特許第6010197号(P6010197)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6010197
(24)【登録日】2016年9月23日
(45)【発行日】2016年10月19日
(54)【発明の名称】多点回収装置及び多点回収方法
(51)【国際特許分類】
   B24C 9/00 20060101AFI20161006BHJP
   B65F 5/00 20060101ALI20161006BHJP
【FI】
   B24C9/00 D
   B65F5/00 101
【請求項の数】8
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2015-151379(P2015-151379)
(22)【出願日】2015年7月31日
【審査請求日】2016年1月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】591267143
【氏名又は名称】株式会社カシワバラ・コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100074055
【弁理士】
【氏名又は名称】三原 靖雄
(74)【代理人】
【識別番号】100132964
【弁理士】
【氏名又は名称】信末 孝之
(72)【発明者】
【氏名】徳田 智昭
(72)【発明者】
【氏名】中谷 泰尚
(72)【発明者】
【氏名】山本 修司
【審査官】 大山 健
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭62−205919(JP,A)
【文献】 特表2011−507778(JP,A)
【文献】 実開昭53−8178(JP,U)
【文献】 特開昭63−154522(JP,A)
【文献】 国際公開第2008/089710(WO,A1)
【文献】 特開2011−36950(JP,A)
【文献】 米国特許第5181348(US,A)
【文献】 米国特許第5795214(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B24C 9/00
B65F 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回収対象エリア内の多点に存在する被回収物を前記回収対象エリア外に排出して回収する多点回収装置であって、
前記回収対象エリア内と前記回収対象エリア外とを結ぶ本流配管と、一端が前記本流配管に接続された複数の支流配管と、前記複数の支流配管の途中に設けられたエジェクターとを有し、
前記本流配管と前記支流配管との合流部において、上流側の本流配管が下流側の本流配管に挿入されて、上流側の本流配管の外面と下流側の本流配管の内面との間に隙間を生じさせるとともに、前記支流配管が前記本流配管に対して上流側に傾いた状態で前記隙間に向けて開口するように接続されて、前記支流配管からの流入により旋回流を発生させるように構成されており、
前記エジェクターが発生する吸引力により、前記回収対象エリア内の多点に存在する被回収物を前記複数の支流配管の他端から吸引し、前記本流配管を経由して前記回収対象エリア外に排出して回収することを特徴とする多点回収装置。
【請求項2】
前記合流部において、前記上流側の本流配管が下流側に向けてテーパー状に縮径しているとともに、前記下流側の本流配管が下流側に向けてテーパー状に縮径していることを特徴とする請求項1に記載の多点回収装置。
【請求項3】
前記エジェクターにおいて、圧縮空気の導入により旋回流を発生させることを特徴とする請求項1に記載の多点回収装置。
【請求項4】
前記被回収物が粉粒体であることを特徴とする請求項1に記載の多点回収装置。
【請求項5】
回収対象エリア内の多点に存在する被回収物を前記回収対象エリア外に排出して回収する多点回収方法であって、
前記回収対象エリア内と前記回収対象エリア外とを本流配管で結び、前記本流配管に複数の支流配管の一端を接続し、前記複数の支流配管の途中にエジェクターを設け、
前記本流配管と前記支流配管との合流部において、上流側の本流配管を下流側の本流配管に挿入して、上流側の本流配管の外面と下流側の本流配管の内面との間に隙間を生じさせるとともに、前記支流配管を前記本流配管に対して上流側に傾いた状態で前記隙間に向けて開口するように接続して、前記支流配管からの流入により旋回流を発生させるように構成し、
前記エジェクターが発生する吸引力により、前記回収対象エリア内の多点に存在する被回収物を前記複数の支流配管の他端から吸引し、前記本流配管を経由して前記回収対象エリア外に排出して回収することを特徴とする多点回収方法。
【請求項6】
前記合流部において、前記上流側の本流配管を下流側に向けてテーパー状に縮径させるとともに、前記下流側の本流配管を下流側に向けてテーパー状に縮径させることを特徴とする請求項5に記載の多点回収方法。
【請求項7】
前記エジェクターにおいて、圧縮空気の導入により旋回流を発生させることを特徴とする請求項5に記載の多点回収方法。
【請求項8】
前記被回収物が粉粒体であることを特徴とする請求項5に記載の多点回収方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば石油タンク内のブラスト工事により発生する塗膜片や研削材等を回収する場合のように、回収対象エリア内の多点に存在する被回収物を回収対象エリア外に排出して回収する、多点回収装置及び多点回収方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、石油タンク等のタンク内面を定期的に再塗装するにあたり、古い塗装を剥がすための床面研掃機が用いられている。例えば特許文献1には、2台の遠心投射機により鋼粒を床面に投射しながら走行して床面を研掃するようにした、床面研掃機に関する発明が記載されている。この床面研掃機は、遠心投射機やモーターを搭載することから構造的にやや複雑で大型となる。そのため、塗膜片や投射した研削材を回収する集塵機も大型となり、集塵機をタンク外に設置してタンク内の床面研掃機との間をダクトホースで接続する構成となる。また、タンク内で複数台の床面研掃機を同時稼働させる場合、同数の集塵機を用意して1対1で接続する必要がある。
【0003】
これに対して、例えば特許文献2には、装置のコンパクト化を推進した小型の床面研掃機に関する発明が記載されている。この床面研掃機は小型であるため集塵機も小型化でき、集塵機をタンク外に設置することなくタンク内に搬入して施工することができる。
【0004】
また、タンク内や橋梁足場内におけるオープンブラスト工事においては、多量の研削材を噴射して使用し、作業終了後には研削材の回収が行われている。
【0005】
また、タンク内や工場内の清掃や、開放中のタンク床面への結露や雨水浸入に伴う排水作業も行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平5−123969号公報
【特許文献2】特開2002−18716号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載された大型の床面研掃機をタンク内で複数台同時稼働させる場合、タンク外の複数台の集塵機と接続する複数のダクトホースをタンク内に導入する必要があり、作業のための出入口であるサイドマンホールを塞いでしまうという問題があった。また、タンク内の床面を多数のダクトホースが這い回り、人力によるダクトホースの移動作業が必要となる等、作業効率の低下を招いていた。
【0008】
また、特許文献2に記載された小型の床面研掃機によれば、集塵機をタンク内に搬入して施工することができるので、サイドマンホールを塞ぐことなく作業性は向上する。しかし、タンク内で複数台同時稼働させる場合、床面研掃機1台に対して集塵機が1台必要であることに変わりはなく、また集塵機の吸引能力の低下が直接床面研掃機の能力低下につながるため、メンテナンスに手間取るという問題があった。
【0009】
また、タンク内や橋梁足場内におけるオープンブラスト工事においては、多量の研削材を噴射して使用するため、回収に多くの人力を必要としている。さらに、ベルトコンベヤーを設置して搬出したり、専用のバキューム車を使用して搬出・回収したりしており、多くの人力とコストがかかっている。
【0010】
また、タンク内や工場内の清掃や、開放中のタンク床面への結露や雨水浸入に伴う排水作業においても、多くの人力とコスト・工期がかかっている。
【0011】
本発明は、上記従来の課題を解決するものであり、例えば石油タンク内のブラスト工事により発生する塗膜片や研削材等を回収する場合のように、タンク内、工場内、足場内といった広い回収対象エリア内の多点に存在する被回収物を、効率的に回収対象エリア外に排出して回収することのできる多点回収装置及び多点回収方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するため、本発明の多点回収装置は、回収対象エリア内の多点に存在する被回収物を前記回収対象エリア外に排出して回収する多点回収装置であって、前記回収対象エリア内と前記回収対象エリア外とを結ぶ本流配管と、一端が前記本流配管に接続された複数の支流配管と、前記複数の支流配管の途中に設けられたエジェクターとを有し、前記本流配管と前記支流配管との合流部において、上流側の本流配管が下流側の本流配管に挿入されて、上流側の本流配管の外面と下流側の本流配管の内面との間に隙間を生じさせるとともに、前記支流配管が前記本流配管に対して上流側に傾いた状態で前記隙間に向けて開口するように接続されて、前記支流配管からの流入により旋回流を発生させるように構成されており、前記エジェクターが発生する吸引力により、前記回収対象エリア内の多点に存在する被回収物を前記複数の支流配管の他端から吸引し、前記本流配管を経由して前記回収対象エリア外に排出して回収することを特徴とする。
【0013】
また好ましくは、前記合流部において、前記上流側の本流配管が下流側に向けてテーパー状に縮径しているとともに、前記下流側の本流配管が下流側に向けてテーパー状に縮径していることを特徴とする。
【0014】
また好ましくは、前記エジェクターにおいて、圧縮空気の導入により旋回流を発生させることを特徴とする。
【0015】
また好ましくは、前記被回収物が粉粒体であることを特徴とする。
【0016】
また本発明の多点回収方法は、回収対象エリア内の多点に存在する被回収物を前記回収対象エリア外に排出して回収する多点回収方法であって、前記回収対象エリア内と前記回収対象エリア外とを本流配管で結び、前記本流配管に複数の支流配管の一端を接続し、前記複数の支流配管の途中にエジェクターを設け、前記本流配管と前記支流配管との合流部において、上流側の本流配管を下流側の本流配管に挿入して、上流側の本流配管の外面と下流側の本流配管の内面との間に隙間を生じさせるとともに、前記支流配管を前記本流配管に対して上流側に傾いた状態で前記隙間に向けて開口するように接続して、前記支流配管からの流入により旋回流を発生させるように構成し、前記エジェクターが発生する吸引力により、前記回収対象エリア内の多点に存在する被回収物を前記複数の支流配管の他端から吸引し、前記本流配管を経由して前記回収対象エリア外に排出して回収することを特徴とする。
【0017】
また好ましくは、前記合流部において、前記上流側の本流配管を下流側に向けてテーパー状に縮径させるとともに、前記下流側の本流配管を下流側に向けてテーパー状に縮径させることを特徴とする。
【0018】
また好ましくは、前記エジェクターにおいて、圧縮空気の導入により旋回流を発生させることを特徴とする。
【0019】
また好ましくは、前記被回収物が粉粒体であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明においては、回収対象エリア内と回収対象エリア外とを結ぶ本流配管と、一端が本流配管に接続された複数の支流配管と、複数の支流配管の途中に設けられたエジェクターとが備えられている。また、本流配管と支流配管との合流部において、上流側の本流配管が下流側の本流配管に挿入されて、上流側の本流配管の外面と下流側の本流配管の内面との間に隙間を生じさせるとともに、支流配管が本流配管に対して上流側に傾いた状態で隙間に向けて開口するように接続されて、支流配管からの流入により旋回流を発生させるように構成されている。そして、エジェクターが発生する吸引力により、回収対象エリア内の多点に存在する被回収物を複数の支流配管の他端から吸引し、本流配管を経由して回収対象エリア外に排出して回収するようになっている。
【0021】
従って、まず回収対象エリア外と回収対象エリア内との間を、本流配管の配置によりシンプルに構成することができる。さらに回収対象エリア内においても、本流配管から枝分かれした支流配管を複数地点(多点)に広げるように配置することでシンプルに構成することができる。これにより、複雑な配管を原因とした作業効率の低下を防止することができる。そして、回収対象エリア内の多点に存在する被回収物を、同時にかつ集中させながら排出し回収することができる。
【0022】
また、被回収物を回収するための吸引力を、エジェクターを使用してコンパクトなシステム構成で実現することができる。これにより、回収対象エリア内の多点に存在する被回収物を回収する場合であっても、メンテナンスに手間取る集塵機等の装置を各地点に配置する必要がない。
【0023】
また、本流配管と支流配管との合流部において、支流配管からの流れが上流側の本流配管の外面と下流側の本流配管の内面との間に生じた隙間に下流側に向かって流れ込むので、ドーナツ状の隙間に沿って回転しながら下流側に向かう旋回流を発生させることができ、本流配管の流れを強くすることができる。
【0024】
また、合流部において、上流側の本流配管が下流側に向けてテーパー状に縮径し、下流側の本流配管が下流側に向けてテーパー状に縮径するような構成とした場合には、本流配管の流れをより強くすることができる。
【0025】
また、エジェクターにおいて、圧縮空気の導入により旋回流を発生させる構成とした場合には、支流配管の流れをより強くすることができる。
【0026】
また、被回収物が粉粒体である場合には、特に効率的な回収が可能となる。
【0027】
以上、本発明によれば、例えば石油タンク内のブラスト工事により発生する塗膜片や研削材等を回収する場合のように、タンク内、工場内、足場内といった広い回収対象エリア内の多点に存在する被回収物を、効率的に回収対象エリア外に排出して回収することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本発明の実施形態1に係る多点回収装置を示す全体構成図である。
図2】エジェクターを示す断面図である。
図3】本流配管と支流配管との合流部を示す斜視図である。
図4】本流配管と支流配管との合流部を示す断面図である。
図5】本流配管と支流配管との合流部を示す断面図である。
図6】複数の合流部による本流配管の連結構造を示す断面図である。
図7】本発明の実施形態2に係る多点回収装置を示す全体構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
次に、図1乃至図6を参照して、本発明の実施形態に係る多点回収装置及び多点回収方法について説明する。なお、以下の説明において、「上流」及び「下流」とは、被回収物が移動する方向に基づいて定義するものであり、被回収物の移動元の方向を「上流」とし、被回収物の移動先の方向を「下流」とする。
【0030】
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係る多点回収装置を示す全体構成図である。図1に示すように、実施形態1に係る多点回収装置は、石油タンク1内のブラスト工事により発生する塗膜片や研削材等の粉粒体からなる被回収物を回収するための装置である。ここで、被回収物が存在する石油タンク1の内部を「回収対象エリア」と称し、石油タンク1の内外を「回収対象エリア内100」と「回収対象エリア外200」に区分する。なお、実施形態1におけるブラスト工事は、複数の床面研掃機を使用した、いわゆるクローズドブラスト方式によるものであり、各々の床面研掃機の稼働により生じた塗膜片や研削材等の粉粒体を回収するものである。従って、実施形態1における被回収物は、複数の床面研掃機の走行位置に応じて、回収対象エリア内100の多点に存在することになる。
【0031】
回収対象エリア内100と回収対象エリア外200とは、本流配管10により結ばれている。本流配管10の一端は回収対象エリア内100に向けて延設されており、本流配管10の他端は石油タンク1のサイドマンホールを経由して回収対象エリア外200に設置されたサイクロン9を経由して集塵機3に接続されている。なお、特開2013−071228号公報に開示された粉粒体分離処理装置を接続して、被回収物の分離処理を行うこともできる。
【0032】
回収対象エリア内100の本流配管10には、複数の支流配管20の一端が接続されている。本流配管10と支流配管20との接続部分は、合流部40となっている。このように、本流配管10から複数の支流配管20が枝分かれすることにより、回収対象エリア内100の配管は魚の骨のような様相を呈している。合流部40の詳細については後述する。なお、本流配管10及び支流配管20は、伸縮性及び可撓性のある部材を用いることが好ましい。
【0033】
複数の支流配管20の途中には、それぞれエジェクター30が設けられている。エジェクター30にはエアー供給配管5が接続されており、石油タンク1の外に設置されたエアーコンプレッサー2から圧縮空気が供給されるようになっている。また、エアー供給配管5には、各々のエジェクター30へのエアー供給を独立して調整するための複数の調整弁が設けられている。なお、本実施形態において、被回収物を回収するための吸引力は、エジェクター30から発生するものであり、本流配管10の終端に接続された集塵機3は、回収対象エリア外200に排出された被回収物が飛散しないようにするための補助的な機能を有するものである。エジェクター30の詳細については後述する。
【0034】
各々の支流配管20の他端には、床面研掃機4が接続されている。そして、床面研掃機4の稼働により生じた塗膜片や研削材等の粉粒体からなる被回収物を、支流配管20の他端からエジェクター30が発生する吸引力により吸引し、本流配管10を経由して回収対象エリア外200に排出して回収するようになっている。支流配管20に接続する床面研研掃機4としては、特開平5−123969号公報に開示された大型の床面研掃機、特開2002−18716号公報に開示された小型の床面研掃機等が挙げられる。
【0035】
次に、図2を参照して、エジェクター30の詳細について説明する。図2(a)は、エジェクター30を示す断面正面図であり、図2(b)は、エジェクター30を示す断面斜視図である。
【0036】
エジェクター30は、圧縮空気導入管31、吸入管32及び吐出管33から構成されている。そして、圧縮空気導入管31から圧縮空気(A)を導入することにより、吸入管32に吸入力(B)を発生させて、吐出管33から被回収物を含む空気を吐出(C)するようになっている。エジェクター30は、支流配管20の移動に伴い移動することから、後述する合流部40のような車輪付き架台に載置することが好ましい。
【0037】
ここで、エジェクター30においては、圧縮空気(A)の導入により旋回流を発生させるように構成することが好ましい。旋回流を発生させることにより、支流配管20の流れをより強くすることができる。旋回流を発生させる構成は種々可能であるが、本実施形態では、圧縮空気導入管31の取付位置を吸入管32の中心からずらすことにより、圧縮空気導入管31から導入される圧縮空気を吸入管32の端部付近で回転させ、回転を維持したまま吸入管32と吐出管33との間に形成された隙間から噴出(D)させることにより実現している。
【0038】
次に、図3乃至図5を参照して、合流部40の詳細について説明する。図3は、本流配管と支流配管との合流部を示す斜視図であり、図4及び図5は、本流配管と支流配管との合流部を示す断面図である。
【0039】
図3に示すように、合流部40は架台6に載置されている。架台40の下面には車輪7が設けられており自由に移動させることができるようになっている。合流部40は、本流配管を構成する上流側の本流配管11及び下流側の本流配管12の接続部に、支流配管20が合流するように構成されている。
【0040】
図4及び図5に示すように、上流側の本流配管11と下流側の本流配管12とは、上流側の本流配管11が下流側の本流配管12に挿入されることにより接続されている。そして、上流側の本流配管11の外面と下流側の本流配管12の内面との間に隙間が生じるようになっている。さらに、支流配管20が、本流配管10(11,12)に対して上流側に傾いた状態で、上流側の本流配管11の外面と下流側の本流配管12の内面との間の隙間に向けて開口するように接続されている。支流配管20の本流配管10(11,12)に対する取付角度(α)は、例えば75°とすることができる。また、下流側の本流配管12の上流側端部は閉塞されている。
【0041】
より詳細には、本流配管11の端部が本流配管12の端部に形成された拡径部に挿入されるとともに、支流配管20の端部が本流配管12の拡径部を貫通して隙間に向けて開口している。そして、支流配管20からの被回収物を含む空気が本流配管10に流入するようになっている。また、支流配管20の本流配管12への取付位置(取付方向)は、支流配管20からの流入が本流配管12の径方向の中心点に向かわないように構成されており、支流配管20から流入する空気が本流配管11の外面で回転し、回転を維持したまま本流配管11と本流配管12との間に形成された隙間から下流側に向けて噴出させるようになっている。
【0042】
なお本実施形態では、上流側の本流配管11の端部が下流側に向けてテーパー状に縮径して絞り形状になっている。また、下流側の本流配管12が上流側の拡径部から下流側に向けてテーパー状に縮径するように形成されている。このように本流配管11,12の径を下流側に向けて縮径させることで、本流配管10の流れをより強くすることができる。ただし、本流配管11の外面と本流配管12の内面との間に隙間を生じさせることができれば、必ずしもテーパー状に縮径させる必要はない。
【0043】
以上の構成により、合流部40においては、支流配管20からの流入により旋回流を発生させるようになっている。すなわち、支流配管20からの流れが上流側の本流配管11の外面と下流側の本流配管12の内面との間に生じた隙間に下流側に向かって流れ込むので、ドーナツ状の隙間に沿って回転しながら下流側に向かう旋回流を発生させることができる。そして、旋回流を発生させることにより、本流配管10の流れをより強くすることができる。このとき合流部40では、支流配管20からの空気の流入によってエジェクターとしての効果が発生する。
【0044】
次に、図6を参照して、本流配管10の連結構造について説明する。図6は、複数の合流部4による本流配管10の連結構造を示す断面図である。なお、図6では、支流配管20の記載を省略している。
【0045】
図6に示すように、本流配管10は、合流部40を介して上流側(図6における右側)から下流側(図6における左側)に向かって、本流配管11、本流配管12、本流配管13及び本流配管14と順に接続されている。また、各々の本流配管11,12,13,14の途中は、伸縮性及び可撓性のある連結配管8により連結されている。そして、本流配管11,12,13,14は、上流から下流に向かうにつれて径が拡大している。これは、合流部を経由するごとに支流配管20から空気が流入し、本流配管10の流量が増加するためである。
【0046】
以上の構成により、実施形態1に係る多点回収装置は、エジェクター30が発生する吸引力により、回収対象エリア内100の多点に存在する、複数の床面研掃機4の稼働により生じた塗膜片や研削材等の粉粒体からなる被回収物を複数の支流配管10の端部から吸引し、本流配管10を経由して回収対象エリア外200に排出して回収するようになっている。
【0047】
(実施形態2)
図7は、本発明の実施形態2に係る多点回収装置を示す全体構成図である。実施形態2に係る多点回収装置は、実施形態1に係る多点回収装置と同様に、石油タンク1内のブラスト工事により発生する塗膜片や研削材等の粉粒体からなる被回収物を回収するための装置である。以下、実施形態1と同一の構成については同一の符号を付し説明を省略する。
【0048】
実施形態2におけるブラスト工事は、いわゆるオープンブラスト方式によるものであり、床面への研削材噴射により散らばった塗膜片や研削材等の粉粒体を回収するものである。従って、実施形態2における被回収物は、床面に散らばった粉粒体の状態で、回収対象エリア内100の多点に存在することになる。
【0049】
回収対象エリア内100と回収対象エリア外200とは、本流配管10により結ばれている。本流配管10の一端は回収対象エリア内100に向けて延設されており、本流配管10の他端は石油タンク1のサイドマンホールを経由して回収対象エリア外200に設置されたホッパー50を経由して集塵機3に接続されている。なお、特開2013−071228号公報に開示された粉粒体分離処理装置を接続して、被回収物の分離処理を行うこともできる。
【0050】
各々の支流配管20の他端には、掃除機ヘッド51や床面掃除機52が接続されている。そして、床面に散らばった塗膜片や研削材等の粉粒体からなる被回収物を、掃除機ヘッド51や床面掃除機52を使用しながら、支流配管20の他端からエジェクター30が発生する吸引力により吸引し、本流配管10を経由して回収対象エリア外200に排出して回収するようになっている。支流配管20に接続する床面掃除機52としては、特開2012−143422号公報に開示された手押し床面掃除機等が挙げられる。
【0051】
以上の構成により、実施形態2に係る多点回収装置は、エジェクター30が発生する吸引力により、回収対象エリア内100の多点に集められた、塗膜片や研削材等の粉粒体からなる被回収物を複数の支流配管10の端部から吸引し、本流配管10を経由して回収対象エリア外200に排出して回収するようになっている。
【0052】
本実施形態に係る多点回収装置及び多点回収方法においては、回収対象エリア内100と回収対象エリア外200とを結ぶ本流配管10と、一端が本流配管10に接続された複数の支流配管20と、複数の支流配管20の途中に設けられたエジェクター30とが備えられている。また、本流配管10と支流配管20との合流部40において、上流側の本流配管11が下流側の本流配管12に挿入されて、上流側の本流配管11の外面と下流側の本流配管12の内面との間に隙間を生じさせるとともに、支流配管20が本流配管10(11,12)に対して上流側に傾いた状態で隙間に向けて開口するように接続されて、支流配管20からの流入により旋回流を発生させるように構成されている。そして、エジェクター30が発生する吸引力により、回収対象エリア内100の多点に存在する被回収物を複数の支流配管20の他端から吸引し、本流配管10を経由して回収対象エリア外200に排出して回収するようになっている。
【0053】
従って、まず回収対象エリア外200と回収対象エリア内100との間を、本流配管10の配置によりシンプルに構成することができる。さらに回収対象エリア内100においても、本流配管10から枝分かれした支流配管20を複数地点(多点)に広げるように配置することでシンプルに構成することができる。これにより、複雑な配管を原因とした作業効率の低下を防止することができる。そして、回収対象エリア内100の多点に存在する被回収物を、同時にかつ集中させながら排出し回収することができる。
【0054】
また、被回収物を回収するための吸引力を、エジェクター30を使用してコンパクトなシステム構成で実現することができる。これにより、回収対象エリア内100の多点に存在する被回収物を回収する場合であっても、メンテナンスに手間取る集塵機等の装置を各地点に配置する必要がない。
【0055】
また、本流配管10と支流配管20との合流部40において、支流配管20からの流れが上流側の本流配管11の外面と下流側の本流配管12の内面との間に生じた隙間に下流側に向かって流れ込むので、ドーナツ状の隙間に沿って回転しながら下流側に向かう旋回流を発生させることができ、本流配管10の流れを強くすることができる。
【0056】
また、合流部40において、上流側の本流配管11が下流側に向けてテーパー状に縮径し、下流側の本流配管12が下流側に向けてテーパー状に縮径するような構成としたことにより、本流配管の流れをより強くすることができる。
【0057】
また、エジェクター30において、圧縮空気の導入により旋回流を発生させる構成としたことにより、支流配管20の流れをより強くすることができる。
【0058】
また、被回収物が粉粒体であるため、特に効率的な回収が可能となる。
【0059】
以上、本実施形態に係る多点回収装置及び多点回収方法によれば、石油タンク1内のブラスト工事により発生する塗膜片や研削材等のように、広い回収対象エリア内100の多点に存在する被回収物を、効率的に回収対象エリア外200に排出して回収することができる。
【0060】
以上、本発明の実施形態に係る多点回収装置及び多点回収方法について説明したが、本発明は上述した実施の形態に限定されるわけではなく、その他種々の変更が可能である。
【0061】
例えば、本実施形態では、石油タンク内の床面研掃機を用いたブラスト工事について説明したが、その他にも、橋梁足場内のオープンブラスト工事における床面堆積した研削材排出、タンク内や工場内における複数台の床面掃除機を使用した広範囲の清掃、開放中のタンク床面への結露や雨水浸入に伴う排水作業等においても適用可能である。被回収物は粉粒体に限定されるものではなく、排水作業における液体等も対象とすることが可能である。
【符号の説明】
【0062】
1 石油タンク
2 コンプレッサー
3 集塵機
4 床面研掃機
5 エアー供給配管
6 架台
7 車輪
8 連結配管
9 サイクロン
10 本流配管
11 本流配管
12 本流配管
13 本流配管
14 本流配管
20 支流配管
30 エジェクター
31 圧縮空気導入管
32 吸入管
33 吐出管
40 合流部
50 ホッパー
51 掃除機ヘッド
52 床面掃除機
100 回収対象エリア内
200 回収対象エリア外
【要約】
【課題】石油タンク内のブラスト工事により発生する塗膜片や研削材等を回収する場合のように、タンク内、工場内、足場内といった広い回収対象エリア内の多点に存在する被回収物を、効率的に回収対象エリア外に排出して回収する。
【解決手段】回収対象エリア内100と回収対象エリア外200とを結ぶ本流配管10と、一端が本流配管10に接続された複数の支流配管20と、複数の支流配管20の途中に設けられたエジェクター30とを有し、本流配管10と支流配管20との合流部40において、支流配管20からの流入により旋回流を発生させるように構成されており、エジェクター30が発生する吸引力により、回収対象エリア内100の多点に存在する被回収物を複数の支流配管20の他端から吸引し、本流配管10を経由して回収対象エリア外200に排出して回収する。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7