(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の仕組みでは、ユーザの嗜好を自動的に判断して飲食店のリストをユーザに提供するものであるが、ユーザが訪問したい飲食店はそのときどきの目的や状況で様々に変わり得るから、自動的に判断したユーザの嗜好とユーザが探している飲食店の傾向とが常に一致しているとは限らない。よって、特許文献1のようにユーザによる絞込み項目の指定を省略して飲食店のリストを提示する仕組みが必ずしも優れているとは言えず、絞込み項目の指定をユーザ自身に委ねる手法のほうがユーザにとっては望ましいことがある。
【0006】
ところで、情報を絞込む際に、用意されている絞込み項目が少ない場合には、ユーザの希望に近い絞込みができないおそれがある。しかし、その一方で、絞込み項目が多い場合には、訪問する飲食店を決めるまでに手間と時間がかかってしまう。例えば、絞込み項目を列挙した絞込み項目指定画面において、最初にジャンル、次に場所、その次に評価というように、絞込み項目の表示位置が固定的に定まっていることが多い。このため、ユーザは、自身にとって目につきやすい絞込み項目から順にその内容を指定していき、一定数の絞込み項目についてその内容を指定した時点で、それ以上の絞込み項目の指定を止めてしまうことがある。このような場合、ユーザの本当に重視したい絞込み項目が考慮されず、ユーザの希望を満たす情報が検索結果に反映されないことになる。
【0007】
そこで、本発明の目的は、ユーザが重視したい絞込み項目について優先的にその内容をユーザ自らで指定しやすくすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明は、ユーザの行動履歴を取得する取得部と、前記取得部によって取得された行動履歴に基づき、ユーザの訪問対象となる施設に関する施設情報を前記ユーザが絞込むときに用いる絞込み項目の優先度を特定する特定部と、前記特定部によって特定された優先度に従って前記絞込み項目を前記ユーザに提示するための絞込み画面情報を出力する出力部と、
前記ユーザに提示された前記絞込み項目によって絞込まれた前記施設情報に対応する施設を当該ユーザが訪問したか否かを判断する判断部と備え、 前記特定部は、前記判断部によって前記ユーザが訪問したと判断された場合には、前記施設情報を絞込むときに当該ユーザに提示された絞込み項目の優先度を、前記ユーザが訪問しなかったと判断されたときの前記施設情報を絞込むときに前記ユーザに提示された絞込み項目の優先度よりも高くすることを特徴とする情報提供装置を提供する。
【0010】
前記出力部は、前記絞込み画面情報を出力した後に前記ユーザが指定した絞込み項目によって絞込まれた前記施設情報のリストを出力し、前記特定部は、ユーザが指定した前記絞込み項目の優先度を、ユーザが指定しなかった絞込み項目の優先度よりも高くするようにしてもよい。
【0011】
前記行動履歴には、前記ユーザの移動履歴、前記ユーザの情報閲覧履歴、前記ユーザの情報入力履歴のうち少なくともいずれかが含まれるようにしてもよい。
【0012】
前記取得部は、複数のユーザの行動履歴を取得し、前記特定部は、前記取得部によって取得された複数のユーザの行動履歴に基づき、当該複数のユーザの少なくとも1人が前記施設情報を絞込むときに用いる絞込み項目の優先度を特定するようにしてもよい。
【0013】
また、本発明は、ユーザの行動履歴を取得する取得ステップと、前記取得ステップにおいて取得された行動履歴に基づき、施設に関する施設情報を前記ユーザが絞込むときに用いる絞込み項目の優先度を特定する特定ステップと、前記特定ステップにおいて特定された優先度に従って前記絞込み項目を前記ユーザに提示するための絞込み画面情報を出力する出力ステップと、
前記ユーザに提示された前記絞込み項目によって絞込まれた前記施設情報に対応する施設を当該ユーザが訪問したか否かを判断する判断ステップと備え、前記特定ステップにおいて、前記判断ステップによって前記ユーザが訪問したと判断された場合には、前記施設情報を絞込むときに当該ユーザに提示された絞込み項目の優先度を、前記ユーザが訪問しなかったと判断されたときの前記施設情報を絞込むときに前記ユーザに提示された絞込み項目の優先度よりも高くすることを特徴とする情報提供方法
を提供する。
【0014】
また、本発明は、コンピュータに、ユーザの行動履歴を取得する取得ステップと、前記取得ステップにおいて取得された行動履歴に基づき、ユーザの訪問対象となる施設に関する施設情報を前記ユーザが絞込むときに用いる絞込み項目の優先度を特定する特定ステップと、前記特定ステップにおいて特定された優先度に従って前記絞込み項目を前記ユーザに提示するための絞込み画面情報を出力する出力ステップと、
前記ユーザに提示された前記絞込み項目によって絞込まれた前記施設情報に対応する施設を当該ユーザが訪問したか否かを判断する判断ステップと実行させ、前記特定ステップにおいて、前記判断ステップによって前記ユーザが訪問したと判断された場合には、前記施設情報を絞込むときに当該ユーザに提示された絞込み項目の優先度を、前記ユーザが訪問しなかったと判断されたときの前記施設情報を絞込むときに前記ユーザに提示された絞込み項目の優先度よりも高くするプログラムを提供する。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、ユーザが重視したい絞込み項目について優先的にその内容をユーザ自らで指定しやすくなる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
[構成]
図1は、本発明の一実施形態に係る情報提供システム1の構成を示す図である。情報提供システム1は、複数のユーザUがそれぞれ携帯する移動通信端末10と、飲食店等の施設に関する施設情報を蓄積し、これを移動通信端末10に提供する情報提供装置20と、移動通信端末10及び情報提供装置20を通信可能に接続するネットワーク30とを備えている。ネットワーク30は、例えばLTE(Long Term Evolution)やWiFi(Wireless Fidelity)などの移動通信網又はISDN(Integrated Services Digital Network)などの固定通信網を含む。
【0018】
この情報提供システム1において、移動通信端末10は、ユーザの行動履歴を収集し、ネットワーク30経由で情報提供装置20に送信する。情報提供装置20は、ユーザの行動履歴に基づいて、そのユーザが施設情報の絞込みを行うときに用いる絞込み項目の優先度を特定し、特定した優先度に従って絞込み項目を提示するための画面情報を移動通信端末10に送信する。ユーザは、移動通信端末10において提示された絞込み項目を用いて施設情報を絞込み、情報提供装置20から所望の施設情報を得る。本実施形態のように主に飲食店に関する施設情報を検索する場合、絞込み項目は、飲食店で提供される料理のジャンルや価格帯、飲食店の場所や営業時間或いは設備/サービスの状況、飲食の目的や利用人数或いは飲食店に対するユーザ評価などである。なお、
図1では説明の便宜のために、ユーザU及び移動通信端末10をそれぞれ1つのみ図示しているが、実際にはそれぞれ複数である。
【0019】
図2は、移動通信端末10及び情報提供装置20の機能構成を示すブロック図である。移動通信端末10は、例えば携帯電話機、スマートフォン、タブレット、ウェアラブル端末などの、ユーザが携帯可能なコンピュータ内蔵端末である。移動通信端末10は、CPU(Central Processing Unit)などの演算処理装置やROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)などのメモリを含む制御装置と、制御装置により実行されるアプリケーションプログラムを記憶するハードディスクやEEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)などの記憶装置と、通信回路などの通信装置と、液晶ディスプレイなどの表示装置と、キーやタッチパネルなどの操作装置と、GPS(Global Positioning System)ユニットなどの測位装置といったハードウェアを備えている。移動通信端末10において、これらのハードウェアが協働することにより、
図2に示す各機能が実現される。
【0020】
移動通信端末10において、通信部11は、ネットワーク30経由で情報提供装置20と通信を行って情報を遣り取りする。表示部13は、アプリケーションプログラムの実行によって生成された画面や、情報提供装置20から取得した画面情報に応じた画面を表示する。操作部14はユーザの操作を受け付ける。測位部15はGPS測位を行って移動通信端末10の位置を特定する。行動履歴収集部12は、ユーザの嗜好を分析するのに有用なユーザの行動履歴を収集する。この行動履歴には、移動履歴と情報閲覧履歴と情報入力履歴が含まれる。移動履歴は、ユーザの移動に関する履歴であって、具体的には測位部15による測位結果(測位日時及び測位位置)を含んでいる。情報閲覧履歴は、ユーザが例えばウェブサイトなどの情報を閲覧した履歴であって、具体的にはユーザが移動通信端末10を用いて表示させたウェブサイトのアドレス(URL)、そのサイトに関連付けられ、そのサイトの内容を意味するタグ、そのサイトの表示回数及び表示日時などを含む。情報入力履歴は、ユーザがSNS(Social Networking Service)などのウェブサイトやメールなどに入力した情報の履歴であって、具体的には、所定のワードを含むメッセージをいつSNSに投稿したとか、所定のワードを含むメッセージをメールでいつ送信したといった履歴である。この所定のワードは、ユーザの嗜好を分析するのに寄与する可能性があるワードであればよく、例えば検索対象となる分野・範囲に関連するワード(例えば飲食店を検索対象とする場合には「美味しい」「安い」といった飲食に関係が強いワードや、各飲食店の店舗名等)として予め定められたものであってもよいし、辞書データベースなどから取得した全ての名詞であってもよい。
【0021】
情報提供装置20は、CPUなどの演算処理装置やROM及びRAMなどのメモリを含む制御装置と、制御装置により実行されるアプリケーションプログラムを記憶するハードディスクなどの記憶装置と、通信回路などの通信装置といったハードウェアを備えたコンピュータである。情報提供装置20において、これらのハードウェアが協働することにより、
図2に示す各機能が実現される。
【0022】
情報提供装置において、取得部21は、移動通信端末10からネットワーク30経由で送信されてくる要求や情報を取得する。行動履歴DB22は、移動通信端末10から送信されてくる、上述した行動履歴をユーザごとに蓄積したデータベースである。
図3は、行動履歴DB22の一例を示す図である。図の例では、例えばユーザID:U01のユーザが、2015年1月1日の18:00に北緯××東経○○の位置に△時間滞在したことや、2015年1月1日の21:00にURL▲▲のウェブサイト(タグ:■■、□□)を閲覧したことや、2015年2月12日の12:00にワード(○○、△△、××、・・)を含むメッセージをSNSに投稿したことや、2015年2月12日の12:01にワード(○○、△△、××、・・)を含むメッセージをメールでいつ送信したことなどが示されている。
【0023】
嗜好分析部23は、行動履歴DB22に含まれる各ユーザの行動履歴に基づいて各ユーザの嗜好を分析する。具体的には、嗜好分析部23は、ユーザが滞在していた場所の属性を所定の地図データベース等から特定し、その場所が飲食店である場合にはその飲食店の施設情報(飲食店で提供される料理のジャンルや価格帯、飲食店の住所、連絡先、営業時間或いは設備/サービスの状況、飲食店の口コミによる評価等を含む詳細情報)を施設情報DB27から取得する。施設情報DB27は、飲食店で提供される料理のジャンルや価格帯、飲食店の住所、連絡先、営業時間或いは設備/サービスの状況、飲食店の口コミによる評価等を含む、飲食店の詳細情報である。また、嗜好分析部23は、ユーザが閲覧していたウェブサイトの内容についてタグを参照して判断し、そのサイトが飲食店に関する情報を含む場合には、その飲食店の施設情報を施設情報DB27から取得する。また、嗜好分析部23は、ユーザが飲食店に関する情報をSNS等に入力していた場合には、その飲食店の施設情報を施設情報DB27から取得する。そして、嗜好分析部23は、或るユーザについて上記のようにして取得した施設情報と、そのユーザの行動履歴における日時とを分析して、飲食店訪問に関するユーザの行動的特徴及びその特徴が現れる頻度(例えば、夜、銀座に和食を食べに行くことが月に3回以上あること)を特定する。
【0024】
絞込み項目特定部25は、ユーザの行動的特徴及びその頻度に基づき、絞込み項目管理DB24を参照して、ユーザの嗜好タイプを特定する。嗜好タイプとは、飲食店で提供される料理のジャンルや価格帯、飲食店の場所や営業時間或いは設備/サービスの状況、飲食の目的や利用人数或いは飲食店に対するユーザ評価などの絞込み項目の各々をユーザがどのくらい重視するかという観点で分けられた、嗜好の分類である。
【0025】
図4は、絞込み項目管理DB24の一例を示す図である。絞込み項目管理DB24は、嗜好タイプと、絞込み項目の優先度とを対応付けたものである。図の例では、例えば嗜好タイプT1に分類されたユーザは、飲食店を訪問する場合に、最も重視するのは飲食店の場所としての銀座であり、次に重視するのは飲食のジャンルとしての和食であり、その次に重視するのは価格帯としての2〜3千円であり、その次に重視するのは時間帯としての夜であり、その次に重視するのは評価としての70点以上であることが示されている。また、例えば嗜好タイプT100に分類されたユーザは、飲食店を訪問する場合に、最も重視するのは飲食店の場所としての銀座であり、次に重視するのは飲食のジャンルとしての和食であり、それ以外の絞込み項目はあまり重視しない。また、例えば嗜好タイプT200に分類されたユーザは、飲食店を訪問する場合に、最も重視するのは飲食のジャンルとしてのフレンチであり、次に重視するのは評価としての90点以上であり、その次に重視するのは時間帯としての夜であり、その次に重視するのは価格帯としての1万5千円〜2万円であり、その次に重視するのは飲食店の場所としての青山である。
【0026】
絞込み項目特定部25は、飲食店に関するユーザの行動的特徴及びその頻度に基づいて、絞込み項目管理DB24における絞込み項目の優先度の各パターンのうち、どれがユーザの嗜好に最も近いかを特定する。ユーザの行動的特徴及びその頻度から類推されるユーザの嗜好が最も近いパターンが特定できれば、そのユーザの嗜好タイプ(T1,T2・・・)が決まることになる。
【0027】
そして、出力部26は、絞込み項目特定部25によって特定された嗜好タイプに対応する優先度に従ってその絞込み項目をユーザに提示するための絞込み画面情報を生成し、ネットワーク30経由で移動通信端末10に出力する。そして、出力部26は、絞込み画面情報を出力した後に、ユーザが指定した絞込み項目が移動通信端末10から通知されてくると、施設情報DB27を参照して、その絞込み項目によって絞込んだ飲食店のリストを生成し、移動通信端末10に出力する。さらに、出力部26は、飲食店のリストを出力した後に、ユーザが指定した飲食店が移動通信端末10から通知されてくると、施設情報DB27からその飲食店の施設情報を読み出して移動通信端末10に出力する。
【0028】
[動作]
次に、
図5に示すシーケンスを参照しながら、情報提供システム1の動作について説明する。移動通信端末10の行動履歴収集部12は、表示部13、操作部14及び測位部15の動作を常に監視しており、ユーザの行動がある度に上述したようなユーザの各種行動履歴を収集して蓄積する(ステップS11)。
【0029】
その後、ユーザが移動通信端末10の操作部14を操作して情報提供装置20に対してログイン画面を要求すると、移動通信端末10の通信部11はログイン画面の要求を情報提供装置20に送信する(ステップS12)。情報提供装置20の取得部がこの要求を取得すると、出力部26がログイン画面情報を移動通信端末10に送信する(ステップS13)。移動通信端末10の通信部11がログイン画面情報を受信すると、表示部13は
図6に示すようなログイン画面を表示する(ステップS14)。このログイン画面において、ユーザは、ユーザID及びパスワードを入力し、さらに自らの嗜好に合う絞込みを行いたい場合には、チェックボックスC1をチェックしてログインボタンB1を選択する。操作部14がこの操作を受け付けると(ステップS15)、行動履歴収集部12は、前回の行動履歴送信タイミングより後に蓄積した行動履歴を読み出す(ステップS16)。そして、通信部11は、ユーザにより入力されたユーザID及びパスワードに加え、行動履歴収集部12から供給される行動履歴を、情報提供装置20に送信する(ステップS17)。
【0030】
情報提供装置20の取得部21がユーザID、パスワード及び行動履歴を取得すると、所定の認証方法でユーザID及びパスワードを用いた認証が行われる(ステップS18)。認証が成功した場合、取得部21は、行動履歴DB22に対して上記行動履歴を追記する更新処理を行う(ステップS19)。次に、嗜好分析部23は、行動履歴DB22において上記ユーザIDに対応する行動履歴に基づいてユーザの嗜好を分析する(ステップS20)。絞込み項目特定部25は、絞込み項目管理DB24を参照して、嗜好分析部23によって分析された結果に近い嗜好タイプを特定する(ステップS21)。出力部26は、特定された嗜好タイプに対応する優先度に従って絞込み項目をユーザに提示するための画面情報を生成して出力する(ステップS22)。これにより、絞込み画面情報が情報提供装置20から移動通信端末10へ送信される(ステップS23)。
【0031】
移動通信端末10の通信部11が絞込み画面情報を受信すると、表示部13は
図7に示すような絞込み画面を表示する(ステップS24)。
図7では、嗜好タイプT1(
図4)の例を想定しており、最も重視する絞込み項目として飲食店の場所の銀座が表示され、次に重視する絞込み項目として飲食のジャンルの和食が表示され、その次に重視する絞込み項目として価格帯の2〜3千円が表示され、その次に重視する絞込み項目として時間帯の夜が表示されている。つまり、ユーザが飲食店訪問に際して重視したいであろう絞込み項目が優先度が高い順に表示されている。
【0032】
各絞込み項目に対応するラジオボタンB2〜B5はデフォルトでオンに設定されているが、ユーザが絞込み項目から除外したい場合にはこれをオフにすればよい。また、ユーザは、各絞込み項目について「その他」と表記されたソフトボタンB6〜B9を選択すると、
図7に表示された絞込み項目の内容以外の内容のリストがプルダウン方式やポップアップ方式で表示され、絞込み項目の内容を別のものに選択することが可能である。例えば、ユーザが、場所という絞込み項目に対応するソフトボタンB6を選択すると、現在表示されている銀座以外の、例えば青山とか赤坂などの場所のリストが選択可能な方式で表示される。また、ユーザが「次の絞込み項目へ」と表記されたソフトボタンB10を選択すると、
図7に示された絞込み項目の次に優先度が高い絞込み項目が次ページとして表示される。例えば嗜好タイプT1(
図4)の場合、優先度が5番目の絞り込み項目(評価:70点以上)〜8番目の絞り込み項目を含む絞込み画面が表示される。
【0033】
ここで、
図8に示すように絞込み項目として飲食店の場所の銀座、価格帯の2〜3千円、時間帯の夜が指定された状態で、ユーザが、「飲食店リストへ」と表記されたソフトボタンB11が選択したとする。操作部14がこの操作を受け付けると(ステップS25)、通信部11は、絞込み項目として指定された内容(つまり、
図8の例における、「ジャンル」以外の絞込み項目である場所:銀座、価格帯:2〜3千円、時間帯:夜)を情報提供装置20に送信する(ステップS26)。
【0034】
情報提供装置20の取得部21がこの絞込み項目を取得すると、出力部26は、施設情報DB27を参照してその絞込み項目に合致する飲食店のリスト画面情報を生成し、移動通信端末10に出力する(ステップS27)。移動通信端末10の通信部11がこのリスト画面情報を受信すると(ステップS28)、表示部13は
図9に示すような飲食店リスト画面を表示する(ステップS29)。
【0035】
図9は、
図8に示した場所:銀座、価格帯:2〜3千円、時間帯:夜という絞込み項目に合致した飲食店のリストである。ユーザは、「次へ」と表記されたソフトボタンB12を選択すると、
図9に示した飲食店以外のリストであって、上記絞込み項目に合致するリストが表示される。ここで、ユーザが例えばB店を選択したとすると、操作部14がこの操作を受け付け(ステップS30)、通信部11は、B店の施設情報を情報提供装置20に要求する(ステップS31)。情報提供装置20の取得部21がこの要求を取得すると、出力部26は、施設情報DB27からB店に関する施設情報を取得して移動通信端末10に出力する(ステップS32)。移動通信端末10の通信部11がこの施設情報を受信すると、表示部13は
図10に示すようなB店の施設情報画面を表示する(ステップS33)。ユーザは、以上のような作業を繰り返すことで、自身の希望に近い飲食店群に関する詳細な施設情報を参照し、訪問する飲食店を決める。
【0036】
以上説明した実施形態によれば、ユーザの嗜好に合わせて絞込み項目を選定し、さらにその表示順序を優先度に応じたものになるので、ユーザが重視したい絞込み項目について優先的にその内容を指定しやすくなる。また、優先度の低い絞込み項目を排除できるため、ユーザが検索結果に満足できないという事象の発生を低減することができる。
【0037】
[変形例]
本発明は上述した実施形態に限定されず、次のような変形が可能である。
[変形例1]
絞込まれた飲食店にそのユーザが実際に訪問した場合には、その飲食店を絞込むときにユーザに提示された絞込み項目の優先度をより高くするようにしてもよい。具体的には、情報提供装置20は、ユーザに提示した絞込み項目を記憶しておき、その後、そのユーザの移動通信端末10から取得した行動履歴(移動履歴)に基づいて、上記絞込み項目によって絞込まれた飲食店にそのユーザが実際に訪問したか否かを判断する判断部を備える。そして、絞込み項目特定部25は、判断部によってユーザが飲食店に訪問したと判断された場合には、その飲食店の施設情報を絞込むときにそのユーザに提示された絞込み項目の優先度を、そのユーザが訪問しなかったと判断された飲食店の施設情報を絞込むときにユーザに提示された絞込み項目の優先度よりも高くする。例えば、
図9に示したB店にユーザが訪問したと判断された場合、絞込み項目特定部25は、
図8においてB店を絞込んだときに用いた絞込み項目(つまり、飲食店の場所の銀座、価格帯の2〜3千円、時間帯の夜)の優先度を高く評価して、各絞込み項目の優先度を特定する。このようにすることで、優先度を考慮した絞込み項目の提示に効果があったか否かを判断し、その結果を学習して、絞込み項目の優先度の確度を向上させることが可能となる。
【0038】
[変形例2]
実施形態において、出力部26は、絞込み画面情報を出力した後に、その画面においてユーザが指定した絞込み項目によって絞込まれた飲食店のリストを出力していた。この場合、絞込み項目管理DB24において、絞込み画面情報においてユーザが指定した絞込み項目の優先度を、その絞込み画面情報においてユーザが指定しなかった絞込み項目の優先度よりも高くするようにしてもよい。つまり、ユーザに提示されて利用された絞り項目の優先度を相対的に高くし、ユーザに提示されたが利用されなかった絞り項目の優先度を相対的に低くする。例えば、絞込み項目特定部25は、
図7における絞込み項目(つまり、飲食店の場所の銀座、ジャンルの和食、価格帯の2〜3千円、時間帯の夜)のうちユーザが絞込み項目として指定したもの(つまり、
図8における飲食店の場所の銀座、価格帯の2〜3千円、時間帯の夜)の優先度を高く評価して、各絞込み項目の優先度を特定する。このようにすることで、優先度を考慮した絞込み項目の提示に効果があったか否かを判断し、その結果を学習して、絞込み項目の優先度の確度を向上させることが可能となる。
【0039】
[変形例3]
例えば複数のユーザが一緒に訪問する飲食店を決めたい場合がある。この場合に、情報提供装置20は、これら複数のユーザの嗜好を考慮して絞込み項目を特定してもよい。具体的には、情報提供装置20の取得部21は、全ユーザの行動履歴を取得して行動履歴DB22に登録しているから、一緒の訪問を希望する複数のユーザのうち少なくともいずれか1人が自身の移動通信端末10を用い、他のユーザのユーザIDを指定して、情報提供装置20に絞込み画面を要求する。絞込み項目特定部25は、それらのユーザIDに対応する行動履歴のすべてを考慮して、仮想的な1人のユーザの嗜好として分析し、絞込み項目の優先度を特定する。
【0040】
[変形例4]
実施形態で説明した装置構成、システム構成、画面例、データ構成又は動作はあくまで例示であり、本発明の実施はこの例示内容に限定されない。
例えば情報提供装置20は、単体の装置によって構成される必要はなく、複数の装置群によって構成されていてもよい。
また、絞込み項目を特定するときのアルゴリズムは、予め決められた嗜好タイプの中からいずれかを特定するのではなく、行動履歴からユーザが重視している絞込み項目を直接分析するような手法であってもよい。また、この種の分析の際には特開2013−093015号公報等に記載された周知技術を用いてもよい。
また、行動履歴には、移動履歴、情報閲覧履歴又は情報入力履歴のうち少なくともいずれか1つが含まれていればよい。
また、実施形態では、情報提供装置20から移動通信端末10に対して画面情報が提供されていたが、移動通信端末10に専用のアプリケーションプログラムがインストールされている場合には、情報提供装置20から移動通信端末10に対して画面構成のための要素のみが提供され、移動通信端末10がアプリケーションプログラムに従って画面情報を生成して表示してもよい。さらに、移動通信端末10から情報提供装置20に行動履歴を提供するタイミングは、アプリケーションプログラムによって表示された分析ボタンをユーザが選択したタイミングや、バッジ起動またはアプリケーションプログラム起動時などのタイミングであってもよい。
実施形態において、絞込み項目管理DB24には、嗜好タイプと、絞込み項目の具体的内容の優先度とを対応付けたものであった。例えば
図4では、嗜好タイプT1に分類されたユーザが飲食店を訪問する場合に、最も重視するのは飲食店の場所としての銀座であり、次に重視するのは飲食のジャンルとしての和食であり、その次に重視するのは価格帯としての2〜3千円であり、その次に重視するのは時間帯としての夜であり、その次に重視するのは評価としての70点以上であることを例示していた。このように、絞り込み項目の具体的内容(上記の例では銀座、和食、2〜3千円、夜、70点以上)まで規定すると、あらかじめ用意しておくべき嗜好タイプの数が膨大になる。そこで、絞込み項目管理DB24は、嗜好タイプと、絞込み項目のみ(その具体的内容を除く)の優先度とを対応付けたものであってもよい。例えば或る嗜好タイプに分類されたユーザは、飲食店を訪問する場合に、最も重視するのは飲食店の場所であり、次に重視するのは飲食のジャンルであり、その次に重視するのは価格帯であり、その次に重視するのは時間帯であり、その次に重視するのは評価であるとか、また別の嗜好タイプに分類されたユーザは、飲食店を訪問する場合に、最も重視するのは飲食のジャンルであり、次に重視するのは評価であり、その次に重視するのは時間帯であり、その次に重視するのは価格帯であり、その次に重視するのは飲食店の場所である、といった具合である。このようにすれば、絞込み項目管理DB24のデータサイズを小さくすることができる。
【0041】
[変形例5]
本発明における検索対象は、飲食店以外にも、ユーザの嗜好によって選択され得る可能性がある施設が含まれる。例えば、物販店舗等のショッピング施設とか、ホテル、旅館などの宿泊施設とか、スパ、日帰り温泉、遊園地、公園などのアミューズメント施設とか、神社仏閣などの観光施設とか、ゴルフ場、スキー場などのスポーツ施設とか、病院、診療所などの医療施設とか、塾などの教育施設というように、様々な施設が含まれる。
【0042】
[変形例6]
本発明は、情報提供装置20だけでなく、情報提供装置20が行う情報提供方法や、コンピュータを情報提供装置20として機能させるためのプログラムといった形態でも実施が可能である。このプログラムは、光ディスク等の記録媒体に記録した形態でコンピュータに提供されたり、インターネット等のネットワークを介してコンピュータに提供されたりしてもよい。