特許第6010251号(P6010251)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ アルカテル−ルーセントの特許一覧

特許6010251疑似回線を集約するためのシステムおよび方法
<>
  • 特許6010251-疑似回線を集約するためのシステムおよび方法 図000002
  • 特許6010251-疑似回線を集約するためのシステムおよび方法 図000003
  • 特許6010251-疑似回線を集約するためのシステムおよび方法 図000004
  • 特許6010251-疑似回線を集約するためのシステムおよび方法 図000005
  • 特許6010251-疑似回線を集約するためのシステムおよび方法 図000006
  • 特許6010251-疑似回線を集約するためのシステムおよび方法 図000007
  • 特許6010251-疑似回線を集約するためのシステムおよび方法 図000008
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6010251
(24)【登録日】2016年9月23日
(45)【発行日】2016年10月19日
(54)【発明の名称】疑似回線を集約するためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   H04L 12/723 20130101AFI20161006BHJP
   H04L 12/715 20130101ALI20161006BHJP
【FI】
   H04L12/723
   H04L12/715
【請求項の数】10
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2016-500797(P2016-500797)
(86)(22)【出願日】2014年3月7日
(65)【公表番号】特表2016-510967(P2016-510967A)
(43)【公表日】2016年4月11日
(86)【国際出願番号】US2014021621
(87)【国際公開番号】WO2014149951
(87)【国際公開日】20140925
【審査請求日】2015年10月14日
(31)【優先権主張番号】13/834,504
(32)【優先日】2013年3月15日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】391030332
【氏名又は名称】アルカテル−ルーセント
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】特許業務法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ダッタ,プランジャル・ケイ
【審査官】 大石 博見
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2012/055247(WO,A1)
【文献】 特開2010−004350(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 12/723
H04L 12/715
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
終端プロバイダエッジデバイス(T−PE)のペアの間の第1の集約疑似回線(A−PW)を、プロセッサおよびメモリを備えるサービスプロバイダエッジ(S−PE)デバイスにより確立することであって、前記第1のA−PWが、前記T−PEのペアの間の1つまたは複数のサービス疑似回線(S−PW)をサポートするための第1のサービスクラスのマルチセグメントPW(MS−PW)を備え、前記S−PWが、前記第1のサービスクラスのシングルセグメントPW(SS−PW)を備える、確立すること
を備え、前記確立することが、
送信元T−PEにアドバタイズされる第1のサービスラベルを宛先T−PEから受信することと、
第2のサービスラベルを送信元T−PEへアドバタイズすることと
を備え、
前記第1および第2のサービスラベルが、前記送信元T−PEおよび前記宛先T−PE間にA−PWを形成し、A−PWが前記第1のA−PWである、方法。
【請求項2】
前記確立することが、
前記宛先T−PEにアドバタイズされる第3のサービスラベルを前記送信元T−PEから受信することと、
第4のサービスラベルを前記宛先T−PEへアドバタイズすることと
をさらに備え、
前記第3および第4のサービスラベルが、前記送信元T−PEおよび前記宛先T−PE間に逆向きのA−PWを形成し、逆向きのA−PWが前記第1のA−PWである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記終端プロバイダエッジデバイス(T−PE)のペアの間の第2の集約疑似回線(A−PW)を、前記サービスプロバイダエッジ(S−PE)デバイスにより確立することであって、前記第2のA−PWが、前記T−PEのペアの間の1つまたは複数のサービス疑似回線(S−PW)をサポートするための第2のサービスクラスのマルチセグメントPW(MS−PW)を備え、前記S−PWが、前記第2のサービスクラスのシングルセグメントPW(SS−PW)を備える、確立すること
をさらに備え、前記第2のA−PWを前記確立することが、
送信元T−PEにアドバタイズされる第3のサービスラベルを宛先T−PEから受信することと、
第4のサービスラベルを送信元T−PEへアドバタイズすることと
を備え、
前記第3および第4のサービスラベルが、前記送信元T−PEおよび前記宛先送信元T−PE間にA−PWを形成し、A−PWが前記第2のA−PWである、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記確立することが、
複数の追加のサービスクラスの各々に対して、前記T−PEのペアの間の対応する複数の集約疑似回線(A−PW)を提供するため、または、
複数の追加のT−PEのペアの各々に対して、前記追加のT−PEのペアの各々の間で前記第1のサービスクラスの対応するA−PWを提供するため、
のうちの少なくともいずれかで反復される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記確立することが、T−PEの複数のペアの各々に対して、および、前記T−PEのペアの各所望のサービスクラスに対して行われて、各T−PEのペアの各所望のサービスクラスに対するA−PWを提供する、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
第1のサービスクラスの前記MS−PWを備える第1のA−PWを前記確立することが、前記宛先T−PEが前記送信元T−PEとの前記第1のサービスクラスのS−PWの開始に失敗したことに応じて行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記第1のサービスクラスの前記第1のA−PWが前記第1のサービスクラスの所望のS−PWをサポートするのに十分な帯域幅を有さないことに応じて、前記第1のサービスクラスに対して前記確立することを反復して、前記T−PEのペアの間に前記第1のサービスクラスの対応する第2のA−PWを提供すること
をさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
既存のA−PWが所望のS−PWをサポートするのに十分な帯域幅を有さないことに応じて、前記既存のA−PWの帯域幅をより高い帯域幅で再シグナリングすることと、
前記再シグナリングの失敗に応じて、前記確立することを反復して、前記T−PEのペアの間に前記第1のサービスクラスの対応するより高い帯域幅のA−PWを提供することと
をさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
T−PEから受信されたS−PWセットアップメッセージに応答してS−PWを確立することであって、前記S−PWセットアップメッセージが、S−PW転送等価クラス(FEC)要素を識別するFECタイプ−長さ−値(TLV)と、対応するベアラFEC要素を識別する集約FEC TLVとを含む、確立することと、
S−PWセットアップメッセージの集約FEC TLVにより示されるベアラA−PWが確立されたことに応じて、集約PWに関する次のシグナリングホップへS−PWセットアップメッセージを転送することと、
S−PWセットアップメッセージのFEC TLVにより示されるS−PW FEC要素が、S−PWセットアップメッセージの集約FEC TLVにより示されるベアラA−PWと異なるA−PWのコンテキスト内に確立されていることに応じて、受信されたラベルを解放し、集約FECの重複を示すステータスコードを有するラベル解放メッセージを提供することと
をさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
プロセッサと、
プログラムロジックを格納するためのメモリであって、プログラムロジックがプロセッサにより実行され、プログラムロジックが、
終端プロバイダエッジデバイス(T−PE)のペアの間の第1の集約疑似回線(A−PW)を、サービスプロバイダエッジ(S−PE)デバイスにより確立するためのロジックであって、前記第1のA−PWが、前記T−PEのペアの間の1つまたは複数のサービス疑似回線(S−PW)をサポートするための第1のサービスクラスのマルチセグメントPW(MS−PW)を備え、前記S−PWが、前記第1のサービスクラスのシングルセグメントPW(SS−PW)を備え、前記確立することが、
送信元T−PEにアドバタイズされる第1のサービスラベルを宛先T−PEから受信することと、
第2のサービスラベルを送信元T−PEへアドバタイズすることと
を備え、
前記第1および第2のサービスラベルが、前記送信元T−PEおよび前記宛先T−PE間にA−PWを形成し、A−PWが前記第1のA−PWである
確立するためのロジック
を備えるメモリとを備える、通信ネットワークエレメント。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的には通信ネットワークに関し、より詳細には、ただし排他的にではなく、マルチセグメント疑似回線(MS−PW)構成を効率的かつ拡張可能に実現するためのメカニズムに関する。
【背景技術】
【0002】
ラベル配布プロトコル(LDP:Label Distribution Protocol)により、マルチプロトコルラベルスイッチング(MPLS)ネットワークにおけるピアラベルスイッチルータ(LSR)は、ホップバイホップ転送に対応するためのラベルバインド情報を交換することができる。様々なレイヤ2サービス(たとえばフレームリレー、非同期転送モード、イーサネット(登録商標)など)は、レイヤ2プロトコルデータユニット(PDU)をカプセル化し疑似回線(PW:pseudowire)上で送信することにより、MPLSバックボーンにわたってエミュレートすることができる。LDPの拡張を用いて疑似回線を確立し維持するための、および、レイヤ2PDUをカプセル化するためなどの様々なプロトコルは、様々なインターネットエンジニアリングタスクフォース(IETF)のリクエストフォーコメント(RFC)、たとえばRFC4447および関連する文献に詳細に記載されている。
【0003】
マルチセグメントPW(MS−PW)とは、単一のポイントツーポイントPWとして振る舞い機能する、互いにつなぎ合わせられた(stitched)2つ以上の連続するPWセグメントの組である。MS−PWにより、サービスプロバイダは、PWの届く範囲を複数のパケットスイッチネットワーク(PSN)ドメインに横断させることができる。
【0004】
典型的なMS−PWの実装では、第1のサービスプロバイダエッジ(S−PE)デバイスは、第1の自律システム(AS:autonomous system)内の終端プロバイダエッジ(T−PE:Terminating Provider Edge)デバイスの第1のグループに対するゲートウェイとして機能する。S−PEデバイスは、第2のAS内の第2のS−PEデバイスと通信し、第2のS−PEデバイスは、第2のAS内のT−PEデバイスの第2のグループに対するゲートウェイとして機能する。第1および第2のS−PEは、第1および第2の2つの自律システムを接続するスイッチングPEであり、ここでMS−PWの2つのセグメントが互いにつなぎ合わせられる。各S−PEは、各MS−PWに対するコントロールプレーン状態およびデータプレーン状態の双方を保持し、そのMS−PWに対する全ての運用管理保守(OAM:Operations,Administration and Maintenance)に関与する。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】RFC4447
【非特許文献2】RFC5003
【非特許文献3】RFC5036
【非特許文献4】RFC6073
【非特許文献5】RFC4379
【非特許文献6】RFC5085
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
残念ながら、典型的な実装には、拡張性が不十分となり他の問題が生じるいくつかの制限があり、たとえば:
【0007】
(1)S−PEは、このS−PEを通る各MS−PWをセットアップするために、自身のグローバルラベル空間からラベルを割り振る必要がある。S−PEラベル空間は、MPLSベースのPSNトンネルを含む多数のMPLSベースのアプリケーションにより共有されるので、S−PEは、S−PEでつなぎ合わせられるMS−PWに対して、大量のコントロールプレーン状態およびデータプレーン状態を保持する必要がある。
【0008】
(2)全てのS−PEがPWセグメントつなぎ合わせを行うので、全てのS−PEはPW OAM機能に関与しなければならない。
【0009】
(3)MS−PWセットアップおよび保守手順は、S−PEにおいてコントロールプレーン輻輳を引き起こす。たとえば、S−PEは、これを経由される各MS−PWに関する様々な保守手順のためのPWステータスシグナリングに関与する必要がある。さらに、S−PEがPWネクストホップの故障などのネットワークイベントを扱う必要があるかまたは再送の必要がある場合、関与するS−PEデバイスの間に非常に大量のコントロールプレーン交換を招く。LDPは、PW用のデフォルトのシグナリングプロトコルであり、TCPベースのプロトコルである。大量のLDPプロトコル交換は、S−PEにおいてTCP輻輳を引き起こし、同一のLDPセッションを使用する他の基幹的なサービスに影響を及ぼす。
【0010】
(4)各S−PEは、そのS−PEを通るPWの数が増えるほど、さらに多数のコントロールプレーン状態を保持する必要がある。コントロールプレーンは、メモリが限られているので、ASにより提供可能なMS−PWサービスの数に制限がある。
【0011】
従来技術の様々な欠陥が、マルチセグメント疑似回線(MS−PW)構成を効率的かつ拡張可能に実現するためのシステム、方法、アーキテクチャおよび/または装置により対処される。
【課題を解決するための手段】
【0012】
様々な実施形態において、複数のPWが結合されて集約疑似回線(集約PW)を構築し、複数の集約PWが結合されてサービス疑似回線(サービスPW)を構築する。このように、様々な階層的および/または複合的な構造が、基本的なPWメカニズムを効率的に拡張できるように、形成される。
【0013】
一実施形態による方法は、終端プロバイダエッジ(T−PE)デバイスのペアの間の第1の集約疑似回線(A−PW)を、サービスプロバイダエッジ(S−PE)デバイスにおいて確立することであって、前記第1のA−PWが、前記T−PEのペアの間の1つまたは複数のサービス疑似回線(S−SW)をサポートするための第1のサービスクラスのマルチセグメントPW(MS−PW)を備え、前記S−SWが、前記第1のサービスクラスのシングルセグメントPW(SS−PW)を備える、確立することを備える。
【0014】
本明細書の教示は、以下の詳細な説明を添付の図面と併せて考察することによって、容易に理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】様々な実施形態の利益を享受するシステムのハイレベルブロック図である。
図2図1のシステムの一部分のハイレベルブロック図である。
図3】一実施形態による方法の流れ図である。
図4】集約FEC TLV用の例示のフォーマットの図である。
図5】集約FECスタックタイプ用の例示のフォーマットの図である。
図6】サービスFECスタックタイプ用の例示のフォーマットの図である。
図7】本明細書に記載の機能を実行する際に使用するのに適したコンピューティングデバイスのハイレベルブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
理解を容易にするために、可能な場合、同一の参照符号が、図面に共通する同一要素を指定するのに用いられている。
【0017】
本発明を、「サービス疑似回線」(サービスPW)を構築するのに使用可能な「集約疑似回線」(集約PW)、または複数のサービスPWを集約PW基盤と共に用いて形成されるPW階層、および/または他の複合的なPW構造を実装するシステム、方法、アーキテクチャおよび/または装置に関連して論じることにする。
【0018】
PWの複数のセグメントへのセグメント化は、以下を含む様々な理由により行われ得る。(1)1つのPWを複数のPSNドメインを横断して張ることができる。(2)T−PE間にT−LDPセッションのフルメッシュを作成する必要があり、拡張性に深刻に影響する、「終端」プロバイダエッジデバイス(T−PE)間の直接T−LDPセッションを回避する。(3)PWが複数の管理ドメイン(AD:administrative domain)または自律システム(AS)を横断して張られる場合、ポリシー上の理由で、直接T−LDPセッションはT−PE間で現在許可されていない。
【0019】
様々な実施形態において、PW階層の集約PW基盤はサービスプロバイダエッジ(S−PE)デバイスから見える唯一のマルチセグメントPW要素である(すなわち、サービスPWは、S−PEにとって不透明である)。このように、集約疑似回線により、S−PEにおいてMS−PWを維持するのに必要なコントロールプレーン状態およびデータプレーン状態、ならびにMS−PW保守オーバーヘッドが減少する。
【0020】
様々な実施形態において、S−PEは、全てのT−PEから開始されるMS−PWの総数ではなく、S−PEによりサービス提供されるAS/領域に位置するT−PEの総数まで、コントロールおよびデータプレーン状態を削減することができる。S−PEにおけるコントロールプレーンおよびデータプレーンオーバーヘッドの削減により、いくつかのMS−PW機能をより効率的に実行することができ、たとえば、PWサービスの高速な再送、または効率的な保守手順などが可能となる。
【0021】
したがって、様々な実施形態を、2つの基本的な構築ブロック、すなわち、集約PW(A−PW)およびサービスPW(S−PW)を用いて形成される階層的MS−PWアーキテクチャに関連して説明することにする。様々なシステム、装置、方法、メカニズム、手順、技法などもまた、本アーキテクチャを示すために論じることにする。様々な実施形態は、本明細書で論じる必要な機能性を可能にする適切な拡張セットが提供される場合、既存のPW実装の上に構築することができる。
【0022】
図1に、様々な実施形態から利益を享受するシステムのハイレベルブロック図を示す。具体的には、図1のシステム100には、本明細書に記載の様々な実施形態による通信するプロバイダエッジ(PE)機器を有する2つの管理ドメイン(AD)または自律システム(AS)が図示されている。システム100の特定のアーキテクチャは、例示的なものにすぎず、このアーキテクチャへの様々な修正は、発明者らにより企図されており、本明細書の教示を知った当業者により容易に実施されるだろう。
【0023】
第1の自律システムAS−1は、複数の終端プロバイダエッジ(T−PE)デバイス110−11から110−1Nまで(まとめて、T−PE110−1x)を含み、各々は、サービスプロバイダエッジ(S−PE)デバイス120−1と通信するように図示されている。T−PE110−1xの各々は、複数の「ネイティブ」サービスポート130を含むカスタマーエッジ(CE)デバイスを含む。たとえば、第2のT−PE110−12は、複数のサービスポート130−121から130−12Nまで(まとめて、サービスポート130−12x)と接続されているように図示されている。
【0024】
第2の自律システムAS−2は、複数の終端プロバイダエッジ(T−PE)デバイス110−21から110−2Nまで(まとめて、T−PE110−2x)を含み、各々は、サービスプロバイダエッジ(S−PE)デバイス120−2と通信するように図示されている。T−PE110−2xの各々は、複数の「ネイティブ」サービスポート130を含むカスタマーエッジ(CE)デバイスを含む。たとえば、第2のT−PE110−22は、複数のサービスポート130−221から130−22Nまで(まとめて、サービスポート130−22x)と接続されているように図示されている。
【0025】
第1および第2の自律システムAS−1およびAS−2の各々は、それぞれのネットワーク管理システム(NMS:network management system)140と関連付けることができ、ネットワーク管理システムは、ネットワークノード、ネットワークオペレーションセンター(NOC)、または、自身が管理する様々なネットワークエレメントと通信可能な任意の他の位置において実装することができる。NMS140は、1人または複数のユーザが、様々なネットワーク管理、設定、プロビジョニングまたは制御関連機能(たとえば、情報を入力し、情報をレビューし、本明細書に記載の様々な方法の実行を開始するなど)を行うことを可能にするユーザインターフェース機能をサポートすることができる。NMS140の様々な実施形態は、その様々な実施形態に関して本明細書で論じられる機能を実行するように構成される。NMS140は、汎用コンピューティングデバイスまたは特定目的のコンピューティングデバイス、たとえば図7に関して以下に記載されたようなものとして実装することができる。
【0026】
図1のシステム100は、2つのS−PEを含むように描かれている。しかしながら、様々な実施形態では、単一のS−PEまたは同様の機能を実現するネットワークエレメントしか必要としない。一般的に言えば、S−PEは、(同一または異なるASにおける)T−PEデバイスのペア間に確立された1つまたは複数のA−PWをサポートするために用いられる。各A−PWは、特定のサービスクラスが関連付けられた、T−PEペア間の1つまたは複数のS−PW上でそのサービスクラスのトラフィックをサポートするための、マルチセグメントPW(MS−PW)を備える。A−PWによりサポートされるS−PWは、実際には、そのA−PWと同じサービスクラスを有するシングルセグメントPW(SS−PW)を備える。
【0027】
集約PWは、本明細書では、2つのT−PE間でセットアップされる「キャリア」または「ベアラ(Bearer)」PWとして動作するMS−PWと定義される。1つまたは複数のサービス疑似回線を、単一の集約PWの上に階層的に構築することができる。したがって、サービスPWは、2つのT−PE間でのみ意義があるシングルセグメントPW(SS−PW)であり、ベアラ集約MS−PWに経由される全てのS−PEに不透明である。
【0028】
集約疑似回線により、S−PEにおいて従来のMS−PWを維持するために必要なコントロールプレーン状態およびデータプレーン状態、ならびに多重性(manifold)によるMS−PW保守オーバーヘッドが減少する。このように、S−PEは、全てのT−PEからのMS−PWの総数ではなく、S−PEによりサービス提供されるAS/領域に位置するT−PEの総数まで、コントロールおよびデータプレーン状態を減少できることがある。
【0029】
複数の集約MS−PWが、T−PEのペア間に様々な基準に基づいてセットアップされてもよく、たとえば:(1)多様なQoS保証のために異なるサービスクラスを提供する異なる集約PWを用いること。(2)サービスPWの多様な経路経由要件を満足すること。ここで、サービスPWの組は、運命分離(fate separation)のために独立経路上を通り、各組が、独立経路を経由して通る集約PW上にマッピングされるようにする。(3)集約PWが経由するS−PEにおいて異なるPSN要件を満足すること。(4)T−PEのペア間で異なるサービスタイプのPWエミュレーションサービス(イーサネット、フレームリレー、ATM)を提供すること―少なくとも1つの集約PWがタイプ別に必要となる等々。
【0030】
サービスPWは、本明細書では、2つのS−PE間にセットアップされる「キャリア」または「ベアラ」PWとして動作するMS−PWと定義され、集約PWをそれぞれのT−PE間にセットアップするのに成功した後に、集約PW上に構築される。サービスPWは、集約PW上の仮想オーバーレイとして動作して、PW階層を形成する。単一の集約MS−PWは、複数のサービスPWに対するベアラチャネルとして動作することができる。
【0031】
S−PEは、集約PWのみに対してデータプレーンつなぎ合わせ機能を行うので、集約PWは、S−PEにおいてセットアップされる唯一のMS−PWである。サービスPWは、集約MS−PW上にオーバーレイされるので、T−PE間にセットアップされるシングルセグメントPW(SS−PW)である。
【0032】
サービスPWのPWセットアップメッセージは、2つの転送等価クラス(FEC:forwarding equivalence class)要素、すなわちサービスPW FEC要素および集約PW FEC要素を担い、両者は同一のFECタイプでなければならない。様々なPW FEC要素が、IETFのRFC4447およびRFC5003に記載されている。サービス疑似回線用に受信されるラベルセットアップメッセージは、対応する集約PWのネクストホップPEルータへS−PEにより単純に中継される。S−PEは、サービスPWに関して、コントロールプレーン状態もデータプレーン状態も保持しない。本明細書では、ラベルセットアップメッセージは、LDPラベルマッピング、ラベル撤去(Withdraw)またはラベル解放メッセージを意味する。
【0033】
図2に、図1に関して上述したシステム100の一部分のハイレベルブロック図を示す。具体的には、図2は、T−PEのペア、すなわちT−PE1 210−1およびT−PE2 210−2の間に配置されたS−PE220を示し、T−PE210の各々は、T−PE1からT−PE−2に流れる一般的な種類のネイティブサービス(たとえば、音声、データなど)をサポートするサービスポート230を含む。逆方向のサービス(reverse service)、たとえば、音声電話または他の双方向のレイヤ2サービスなども実装可能である。
【0034】
図2には、T−PE1からT−PE2へS−PE220を介して集約PWによりエミュレートされるネイティブサービスのデータパケットに、サービスおよび集約PWラベルを付加することついても図示されている。
【0035】
図3に、様々な実施形態による方法の流れ図を示す。図3を、T−PEのペア間のA−PWおよびS−PWのセットアップを説明するために、図1図2と共に論じることにする。
【0036】
ステップ310において、宛先T−PEは、集約PW用に、送信元T−PEへS−PEを介してラベルをアドバタイズする。たとえば、図2を参照すると、T−PE2は、ラベル300をS−PEにアドバタイズし、次いでS−PEは、ラベル200をT−PE1にアドバタイズする。したがって、集約PWラベルは、S−PEにおいて200から300へ交換される。
【0037】
ステップ320において、サービスPWラベルは、宛先T−PEにより送信元T−PE1へ、S−PEにより送信元T−PE1に中継されるLDPラベルマッピングメッセージによって割り当てられる。たとえば、図2を参照すると、ラベル100は、S−PEによりT−PE1へ中継されるLDPラベルマッピングメッセージ内で、T−PE2からそのメッセージを受信した際に、T−PE2によりT−PE1へ割り当てられるサービスPWラベルである。集約PWが、送信元T−PE(たとえばT−PE1)および宛先T−PE(たとえばT−PE2)の間でセットアップされ、S−PEにおいて交換されるMS−PWであることに留意されたい。
【0038】
PWは典型的には双方向であるので、ラベルセットアップ手順は、T−PE1からT−PE2へ、双方のPWに対して行われ、この手順は、実質的に同じ方法で行われる。AC1 230−1およびAC2 230−2は、T−PE1およびT−PE2のカスタマーエッジ(CE)デバイスにそれぞれ接続された「ネイティブ」サービスポートである。そのようなネイティブサービスは、サービスPW上でエミュレートされるイーサネット、フレームリレー、ATMなどの任意のサービスとすることができる。
【0039】
T−PE1およびT−PE2の間のネイティブサービスのパケットフローは、このとき発生し得る。
【0040】
ステップ330において、送信元T−PEサービスポートで受信された各ネイティブサービスのレイヤ2プロトコルデータユニット(PDU)は、送信元T−PEによりサービスPWラベルを用いてカプセル化される。たとえば、図2を参照すると、サービスポートAC1から受信された各ネイティブサービスのレイヤ2プロトコルデータユニット(PDU)は、T−PE1によりサービスPWラベル100でカプセル化され、このラベルは、そのサービスがエミュレートされるPWを識別する。
【0041】
ステップ340において、送信元T−PEは、SPEによりアドバタイズされた集約PWラベルでPDUをカプセル化し、カプセル化されたPDUをSPEへ送信する。たとえば、図2を参照すると、T−PE1は、S−PEによりアドバタイズされた集約PWラベル200でPDUをさらにカプセル化し、カプセル化されたPDUをS−PE220へ送信する。
【0042】
ステップ350において、集約PWラベルを有するPDUを受信すると、SPEは、その集約PWラベルを、宛先T−PEにより以前にアドバタイズされた集約PWラベルと付け替え(swap)、カプセル化されたPDUを宛先T−PEに送信する。たとえば、図2を参照すると、集約PWラベル200を有するPDUを受信すると、S−PE220は、集約PWラベル200を、T−PE2により以前にアドバタイズされたラベル300と付け替え、ラベル300を有するPDUをT−PE2に転送する。S−PEは、サービスラベル100に関するあらゆる交換機能に関与しない。
【0043】
ステップ360において、ステップ350で付け替えられた集約PWラベルを有するPDUを受信すると、宛先T−PEは、この集約PWラベルを外し(pop)、その下で、以前にアドバタイズされたサービスラベルで予定された(slated)PDUを識別し、このPDUは、適切なローカルコンテキストに従って送られる。たとえば、図2を参照すると、ラベル300を有するPDUを受信すると、T−PE2は集約PWラベル300を外し、その下で、以前にアドバタイズされたサービスPWラベル100を識別する。T−PE2はまた、サービスPWラベル100を外し、そのローカルコンテキストに基づいて、ネイティブサービスPDUは、サービスポートを介してAC2へ送信される。
【0044】
集約FEC TLV
【0045】
様々な実施形態は、集約PWに関するラベルセットアップ手順のための、本明細書で「LDP集約FEC」TLVと表記される、新たなタイプ−長さ−値(TLV:type−length−value)要素を用いる。一実施形態では、集約FEC TLV用のフォーマットが図4に示され、以下説明される。様々な実施形態において、TLVタイプは、IETF RFC5036でより詳細に論じられているような、ベンダー割り当てLDP TLVタイプ空間から割り当てられる。他の実施形態では、TLVタイプは、他のベンダーデバイスとの相互運用性を提供するためにIANA(インターネット割り当て命名機関:Internet Assigned Naming Authority)により標準化される。
【0046】
図4に、集約FEC TLV用の例示のフォーマットを示す。具体的には、図4の集約FEC TLVは、FEC要素1からFEC要素nと表記される複数のFEC要素を備える。集約FEC TLVは、いくつかのFEC要素を含み、IETFの様々なLDP規格で定義された任意のFEC要素タイプとすることができる。様々な実施形態では、集約FEC TLVは、任意の「非」PW特定的なFEC要素タイプにも適用可能である。したがって、本明細書に記載の様々な実施形態は、図4の集約FEC TLVと、さらに、IETF RFC4447およびRFC5003で定義されたPW FEC要素とを利用するように構成される。
【0047】
様々な実施形態では、集約MS−PWは、手動設定により(すなわち、シグナリングプロトコルなしで)、セットアップすることができる。様々な実施形態では、集約PW FECは、LDPメッセージ内の集約FEC TLVにより識別される。集約FEC TLVは、PW FEC要素を含む。集約PWセットアップは、MS−PWシグナリング手順に従う。
【0048】
集約MS−PWのOAM(運用管理保守)は一般的に、MS−PWのOAM手順、たとえばIETF RFC6073で定義された手順に従う。OAM機能は、FECのコンテキストを関連付けるOAM手順において、FEC TLVの代わりに集約FEC TLVを符号化しなければならない。さらに、IETF RFC6073で定義されたMS−PWのOAM手順は、RFC4379で定義された符号化を用いる。RFC4379は、「ターゲットFECスタック」を、OAM動作が行われているFEC要素のコンテキストと定義する。
【0049】
集約FECスタックタイプ
【0050】
様々な実施形態は、集約FECに対するOAM動作用の、「集約ターゲットFECスタック」タイプと呼ばれる、新たに定義されたターゲットFECスタックタイプを利用する。様々な実装は、自身のタイプコードポイントを定義することもできる。
【0051】
図5に、集約FECスタックタイプ用の例示のフォーマットを示す。具体的には、図5の集約FEC集約FECスタックタイプは、RFC4379に定義されたターゲットFECスタックTLVの一般的なフォーマットに従う。値フィールドは、集約FEC TLV内のFEC要素を識別する他のターゲットFECスタックTLVを含む。
【0052】
様々な実施形態では、集約PWのQoSシグナリングは、様々なIETF手順に従う。集約PWが、QoS保証を行う必要があるT−PEのペア間に提供される場合、能動的(active)T−PEは、PWセットアップメッセージで信号伝達されるPWに「集約」帯域幅を割り当てる。能動的T−PEは、集約PW上で転送される全てのメンバーサービスPWの集約QoS要件に基づいて、集約帯域幅を計算することができる。
【0053】
様々な実施形態では、サービスPWは常に、集約PWのコンテキスト内にセットアップされるT−PEのペア間のSS PW(シングルセグメントPW)である。サービスPWは、例示的には、IETF RFC5036で定義されるような正規のFEC TLVにより識別されるが、その「ベアラ」コンテキストを識別するための集約FEC TLVをさらに担う。
【0054】
様々な実施形態において、サービスPWセットアップは、RFC4447に記載のような手順に、以下の一部または全部を例外として従う。
【0055】
(1)T−PEは、集約MS−PWのセットアップを、その集約PWをベアラとして用いる任意のサービスPWを開始する前に、完了しなければならない。MS−PWセットアップは、2つのT−PE間で「能動的(active)」または「受動的(passive)」役割選出手順を必要とし、というのは、PWの双方向において同一の「交換」経路をたどる必要があるためである。サービスPWはSS−PWであるので、サービスPWにそのような概念はない。
【0056】
(2)サービスPWセットアップ要求を開始するT−PEは、サービスPW FEC要素を識別するFEC TLVと、その対応するベアラFEC要素を識別する集約FEC TLVとを含まなければならない。
【0057】
(3)S−PEまたはT−PEによりサービスPWラベルマッピングメッセージを受信すると、S−PEまたはT−PEは、FEC TLVおよび集約FEC TLVを検査しなければならない。S−PEは、ベアラ集約PWが設置済みかを確認することになる。設置されていない場合、S−PEは、「NO_AGGREGATE_FEC」のようなステータスコードを有するラベル解放メッセージで、受信されたラベルを解放するはずである。これは、本明細書で定義された新たなLDPステータスコードである。
【0058】
(4)一実装は、利用可能なそれ自体のLDPステータスコードポイントを定義することができる。相互運用性が必要な場合、このステータスコードは、IETFで標準化される可能性があり、コードポイントはIANAから得られる可能性がある。
【0059】
(5)集約PWが設置済みであることをS−PEが発見した場合、サービスPWセットアップメッセージを、集約PWに関する次のシグナリングホップであるS−PEまたはT−PEに転送しなくてはならない。S−PEは通常、サービスPWに関するラベルを交換しないので、S−PEが、受信されたラベルマッピングメッセージを透過的に転送することに留意されたい。
【0060】
(6)設置済みのラベルマッピングで受信されたものと異なる集約FECのコンテキスト内にサービスPWが設置済みであることをT−PEが発見した場合、受信されたラベルマッピングを「DUPLICATE_AGGREGATE_FEC」のようなステータスコードで解放する。これは、本明細書で定義された新たなLDPステータスコードである。一実装は、利用可能なそれ自体のLDPステータスコードポイントを定義することができる。相互運用性が必要な場合、このステータスコードは、IETFで標準化される可能性があり、コードポイントはIANAから得られる可能性がある。
【0061】
様々な実施形態において、特定の障害対応手順が実施される。たとえば、サービスPWは2つのT−PE間のSS−PWであるので、RFC4447で定義された障害対応手順を、本明細書に記載のベアラ集約PW障害対応手順を例外として、使用することができる。様々な実施形態において、IETF RFC4447の5.4節で定義された実質的に全てのPWステータスシグナリング手順は、サービスPWに適用可能である。集約MS−PWのステータス変化は、そのメンバーサービスPWに自動的に伝播するので、サービスPW毎のレベルでのステータスシグナリングを完全に回避する。
【0062】
様々な実施形態において、特定のOAM機能が実施される。たとえば、様々な実施形態において、サービスPWは、SS−PWに適用可能な、RFC5085で定義された実質的に全ての仮想回路接続性検証(VCCV:Virtual Circuit Connectivity Verification)OAM手順に、以下を例外として従う:
【0063】
(1)サービスPWは集約PW上にマッピングされるので、サービスPWに関する任意のOAM動作は、ベアラ集約FECのコンテキストを担う必要がある。それゆえ、様々な実施形態は、本明細書で定義された新たな拡張を利用する。
【0064】
(2)IETF RFC5085で定義されたMS−PW OAM手順は、RFC4379で定義された符号化を用いる。RFC4379は、「ターゲットFECスタック」を、OAM動作が行われているFEC要素のコンテキストと定義する。それゆえ、様々な実施形態は、サービスFECに必要なOAM動作用に本明細書で定義された、「サービスターゲットFECスタック」タイプと呼ばれる、新たなターゲットFECスタックタイプを利用する。したがって、様々な実施形態または実装は、それ自体のタイプコードポイントを定義することができる。
【0065】
サービスFECスタックタイプ
【0066】
図6に、サービスFECスタックタイプ用の例示のフォーマットを示す。具体的には、図6のサービスFEC集約FECスタックタイプは、値フィールドが追加の2つのターゲットFECスタックTLVを含むことを除いて、IETF RFC4379で定義されたターゲットFECスタックTLVの一般的なフォーマットに従う。具体的には、追加のターゲットFECスタックTLVのうちの1つ目は、サービスPWを識別するFEC TLV内のFEC要素を識別し、追加のターゲットFECスタックTLVのうちの2つ目は、前述の集約ターゲットFECスタックTLVを含む。
【0067】
一般的に言えば、IETF RFC5085で定義されたOAM受信機手順の実質的に全てが、データプレーンおよびコントロールプレーンの双方において、サービスPWとその集約PWの間のマッピングの有効性を確認しなければならない。
【0068】
様々な実施形態において、特定のQoSシグナリングが提供される。たとえば、サービスPWは通常はSS−PWであるので、S−PEにおいてサービスPWあたりの帯域幅を明示的に提供する必要がない。したがって、サービスPWのQoS要件は、S−PEに関与することなく、T−PEのみで排他的に管理することができる。サービスPWのQoS要件は、QoS/帯域幅要件を満たす集約PWを選択することで、満たすことができる。T−PEがそのような集約PWを選択すると、T−PEは、サービスPWに対してトラフィックアカウンティングまたはポリシング機能を実行することができる。S−PEは、集約PW上にマッピングされたサービスPWに関する「永続的な(permanent)」状態を全く保持しないので、S−PEは、集約PW全体に対してポリシングまたはアカウンティング機能を実行することはできない。
【0069】
T−PEがサービスPWセットアップを開始する必要があり、QoS要件を満たす既存の集約PWがないことを発見した場合、以下の機能のいずれかを実行することができる:
【0070】
第1に、T−PEは、将来的な要件を満たす集約帯域幅を有する新たな集約PWをセットアップする。
【0071】
第2に、T−PEは、既存の集約PWの帯域幅を、より高い帯域幅で再シグナリングすることを試みる。帯域幅の再シグナリングに成功した場合、サービスPWは集約PW上にマッピングされる。帯域幅の再シグナリングに成功しなかった場合、T−PEは、サービスPWをマッピングしそのQoS要件を満たすために、新たな集約PWセットアップを開始することができる。
【0072】
サービスPWセットアップメッセージは、遠隔のT−PEがポリシングまたはアカウンティング機能を実行可能となる帯域幅TLVを担うことができる。サービスPWセットアップに関連付けられた「能動的」または「受動的」役割がない場合、T−PEの一方または両方は、それらの個々の帯域幅要件を信号伝達することができる。対応する集約PWの能動的役割を果たすT−PEのみにより信号伝達されたサービスPW帯域幅は、トラフィックポリシングまたはアカウンティング機能のために両方のT−PEにおいて適用される。
【0073】
図7に、図面に関して上述された様々な要素に関連する、様々なネットワーク管理機能、LSR機能、カプセル化機能などの、本明細書に記載の機能を実行する際の使用に適した、通信ネットワークエレメントにおけるプロセッサなどのコンピューティングデバイスのハイレベルブロック図を示す。
【0074】
図7に示されるように、コンピューティングデバイス700は、プロセッサ要素703(たとえば、中央処理装置(CPU)および/または他の適切なプロセッサ)、メモリ704(たとえば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)など)、協働モジュール/プロセス705、および様々な入力/出力デバイス706(たとえば、ユーザ入力デバイス(キーボード、キーパッド、マウスなど)、ユーザ出力デバイス(ディスプレイ、スピーカーなど)、入力ポート、出力ポート、受信機、送信機、および記憶デバイス(永続的なソリッドステートドライブ、ハードディスクドライブ、コンパクトディスクドライブなど))を含む。
【0075】
本明細書で図示され説明されている機能は、ソフトウェアで、および/またはソフトウェアおよびハードウェアの組み合わせで、たとえば汎用コンピュータ、1つまたは複数の特定用途向け集積回路(ASIC)、および/または任意の他のハードウェア均等物を用いて、実現可能であることは理解されよう。一実施形態では、協働プロセス705は、メモリ704にロードされ、プロセッサ703により実行されて、本明細書で論じられた機能を実現することができる。したがって、協働プロセス705(関連するデータ構造を含む)は、コンピュータ可読記憶媒体、たとえば、RAMメモリ、磁気または光学ドライブまたはディスケットなどに格納することができる。
【0076】
図7に図示されたコンピューティングデバイス700が、本明細書に記載の機能性要素、または本明細書に記載の機能性要素の一部分を実現するのに適した一般的なアーキテクチャおよび機能性を提供することは理解されよう。
【0077】
ソフトウェアの方法として本明細書で論じられているステップの一部が、ハードウェア内で、たとえば、プロセッサと協働して様々な方法ステップを実行する回路として実装可能であることが企図されている。本明細書に記載の機能/要素の一部分は、コンピュータプログラム製品として実現することができ、コンピュータ命令が、コンピューティングデバイスにより処理された場合に、本明細書に記載の方法および/または技法が呼び出されるかまたは別の方法で提供されるようにコンピューティングデバイスの動作を適応させる。本発明の方法を呼び出すための命令は、固定もしくは取り外し可能な媒体もしくはメモリなどの有形非一時的コンピュータ可読媒体に格納し、ブロードキャストもしくは他の信号担持媒体の有形もしくは無形のデータストリームを介して送信し、および/または、命令に従って動作するコンピューティングデバイス内のメモリに格納することができる。
【0078】
本発明の教示を組み入れた様々な実施形態が、本明細書で詳細に示され説明されてきたが、当業者は、これらの教示をなおも組み入れた多数の他の変形された実施形態を容易に考案することができる。したがって、上記は本発明の様々な実施形態を対象としているが、本発明の他およびさらなる実施形態は、本発明の基本的な範囲から逸脱することなく考案することができる。したがって、本発明の適切な範囲は、特許請求の範囲に従って決定されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7