(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、背景技術では、撮像部から出力されるライブビュー画像および情報画像によって構成される全体画像の一部を表示することは記載されているが、撮影画像の再生時の動作については記載されていない。また、背景技術を撮影画像の再生時に用いた場合、撮影画像に関する情報を表示させるためには、操作に関する情報を表わす情報画像に加えて表示項目を新たに増やす必要があり、画面表示が複雑化する可能性がある。このため、撮影画像の再生に関する操作性が低下する恐れがある。
【0005】
それゆえに、この発明の主たる目的は、撮影画像の再生に関する操作性を高めることができる、画像再生装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に従う画像再生装置(10:実施例で相当する参照符号。以下同じ)は、モニタ画面(38)のサイズに相当するサイズを有する撮影画像をモニタ画面に表示する第1表示手段(S1, S51, S55, S5)、位置変更操作が検知されたとき第1表示手段によって表示された撮影画像の位置を変更してモニタ画面の周辺部に空き領域を確保する第1変更手段(S7, S11)、および第1表示手段によって表示された撮影画像の属性を示す属性情報を第1変更手段によって確保された空き領域に表示する第2表示手段(S53, S57)を備える。
【0007】
好ましくは、画像更新操作が検知されたとき第1表示手段の表示対象を更新する更新手段(S21)をさらに備える。
【0008】
好ましくは、モニタ画面に対するタッチ操作の態様を識別する識別手段(46)をさらに備え、第1変更手段は基準以下のスライドを伴うタッチ操作を位置変更操作として検知し、更新手段は基準を上回るスライドを伴うタッチ操作を画像更新操作として検知する。
【0009】
好ましくは、第1表示手段は複数の撮影画像のいずれか1つに対して表示処理を実行する実行手段(S1, S5)を含み、複数の撮影画像のうち実行手段の処理に関連した撮影画像と相異する撮影画像を第1変更手段によって確保された空き領域に表示する第3表示手段(S59)をさらに備える。
【0010】
さらに好ましくは、更新手段の処理に関連した撮影画像は第3表示手段の処理に関連した撮影画像に相当し、位置変更操作が終了したとき撮影画像の表示位置を第1表示手段によって表示された位置まで漸次的に変更する第2変更手段(S17)、および画像更新操作が終了したとき第3表示手段の処理に関連した撮影画像の表示位置を更新手段の処理に関連した位置まで漸次的に変更する第3変更手段(S19)をさらに備える。
【0011】
この発明に従う画像再生装置(10)は、撮影画像をモニタ画面(38)に表示する第4表示手段(S51, S55, S5)、第4表示手段によって表示された撮影画像のサイズをモニタ画面に対するピンチイン操作に応答して縮小する縮小手段(S9, S23~S25)、縮小手段の処理によってモニタ画面の周辺部に形成された空き領域に1または2以上のアイコンを表示する第5表示手段(S27)、第5表示手段によって表示された1または2以上のアイコンのいずれか1つを選択する選択操作を受け付ける受け付け手段(S39~S43)、および選択操作によって選択されたアイコンに対応する処理を第4表示手段によって表示された撮影画像に対して実行する処理手段(S45)を備える。
【0012】
好ましくは、モニタ画面に対するタッチ操作の態様を識別する識別手段(46)をさらに備え、受け付け手段は基準を上回るスライドを伴うタッチ操作を選択操作として受け付ける。
【0013】
この発明に従う画像再生プログラムは、画像再生装置(10)のプロセッサ(26)に、モニタ画面(38)のサイズに相当するサイズを有する撮影画像をモニタ画面に表示する第1表示ステップ(S1, S51, S55, S5)、位置変更操作が検知されたとき第1表示ステップによって表示された撮影画像の位置を変更してモニタ画面の周辺部に空き領域を確保する第1変更ステップ(S7, S11)、および第1表示ステップによって表示された撮影画像の属性を示す属性情報を第1変更ステップによって確保された空き領域に表示する第2表示ステップ(S53, S57)を実行させるための、画像再生プログラムである。
【0014】
この発明に従う画像再生方法は、画像再生装置(10)によって実行される画像再生方法であって、モニタ画面(38)のサイズに相当するサイズを有する撮影画像をモニタ画面に表示する第1表示ステップ(S1, S51, S55, S5)、位置変更操作が検知されたとき第1表示ステップによって表示された撮影画像の位置を変更してモニタ画面の周辺部に空き領域を確保する第1変更ステップ(S7, S11)、および第1表示ステップによって表示された撮影画像の属性を示す属性情報を第1変更ステップによって確保された空き領域に表示する第2表示ステップ(S53, S57)を備える。
【0015】
この発明に従う外部制御プログラムは、メモリ(44)に保存された内部制御プログラムに従う処理を実行するプロセッサ(26)を備える画像再生装置に供給される外部制御プログラムであって、モニタ画面(38)のサイズに相当するサイズを有する撮影画像をモニタ画面に表示する第1表示ステップ(S1, S51, S55, S5)、位置変更操作が検知されたとき第1表示ステップによって表示された撮影画像の位置を変更してモニタ画面の周辺部に空き領域を確保する第1変更ステップ(S7, S11)、および第1表示ステップによって表示された撮影画像の属性を示す属性情報を第1変更ステップによって確保された空き領域に表示する第2表示ステップ(S53, S57)を内部制御プログラムと協働してプロセッサに実行させるための、外部制御プログラムである。
【0016】
この発明に従う画像再生装置(10)は、外部制御プログラムを受信する受信手段(60)、および受信手段によって受信された外部制御プログラムとメモリ(44)に保存された内部制御プログラムとに従う処理を実行するプロセッサ(26)を備える画像再生装置であって、外部制御プログラムは、モニタ画面(38)のサイズに相当するサイズを有する撮影画像をモニタ画面に表示する第1表示ステップ(S1, S51, S55, S5)、位置変更操作が検知されたとき第1表示ステップによって表示された撮影画像の位置を変更してモニタ画面の周辺部に空き領域を確保する第1変更ステップ(S7, S11)、および第1表示ステップによって表示された撮影画像の属性を示す属性情報を第1変更ステップによって確保された空き領域に表示する第2表示ステップ(S53, S57)を内部制御プログラムと協働して実行するプログラムに相当する。
【発明の効果】
【0017】
モニタ画面に表示された撮像画像の位置が位置変更操作に応答して変更されると、モニタ画面の周辺部に空き領域が確保される。撮影画像の属性を示す属性情報は、こうして確保された空き領域に表示される。これによって、撮影画像の視認性を維持しつつ撮影画像の属性を簡便に確認することができる。こうして、撮影画像の再生に関する操作性が向上する。
【0018】
この発明の上述の目的,その他の目的,特徴および利点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳細な説明から一層明らかとなろう。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、この発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
[基本的構成]
【0021】
図1を参照して、この実施例の画像再生装置は、基本的に次のように構成される。第1表示手段1は、モニタ画面のサイズに相当するサイズを有する撮影画像をモニタ画面に表示する。第1変更手段2は、位置変更操作が検知されたとき第1表示手段1によって表示された撮影画像の位置を変更してモニタ画面の周辺部に空き領域を確保する。第2表示手段3は、第1表示手段1によって表示された撮影画像の属性を示す属性情報を第1変更手段2によって確保された空き領域に表示する。
【0022】
モニタ画面に表示された撮像画像の位置が位置変更操作に応答して変更されると、モニタ画面の周辺部に空き領域が確保される。撮影画像の属性を示す属性情報は、こうして確保された空き領域に表示される。これによって、撮影画像の視認性を維持しつつ撮影画像の属性を簡便に確認することができる。こうして、撮影画像の再生に関する操作性が向上する。
[実施例]
【0023】
図2を参照して、この実施例のディジタルカメラ10は、ドライバ18によって駆動されるフォーカスレンズ12およびイメージセンサ16を含む。これらの部材を経たシーンの光学像は、イメージセンサ16の撮像面に照射され、光電変換を施される。これによって、シーンを表す電荷が生成される。
【0024】
システム全体が起動されるとCPU26は、キー入力装置28に設けられたモード変更ボタン28mdの状態(つまり現時点の動作モード)をメインタスクの下で判別し、撮像モードに対応して撮像タスクを起動する一方、再生モードに対応して再生タスクを起動する。
【0025】
撮像タスクが起動されると、CPU26は、動画取り込み処理を実行するべく、ドライバ18に露光動作および電荷読み出し動作の繰り返しを命令する。ドライバ18は、図示しないSG(SignalGenerator)から周期的に発生する垂直同期信号Vsyncに応答して、撮像面を露光し、かつ撮像面で生成された電荷をラスタ走査態様で読み出す。イメージセンサ16からは、読み出された電荷に基づく生画像データが周期的に出力される。
【0026】
信号処理回路20は、イメージセンサ16から出力された生画像データに白バランス調整,色分離,YUV変換などの処理を施し、これによって生成されたYUV形式の画像データをメモリ制御回路30を通してSDRAM32に書き込む。LCDドライバ36は、SDRAM32に格納された画像データをメモリ制御回路30を通して繰り返し読み出し、読み出された画像データに基づいてLCDモニタ38を駆動する。この結果、シーンを表す動画像がモニタ画面に表示される。
【0027】
撮像タスクの下でシャッタボタン28shが押し下げられると、静止画取り込み処理および記録処理が実行される。シャッタボタン28shが押し下げられた時点の1フレームの画像データは、静止画取り込み処理によってSDRAM32に取り込まれる。取り込まれた1フレームの画像データは、記録処理に関連して起動したI/F40によって読み出され、ファイル形式で記録媒体42に記録される。
【0028】
再生タスクが起動されると、CPU26は、記録媒体42に記録された画像ファイルを1つ指定し、指定画像ファイルに注目した再生用画像作成処理を実行する。
【0029】
再生用画像作成処理においてCPU26は、指定画像ファイル,指定画像ファイルの直前に記録された画像ファイル,および指定画像ファイルの直後に記録された画像ファイルの各々の画像データを記録媒体42から読み出す。CPU26は次に、これらの画像ファイルの各々に付加された撮像データを読み出す。読み出し対象の撮像データは、例えば撮影年月日,画像サイズ,撮影時の撮像モード,フラッシュ発光の有無,画素数,ISO感度,ホワイトバランス,および露出の補正値などである。このようにして読み出した画像データおよび撮像データを用いて、CPU26は、再生用画像GPの作成をグラフィックジェネレータ48に命令する。
【0030】
グラフィックジェネレータ48は、読み出された画像データの各々をリサイズして表示用画像データを作成する。グラフィックジェネレータ48はまた、読み出された撮像データの各々を画像化する。ここで、撮像モードおよびフラッシュ発光の有無などの選択項目の画像化の場合、あらかじめ準備された複数の画像の中から撮像データに合致した画像が選択される。また、撮影年月日,画像サイズ,および画素数などの数値の画像化の場合、あらかじめ準備された文字を表す複数の画像が組み合わされる。
【0031】
また、再生用画像GPの作成のためにフレーム画像FRが準備される。フレーム画像FRは、
図3に示すように、撮影画像エリアSC,PC,およびNCとタグエリアSU,SL,SR,PR,およびNLとを含む。
【0032】
グラフィックジェネレータ48は、指定画像ファイル,指定画像ファイルの直前に記録された画像ファイル,および指定画像ファイルの直後に記録された画像ファイルの各々の表示用画像を、撮影画像エリアSC,PC,およびNCにそれぞれ合成する。
【0033】
グラフィックジェネレータ48はまた、画像化された撮像データの各々をタグエリアSU,SL,SR,PR,およびNLにそれぞれ合成する。タグエリアSU,SL,およびSRには、指定画像ファイルの画像化撮像データが合成される。タグエリアPRには、指定画像ファイルの直前に記録された画像ファイルの画像化撮像データが合成される。タグエリアNLには、指定画像ファイルの直後に記録された画像ファイルの画像化撮像データが合成される。
【0034】
タグエリアSUに合成される画像化撮像データは、撮像データのうち撮影年月日,撮影時刻,ファイル名,および画像サイズである。タグエリアSLおよびNLに合成される画像化撮像データは、撮像データのうち撮像モードおよびフラッシュ発光の有無である。タグエリアSRおよびPRに合成される画像化撮像データは、撮像データのうち画素数,ISO感度,ホワイトバランス,および露出の補正値である。
【0035】
また、総撮影枚数とそのうち指定画像ファイルが何枚目であるかとが、記録媒体42から読み出される。このようにして読み出された情報を表す文字は、画像化されてタグエリアSUに合成される。同様に、指定画像ファイルまたは指定画像ファイルの直後に記録された画像ファイルが他の機器にアップロードされていた場合はアップロード先が、記録媒体42から読み出される。この場合、あらかじめ準備された複数の画像の中からアップロード先を示す画像が選択され、タグエリアSLまたはNLに合成される。
【0036】
このような再生用画像作成処理は画像ファイルが新たに指定される毎に実行され、再生用画像GPが
図4に示すように作成される。
【0037】
再生用画像作成処理が完了すると、CPU26は、指定画像ファイルに注目した再生処理の実行をグラフィックジェネレータ48およびLCDドライバ36に命令する。グラフィックジェネレータ48は、再生用画像GPの画像データをLCDドライバ36に向けて出力する。LCDドライバ36は、再生用画像GPのうち指定画像ファイルに対応する範囲を、
図5(A)に示すようにLCDモニタ38に表示させる。
【0038】
再生タスクの実行中にLCDモニタ38に対するタッチ操作が操作者によって行われると、タッチ位置がタッチセンサ46によって検知され、検知結果がCPU26に与えられる。
【0039】
操作者の指がLCDモニタ38に触れた状態が維持されたままタッチ位置が変化した場合、つまりスライド操作が行われた場合、この動作がタッチセンサ46によって検知され、検知結果がCPU26に与えられる。CPU26は、再生用画像GPのスクロールを検知結果に基づいてLCDドライバ36に命令する。この結果、LCDモニタ38上の再生用画像GPの表示が、スライド方向および量に従ってスクロールする。
【0040】
図5(A)に示す例によると、操作者が画面右方向へのスライド操作を行った場合、再生用画像GPの表示が右方向にスクロールする。この結果、
図5(B)に示すように、フレーム画像FRのタグエリアSLに合成された指定画像ファイルの撮像データとタグエリアPRに合成された指定画像ファイルの直前に記録された画像ファイルの撮像データとが、LCDモニタ38に表示される。一方、指定画像の右側の一部が非表示となる。
【0041】
図5(B)の状態からさらに右方向にスライド操作が行われると、
図6(A)に示すように、指定画像ファイルの直前に記録された画像の一部が表示される。
【0042】
タッチ位置がタッチセンサ46によって検知されなくなったとき、つまり操作者の指がLCDモニタ38から離れてタッチ操作が終了したとき、スライド量が既定量以下であった場合、再生用画像GPの表示は元に戻るようにスクロールする。よって、LCDモニタ38の表示は指定画像全体の表示に戻る。一方、スライド量が既定量を超えた場合、スライド方向の端まで再生用画像GPの表示がスクロールする。次に、スライド方向に従った画像ファイルが新たに指定された上で、再生用画像作成処理が実行される。
【0043】
既定量は、例えば画面幅の半分の長さとする。この場合、
図5(B)の状態でタッチ操作が終了すると、LCDモニタ38の表示は
図5(A)の状態に戻る。一方、
図6(A)の状態でタッチ操作が終了すると、LCDモニタ38の表示は
図6(B)の状態に進む。
【0044】
図7(A)に示す例によると、操作者が画面下方向へのスライド操作を行った場合、再生用画像GPの表示が下方向にスクロールする。この結果、
図7(B)に示すように、フレーム画像FRのタグエリアSUに合成された指定画像ファイルの撮像データが、LCDモニタ38に表示される。一方、指定画像の下側の一部が非表示となる。また、
図7(B)の状態でタッチ操作が終了すると、LCDモニタ38の表示は
図7(A)の状態に戻る。
【0045】
操作者の2本の指がLCDモニタ38に触れた状態が維持されたまま、これらの2本の指によって触れられたLCDモニタ38上の2点の距離が縮小した場合、つまりピンチイン操作が行われた場合、この動作がタッチセンサ46によって検知され、検知結果がCPU26に与えられる。検知結果を受けたCPU26は、以下の処理を実行する。
【0046】
CPU26は、再生用画像GPへのマスク処理をグラフィックジェネレータ48に命令する。再生用画像GPのうち指定画像以外の部分、つまり合成された表示用画像を含む撮影画像エリアPCおよびNCならびに合成された画像化撮像データを含むタグエリアSU,SL,SR,PR,およびNLに相当する部分は、マスク処理によってブラックアウト化される。また、マスク処理が施された再生用画像GPは、縮小表示される。CPU26は次に、指定画像を囲むように再生用画像GPの上に4つのアイコンを多重表示する。このような4つのアイコンは、それぞれ互いに異なる処理に対応する。
【0047】
図7(A)に示す例によると、操作者がピンチイン操作を行った場合、再生用画像GPがマスク処理を経て縮小表示され、アイコンが多重表示される。この結果、
図8(A)に示すように、アイコンIC1〜IC4が指定画像を囲むようにLCDモニタ38に表示される。アイコンIC1〜IC4は、それぞれ“画像のリサイズ”,“画像ファイルの削除”,“画像ファイルのお気に入り登録”,および“画像のレタッチ”に対応する。
【0048】
ピンチイン操作後の操作者の2本の指がLCDモニタ38に触れた状態が維持されたままタッチ位置が変化した場合、つまりスライド操作が行われた場合、この動作がタッチセンサ46によって検知され、検知結果がCPU26に与えられる。CPU26は、再生用画像GPのスクロールを検知結果に基づいてLCDドライバ36に命令する。この結果、縮小された再生用画像GPの表示が、スライド方向および量に従ってスクロールする。
【0049】
図8(A)に示す例によると、操作者がピンチイン操作後に画面左方向へのスライド操作を行った場合、縮小された再生用画像GPの表示が左方向にスクロールする。なお、アイコンIC1〜IC4の表示はスクロールしない。この結果、
図8(B)に示すように、画面左側に表示されたアイコンIC2の下に指定画像が重なるように、LCDモニタ38の表示が変化する。
【0050】
指定画像とアイコンとの重なりが既定量以下のままタッチ操作が終了したとき、再生用画像GPの表示は元に戻るようにスクロールする。よって、LCDモニタ38の表示は指定画像を中心とした表示に戻る。また、マスク処理の解除およびアイコンの非表示化が実行され、再生用画像GPの縮小表示が終了する。よって、LCDモニタ38の表示はピンチイン操作前の状態に戻る。一方、スライド操作によって重なりが既定量を超えた場合、CPU26は、指定画像に対して重なったアイコンに対応する処理を実行する。既定量は、例えば縮小された指定画像の半分の面積とする。
【0051】
図8(B)に示す例によると、操作者が画面左方向へのスライド操作を更に続けたことによってアイコンIC2と指定画像との重なりが指定画像の面積の半分を超えたとき、アイコンIC2に対応する“画像ファイルの削除”の処理が実行される。従って、指定画像ファイルは削除される。
【0052】
また、スライド操作によってアイコンに対応する処理が実行される直前に、重なりがこれ以上増大すると処理が実行されることを通知するために、重なったアイコンの表示態様を変更するようにしてもよい。例えば、アイコンIC1〜IC4のいずれかと指定画像との重なりが指定画像の面積の半分以下から既定の範囲内にあるときに、表示態様の変更を実行する。表示態様の変更は、例えば、アイコンの輝度を増大してもよいし、アイコンを点滅させてもよい。
【0053】
CPU26は、
図9〜10に示す再生タスクを含む複数の処理を並列的に実行する。なお、これらの処理に対応する制御プログラムは、フラッシュメモリ44に記憶される。
【0054】
図9を参照して、ステップS1では操作に基づいた番号または既定の番号を変数Pに設定する。ステップS3では、記録媒体42に記録されているP番目のフレームの画像ファイルに注目した再生用画像作成処理を実行する。
【0055】
ステップS5では、P番目のフレームの画像ファイルに注目した再生処理の実行をグラフィックジェネレータ48およびLCDドライバ36に命令する。この結果、再生用画像GPのうち指定画像ファイルに対応する範囲がLCDモニタ38に表示される。
【0056】
ステップS7ではLCDモニタ38に対してタッチ操作およびスライド操作が行われたか否かを判別し、判別結果がYESであればステップS11に進む一方、判別結果がNOであればステップS9に進む。
【0057】
ステップS9ではLCDモニタ38に対してピンチイン操作が行われたか否かを判別し、判別結果がYESであればステップS23に進む一方、判別結果がNOであればステップS7に戻る。
【0058】
ステップS11では、LCDモニタ38上の再生用画像GPの表示を操作方向および量に従ってスクロールする。ステップS13ではタッチ操作が修了したか否かを判別し、判別結果がNOであればステップS7に戻る一方、判別結果がYESであればステップS15に進む。
【0059】
ステップS15では画面左方向または画面右方向へのスライド量が既定量を超えたか否かを判別し、判別結果がNOであればステップS17に進む一方、判別結果がYESであればステップS19に進む。
【0060】
ステップS17では、P番目のフレームの画像全体の表示に戻るように再生用画像GPの表示をスクロールする。ステップS17の処理が完了すると、ステップS7に戻る。
【0061】
ステップS19では、スライド方向の端まで再生用画像GPの表示をスクロールする。ステップS21ではスライド方向に従って変数Pをインクリメントまたはデクリメントし、その後にステップS3に戻る。
【0062】
ステップS23では、再生用画像GPのうち指定画像以外の部分に対してマスク処理を実行する。ステップS25では、マスク処理が施された再生用画像GPを縮小表示する。ステップS27では、指定画像を囲むように再生用画像GPの上にアイコンを多重表示する。
【0063】
ステップS29ではタッチ操作が終了したか否かを判別し、判別結果がNOであればステップS39に進む一方、判別結果がYESであればステップS31に進む。
【0064】
ステップS31では、再生用画像GPの表示が元に戻るようにスクロールする。この結果、LCDモニタ38の表示はP番目の画像の縮小表示に戻る。ステップS33では再生用画像GPのマスク処理を解除し、ステップS35ではアイコンを非表示化とする。ステップS37では再生用画像GPの縮小表示を終了し、その後にステップS7に戻る。
【0065】
ステップS39ではLCDモニタ38に対してスライド操作が行われたか否かを判別し、判別結果がYESであればステップS41に進む一方、判別結果がNOであればステップS29に戻る。ステップS41では、LCDモニタ38上の縮小された再生用画像GPの表示を操作方向および量に従ってスクロールする。
【0066】
ステップS43では縮小されたP番目の画像とアイコンとの重なりが既定量を超えたか否かを判別し、判別結果がNOであればステップS29に戻る。一方、判別結果がYESであれば、重なったアイコンに対応する処理をP番目のフレームの画像ファイルに対してステップS45で実行する。ステップS45の処理が完了すると、ステップS3に戻る。
【0067】
図9のステップS3の再生用画像作成処理は、
図11に示すサブルーチンに従って実行される。ステップS51では、P−1番目のフレームの画像ファイル,P番目のフレームの画像ファイル,およびP+1番目のフレームの画像ファイルの各々の画像データを記録媒体42から読み出す。ステップS53では、ステップS51で読み出された画像ファイルの各々に付加された撮像データを読み出す。
【0068】
ステップS55では、ステップS51で読み出された画像データの各々をリサイズして表示用画像データを作成する。ステップS57では、読み出された撮像データの各々を画像化する。
【0069】
ステップS59では、ステップS55で作成された表示用画像データ,ステップS57で作成された画像化撮像データ,およびあらかじめ準備されたフレーム画像FRを用いて、再生用画像GPを作成する。ステップS59の処理が完了すると、上階層のルーチンに復帰する。
【0070】
以上の説明から分かるように、CPU26は、LCDモニタ38のサイズに相当するサイズを有する撮影画像をLCDモニタ38に表示し、位置変更操作が検知されたとき表示された撮影画像の位置を変更してLCDモニタ38の周辺部に空き領域を確保する。CPU26はまた、表示された撮影画像の属性を示す属性情報を確保された空き領域に表示する。
【0071】
LCDモニタ38に表示された撮像画像の位置が位置変更操作に応答して変更されると、LCDモニタ38の周辺部に空き領域が確保される。撮影画像の属性を示す属性情報は、こうして確保された空き領域に表示される。これによって、撮影画像の視認性を維持しつつ撮影画像の属性を簡便に確認することができる。こうして、撮影画像の再生に関する操作性が向上する。
【0072】
なお、この実施例ではピンチイン操作時に表示されるアイコンの一例を示したが、表示されるアイコンは、画像ファイルのサイズまたは種類によって変更するようにしてもよい。例えば、画像ファイルのサイズが既定値以下であった場合、
図8(A)および
図8(B)に示す“リサイズ”に対応するアイコンIC1に替えて、
図12(A)に示すように“アップロード”に対応するアイコンIC5を表示するようにしてもよい。また、画像ファイルが動画像データを収める場合、
図12(A)に示す“レタッチ”に対応するアイコンIC4に替えて、
図12(B)に示すように“動画編集”に対応するアイコンIC6を表示するようにしてもよい。
【0073】
また、この実施例では、マルチタスクOSおよびこれによって実行される複数のタスクに相当する制御プログラムは、フラッシュメモリ44に予め記憶される。しかし、外部サーバに接続するための通信I/F60を
図13に示す要領でディジタルカメラ10に設け、一部の制御プログラムを内部制御プログラムとしてフラッシュメモリ44に当初から準備する一方、他の一部の制御プログラムを外部制御プログラムとして外部サーバから取得するようにしてもよい。この場合、上述の動作は、内部制御プログラムおよび外部制御プログラムの協働によって実現される。
【0074】
また、この実施例では、CPU26によって実行される処理を、
図9〜10に示す再生タスクを含む複数のタスクに区分するようにしている。しかし、これらのタスクをさらに複数の小タスクに区分してもよく、さらには区分された複数の小タスクの一部を他のタスクに統合するようにしてもよい。また、転送タスクを複数の小タスクに区分する場合、その全部または一部を外部サーバから取得するようにしてもよい。
【0075】
また、この実施例では、ディジタルスチルカメラを用いて説明したが、本発明は、ディジタルビデオカメラ、携帯電話端末またはスマートフォンなどにも適用することができる。