【課題を解決するための手段】
【0007】
特に興味がある見地は、前記照明
装置からの照明の均一性の程度である。
【0008】
本発明は、添付独立請求項により規定される。実施例は、添付請求項、本明細書及び添付図面に記載される。
【0009】
第1の見地によれば、長手方向の軸に沿ってパターン状に配されていると共に第1の波長範囲の光を発する少なくとも2つの光源を備える照明
装置が、提供される。前記照明
装置は、前記少なくとも2つの光源から離れて配されている波長変換層を有する。前記波長変換層は、前記少なくとも2つの光源から発された光を受け取り、前記第1の波長範囲の光を第2の波長範囲の光に変換する。スペクトル選択(spectrally selective)層は、前記少なくとも2つの光源と前記波長変換層との間に配される。前記スペクトル選択層は、所定の角度より小さい入射角を有する前記第1の波長範囲の光を反射すると共に、前記所定の角度より大きい入射角を有する前記第1の波長範囲の光を透過する。
【0010】
「スペクトル選択層」とは、幾らかの波長に対して実質的に透明であると共に他の波長に対しては透明でない層を意味している。前記スペクトル選択層は、前記照明
装置内部の、光混合チャンバを作るのを助けることもでき、ここから特定の種類の光は漏出する可能性が低い。「入射角」とは、表面上に入射する光線と入射の位置における前記表面に対する方向とにより形成される角度を意味している。
【0011】
前記スペクトル選択層は、前記照明
装置からの前記照明がより一様になるように前記光源からの光を拡散するのを助けることができる。前記第1の波長範囲の垂直な入射光が前記スペクトル選択層により反射されるという事実は、前記光源の近くで前記波長変換層に当たる特定の光源からの光の強度を減少させることができる。従って、個々の光源は、観察者に対して、より拡散され、より点光源でないように見えることができる。このことは、前記照明
装置からの照明の均一性を改善することができる。
【0012】
更に、前記スペクトル選択層は、前記第1の波長範囲の光(即ち前記光源からの光)に影響を与えるように適応化されており、この結果、前記最も高い輝度を有する光が最も拡散される光であり得る。このことは、前記均一性を増大させるための特に効率的な仕方であっても良く、強度及び色の両方の観点において、前記照明
装置からの照明の均一性を増大させる。この種類のスペクトル選択層を備える照明
装置における光学損失は、全ての波長の光をおおよそ等しく拡散させる拡散器を備える照明装置における光学損失よりも小さいものであり得る。
【0013】
前記第1の波長範囲は、青色光の波長の全て又は一部を含むことができる。前記第2の波長範囲は、緑色光、黄色光及び/又は赤色光の前記波長の全て又は一部を含んでもよい。前記第2の波長範囲の前記光の最も高い強度は、黄色光の波長範囲内にあっても良い。
【0014】
前記所定の角度は、2つの光源間の距離及び光源と前記スペクトル選択層との間の距離に依存することができる。例えば、前記長手方向において、長手方向に等距離に光源を備える照明
装置は、光の入射の位置が前記長手方向において、発光している光源から離れている長手方向の距離の約半分よりも小さい前記光を反射する。このことの効果は、1つの光源からの光が前記光源のすぐ上方に発されないことにある。更に大きな広がりが望まれる場合、前記発光している光源からの必要な距離は光源間の距離の2、3又は4倍でさえある。
【0015】
前記スペクトル選択層は、前記波長変換層と接触して配されることができる。例えば、前記スペクトル選択層は、前記波長変換層の前記光源に向かって指向される側に設けられても良い。前記スペクトル選択層は、完全に又は部分的に前記波長変換層を覆う。前記スペクトル選択層及び前記波長変換層を、これら2つの層間に1つの境界のみが存在するように、一体化することは、望ましくないフレネル反射を減少し、前記照明
装置により生成される照明の焦点を改善することができる。
【0016】
代替的には、前記スペクトル選択層は、前記波長変換層及び前記光源から距離を置いて配されることができる。互いから離間して前記波長変換層及び前記スペクトル選択層を配することは、費用的な観点から有利であり得る。
【0017】
前記スペクトル選択層は、柱筒(cylinder)の一部の形状を有していても良い。このような形状を有するスペクトル選択層は、作成するのに単純であり、本発明に特に適している。柱筒の底部は如何なる形状を有することもできることに留意されたい。例えば、前記柱筒は、実質的に円形の柱筒又は実質的に楕円形の柱筒であっても良い。「実質的に円形の柱筒」とは、完全な円形柱筒の形状からの如何なる偏差の大きさも、前記柱筒の半径及び長さに対して小さいことを意味している。「実質的に楕円形の柱筒」の意味も、同様に規定される。前記柱筒は、前記長手方向の軸に実質的に中心を合わせられていても良い。「実質的に中心を合わせられる」とは、前記柱筒の中心軸と前記長手方向の軸との間の如何なる距離も、前記柱筒の長さ及び前記柱筒の底部の最大幅に対して小さいことを意味している。
【0018】
前記スペクトル選択層は、入射光を前記長手方向の軸に対して垂直な方向に拡散するように適応化されていても良い。「入射光を前記長手方向に拡散する」とは、前記スペクトル選択層に当たる光の長手方向における方向成分が、反射により変化することを意味している。例えば、反射前に前記長手方向の方向成分を有さない光が、反射後にこのような方向成分を有することもできる。この構造は、前記光源により発される光の拡散を増大させるように機能し、前記照明
装置からの照明をより一様にすることができる。光を拡散するために、前記スペクトル選択層は、前記スペクトル選択層により反射される又は透過される光の方向を、拡散させる及び/又はランダム化するように適応化された形状を有していても良い。例えば、前記スペクトル選択層は、規則的又は不規則なパターンにおける突起及び/又は窪みを有することができる。前記スペクトル選択層は、前記長手方向において僅かに波形の形状、僅かに湾曲された形状、僅かに曲げられた形状及び/又は僅かに指向された形状を有していても良い。前記スペクトル選択層の前記光源に面する表面は、光を拡散するのに適している規則的又は不規則な三次元構造を有していても良い。
【0019】
例えば、円形柱筒状形状の場合、前記長手方向の軸に垂直な平面における前記スペクトル選択層の断面が、実質的に円の弧の形状を有する。「実質的に円の弧の形状」を有することによって、完全な円の弧の形状からの如何なる偏差の大きさも、前記円の半径に対して小さいことを意味している。このような断面を有するスペクトル選択層は、特に本発明に適している。前記円は、前記長手方向の軸に実質的に中心を合わせられることが可能である。「前記長手方向の軸に実質的に中心を合わせられ」ている円とは、前記円の中心と前記長手方向の軸との間の如何なる距離も前記円の半径に対して小さいことを意味する。前記半径は、「波形」層を提供するように、前記長手方向の軸に沿って変化することができる。変形の程度は、好ましくは1〜3である。
【0020】
前記照明
装置は、前記波長変換層及び/又は前記スペクトル選択層に向かって光を反射するための少なくとも1つのリフレクタを有することができる。少なくとも1つのこのようなリフレクタを設けることは、結果として、光学損失の減少及び前記照明
装置の向上された効率をもたらす。例えば、前記スペクトル選択層により反射される光は、前記リフレクタに反射し、場合によると透過を許容している入射角において、再び前記スペクトル選択層に当たっても良い。更に、前記照明
装置の内側に向かって前記波長変換層により発される光は、前記リフレクタによって、前記照明
装置の外側に向かって再指向されることができる。
【0021】
前記少なくとも1つのリフレクタは、拡散リフレクタであっても良い。拡散リフレクタを設けることは、結果として、前記リフレクタに反射する光が効率的に広げられることをもたらし、従って、前記照明装置からの照明の増大された均一性をもたらす。代替的には、前記リフレクタは、鏡面リフレクタであっても良い。
【0022】
前記波長変換層は、1つ以上の蛍光体を有していても良い。共通に利用可能な異なる励起及び発光特性を有する多くの蛍光体が存在し、アプリケーションの異なる種類に適している照明
装置の提供を容易にする何かしらが存在する。前記1つ以上の蛍光体により発される光は、高輝度の黄色スペクトルを有していても良い。
【0023】
前記光源は、固体状態照明(SSL)装置であっても良い。SSL装置は、長い寿命を有しエネルギー効率的である。更に、SSL装置は、水銀を含まず、SSL装置の堅牢性及び小型さは、SSL装置を多用途なものにすると共に多くのアプリケーションに適したものとする。前記光源は、同じ種類又は異なる種類のものであり得る。前記光源は青色光を発するのに適応化されることができる。光源は、例えば、青色LEDであっても良い。特に青色光を発する光源と組み合わせて使用されるのに適したものとする励起及び発光特性を備える波長変換層を形成することが可能であり、高品質の青色LEDは低コストで商業的に入手可能である。
【0024】
前記照明
装置は、支持構造と、前記支持構造に沿って配される管状のカバーとを有することができ、前記少なくとも2つの光源は前記支持構造上に配され、前記管状のカバーは前記波長変換層を備えている。前記波長変換層は、例えば、コーティングの形態において、例えば、前記管状のカバー上に設けられることができ、又は前記管状のカバー内に分散されることができる。このようにして形成される管状照明装置は、多くの家庭的な、商業的な又は産業的な用途を有することができる。
【0025】
本発明は、添付の請求項において詳述されている特徴の全てのあり得る組合せに関するものであることに留意されたい。
【0026】
本発明のこれら及び他の見地は、ここで、本発明の実施例を示している添付図面を参照して以下で詳細に記載される。