(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
(第1の実施形態)
図1に示すように本発明の第1の実施形態における内視鏡システム1は、患者の体内に挿入される内視鏡2A,2B,…(
図1,2では2A,2Bのみ示す)と、接続された内視鏡2I(I=A,B,…)に照明光を供給する光源装置3と、接続された内視鏡2Iに搭載された撮像素子に対する信号処理を行う信号処理装置を形成するビデオプロセッサ4と、ビデオプロセッサ4により生成された映像信号(画像信号)を表示する表示装置としてのモニタ5と、ビデオプロセッサ4に接続され、入力部を形成するキーボード6と,記録装置としてのVTR7と、プリンタ8と、ネットワーク装置9とを備える。なお、本実施形態においては、光源装置3,モニタ5,VTR7、プリンタ8、ネットワーク装置9が信号処理装置を形成するビデオプロセッサ4に接続される複数の周辺機器を形成する。
内視鏡2Aは、細長の挿入部11と、挿入部11の基端(後端)に設けられた操作部12と、操作部12から延出されたケーブル13aとを有し、ケーブル13aの端部のコネクタ14aは、光源装置3に着脱自在に接続される。
【0007】
また、コネクタ14aから延出された信号ケーブル15aの端部の信号コネクタ16aは、ビデオプロセッサ4に着脱自在に接続される。
また、内視鏡2Bは、ファイバスコープ等により構成される光学式内視鏡10aと、光学式内視鏡10aの接眼部17に着脱自在に接続されるテレビカメラ10bとにより構成されるテレビカメラ装着内視鏡である。
光学式内視鏡10aは、挿入部11と、操作部12と、接眼部17と、操作部12から延出されたライトガイドケーブル13bを有し、ライトガイドケーブル13bの端部のライトガイドコネクタ14bは、光源装置3に着脱自在に接続される。また、テレビカメラ10bから延出された信号ケーブル15bの端部の信号コネクタ16bは、ビデオプロセッサ4に着脱自在に接続される。
図1、
図2に示す例では内視鏡2Aを光源装置3と、ビデオプロセッサ4とに接続した状態を示しているが、内視鏡2Bを光源装置3と、ビデオプロセッサ4とに接続することもできる。
【0008】
内視鏡2A、2Bとも
図2に示すようにライトガイド21が挿通されており、光源装置3にコネクタ14a又はライトガイドコネクタ14bが接続されると、ライトガイド21の端面に光源装置3からの照明光が入射される。入射された照明光は、ライトガイド21の先端面が配置された照明窓から出射され、挿入部11が挿入された体内の観察部位等を照明する。
照明窓に隣接する観察窓には、図示しない対物レンズが配置され、内視鏡2Aにおいては対物レンズの結像位置に撮像素子22aが配置されている。これに対して、内視鏡2Bにおいては対物レンズの結像位置にイメージガイド19の先端面が配置され、先端面に結像された光学像が後方の接眼部17に臨む後端面に伝送される。後端面に伝送された光学像は、接眼部17を経てテレビカメラ10b内の撮像素子22bに結像される。また、内視鏡2Aは、撮像素子22aに接続されたバッファ回路等により構成される映像インタフェース(映像I/Fと略記)23a、不揮発性メモリ24a、内視鏡種別情報を含む内視鏡識別情報(内視鏡ID)を格納した内視鏡ID格納部(
図2では簡略的に内視鏡IDで示す)25aを有する。なお、内視鏡(の)種別は、内視鏡(の)種類と同じ意味である。
【0009】
また、内視鏡2Bは、例えば、テレビカメラ10b側に設けた撮像素子22b及び映像I/F23bと、光学式内視鏡10a側に設けた不揮発性メモリ24b及び内視鏡種別情報を含む内視鏡識別情報(内視鏡ID)を格納した内視鏡ID格納部(
図2では簡略的に内視鏡IDで示す)25bとを有する。
また、不揮発性メモリ24bと内視鏡ID格納部24bは、信号線でテレビカメラ10b側の信号線と接続され、信号ケーブル15bの端部の信号コネクタ16bをビデオプロセッサ4に接続することにより、(内視鏡2Aの場合と同様に)不揮発性メモリ24bと内視鏡ID格納部24bは、ビデオプロセッサ4のメモリI/F41bと内視鏡+種別を検知する内視鏡種別検知回路41cにそれぞれ接続される。なお、光学式内視鏡10aの種別に応じて装着されるテレビカメラ10bが、一意的に決まる内視鏡2Bの場合には、
図2において光学式内視鏡10a側に設けた実線で示す内視鏡ID格納部25bを点線で示すようにテレビカメラ10b側に設けるようにしても良い。また、
図2において点線で示すようにテレビカメラ10b側に不揮発性メモリ24bを設けるようにしても良い。
【0010】
なお、不揮発性メモリ24a、24b内のメモリ領域に内視鏡種別情報となる内視鏡識別情報(内視鏡ID)を格納しても良い。
上記内視鏡2A,2B,…は、例えば
図3に示すようにGIF(上部消化管内視鏡)、CF(下部消化管内視鏡)、TJF(十二指腸用内視鏡)、BF(気管支又は呼吸器用内視鏡)、ENT(耳鼻科用内視鏡)、CYF(泌尿器用内視鏡)等から構成される。
図2に示すように光源装置3は、広帯域観察モード(WLIモード)と、特殊光観察モードを構成する狭帯域光観察モード(NBIモード)及び蛍光観察モード(AFIモード)の3つの観察モードに対応した照明光を発生できるように広帯域観察用発光ダイオード(WLI−LEDと略記)31aと、狭帯域用LED(NBI−LED)31bと、蛍光観察用LED(AFI−LED)31cとの3つの光源と、ダイクロイックミラー32a,32bと、集光レンズ33と、3つのLEDの発光を制御する光源制御回路34とを有する。なお、
図2においては、光源装置3としてLEDを用いた構成例を示しているが、例えばキセノンランプを用い、キセノンランプの光を回転可能な円板の周方向に配置した広帯域観察用フィルタ、狭帯域用フィルタ、蛍光観察用フィルタを選択的に通して、3つの観察モードに対応した照明光を生成するようにしても良い。
WLI−LED31aは、例えば可視の波長帯域をカバーする白色光を発生し、白色光は、ダイクロイックミラー32aを殆ど透過し、さらにダイクロイックミラー32bを殆ど透過して集光レンズ33により集光されてライトガイド21に、WLI用照明光として入射する。
【0011】
NBI−LED31bは、例えば青の波長帯域における1つ又は2つの狭帯域光を発生し、該狭帯域光はダイクロイックミラー32aで選択的に反射され、さらにダイクロイックミラー32bを選択的に透過して集光レンズ33により集光されてライトガイド21に、NBI用照明光として入射する。
AFI−LED31cは、特定の波長帯域の励起光を発生し、該励起光は、ダイクロイックミラー32bで選択的に反射され、集光レンズ33により集光されてライトガイド21に、AFI用照明光として入射する。
キーボード6等から観察モードの選択が行われると、選択の信号はビデオプロセッサ4から光源制御回路34に伝達され、光源制御回路34は選択された観察モードに対応したLEDを発光させる。つまり、光源制御回路34は選択された観察モードに対応したLEDを発光させる照明光切替制御部34aの機能を持つ。
また、光源制御回路34は、LEDの発光量を制御を行う光量制御部34bの機能を持つ。また、光量制御部34bは、後述する調光回路42hが生成する調光信号によってもLEDの発光量を調整して光量制御を行う。
【0012】
図4は、本実施形態の内視鏡システム1における(内視鏡種別に応じて)選択的に設定される複数の選択機能を示す。
図4において最も左側が選択機能の各項目を示す、その右側が各項目において選択的に設定されるレベルなどの設定内容を設定A,B,Cで簡易的に示す。
図4における設定A,B,Cの数は簡易的なもので、
図4における選択機能の項目に依存して選択的に設定できる数は変化し、例えば、輝度制御の項目における選択機能がON,OFFの2つから設定される場合や、構造強調の項目におけるA1〜A8/B1〜B8/E1〜E8の24個から選択的に設定する場合がある。
上記のように観察モードとしては例えば3つの観察モードから任意の観察モードを選択できるようにしている。観察モードとしては、3つの内の1つを設定でき、例えば、後述するNR回路42aによるノイズリダクションに関しては、OFFとレベル1〜8における9個から1つを設定できる。
【0013】
図2に示すように撮像素子22i(i=a,b,…)により撮像された撮像信号は、映像I/F23iを経てビデオプロセッサ4のインタフェース回路41におけるプリアンプ、相関二重サンプリング処理回路(CDS回路と略記)により構成される映像I/F41aに入力されて映像信号(画像信号)に変換された後、映像処理回路42に入力される。
映像処理回路42は、映像信号中のノイズを低減するノイズリダクション回路(NR回路と略記)42aと、フリーズ指示によりフリーズされた静止画を表示する場合、フリーズ指示前のプリフリーズ処理を行うプリフリーズ回路42bと、カラーモード又はカラー処理モードに対応したカラーマネジメントシステム処理回路(CMS回路又は色補正回路)42cと、ズーム処理を行うズーム回路42dと、構造強調を行う構造強調回路42eと、メニュー画面等を表示する処理を行うオンスクリーンディスプレイ回路(OSD回路)42fと、構造強調された映像(画像)にOSD回路42fで生成されたメニュー画面等を合成する合成回路42gと、調光信号を生成する調光回路42hと、上記NR回路42a、プリフリーズ回路42b、…、調光回路42hのパラメータを制御するパラメータ制御回路42iとを有する。なお、合成回路42gは、撮像素子22iにより撮像され、映像処理回路42を経てモニタ5に出力される内視鏡画像のサイズを設定するマスク回路42g1を有する。
【0014】
例えば、NR回路42aは、1フレーム(又はフィールド)前の映像信号と現在のフレーム(又はフィールド)の映像信号とを用いて、設定されるパラメータの値に応じて時間平均処理を施し、画像中のランダムノイズを低減するノイズリダクション(NR)処理を行う。
図4に示すようにNR回路42aによるノイズリダクションに関しては、NR回路42aの動作をOFFにした設定と、NR回路42aの処理のパラメータをレベル1〜8までの任意のレベルに設定することができる。なお、本実施形態においては、レベルj(j=1〜8)におけるjの値が大きい程、各回路の処理機能が大きいことを表す。例えば、パラメータ制御回路42iは、NR回路用パラメータP0により、NR回路42aのノイズリダクションの機能をOFF,NR回路用パラメータP1〜P8により、ノイズリダクションのレベル1〜8を設定する。パラメータ制御回路42iは、以下の他の回路も、同様に設定する。
プリフリーズ回路42bに関しては、
図4に示すようにプリフリーズ機能をOFFにした設定と、プリフリーズ機能をレベル1〜8までの任意のレベルに設定することができる。
【0015】
CMS回路42cによるカラーモードとしては、観察部位又は内視鏡の種別に応じた色補正を行うモード1,2,3の3つが用意されている。例えば上部消化管を観察する場合、内視鏡画像が少し緑色系の色調になり易くなるために赤色系に色補正するモード1が用意されている。また、下部消化管を観察する場合、内視鏡画像が少し赤色系の色調になるために緑色系に色補正するモード3が用意されている。モード3は、十二指腸等を観察する場合のために用意される。
ズーム回路42dによる電子ズーム処理による画像を拡大する倍率としては、1.0倍(ズーム処理をOFF)、1.2倍、1.4倍を選択的に設定できるようにしている。
構造強調回路42eによる構造強調処理に関しては、観察モードや、内視鏡2Iの種別等に応じた設定としてのA/B/Eにおいて、それぞれ構造強調の処理レベル(強度)が異なるレベルとなる1〜8(つまりA1〜A8/B1〜B8/E1〜E8)から選択的に設定できるようにしている。
【0016】
また、合成回路42gのマスク回路42g1は、モニタ5に出力する内視鏡画像のマスクサイズを小、中(Normal)、大の1つを選択的に設定できるようにしている。
また、調光回路42hは、内視鏡画像の明るさを適切なレベルに設定するために調光信号を生成するが、生成する際に、レベル1〜8までの調光信号を生成し、光源装置3の光源制御回路34に出力する。
また、調光回路42hは、内視鏡画像の明るさを検出する測光回路42h1を有し、測光回路42h1は、
図4に示すようにPeak(ピーク測光)、Ave(平均測光)、Auto(自動測光)の3つの測光方法で明るさを検出することができ、3つの測光方法から1つの測光方法を選択できる。ピーク測光は、映像信号のピーク値で明るさを検出し、平均測光は平均値で明るさを検出し、自動測光は、両者を組み合わせた中間的な測光方法である。
また、本実施形態においては、例えばGIFモードにおいて広いダイナミックレンジで内視鏡画像を表示できるように輝度制御を行う輝度制御回路42a1を有する。この輝度制御回路42a1は、例えば
図2に示すようにNR回路42a内に設けても良いし、NR回路42aの外部で、映像処理回路42内に設けるようにしても良い。
【0017】
図4に示すように輝度制御回路42a1による輝度制御処理は、輝度制御をOFFにした設定と、ONにした設定を選択できるようにしている。
図4を参照して選択的に設定できる映像関連機能(又は映像関連項目)を説明したが、さらに照明関連機能(照明関連項目)も用意されている。
光源制御回路34は、調光回路42hの調光信号を受けて、動作中の観察モードにおけるLEDが発光する光量を−8〜+8まで、LEDを駆動する駆動電力により可変制御する。なお、光量が0となる場合が標準の光量となる。
映像関連機能において説明した調光、測光は、照明にも関連するため、照明関連機能に含めるように変更しても良い。また、観察モードは、光源装置3による照明関連機能にも密接に関連する。
また、周辺機器関連機能(周辺機器関連項目)として、サーバ連携機能と周辺機器制御機能がある。サーバ連携機能がONされると、ネットワーク装置9を構成するサーバ9a内のデータを参照したり、データを書き込む等ができる状態で内視鏡システム1は動作し、OFFにされるとサーバ9aと無関係に動作する。
【0018】
同様に周辺機器制御がONにされると、内視鏡システム1はビデオプロセッサ4に接続された周辺機器の状態を監視しながら、周辺機器の動作を制御し、OFFにされると周辺機器の状態と無関係に動作する。なお、
図4における周辺機器制御のON,OFFは、周辺機器制御回路46を介して接続される一部の周辺機器としてのVTR7,プリンタ8である。ネットワーク装置9は、周辺機器制御回路46を介してビデオプロセッサ4に接続されるが、サーバ連携の選択機能により制御される。モニタ5は、ビデオプロセッサ4と共に常時、動作し、また光源装置3は、常時、ビデオプロセッサ4と連携して動作する。
図2に示すようにビデオプロセッサ4は、不揮発性メモリ24iのメモリ内容を読み出す(インタフェース回路41内における)メモリI/F41bと、内視鏡IDを読み出すことにより内視鏡種別を検知する(インタフェース回路41内における)内視鏡種別検知回路41cと接続される中央処理装置(CPUと略記)43と、キーボード6と共にユーザインタフェースにおける入力部を形成するフロントパネル44と、キーボード6とフロントパネル44とのユーザインタフェースを制御するユーザI/F制御回路45と、周辺機器を構成するモニタ5,VTR7,プリンタ8,ネットワーク装置9を制御する周辺機器制御回路46と、各種の設定内容を格納するメモリ47とを有する。
【0019】
上記内視鏡IDは、例えば内視鏡種別を表す上位ビット側の情報に、更に個々の内視鏡を特定する下位ビット側の情報が付加されており、内視鏡種別検知回路41cは、内視鏡種別を表す上位ビット側の所定ビット数の情報から内視鏡種別を検知する。なお、入力部を形成するキーボード6等からデータが入力された場合、CPU43は、ユーザI/F制御回路45を介して入力されたデータを取得し、表示が必要な場合には、OSD回路42fを介して表示用の文字等を生成し、モニタ5において表示させる。
CPU43は、ピデオプロセッサ4の各部の動作を制御すると共に、内視鏡システム1の全体の制御を行う。このため、CPU43は、パラメータ制御回路42iとパラメータ等のデータの送受信を行うことができるように接続され、映像処理回路42の各回路の動作を、パラメータ制御回路42iを介して制御する。
また、CPU43は、ユーザI/F制御回路45とデータの送受信を行うことができるように接続され、ユーザにより入力部を形成するキーボード6又はフロントパネル44から指示等のデータが入力された場合には、CPU43は、ユーザI/F制御回路45を介してユーザが入力したデータの内容に対応した制御動作を行う。
【0020】
また、CPU43は、周辺機器制御回路46とデータの送受信を行うことができるように接続され、周辺機器制御回路46と接続された周辺機器の状態を把握し、周辺機器制御回路46を介して周辺機器の動作を制御する。また、CPU43は、周辺機器がネットワーク装置9の場合には、ネットワーク装置9のサーバ9aにアクセスして、サーバ9a内に蓄積されている蓄積データを参照したり、ユーザからの指示に基づいてサーバ9a内の蓄積データにデータの書き込み、追加等を行うこともできる。また、パラメータ制御回路42iは、ユーザI/F制御回路45と、周辺機器制御回路46と接続され、CPU43の制御の下でその動作が制御される。
なお、周辺機器としての光源装置3は、他の周辺機器よりもビデプロセッサ4と密接に連携して動作する場合が多いために、ビデプロセッサ4内のCPU43は、光源装置3内の光源制御回路34と、周辺機器制御回路46を介することなく電気的に接続される。
また、CPU43は、内視鏡システム1における選択的に設定可能な複数の選択機能(単に機能とも言う)を設定する機能設定部(又は機能設定回路又は機能設定デバイス)43aの機能を持つ。
【0021】
また、CPU43の機能設定部43aは、ビデオプロセッサ4に接続された内視鏡2Iに対して、その内視鏡2Iに設けられた内視鏡IDから内視鏡種別検知回路41cが検知した内視鏡2Iの種別の情報に応じて、
図4に示した複数の選択機能における各項目を、接続された内視鏡2Iの種別に最適ないしは適切な設定状態にそれぞれ自動的に設定する自動設定部43bの機能を持つ。
このために、CPU43によりデータの書き込みと読み出しが可能な不揮発性のメモリ47は、内視鏡2Iの種別に応じて、
図4に示す複数の選択機能の各選択機能における選択的に設定できる複数の設定項目の1つがそれぞれ適切に設定されるように対応付ける対応付けデータとしての機能設定データを格納している。つまり、メモリ47は、内視鏡2Iの種別に対応した機能設定データ(単に設定データとも言う)を格納する機能設定データ格納部47aを有する。なお、内視鏡2Iの種別に対応して、各選択機能を設定する機能を(内視鏡)種別モードとも言う。
【0022】
また、本実施形態においては、(内視鏡)種別モードの他に、(内視鏡システム1における複数の選択機能をそれぞれ適切な設定状態に自動的に設定して)内視鏡検査を簡単に行うことができるように設定する設定モードを用意している。
補足説明すると、以下のようになる。
本実施形態は、上述したようにビデオプロセッサ4に実際に接続される(ことにより使用される)内視鏡2Iの種別に応じて、内視鏡システム1における複数の(選択)機能における各機能をそれぞれ適切に設定することができるようにしているが、必ずしも内視鏡2Iの種別に依存しないで内視鏡検査を円滑に行うための(選択)機能が存在する。このため、本実施形態は、内視鏡2Iの種別に応じて、内視鏡システム1における複数の(選択)機能における各機能をそれぞれ適切に設定するための(内視鏡)種別モードと共に、種別モード以外の血管探知等の複数の設定モードを用意している。
図5は、本実施形態の内視鏡システム1において選択的に設定できる設定モードと、その設定モードの概要を示す。設定モードとしては、上述した(内視鏡)種別モードの他に、血管探知、GI(外科用内視鏡)/SP(消化器用内視鏡)協調、ワイドエリア、レリーズ、スクリーニング、食道のモードを選択できる。血管探知等の選択は、入力部を形成するキーボード6又はフロントパネル44から行うことができる。
【0023】
血管探知は、血管を探知するモードであり、血管のコントラストを上げ血管をより見易く表示する際に使用する。また、GI(外科用内視鏡)/SP(消化器用内視鏡)協調は、GI(外科用内視鏡)とSP(消化器用内視鏡)とを同時に使用する場合に使用する。ワイドエリアは、モニタ5の画面上で表示する内視鏡画像を大きく表示したい場合に使用する。広い画面エリアで見たい場合に有効となる。レリーズは、静止画を保存する時に使用する。ぶれが少ない画像を保存したい場合に使用する。
スクリーニングは、内視鏡検査を短時間で実施したい場合に使用する。また、食道(の設定モード)は、食道の観察をメインに行いたい場合に使用する。
また、メモリ47(の機能設定データ格納部47a)は、上述した内視鏡の種別に対応付けた機能設定データの他に、血管探知、GI(外科用内視鏡)/SP(消化器用内視鏡)協調、ワイドエリア、レリーズ、スクリーニング、食道のモードにそれぞれ対応した第2の機能設定データも格納している。なお、第2の機能設定データを、機能設定データ格納部47aの外部のメモリ47におけるメモリ領域や、メモリ47とは別体のメモリ等の記憶デバイスに格納するようにしても良い。
そして、CPU43の例えば自動設定部43bは、内視鏡の種別の検知結果に基づいて、内視鏡システム1の複数の選択機能を、検知した内視鏡の種別に適切な設定状態に自動的に設定する他に、血管探知、GI(外科用内視鏡)/SP(消化器用内視鏡)協調、ワイドエリア、レリーズ、スクリーニング、食道のモードの選択に対応して、内視鏡システム1の複数の選択機能を、適切な設定状態に自動的に設定する。
【0024】
本実施形態においては、上記のように
図5における設定モードに対して内視鏡システム1の選択機能を適切に設定できるようにするために、上述したメモリ47等に(内視鏡)種別等の情報に対応して内視鏡システム1における複数の選択機能をそれぞれ適切に設定する対応付けデータとしての機能設定データ及び第2の機能設定データを予め格納している。
図6は、機能設定データ格納部47aに予め格納されている機能設定データの一部を示す。機能設定データ格納部47aは、
図6に示すように内視鏡2Iの種別を表すGIF,TJF,…(
図5中ではGIFモード,TJFモード,…と記載)に対応して、
図4で示した観察モード、ノイズリダクリョン等の各選択機能の項目の設定値などをそれぞれ適切するテーブルデータを格納している。
例えば、GIFの内視鏡種別に対応して観察モードをWLI、ノイズリダクションをレベル2,プリフリーズをレベル6,カラーモードをモードa,…,光量を0(標準の光量レベル),サーバ連携をON,周辺機器制御をONに設定する機能設定データを格納している。
【0025】
また、内視鏡2IがTJFである場合には、TJFの内視鏡種別に対応して観察モードをWLI、ノイズリダクションをレベル2,プリフリーズをレベル6,カラーモードをモード3,…,光量を+2,サーバ連携をON,周辺機器制御をONに設定する機能設定データを格納している。
従って、内視鏡種別検知回路41cがビデオプロセッサ4に接続された内視鏡2Iの種別が、例えばGIFである場合には、CPU43の自動設定部43bは、機能設定データ格納部47aに格納されている機能設定データを参照して、GIFの内視鏡種別に対応する機能設定データ(具体的には、観察モードがWLI、ノイズリダクションがレベル2,プリフリーズがレベル6,カラーモードがモード1,…,光量が0,サーバ連携がON,周辺機器制御がONの機能設定データ)を取得し、内視鏡システム1の複数の選択機能の状態を取得した機能設定データの状態に自動的に設定する。
図6に具体的に示すように、CPU43の自動設定部43bは、内視鏡種別の検知結果に応じて、内視鏡システム1を構成する信号処理装置としてのビデオプロセッサ4におけるノイズリダクション等の複数の機能と、周辺装置を形成する光源装置3における例えば光量等をそれぞれ適切な設定状態に自動的に設定する。
このように内視鏡システム1の複数の選択機能を、検知した内視鏡2Iの種別等に応じて適切な設定状態に自動的に設定することができるようにすることにより、術者が複数の選択機能をそれぞれ手動で選択し、選択した選択機能をそれぞれ適切な設定状態に設定する手間及び時間を不要にして操作性を向上できるようにしている。
【0026】
また、本実施形態においては、内視鏡2Iの種別に応じて、内視鏡システム1の選択機能を設定する機能(内視鏡)種別モードの他に、
図5,
図6に示すように他の設定モードに対応して選択機能を適切に自動的に設定する機能を備える。
図6は、例えば血管探知のモードが選択された場合の機能設定データの具体例を示す。例えば、メモリ47には、複数の機能がそれぞれ血管探知を適切に行い易いように設定する血管探知用機能設定データが格納されており、入力部から血管探知のモードが選択された場合には、血管探知用機能設定データのように複数の機能が自動的に設定される。この場合には、内視鏡2Iの種別は設定されない(つまり、血管探知のモードは、内視鏡2Iの種別に依存しない)。なお、レリーズやスクリーニングも同様に、内視鏡2Iの種別に依存しない。
また、本実施形態においては、キーボード6及びフロントパネル44にはそれぞれ特定機能キー6a及び特定機能ボタン44aが予め設定されており、特定機能キー6a又は特定機能ボタン44aを操作することにより、内視鏡システム1において現在設定されている複数の選択機能の設定内容(のリスト)を一括してモニタ5に表示することができるようにしている。なお、モニタ5は、機能設定部43aにより設定される複数の機能の設定内容のリスト等を表示する表示部を形成する。
【0027】
例えば、内視鏡の種別がGIFの状態で内視鏡システム1を使用中において、特定機能キー6a又は特定機能ボタン44aを操作すると、CPU43は、ユーザI/F制御回路45を介して、特定機能キー6a又は特定機能ボタン44aの操作を識別し、
図5に示すGIFモードに対応する設定状態の選択機能をモニタ5で表示するように制御する。
また、キーボード6及びフロントパネル44から、ユーザの趣向等により、
図5の機能設定内容を変更することができるようにしている。
図5に示す機能設定データは、一般的には内視鏡の種別に最適に近いものであるが、個々のユーザの趣向に対応しない場合が有り得るために、機能設定内容を変更できるようにしている。換言すると、入力部を形成するキーボード6及びフロントパネル44は、自動設定部43b又は機能設定部43aで設定した機能設定の内容を変更可能とする機能設定変更部の機能を持つ。
ユーザが機能設定内容を変更するような場合においても、特定機能キー6a又は特定機能ボタン44aの操作により、選択機能の設定内容をモニタ5に一括表示した状態で行うことができるようにしているので、簡単にユーザが望む設定状態に設定できるようにしている。
【0028】
また、本実施形態においては、キーボード6及びフロントパネル44に設定された機能メニューボタン又は機能メニューキーを操作することにより、
図7に示すような機能メニューをモニタ5に表示し、ユーザは表示された機能メニューから選択機能を含む各種の機能の変更の設定をしたり、新たに別の選択機能を追加する等の設定を行うことができるようにしている。
図7に示す例では、映像関連機能と、照明関連機能と、周辺機器関連機能、観察モード機能とは、
図4,
図5において説明したものである。
図7においては、観察部位(又は診療科)関連機能が追加されている。
上述したように内視鏡の種別により、複数種類の選択機能を自動的に種別に適した機能設定内容に設定することができるが、観察部位(又は診療科)の情報によっても、観察部位(又は診療科)に適した機能設定内容に設定したり、設定された機能設定内容を変更することができるようにしている。
【0029】
なお、観察部位(又は診療科)関連機能において、胆膵管以外の、耳鼻科、泌尿器科、上部消化管、下部消化管、気管支は、内視鏡種別におけるそれぞれ対応するENT,CYF,GIF,CF,BFの場合にほぼ対応する。換言すると、術者等のユーザは、内視鏡の種別モードで設定内容を確認や変更の設定ができると共に、観察部位関連機能から類似の設定内容を確認したり、変更したりすることもできる。
また、本実施形態においては、ビデオプロセッサ4におけるメモリI/F回路41bは、内視鏡2Iの不揮発性メモリ24iのデータを読み出す機能と、データを書き込む機能とを備えたデータリード/ライト回路41baを有する。そして、後述するように、内視鏡2Iの不揮発性メモリ24iに、当該内視鏡2Iの場合において、内視鏡システム1における複数の機能をそれぞれ適切な設定状態に設定するための設定データを格納することができるようにしている。
【0030】
本実施形態の内視鏡システム1は、複数の種別の内視鏡2Iと、前記複数の種別の内視鏡2Iにおける1つの内視鏡が接続され、接続された内視鏡に搭載された撮像素子22iの出力信号に対する映像処理を行う信号処理装置を形成するビデオプロセッサ4と、前記信号処理装置に接続される1つ以上の周辺機器を形成する光源装置3,モニタ5,VTR7,プリンタ8,ネットワーク装置9と、前記内視鏡2Iが前記信号処理装置に接続された際に、前記内視鏡2Iの種別を検知する内視鏡種別検知部を形成する内視鏡種別検知回路41cと、前記信号処理装置と、該信号処理装置に接続された内視鏡2Iと、前記周辺機器とを含む内視鏡システム1における複数の機能を設定する機能設定部43aと、を備え、前記機能設定部43aは、前記内視鏡種別検知部が検知した前記内視鏡2Iの種別に応じて前記複数の機能に対してそれぞれ適切な設定状態への設定を自動的に行うことを特徴とする。
次に
図8を参照して本実施形態の動作を説明する。
【0031】
術者等のユーザは、
図1に示すように観察部位に応じた種別の内視鏡2A等の内視鏡2Iをビデオプロセッサ4に接続すると共に、周辺機器としての光源装置3,モニタ5,VTR7等をビデオプロセッサ4に接続して、内視鏡システム1を動作状態に設定する。
最初のステップS1において内視鏡2Iがビデオプロセッサ4に接続されると、内視鏡種別検知回路41cは、接続された内視鏡2Iの種別を検知し、検知した種別のデータをCPU43の機能設定部43aに送る。
ステップS2においてCPU43(の機能設定部43a)は、検知した種別のデータを用いて、メモリ47から該種別のデータに対応する内視鏡システム1における複数の選択機能の設定データを読み出す。機能設定部43aは、例えば、種別のデータがGIFの場合には、
図6に示したGIF(モード)の列の選択機能の設定値等の設定データ(観察モードがWLI、ノイズリダクションがレベル2,…,周辺機器制御がON)を読み出す。また、ステップS3aに示すようにCPU43(の機能設定部43a)は、読み出した選択機能の設定値等の設定データのリストをモニタ5に表示するか否かの判定を行う。
【0032】
ステップS2の処理後のステップS3aにおいて、CPU43(の機能設定部43a)は、特定機能キー6a又は特定機能ボタン44aにおいて割り当てられた設定データのリストを表示する入力操作が行われた場合には、ステップS3bに示すように設定データのリストをモニタ5に表示すように制御を行った後、ステップ4に移る。一方、術者が特定機能キー6a等から入力操作を行わない場合には、CPU43(の機能設定部43a)は、ステップS3bに示す処理を行わないで、ステップS4の処理に移る。本実施形態においては、設定データのリストを表示する場合と、表示しない場合とを選択できるようにしている。
ステップS4においてCPU43(の機能設定部43a)は、術者に対して設定データを変更しない状態でOKか否かの判断を求める表示を行う。
術者は、モニタ5に表示された設定データのリストの内容で内視鏡システム1の選択機能を動作させる場合には変更しない設定でOKの入力をキーボード6等から行う。すると、ステップS5に示すようにCPU43(の機能設定部43a)は、モニタ5に表示された設定データのリストの内容で内視鏡システム1の選択機能を動作させるようにパラメータ制御回路42i、光源制御回路34、周辺機器制御回路46を介して映像処理回路42、光源装置3、周辺機器の選択機能をそれぞれ制御する。つまり、CPU43(の機能設定部43a)は、内視鏡システム1の複数の選択機能を、検知された種別のデータに対応する適切な設定データの動作状態に自動的に設定する。
【0033】
そして、ビデオプロセッサ4に接続された内視鏡2Iの種別に応じて、内視鏡システム1における複数の選択機能をそれぞれ適切な設定値などに自動的に設定し、内視鏡検査を行い易い状態にする。
また、ステップS6に示すようにCPU43(の機能設定部43a)は、キーボード6又はフロントパネル44から(内視鏡)種別モード以外の血管探知等の設定モードの指定の入力操作が行われたか否かを判定する。
そして、当該設定モードの指定が行われた場合には、ステップS7に示すようにCPU43(の機能設定部43a)は、対応する設定状態に設定する。例えば,内視鏡2Iの種別がGIFの場合には、ステップS5において
図6のGIFモードに対応した設定データの設定状態に自動的に設定されるが、ステップS6において血管探知の設定モードの指定が行われると、CPU43(の機能設定部43a)は、
図6の血管探知モードに対応して設定データの設定状態に自動的に設定する(変更する)。
このように、内視鏡検査を、簡単且つ円滑に内視鏡検査を行うことができる状態となる。ステップS7の後、ステップS8に示すように術者は、内視鏡検査を行う。ステップS6において、種別モード以外の設定モードの指定が行われない場合には、ステップS7の処理を行うこと無く、ステップS8の処理を行う。
【0034】
一方、術者は、(標準的に)適切な設定である設定データから一部を変更した術者の趣向等に対応した適切な設定データに変更したいような場合には、ステップS4において変更しない設定でOKかの判断に対してNO(又は変更する)の入力をキーボード6等から行う。
すると、ステップS9に示すようにCPU43(の機能設定部43a)は、変更することを望む選択機能の項目の指定を促す表示を行うように制御する。そして、術者は、例えばキーボード6の移動キーなどを操作し、変更することを望む選択機能の項目を指定する。
するとステップS10に示すようにCPU43(の機能設定部43a)は、その項目において、選択できる設定値等の変更可能な設定内容のリストを表示し、術者は、そのリストから術者が望む設定値等を指定し、キーボード6等における確定キー等を操作し、確定する。
次のステップS11に示すようにCPU43(の機能設定部43a)は、確定キー等の操作により1つの項目の変更を受け付け、更に変更するか否かの表示を行うように制御する。術者は、更に変更を行うことを希望する場合には、変更する旨の操作をキーボード6等から行う。この場合には、ステップS9の処理に戻り、術者は、更に変更することを望む選択機能の項目の設定値等を変更することができる。
【0035】
このようにして、内視鏡システム1の全ての選択機能に対して、術者が望む変更しようとする選択機能の1つ又は複数の項目の変更ができ、変更しようとする項目全てに対して変更を行った場合には、ステップS11における変更するか(否か)の判定に対して変更しない旨の操作をキーボード6等から行う。
すると、ステップS12に示すようにCPU43(の機能設定部43a)は、ステップS5の場合と同様に、変更された選択機能の設定データのリスト通りに内視鏡システム1の各選択機能の設定を行う。
また、ステップS13に示すようにCPU43(の機能設定部43a)は、変更された選択機能の設定データを、この術者が使用するためのユーザ用の設定データとして保存するか否かの判断を行う表示を行うように制御する。
術者は、今後、変更された設定データを用いて内視鏡検査に使用することを望むような場合には、保存する旨の操作をキーボード6等から行う。すると、ステップS14に示すようにCPU43(の機能設定部43a)は、メモリ47において術者のユーザ名を追加した設定データとして保存(格納)する。
この場合には、メモリ47には、
図6に示した設定データ(対応付けデータ)として
図9に示すようなユーザ名に対応した設定データ(対応付けデータ)が追加して格納される。
【0036】
図9は、上記術者のユーザ名がユーザAの場合に対応した設定データ(対応付けデータ)の一部を示す。
図9においては、上記術者が例えば内視鏡2Iの種別がGIFのものを用いて、例えば選択機能としてノイズリダクションのレベルのみを変更(レベル2をレベル3に変更)した設定データ(対応付けデータ)を追加して保存(格納)している。
図9において、ユーザ名の指定がない(−で示している)設定データ(対応付けデータ)は、全てのユーザに共通して使用する設定データであり、
図6と同じである。
また、ステップS14の処理以後となるステップS15においてはCPU43(の機能設定部43a)は、内視鏡2Iの種別の他にユーザ名も内視鏡システム1の選択機能の設定に用いるようになる。ステップS15の処理後にステップS6の処理に移る。また、ステップS13において変更の設定データを保存しない選択を行った場合にも、ステップS6の処理に移る。
【0037】
上述したステップS8の内視鏡検査の処理中においてステップS16に示すようにCPU43は、キーボード6等から検査終了の操作が行われたか否かを判定し、検査終了の操作が行われない場合には、ステップS8の内視鏡検査を続行し、検査終了の操作が行われた場合には
図8の処理を終了する。
上述したようにユーザ名に対応した設定データを保存した場合には、CPU43(の機能設定部43a)は、内視鏡2Iの種別の他にユーザ名に対応した設定データを参照して内視鏡システム1の選択機能の設定を行うようになる。
なお、
図8においては、ユーザ名に対応した設定データをメモリ47に保存する例を説明したが、ユーザ名に対応した設定データを内視鏡2Iの不揮発性メモリ24i(i=a,b,…)に格納するようにしても良いし、両方のメモリ47,24iにユーザ名に対応した設定データを格納するようにしても良い。また、全てのユーザが使用できるように、ユーザ名が設定されていない設定データを不揮発性メモリ24iに格納するようにしても良い。
【0038】
また、内視鏡2Iの不揮発性メモリ24iにユーザ名等に対応した設定データを格納する場合、
図2のビデオプロセッサ4の機能とは異なる機能を持つビデオプロセッサ(4Bとする)を用いて内視鏡システム1を形成するような場合にも、同様に適切に設定できるように機能が異なる複数の種別のビデオプロセッサ用の設定データを格納するようにしても良い。以下の説明においては
図2のビデオプロセッサ4の種別をD,この種別Dと異なる機能を持つビデオプロセッサ4Bの種別をEとして説明する。
図10は、例えばGIFの内視鏡の不揮発性メモリ24iのデータ格納部に設定データを格納した場合の設定データの一部を示す。
図2においては不揮発性メモリ24a,24bにおける
図10に示すような設定データを格納するメモリ領域により形成されるデータ格納部をそれぞれ24aa,24baで示している。
図10に示す例では、2人のユーザ名がユーザA,Bに対応してそれぞれ適切に設定された設定データと共に、ユーザ名の設定されていない共通用の設定データを格納している。また、不揮発性メモリ24iのデータ格納部は、信号処理装置を形成するビデオプロセッサ4の種別D,Eに対応する(ビデオプロセッサ種別用)設定データが、種別D,Eに対応詰めて格納している。なお
図10ではビデオプロセッサをVPで簡略化して表している。
【0039】
例えば
図2に示すビデオプロセッサ4の種別が上記のようにDである場合、
図10に示すようにGIFの種別の内視鏡の不揮発性メモリ24iには、このビデオプロセッサ4の種別Dに対応した設定データを格納している。また、
図2に示すビデオプロセッサ4の種別Dとは異なる種別Eのビデオプロセッサ4Bにおいても適切な設定データに自動的に設定して使用できるようにビデオプロセッサ4Bの種別Eのデータと対応付けて設定データを格納している。なお、
図10におけるビデオプロセッサ4Bの種別Eにおいては、例えばプリフリーズの機能を有しない種別であるため、プリフリーズの機能を設定する設定データは無い(−で設定データが無いことを示す)。
【0040】
一方、種別Dのビデオプロセッサ4のメモリ47は、
図10における種別Dと異なる種別Eの場合の設定データを除く設定データを保存(格納)していると共に、更にGIF以外の内視鏡2Iの種別に関しても
図10と類似の設定データを格納している。
図10のように設定された設定データを用いた場合には、内視鏡システム1は
図8に示す処理とは、若干異なる処理を行う。
図11は、
図10のような設定データを用いた場合の処理の一部を示す。
【0041】
最初のステップS21においてCPU43(の機能設定部43a)は、術者のユーザ名の入力を促す表示を行うように制御し、キーボード6等から入力されるユーザ名のデータを取得する。
次のステップS22においてCPU43(の機能設定部43a)は、内視鏡種別検知回路41cにより検知された本ビデオプロセッサ4に接続された内視鏡2Iの種別のデータを取得し、更にステップS23においてステップS21により取得したユーザ名の設定データが有るか否かを判定する。
図10のデータの場合には、メモリ47には、ユーザAに対応付けされた設定データがメモリ47に格納されている。そして、ステップS24においてCPU43(の機能設定部43a)は、
図10におけるユーザ名がユーザAでかつビデオプロセッサ4の種別Dの場合の設定データをメモリ47から読み出し、そのリストをモニタ5で表示するように制御する。
【0042】
つまり、ステップS23においてステップS21において取得したユーザ名が有ると判定した場合には、ステップS24においてCPU43(の機能設定部43a)は、そのユーザ名において本ビデオプロセッサの種別Dに対応した設定データをメモリ47から読み出し、読み出した設定データのリストをモニタ5で表示するように制御する。ステップS24の処理後は、
図8のステップS4に移り、
図8のステップS4以降の処理を行う。
また、ステップS23において仮にステップS21において取得したユーザ名と共に保存された設定データが存在しない場合には、ステップS25に示すようにユーザ名が指定されていない共通の設定データが読み出される(実質的には
図8のステップS3とほぼ同様。但し、
図2のビデオプロセッサ4の種別Dと異なる種別Eの場合にも適用できる)。そして、その設定データのリストがモニタ5に表示され、ステップS25の処理後は、
図8のステップS4に移る。
図11におけるステップS23〜S25の処理は、ユーザ名に対応付けた設定データが存在する場合には、ユーザ名を含まない設定データよりも優先してユーザ名に対応付けた設定データを内視鏡システム1の複数の機能の設定に利用することを表している。
【0043】
なお、上述した
図8の処理においては、ステップS4において設定データのリストの表示に対して、術者が設定データを変更しようとする場合、表示された選択機能のリストから変更しようとする選択機能の項目を指定して変更を行うようにしているが、例えばネットワーク装置9のサーバ9aにアクセスして、サーバ9a内に蓄積されている機能設定において推奨される推奨設定データを取得し、設定データを推奨設定データで変更して使用するようにしても良い。
図12はこの場合の処理の一部を示す。
図8のステップS4において変更する選択(変更しないに対してNOの入力)を行った場合には、
図12におけるステップS31に示すようにCPU43(の機能設定部43a)は、ネットワーク装置9のサーバ9a内に蓄積されている推奨される推奨設定データを参照(又は取得)するか否かの表示を行うように制御する。
術者は、推奨設定データを参照しようとする場合には、参照する旨の入力(選択)をキーボード6等から行う。この場合には、ステップS32に示すようにCPU43(の機能設定部43a)は、モニタ5に推奨設定データを、例えばステップS3の設定データのリストの横等に表示するように制御する。
【0044】
そして、ステップS33に示すように術者は、推奨設定データを参照して、設定データを変更し、変更内容を確定した後、
図8のステップS12の処理に移る。
一方、術者は、推奨設定データを参照しない場合には、参照しない旨の入力(選択)をキーボード6等から行う。この場合には、
図8のステップS9の処理に移る。
図12の処理を
図8の処理に含めると、内視鏡システム1の選択機能をサーバ9aに蓄積された推奨設定データを反映した設定データに設定できる。
なお、上述した説明においては、内視鏡2Iがビデオプロセッサ4に接続された場合には、接続された内視鏡2Iの種別を検知できるものとして説明したが、ビデオプロセッサ4の内視鏡種別検知回路41cでは検知できない種別検知方式やコネクタ形状が異なるものを採用した内視鏡が接続される場合があり得る。
このような場合には、
図13に示すように内視鏡システム1の複数の選択機能を適切な設定状態に設定するようにしても良い。
【0045】
ステップS41に示すように入力部を構成するキーボード6又はフロントパネル44から、術者がビデオプロセッサ4に接続された内視鏡の観察部位又は診療科の名称を入力する。メモリ47には入力された名称の観察部位又は診療科において推奨される設定データを格納している。
そして、ステップS42に示すようにCPU43(の機能設定部43a)は、メモリ47から推奨される設定データを読み出す。ステップS42の処理の後、
図8のステップS3の処理に進む。このようにして、内視鏡システム1の選択機能を適切な設定状態に設定する。
なお、
図13に示す処理は、
図8における内視鏡2Iの種別検知と二者択一的な処理となるが、
図8の処理において、ステップS41、S42の処理を含めるようにしても良い。例えば
図8の処理が開始した場合、CPU43(の機能設定部43a)は、内視鏡種別検知回路41cから内視鏡2Iの種別の検知結果が、所定時間以内に種別の検知結果が入力されるか否かを監視する。
【0046】
所定時間以内に種別の検知結果が入力された場合には、ステップS2の処理に進み、所定時間以内に種別の検知結果が入力されない場合には、CPU43(の機能設定部43a)は、検知結果が入力されない旨を表示するように制御し、
図13のステップS41、S42の処理を行った後、
図8のステップS3の処理に進むようにしても良い。
【0047】
また、二者択一的な処理にすることなく、
図14に示すような処理を行うようにしても良い。
図14は、
図8における一部のみを変更した処理であり、
図8のステップS1〜S3の処理を行った後、ステップS51においてCPU43(の機能設定部43a)は、術者に対して観察部位又は診療科による設定データを参照するか否かを選択する旨の表示を行うように制御する。
術者は、観察部位又は診療科による設定データを参照しようとする場合には、参照する選択を行い、参照することを希望しない場合には参照しないを選択する。参照しない選択を行った場合には、ステップS4の処理に移り、この選択の場合には
図8の処理と同じ処理となる。
【0048】
一方、参照する選択が行われた場合には、ステップS52においてCPU43(の機能設定部43a)は、術者に対して観察部位又は診療科の名称の入力を促す表示を行うように制御し、術者は観察部位又は診療科の名称の入力を行う。
観察部位又は診療科の名称が入力された場合にはステップS53においてCPU43(の機能設定部43a)は、名称に対応する設定データの読み出しを行い、さらにステップS54においてステップS53において読み出した設定データのリストを、例えばステップS3のリストに例えば隣接して表示する。
ステップS55においてCPU43(の機能設定部43a)は、ステップS3の設定データのリストとステップS53の設定データのリストとにおける後者(S53)の設定データを(以下のような理由により)優先したり、術者による選択指示に従った一方の設定データ(のリスト)を選択した後、ステップS4の処理に移る。
【0049】
内視鏡2Iの種別の検知結果に基づく設定データと、観察部位又は診療科の名称に基づく設定データは、殆ど同じとなる場合が多いが、観察部位の名称の方がより限定した内容になり得る場合がある。
例えば上部消化管内視鏡の種別が検知された場合には、食道と胃が観察対象(検査対象)となるが、観察部位として食道の名称を指定した場合には、食道の検査のみに適した設定データを採用する方が望ましい設定になる。
このような場合には、内視鏡2Iの種別の検知結果に基づく設定データよりも観察部位の名称に基づく設定データを優先して(内視鏡システム1の選択機能の設定に利用するための)設定データに採用するようにしても良い。診療科の名称の場合には、内視鏡2Iの種別の検知結果に基づく設定データと殆ど同じとなる。このため、
図14においては診療科の名称を観察部位の名称と同じように扱う処理を示しているが、観察部位の名称の場合のみを優先するようにしても良い。
【0050】
なお、内視鏡システム1を用いて内視鏡検査を行う場合の動作として
図8の処理内容を説明したが、
図8におけるステップS8,S16を除外した処理を行うようにしても良い。換言すると、内視鏡検査を行うための前処理、又は設定データの更新処理、又は新たな設定データの登録のための処理等として、
図8のステップS1〜S7,S9〜S15を行うようにしても良い。
上述したように動作する本実施形態によれば、実際に使用される内視鏡の種別に応じて内視鏡システム1の複数の機能を自動的に適切な設定状態に設定することができる。
また、本実施形態によれば、内視鏡の種別に依存した内視鏡種別モードに対応して、内視鏡システム1の複数の機能を自動的に適切な設定状態に設定することができると共に、内視鏡の種別に依存しない血管探知等の設定モードに対応して、内視鏡システム1の複数の機能を自動的に適切な設定状態に設定することができる。
また、本実施形態によれば、ユーザの趣向を反映しないで共通のユーザに対して、内視鏡システム1の複数の機能を適切な設定状態に設定する設定データと共に、個々のユーザの趣向を反映して、内視鏡システム1の複数の機能を適切な設定状態に設定する設定データを格納でき、格納した後、優先して使用することができる。
また、本実施形態によれば、サーバ9aに蓄積されている推奨されるデータを取得し、内視鏡システム1の複数の機能を適切な設定状態に設定する設定データとして利用することができる。
【0051】
また、本実施形態において、以下に説明する設定データを格納したり、格納した設定データを使用できるように登録するようにしても良い。
図10において、内視鏡2Iの不揮発性メモリ24iに、内視鏡2Iが接続して使用される複数の種別のビデオプロセッサ4,4Bそれぞれにおいて適切な設定状態に設定するための設定データを格納し、以後使用できるように登録することを説明したが、
図15に示すように、更に種別が異なる光源装置が使用される場合の設定データを格納するようにしても良い。
図15は、
図10において更に種別がG,Hの光源装置3,3Bに対応した設定データの一部を示す。
図15は、同じユーザAの場合、ビデオプロセッサの種別Dが同じであっても、光源装置の種別がG,Hと異なるために、光量の設定値が0,+1と異なる設定となっている。
図15に示した設定データを使用すると、内視鏡2Iの種別、信号処理装置としてのビデオプロセッサの種別、光源装置の種別が異なるような場合にも、それぞれ適切な設定状態に自動的に設定でき、内視鏡検査を円滑に行うことが可能になる。
【0052】
なお、
図15においては、内視鏡2Iの種別がGIFの場合における設定データの一部を示しているが、勿論、他の種別の内視鏡の不揮発性メモリ内においても、その内視鏡の種別に対応して、内視鏡システム1における複数の機能をそれぞれ適切に設定するための設定データを格納する。また、ビデオプロセッサ4,4B側においても、接続されて使用される内視鏡2Iの種別と共に、ビデオプロセッサに接続して使用される光源装置3,3Bの種別に対応した設定データを格納するようにしても良い。
なお、上述した実施形態においては、ビデオプロセッサ4に接続された複数の周辺機器の設定状態を図示していないが、上述した特定機能キー6a又は特定機能ボタン44a等の操作により、複数の周辺機器の設定状態を図示するようにしても良い。
また、信号処理装置としてのビデオプロセッサ4における選択機能の数が多いような場合に対応して、複数の周辺機器の設定内容のみを一括して表示するようにしても良い。このためにビデオプロセッサ4に接続された複数の周辺機器の設定内容を、入力部を形成するキーボード6又はフロントパネル44における予め設定した周辺機器用ボタンの操作により、
図16に示すように周辺機器制御回路46が周辺機器から通信などで取得した周辺機器の種類や設定項目を取得し、ビデオプロセッサ4に接続された内視鏡2Iの種別に応じて適切な設定状態に設定するように制御しても良い。
【0053】
なお、
図16では、周辺機器制御回路46に接続されている周辺機器としてのモニタ、VTR7、プリンタ8,ネットワーク装置9を示しているが、周辺機器制御回路46に接続されていない周辺機器としての光源装置3と、入力部を形成するキーボード6も周辺機器に含めて表示するようにしても良い。
また、
図17に示すように接続された複数の周辺機器における設定を変更しようとする周辺機器(
図17ではモニタ)に対して、設定できる項目における推奨される設定項目と設定できない(設定不可)の項目とを明示するようにしても良い。
また、ビデオプロセッサ4に接続された複数の周辺機器が、ビデオプロセッサ4からの設定値またはパラメータによる調整(設定)が必要となる周辺機器(周辺機器Fとする)を有する場合には、入力部を形成するキーボード6等から周辺機器Fの種別の情報をビデオプロセッサ4に入力することにより、周辺機器Fの種別の情報に応じて設定が必要になるメニュー項目を自動的にウィザード形式で表示するメニュー設定部をビデオプロセッサ4(の例えば周辺機器制御回路46)が備えるようにしても良い。
【0054】
例えば、周辺機器Fを指定することにより、メニュー設定部は、
図18に示すように周辺機器Fにおいて設定が必要となる設定項目F1,F2,…を自動的にピックアップして(周辺機器)メニュー設定画面に表示する。従って、ユーザは、メニュー設定画面の表示内容に従って、周辺機器Fに対して必要な設定値などの設定を簡単に行うことができる。
なお、上述した実施形態等の一部を部分的に組み合わせて形成される実施形態も本発明に属する。また、以下の付記を含む。
付記1:前記表示部は、前記内視鏡若しくは前記周辺機器が接続された際に、前記内視鏡の種別若しくは前記周辺機器の種別に応じて、設定された各項目のメニューを自動的にウイザード形式で表示することを特徴とする請求項1に記載の内視鏡システム。
【0055】
付記2:前記内視鏡システム1における前記複数の機能は、前記信号処理装置が有する複数の機能と、前記周辺機器が有する1つ以上の機能とを含むことを特徴とする請求項1に記載の内視鏡システム。
【0056】
本出願は、2014年11月13日に日本国に出願された特願2014―230812号を優先権主張の基礎として出願するものであり、上記の開示内容は、本明細書、請求の範囲、図面に引用されたものとする。
内視鏡システムは、複数の種別の内視鏡と、接続された内視鏡に搭載された撮像素子の出力信号に対する映像処理を行う信号処理装置と、信号処理装置に接続される周辺機器と、信号処理装置に接続された内視鏡の種別を検知する内視鏡種別検知部と、信号処理装置、接続された内視鏡及び周辺機器を含む内視鏡システムにおける複数の機能を設定する機能設定部と、を備え、機能設定部は、接続が検知された内視鏡の種別に応じて複数の機能をそれぞれ適切な設定状態への設定を自動的に行う。