(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1ワイヤ挿通部の中心軸と前記第2ワイヤ挿通部の中心軸とがそれぞれ前記第1環状部材および前記第2環状部材の周方向において互いに重複しないように、前記第1ワイヤ挿通部は前記第1環状部材に接続され、前記第2ワイヤ挿通部は前記第2環状部材に接続される請求項4に記載の湾曲管。
前記中心軸の先端側に配設され、複数の環状部材同士が前記中心軸に対して直交する前記回動軸を含む複数の関節部によって接続されることにより複数の前記環状部材同士が連設し、湾曲可能な第1の湾曲管と、
前記中心軸において前記第1の湾曲管の基端側に配設される第2の湾曲管として機能する請求項1に記載の湾曲管と、
を有する湾曲管。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。
[一実施形態]
[構成]
図1と
図2Aと
図2Bと
図3Aと
図3Bと
図3Cと
図3Dと
図4Aと
図4Bとを参照して一実施形態について説明する。
図3Bは、環状部材210の各構成部材(突片部213,215、ワイヤ挿通部211など)及び回動軸の位置関係を示す図であり、環状部材210の明確な断面ではない。この点は、
図3Cに示す環状部材230と、
図3Dに示す環状部材220とについても同様である。このように、一部の図面では、図示の明瞭化のために、一部の部材の図示を省略している。
【0009】
[内視鏡10]
内視鏡10は、例えば、体腔内等の管腔内に挿入される挿入機器として機能する。本実施形態の内視鏡10は、例えば、胆管に直接挿入される直接胆道型内視鏡である。
内視鏡10は、患者の体腔内等の管腔内に挿入される細長い挿入部20と、挿入部20の基端部に連結され、内視鏡10を操作する操作部30とを有する。
【0010】
[挿入部20]
挿入部20は、挿入部20の先端部側から挿入部20の基端部側に向かって順に、挿入部20の長手方向に延びる軸に沿って、先端硬質部21と、湾曲管23と、可撓管部25とを有する。先端硬質部21の基端部は湾曲管23の先端部に連結され、湾曲管23の基端部は可撓管部25の先端部と連結される。湾曲管23の具体的な構成については、後述する。
【0011】
[操作部30]
操作部30は、可撓管部25が延出する本体部31と、本体部31の基端部に連結され、内視鏡10を操作する操作者によって把持される把持部33と、把持部33に接続されるユニバーサルコード41とを有する。
【0012】
[把持部33]
把持部33は、処置具が内視鏡10に挿入されるために配設される処置具挿入部35と、湾曲管23を湾曲操作する湾曲操作部37と、スイッチ部39とを有する。処置具挿入部35は把持部33の先端部側に配設され、湾曲操作部37とスイッチ部39とは把持部33の基端部側に配設される。
【0013】
[湾曲操作部37]
湾曲操作部37は、湾曲管23の第1の湾曲管100を例えば上下に湾曲させる第1の操作ノブ37aと、湾曲管23の第2の湾曲管200を例えば上下に湾曲させる第2の操作ノブ37bとを有する。湾曲操作部37は、第1の湾曲管100の位置を固定する第1の固定ノブ37cと、第2の湾曲管200の位置を固定する第2の固定ノブ37dとをさらに有する。
【0014】
[スイッチ部39]
スイッチ部39は、吸引スイッチ39aと、送気・送水スイッチ39bと、内視鏡撮影用の各種スイッチ39cとを有する。吸引スイッチ39aと送気・送水スイッチ39bと各種スイッチ39cとは、把持部33が操作者に把持された際に、操作者の手によって操作される。
【0015】
[ユニバーサルコード41]
ユニバーサルコード41は、把持部33の側面から延出される。ユニバーサルコード41は、図示しない制御装置などに接続される。
【0016】
[湾曲管23]
湾曲管23は、挿入部20の先端側に配設される第1の湾曲管100と、挿入部20の基端側に配設される第2の湾曲管200とを有する。第1の湾曲管100の先端部は先端硬質部21に連結され、第1の湾曲管100の基端部は第2の湾曲管200の先端部に第1の口金部301を介して連結され、第2の湾曲管200の基端部は可撓管部25の先端部に第2の口金部302を介して連結される。第1の口金部301は、第1の湾曲管100または第2の湾曲管200に含まれてもよい。第2の口金部302は、第2の湾曲管200に含まれてもよい。第1の口金部301と第2の口金部302とは、例えば環状部材である。
【0017】
第1の湾曲管100は、第1の操作ノブ37aの操作に伴う第1の操作ワイヤ310(
図2A参照)の牽引によって、例えば上下方向に能動的に大きく湾曲する。第1の操作ワイヤ310の先端部は、例えば先端硬質部21の内周面に固定される。なお第1の操作ワイヤ310の先端部は、第1の湾曲管100の最も先端に配設される環状部材101の内周面に固定されてもよい。第1の操作ワイヤ310の基端部は、第2の湾曲管200と可撓管部25とを挿通し、第1の操作ノブ37aに接続される。第1の湾曲管100は、上下方向に受動的にも湾曲可能である。このような第1の湾曲管100の具体的な構成については、後述する。
【0018】
第2の湾曲管200は、第2の操作ノブ37bの操作に伴う第2の操作ワイヤ320(
図3A参照)の牽引によって、例えば上下方向に能動的に小さく湾曲する。第2の操作ワイヤ320の先端部は、例えば第1の口金部301の内周面に固定される。なお第2の操作ワイヤ320の先端部は、第2の湾曲管200の最も先端に配設される環状部材210の内周面に固定されてもよい。第2の操作ワイヤ320の基端部は、可撓管部25を挿通し、第2の操作ノブ37bに接続される。第2の湾曲管200は、上下方向に受動的にも湾曲可能である。第2の湾曲管200は、上下方向以外にも、第1の斜め方向と第2の斜め方向とに受動的に湾曲可能である。このような第2の湾曲管200の具体的な構成については、後述する。
【0019】
[第1の湾曲管100の構成]
図2Aと
図2Bとに示すように、第1の湾曲管100は、複数の略円筒(環状)形状の環状部材101が挿入部20の長手方向に沿って並設されることで、構成される。互いに隣り合う環状部材101は、後述する連結部によって互いに対して回動可能に連結される。このように環状部材101が互いに対して回動可能に連結されることで、上述したように湾曲(回動)可能な第1の湾曲管100は形成される。環状部材101は、例えば、節輪である。このような複数の環状部材101及び第1の口金部301は、第1の湾曲管100を構成する湾曲管セグメントとして機能する。
【0020】
図2Bに示すような環状部材101は、例えば金属などの硬質材料で形成される。環状部材101は、例えば、金属の薄板をプレス加工することによって、または金属の薄板を切削加工することによって、成形される。
【0021】
図2Bに示すように、環状部材101の先端部側(
図2Bの左側)には、突片部103が一対配設される。突片部103は、前側ヒンジ台である。突片部103は、環状部材101の一部が前方に向けて突出して平面状に形成された部位である。前方は、第1の湾曲管100の先端部側を示す。突片部103は、突片部103の厚み方向において突片部103を貫通する貫通孔部103aを有する。2つの突片部103は、互いに対して環状部材101の周方向に略180度離れて配設される。
【0022】
環状部材101の後端部側(
図2Bの右側)には、一対の突片部105が配設される。突片部105は、後側ヒンジ台である。突片部105は、環状部材101の一部が後方に向けて突出して平面状に形成された部位である。後方は、第1の湾曲管100の基端部側を示す。突片部105には、段差が設けられる。段差は、突片部103の略板厚分である。突片部105は、突片部105の厚み方向において突片部105を貫通する貫通孔部105aを有する。2つの突片部105は、互いに対して周方向に略180度離れて配設される。
【0023】
前側の2つの突片部103は、後側の2つの突片部105と周方向において同じ位置に配設される。
【0024】
先端硬質部21側に配設される環状部材101の突片部105と第2の湾曲管200側に配設される環状部材101の突片部103とにおいて、例えば、貫通孔部103aが貫通孔部105aと連通するように、突片部103は突片部105に積層する。この状態で、貫通孔部103a,105aには、回動部材(枢軸)であるリベット107が挿入される。これにより、可撓管部25側の環状部材101と先端硬質部21側の環状部材101とは、リベット107を介して連結され、リベット107を中心に回動可能に軸支される。このように、突片部103と突片部105との間には、回動支軸であるリベット107を有する支軸部が形成される。
【0025】
言い換えると、突片部103と突片部105とリベット107とは、可撓管部25側の環状部材101と先端硬質部21側の環状部材101とを互いに連結する連結部として機能する。突片部103と突片部105とリベット107とは、上下方向に湾曲する第1の湾曲管100の第1の上下回動軸を含む関節部として機能し、環状部材101の横断面において例えば上下左右方向における左右方向に位置する。第1の上下回動軸は、湾曲管23の中心軸つまり挿入部20の長手軸に沿って延びる軸に対して直交する。
【0026】
図2Bに示すように、各環状部材101は、環状部材101の内周面に配設され、第1の操作ワイヤ310が挿通する一対のワイヤ挿通部111を有する。ワイヤ挿通部111同士は、互いに対して周方向に略180度離れて配設される。ワイヤ挿通部111は、突片部103,105とは周方向に略90度離れて配設される。ワイヤ挿通部111は、第1の操作ワイヤ310を受ける受け部材である。このため第1の操作ワイヤ310は、第1の操作ワイヤ310の軸方向において、ワイヤ挿通部111を挿通及び進退移動する。この場合、ワイヤ挿通部111は、第1の操作ワイヤ310がワイヤ挿通部111を挿通可能となるように筒形状を有していればよい。
【0027】
このようなワイヤ挿通部111は、環状部材101とは別部材であり、例えば金属などの硬質材料で形成され、環状部材101の内周面に例えば図示しない溶接またはロー付けによって固定されればよい。
図2Aに示すように、各ワイヤ挿通部111は、第1の湾曲管100の長手方向において、同一直線上に配設される。
【0028】
なおワイヤ挿通部111は、環状部材101の周壁部の一部が環状部材101の外周面側から環状部材101の内周面側に向けて、プレス加工で切り曲げ加工しつつ、突出されて切り起こされることによって、成形されていてもよい。
【0029】
前記したような構成によって、第1の湾曲管100は、湾曲管23の中心軸の先端側に配設される。第1の湾曲管100において、複数の環状部材101同士は、長手方向に延びる湾曲管23の中心軸に沿ってつまり挿入部20の長手軸に沿って延びる軸に沿って配設され、中心軸に対して直交する回動軸を含む複数の関節部によって接続される。これにより、複数の環状部材101同士は連接し、第1の湾曲管100は湾曲可能となっている。そして第1の湾曲管100は、第1の操作ノブ37aの操作に伴う第1の操作ワイヤ310の牽引によって上下方向に能動的に湾曲し、上下方向に受動的に湾曲する。
【0030】
第1の湾曲管100が湾曲することにより、先端硬質部21の位置と向きとが変わる。そして、照明光が観察対象物に照明され、観察対象物が観察視野内に捉えられる。この観察対象物とは、例えば、被検体(例えば体腔)内における患部及び病変部等である。
【0031】
[第2の湾曲管200の構成]
図3Aと
図3Bと
図3Cと
図3Dとに示すように、第2の湾曲管200は、互いにタイプの異なる3つの環状部材210,220,230を1つのユニットとして有する。
図3Aに示すように、1つのユニットにおいて、例えば、第1環状部材210と第3環状部材230と第2環状部材220とは、例えばこの順番で、第2の湾曲管200の先端部から第2の湾曲管200の基端部に向かって、挿入部20の長手方向に沿って、並設される。挿入部20の長手方向において、環状部材220は、環状部材210と環状部材230との間に配設されることとなる。このような環状部材210,230,220と第1の口金部301と第2の口金部302とは、第2の湾曲管200を構成する湾曲管セグメントとして機能する。第2の湾曲管200は、湾曲管23の中心軸の基端側に配設され、第1の湾曲管100の基端部に連結され、湾曲可能となっている。第2の湾曲管200において、複数の環状部材210,230,220は、長手方向に延びる湾曲管23の中心軸に沿ってつまり挿入部20の長手軸に沿って延びる軸に沿って配設され、中心軸に対して直交する回動軸を含む複数の関節部によって接続される。これにより、複数の環状部材210,230,220同士は連接し、第2の湾曲管200は湾曲可能となっている。
【0032】
例えば1つの環状部材210,230,220は1つの湾曲管セグメントとして機能し、第2の湾曲管200はこの湾曲管セグメントを複数有する。この場合、詳細については後述するが、湾曲管セグメント同士は、湾曲管セグメントの中心軸に沿って配設され、互いに対して接続される。湾曲管セグメント同士が中心軸Cに沿って互いに接続されることによって、第2の湾曲管200が形成される。
【0033】
図3Aに示すように、1つの湾曲管セグメント410において、環状部材210は後述する連結部によって環状部材230に回動可能に連結され、環状部材230は後述する連結部によって環状部材220に回動可能に連結される。なお1つの湾曲管セグメント410において、環状部材210は、この湾曲管セグメント410よりも前方に配設されさらに湾曲管セグメント410に隣り合う別の湾曲管セグメント420の環状部材220に後述する連結部によって回動可能に連結される。1つの湾曲管セグメント410において、環状部材220は、この湾曲管セグメント410よりも後方に配設されさらにこの湾曲管セグメント410に隣り合う別の湾曲管セグメント430の環状部材210に後述する連結部によって回動可能に連結される。このように第2の湾曲管200において、環状部材210,230,220,210,230,220・・・の順番でこれらが配設される。詳細については後述するが、環状部材210に対する環状部材220の回動軸は所定の角度ずれる。環状部材210,220に対する環状部材230の回動軸は他の所定の角度ずれる。
【0034】
図1と
図2Aとに示すように、第2の湾曲管200において、最も先端に配設される湾曲管セグメントの環状部材210は、第1の口金部301に連結される。最も基端に配設される湾曲管セグメントの環状部材220は、第2の口金部302(
図1参照)に連結される。
【0035】
[環状部材210,220,230の共通構成]
環状部材210,220,230の共通構成について説明する。ここでは、一例として、
図3Aと
図3Bとに示す環状部材210を用いて説明する。環状部材210の構成は、
図2Bに示す環状部材101と略同様である。環状部材210,220,230のサイズは、互いに略同一である。
【0036】
図3Bと
図4Aとに示すような環状部材210は、例えば金属などの硬質材料で形成される。環状部材210は、例えば、金属の薄板をプレス加工することによって、または金属の薄板を切削加工することによって、成形される。
【0037】
図3Aに示すように、環状部材210の先端部側(
図3Aの上側)には、1対の突片部213が配設される。突片部213は、前側ヒンジ台である。突片部213は、環状部材210の一部が前方に向けて突出して平面状に形成された部位である。前方は、第2の湾曲管200の先端部側を示す。突片部213は、突片部213の厚み方向において突片部213を貫通する貫通孔部213aを有する。
図3Bと
図4Aとに示すように、2つの突片部213は、互いに対して環状部材210の周方向に略180度離れて配設される。突片部213の形状は、突片部103の形状と略同様である。
【0038】
図3Aに示すように、環状部材210の後端部側(
図3Aの下側)には、1対の突片部215が配設される。突片部215は、後側ヒンジ台である。突片部215は、環状部材210の一部が後方に向けて突出して平面状に形成された部位である。後方は、第2の湾曲管200の基端部側を示す。突片部215には、段差が設けられる。段差は、突片部213の略板厚分である。突片部215は、突片部215の厚み方向において突片部215を貫通する貫通孔部215aを有する。
図3Bと
図4Aとに示すように、2つの突片部215は、互いに対して周方向に略180度離れて配設される。突片部215の形状は、突片部105の形状と略同様である。
図3Bに示す矢印3A側から突片部215を見た際に、矢印3Aに近い側の突片部215(
図3Bの上側に位置する突片部215)を
図3Aでは実線で示し、矢印3Aから遠い側の突片部215(
図3Bの下側に位置する突片部215)を
図3Aでは点線で示す。言い換えると、
図3Aにて実線で示される突片部215は環状部材210の上面側に配設され、
図3Aにて点線で示される突片部215は環状部材210の下面側に配設される。
【0039】
環状部材101とは異なり、
図3Aと
図3Bと
図4Aとに示すように、環状部材210では、前側の2つの突片部213は、後側の2つの突片部215と周方向において異なる位置に配設される。
【0040】
環状部材210は、環状部材210の内周面に形成され、第2の操作ワイヤ320が挿通する一対のワイヤ挿通部211を有する。ワイヤ挿通部211同士は、互いに環状部材210の周方向に略180度離れて配設される。ワイヤ挿通部211は、第2の操作ワイヤ320を受ける受け部材である。このため、第2の操作ワイヤ320は、第2の操作ワイヤ320の軸方向において、ワイヤ挿通部211を軸方向に挿通及び進退移動する。この場合、ワイヤ挿通部211は、第2の操作ワイヤ320がワイヤ挿通部211を挿通可能となるように筒形状を有していればよい。
【0041】
このようなワイヤ挿通部211は、例えば金属などの硬質材料で形成され、環状部材210とは別部材であってもよい。この場合、ワイヤ挿通部211は、環状部材210の内周面に図示しない溶接またはロー付けによって環状部材210に固定される。図示しないが、環状部材210の一部が例えばプレス加工されて、ワイヤ挿通部211は環状部材210と一体に形成されてもよい。
【0042】
なお、
図3Aと
図3Bと
図4Aと
図4Bとに示すように、突片部213,215に相当する環状部材220の突片部を突片部223,225と称し、突片部213,215に相当する環状部材230の突片部を突片部233,235と称する。
図3C,3Dに示す矢印3A側から突片部223,233,235を見た際に、矢印3Aに近い側の突片部223,233,235(
図3C,3Dの上側に位置する突片部223,233,235)を
図3Aでは実線で示し、矢印3Aから遠い側の突片部223,233,235(
図3C,3Dの下側に位置する突片部223,233,235)を
図3Aでは点線で示す。言い換えると、
図3Aにて実線で示される突片部223,233,235は環状部材210の上面側に配設されるものであり、
図3Aにて点線で示される突片部223,233,235は環状部材210の下面側に配設される。詳細については後述するが、第2の湾曲管200の周方向において、突片部213,223,233の相対的な位置は、互いに異なる。同様に、突片部215,225,235の相対的な位置は、互いに異なる。
【0043】
以下において、貫通孔部213a,215aに相当する環状部材220の貫通孔部を貫通孔部223a,225aと称し、貫通孔部213a,215aに相当する環状部材230の貫通孔部を貫通孔部233a,235aと称する。
以下において、ワイヤ挿通部211に相当する環状部材220のワイヤ挿通部をワイヤ挿通部221と称し、ワイヤ挿通部211に相当する環状部材230のワイヤ挿通部をワイヤ挿通部231と称する。詳細については後述するが、第2の湾曲管200の周方向において、ワイヤ挿通部211,221,231の相対的な位置は、互いに異なる。
【0044】
次に、突片部213,215,223,225,233,235の位置関係を含む環状部材210,220,230の連結構造について説明する。
【0045】
[環状部材220及び環状部材210の連結構造]
ここで説明する環状部材220及び環状部材210の連結構造とは、1つの湾曲管セグメントに配設される環状部材220及び環状部材210の連結構造ではない。ここで説明する連結構造とは、
図3Aに示すように、例えば、第1の湾曲管セグメント410に配設される環状部材210、及び、第1の湾曲管セグメント410よりも前方に配設され、第1の湾曲管セグメント410に隣り合う第2の湾曲管セグメント420の環状部材220の連結構造をいう。ここで説明する連結構造とは、例えば、第1の湾曲管セグメント410に配設される環状部材220、及び、第1の湾曲管セグメント410よりも後方に配設され、第1の湾曲管セグメント410に隣り合う第3の湾曲管セグメント430の環状部材210の連結構造をいう。
【0046】
図3Aと
図3Bと
図3Cとに示すように、環状部材220の後側の突片部225は、環状部材210の前側の突片部213と周方向において同じ位置に配設される。
【0047】
図3Aに示すように、突片部225と突片部213とにおいて、例えば、貫通孔部225aが貫通孔部213aと連通するように、突片部213は突片部225に積層する。
図3Aと
図3Bと
図3Cとに示すように、この状態で、貫通孔部225a,213aには、回動部材(枢軸)であるリベット271が挿入される。これにより、環状部材220と環状部材210とは、リベット271を介して連結され、リベット271を中心に回動可能に軸支される。このように、突片部225と突片部213との間には、回動支軸であるリベット271を有する支軸部が形成される。
【0048】
言い換えると、突片部225と突片部213とリベット271とは、環状部材220と環状部材210とを互いに連結する連結部として機能する。突片部225と突片部213とリベット271とは、上下方向(第1の回動方向)に湾曲する第2の湾曲管200の第2の上下回動軸281(第1の回動軸)として機能する。第2の上下回動軸281(第1の回動軸)は、環状部材210,220の横断面において、左右方向に沿って配設される。突片部235と突片部213とリベット271とは、環状部材210,220の横断面において、例えば上下左右方向における左右方向に位置する。
図3Bと
図3Cとにおいて、突片部235と突片部213とリベット271と第2の上下回動軸281とを、図の左右に示す。これにより、環状部材210,220の一方は、他方に対して第2の上下回動軸281(第1の回動軸)を中心に、左右方向(第2の上下回動軸方向)に直交する上下方向に回動する。
【0049】
図3Aと
図3Bとに示すように、一対の突片部213は、環状部材210の第1一端である先端部に配設される。一対の突片部213は、環状部材210の径方向において第2の湾曲管200の中心軸Cに対して対向する。一対の突片部213は、第2の湾曲管200の回動軸である第2の上下回動軸281を規定する一対の第1一端関節部である。
図3Aと
図3Cとに示すように、一対の突片部225は、環状部材220の第2一端に対して反対側である環状部材220の第2他端である環状部材220の基端部に配設される。一対の突片部225は、第2の湾曲管200の中心軸方向において第1一端に対して対向する環状部材220の第2他端である環状部材220の基端部に配設される。一対の突片部225は、環状部材220の径方向において第2の湾曲管200の中心軸Cに対して対向する。一対の突片部225は、第2の湾曲管200の回動軸である第2の上下回動軸281を規定する一対の第2他端関節部である。第2他端関節部は、第1一端関節部に連結され、環状部材210の第1一端関節部に対して回動可能である。
【0050】
[環状部材210及び環状部材230の連結構造]
ここで説明する環状部材210及び環状部材230の連結構造とは、
図3Aに示すような1つの湾曲管セグメント410に配設される環状部材210及び環状部材230の連結構造をいう。
【0051】
図3Aと
図3Bと
図3Dとに示すように、環状部材210の後側の突片部215は、環状部材230の前側の突片部233と周方向において同じ位置に配設される。例えば、突片部215と突片部233とは、環状部材210,230の横断面において、第2の上下回動軸281に対して反時計回りに第1角度θ1である例えば120度ずれた位置に配設される。
【0052】
図3Aに示すように、突片部215と突片部233とにおいて、例えば、貫通孔部215aが貫通孔部233aと連通するように、突片部233は突片部215に積層する。この状態で、
図3Aと
図3Bと
図3Dとに示すように、貫通孔部215a,233aには、回動部材(枢軸)であるリベット272が挿入される。これにより、環状部材210と環状部材230とは、リベット272を介して連結され、リベット272を中心に回動可能に軸支される。このように、突片部215と突片部233との間には、回動支軸であるリベット272を有する支軸部が形成される。
【0053】
言い換えると、突片部215と突片部233とリベット272とは、環状部材210と環状部材230とを互いに連結する連結部として機能する。突片部215と突片部233とリベット272とは、第1の斜め方向(第2の回動方向)に受動的に湾曲する第2の湾曲管200の第1の斜め回動軸282(第2の回動軸)として機能する。これにより、環状部材210,230の一方は、他方に対して第1の斜め回動軸282(第2の回動軸)を中心に、第1の斜め回動軸方向(第2の回動軸方向)に直交する第1の斜め方向に回動する。
【0054】
図3Aと
図3Bとに示すように、一対の突片部215は、第1一端に対して反対側の環状部材210の第1他端である環状部材210の基端部に配設される。一対の突片部215は、環状部材210の径方向において第2の湾曲管200の中心軸Cに対して対向する。一対の突片部215は、第2の湾曲管200の回動軸(第2の上下回動軸281)に対して第2の湾曲管200の周方向に鈍角である第1角度θ1(例えば120度)ずれた一対の第1他端関節部である。
図3Aと
図3Dとに示すように、一対の突片部233は、第2の湾曲管200の中心軸方向において第1他端に対して対向する環状部材230の第3一端である環状部材230の先端部に配設される。一対の突片部233は、環状部材230の径方向において第2の湾曲管200の中心軸Cに対して対向する。一対の突片部233は、第1他端関節部に連結され、環状部材210に対して回動可能な一対の第3一端関節部である。一対の突片部233は、一対の突片部215と同様に、第2の湾曲管200の回動軸(第2の上下回動軸281)に対して第2の湾曲管200の周方向に鈍角である第1角度θ1(例えば120度)ずれる。
【0055】
[環状部材230及び環状部材220の連結構造]
ここで説明する環状部材230及び環状部材220の連結構造とは、
図3Aに示すような1つの湾曲管セグメント410に配設される環状部材230及び環状部材220の連結構造をいう。
【0056】
図3Aと
図3Cと
図3Dとに示すように、環状部材230の後側の突片部235は、環状部材220の前側の突片部223と周方向において同じ位置に配設される。例えば、突片部235と突片部223とは、環状部材230,220の横断面において、第2の上下回動軸281に対して反時計回りに第2角度θ2である例えば60度ずれた位置に配設され、第1の斜め回動軸282に対して時計回りに例えば60度ずれた位置に配設される。
【0057】
図3Aに示すように、突片部235と突片部223とにおいて、例えば、貫通孔部235aが貫通孔部223aと連通するように、突片部223は突片部235に積層する。この状態で、
図3Aと
図3Cと
図3Dとに示すように、貫通孔部235a,223aには、回動部材(枢軸)であるリベット273が挿入される。これにより、環状部材230と環状部材220とは、リベット273を介して連結され、リベット273を中心に回動可能に軸支される。このように、突片部235と突片部223との間には、回動支軸であるリベット273を有する支軸部が形成される。
【0058】
言い換えると、突片部235と突片部223とリベット273とは、環状部材230と環状部材220とを互いに連結する連結部として機能する。突片部235と突片部223とリベット273とは、第2の斜め方向(第2の回動方向)に受動的に湾曲する第2の湾曲管200の第2の斜め回動軸283(第3の回動軸)として機能する。これにより、環状部材230,220の一方は、他方に対して第2の斜め回動軸283(第3の回動軸)を中心に、第2の斜め回動軸方向(第3の回動軸方向)に直交する第2の斜め方向に回動する。
【0059】
図3Aと
図3Cとに示すように、一対の突片部223は、環状部材220の第2一端である環状部材220の先端部に配設される。一対の突片部223は、環状部材220の径方向において第2の湾曲管200の中心軸Cに対して対向する。一対の突片部223は、第2の湾曲管200の回動軸(第2の上下回動軸281)に対して第1角度θ1と同じ第2の湾曲管200の周方向に第1角度θ1(例えば120度)とは異なる鋭角である第2角度θ2(例えば60度)ずれた一対の第2一端関節部である。突片部223は、第2の上下回動軸281に対して反時計回りに例えば60度ずれた位置に配設されることとなる。
図3Aと
図3Dとに示すように、一対の突片部235は、第2の湾曲管200の中心軸方向において第2一端に対して対向する環状部材230の第3他端である環状部材230の基端部に配設される。一対の突片部235は、環状部材230の径方向において第2の湾曲管200の中心軸Cに対して対向する。一対の突片部235は、第2一端関節部に連結され、環状部材220に対して回動可能な一対の第3他端関節部である。一対の突片部235は、一対の突片部223と同様に、第2の湾曲管200の回動軸(第2の上下回動軸281)に対して第2の湾曲管200の周方向に鋭角である第2角度θ2(例えば60度)ずれる。
【0060】
[ワイヤ挿通部211,231,221の位置]
本実施形態のように、第2の湾曲管200が上下方向に能動的及び受動的に湾曲し第1の斜め方向と第2の斜め方向とに能動的に湾曲することを考慮すると、第2の操作ワイヤ320は第2の上下回動軸281に直交する上下方向にのみ配設される必要がある。よって、第2の操作ワイヤ320を保持するワイヤ挿通部211,231,221も、上下方向に配設される必要がある。そしてこの場合、ワイヤ挿通部211,231,221は、第2の湾曲管200の長手方向において、図示はしないが同一直線上に配設される。
この状態で、第2の操作ワイヤ320が操作されると、第2の操作ワイヤ320からワイヤ挿通部211,231,221に同じ方向に向かって力がかかる。
【0061】
例えば、この力は、第1の斜め回動軸方向から離れて第1の斜め方向に向かうように、第2の操作ワイヤ320からワイヤ挿通部211,231,221に向かってかかる。この力は、ワイヤ挿通部211,231,221を介して第2の湾曲管200に蓄積され、第2の湾曲管200に作用することとなる。このため、第2の湾曲管200が上下方向といった特定の方向に能動的に湾曲した際に、第2の湾曲管200はこの力を受けて第1の斜め回動軸方向を中心に第1の斜め方向に意図せずに受動的に湾曲する場合がある。
例えば、この力は、第2の斜め回動軸方向から離れて第2の斜め方向に向かうように、第2の操作ワイヤ320からワイヤ挿通部211,231,221に向かってかかる。この力は、ワイヤ挿通部211,231,221を介して第2の湾曲管200に蓄積され、第2の湾曲管200に作用することとなる。このため、第2の湾曲管200が上下方向といった特定の方向に能動的に湾曲した際に、第2の湾曲管200はこの力を受けて第2の斜め回動軸方向を中心に第2の斜め方向に意図せずに受動的に湾曲する場合がある。
【0062】
第2の操作ワイヤ320からワイヤ挿通部211,231,221に同じ方向に向かってかかる力は、第2の湾曲管200の先端部にいくほど大きくなる。そしてこの力は、第2の湾曲管200を介して第1の湾曲管100にも伝わり、結果として、湾曲管23全体に影響を与える。
【0063】
このように第2の湾曲管200が上下方向といった特定の方向に能動的に湾曲した際に、第2の湾曲管200は第1の斜め方向と第2の斜め方向といった意図しない方向に受動的に湾曲する場合がある。この現象は、例えば、湾曲管23の先端部が意図しない方向を向く状態や、湾曲管23全体が意図せずに傾いたり捻れてしまう状態などを含む。湾曲管が意図しない方向に湾曲する現象が発生することによって、湾曲管23が湾曲する際に、観察視野がずれてしまう。
【0064】
このため、本実施形態では、力が第2の湾曲管200に作用することが防止されるように、第2の操作ワイヤ320が配設される。具体的な第2の操作ワイヤ320の配設の一例として、
図3Aに示すように、第2の操作ワイヤ320は、第2の湾曲管200内において、直線状に配設されるのではなく蛇行して配設されることが考えられる。そして、第2の操作ワイヤ320が蛇行して配設されるように、ワイヤ挿通部211,231,221は配設される。
【0065】
このため、
図3Aと
図3Bと
図4Aとに示すように、ワイヤ挿通部211は、第2の湾曲管200の回動軸(第2の上下回動軸281)に対して、第1角度θ1(例えば120度)と同じ方向に、第1角度θ1よりも小さい鈍角である第3角度θ3ずらして配設される。このためワイヤ挿通部211は、第2の上下回動軸281に対して反時計回りに例えば90度以上120度以下ずれた位置に配設されることとなる。ワイヤ挿通部211は、環状部材210の内周において、第2の湾曲管200の中心軸Cに対して対向する位置に配設される。つまりワイヤ挿通部211同士は、環状部材210の内周において、第2の上下回動軸281に直交し且つ第2の湾曲管200の中心軸Cを通る直線に対して、ずれた角度で互いに対向して位置する。この直線は、
図3B,3C,3Dにおける上下方向を示す直線であり、ワイヤ挿通部231を通る直線である。
図3Aと
図3Cと
図4Bとに示すように、ワイヤ挿通部221は、第2の湾曲管200の回動軸(第2の上下回動軸281)に対して、第2角度θ2(例えば60度)と同じ方向に、第2角度θ2よりも大きい鋭角である第4角度θ4ずらして配設される。このためワイヤ挿通部221は、第2の上下回動軸281に対して反時計回りに例えば60度以上90度以下ずれた位置に配設されることとなる。ワイヤ挿通部221は、環状部材220の内周において、第2の湾曲管200の中心軸Cに対して対向する位置に配設されている。つまりワイヤ挿通部221同士は、環状部材220の内周において、第2の上下回動軸281に直交し且つ第2の湾曲管200の中心軸Cを通る直線に対して、ずれた角度で互いに対向して位置する。この直線は、
図3B,3C,3Dにおける上下方向を示す直線であり、ワイヤ挿通部231を通る直線である。
詳細には、
図3Aに示すように、ワイヤ挿通部211,231,221は、第2の操作ワイヤ320を蛇行させる位置に配設されている。つまり、ワイヤ挿通部211,231,221が第2の湾曲管200の長手方向において蛇行して配設されるように、一方の環状部材に配設されるワイヤ挿通部は他方の環状部材に配設されるワイヤ挿通部に対して周方向においてずれて配設される。ワイヤ挿通部211,231,221の各中心軸が互いに周方向においてずれて配設され、ワイヤ挿通部211,231,221が互いに周方向において重複せず、ワイヤ挿通部211,231,221が同心円状に配設されるように、ワイヤ挿通部211,231,221は互いに周方向においてずれて配設される。このように本実施形態のワイヤ挿通部211,231,221は、第2の湾曲管200の長手方向において直線上に配設されるのではない。ワイヤ挿通部211の中心軸と第2ワイヤ挿通部221の中心軸とがそれぞれ環状部材210および環状部材220の周方向において互いに重複しないように、ワイヤ挿通部211は環状部材210に接続され、ワイヤ挿通部221は環状部材220に接続される。
【0066】
図3Aと
図3Bとに示すように、特に、ワイヤ挿通部211は、第2の湾曲管200の周方向において、第1他端関節部である突片部215と、直交方向との間に配設される。直交方向は、第2の湾曲管200の中心軸Cと回動軸である突片部213とに直交し、中心軸Cを通る線分である。直交方向は、
図3B,3C,3Dにおける上下方向を示す。
【0067】
図3Aと
図3Cとに示すように、ワイヤ挿通部221は、周方向において、第2一端関節部である突片部223と、直交方向との間に配設される。
【0068】
図3Aに示すように、ワイヤ挿通部211は、直交方向を中心に周方向において、ワイヤ挿通部221とは対称に配設される。
【0069】
そして
図3Aと
図3Dとに示すように、ワイヤ挿通部231は、直交方向に配設され、且つ環状部材230の内周において、第2の湾曲管200の中心軸Cに対して対向する位置に配設されている。
【0070】
このように
図3Bと
図3Cと
図3Dとに示すように、ワイヤ挿通部211,231,221は、第2の湾曲管200の周方向において、第1の斜め回動軸282と第2の斜め回動軸283との間に配設され、且つこれらの間の鋭角の位置に配設されている。ワイヤ挿通部231は上下方向に配設される。言い換えると、ワイヤ挿通部231は、環状部材230の横断面において、第2の上下回動軸281に対して反時計回りに例えば90度ずれた位置に配設される。ワイヤ挿通部211,221は、ワイヤ挿通部231と第2の湾曲管200の中心軸Cとを結ぶ直線を中心に互いに対称に配設される。つまり、ワイヤ挿通部211は、ワイヤ挿通部231を挟んで、第2の湾曲管200の周方向においてワイヤ挿通部221とは逆側に配設される。ワイヤ挿通部211,221は、ワイヤ挿通部231に対して第2の湾曲管200の周方向において例えば10度離れて配設されている。このようにワイヤ挿通部211,221は、ワイヤ挿通部231を中心に、第2の湾曲管200の長手方向に沿って、互い違いに配設されることとなる。
【0071】
ワイヤ挿通部211は、第2の上下回動軸281(第1の回動軸)方向と略直交する第2の上下方向(第1の回動方向)と、第1の斜め回動軸282(第2の回動軸)方向と略直交する第1の斜め方向(第2の回動方向)との間に配設され、且つこれらの間の鈍角の位置に配設される。一対のワイヤ挿通部211には、第2の操作ワイヤ320が第2の操作ワイヤ320の軸方向に移動できるように、第2の操作ワイヤ320がそれぞれに挿通する。ワイヤ挿通部211は、環状部材210が回動する回動軸281,282に直交する直線に対してそれぞれずれた角度で環状部材210の内周に配置される。ワイヤ挿通部211は、第2の上下回動軸281(第1の回動軸)から鈍角となる第3角度θ3を形成する位置に配設される。
【0072】
ワイヤ挿通部231は、第1の斜め回動軸282(第2の回動軸)方向と略直交する第1の斜め方向(第1の回動方向)と、第2の斜め回動軸283(第3の回動軸)方向と略直交する第2の斜め方向(第3の回動方向)との間に配設され、且つこれらの間の鈍角の位置に配設される。一対のワイヤ挿通部231には、第2の操作ワイヤ320が第2の操作ワイヤ320の軸方向に移動できるように、第2の操作ワイヤ320がそれぞれに挿通する。ワイヤ挿通部231は、環状部材230が回動する回動軸282,283に直交する直線に対してそれぞれずれた角度で環状部材230の内周に配置される。
【0073】
ワイヤ挿通部221は、第2の斜め回動軸283(第3の回動軸)方向と略直交する第2の斜め方向(第3の回動方向)と、第2の上下回動軸281(第1の回動軸)方向と略直交する第2の上下方向(第1の回動方向)との間に配設され、且つこれらの間の鈍角の位置に配設される。一対のワイヤ挿通部221には、一対の第2の操作ワイヤ320が第2の操作ワイヤ320の軸方向に移動できるように、第2の操作ワイヤ320がそれぞれに挿通する。ワイヤ挿通部221は、環状部材220が回動する回動軸281,283に直交する直線に対してそれぞれずれた角度で環状部材220の内周に配置される。ワイヤ挿通部221は、第2の上下回動軸281(第1の回動軸)から鋭角となる第4角度θ4を形成する位置に配設される。
【0074】
前記したような連結構造とワイヤ挿通部211,231,221の配設位置と第2の操作ワイヤ320とによって、第2の湾曲管200は、上下方向に能動的及び受動的に湾曲可能となっている。ワイヤ挿通部211,231,221が蛇行して配設されているため、第2の湾曲管200が上下方向といった特定の方向に能動的に湾曲した際に、第2の湾曲管200がこの能動的な湾曲に伴い第1の斜め方向と第2の斜め方向とに受動的に湾曲することが防止される。
【0075】
[作用]
第2の操作ノブ37bが操作されると、第2の操作ワイヤ320が操作される。これにより、環状部材210,220の一方は、他方に対して第2の上下回動軸281を中心に上下方向に回動する。このように第2の湾曲管200は、上下方向に能動的に湾曲する。
【0076】
挿入部20が体腔内に挿入されて、例えば第2の湾曲管200が体壁といった第2の湾曲管200の外側から外力を受けたとする。これにより、環状部材210,220の一方は、他方に対して第2の上下回動軸281を中心に上下方向に受動的に回動する。環状部材210,230の一方は、他方に対して第1の斜め回動軸282を中心に第1の斜め方向に受動的に回動する。環状部材230,220の一方は、他方に対して第2の斜め回動軸283を中心に第2の斜め方向に受動的に回動する。このように、第2の湾曲管200は、上下方向と第1の斜め方向と第2の斜め方向とに受動的に湾曲する。
【0077】
前記において、第2の湾曲管200が上方向に能動的に湾曲する際、環状部材210では、例えば、
図3Bに示すように、第2の操作ワイヤ320からワイヤ挿通部211に向かってかかる力Faは、第1の斜め回動軸方向から離れて第1の斜め方向に向かう。環状部材220では、例えば、
図3Cに示すように、第2の操作ワイヤ320からワイヤ挿通部221に向かってかかる力Fcは、第2の斜め回動軸方向から離れて第2の斜め方向に向かう。
前記したように力Fa,Fcが発生した際、第2の力Faの向きと力Fcの向きとは互いに向かい合っており、力Faと力Fcとは互いに打ち消し合う。このため第2の操作ワイヤ320から各ワイヤ挿通部にかかる力が第2の湾曲管200に蓄積されることが防止され、この力が第2の湾曲管200に作用することが防止される。よって、第2の湾曲管200が上下方向といった特定の方向に能動的に湾曲した際に、第2の湾曲管200がこの力を受けて第1の斜め方向と第2の斜め方向とに意図せずに受動的に湾曲することが防止される。
【0078】
結果として、第2の操作ワイヤ320から各ワイヤ挿通部にかかる力が第2の湾曲管200を介して第1の湾曲管100にも伝わること防止され、この力が湾曲管23全体に影響を与えることが防止される。
【0079】
このように、ワイヤ挿通部211,221,231が蛇行して配設されており、これに伴い第2の操作ワイヤ320も蛇行して配設される。よって、第2の操作ワイヤ320から各ワイヤ挿通部にかかる力が発生しても、この力が互いに打ち消しあうため、この力が第2の湾曲管200に作用することが防止される。
【0080】
このため第2の湾曲管200が上下方向といった特定の方向に能動的に湾曲した際に、第2の湾曲管200が第1の斜め方向と第2の斜め方向といった意図しない方向に受動的に湾曲することが防止される。
【0081】
このように本実施形態では、挿入部20が体腔内に挿入されて、例えば第2の湾曲管200が体壁といった第2の湾曲管200の外側から外力を受けた際に、第2の湾曲管200が第1の斜め方向と第2の斜め方向とに受動的に湾曲することとなる。そして、第2の湾曲管200が上下方向といった特定の方向に能動的に湾曲した際に、第2の湾曲管200がこの能動的な湾曲に伴い第1の斜め方向と第2の斜め方向とに受動的に湾曲することが防止される。
【0082】
[効果]
本実施形態では、ワイヤ挿通部211,231,221が蛇行して配設されるため、力が発生しても、力が互いに打ち消しあう。よって、力が第2の湾曲管200に作用することが防止される。このため本実施形態では、受動的に湾曲可能な湾曲管23が特定の方向に能動的に湾曲した際に湾曲管23が意図しない方向に受動的に湾曲することを防止できる。
【0083】
本実施形態では、ワイヤ挿通部211は、ワイヤ挿通部221とは、対称に配設される。これにより、本実施形態では、第2の操作ワイヤ320を確実に蛇行して配設でき、確実に力を受け消すことができ、前記を達成できる。
【0084】
本実施形態では、ワイヤ挿通部231が配設されることによって、蛇行して配設されている第2の操作ワイヤ320の位置ずれを防止できる。
【0085】
本実施形態では、第2の湾曲管200は6方向に湾曲可能となっている。これにより本実施形態では、比較的細かく所望の湾曲方向に対応する湾曲を実施できる。
【0086】
なお、ワイヤ挿通部211は、環状部材210の周壁部の一部が環状部材210の外周面側から環状部材210の内周面側に向けてプレス加工で切り曲げ加工されさらに突出されて切り起こされることによって、成形されていてもよい。この点は、ワイヤ挿通部221,231についても同様である。
【0087】
前記において、湾曲管セグメントは、少なくとも環状部材210,220を有していればよい。環状部材210,230,220の配設の順番は逆でもよい、つまり環状部材220,230,210と配設されていてもよい。
最も先端に配設されている湾曲管セグメントにおいて、環状部材210が省略されていてもよい。この場合、環状部材である第1の口金部301が環状部材210として機能し、環状部材230が第1の口金部301も連結されればよい。またはこの場合、環状部材210,230が省略されていてもよく、この場合、第1の口金部301が環状部材210として機能し、環状部材220が第1の口金部301に連結されればよい。
最も基端に配設されている湾曲管セグメントにおいて、環状部材220が省略されてもよい。この場合、環状部材である第2の口金部302が環状部材220として機能し、環状部材230が第2の口金部302に連結されればよい。またはこの場合、環状部材230,220が省略されていてもよく、この場合、第2の口金部302が環状部材220として機能し、環状部材210が第2の口金部302に連結されればよい。
【0088】
第2の湾曲管200は、前記したような湾曲管セグメントを少なくとも1つ有していればよい。
【0089】
ワイヤ挿通部211,231,221同士は、第2の湾曲管200の長手方向において互いに等距離離れていることが好適である。ワイヤ挿通部211は、環状部材210の長手方向において、環状部材210の中央に配設されていることが好適である。この点は、ワイヤ挿通部231及び環状部材230と、ワイヤ挿通部221及び環状部材220とについても同様である。
【0090】
本実施形態では、第2の操作ワイヤ320が蛇行して配設されれば、ワイヤ挿通部231は省略されていてもよい。これにより本実施形態では、環状部材230の内部スペースを確保できる。
【0091】
本実施形態では、第2の湾曲管200において、環状部材210,230,220の中心軸方向におけるワイヤ挿通部211,231,221の位置は、互いに異なっていてもよい。例えば、ワイヤ挿通部211は環状部材210の先端側に配設され、ワイヤ挿通部221は環状部材220の基端側に配設されてもよい。これにより、第2の操作ワイヤ320が蛇行する際、蛇行の曲率を所望に調整でき、第2の操作ワイヤ320の長さを所望に調整できる。
【0092】
本実施形態では、第2の湾曲管200の中心軸C方向において、各環状部材210,230,220の長さは互いに異なっていてもよい。例えば、第2の湾曲管200の先端側に配設されている環状部材210は短く、第2の湾曲管200の基端側に配設されている環状部材210は長くなっている。これにより、第2の操作ワイヤ320が蛇行する際、第2の操作ワイヤ320が急激に蛇行することを抑えることができ、第2の操作ワイヤ320が緩やかに蛇行できる。つまり蛇行の曲率を大きくでき、第2の操作ワイヤ320を短くできる。操作時において、第2の操作ワイヤ320がワイヤ挿通部211,231,221を摺動する際に、第2の操作ワイヤ320の摩耗を抑えることができる。
【0093】
第1の湾曲管100は、左右方向にも能動的に湾曲してもよい。この場合、湾曲操作部は、第1の湾曲管100を例えば左右に湾曲させる第3の操作ノブを有し、第3の操作ワイヤがさらに配設されていればよい。
【0094】
本発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。上記実施形態に開示される複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。