(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記活性金属が、Pt、Pd、Rh、Ru、Os、Ir、AuおよびAgからなる群から選ばれる少なくとも1つを主成分とする、請求項1〜5のいずれかに記載の排ガス浄化用触媒。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明について説明する。
本発明は、溶出成分および/またはこれに由来する成分が、前記担体に担持した活性金属を、前記担体の表面に固定している触媒を含む排ガス浄化用触媒である。
このような触媒を、以下では「本発明の排ガス浄化用触媒」ともいう。
本発明の排ガス浄化用触媒は、自動車等の排ガス浄化のために好ましく用いることができ、排ガス浄化用の三元触媒としても好ましく用いることができるものであるが、その用途は排ガス浄化に限定されるものではない。その他の用途にも用いることができる。例えば、VOCおよび炭化水素の燃焼に用いることができる。
【0012】
初めに、本発明の排ガス浄化用触媒が含む前記触媒について、概念断面図を用いて説明する。
図1は前記触媒の概略断面図である。なお、
図1(a)、(b)および(c)は、いずれも本発明の排ガス浄化用触媒が含む、溶出成分および/またはこれに由来する成分(以下では「溶出成分および/またはこれに由来する成分」を「溶出由来成分」ともいう)が前記担体に担持した活性金属を前記担体の表面に固定している触媒を示すものである。また、
図1(b)は、
図1(a)に対して溶出由来成分が少ない態様を示しており、
図1(c)は、逆に溶出由来成分が多く、活性金属を覆っている態様を示している。なお、本発明の排ガス浄化用触媒が含む前記触媒において、1つの担体の表面に存在する溶出由来成分の態様は1種類でなくてよい。例えば、
図1(a)、(b)および(c)に示される態様の溶出由来成分が混在するものであってよい。
【0013】
図1(a)〜(c)に示すように、触媒(1)は、担体(2)の表面に活性金属(4)を備えたものである。また、担体(2)の表面に溶出由来成分(6)が存在しており、この溶出由来成分(6)が活性金属(4)を担体(2)の表面に固定し、活性金属(4)の移動を抑制する機能を果たす。従来の触媒は排ガス浄化用触媒等として使用を継続すると、活性金属の凝集が起こり触媒能は低下したが、本発明の排ガス浄化用触媒が含む触媒は、
図1に示すように溶出由来成分(6)が活性金属(4)を固定しているので活性金属の凝集が起こり難く、その結果、使用を継続しても触媒能を高位に維持することができる。
【0014】
また、溶出由来成分(6)は、担体(2)と活性金属(4)との隙間を埋めるように固化する傾向があるので、
図1(b)に示すように溶出由来成分(6)の量が少ない場合であっても、活性金属(4)を担体(2)の表面へ強固に密着させて固定し、継続して使用しても触媒能を高位に維持する効果が高い。
【0015】
また、
図1(c)に示すように、溶出由来成分(6)が活性金属(4)を覆っている場合でも、溶出由来成分(6)が緻密ではなく、例えば細孔が形成されているような場合であれば、本発明の排ガス浄化用触媒は触媒活性を発揮する。
後述する本発明の触媒の製造方法[α]によって製造された本発明の排ガス浄化用触媒は、溶出由来成分(6)が緻密ではなく細孔が形成される傾向があるので、
図1(c)に示すように溶出由来成分(6)が活性金属(4)を覆っていても、本発明の排ガス浄化用触媒は触媒活性を発揮する傾向がある。
【0016】
なお、上記のように溶出由来成分とは、溶出成分および/またはこれに由来する成分を意味するが、ここで「これ(溶出成分)に由来する成分」とは、溶出成分が溶媒に含まれる他の成分等と化合等したり、溶出成分が脱水反応したりすることで生じた成分を意味する。例えば、溶出成分がBaAl
2O
4であり、溶媒が水である場合、BaAl
2O
4は水に溶解してBa
2+、[Al(OH)
4]
-となった後、溶媒等に含まれる成分と化合等したり、脱水反応したりしてAl(OH)
3などの不溶成分に変化して、担体の表面において固化するものと考えられる。また、例えば溶出成分がAlOOHであり、溶媒が水である場合、AlOOHは水に溶解した後、乾燥させると、脱水反応して、Al(OH)
3などの不溶成分に変化して、担体の表面において固化するものと考えられる。ここに挙げたAl(OH)
3やAl
2O
3などが「これ(溶出成分)に由来する成分」に該当する。
【0017】
<担体>
次に、本発明の排ガス浄化用触媒の一部を構成する担体について説明する。
担体は活性金属を担持するものであれば特に限定されないが、前記溶出成分を含むものであることが好ましい。以下では、前記溶出成分を含む担体を担体aという。また、前記溶出成分を含まない担体を担体bという。本発明の排ガス浄化用触媒において担体は、担体aを含むことが好ましい。また、本発明の排ガス浄化用触媒において担体は、担体aを含み、さらに担体bを含むことがさらに好ましい。
【0018】
<担体a>
担体aについて説明する。
担体aは溶出成分を含み、前記溶出成分を溶解する溶媒と接触することで前記溶出成分の少なくとも一部を溶出するものである。
したがって、担体aが含む溶出成分の種類は、製造の際に用いる溶媒との関係で決定されるものである。例えば溶媒として水を用いる場合、溶出成分は水溶性成分ということになる。担体aは前記溶出成分として水溶性成分を含み、かつ溶媒として水を用いることが好ましい。なお、溶媒としては水の他、有機溶媒を用いることもできる。
【0019】
担体aは、溶出成分として、Ba化合物、Al化合物およびBaAl複合酸化物からなる群から選ばれる少なくとも1つを含むことが好ましく、BaAl
2O
4、Al(OH)
3およびAlOOHからなる群から選ばれる少なくとも1つを含むことがより好ましく、BaAl
2O
4を含むことがさらに好ましい。また、担体aに含まれるBaAl
2O
4、Al(OH)
3およびAlOOHの合計含有率は5〜100質量%であることが好ましく、10〜95質量%であることがより好ましく、15〜90質量%であることがより好ましく、18〜71質量%であることがさらに好ましい。また、担体aは、BaAl
2O
4を18〜71質量%含むことが好ましく、18〜63質量%含むことがより好ましく、18〜54質量%含むことがさらに好ましい。本発明の排ガス浄化用触媒を継続して使用してもその触媒能がより長期間、維持されるからである。ここで担体aにおけるBaAl
2O
4の含有率は、Baのすべてが担体aにおいてBaAl
2O
4となると仮定して算出した値である。また、担体aに含まれるBaの含有率はICP発光分光分析装置を用いて測定するものとする。
なお、本発明者は、Baのすべてが担体aにおいてBaAl
2O
4となると仮定して算出した含有率が54質量%程度を超える場合、実際に担体aに含まれるBaの概ねすべてがBaAl
2O
4として存在し、54質量%程度以下の場合は、Ba含有率が低くなるほど、BaはBaAl
12O
19の態様で存在する割合が高くなることをX線粉末回折測定を行って確認している。したがって、原料中に含まれるBaのすべてが担体aにおいてBaAl
2O
4となると仮定して算出した値が54質量%以下である場合は、溶媒が水の場合に溶出成分に相当するBaAl
2O
4と溶出成分に相当しないBaAl
12O
19とが混在する状態の担体aとなる。このように担体aは、すべてが溶出成分からなるのではなく、溶出成分の他に、さらに溶出成分に相当しない成分も含まれていることが好ましい。
また、担体aが溶出成分としてBaAl
2O
4、Al(OH)
3およびAlOOHからなる群から選ばれる少なくとも1つを含む場合、溶媒として水を用いることができる。
【0020】
担体aは、溶媒と接触すると、このような溶出成分を溶出する。溶出した前記溶出成分および/またはこれに由来する成分(溶出由来成分)は担体aの表面で固化して、
図1に示したように、担体aの表面に活性金属を固定することができる。
【0021】
担体aが、このような溶出成分以外のその他成分を含む場合、その他成分は、Ba、AlおよびZrならびにこれらの酸化物であることが好ましく、Ba、Al、ZrおよびYならびにこれらの酸化物であることがより好ましい。ここで「これらの酸化物」とは、Ba、Al、Zr、Yの各々の元素の酸化物、すなわちBaO、Al
2O
3、ZrO
2、Y
2O
3、YSZ等であってよく、BaAl
12O
19、BaZrO
3などの複合酸化物であってもよく、これらの酸化物と複合酸化物の両方を含むものであってもよい。ここでYSZはイットリア安定化ジルコニアを意味し、酸化ジルコニウム(ZrO
2)へ、イットリウム(Y)をドープして得られるものである。YSZにおけるZrの含有率は1〜10原子%であることが好ましく、2〜9原子%であることがより好ましい。
【0022】
担体aが含んでもよいその他の成分として、アルカリ金属、アルカリ土類、希土類、遷移金属(例えばLi、Na、K、Rb、Cs、Mg、Ca、Sr、La、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Nb、Mo、Si)が挙げられる。
【0023】
溶媒と接触して溶出成分を溶出する前の担体aの平均粒子径(メジアン径)は、0.5〜150μmであることが好ましく、5〜60μmであることがより好ましく、10〜40μmであることがより好ましい。
なお、この平均粒子径は、測定対象物(ここでは担体a)をヘキサメタリン酸ナトリウム水溶液へ添加し、超音波分散および攪拌によって分散させて、透過率が70〜90%となるように調節した後、従来公知のレーザ散乱法(例えばHORIBA LA−950V2)を用いて粒度分布を測定し算出した値を意味するものとする。
本発明において平均粒子径は、特に断りがない限り、このような方法で測定して得た値を意味するものとする。
【0024】
また、溶媒と接触して溶出成分を溶出する前の担体aの比表面積は、0.1〜23m
2/gであることが好ましく、1〜12m
2/gであることがより好ましく、0.5〜7m
2/gであることがより好ましく、0.5〜3m
2/gであることがさらに好ましい。
なお、比表面積は、次に示す窒素吸着法(BET法)で測定して得た値を意味するものとする。
窒素吸着法について説明する。
まず、測定対象物(ここでは担体a)を乾燥させたもの(1.5g)を試料として測定セルに入れ、窒素ガス気流中、250℃で40分間脱ガス処理を行い、その上で試料を窒素30体積%とヘリウム70体積%の混合ガス気流中で液体窒素温度に保ち、窒素を試料に平衡吸着させる。次に、上記混合ガスを流しながら試料の温度を徐々に室温まで上昇させ、その間に脱離した窒素の量を検出し、試料の比表面積を測定する。窒素吸着法(BET法)は、例えば従来公知の表面積測定装置を用いて行うことができる。
本発明において比表面積は、特に断りがない限り、ここに示した窒素吸着法(BET法)によって測定した値を意味するものとする。
【0025】
<担体b>
次に、担体bについて説明する。
担体bは溶出成分を含まない。また、溶出成分の種類は用いる溶媒との関係で決定されるものであるので、例えば溶媒として水を用いる場合、担体bは、BaAl
2O
4、Al(OH)
3またはAlOOH等の水溶性成分を含まない。
【0026】
担体bは、Ba、AlおよびZrならびにこれらの酸化物や、Ba、Al、ZrおよびYならびにこれらの酸化物を主成分とするものであってよい。
ここで「これらの酸化物」とは、Ba、Al、Zr、Yの各々の元素の酸化物、すなわちBaO、Al
2O
3、ZrO
2、Y
2O
3、YSZ等であってよく、BaAl
12O
19、BaZrO
3などの複合酸化物であってもよく、これらの酸化物と複合酸化物の両方を含むものであってもよい。
また、ここで主成分とは、含有率が70質量%以上であることを意味する。具体的には、担体bに含まれるBa、Al、ZrおよびYがBaO、Al
2O
3、ZrO
2およびY
2O
3の態様の酸化物で存在すると仮定して算出した合計含有率は70質量%以上である。ここで担体bに含まれるBa、Al、ZrおよびYの含有率はICP発光分光分析装置を用いて測定するものとする。この合計含有率は80質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることが好ましく、95質量%以上であることがより好ましく、99質量%以上であることがより好ましく、100質量%である、すなわち、担体bが実質的にBa、Al、ZrおよびYならびにこれらの酸化物からなることがさらに好ましい。ここで「実質的になる」とは、原料や製造過程から不可避的に含まれる不純物は含まれ得ることを意味する。以下に示す本発明の説明において「実質的になる」は、このような意味で用いる。
【0027】
また、担体bは、酸化セリウム、バリウムヘキサアルミネート(BaAl
12O
19)およびYSZからなる群から選ばれる少なくとも1つを含むものであることが好ましく、これらからなる群から選ばれる少なくとも1つから実質的になることがより好ましい。
担体bが酸化セリウムを含む場合、その酸化セリウムは、通常、酸化数が4のCeO
2であるが、酸化数が3のCe
2O
3であってもよく、いずれを含んでもよい。
【0028】
担体bは、Ba、AlおよびZrならびにこれらの酸化物、酸化セリウムならびにYSZ以外に、希土類、遷移金属(例えばLi、Na、K、Rb、Cs、Mg、Ca、Sr、La、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Nb、Mo、Si)を含んでもよい。
【0029】
前記溶出成分が表面に付く前の担体bの平均粒子径(メジアン径)は、0.5〜100μmであることが好ましく、5〜50μmであることがより好ましく、0.5〜10μmであることがさらに好ましい。
【0030】
また、前記溶出成分が表面に付く前の担体bの比表面積は、0.05〜200m
2/gであることが好ましく、1.5〜170m
2/gであることがより好ましい。
【0031】
<活性金属>
次に、活性金属について説明する。活性金属は担体(担体a、担体b)の表面に担持している。
【0032】
活性金属は触媒能を備える金属であれば特に限定されないが、Pt、Pd、Rh、Ru、Os、Ir、AuおよびAgからなる群から選ばれる少なくとも1つを含むことが好ましい。
【0033】
活性金属の一次粒子の平均粒子径は特に限定されないが、1〜100nmであることが好ましく、1〜90nmであることがより好ましい。このような範囲であると容易に製造することができ、また、粒子径が大きすぎる場合と比較して触媒能が高いからである。
活性金属の平均粒子径は、TEMを用いて拡大写真を得た後、不作為に選んだ数十個の活性金属の直径(投影面積円相当径)を測定し、これを単純平均することで得るものとする。
【0034】
また、担体に担持している活性金属の存在量は、100質量部の担体に対して0.01〜2.0質量部であることが好ましく、0.1〜1.0質量部であることがより好ましく、0.1〜0.8質量部であることがさらに好ましい。担体に対して活性金属の量が少なすぎると触媒能が発揮されない傾向があり、逆に多すぎるとコストが高まる割には触媒能が高くならない傾向があるからである。
【0035】
<本発明の排ガス浄化用触媒>
本発明の排ガス浄化用触媒において前記担体は前記活性金属を表面に担持しており、
図1に示したように、さらに担体の表面で固化した溶出由来成分によって、担体の表面に活性金属を固定している。このため活性金属は継続して使用しても凝集し難い。
【0036】
また、本発明の排ガス浄化用触媒は、前記溶出成分が前記担体から溶出したものであることが好ましい。本発明の排ガス浄化用触媒における担体は、前記溶出成分を含まないもの(すなわち担体b)からなるものであってよいが、この場合、製造時において、担体bの他に、溶出成分を含む材料を用意する必要がある。しかし、前記溶出成分を含む担体(すなわち担体a)を用いれば、溶出成分を含む材料を用いる必要がなくなるため(別の言い方をすれば、担体aが「溶出成分を含む材料」としての機能も果たすため)、製造が容易になるからである。
【0037】
本発明の排ガス浄化用触媒の比表面積は、2.5m
2/g以上であることが好ましく、2.5〜200m
2/gであることがより好ましく、2.5〜180m
2/gであることがより好ましく、2.5〜170m
2/gであることがさらに好ましい。継続して使用してもその触媒能がより長期間、維持されるからである。
なお、比表面積は、前述の窒素吸着法(BET法)で測定して得た値を意味するものとする。
【0038】
本発明の排ガス浄化用触媒の平均粒子径(メジアン径)は、0.05〜150μmであることが好ましく、0.09〜60μmであることがより好ましく、0.09〜40μmであることがより好ましい。なお、この平均粒子径は前述の方法で測定して得た値を意味するものとする。
【0039】
本発明の排ガス浄化用触媒において担体は表面に活性金属を有するものであるが、その他に、さらにTi、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Y、Zr、La、Ce、Pr、Si等を含む粒子等を表面に有してもよい。
ただし、このようなその他のものが、担体の表面に実質的に存在しない、すなわち、原料や製造過程から意図せず混入し、不可避的に存在することになる不純物以外は存在しないことが好ましい。
【0040】
また、本発明の排ガス浄化用触媒は、担体が、前記溶出成分を含む担体aと前記溶出成分を含まない担体bとからなり、前記担体aから溶出し、前記担体aの表面で固化した前記溶出成分および/またはこれに由来する成分が、前記担体aに担持した活性金属を前記担体aの表面に固定している触媒Aと、前記担体aから溶出し、前記担体bの表面で固化した前記溶出成分および/またはこれに由来する成分が、前記担体bに担持した活性金属を前記担体bの表面に固定している触媒Bとを含むことが好ましい。
【0041】
ここで、本発明の排ガス浄化用触媒における触媒Aおよび触媒Bの合計含有率(触媒Bを含まない場合は触媒Aの含有率)が70質量%以上であることが好ましい。この合計含有率(触媒Bを含まない場合は触媒Aの含有率)は80質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましく、95質量%以上であることがより好ましく、99質量%以上であることがより好ましく、100質量%である、すなわち、本発明の排ガス浄化用触媒が実質的に触媒Aのみ、または実質的に触媒Aおよび触媒Bからなることがさらに好ましい。
【0042】
また、本発明の排ガス浄化用触媒は、前記担体bが酸化セリウムを主成分とし、前記触媒Aと前記触媒Bとの合計質量に対する前記触媒Aの質量比(A/(A+B)×100)が10質量%超80質量%未満であるものであることが好ましい。この質量比は、20〜50質量%であることがより好ましい。
本発明の排ガス浄化用触媒がこのような質量比で触媒Aおよび触媒Bを含む場合、触媒Aまたは触媒Bの単独の場合と比較して、予測できないほど触媒能が優れることを本発明者は見出した。
このように本発明の排ガス浄化用触媒が触媒Aと酸化セリウムを主成分とする担体bを備える触媒Bとを特定の比率で含んだ場合に触媒能が非常に優れる理由は、現段階では不明であるが、溶出成分、触媒Aおよび触媒Bの間での相互作用によるものと推定される。
【0043】
本発明の排ガス浄化用触媒は、前記担体bがバリウムヘキサアルミネート(BaAl
12O
19)を主成分とし、前記触媒Aと前記触媒Bとの合計質量に対する前記触媒Aの質量比(A/(A+B)×100)が5〜50質量%であるものであることが好ましい。この質量比は、5〜30質量%であることがより好ましい。
本発明の排ガス浄化用触媒がこのような質量比で触媒Aおよび触媒Bを含む場合、触媒Aまたは触媒Bの単独の場合と比較して、予測できないほど触媒能が優れることを本発明者は見出した。
このように本発明の排ガス浄化用触媒が触媒Aとバリウムヘキサアルミネートを主成分とする担体bを備える触媒Bとを特定の比率で含んだ場合に触媒能が非常に優れる理由は、現段階では不明であるが、溶出成分、触媒Aおよび触媒Bの間での相互作用によるものと推定される。
【0044】
また、本発明の排ガス浄化用触媒は、前記担体bがYSZを主成分とし、前記触媒Aと前記触媒Bとの合計質量に対する前記触媒Aの質量比(A/(A+B)×100)が5〜50質量%であるものであることが好ましい。この質量比は、5〜30質量%であることがより好ましい。
本発明の排ガス浄化用触媒がこのような質量比で触媒Aおよび触媒Bを含む場合、触媒Aまたは触媒Bの単独の場合と比較して、予測できないほど触媒能が優れることを本発明者は見出した。
このように本発明の排ガス浄化用触媒が触媒AとYSZを主成分とする担体bを備える触媒Bとを特定の比率で含んだ場合に触媒能が非常に優れる理由は、現段階では不明であるが、溶出成分、触媒Aおよび触媒Bの間での相互作用によるものと推定される。
【0045】
本発明の排ガス浄化用触媒は、触媒Aを含み、さらに触媒Bを含んでもよいが、その他に含んでもよいものとして、Zrおよびセリウム以外の希土類元素や遷移金属(例えばLi、Na、K、Rb、Cs、Mg、Ca、Sr、La、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Nb、Mo、Si)の酸化物および複合酸化物が挙げられる。
【0046】
<本発明の排ガス浄化用触媒の製造方法>
次に、本発明の排ガス浄化用触媒の製造方法について説明する。
本発明の排ガス浄化用触媒の製造方法は特に限定されないが、前記担体の表面に前記活性金属を担持させる担持工程[α]と、前記溶出成分を含む材料および前記活性金属を担持させた前記担体を、前記溶出成分を溶解する溶媒と接触させて、前記溶出成分の少なくとも一部を溶媒中へ溶出させる溶出工程[α]と、前記溶出成分および/またはこれに由来する成分を前記担体の表面で固化して触媒を得る固化工程[α]とを備える製造方法であることが好ましい。
このような製造方法を、以下では「本発明の触媒の製造方法[α]」ともいう。
【0047】
また、本発明の触媒の製造方法[α]は、前記溶出成分を含む前記担体aの表面に前記活性金属を担持させる担持工程[β]と、前記活性金属を担持させた前記担体aを、前記溶出成分を溶解する溶媒と接触させて、前記溶出成分の少なくとも一部を溶媒中へ溶出させる溶出工程[β]と、前記溶出成分および/またはこれに由来する成分を前記担体aの表面で固化して触媒Aを得る固化工程[β]とを備える製造方法であることがより好ましい。
このような製造方法を、以下では「本発明の触媒の製造方法[β]」ともいう。
本発明の触媒の製造方法[β]は本発明の触媒の製造方法[α]の下位概念であるが、本発明の触媒の製造方法[β]が本発明の触媒の製造方法[α]と異なる点は、溶出工程である。具体的には、本発明の触媒の製造方法[α]における溶出工程[α]では、前記溶出成分を含む材料および前記活性金属を担持させた前記担体を用いるが、本発明の触媒の製造方法[β]では、前記溶出成分を含む担体aを用いる。本発明の触媒の製造方法[β]における溶出工程[β]では、担体aを用いるので、本発明の触媒の製造方法[α]の溶出工程[α]で用いる「前記溶出成分を含む材料」を用いる必要がない。別の言い方をすれば、本発明の触媒の製造方法[β]の溶出工程[β]で用いる担体aは、本発明の触媒の製造方法[α]の溶出工程[α]で用いる「前記溶出成分を含む材料」としても機能する。
これ以外の点では、本発明の触媒の製造方法[β]と本発明の触媒の製造方法[α]とは同様であってよい。つまり、本発明の触媒の製造方法[α]における担持工程[α]および固化工程[α]は、本発明の触媒の製造方法[β]における担持工程[β]および固化工程[β]と同様であってよい。
【0048】
また、本発明の触媒の製造方法[α]は、前記溶出成分を含む前記担体aおよび前記溶出成分を含まない前記担体bの各々の表面に前記活性金属を担持させる担持工程[γ]と、前記活性金属を担持させた前記担体aおよび前記活性金属を担持させた前記担体bを、前記溶出成分を溶解する溶媒と接触させて、前記溶出成分の少なくとも一部を溶媒中へ溶出させる溶出工程[γ]と、前記溶出成分および/またはこれに由来する成分を前記担体aおよび前記担体bの表面で固化して触媒Aおよび触媒Bを得る固化工程[γ]とを備える製造方法であることがより好ましい。
このような製造方法を、以下では「本発明の触媒の製造方法[γ]」ともいう。
本発明の触媒の製造方法[γ]は本発明の触媒の製造方法[α]および本発明の触媒の製造方法[β]の下位概念であるが、本発明の触媒の製造方法[γ]が本発明の触媒の製造方法[α]と異なる点は、担体aおよび担体bを用いる点である。本発明の触媒の製造方法[γ]では、本発明の触媒の製造方法[β]と同様に担体aを用いるので、本発明の触媒の製造方法[β]の場合と同様に、本発明の触媒の製造方法[α]の溶出工程[α]で用いる「前記溶出成分を含む材料」を用いる必要がない。
これら以外の点では、本発明の触媒の製造方法[γ]と本発明の触媒の製造方法[α]とは同様であってよい。つまり、本発明の触媒の製造方法[α]における担持工程[α]および固化工程[α]は、本発明の触媒の製造方法[γ]における担持工程[γ]および固化工程[γ]と同様であってよい。
【0049】
以下では、主として本発明の触媒の製造方法[α]について説明するが、特に断りがない限り、本発明の触媒の製造方法[α]についての説明は、本発明の触媒の製造方法[β]および本発明の触媒の製造方法[γ]についても適用される。
また、特に断りがない限り、担持工程[α]についての説明は、担持工程[β]および担持工程[γ]についても適用される。
また、特に断りがない限り、溶出工程[α]についての説明は、溶出工程[β]および溶出工程[γ]についても適用される。
また、特に断りがない限り、固化工程[α]についての説明は、固化工程[β]および固化工程[γ]についても適用される。
【0050】
<担持工程[α]>
本発明の触媒の製造方法[α]における担持工程[α]について説明する。
担持工程[α]は、前記担体の表面に前記活性金属を担持させる工程である。
ここで担持工程[β]では、前記担体aの表面に前記活性金属を担持させる。
また、担持工程[γ]では、前記担体aおよび前記担体bの表面に前記活性金属を担持させる。
担体の表面に活性金属を担持させる方法は、担体の種類によらず同じであってよい。
【0051】
担持工程[α]において用いる担体の製造方法は特に限定されない。
【0052】
担体aの場合、例えば、Ba、AlおよびZrからなる群から選ばれる少なくとも1つを含む、粉末状、液状またはそれらを分散もしくは溶解して溶液とした酸化物、水酸化物、硝酸塩、塩化物、酢酸塩、炭酸塩または錯塩の1種類以上を原料として、従来公知の方法(固相混合法、含浸法など)によって、Ba、AlおよびZrを含む混合物を得た後、必要に応じて乾燥させ、その後、焼成することで得ることができる。
また、例えば、硝酸塩などの可溶性または液状の原料を用い、これを含む溶液をスプレーノズル等で高温領域に噴霧することで直接、担体aを得ることもできる。これは、例えばホソカワミクロン社製のナノクリエータを用いて行うことができる。
【0053】
また、担体aは、Ba、AlおよびZrからなる群から選ばれる少なくとも1つを含む1種類以上の前記原料を湿式粉砕してスラリー状の前記原料とした後、必要に応じて乾燥させ、その後、焼成することで得ることが好ましい。湿式粉砕とは、前記原料を水や有機溶媒に浸した状態で分散、粉砕、解砕または混合する方法である。例えば前記原料と水とをボールミルに入れて粉砕等する方法である。
また、湿式粉砕して得た前記スラリー状の原料を噴霧乾燥した後、焼成して担体aを得ることが好ましい。噴霧乾燥とは、前記スラリー状の原料を噴霧し、霧状とした後または霧状としながら乾燥する方法である。具体的には、前記スラリー状の原料と気体とを流し込むことでノズル先端から乾燥雰囲気内へスラリー状の原料の液滴を吐出させて、粉状の乾燥物を得る方法である。また、乾燥搭の上部から下部へ向かいダウンフローの乾燥ガスを用いて乾燥することが好ましい。また、噴霧乾燥はスプレードライヤーを用いて行うことが好ましい。スプレードライヤーの乾燥用熱風の入口温度は150〜300℃であることが好ましく、180〜220℃であることがより好ましい。また、出口温度は90〜130℃であることが好ましく、100〜120℃であることがより好ましい。また、噴霧盤の周速は26〜92m/secであることが好ましく、73〜84m/secであることがより好ましい。
【0054】
また、前記原料またはこれが乾燥した前記乾燥物の焼成は、例えば従来公知の方法で行うことができる。例えば従来公知の焼成炉(トンネル炉、マッフル炉、ロータリーキルン等)を用いて900〜1600℃程度の温度で、1〜50h程度、焼成して、担体aを得ることができる。
【0055】
担体bの場合、例えば、Ceを含む、粉末状、液状またはそれらを分散もしくは溶解して溶液とした酸化物、水酸化物、硝酸塩、塩化物、酢酸塩、炭酸塩または錯塩の1種類以上を原料として、従来公知の方法(固相混合法、含浸法など)によって処理した後、必要に応じて乾燥させ、その後、焼成することで得ることができる。焼成は、例えば従来公知の焼成炉を用いて行うことができる。
ここで担体bが酸化セリウムを主成分とするものである場合、担体bは900℃以上の雰囲気に曝さないで製造することが好ましい。担体bを高温雰囲気に曝すと、本発明の排ガス浄化用触媒の触媒能が高くなり難い傾向があることを本発明者は見出した。
したがって、担体bが酸化セリウムを主成分とするものである場合、担体bを得る際は、Ceを含む原料を好ましくは900℃未満の温度、より好ましくは300〜500℃の温度、さらに好ましくは400℃程度の温度で焼成する。
【0056】
担体bがYSZまたはBaAl
12O
19の場合も、従来公知の方法で製造することができる。具体的には、担体bがYSZの場合は例えば従来公知の固相法によって製造することができる。また、担体bがBaAl
12O
19の場合は例えば従来公知のアルコキシド法によって製造することができる。
【0057】
担持工程[α]では、上記のようにして得ることができる担体(担体aおよび/または担体b)の表面に活性金属を担持させる。
前記担体の表面に活性金属を担持させる方法は特に限定されない。例えば従来公知の担持法を用いて活性金属を付けることができる。従来公知の担持法としては、固相混合法、含浸法が挙げられる。具体的には、例えば活性金属を構成する元素の塩を含む溶液(例えばジニトロジアンミン白金溶液)を、粉末状の担体にごくわずかずつ加え、担体表面が均一に濡れはじめた状態で含浸を終了し、その後、乾燥し、焼成することで得ることができる。例えば、従来公知の乾燥機を用いて80〜200℃の温度で0.5〜50h乾燥させた後、従来公知の焼成炉を用いて、空気中にて、300〜500℃の温度で0.5〜10h焼成して得ることができる。活性金属を構成する元素の塩を含む溶液として硝酸根を含むもの(例えばジニトロジアンミン白金溶液)を用いた場合、上記のように乾燥させた後、空気中にて300〜500℃の温度で焼成すると、硝酸根の少なくとも一部が除去されるので好ましい。
【0058】
<溶出工程[α]>
本発明の触媒の製造方法[α]における溶出工程[α]について説明する。
溶出工程[α]は、前記溶出成分を含む材料および前記活性金属を担持させた前記担体を、前記溶出成分を溶解する溶媒と接触させて、前記溶出成分の少なくとも一部を溶媒中へ溶出させる工程である。
ただし、溶出工程[β]または溶出工程[γ]では、用いる溶出成分を含む担体aが「前記溶出成分を含む材料」としての役割をも果たすため、「前記溶出成分を含む材料」を用いなくてもよい。
【0059】
ここで「前記溶出成分を含む材料」とは、前述の担体aを構成し得る成分を含む材料であってよい。また、「前記溶出成分を含む材料」は、例えば活性金属を担持していない担体aそのものであってもよい。
【0060】
溶出工程[α]における溶出方法としては、例えば、前記溶出成分を含む材料と前記活性金属を担持させた前記担体とを溶媒に浸す方法が挙げられる。
また、溶出工程[β]の場合であれば、例えば活性金属を表面に付けた担体aを溶媒に浸す方法が挙げられる。
また、溶出工程[γ]の場合であれば、活性金属を表面に担持させた担体aと活性金属βを表面に担持させた担体bとを、所定の割合(担体bが酸化セリウムの場合であれば、本発明の排ガス浄化用触媒の含まれる触媒Aおよび触媒Bの合計質量に対する触媒Aの質量の比(A/(A+B)×100)が10質量%超80質量%未満となる割合)で混合した後、これらを溶媒に浸す方法が挙げられる。
ここで、前記溶出成分を含む材料、担体aおよび担体bの少なくとも1つを、水等の溶媒に浸漬した後、溶媒を十分に攪拌する方法が好ましい。ここで、攪拌は1min〜100h行うことが好ましく、5〜100h行うことがより好ましく、10〜60h行うことがより好ましく、20〜50h行うことがさらに好ましい。
また、前記溶出成分を含む材料、担体aおよび担体bの少なくとも1つを、水等の溶媒に浸漬した後、水等の溶媒に浸漬した後、ホモジナイザーやビーズミルを用いて粉砕、解砕または混合を行う方法であってもよい。この場合、処理時間は1〜540minであることが好ましい。
溶媒としては水や有機溶媒を用いることができ、水を用いることが好ましい。担体aがBaAl
2O
4を含む場合、溶媒として水を用いることが好ましい。
【0061】
このような溶出工程[α]によって、前記溶出成分を含む材料および/または前記担体aから前記溶出成分の少なくとも一部を溶媒へ溶出させることができる。
【0062】
<固化工程[α]>
本発明の触媒の製造方法[α]における固化工程[α]について説明する。
固化工程[α]は、前記溶出成分および/またはこれに由来する成分を担体の表面で固化して前記触媒を得る工程である。
固化工程[β]の場合であれば、前記溶出成分および/またはこれに由来する成分を前記担体aの表面で固化して触媒Aを得る。
固化工程[γ]の場合であれば、前記溶出成分および/またはこれに由来する成分を前記担体aおよび前記担体bの表面で固化して触媒Aおよび触媒Bを得る。
【0063】
固化工程[α]では、前記溶出工程[α]によって得られたものを、必要に応じて乾燥させた後、焼成することで溶出由来成分を前記担体(担体aおよび/または担体b)の表面で固化して、前記活性金属を前記担体の表面に固定した触媒を得ることができる。例えば、従来公知の乾燥機を用いて80〜200℃の温度で0.5〜50h乾燥させた後、従来公知の焼成炉を用いて、空気中にて、300〜500℃の温度で0.5〜10h焼成して得ることができる。
【0064】
<触媒担持構造体>
次に、本発明の排ガス浄化用触媒を表面に有する触媒担持構造体について説明する。
この触媒担持構造体は、本発明の排ガス浄化用触媒を構造体の表面に付けてなるものである。ここで構造体としては、セラミックや金属からなるハニカム型、コルゲートタイプ、プレートタイプの構造体が挙げられる。
本発明の排ガス浄化用触媒を表面に有する触媒担持構造体を、以下では「本発明の構造体」ともいう。
【0065】
<本発明の構造体の製造方法>
本発明の構造体を製造する方法は特に限定されないが、ウォッシュコート法を好ましく適用することができる。ウォッシュコート法は、本発明の排ガス浄化用触媒を分散媒へ分散させ、必要に応じて粘度を調整して得たスラリー中へ前記構造体を浸漬し、引き上げた後、乾燥し、必要に応じて焼成する方法である。
【0066】
本発明の構造体の製造方法は、前記担体の表面に前記活性金属を担持させる担持工程[α]と、前記溶出成分を含む材料および前記活性金属を担持させた前記担体を、前記溶出成分を溶解する溶媒と接触させて、前記溶出成分の少なくとも一部を溶媒中へ溶出させる溶出工程[α]と、前記活性金属を担持した前記担体を、前記溶出工程によって得られる前記溶媒とともに構造体と接触させ、その後、前記溶媒を除去することで、前記溶出成分および/またはこれに由来する成分を前記担体の表面で固化し、あわせて前記活性金属を担持した前記担体を前記構造体の表面に付ける付着工程[α]とを備え、本発明の構造体が得られる製造方法であることが好ましい。
このような製造方法を、以下では「本発明の構造体の製造方法[α]」ともいう。
【0067】
また、本発明の構造体の製造方法[α]は、前記溶出成分を含む前記担体aの表面に前記活性金属を担持させる担持工程[β]と前記活性金属を担持させた前記担体aを、前記溶出成分を溶解する溶媒と接触させて、前記溶出成分の少なくとも一部を溶媒中へ溶出させる溶出工程[β]と、前記活性金属を担持した前記担体aを、前記溶出工程によって得られる前記溶媒とともに構造体と接触させ、その後、前記溶媒を除去することで、前記溶出成分および/またはこれに由来する成分を前記担体aの表面で固化し、あわせて前記活性金属を担持した前記担体aを前記構造体の表面に付ける付着工程[β]とを備え、本発明の構造体が得られる製造方法であることが好ましい。
このような製造方法を、以下では「本発明の構造体の製造方法[β]」ともいう。
本発明の構造体の製造方法[β]は本発明の構造体の製造方法[α]の下位概念であるが、本発明の構造体の製造方法[β]が本発明の構造体の製造方法[α]と異なる点は、溶出工程である。具体的には、本発明の構造体の製造方法[α]における溶出工程[α]では、前記溶出成分を含む材料および前記活性金属を担持させた前記担体を用いるが、本発明の構造体の製造方法[β]では、前記溶出成分を含む担体aを用いる。本発明の構造体の製造方法[β]における溶出工程[β]では、担体aを用いるので、本発明の構造体の製造方法[α]の溶出工程[α]で用いる「前記溶出成分を含む材料」を用いる必要がない。別の言い方をすれば、本発明の構造体の製造方法[β]の溶出工程[β]で用いる担体aは、本発明の構造体の製造方法[α]の溶出工程[α]で用いる「前記溶出成分を含む材料」としても機能する。
これ以外の点では、本発明の構造体の製造方法[β]と本発明の構造体の製造方法[α]とは同様であってよい。つまり、本発明の構造体の製造方法[α]における担持工程[α]および付着工程[α]は、本発明の構造体の製造方法[β]における担持工程[β]および付着工程[β]と同様であってよい。
【0068】
また、本発明の構造体の製造方法[α]は、前記溶出成分を含む前記担体aおよび前記溶出成分を含まない前記担体bの各々の表面に前記活性金属を担持させる担持工程[γ]と、前記活性金属を担持させた前記担体aおよび前記活性金属を担持させた前記担体bを、前記溶出成分を溶解する溶媒と接触させて、前記溶出成分の少なくとも一部を溶媒中へ溶出させる溶出工程[γ]と、前記活性金属を担持した前記担体aおよび前記担体bを、前記溶出工程によって得られる前記溶媒とともに構造体と接触させ、その後、前記溶媒を除去することで、前記溶出成分および/またはこれに由来する成分を前記担体の表面で固化し、あわせて前記活性金属を担持した前記担体aおよび前記担体bを前記構造体の表面に付ける付着工程[γ]とを備え、本発明の構造体が得られる製造方法であることが好ましい。
このような製造方法を、以下では「本発明の構造体の製造方法[γ]」ともいう。
本発明の構造体の製造方法[γ]は本発明の構造体の製造方法[α]および本発明の構造体の製造方法[β]の下位概念であるが、本発明の構造体の製造方法[γ]が本発明の構造体の製造方法[α]と異なる点は、担体aおよび担体bを用いる点である。本発明の構造体の製造方法[γ]では、本発明の構造体の製造方法[β]と同様に担体aを用いるので、本発明の構造体の製造方法[β]の場合と同様に、本発明の構造体の製造方法[α]の溶出工程[α]で用いる「前記溶出成分を含む材料」を用いる必要がない。
これら以外の点では、本発明の構造体の製造方法[γ]と本発明の構造体の製造方法[α]とは同様であってよい。つまり、本発明の構造体の製造方法[α]における担持工程[α]および付着工程[α]は、本発明の構造体の製造方法[γ]における担持工程[γ]および付着工程[γ]と同様であってよい。
【0069】
以下では、主として本発明の構造体の製造方法[α]について説明するが、特に断りがない限り、本発明の構造体の製造方法[α]についての説明は、本発明の構造体の製造方法[β]および本発明の構造体の製造方法[γ]についても適用される。
また、特に断りがない限り、担持工程[α]についての説明は、担持工程[β]および担持工程[γ]についても適用される。
また、特に断りがない限り、溶出工程[α]についての説明は、溶出工程[β]および溶出工程[γ]についても適用される。
また、特に断りがない限り、付着工程[α]についての説明は、付着工程[β]および付着工程[γ]についても適用される。
【0070】
本発明の構造体の製造方法[α]について説明する。
本発明の構造体の製造方法[α]における担持工程[α]および溶出工程[α]は、前述の本発明の触媒の製造方法[α]における担持工程[α]および溶出工程[α]と同じである。
本発明の構造体の製造方法[β]における担体工程[β]および溶出工程[β]は、前述の本発明の触媒の製造方法[β]における担持工程[β]および溶出工程[β]と同じである。
本発明の構造体の製造方法[γ]における担体工程[γ]および溶出工程[γ]は、前述の本発明の触媒の製造方法[γ]における担持工程[γ]および溶出工程[γ]と同じである。
【0071】
本発明の構造体の製造方法[α]における付着工程[α]について説明する。
本発明の構造体の製造方法[α]において付着工程[α]は、前記活性金属を担持した前記担体を、前記溶出工程によって得られる前記溶媒とともに構造体と接触させ、その後、前記溶媒を除去することで、前記溶出成分および/またはこれに由来する成分を前記担体の表面で固化し、あわせて前記活性金属を担持した前記担体を前記構造体の表面に付ける工程である。
【0072】
前述のように、溶出工程では、溶出成分を含む材料または活性金属αを表面に付けた担体aを溶媒に浸すことで、前記溶出成分の少なくとも一部を溶媒へ溶出させることができるが、付着工程では、活性金属を表面に付けた担体を浸した溶媒へ、さらにハニカム型等の構造体を浸し、この構造体を溶媒中から取り出した後、乾燥させ、必要に応じて焼成することで前記溶媒を除去することができる。このようにすることで、前記溶出成分および/またはこれに由来する成分を前記担体の表面で固化し、あわせて前記活性金属を担持した前記担体を前記構造体の表面に付けて触媒担持構造体を製造することができる。
【0073】
本発明の構造体の製造方法[γ]のように触媒Aと触媒Bとの混合物を表面に付けた触媒担持構造体を製造する場合は、溶出工程[γ]において、活性金属を表面に付けた担体aとともに、活性金属を表面に付けた担体bを溶媒に浸し、そこへさらにハニカム型等の構造体を浸し、この構造体を溶媒中から取り出した後、乾燥させ、必要に応じて焼成することで前記溶媒を除去することができる。このようにすることで、前記溶出成分および/またはこれに由来する成分を前記担体aおよび前記担体bの表面で固化し、あわせて前記活性金属を担持した前記担体aおよび前記活性金属を担持した前記担体bを前記構造体の表面に付けて触媒担持構造体を製造することができる。
【0074】
このようなハニカム型等の触媒担持構造体を、自動車のエンジンから距離があり比較的低温で使用される触媒またはエンジン近くの高温下で使用される触媒として用いると、例えばガソリン自動車の排ガス中の一酸化炭素(CO)、未燃炭化水素(HC)、窒素酸化物(NO
X)等を効率よく浄化することができる。
【実施例】
【0075】
<実験1>
酸化アルミニウム粉末(和光純薬工業株式会社製、和光特級)200gおよびイットリア安定化ジルコニア(YSZ)粉末(株式会社高純度化学研究所)74gを、硝酸バリウム水溶液(8%)へ添加し、攪拌した。このような原料に含まれるBaのすべてが担体においてBaAl
2O
4の態様になるとすると、担体に含まれるBaAl
2O
4の含有率は54質量%と算出される。したがって、担体は実質的にBaAl
2O
4からなると考えられる。
次に、これを循環方式湿式粉砕機(LABSTAR、アシザワ・ファインテック社製)を用いて湿式粉砕し、スラリーを得た。ここで湿式粉砕の条件は、回転数:2480rpm、循環量:1L/min、粉砕時間:20分とした。また、粉砕にはビーズ径1mmのジルコニアビーズ455ccを用いた。
次に、循環方式湿式粉砕機から得られたスラリーを回収し、スプレードライヤーの1つである噴霧造粒乾燥装置(大川原化工機株式会社製、商品名:LB−8型)を用いて乾燥し、乾燥粉体を得た。ここで、乾燥装置の入口温度を200℃、出口温度を110℃、噴射盤の周速を79m/secとした。
次に、噴霧造粒乾燥装置で得られた乾燥粉体をマッフル炉で、大気雰囲気下、1500℃で10時間かけて焼成し、担体を得た。
【0076】
次に、得られた担体(100g)にジニトロジアンミン白金溶液(8.5%濃度、4.7g)をごくわずかずつ添加し、その後、150℃、常圧下で一晩乾燥した後、400℃、常圧下で3h焼成し、活性金属が担持した担体を得た。
【0077】
そして、このうちの80gをイオン交換水(常温)へ添加し、マグネティックスラーターで攪拌しながら48時間保持した。
その後、溶液を150℃、常圧下で一晩乾燥した後、400℃、常圧下で3h焼成して触媒を得た。得られた触媒を、以下では触媒[1]ともいう。
【0078】
そして、触媒[1]の比表面積を窒素吸着法(BET法)によって測定した。具体的な方法は前述の通りである。なお、表面積測定装置として、株式会社マウンテック Macsorb HM model 1220を用いた。
その結果、触媒の比表面積は53m
2/gであった。
【0079】
また、触媒[1]の粒度分布を測定した。具体的には、触媒[1]をヘキサメタリン酸ナトリウム水溶液へ添加し、超音波分散および攪拌によって分散させて、透過率が70〜90%となるように調節した後、レーザ散乱法(HORIBA LA−950V2)を用いて粒度分布を測定した。その結果、平均粒子径(メジアン径)は10μm以下であった。
【0080】
また、触媒[1]におけるPtの含有量をICP発光分光分析装置を用いて測定したところ、担体の100質量部に対して0.4質量部であった。なお、触媒[1]における担体の組成は、ジニトロジアンミン白金溶液へ添加する前と同一であった。
【0081】
また、触媒[1]をTEM−EDX分析に供し、TEM写真を得た。
図2に示す。なお、
図2(a)は当該TEM写真であり、
図2(b)は
図2(a)のTEM写真を模写して図形化したものである。
図2より、活性金属であるPt粒子(12)の一部分(半分程度)が、BaAl
2O
4またはBaAl
2O
4に由来する成分である溶出由来成分(14)からなる層に埋もれており、BaAl
2O
4がPt粒子(12)を担体(16)の表面に固定していることを確認することができた。
【0082】
次に、YSZからなる担体を用意した。そして、担体(100g)にジニトロジアンミン白金溶液(8.5%濃度、4.7g)をごくわずかずつ添加し、その後、150℃、常圧下で一晩乾燥した後、400℃、常圧下で3h焼成し、Ptが担体に担持した触媒を得た。得られた触媒を、以下では触媒[2]ともいう。
そして、触媒[2]におけるPtの含有量をICP発光分光分析装置を用いて測定したところ、担体の100質量部に対して0.4質量部であった。なお、触媒[2]の組成は、ジニトロジアンミン白金溶液へ添加する前と同一であった。
また、触媒[2]の粒度分布を触媒[1]と同様の方法で測定したところ、平均粒子径(メジアン径)は0.09μmであった。
【0083】
次に、触媒[1]および[2]について、各々40gをイオン交換水(119g)およびバインダーとともにバッチ式ボールミルを用いて湿式粉砕し、スラリーを得た。バインダーとしてはベーマイトを用い、ベーマイトの添加量は触媒100質量部に対して10質量部とした。また、湿式粉砕は回転数を100rpmとし、粉砕時間は、スラリー中の固形分のメジアン径が20μm程度以下となるように、5〜540分で調整した。また、ビーズ径5mmのジルコニアビーズ210ccを用いた。このような処理を施して固形分濃度が27質量%のスラリーを2個得た。次に、各々のスラリーへコージェライト製のセラミックハニカム構造体(体積5.3cm
3、400cells/inch
2)を浸漬し、3分放置した後、引き上げ、150℃で1h乾燥した後、400℃で3h焼成する方法(ウォッシュコート法)によって、表面に触媒[1]または触媒[2]を備える触媒担持構造体を得た。触媒[1]を表面に備える触媒担持構造体を構造体[1]とし、同様に、触媒[2]を表面に備える触媒担持構造体を構造体[2]とした。
構造体[1]および[2]は、同じものを2個ずつ作製した。
【0084】
次に、2個の構造体[1]のうちの1個について、900℃に調整したマッフル炉中(常圧下)に30h保持し、耐久処理(強制劣化加速処理)を施した。構造体[1]に耐久処理を施したものを、構造体[10]とした。そして、同様に、構造体[2]についても耐久処理を施して、構造体[20]を得た。
【0085】
このようにして構造体[1]および[2]ならびに構造体[10]および[20]の4個の構造体を得た。
【0086】
次に、4個の構造体の各々について、常圧流通式の試験装置を用いてプロピレン転化率50%の温度(T
50)の測定を行った。具体的には、試験装置のホルダーに構造体を1つセットし、ここへモデルガスを空間速度50,000h
-1で通過させた。ホルダーにはヒータが設けられており、このヒータによって構造体の温度を150℃から650℃へ徐々に上昇させた。そして、モデルガス中のプロピレン浄化率が50%となったときの温度を測定し、これを各構造体におけるT
50とした。
ここで、モデルガスの組成は、C
3H
6:1600ppm、NO:1000ppm、CO:0.6%、H
2:0.2%、O
2:0.6%、H
2O:10.0%、N
2:残部(すべて体積比率)であり、理論空気比は14.7とした。
また、プロピレン浄化率は次の式により求めるものとし、この式によって算出されるプロピレン浄化率が50%となる温度をT
50とした。なお、この式におけるすべての濃度は体積濃度を意味する。
【0087】
プロピレン浄化率=(構造体入口のC
3H
6濃度−構造体出口のC
3H
6濃度)/構造体入口のC
3H
6濃度×100 ・・・・式(I)
【0088】
測定して求めた構造体[2]におけるT
50を、構造体[1]のT
50に対する相対値(構造体[1]のT
50を100とする相対値)として第1表に示す。同様に、測定して求めた構造体[20]におけるT
50を、構造体[10]のT
50に対する相対値(構造体[10]のT
50を100とする相対値)として第1表に示す。
【0089】
【表1】
【0090】
第1表より、本発明の排ガス浄化用触媒に相当する触媒[1]を用いた本発明の構造体に相当する構造体[1]およびそれを耐久処理した構造体[10]は、本発明の構造体に相当しない構造体[2]およびそれを耐久処理した構造体[20]と比較して、T
50が低く、触媒能に優れることが確認できた。
【0091】
<実験2>
酸化アルミニウム粉末(和光純薬工業株式会社製、和光特級)200gおよびイットリア安定化ジルコニア(YSZ)粉末(株式会社高純度化学研究所)85gを、硝酸バリウム水溶液(6%)へ添加し、攪拌した。なお、このような原料に含まれるBaのすべてが担体a
1においてBaAl
2O
4の態様になるとすると、担体に含まれるBaAl
2O
4の含有率は30質量%と算出される。したがって、担体a
1はBaAl
2O
4とBaAl
12O
19とが混在しているものと考えられる。
次に、これを循環方式湿式粉砕機(LABSTAR、アシザワ・ファインテック社製)を用いて湿式粉砕し、スラリーを得た。ここで湿式粉砕の条件は、回転数:2480rpm、循環量:1L/min、粉砕時間:20分とした。また、粉砕にはビーズ径1mmのジルコニアビーズ455ccを用いた。
次に、循環方式湿式粉砕機から得られたスラリーを回収し、スプレードライヤーの1つである噴霧造粒乾燥装置(大川原化工機株式会社製、商品名:LB−8型)を用いて乾燥し、乾燥粉体を得た。ここで、乾燥装置の入口温度を200℃、出口温度を110℃、噴射盤の周速を79m/secとした。
次に、噴霧造粒乾燥装置で得られた乾燥粉体をマッフル炉で、大気雰囲気下、1500℃で10時間かけて焼成し、担体a
1を得た。
担体a
1の組成を蛍光X線分析装置を用いて測定したところ、BaO:20質量%、Al
2O
3:43質量%、Y
2O
3:4.8質量%、ZrO
2:31質量%であった。
【0092】
次に、得られた担体a
1(100g)にジニトロジアンミン白金溶液(8.5%濃度、4.7g)をごくわずかずつ添加し、その後、150℃、常圧下で一晩乾燥した後、400℃、常圧下で3h焼成し、Ptが担持した担体a
1を得た。
そして、Ptが担持した担体a
1におけるPtの含有量をICP発光分光分析装置を用いて測定したところ、担体a
1の100質量部に対して0.4質量部であった。なお、Ptが担持した担体a
1の組成は、ジニトロジアンミン白金溶液へ添加する前と同一であった。
【0093】
また、Ptが担持した担体a
1の粒度分布を測定した。具体的には、Ptが担持した担体a
1をヘキサメタリン酸ナトリウム水溶液へ添加し、超音波分散および攪拌によって分散させて、透過率が70〜90%となるように調節した後、レーザ散乱法(HORIBA LA−950V2)を用いて粒度分布を測定した。
その結果、平均粒子径(メジアン径)は14μmであった。
【0094】
次に、酸化セリウムの粉末(株式会社高純度化学研究所、CeO
2:約80質量%)を担体b
1とし、この100gにジニトロジアンミン白金溶液(8.5%濃度、4.7g)をごくわずかずつ添加し、その後、150℃、常圧下で一晩乾燥した後、400℃、常圧下で3h焼成し、Ptが担持した担体b
1を得た。
そして、Ptが担持した担体b
1におけるPtの含有量をICP発光分光分析装置を用いて測定したところ、担体b
1の100質量部に対して0.4質量部であった。なお、Ptが担持した担体b
1の組成は、ジニトロジアンミン白金溶液へ添加する前と同一であった。
また、Ptが担持した担体b
1の粒度分布をPtが担持した担体a
1の場合と同様の方法で測定したところ、平均粒子径(メジアン径)は5.5μmであった。
【0095】
次に、Ptが担持した担体a
1とPtが担持した担体b
1とを混合して混合物を得た。ここで混合比は6通りとし、6個の混合物を得た。具体的には、Ptが担持した担体a
1とPtが担持した担体b
1との混合比(質量比)は、100/0、80/20、50/50、20/80、10/90、0/100とし、各々を混合物[11]〜[16]とした。
【0096】
次に、各々の混合物の80gをイオン交換水(常温)へ添加し、マグネティックスラーターで一晩攪拌した。その後、溶液中から固形分を取り出し、その固形分を150℃、常圧下で一晩乾燥した後、400℃、常圧下で3h焼成し、本発明の排ガス浄化用触媒に相当する触媒[11]〜[16]を得た。
【0097】
次に、触媒[11]〜[16]について、各々40gをイオン交換水(119g)およびバインダーとともにバッチ式ボールミルを用いて湿式粉砕し、スラリーを得た。バインダーとしてはベーマイトを用い、ベーマイトの添加量は触媒100質量部に対して10質量部とした。また、湿式粉砕は回転数を100rpmとし、粉砕時間は、スラリー中の固形分のメジアン径が20μm程度以下となるように、5〜40分で調整した。また、ビーズ径5mmのジルコニアビーズ210ccを用いた。このような処理を施して固形分濃度が27質量%のスラリーを6個得た。次に、各々のスラリーへコージェライト製のセラミックハニカム構造体(体積5.3cm
3、400cells/inch
2)を浸漬し、3分放置した後、引き上げ、150℃で1h乾燥した後、400℃で3h焼成する方法(ウォッシュコート法)によって、表面に本発明の排ガス浄化用触媒を備える触媒担持構造体を得た。触媒[11]を表面に備える触媒担持構造体を構造体[11]とし、同様に、触媒[12]〜[16]の各々を表面に備える触媒担持構造体を構造体[12]〜[16]とした。
構造体[11]〜[16]は、同じものを2個ずつ作製した。
【0098】
次に、2個の構造体[11]のうちの1個について、900℃に調整したマッフル炉中(常圧下)に30h保持し、耐久処理(強制劣化加速処理)を施した。構造体[11]に耐久処理を施したものを、構造体[110]とした。そして、同様に、構造体[12]〜[16]についても耐久処理を施して、構造体[120]〜[160]を得た。
【0099】
このようにして構造体[11]〜[16]および構造体[110]〜[160]の12個の構造体を得た。
【0100】
次に、12個の構造体の各々について、実験1と同様にして、常圧流通式の試験装置を用いてプロピレン転化率50%の温度(T
50)の測定を行った。
【0101】
測定して求めた構造体[11]〜[16]におけるT
50を、構造体[11]のT
50に対する相対値(構造体[11]のT
50を100とする相対値)として第2表に示す。同様に、測定して求めた構造体[110]〜[160]におけるT
50を、構造体[110]のT
50に対する相対値(構造体[110]のT
50を100とする相対値)として第2表に示す。また、構造体[110]〜[160]における、触媒A(Ptが担持した担体a
1)と触媒B(Ptが担持した担体b
1)との合計質量に対する触媒Aの質量の比(A/(A+B)×100)とT
50(相対値)との関係を
図3に示す。
【0102】
【表2】
【0103】
第2表および
図3より、特に耐久処理を行った構造体[110]〜[160]について、触媒Aと触媒Bとの合計質量に対する触媒Aの質量の比(A/(A+B)×100)が10質量%超80質量%未満の場合にT
50が低くなり、触媒能が優れることがわかった。また、この比(A/(A+B)×100)が20〜50質量%の場合にT
50が特に低くなり、触媒能がより優れることがわかった。
【0104】
<実験3>
BaAl
2O
4からなる担体a
2を用意した。そして、担体a
2(100g)にジニトロジアンミン白金溶液(8.5%濃度、4.7g)をごくわずかずつ添加し、その後、150℃、常圧下で一晩乾燥した後、400℃、常圧下で3h焼成し、Ptが担持した担体a
2を得た。
そして、Ptが担持した担体a
2におけるPtの含有量をICP発光分光分析装置を用いて測定したところ、担体a
2の100質量部に対して0.4質量部であった。なお、Ptが担持した担体a
2の組成は、ジニトロジアンミン白金溶液へ添加する前と同一であった。
【0105】
また、Ptが担持した担体a
2の粒度分布を測定した。具体的には、Ptが担持した担体a
2をヘキサメタリン酸ナトリウム水溶液へ添加し、超音波分散および攪拌によって分散させて、透過率が70〜90%となるように調節した後、レーザ散乱法(HORIBA LA−950V2)を用いて粒度分布を測定した。
その結果、平均粒子径(メジアン径)は17μmであった。
【0106】
次に、BaAl
12O
19からなる担体b
2を用意した。そして、担体b
2(100g)にジニトロジアンミン白金溶液(8.5%濃度、4.7g)をごくわずかずつ添加し、その後、150℃、常圧下で一晩乾燥した後、400℃、常圧下で3h焼成し、Ptが担持した担体b
2を得た。
そして、Ptが担持した担体b
2におけるPtの含有量をICP発光分光分析装置を用いて測定したところ、担体b
2の100質量部に対して0.4質量部であった。なお、Ptが担持した担体b
2の組成は、ジニトロジアンミン白金溶液へ添加する前と同一であった。
また、Ptが担持した担体b
2の粒度分布をPtが担持した担体b
2の場合と同様の方法で測定したところ、平均粒子径(メジアン径)は3.2μmであった。
【0107】
次に、Ptが担持した担体a
2とPtが担持した担体b
2とを混合して混合物を得た。ここで混合比は7通りとし、7個の混合物を得た。具体的には、Ptが担持した担体a
2とPtが担持した担体b
2との混合比(質量比)は、100/0、90/10、70/30、50/50、30/70、15/85、0/100とし、各々を混合物[21]〜[27]とした。
【0108】
次に、各々の混合物の80gをイオン交換水(常温)へ添加し、マグネティックスラーターで一晩攪拌した。その後、溶液中から固形分を取り出し、その固形分を150℃、常圧下で一晩乾燥した後、400℃、常圧下で3h焼成し、本発明の排ガス浄化用触媒に相当する触媒[21]〜[27]を得た。
【0109】
次に、触媒[21]〜[27]の各々について、40gをイオン交換水(119g)およびバインダーとともにバッチ式ボールミルを用いて湿式粉砕し、スラリーを得た。バインダーとしてはベーマイトを用い、ベーマイトの添加量は混合触媒100質量部に対して10質量部とした。また、湿式粉砕は回転数を100rpmとし、粉砕時間は、スラリー中の固形分のメジアン径が20μm程度以下となるように、5〜40分で調整した。また、ビーズ径5mmのジルコニアビーズ210ccを用いた。このような処理を施して固形分濃度が27質量%のスラリーを7個得た。次に、各々のスラリーへコージェライト製のセラミックハニカム構造体(体積5.3cm
3、400cells/inch
2)を浸漬し、3分放置した後、引き上げ、150℃で1h乾燥した後、400℃で3h焼成する方法(ウォッシュコート法)によって、表面に本発明の排ガス浄化用触媒を備える触媒担持構造体を得た。触媒[21]を表面に備える触媒担持構造体を構造体[21]とし、同様に、触媒[22]〜[27]の各々を表面に備える触媒担持構造体を構造体[22]〜[27]とした。
構造体[21]〜[27]は、同じものを2個ずつ作製した。
【0110】
次に、2個の構造体[21]のうちの1個について、900℃に調整したマッフル炉中(常圧下)に30h保持し、耐久処理(強制劣化加速処理)を施した。構造体[21]に耐久処理を施したものを、構造体[210]とした。そして、同様に、構造体[22]〜[27]についても耐久処理を施して、構造体[220]〜[270]を得た。
【0111】
このようにして構造体[21]〜[27]および構造体[210]〜[270]の14個の構造体を得た。
【0112】
このようにして得た14個の構造体の各々について、実験1および2と同様にして、プロピレン転化率50%の温度(T
50)の測定を行った。
【0113】
測定して求めた構造体[21]〜[27]におけるT
50を、構造体[21]のT
50に対する相対値(構造体[21]のT
50を100とする相対値)として第3表に示す。同様に、測定して求めた構造体[210]〜[270]におけるT
50を、構造体[210]のT
50に対する相対値(構造体[210]のT
50を100とする相対値)として第3表に示す。また、構造体[210]〜[270]における、触媒A(Ptが担持した担体a
2)と触媒B(Ptが担持した担体b
2)との合計質量に対する触媒Aの質量の比(A/(A+B)×100)とT
50(相対値)との関係を
図4に示す。
【0114】
【表3】
【0115】
第3表および
図4より、特に耐久処理を行った構造体[210]〜[270]について、触媒Aと触媒Bとの合計質量に対する触媒Aの質量の比(A/(A+B)×100)が5〜50質量%の場合にT
50が低くなり、触媒能が優れることがわかった。また、この比(A/(A+B)×100)が5〜30質量%の場合にT
50が特に低くなり、触媒能がより優れることがわかった。
【0116】
<実験4>
【0117】
YSZからなる担体b
3を用意した。そして、担体b
3(100g)にジニトロジアンミン白金溶液(8.5%濃度、4.7g)をごくわずかずつ添加し、その後、150℃、常圧下で一晩乾燥した後、400℃、常圧下で3h焼成し、Ptが担持した担体b
3を得た。
そして、Ptが担持した担体b
3におけるPtの含有量をICP発光分光分析装置を用いて測定したところ、担体b
3の100質量部に対して0.4質量部であった。なお、Ptが担持した担体b
3の組成は、ジニトロジアンミン白金溶液へ添加する前と同一であった。
また、Ptが担持した担体b
3の粒度分布をPtが担持した担体b
2の場合と同様の方法で測定したところ、平均粒子径(メジアン径)は0.09μmであった。
【0118】
次に、実験3で得たPtが担持した担体a
2とPtが担持した担体b
3とを混合して混合物を得た。ここで混合比は5通りとし、5個の混合物を得た。具体的には、Ptが担持した担体a
2とPtが担持した担体b
3との混合比(質量比)は、100/0、80/20、50/50、20/80、0/100とし、各々を混合物[31]〜[35]とした。
【0119】
次に、各々の混合物の80gをイオン交換水(常温)へ添加し、マグネティックスラーターで一晩攪拌した。その後、溶液中から固形分を取り出し、その固形分を150℃、常圧下で一晩乾燥した後、400℃、常圧下で3h焼成し、本発明の排ガス浄化用触媒に相当する触媒[31]〜[35]を得た。
【0120】
次に、触媒[31]〜[35]について、各々40gをイオン交換水(119g)およびバインダーとともにバッチ式ボールミルを用いて湿式粉砕し、スラリーを得た。バインダーとしてはベーマイトを用い、ベーマイトの添加量は触媒100質量部に対して10質量部とした。また、湿式粉砕は回転数を100rpmとし、粉砕時間は、スラリー中の固形分のメジアン径が20μm程度以下となるように、5〜40分で調整した。また、ビーズ径5mmのジルコニアビーズ210ccを用いた。このような処理を施して固形分濃度が27質量%のスラリーを5個得た。次に、各々のスラリーへコージェライト製のセラミックハニカム構造体(体積5.3cm
3、400cells/inch
2)を浸漬し、3分放置した後、引き上げ、150℃で1h乾燥した後、400℃で3h焼成する方法(ウォッシュコート法)によって、表面に本発明の排ガス浄化用触媒を備える触媒担持構造体を得た。触媒[31]を表面に備える触媒担持構造体を構造体[31]とし、同様に、触媒[32]〜[35]の各々を表面に備える触媒担持構造体を構造体[32]〜[35]とした。
構造体[31]〜[35]は、同じものを2個ずつ作製した。
【0121】
次に、2個の構造体[31]のうちの1個について、900℃に調整したマッフル炉中(常圧下)に30h保持し、耐久処理(強制劣化加速処理)を施した。構造体[31]に耐久処理を施したものを、構造体[310]とした。そして、同様に、構造体[32]〜[35]についても耐久処理を施して、構造体[320]〜[350]を得た。
【0122】
このようにして構造体[31]〜[35]および構造体[310]〜[350]の10個の構造体を得た。
【0123】
このようにして得た10個の構造体の各々について、実験1〜3と同様にして、プロピレン転化率50%の温度(T
50)の測定を行った。
【0124】
測定して求めた構造体[31]〜[35]におけるT
50を、構造体[31]のT
50に対する相対値(構造体[31]のT
50を100とする相対値)として第4表に示す。同様に、測定して求めた構造体[310]〜[350]におけるT
50を、構造体[310]のT
50に対する相対値(構造体[310]のT
50を100とする相対値)として第4表に示す。また、構造体[310]〜[350]における、触媒A(Ptが担持した担体a
3)と触媒B(Ptが担持した担体b
3)との合計質量に対する触媒Aの質量の比(A/(A+B)×100)とT
50(相対値)との関係を
図5に示す。
【0125】
【表4】
【0126】
第4表および
図5より、特に耐久処理を行った構造体[310]〜[350]について、触媒Aと触媒Bとの合計質量に対する触媒Aの質量の比(A/(A+B)×100)が5質量%超50質量%以下の場合にT
50が低くなり、触媒能が優れることがわかった。また、この比(A/(A+B)×100)が5〜30質量%の場合にT
50が特に低くなり、触媒能がより優れることがわかった。