関するデータを制御部12へ送信する。
【0027】
レーザ媒質給排部22は、制御部12からの指令に応じて、レーザ媒質流路16にレーザ媒質を供給し、また、レーザ媒質流路16からレーザ媒質を排出させる。具体的には、レーザ媒質給排部22は、給気流路48、給気装置50、排気流路52、排気弁54、および排気装置56を有する。
【0028】
給気流路48は、その一端がレーザ媒質を貯蔵するタンク(不図示)に接続されており、その他端が放電管28の上流側でレーザ媒質流路16に接続されている。上記のタンクの内部は、レーザ媒質流路16の内部よりも高い圧力に維持されている。
【0029】
給気装置50は、給気流路48に設けられている。給気装置50は、給気流路48の開口面積を変更する可変弁のような、給気流路48を開閉可能な弁から構成される。給気装置50は、制御部12からの指令に応じて、給気流路48を開閉する。給気装置50によって給気流路48が開放されると、タンクに貯蔵されているレーザ媒質は、矢印58に示すように、給気流路48を経て、レーザ媒質流路16に供給される。
【0030】
排気流路52は、その一端が例えば外気中に配置されており、その他端が放電管28の上流側でレーザ媒質流路16に接続されている。排気弁54および排気装置56は、排気流路52に設けられている。
【0031】
排気弁54は、例えば排気流路52の開口面積を変更する可変弁のような、排気流路52を開閉可能な弁から構成される。排気装置56は、例えばファンから構成され、レーザ媒質流路16からレーザ媒質を吸い込み、矢印60に示すように、排気流路52を介してレーザ媒質流路16からレーザ媒質を排出する。
【0032】
排気装置56は、排気インバータ62に電気的に接続されており、排気インバータ62を介して供給される電力によって駆動される。排気装置56の駆動電力(回転数)と、排気弁54の開度とに応じて、レーザ媒質流路16からレーザ媒質を排出することができる。
【0033】
一時停止指令部24は、ユーザから、共振器部14によるレーザ光の生成を一時停止する旨の指令を受け付けて、一時停止指令を制御部12へ送信する。一例として、一時停止指令部24は、押し込み式のスイッチを含む。この場合、一時停止指令部24は、ユーザがスイッチを押した場合に、一時停止指令を制御部12へ送信する。
【0034】
他の例として、一時停止指令部24は、制御部12に接続されたPC等の外部機器に内蔵されてもよい。この場合、ユーザは、外部機器を操作して、一時停止指令を入力する。一時停止指令部24は、ユーザによって入力された一時停止指令を制御部12へ送信する。
【0035】
さらに他の例として、一時停止指令部24は、制御部12に接続された上位コントローラに内蔵されてもよい。この場合、一時停止指令部24は、上位コントローラから一時停止指令を受け付けて、該一時停止指令を制御部12へ送信する。
【0036】
次に、図1図3を参照して、レーザ発振器10の動作について説明する。図3は、レーザ発振器10の動作フローの一例を示すフローチャートである。図3に示すフローは、制御部12が、ユーザまたは上位コントローラからレーザ発振器10の稼働指令を受け付けて、レーザ発振器10が通常動作状態となったときに、開始する。
【0037】
この通常動作状態においては、制御部12は、送風機18の回転体が予め定められた第1の回転数Rで回転するように、送風機18に内蔵されたモータを制御する。また、制御部12は、レーザ媒質流路16内の圧力Pが予め定められた第1の目標値Pとなるように、レーザ媒質給排部22を制御する。
【0038】
具体的には、制御部12は、圧力検出部20から取得した圧力値に応じて、給気装置50、排気弁54、および排気装置56をフィードバック制御し、レーザ媒質流路16内の圧力Pを第1の目標値Pに制御する。
【0039】
すなわち、本実施形態においては、レーザ媒質流路16内の圧力検出部20が設置されている位置(すなわち、送風機18の上流側の位置)における圧力Pが、第1の目標値Pとなるように制御されることになる。
【0040】
そして、制御部12は、レーザ電源29に指令を送り、放電管28に設けられた放電電極へ電圧を印加する。これにより、共振器部14は、レーザ光を生成し、出力鏡26から出力レーザ光30を出射する。こうして、レーザ発振器10は、通常動作状態となる。
【0041】
図3に示すフローが開始した後、ステップS1において、制御部12は、一時停止指令部24から一時停止指令を受け付けたか否かを判断する。制御部12は、一時停止指令を受け付けた(すなわちYES)と判断した場合、ステップS2へ進む。一方、制御部12は、一時停止指令を受け付けていない(すなわちNO)と判断した場合、ステップS14へ進む。
【0042】
ステップS2において、制御部12は、共振器部14を制御して、レーザ光を生成する動作を停止させる。具体的には、制御部12は、レーザ電源29を制御して、放電管28に設けられた放電電極への電圧印加を停止する。その結果、共振器部14におけるレーザ光の生成動作が停止される。
【0043】
ステップS3において、制御部12は、送風機18の回転数Rを、第1の回転数Rよりも小さい第2の回転数Rまで減速させるように、送風機18を制御する。一例として、第2の回転数Rは、ゼロ(すなわち、R=0)に設定される。
【0044】
この場合、制御部12は、送風機インバータ32に指令を送り、送風機インバータ32から送風機18のモータへ供給されている電力を停止する。その結果、送風機18の回転数は、ゼロになるまで徐々に減速することになる。
【0045】
ステップS4において、制御部12は、レーザ媒質給排部22によるレーザ媒質の給排動作を停止する。具体的には、給気装置50および排気弁54に指令を送り、給気装置50の弁および排気弁54を閉鎖し、これにより、給気流路48および排気流路52を閉鎖する。また、制御部12は、排気インバータ62に指令を送り、排気装置56の動作を停止する。
【0046】
このステップS4は、以下の点を考慮して実行される。すなわち、送風機18は、ステップS3の開始後、即時、第2の回転数Rまで減速するのではなく、上述したように、第2の回転数Rとなるまで(例えば、回転が停止するまで)、ある程度の時間をかけて徐々に減速することになる。
【0047】
このように送風機18の回転数Rが減速している間においては、レーザ媒質流路16内の圧力Pが安定しない。そこで、このステップS4によって、制御部12は、送風機18の回転数Rが安定するまで、レーザ媒質の給排動作を停止する。
【0048】
ステップS5において、制御部12は、送風機18の回転数Rが第2の回転数Rになったか否かを判断する。一例として、制御部12は、送風機インバータ32からのフィードバック(例えば、フィードバック電流または負荷トルク)を監視し、フィードバックが予め定められた閾値の範囲内になったときに、制御部12は、送風機18の回転数Rが第2の回転数Rになったものと判断する。
【0049】
この場合、送風機18の回転数Rと、送風機インバータ32からのフィードバックとの間の相関関係が予め記憶される。そして、制御部12は、送風機インバータ32からのフィードバックと、予め記憶された上記の相関関係とを照らし合わせて、送風機18の回転数Rが第2の回転数Rになった否かを判断する。
【0050】
また、他の例として、制御部12は、ステップS3の実行後、予め定められた時間τが経過したか否かを判断することによって、送風機18の回転数Rが第2の回転数Rになったか否かを判断してもよい。
【0051】
この場合、送風機18の回転数Rと経過時間τとの間の相関関係が予め記憶される。そして、制御部12は、経過時間τと該相関関係とを照らし合わせて、送風機18の回転数Rが第2の回転数Rになった否かを判断してもよい。
【0052】
ここで、送風機インバータ32は、予め定められた動作プログラムに従って動作してもよい。この場合、動作プログラムから、送風機18の回転数Rと経過時間τとの間の相関関係を求めることができる。
【0053】
制御部12は、送風機18の回転数Rが第2の回転数Rになった(すなわちYES)と判断した場合、ステップS6へ進む。一方、制御部12は、回転数Rが第2の回転数Rになっていない(すなわちNO)と判断した場合、ステップS3へ戻る。
【0054】
ステップS6において、制御部12は、レーザ媒質流路16内の圧力Pを第2の目標値Pに制御する。具体的には、制御部12は、圧力検出部20から取得した圧力値に応じて、給気装置50、排気弁54、および排気装置56をフィードバック制御し、レーザ媒質流路16内の圧力Pを第2の目標値Pに制御する。
【0055】
ここで、本実施形態においては、第2の目標値Pは、送風機18の回転数Rが第2の回転数R2となった時点(すなわち、ステップS5でYESと判断した時点)におけるレーザ媒質の圧力Pよりも低い値に設定される。一例として、第2の目標値Pは、以下の式1に示すように定められる。
=P−P×ΔP/P・・・(式1)
ここで、Pは、第1の目標値であり、Pは、ステップS5でYESと判断した時点におけるレーザ媒質の圧力であり、ΔPは、圧力上昇幅である。なお、圧力上昇幅ΔPに関しては、後述する。
【0056】
ステップS7において、制御部12は、ステップS1にて一時停止指令部24から受け付けた一時停止指令を解除する旨の指令を受け付けたか否かを判断する。例えば、一時停止指令部24が押し込み式のスイッチを含む場合、ユーザは、スイッチの押し込みを解除するように該スイッチを操作する。
【0057】
一時停止指令部24は、スイッチの押し込み解除を検出すると、押し込み解除信号を、制御部12へ送信する。制御部12は、押し込み解除信号を受信した場合、一時停止指令を解除する旨の指令をユーザから受け付けた(すなわちYES)ものと判断する。
【0058】
制御部12は、一時停止指令を解除する旨の指令を受け付けたと判断すると、ステップS8へ進む。一方、制御部12は、一時停止指令を解除する旨の指令を受け付けていない(すなわちNO)と判断すると、ステップS6へ戻る。
【0059】
ステップS8において、制御部12は、送風機18の回転数Rを、第2の回転数Rから第1の回転数Rまで加速させるように、送風機18を制御する。例えば、R=0に設定されていた場合、制御部12は、送風機インバータ32に指令を送り、送風機インバータ32から送風機18への電力供給を再開する。その結果、送風機18の回転数Rは、第1の回転数Rになるまで徐々に加速される。
【0060】
ステップS9において、制御部12は、上述のステップS4と同様に、レーザ媒質給排部22によるレーザ媒質の給排動作を停止する。具体的には、制御部12は、給気装置50、排気弁54、および排気インバータ62を制御して、レーザ媒質の給排動作を停止する。
【0061】
ステップS10において、制御部12は、送風機18の回転数Rが第1の回転数Rになったか否かを判断する。一例として、制御部12は、送風機インバータ32からのフィードバック(例えば、フィードバック電流、負荷トルク)を監視し、フィードバックが予め定められた閾値の範囲内になったときに、制御部12は、送風機18の回転数Rが第1の回転数Rになったものと判断する。
【0062】
また、他の例として、制御部12は、ステップS8の実行後、予め定められた時間τが経過したか否かを判断することによって、送風機18の回転数Rが第1の回転数Rになったか否かを判断する。
【0063】
この場合、送風機18の回転数Rと経過時間τとの間の相関関係が予め記憶され、制御部12は、経過時間τと該相関関係とを照らし合わせて、送風機18の回転数Rが第1の回転数Rになった否かを判断してもよい。
【0064】
制御部12は、送風機18の回転数Rが第1の回転数Rになった(すなわちYES)と判断した場合、ステップS11へ進む。一方、制御部12は、回転数Rが第1の回転数Rになっていない(すなわちNO)と判断した場合、ステップS8へ戻る。
【0065】
ステップS11において、制御部12は、レーザ媒質流路16内の圧力Pを第1の目標値Pに制御する。具体的には、制御部12は、圧力検出部20から取得した圧力値に応じて、給気装置50、排気弁54、および排気装置56をフィードバック制御し、レーザ媒質流路16内の圧力Pを第1の目標値Pに制御する。
【0068】
ステップS13において、制御部12は、共振器部14を動作させて放電を開始する。具体的には、制御部12は、レーザ電源29に指令を送り、放電管28に設けられた放電電極へ電圧を印加する。これにより、放電管28内で放電が発生し、レーザ光が生成される。
【0069】
ステップS14において、制御部12は、レーザ発振器10の動作を終了する旨の指令を受け付けたか否かを判断する。一例として、制御部12は、ユーザまたは上位コントローラから、レーザ発振器10による作業(例えば、ワークのレーザ加工)を全て終了した旨の指令を受け付けたときに、レーザ発振器10の動作終了指令を受け付けた(すなわちYES)と判断する。
【0070】
制御部12は、レーザ発振器10の動作終了指令を受け付けたと判断すると、図3に示すフローを終了する。一方、制御部12は、レーザ発振器10の動作終了指令を受け付けていない(すなわちNO)と判断すると、ステップS1へ戻る。
【0071】
上述したように、本実施形態においては、第2の目標値Pは、ステップS5でYESと判断した時点におけるレーザ媒質の圧力Pよりも低い値に設定される。この技術的意義について、図4図6を参照して説明する。
【0072】
図4は、上述のステップS1〜S13を実行している間の時間tと送風機18の回転数Rとの間の関係を示すグラフである。なお、図4は、回転数R=0に設定された場合を示している。
【0073】
また、図5は、第2の目標値Pを、ステップS5でYESと判断した時点における圧力Pに設定した場合における、ステップS1〜S13を実行している間の時間tとレーザ媒質の圧力Pとの間の関係を示すグラフである。
【0074】
また、図6は、第2の目標値Pを、ステップS5でYESと判断した時点における圧力Pよりも低い値に設定した場合における、ステップS1〜S13を実行している間の時間tとレーザ媒質の圧力Pとの間の関係を示すグラフである。
【0075】
図4図6中の時点t、t、t、およびtは、それぞれ、上述のステップS3の開始時点、ステップS5でYESと判断した時点、ステップS8の開始時点、および、ステップS13の開始時点に相当する。図4に示すように、ステップS3を開始した後、送風機18の回転数Rは、時点tから徐々に減速し、時点tにて、第2の回転数R=0となる。
【0076】
このように送風機18の回転数Rが減少するにつれて、図5および図6に示すように、レーザ媒質流路16内における、送風機18の上流側の位置の圧力Pは、圧力Pから徐々に上昇することになる。そして、圧力Pは、時点tにおいて、圧力P=Pとなる(P>P)。
【0077】
ここで、図5に示すように、時点tから時点tまでの期間(すなわち、一時停止期間)において圧力Pを圧力Pに制御した場合について考える。この場合、時点tにてステップS8を開始し、送風機18の回転数Rが第2の回転数R(=0)から加速されていくと、圧力Pは、回転数Rと反比例して減少していく。
【0078】
そして、時点tにてステップS13が開始され、共振器部14において放電を開始すると、放電によってレーザ媒質の温度が上昇し、その結果、レーザ媒質の圧力Pが、図5中のΔPに示すように、上昇することになる。
【0079】
このように圧力上昇幅ΔPが発生すると、圧力Pを第1の目標値Pに制御する作業をさらに要することとなり、且つ、圧力Pを第1の目標値Pに安定させるまでに、さらなる期間Tを要することになる。また、圧力上昇幅ΔPを打ち消すためには、圧力Pを下げるべく、レーザ媒質をレーザ媒質流路16から排気する必要があるので、レーザ媒質を浪費してしまうことになる。
【0080】
このような、圧力上昇幅ΔPに起因する種々の欠点を解消するために、本実施形態においては、時点tから時点tまでの一時停止期間において、レーザ媒質流路16の圧力Pを、圧力Pよりも低い第2の目標値Pに制御する。
【0081】
以下、図6を参照して、本実施形態における圧力Pの変化について説明する。なお、図6においては、比較のために、本実施形態に係る圧力Pのグラフを実線70で示す一方、図5に示す特性を一点鎖線72で示している。
【0082】
制御部12は、時点tから時点tまでの一時停止期間において、ステップS6において、レーザ媒質給排部22を制御して、圧力Pを、圧力Pから第2の目標値Pまで低減させる。
【0083】
そして、時点tにてステップS8が開始されて、送風機18の回転数Rが加速されていくにつれて、圧力Pは、回転数Rと反比例して減少していき、時点tにて、第1の目標値PよりもΔPだけ低い、圧力Pとなる。
【0084】
この値ΔPは、時点tにてステップS13を開始したときに、放電によるレーザ媒質の温度上昇に起因する圧力上昇幅に相当する。この圧力上昇幅ΔPは、実験的手法、理論、またはシミュレーション等から推定することができる。そして、第2の目標値Pは、例えば上記式1に示すように、圧力P、第1の目標値P、および圧力上昇幅ΔPを用いて定められる。
【0085】
本実施形態においては、一時停止期間の圧力Pを第2の目標値Pに制御することによって、放電開始後に圧力Pが圧力上昇幅ΔPだけ上昇したとしても、上昇後の圧力Pを第1の目標値Pに近づけることができる。これにより、圧力Pを第の目標値Pに迅速に制御することが可能となる。
【0086】
また、本実施形態によれば、放電開始後の圧力Pを第の目標値Pに近づけることによって、レーザ光を出射した場合に、レーザ光のレーザパワーおよびビームモードを、より正確且つ経時変化の少ない安定したものとすることができる。
【0087】
また、本実施形態によれば、共振器部14の動作を一時停止することによりレーザ光の生成を停止させるとともに、送風機18の回転を停止させるので、レーザ発振器10の電力消費量を抑えることができる。
【0088】
なお、上述した実施形態においては、第2の目標値Pが、式1に従って定められ、且つ、第1の目標値Pよりも大きな値に設定された場合について述べた。しかしながら、これに限らず、第2の目標値Pは、上記圧力Pよりも低い値であればよい。例えば、第2の目標値Pは、第1の目標値Pと略同じ値に設定されてもよい。
【0089】
また、上述した実施形態においては、制御部12は、ステップS5およびS10において、送風機インバータ32からのフィードバックまたは経過時間τに基づいて、送風機18の回転数Rを判断する場合について述べた。
【0090】
しかしながら、これに限らず、例えば送風機18に、例えばエンコーダのような送風機18の回転数を計測可能な回転検出器を設置してもよい。この場合、制御部12は、回転検出器からの出力信号に基づいて、送風機18の回転数を判断できる。
【0091】
以上、発明の実施形態を通じて本発明を説明したが、上述の実施形態は、特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、本発明の実施形態の中で説明されている特徴を組み合わせた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得るが、これら特徴の組み合わせの全てが、発明の解決手段に必須であるとは限らない。さらに、上述の実施形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることも当業者に明らかである。
【0092】
また、特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、工程、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0093】
10 レーザ発振器
12 制御部
14 共振器部
16 レーザ媒質流路
18 送風機
20 圧力検出部
22 レーザ媒質給排部
24 一時停止指令部
図1
図2
図3
図4
図5
図6