(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6010215
(24)【登録日】2016年9月23日
(45)【発行日】2016年10月19日
(54)【発明の名称】多様なパターンを有する腹部材を備える合成桁
(51)【国際特許分類】
E04B 1/30 20060101AFI20161006BHJP
E01D 19/12 20060101ALI20161006BHJP
E04C 3/293 20060101ALI20161006BHJP
【FI】
E04B1/30 C
E01D19/12
E04C3/293
【請求項の数】6
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2015-504474(P2015-504474)
(86)(22)【出願日】2013年2月25日
(65)【公表番号】特表2015-514172(P2015-514172A)
(43)【公表日】2015年5月18日
(86)【国際出願番号】KR2013001464
(87)【国際公開番号】WO2013157732
(87)【国際公開日】20131024
【審査請求日】2014年10月1日
(31)【優先権主張番号】10-2012-0038850
(32)【優先日】2012年4月15日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】514248592
【氏名又は名称】ウォン、テヨン
(74)【代理人】
【識別番号】100082418
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 朔生
(72)【発明者】
【氏名】ウォン、テヨン
【審査官】
河内 悠
(56)【参考文献】
【文献】
特表2004−520511(JP,A)
【文献】
特開昭49−135421(JP,A)
【文献】
特公昭40−021463(JP,B1)
【文献】
実開昭50−069837(JP,U)
【文献】
特公昭40−014503(JP,B1)
【文献】
特開2004−353210(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04B 1/30
E01D 19/12
E04C 3/293
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
曲げ加工を通じてそれぞれ製作された所定形状の鋼部材を並べて連結して形成された腹部材を有する鋼材骨格構造を有し、
前記骨格構造の下部は先行圧縮力が導入されたコンクリート下弦材と結合され、前記骨格構造の上部はコンクリート上部床版と結合され、前記骨格構造の腹部材とコンクリート下弦材、及び骨格構造の腹部材とコンクリート上部床版で囲まれたそれぞれの腹部空間がコンクリートで充填されて、腹部材のみで囲まれた空間にはコンクリートは充填されず、腹部材が半円形の部材のみを備えるときにはコンクリートは腹部材とコンクリート上部床版で囲まれた空間に充填され、腹部材とコンクリート下弦材で囲まれた空間には充填されず、最終的には梁としての構造挙動を示すことを特徴とする、
合成桁。
【請求項2】
前記鋼材骨格構造の腹部材が、円形、ハート形状、不等号形状または半円形に製作された同一形状の単位部材のみで形成される連続パターンを備えることを特徴とする請求項1に記載の合成桁。
【請求項3】
前記鋼材骨格構造の腹部材が、円形、ハート形状、不等号形状及び半円形のうち少なくとも2つの形状で製作された単位部材を互いに組み合わせて形成される連続パターンを備えることを特徴とする請求項1に記載の合成桁。
【請求項4】
前記鋼材骨格構造が、円形、ハート形状、不等号形状または半円形に製作された単位部材で形成された腹部材のみで構成されることを特徴とする請求項1に記載の合成桁。
【請求項5】
前記鋼材骨格構造が、円形、ハート形状、不等号形状または半円形に製作された単位部材で形成された腹部材と、前記腹部材の上部に設けられ、コンクリート床版との合成挙動のためのせん断連結材が融着した縦方向梁とを備えることを特徴とする請求項1に記載の合成桁。
【請求項6】
前記鋼材骨格構造が、円形、ハート形状、不等号形状または半円に製作された単位部材で形成された腹部材と、前記腹部材の上部及び下部にそれぞれ設けられ、コンクリート部材との合成挙動のためのせん断連結材が融着した縦方向梁とを備え、外的荷重に独立的に抵抗することを特徴とする請求項1に記載の合成桁。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鋼材のみから構成される骨格構造を工場で予め製作し、架設現場に運んだ後、製作場または橋脚の上でせん断連結材を用いて前記骨格構造とコンクリート部材とを一体にして外部荷重に抵抗する合成桁(composite girder)構造において、鋼管、角管または圧延形鋼を高周波加熱による曲げ加工を通じて所定形状の単位部材に製作した後、これら単位部材を連結板を用いて結合して多様なパターンを有する腹部材を製作し、この腹部材の上部及び下部に縦方向の梁部材をそれぞれ結合して鋼材の骨格構造にした後、骨格構造の下部に取り付けられた縦方向の梁部材を所定形状のコンクリート部材と結合し、中空の腹部材の一部をコンクリートで充填することで、梁の構造挙動を示す複合断面を有する主桁を製作し、その後、骨格構造の上部に取り付けられた縦方向の梁部材とコンクリート上部床版とを結合することを主な特徴とする合成桁の開発に関する。
【0002】
本出願は、2012年4月15日出願の韓国特許出願第10−2012−0038850号に基づく優先権を主張し、該当出願の明細書及び図面に開示された内容は、すべて本出願に援用される。
【背景技術】
【0003】
従来の主桁は、腹部が壁式に塞がれている充腹構造、または、三角形状の開けられた空間を有するトラス構造でなっている。充腹構造の主桁は鉛直方向の外力を腹部材のせん断力をもって抵抗し、トラス構造の主桁は斜材の軸力をもって抵抗するということが2つの構造の最大の相違点である。
【0004】
主桁が充腹構造になっている場合は、せん断力の大きさの変化に従って腹部材の厚さ又は高さを変えることが、材料使用の面で望ましい。腹部材の厚さをせん断力の大きさに合わせて変える方法は、腹部材が鋼板からなる場合には適切に適用できるが、せん断座屈を防止するためには一定厚さ以上の鋼板が必要となるため、必ずしもせん断力の大きさのみによって腹部材を構成する鋼板の厚さが決定されることはないという問題がある。
また、腹部がコンクリートからなる場合には、通常せん断力が最大になる部分を基準に腹部材の厚さが決定され、結局、せん断力に対しては腹部材の抵抗能力に常に余裕があり、主桁の自重が必要以上に増えるという現象を引き起こす。
腹部材の過剰使用による主桁自重の増加を防止するためには、主桁の高さを減らすことが効果的な方法であるが、問題は主桁の高さがせん断力によって決定されるものではなく、主桁に生じる曲げモーメントの大きさとたわみなどの制約によって主に決定されるということである。曲げモーメントとたわみに対する主桁の抵抗性を増大させる最も効率的な方法は、主桁の高さを増加させることであるが、主桁の高さが増えればせん断力に対する抵抗能力の剰余度はその分さらに増え、不要な自重の増加とそれによる曲げモーメントの増加が引き起こされる。
さらに、連続梁構造では、せん断力の増加と同時に曲げモーメントの大きさも増加するため、主桁の高さを変化させてせん断力の変化に対応する方法を部分的に適用することもできるが、単純梁構造では、せん断力と曲げモーメントとの変化が互いに一致しないか又は逆になる傾向があるため、せん断力を減少させるために主桁の高さを減少させることはできない。
【0005】
一方、腹部がトラス構造からなる場合は、充腹構造でせん断力を引き起こす鉛直荷重が斜材の軸力に伝達されるため、せん断力の大きさに合わせて各斜材の断面諸元を変化させることができ、腹部材の過剰使用による自重増加の問題を根本的に解消することができる。主桁の自重を減らすための最も効果的な方法としては、材料効率性の優れた鋼材を腹部に使用するとともに、構造効率性の優れたトラス構造形式を用いる方法が挙げられる。トラス構造形式は腹部材の配置形状によって外観と名称が異なるが、そのうち構造特性及び材料効率性に最も優れる形式は、圧縮力と引張力を受ける斜材を交互に配置したワーレントラス(warren truss)構造である。
ワーレントラス構造は、構造物に加えられる鉛直荷重を最短経路を通じて支点に伝達し、プレストレス力のような外的水平荷重に対する抵抗性に優れるため、トラス下弦材にコンクリートを使用する合成トラス桁に用いられている。すなわち、隣接した斜材に働く軸力がコンクリート下弦材と交わる下部格点で圧縮力から引張力に転換されるが、この過程で水平力がコンクリート下弦材に伝達される。このとき、隣接した斜材の中心軸線とコンクリート下弦材の図心軸とが一点で一致しなければ、格点区間に大きいせん断力と偏心モーメントが働くようになる。コンクリート下弦材がこれらの力に安全に耐えられるためには、2つの斜材を連結する適切な形状の埋込鋼材と鉄筋を使用した格点部の補強、及びコンクリート下弦材に先行圧縮力を導入するためのPS鋼材の使用が必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したように、梁形式の主桁は、殆どの場合、せん断力に抵抗する腹部材部分が実際に働く鉛直力より大きい抵抗力を有するように製作されるため、不要な主桁自重の増加をもたらす。径間長が長くなるほど、主桁自重による断面力の占める比重が大きくなるため、より効率的な構造挙動と施工コストの節減のためには、腹部材形状の最適化を通じて主桁自重を減少できる方案が必要である。
【0007】
一方、腹部にトラス構造を用いれば、自重の軽減には非常に効率的であるが、トラス構造が有する以下の幾つかの特殊性のために設計及び施工に格段の注意が求められる。直線部材を組み合わせた三角形のトラス構造では、すべての格点区間で、互いに連結された部材の間で急激に力の方向が転換され、支点に近くなるほど斜材に働く軸力が大きくなって格点に加えられる局部的なせん断力の大きさも急激に大きくなる。
しかし、単純支持構造形式や連続支持構造の最外側径間の支点では、斜材軸力は大きくなるが、上弦材に生じる曲げモーメントによる軸力の大きさは支点に近くなるほど逆に急激に減少する。すなわち、この区間の上弦材の鋼板厚さは薄い一方、斜材の鋼板厚さは厚くならなければならず、深刻な部材間の厚さの差の問題が発生し、円滑な力の伝達と上弦材の局部的なせん断変形を防止するためには追加的な格点補強板の使用が不可避になる。
また、トラス構造では、軸力に抵抗する斜材と、曲げモーメントに抵抗する上弦材及び下弦材とが互いに交わる格点で、異なる作用方向を有する力が互いに交差するようになるが、この力が各部材の図心軸に沿って格点区間内の一点で一致できるように設計に細心の注意を払わなければならない。従来の鋼トラス構造では、格点区間に非常に大きいガセット板(gusset plate)をさらに取り付け、互いに連結されたトラス構成部材の作用力が格点内の一点で交わるようにした。
しかし、腹部材に鋼管を使用し、コンクリートからなる下弦材を有する合成トラス桁橋の場合は、露出した大きい規模のガセット板を使用するときに生じる様々な問題、コンクリートと鋼材との接触面の腐食による維持管理の問題、そして相対的に低い桁高による景観阻害などの問題から、コンクリートからなる弦材内に埋め込まれる剛結格点構造が主に用いられる。この場合、隣接した斜材に働く軸力は直接または間接的にコンクリート弦材のみを通じて伝達される。この過程で、斜材に働く軸力の鉛直成分及び剛結処里による局部的な斜材の曲げモーメントが格点区間で発生するが、この力によってコンクリート下弦材に有害な亀裂が誘発されないように格段の設計上の注意を払わなければならない。
一方、径間長が長くなるほど、位置によって斜材に働く軸力の絶対値の差が大きくなり、そのために使用される斜材及び格点の諸元も多様にならなければならない。しかし、設計及び製作上の単純化を図るため、あまり多くの種類の斜材と格点を使用することは避けるべきであり、それ故に結局、計算上必要な量より多量の鋼材を使用しなければならない場合が頻繁に発生する。
【0008】
トラスを構成する斜材間の顕著な断面力の差によって不要に鋼材の使用量が増えるという問題を解決するため、ワーレントラスをトラスの半格点間隔(格点間隔の半分)で互いに重ねたダブルワーレントラス(Double Warren truss)構造を適用する方案もあるが、持続的な維持管理を要する格点数が却って二倍に増加し、互いに交差する斜材区間の処理、中間橋脚における斜材の支点処理、及び透視性の低下などの問題のため非常に特別な場合を除いてはあまり用いられない。
また、コンクリート下弦材を有する合成トラス桁を連続構造に適用するときに生じるさらに他の問題の一つは、中間支点部における局部的な曲げたわみの拘束によってコンクリート下弦材に非常に大きい曲げモーメントが生じる現象である。これは、トラスを構成する全ての部材要素は格点において互いにピン構造で結合されるという理想的なトラス挙動とは違って、格点区間でコンクリート下弦材が曲げ剛性を有する連続梁部材で結合されるために発生する現象である。
このような問題を解決するため、従来の鋼トラス橋とは違って、合成トラス桁橋では、各中間支点に剛性の非常に大きいコンクリート隔壁をトラスの格点1つないし3つ毎に追加的に設けることで、コンクリート下弦材に発生する局部的な曲げモーメントに抵抗するようにしているが、隔壁設置によるコストの増加、自重の増加による使用支点の容量増加、及び下部支持構造の規格増加などの問題がさらに引き起こされる。
【0009】
以上のように、コンクリート下弦材を備える従来の合成トラス桁は、全体的な力の流れにおいてはトラスの構造挙動を示すため、自重軽減という本来の目的は果たせるものの、位置による斜材と上弦材との間の断面力発生傾向のバラツキ、多様な規格の斜材及び格点諸元使用の制約、剛結格点の使用による格点区間内の局部的な大きい断面力の発生、中間支点部の隔壁設置による問題などのさらなる解決すべき課題を有している。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明では、上述した合成トラス桁の問題点を解決するため、従来の三角形のトラス構造の代わりに、部材間の円滑な力の伝達が可能な多様なパターンを腹部材に使用し、主要施工段階によって主桁の構造形式をトラス構造から梁構造に変える合成桁橋を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明の合成桁は、トラスと類似の構造挙動を示す鋼材からなる骨格構造、骨格構造の下部鋼材を完全に囲むコンクリート下弦材、骨格構造の腹部空間の一部を埋めるコンクリート腹部材、及び骨格構造の上弦材と結合されるコンクリート床版を備える。
このとき、鋼材からなる骨格構造としては、直線である一対の斜材が上弦材または下弦材と交わる所で一定の傾斜角で交差する従来のトラス構造の代りに、腹部材に円形または半円の形状を有する部材を使用することで、腹部材に加えられる鉛直力が上弦材と下弦材を通じなくても、隣接した腹部材に直接伝達される荷重経路を形成させ、腹部材が上弦材または下弦材と交わる位置では腹部材に働く軸力と弦材の軸力方向とが互いに平行または直角になるようにすることで、最短距離で力が伝達される直接せん断(direct shear)による部材間の力の伝達が行われるようにする。
鋼材からなる骨格構造の腹部材としてハート形状を有する部材を使用することで、鉛直力が腹部材間の直接結合を通じて伝達でき、腹部材と上弦材との間の力の伝達は、2つの部材を水平に並べて配置することで直接せん断によって行われ、腹部材と下弦材との間の力の伝達は、部材間の交差角を約70度程度にすることができるため、格点規模が従来のトラス構造に比べて大幅に縮小される。
また、直線の軸方向部材が形成される部分の長さが大幅に短くなることで、圧縮力を受けるときの座屈に対する抵抗性が大きく向上し、同じ格点間隔を維持しながらも斜材の傾斜角を大きくする効果が得られるため、腹部材の規格が減少する。さらに、腹部材と上弦材とがほとんど格点の全区間に亘って重なることで、鉛直力の一部が上弦材と腹部材とのせん断抵抗を通じても伝達できるようにする。
また、骨格構造の腹部材として菱形形状の部材を連続して配置すれば、従来のダブルワーレントラスのように、腹部材に働く軸力を分散させることと同様の構造挙動を確保することができる。さらに、腹部材に生じる鉛直力を上弦材及び下弦材を通じなくて腹部材間の直接せん断を通じて伝達させ、腹部材に働く軸力の方向転換によって生じる水平力も直接せん断の形態で上弦材及び下弦材に伝達させることができる。
【0011】
上述した腹部材の形状を変化させて格点に働く力の大きさを減少させることとは別に、本発明の他の主要目的は、主桁の構造形式を施工段階によって類似トラス構造から梁構造に変える方法を通じて、主桁に働く鉛直力を腹部材の軸方向抵抗だけでなく、腹部材、上弦材、下弦材、そして連結部補強板のせん断抵抗をもっても支持できる軽量の合成桁を製作することにある。すなわち、主桁の基本骨格になる鋼材の骨格構造を用いて主桁を形成する段階ではトラスと類似の構造挙動が支配的な構造になるようにし、コンクリート上部床版と結合される段階及び供用中の状態では主桁が
梁の構造挙動を示すようにする。
【0012】
本発明による合成桁を各構成部材毎に自重をもって比べると、全体自重で鋼材の骨格構造が15%、コンクリート下弦材が30%、コンクリート上部床版が55%程度の比重をそれぞれ占め、橋梁構造物に使用される場合は、縁石及び舗装などの追加固定荷重、そして車両などの移動荷重の大きさは合成桁自重の約30%程度になる。すなわち、コンクリート下弦材が形成される段階までの鉛直力は全体大きさの約35%程度であり、その後供用段階まで主桁に追加的に加えられる鉛直力は約65%であって、主桁のせん断抵抗を通じて鉛直力を分担できる構造になれば腹部材の規格を減らせるようになり、その結果、腹部材と上弦材または下弦材とが交わる所に設けられる格点の規模を大きく減少できるようになる。
上記の目的を達成するため、本発明による合成桁は、腹部に設けられる開口部のうち、腹部材のみで囲まれた空間を除いた残りの空間を厚さ150mm前後の薄い鉄筋コンクリート構造で埋めて梁と同様の構造挙動を示すようにする。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明による腹部材を製作するための単位部材の平面図である。
【
図2】本発明による単位部材の製作に使用される部材の断面図である。
【
図3】本発明による単位部材の曲げ加工のための装置概要図である。
【
図5】本発明による鋼材骨格構造の部材間の力の流れを示した図である。
【
図6】本発明による単位部材間の組合せで製作できる鋼材骨格構造の例示図である。
【
図7】本発明の望ましい第1実施例による合成桁の施工手順図である。
【
図8】本発明の望ましい第2実施例による合成桁の施工手順図である。
【
図9】本発明の望ましい第3実施例による合成桁の施工手順図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を具体的に説明するため、実施例を示した添付図面に基づいて詳しく説明する。
図1は、本発明による腹部材を製作するために使用される単位部材の形状を示した図である。
図1に示されたように、本発明による合成桁の腹部材は、所定の半径Rに曲げ加工された円形1、ハート形状2、不等号形状3、及び半円形4の単位部材を用いて一定間隔で多様なパターンを有するように製作される。
【0015】
図2は、本発明による単位部材に使用される断面形状を示した図であり、曲げ加工による材料特性の変化が最小化できる円形鋼管、四角管または圧延形鋼(H形鋼、
)の断面からなる。
【0016】
図3は、本発明による単位部材を製作するための装置の概要を示した図である。
図3に示されたように、円曲線が始まる部分に一定半径を維持させる固定用クランプ5が取り付けられ、直線部材が固定ローラ7の後方に設けられた高周波加熱装置6を通過しながら所定半径Rに曲げ加工される。すなわち、高温の高周波加熱による曲げ加工を施すことで、鋼材固有の材料特性の損傷を最小化でき、常温における冷間加工に比べて曲線半径を2倍以上小さくすることができる。
【0017】
図4は、本発明による単位部材を用いて具現できる鋼材骨格構造の形状を示した図である。本発明による単位部材を使用して具現できる類似トラス構造は、大きく4種類の基本形状に区分することができる。
まず、円形単位部材1を連結板10の融着によって互いに連結して腹部材を形成した後、腹部材の上部と下部にそれぞれ上弦材8と下弦材9を融着して骨格構造を形成し、支点が位置する両端部には腹部補強板11を取り付けることで、腹部に円形の開口部を有する鋼材骨格構造を製作する(
図4の(a))。
腹部にハート形状の開口部を有する鋼材骨格構造は、ハート形状の単位部材2の曲線加工された部分を連結板10の融着によって互いに連結して腹部材を形成した後、腹部材の上部は水平の直線区間に沿って上弦材8と融着し、腹部材の下部はハート形状の単位部材2を閉合するために融着した補強板12と下弦材9とを互いに融着することで製作する(
図4の(b))。
腹部に菱形形状の開口部を有する鋼材骨格構造は、不等号形状の単位部材3の曲線加工された部分を互いに対向するように配置した後、連結板10の融着によって互いに連結して腹部材を形成した後、腹部材の上部と下部にそれぞれ上弦材8と下弦材9を融着することで製作する(
図4の(c))。
腹部に半円形状の開口部を有する鋼材骨格構造は、半円形の単位部材4の下端を融着によって互いに連結して腹部材を形成した後、腹部材の上部と下部にそれぞれ上弦材8と下弦材9を融着することで製作する(
図4の(d))。
【0018】
図5は、本発明による鋼材骨格構造の部材間の力の流れを示した図である。
図5の(a)に示されたように、円形の単位部材を腹部材に使用するときは、外部荷重による鉛直力は腹部材が上弦材及び下弦材と交わる位置ではせん断力の形態で働き、腹部材同士が接する腹部の中央では鉛直方向の軸力に力の方向が変わり、単位部材の前方と後方の連結点に働く鉛直軸力V
1、V
2の差によって単位部材が鉛直力の小さい方に回転しようとする挙動が生じ、この回転挙動を拘束するために上弦材には圧縮力C
1、C
2が生じ、下弦材には引張力T
1、T
2がそれぞれ生じる。すなわち、従来のトラス構造では全ての鉛直力が直線の斜材軸力のみによって伝達されるが、本発明による円形の腹部構造を有する骨格構造では高次不静定の構造抵抗性に優れた円構造を通じて鉛直力に抵抗する構造特性を有する。
【0019】
図5の(b)に示されたように、ハート形状の単位部材を腹部材に使用するときは、単位部材間の連結点を基準にして上弦材側と下弦材側にそれぞれの三角形のトラス構造が形成され、その結果、単位部材の連結点に加えられる鉛直力V
1、V
2は上下に位置した2つのトラス構造に分担され、上部トラスに伝達される鉛直力成分によって上弦材には圧縮力C
1、C
2が生じ、下部トラスに伝達される鉛直力成分によって下弦材には引張力T
1、T
2がそれぞれ生じる。
従来のトラス構造では、斜材に働く軸力は部材の全体の長さに亘って大きさと方向が常に一定に維持され、弦材と交わる格点区間のみで作用力の大きさと方向が変化する特性を有しているため、全体鉛直力が1つの格点のみに集中される現象が発生したが、本発明によるハート形状の腹部構造を有する骨格構造では、1つの腹部材に働く力の大きさと方向を部材の位置毎に異なるように変えることができ、弦材と交わる格点に作用する鉛直力の絶対値を減少させる。また、鉛直力が集中される腹部材間の連結点を上弦材と下弦材との間に位置させることで、上弦材と下弦材とのせん断抵抗を通じても鉛直力の一部が分担できるようにした。
【0020】
図5の(c)に示されたように、不等号形状の単位部材を用いて菱形形状の腹部材を構築するときは、腹部材間の連結点を基準にして上弦材側と下弦材側に同じ諸元の2つの三角形のトラス構造が形成される。その結果、単位部材連結点に加えられる鉛直力V
1、V
2は上下に位置した2つのトラス構造に同等に分担され、上部トラスに伝達される鉛直力成分によって上弦材には圧縮力C
1、C
2が生じ、下部トラスに伝達される鉛直力成分によって下弦材には引張力T
1、T
2がそれぞれ生じる。すなわち、本発明による菱形形状の腹部構造を有する骨格構造は、従来のダブルワーレントラス構造と同じ構造挙動を示す。
【0021】
一方、
図5の(d)に示されたように、半円形状の腹部材を有する場合は、上弦材に働く鉛直荷重は上弦材と腹部材とが交わる位置における集中荷重として働き、この集中荷重は腹部材のアーチ作用を通じて腹部材と下弦材とが交わる位置で水平力と鉛直反力に転換される。このときの水平力は下弦材に引張力T
1、T
2を誘発させ、鉛直反力は腹部材の間の直接せん断を通じて隣接した腹部材に伝達される。一方、下弦材に働く鉛直荷重は、半円の腹部材の終端を支点にする連続梁構造として挙動する下弦材の曲げ抵抗を通じて支点に伝達され、支点に伝達された鉛直力は腹部材のアーチ作用を通じて半円の頂点の方に伝達される。そして、この鉛直力は半円の頂点で水平力とせん断力にそれぞれ転換されるが、水平力は上弦材の圧縮力C
1、C
2を誘発させ、せん断力V
1、V
2は腹部材のアーチ作用を通じて反対側の腹部材の終端に伝達される。
【0022】
図6は、本発明による同一または他のパターンの単位部材を2つ以上組み合わせたパターンの腹部材を有する鋼材骨格構造の形状を示した図である。
まず、
図6の(a)に示されたように、円形の単位部材1が連結板10を介して互いに連結された腹部材に、直角の内角を有する不等号形状の単位部材3を用いて円形の単位部材1を、上弦材8と下弦材9を通じてそれぞれ追加的に連結することで、円形の腹部材1に生じるせん断力とモーメントの大きさを大幅に減少させると共に、上弦材と下弦材に働く鉛直荷重を分散させる効果を得ることができる。
円形の単位部材1に生じるせん断力とモーメントを減少できる他の構造としては、直角の内角を有する一対の不等号形状の単位部材3を円形の単位部材1内部に融着し、腹部材を自動車のホイールのような形状にする構造がある(
図6の(b))。
また、
図6の(c)に示されたように、一対のハート形状の単位部材2を水平線に対して互いに対向させた後、連結板10を融着して蝶形状のパターンを有する腹部材を有する鋼材骨格構造を製作することができる。
一方、半円形状の腹部材を有する鋼材骨格構造は、腹部材の高さが同じときは他のパターンの腹部材に比べて最も広い開口部を確保できるという長所がある一方、半円の腹部材に生じるせん断力とモーメントの大きさが他のパターンに比べて著しく大きくなるという短所がある。このような短所を補うため、
図6の(d)に示されたように、半円形状の腹部材4の内部と外部に大きさの異なる2つの不等号形状の単位部材3をさらに付け加えて、上弦材8と下弦材9に連結される荷重伝達経路を新たに設ければ、半円形状の腹部材に生じるせん断力と曲げモーメントの大きさを著しく減少できると同時に、上弦材と下弦材に生じる曲げモーメントも大幅に減少する。
【0023】
図7は、本発明の望ましい第1実施例による合成桁の施工手順を示した図である。本発明による合成桁は、桁形成前の自重を含む施工荷重が別途の支保施設によって支持される架設工法が適用される場合には、腹部材のみで構成された鋼材骨格構造のみを用いて製作することができる。
まず、
図7の(a)に示したように、コンクリートとの結合のためにせん断連結材13を備えた腹部材4を、連結板12を用いて連結した後、
図7の(b)に示したように、腹部材4をコンクリート下弦材14とコンクリート上部床版15に結合し、コンクリート上部床版15と腹部材4との間の空間を腹部コンクリート16で充填して梁(beam)の構造挙動を示す合成桁を製作する。このとき、外部荷重によって引張応力が生じるコンクリート下弦材にはコンクリートの内部に埋め込まれた高強度PS鋼材17を用いて先行圧縮力Pを導入させる。
【0024】
図8は、本発明の望ましい第2実施例による合成桁の施工手順を示した図である。本発明による合成桁は、合成前に主桁をクレーンを用いて一括据付け可能な架設与件を有する場合には、腹部材と上弦材のみで構成された鋼材骨格構造のみを用いて製作することができる。
まず、
図8の(a)に示したように、所定形状の単位部材2に連結板10、12を融着して腹部材を形成し、腹部材とコンクリート床版との結合のためにせん断連結材13を備えた鋼材の上弦材(縦方向梁)8と腹部材とを融着して鋼材骨格構造を製作する。次いで、
図8の(b)に示したように、別に造成された地上の空間で、鋼材骨格構造を、内部に埋め込まれた高強度PS鋼材17を用いて先行圧縮力Pを導入させたコンクリート下弦材14と腹部コンクリート16に結合させて複合主桁を製作する。その後、製作された主桁をクレーンを用いて橋脚や柱の上に据え付け、据え付けられた主桁とコンクリート上部床版15とを合成させて合成桁を完成する(
図8の(c))。
【0025】
図9は、本発明の望ましい第3実施例による合成桁の施工手順を示した図である。本発明による合成桁は、径間長が非常に長いか又は大型クレーンの使用が困難であり、
図8に示されたような施工手順で架設できない場合に、鋼材骨格構造のみで外的荷重に対して抵抗できるように腹部材、上弦材及び下弦材を全て備える。
まず、
図9の(a)に示したように、所定形状の単位部材1に連結板10を融着して腹部材を形成し、腹部材とコンクリート床版との結合のためにせん断連結材13を備えた鋼材の上弦材(縦方向梁)8と下弦材(縦方向梁)9をそれぞれ腹部材に融着して鋼材骨格構造を製作する。次いで、
図10の(b)に示したように、鋼材骨格構造をクレーンを用いて橋脚や柱の上に据え付けてコンクリート下弦材14と結合し、コンクリート下弦材14に埋め込まれた高強度PS鋼材17を用いて先行圧縮力Pを導入させる。その後、
図10の(c)に示したように、鋼材骨格構造の上弦材9とコンクリート上部床版15とを合成させ、鋼材骨格構造の腹部材1とコンクリート下弦材及びコンクリート上部床版とで囲まれた空いた空間を腹部コンクリート16で充填して合成桁を完成する。
【0026】
上述した本発明による実施例は様々な形態に変形でき、本発明の範囲が上述された実施例に限定されると解釈されてはならない。また、本発明の実施例を説明するために使用された用語は、本発明を説明するために使用されたものであって、意味の限定や特許請求の範囲に記載される本発明の範囲を制限するものではないことは言うまでもない。
【0027】
本発明による合成桁の主要効果は次のようである。
第一、腹部材と上弦材または下弦材とが互いに交わる箇所の格点構造を簡素化することができ、施工性と維持管理性が大きく向上する。
第二、腹部材に加えられる軸力の絶対値が低減して、径間長が長い構造に用いられる場合にも、使用される腹部材の規格を2又は3種類以下にすることができ、製品購入が容易になって鋼部材の製作効率も大幅に向上する。
第三、腹部空間に多様なパターンを導入することで、新たな感覚が感じられる美観性に優れた合成桁構造を建設することができる。
第四、トラス構造と梁構造の長所、及び鋼材とコンクリートが有する長所を施工条件と施工段階によって適切に組み合わせることができ、経済性と施工性を同時に満足する合成桁構造の建設が可能になる。
【符号の説明】
【0028】
1 腹部材を製作するための円形単位部材
2 腹部材を製作するためのハート形状単位部材
3 腹部材を製作するための不等号形状単位部材
4 腹部材を製作するための半円形単位部材
5 単位部材の曲げ加工のための固定クランプ
6 高周波加熱装置
7 固定ローラ
8 鋼材骨格構造の上弦材
9 鋼材骨格構造の下弦材
10 単位部材の連結板
11 支点補強板
12 単位部材の下部連結板
13 せん断連結材
14 コンクリート下弦材
15 コンクリート上部床版
16 腹部コンクリート
17 高強度PS鋼材