(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
第1絶縁膜と、前記第1絶縁膜上に設けられ第1方向に沿って延出し前記第1方向に直交した第2方向に互いに間隔を置いて位置した第1シールド電極及び第2シールド電極と、前記第1絶縁膜、第1シールド電極及び第2シールド電極上に設けられた第2絶縁膜と、前記第2絶縁膜上に設けられ前記第1シールド電極と対向し前記第1方向に沿って延出した第1ソース配線と、前記第2絶縁膜上に設けられ前記第2シールド電極と対向し前記第1方向に沿って延出した第2ソース配線と、前記第2絶縁膜、第1ソース配線及び第2ソース配線上に設けられた第3絶縁膜と、前記第3絶縁膜上に設けられ前記第1ソース配線と対向し前記第1方向に沿って延出した第1主共通電極と、前記第3絶縁膜上に設けられ前記第2ソース配線と対向し前記第1方向に沿って延出した第2主共通電極と、前記第3絶縁膜上に設けられ前記第1主共通電極と前記第2主共通電極との間に位置し前記第1方向に沿って延出した主画素電極と、を備えた第1基板と、
前記第1主共通電極と対向し前記第1方向に沿って延出した第3主共通電極と、前記第2主共通電極と対向し前記第1方向に沿って延出した第4主共通電極と、を備えた第2基板と、
前記第1基板と前記第2基板との間に挟持された液晶層と、を備え、
前記第1主共通電極、第2主共通電極、第3主共通電極及び第4主共通電極は、等電位に設定される液晶表示装置。
前記第1基板は、前記第1絶縁膜で覆われ、前記第1シールド電極と前記補助容量線とに対向し、前記主画素電極に電気的に接続された補助容量電極をさらに備えている請求項2に記載の液晶表示装置。
前記補助容量電極と同一層に設けられ、前記補助容量電極と同一材料で形成され、前記第1ソース配線と対向し、前記第1ソース配線に電気的に接続されたソース領域と、前記補助容量電極から連続的に形成されたドレイン領域と、チャネル領域と、を有した半導体層と、
前記第1シールド電極、第2シールド電極及び補助容量線と同一層に設けられ、前記第1絶縁膜を介して前記半導体層のチャネル領域と対向し、前記第2方向に沿って延出したゲート配線と、をさらに備えている請求項5に記載の液晶表示装置。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら一実施形態に係る液晶表示装置について詳細に説明する。なお、各図において、同一又は類似した機能を発揮する構成要素には同一の参照符号を付し、重複する説明は省略する。
【0010】
図1は、本実施形態における液晶表示装置1の構成を概略的に示す図である。
【0011】
図1に示すように、液晶表示装置1は、アクティブマトリクスタイプの液晶表示パネルLPN、液晶表示パネルLPNに接続された駆動ICチップ2及びフレキシブル配線基板3、液晶表示パネルLPNを照明するバックライトユニット4などを備えている。
【0012】
液晶表示パネルLPNは、第1基板であるアレイ基板ARと、アレイ基板ARに対向して配置された第2基板である対向基板CTと、これらのアレイ基板ARと対向基板CTとの間に保持された図示しない液晶層と、を備えて構成されている。このような液晶表示パネルLPNは、画像を表示するアクティブエリアACTを備えている。このアクティブエリアACTには、m×n個のマトリクス状に配置された複数の画素PXが位置している(但し、m及びnは自然数である)。
【0013】
バックライトユニット4は、図示した例では、アレイ基板ARの背面側に配置されている。このようなバックライトユニット4としては、種々の形態が適用可能であり、また、光源として発光ダイオード(LED)を利用したものや冷陰極管(CCFL)を利用したものなどのいずれでも適用可能であり、詳細な構造については説明を省略する。
【0014】
図2は、
図1に示した液晶表示パネルLPNの構成及び等価回路を概略的に示す図である。
図2に示すように、液晶表示パネルLPNは、アクティブエリアACTにおいて、n本のゲート配線G(G1〜Gn)、n本の補助容量線C(C1〜Cn)、m本のソース配線S(S1〜Sm)などを備えている。ゲート配線G及び補助容量線Cは、例えば、第1方向であるY方向に沿って交互に並列配置されている。これらのゲート配線G及び補助容量線Cは、第1方向Yに交差する第2方向であるX方向に沿ってそれぞれ延出しているが、必ずしも直線的に延出していなくてもよい。ここでは、第1方向Yと第2方向Xとは互いに略直交している。ソース配線Sは、ゲート配線G及び補助容量線Cと交差する。ソース配線Sは、第1方向Yに沿ってそれぞれ延出しているが、必ずしも直線的に延出していなくてもよい。なお、ゲート配線G、補助容量線C、及び、ソース配線Sは、それらの一部が屈曲していてもよい。
【0015】
各ゲート配線Gは、アクティブエリアACTの外側に引き出され、ゲートドライバGDに接続されている。各ソース配線Sは、アクティブエリアACTの外側に引き出され、ソースドライバSDに接続されている。これらのゲートドライバGD及びソースドライバSDの少なくとも一部は、例えば、アレイ基板ARに形成され、コントローラを内蔵した駆動ICチップ2と接続されている。
【0016】
各画素PXは、スイッチング素子SW、画素電極PE、共通電極CEなどを備えている。補助容量CSは、例えば補助容量線Cと後述する補助容量電極Fとの間に形成される。
【0017】
なお、本実施形態においては、液晶表示パネルLPNは、画素電極PEがアレイ基板ARに形成される一方で共通電極CEがアレイ基板AR及び対向基板CTに形成された構成であり、これらの画素電極PEと共通電極CEとの間に形成される電界を利用して液晶層LQの液晶分子をスイッチングする。画素電極PEと共通電極CEとの間に形成される電界は、アレイ基板ARの主面あるいは対向基板CTの主面にほぼ平行な横電界(あるいは、基板主面に対してわずかに傾いた斜め電界)である。
【0018】
スイッチング素子SWは、例えば、nチャネル薄膜トランジスタ(TFT)によって構成されている。このスイッチング素子SWは、ゲート配線G及びソース配線Sと電気的に接続されている。アクティブエリアACTには、m×n個のスイッチング素子SWが形成されている。
【0019】
画素電極PEは、スイッチング素子SWに電気的に接続されている。アクティブエリアACTには、m×n個の画素電極PEが形成されている。共通電極CEは、例えばコモン電位であり、液晶層LQを介して複数の画素PXの画素電極PEに対して共通に配置されている。補助容量線Cは、補助容量電圧が印加される電圧印加部VCSと電気的に接続されている。
【0020】
アレイ基板ARは、アクティブエリアACTの外側に形成された給電部VSを備えている。共通電極CEのうち、アレイ基板ARに形成された共通電極CEの一部は、アクティブエリアACTの外側で給電部VSと電気的に接続されている。また、共通電極CEのうち、対向基板CTに形成された共通電極CEの一部は、図示しない導電部材を介して、アレイ基板ARに形成された給電部VSと電気的に接続されている。
【0021】
以下に、本実施形態の基本構成について説明する。
図3は、一画素PXにおける最小の単位構成体を概略的に示す平面図である。
【0022】
図3に示すように、画素PXは、図中の二点鎖線で示した領域に相当し、第2方向Xに沿った長さよりも第1方向Yに沿った長さの方が長い長方形状である。画素電極PEは、主画素電極PA及び副画素電極PCを有している。これらの主画素電極PA及び副画素電極PCは、互いに電気的に接続されている。本実施形態においては、画素電極PEの全体がアレイ基板ARに備えられている。
【0023】
主画素電極PAは、第1方向Yに沿って延出している。副画素電極PCは、第1方向Yとは異なる第2方向Xに沿って延出している。より具体的には、主画素電極PAは、略画素中央部において第1方向Yに沿って直線的に延出した帯状に形成されている。副画素電極PCは、画素PXの上側端部において第2方向Xに沿って直線的に延出した帯状に形成されている。なお、副画素電極PCは、上下画素間に配置されてもよい。つまり、副画素電極PCは、図示した当該画素PXとその上側の画素(図示せず)との境界に跨って配置されてもよい。
【0024】
この副画素電極PCは、主画素電極PAの一端部に結合し、主画素電極PAからその両側に向かって延出している。このような副画素電極PCは、主画素電極PAと略直交している。なお、副画素電極PCは、主画素電極PAの一端部よりも他端部寄りに結合していてもよい。画素電極PEは、例えば、副画素電極PCにおいて補助容量電極F(図示せず)と電気的に接続されている。
【0025】
共通電極CEは、複数の主共通電極CAを有している。これらの主共通電極CAは、互いに電気的に接続されている。このような共通電極CEは、画素電極PEとは電気的に絶縁されている。本実施形態においては、共通電極CEにおいて、主共通電極CAの少なくとも一部は、対向基板CTに備えられている。
【0026】
主共通電極CAは、第1方向Yに沿って延出している。図示した例では、主共通電極CAは、第1方向Yに沿って直線的に延出した帯状に形成されている。なお、主共通電極CAは第2方向Xに沿って2本平行に並んでおり、以下では、これらを区別するために、図中の左側の主共通電極をCALと称し、図中の右側の主共通電極をCARと称する。
【0027】
主共通電極CAL及び主共通電極CARは左右画素間に配置されている。すなわち、主共通電極CALは図示した当該画素PXとその左側の画素(図示せず)との境界に跨って配置され、主共通電極CARは図示した当該画素PXとその右側の画素(図示せず)との境界に跨って配置されている。
【0028】
主共通電極CAは、主画素電極PAを挟んだ両側に配置されている。つまり、主画素電極PAと主共通電極CAとは、第2方向Xに沿って交互に配置されている。これらの主画素電極PAと、主共通電極CAとは、互いに略平行に配置されている。このとき、X−Y平面内において、主共通電極CAのいずれも主画素電極PAとは重ならず、主共通電極CAのそれぞれと主画素電極PAとの間には主として表示に寄与する開口部が形成されている。
【0029】
すなわち、隣接する主共通電極CAL及び主共通電極CARの間には、1本の主画素電極PAが位置している。換言すると、主共通電極CAL及び主共通電極CARは、主画素電極PAを挟んだ両側に配置されている。このため、主共通電極CAL、主画素電極PA、及び、主共通電極CARは、第2方向Xに沿ってこの順に配置されている。
【0030】
第2方向Xに沿った主共通電極CALと主画素電極PAとの間隔は、第2方向Xに沿った主共通電極CARと主画素電極PAとの間隔と略同等である。主共通電極CALと主画素電極PAとの間及び主画素電極PAと主共通電極CARとの間には、それぞれ開口部が形成される。つまり、ここに示した例では、一画素PXにおいて、2つの開口部が形成される。
【0031】
ここに示した例では、液晶分子LMの初期配向方向は、例えば、第1方向Yと略平行な方向であるが、第1方向Yを斜めに交差する斜め方向Dであってもよい。ここで、第1方向Yに対する初期配向方向Dのなす角度θ1は、0°より大きく45°より小さい角度である。なお、このなす角度θ1については、5°〜25°程度、より望ましくは10°前後とすることが液晶分子LMの配向制御の観点で極めて有効である。ここでは、なす角度θ1は、第1方向Yに対して数°程度わずかに傾いた方向であり、例えば、7°である。
【0032】
なお、画素電極PEは、必要に応じて副画素電極PCを備えていていればよい。また、共通電極CEは、さらに、第2方向Xに沿って延出した副共通電極を備えていてもよい。
【0033】
図4は、液晶表示パネルLPNの一画素PXを概略的に示す平面図である。なお、
図4においては、アレイ基板AR側の構成のみを図示している。
図5は、
図4の線V−Vに沿って示す液晶表示パネルの一部を示す断面図である。
図6は、
図4の線VI−VIに沿って示す液晶表示パネルの一部を示す断面図である。
図7は、
図4の線VII−VIIに沿って示す液晶表示パネルの一部を示す断面図である。
【0034】
図4、
図5、
図6及び
図7に示すように、アレイ基板ARは、例えば、ガラス基板やプラスチック基板などの光透過性を有する第1絶縁基板10を用いて形成されている。このアレイ基板ARは、第1絶縁基板10の対向基板CTに対向する側に、スイッチング素子SW、補助容量CS、シールド電極H、画素電極PE、主共通電極CA1、第1配向膜AL1などを備えている。
【0035】
第1絶縁基板10上には、補助容量電極F及び半導体層SCが設けられている。なお、第1絶縁基板10、並びに補助容量電極F及び半導体層SCの間には、絶縁膜であるアンダーコート層が介在していてもよい。
図4では、4つの補助容量電極Fと、4つの半導体層SCを示している。
【0036】
補助容量電極Fは、T字を左に90°回転させた形状を有している。補助容量電極F11は、第1シールド電極H11と補助容量線C1とに対向している。なお、補助容量電極F21は、第2シールド電極H21と補助容量線C1とに対向している。補助容量電極F11及び補助容量電極F21は、電気的に絶縁されている。
【0037】
補助容量電極F11の後述する第1主共通電極CAL1と対向した領域は、第1シールド電極H11の直下に配置され、第1ソース配線S1と略同等の幅を有している。補助容量電極F11の補助容量線C1と対向した領域は、補助容量線C1の直下に配置され、補助容量線C1と略同等の幅を有している。
【0038】
半導体層SCは、補助容量電極Fと同一層に設けられ、補助容量電極Fと同一材料で形成されている。この実施形態において、補助容量電極F及び半導体層SCは、ポリシリコンによって形成されているが、アモルファスシリコンによって形成されていてもよい。半導体層SCは、ソース配線Sに電気的に接続されたソース領域SCSと、補助容量電極から連続的に形成されたドレイン領域SCDと、チャネル領域SCCと、を有している。半導体層SCは、ソース配線Sと対向している。
【0039】
半導体層SC11は第1ソース配線S1と対向し、半導体層SC11のソース領域SCSは第1ソース配線S1に電気的に接続されている。半導体層SC11のソース領域SCS及び補助容量電極F12は、電気的に絶縁されている。また、補助容量電極F11及び
半導体層SC10のソース領域SCSも、電気的に絶縁されている。なお、半導体層SC21なども、半導体層SC11と同様に形成されている。半導体層SC21は第2ソース配線S2と対向している。
補助容量電極F及び半導体層SCは、第1絶縁膜としてのゲート絶縁膜11によって覆われている。また、ゲート絶縁膜11は、第1絶縁基板10の上にも配置されている。
【0040】
ゲート絶縁膜11上には、シールド電極Hと、補助容量線Cと、ゲート配線Gとが設けられている。
図4では、4つのシールド電極Hを示している。
【0041】
補助容量線C1は、第2方向Xに沿って延出し第1シールド電極H11及び第2シールド電極H21などと一体に形成されている。画素PXにおいて、補助容量線C1は上側端部に配置されている。なお、補助容量線C1は、当該画素PXとその上側の画素との境界に跨って配置されてもよい。
【0042】
第1シールド電極H11及び第2シールド電極H21は、第1方向Yに沿って延出し第2方向Xに互いに間隔を置いて位置している。第1シールド電極H11及び第2シールド電極H21は、補助容量線C1から第1方向Yに突出するように形成されている。
【0043】
第1シールド電極H11は、補助容量電極F11と対向している。補助容量電極F11、第1シールド電極H11及び補助容量線C1は、補助容量CSを形成している。第2シールド電極H21は、補助容量電極F21と対向している。なお、補助容量電極F21、第2シールド電極H21及び補助容量線C1も、隣の画素PXの補助容量CSを形成している。
【0044】
上記第1シールド電極H11は、後述する第1ソース配線S1の直下に配置され、第1ソース配線S1と略同等の幅を有していてもよい。また、第2シールド電極H21は、第2ソース配線S2の直下に配置され、第2ソース配線S2と略同等の幅を有していてもよい。
【0045】
ゲート配線Gは、シールド電極H及び補助容量線Cと同一層に設けられている。ゲート配線Gは、第2方向Xに沿って延出している。ゲート配線G1は、ゲート絶縁膜11を介して半導体層SC11のチャネル領域SCCと対向している。画素PXにおいて、ゲート配線G1は略画素中央部に配置されている。ゲート配線G1は、半導体層SC11のチャネル領域SCCの直上に位置している。半導体層SC11及びゲート配線G1は、スイッチング素子SWを形成している。図示した例では、スイッチング素子SWは、トップゲート型の薄膜トランジスタであるが、ボトムゲート型の薄膜トランジスタであってもよい。
【0046】
なお、ゲート配線G1は、半導体層SC21のチャネル領域SCCなどとも対向している。ゲート配線G1及び半導体層SC21は、隣の画素PXのスイッチング素子SWを形成している。
シールド電極H、補助容量線C及びゲート配線Gは、同一材料を用いて同一工程で形成可能である。
【0047】
ゲート絶縁膜11、シールド電極H、補助容量線C及びゲート配線G上に、第2絶縁膜としての第1層間絶縁膜12が設けられている。シールド電極H、補助容量線C及びゲート配線Gは、第1層間絶縁膜12によって覆われている。また、この第1層間絶縁膜12は、ゲート絶縁膜11の上にも配置されている。なお、ゲート絶縁膜11及び第1層間絶縁膜12は、例えば、酸化シリコン及び窒化シリコンなどの無機系の絶縁材料によって形成されている。
【0048】
第1層間絶縁膜12上に、ソース配線S及び接続電極Iが設けられている。ソース配線Sは、第1方向Yに沿って延出している。なお、図示したソース配線Sは第2方向Xに沿って2本平行に並んでおり、以下では、これらを区別するために、図中の左側のソース配線Sを第1ソース配線S1と称し、図中の右側のソース配線Sを第2ソース配線S2と称する。第1ソース配線S1は、第1シールド電極H11と対向している。第1ソース配線S1の一部は、ゲート絶縁膜11及び第1層間絶縁膜12を貫通するコンタクトホールを通って半導体層SC11のソース領域SCSに接続されている。
【0049】
第2ソース配線S2は、第2シールド電極H21と対向している。第2ソース配線S2の一部は、ゲート絶縁膜11及び第1層間絶縁膜12を貫通するコンタクトホールを通って半導体層SC21のソース領域SCSに接続されている。
【0050】
画素PXにおいて、第1ソース配線S1は左側端部に配置され(厳密には、第1ソース配線S1は当該画素PXとその左側に隣接する画素との境界に跨って配置されている)、第2ソース配線S2は右側端部に配置されている(厳密には、第2ソース配線S2は当該画素PXとその右側に隣接する画素との境界に跨って配置されている)。
【0051】
接続電極Iは、補助容量線C1と対向している。接続電極Iは、ゲート絶縁膜11及び第1層間絶縁膜12を貫通するコンタクトホールを通って補助容量電極F11に接続されている。接続電極Iは、補助容量線C1と電気的に絶縁されている。
【0052】
ソース配線S及び接続電極Iは、同一材料を用いて同一工程で形成することができる。ソース配線S及び接続電極Iは、モリブデン、アルミニウム、タングステン、チタンなどの導電材料によって形成されている。
【0053】
第1層間絶縁膜12、ソース配線S及び接続電極I上に、第3絶縁膜としての第2層間絶縁膜13が設けられている。ソース配線S及び接続電極Iは、第2層間絶縁膜13によって覆われている。また、この第2層間絶縁膜13は、第1層間絶縁膜12の上にも配置されている。第2層間絶縁膜13は、例えば、紫外線硬化型樹脂や熱硬化型樹脂などの各種有機材料によって形成されている。
【0054】
第2層間絶縁膜13上に、主共通電極CA1及び画素電極PEが設けられている。主共通電極CA1は、第1方向Yに沿って延出している。なお、図示した主共通電極CA1は第2方向Xに沿って2本平行に並んでおり、以下では、これらを区別するために、図中の左側の主共通電極CA1を第1主共通電極CAL1と称し、図中の右側の主共通電極CA1を第2主共通電極CAR1と称する。第1主共通電極CAL1は、第1ソース配線S1と対向している。或いは、第1主共通電極CAL1は、第1ソース配線S1の直上に配置され、第1ソース配線S1と略同等の幅を有している。第2主共通電極CAR1は、第2ソース配線S2と対向している。或いは、第2主共通電極CAR1は、第2ソース配線S2の直上に配置され、第2ソース配線S2と略同等の幅を有している。共通電極CEの主共通電極CA1は、詳述しないが、アクティブエリアの外側に引き出され、アレイ基板の給電部と電気的に接続されている。主共通電極CA1には、コモン電位が給電される。
【0055】
アクティブエリア内において、第1主共通電極CAL1が第1ソース配線S1を覆い、第2主共通電極CAR1が第2ソース配線S2を覆う場合、第1主共通電極CAL1の第2方向Xに沿った幅は第1ソース配線S1の第2方向Xに沿った幅と同等以上であり、第2主共通電極CAR1の第2方向Xに沿った幅は第2ソース配線S2の第2方向Xに沿った幅と同等以上である。
【0056】
主画素電極PAは、第1ソース配線S1と第2ソース配線S2との間、つまり第1主共通電極CAL1と第2主共通電極CAR1との間に位置し第1方向Yに沿って延出している。
【0057】
主画素電極PAは、隣接する第1ソース配線S1及び第2ソース配線S2のそれぞれの直上の位置よりも画素PXの内側に位置している。より具体的には、主画素電極PAは、第1ソース配線S1と第2ソース配線S2との略中間の位置に配置されている。換言すると、主画素電極PAは、第1主共通電極CAL1と第2主共通電極CAR1との略中間の位置に配置されている。このような主画素電極PAは、画素PXの上側端部付近から下側端部付近まで延出している。
【0058】
副画素電極PCは、画素PXの上側端部に配置され、主画素電極PAの一端部に繋がっている。副画素電極PCは、補助容量線C1と対向している。図示した例では、副画素電極PCは、補助容量線C1の直上に配置されている。副画素電極PC(画素電極PE)の一部は、第2層間絶縁膜13を貫通するコンタクトホールを通って接続電極Iに接続されている。画素電極PEは、補助容量電極F11に電気的に接続されている。
【0059】
このような副画素電極PCは、主画素電極PAからその両側、つまり、第1ソース配線S1及び第2ソース配線S2、あるいは、第1主共通電極CAL1及び第2主共通電極CAR1に向かってそれぞれ直線的に延出している。但し、副画素電極PCは、第1主共通電極CAL1及び第2主共通電極CAR1には接触しないように配置されている(あるいは、副画素電極PCが第1主共通電極CAL1及び第2主共通電極CAR1から離間するように配置されている)。図示した例では、主画素電極PA及び副画素電極PCは、一体(あるいは連続的)に形成されている。
【0060】
主共通電極CA1及び画素電極PEは、同一材料を用いて同一工程で形成することができる。主共通電極CA1及び画素電極PEは、インジウム・ティン・オキサイド(ITO)又はインジウム・ジンク・オキサイド(IZO)などの光透過性を有する導電材料によって形成されている。しかし、主共通電極CA1及び画素電極PEは、アルミニウムなどの他の金属材料によって形成されてもよい。
【0061】
第1配向膜AL1は、アレイ基板ARの対向基板CTと対向する面に配置され、アクティブエリアACTの略全体に亘って延在している。この第1配向膜AL1は、画素電極PE及び主共通電極CA1を覆い、第2層間絶縁膜13の上にも配置されている。第1配向膜AL1は、液晶層LQに接している。第1配向膜AL1は、水平配向性を示す材料によって形成されている。
【0062】
一方、対向基板CTは、例えば、ガラス基板やプラスチック基板などの光透過性を有する第2絶縁基板20を用いて形成されている。この対向基板CTは、第2絶縁基板20のアレイ基板ARに対向する側に、共通電極CEのうちの主共通電極CA2や、第2配向膜AL2などを備えている。
【0063】
主共通電極CA2は、第1方向Yに沿って延出している。なお、図示した主共通電極CA2は第2方向Xに沿って2本平行に並んでおり、以下では、これらを区別するために、図中の左側の主共通電極CA2を第3主共通電極CAL2と称し、図中の右側の主共通電極CA2を第4主共通電極CAR2と称する。第3主共通電極CAL2は、第1主共通電極CAL1と対向している。第4主共通電極CAR2は、第2主共通電極CAR1と対向している。
【0064】
また、この対向基板CTは、図示を省略するが、各画素PXを区画する(あるいは、ソース配線S、ゲート配線G、補助容量線C、スイッチング素子SWなどの配線部に対向するように配置された)ブラックマトリクスや各画素PXに対応して配置されたカラーフィルタ層、ブラックマトリクス及びカラーフィルタ層の表面の凹凸の影響を緩和するオーバーコート層などが配置されてもよい。
主共通電極CA2、例えば、ITOやIZOなどの光透過性を有する導電材料によって形成されている。
【0065】
第2配向膜AL2は、対向基板CTのアレイ基板ARと対向する面に配置され、アクティブエリアACTの略全体に亘って延在している。この第2配向膜AL2は、主共通電極CA2などを覆っている。第2配向膜AL2は、液晶層LQに接している。第2配向膜AL2は、水平配向性を示す材料によって形成されている。
【0066】
これらの第1配向膜AL1及び第2配向膜AL2には、液晶分子を初期配向させるための配向処理(例えば、ラビング処理や光配向処理)がなされている。第1配向膜AL1が液晶分子を初期配向させる第1配向処理方向、及び、第2配向膜AL2が液晶分子を初期配向させる第2配向処理方向は、上記の通り、第1方向Yと略平行な方向、あるいは、第1方向Yから傾斜した方向(斜め方向)Dである。これらの第1配向処理方向及び第2配向処理方向は、ともに平行であって、互いに逆向きあるいは同じ向きである。
【0067】
上述したようなアレイ基板ARと対向基板CTとは、それぞれの第1配向膜AL1及び第2配向膜AL2が対向するように配置されている。このとき、アレイ基板ARの第1配向膜AL1と対向基板CTの第2配向膜AL2との間には、例えば、樹脂材料によって一方の基板に一体的に形成された柱状スペーサが配置され、これにより、所定のギャップ、例えば3〜7μmのセルギャップが形成される。アレイ基板ARと対向基板CTとは、所定のセルギャップが形成された状態で図示しないシール材によって貼り合わせられている。
【0068】
液晶層LQは、アレイ基板ARと対向基板CTとの間に形成されたセルギャップに保持され、第1配向膜AL1と第2配向膜AL2との間に配置されている。液晶層LQは、図示しない液晶分子を含んでいる。このような液晶層LQは、ポジ型の液晶材料によって構成されている。
【0069】
アレイ基板ARの外面、つまり、アレイ基板ARを構成する第1絶縁基板10の外面には、第1光学素子OD1が接着剤などにより貼付されている。この第1光学素子OD1は、第1偏光軸を有する第1偏光板PL1を含んでいる。また、対向基板CTの外面、つまり、対向基板CTを構成する第2絶縁基板20の外面には、第2光学素子OD2が接着剤などにより貼付されている。この第2光学素子OD2は、第2偏光軸を有する第2偏光板PL2を含んでいる。第1偏光板PL1の第1偏光軸と、第2偏光板PL2の第2偏光軸とは、例えば、直交する位置関係にある。一方の偏光板は、例えば、その偏光軸が液晶分子の長軸方向つまり第1配向処理方向あるいは第2配向処理方向と平行(あるいは、第1方向Yと平行)または直交(あるいはい、第2方向Xと平行)するように配置されている。これにより、ノーマリーブラックモードを実現している。
【0070】
図3に示すように、液晶層LQに電圧が印加されていない状態つまり画素電極PEと共通電極CEとの間に電位差(あるいは電界)が形成されていない無電界時(OFF時)には、破線で示したように、液晶層LQの液晶分子LMは、その長軸が第1配向膜AL1の第1配向処理方向及び第2配向膜AL2の第2配向処理方向を向くように配向している。このようなOFF時が初期配向状態に相当し、OFF時の液晶分子LMの配向方向が初期配向方向に相当する。
【0071】
なお、厳密には、液晶分子LMは、X−Y平面に平行に配向しているとは限らず、プレチルトしている場合が多い。このため、液晶分子LMの厳密な初期配向方向とは、OFF時の液晶分子LMの配向方向をX−Y平面に正射影した方向である。しかしながら、説明を簡略にするために、以下では、液晶分子LMは、X−Y平面に平行に配向しているものとし、X−Y平面と平行な面内で回転するものとして説明する。
【0072】
ここでは、第1配向膜AL1の第1配向処理方向及び第2配向膜AL2の第2配向処理方向は、ともに第1方向Yと略平行な方向、あるいは、ともに斜め方向Dと略平行な方向である。このようなOFF時においては、液晶分子LMは、その長軸が第1方向Yと略平行な方向、あるいは、斜め方向Dと略平行な方向に配向する。つまり、液晶分子LMの初期配向方向は、第1方向Yあるいは斜め方向Dと平行である。
図3に示した例では、液晶分子LMの初期配向方向は第1方向Yと平行である。
【0073】
第1配向膜AL1の第1配向処理方向及び第2配向膜AL2の第2配向処理方向が互いに平行且つ逆向きである場合、液晶層LQの断面において、液晶分子LMは、第1配向膜AL1の近傍、第2配向膜AL2の近傍、及び、液晶層LQの中間部において略均一なプレチルト角を持って配向している(ホモジニアス配向)。また、第1配向膜AL1の第1配向処理方向及び第2配向膜AL2の第2配向処理方向が平行且つ同じ向きである場合、液晶層LQの断面において、液晶分子LMは、液晶層LQの中間部において略水平(プレチルト角が略ゼロ)に配向し、ここを境界として第1配向膜AL1の近傍及び第2配向膜AL2の近傍において対称となるようなプレチルト角を持って配向する(スプレイ配向)。
【0074】
図1、
図3及び
図5に示すように、バックライトユニット4からのバックライトは、その一部が第1偏光板PL1を透過し、液晶表示パネルLPNに入射する。液晶表示パネルLPNに入射した光の偏光状態は、液晶層LQを通過する際に液晶分子LMの配向状態によって異なる。OFF時においては、液晶層LQを通過した光は、第2偏光板PL2によって吸収される(黒表示)。
【0075】
一方、画素電極PEと共通電極CEとの間に電位差が形成された状態(ON時)では、画素電極PEと共通電極CEとの間に基板と略平行な横電界(あるいは斜め電界)が形成される。これにより、
図3において実線で示したように、液晶分子LMは、その長軸が電界の向きと略平行となるように基板主面と略平行な平面内で回転する。
【0076】
図3に示した例では、主画素電極PAと主共通電極CALとの間の領域内の液晶分子LMは、第1方向Yに対して反時計回りに回転し、電界に沿って図中の左上を向くように配向する。主画素電極PAと主共通電極CARとの間の領域内の液晶分子LMは、第1方向Yに対して時計回りに回転し、電界に沿って図中の右上を向くように配向する。
【0077】
このように、各画素PXにおいて、画素電極PEと共通電極CEとの間に横電界(あるいは斜め電界)が形成された状態では、液晶分子LMの配向方向が少なくとも2方向に分かれ、それぞれの配向方向でドメインが形成される。つまり、一画素PXには、少なくとも2つのドメインが形成される。
【0078】
このようなON時には、バックライトユニット4から液晶表示パネルLPNに入射したバックライトは、その一部が第1偏光板PL1を透過し、液晶表示パネルLPNに入射する。液晶層LQに入射したバックライトは、画素電極PEと共通電極CEとで区画された2つの領域(開口部)をそれぞれ通過した際に、その偏光状態が変化する。このようなON時においては、液晶層LQを通過した少なくとも一部の光は、第2偏光板PL2を透過する(白表示)。
【0079】
このような本実施形態によれば、一画素内に少なくとも2つのドメインを形成することが可能となるため、少なくとも2方向での視野角を光学的に補償することができ、広視野角化が可能となる。したがって、高い透過率の表示を実現することができ、表示品位の良好な液晶表示装置を提供することが可能となる。
【0080】
また、一画素内において、画素電極PEと共通電極CEとで区画される少なくとも2つの開口部それぞれについて面積を略同一に設定することにより、各領域の透過率が略同等となり、それぞれの開口部を透過した光が互いに光学的に補償し合い、広い視野角範囲に亘って均一な表示を実現することが可能となる。
【0081】
なお、ON時には、画素電極PEの主画素電極PA付近、あるいは、共通電極CEの主共通電極CA付近では、横電界がほとんど形成されない(あるいは、液晶分子LMを駆動するのに十分な電界が形成されない)ため、液晶分子LMは、OFF時と同様に初期配向方向からほとんど動かない。このため、上記のように、画素電極PE及び共通電極CEが光透過性の導電材料によって形成されていても、これらの領域ではバックライトがほとんど透過せず、ON時において表示にほとんど寄与しない。したがって、画素電極PE及び共通電極CEは、必ずしも透明な導電材料によって形成される必要はなく、アルミニウムや銀などの導電材料を用いて形成しても良い。
【0082】
また、アレイ基板ARと対向基板CTとの合わせずれが生じた際に、画素電極PEを挟んだ両側の共通電極CEとの距離に差が生じることがある。しかしながら、このような合わせずれは、全ての画素PXに共通に生じるため、画素PX間での電界分布に相違はなく、画像の表示に及ぼす影響はきわめて小さい。
【0083】
図8は、本実施形態に係る液晶表示パネルLPNの対向基板CTにおける一画素PXの構造を概略的に示す平面図である。
図8に示すように、主共通電極CA2は、帯状に形成され、第1方向Yに沿って直線的に延出している。複数の主共通電極CA2は電気的に接続されている。図示した例では、対向基板CTにおいて、主共通電極CA2は、ストライプ状に形成されている。
【0084】
共通電極CEの主共通電極CA2は、詳述しないが、アクティブエリアの外側に引き出され、導電部材を介して、アレイ基板に形成された給電部と電気的に接続されている。主共通電極CA2にはコモン電位が給電される。つまり、第1主共通電極CAL1、第2主共通電極CAR1、第3主共通電極CAL2及び第4主共通電極CAR2は、電気的に接続され、等電位に設定されている。
【0085】
このような構成において、画素PXに黒を表示する場合には、主画素電極PAを含む画素電極PEと、主共通電極CA1、CA2との間に電位差あるいは電界は形成されない。一方、画素PXに白を表示する場合には、主画素電極PAを含む画素電極PEと、主共通電極CA1、CA2との間の電位差によって電界が形成される。
【0086】
図示したように、本実施形態において、第1ソース配線S1の下方に複数の第1シールド電極(第1シールド電極H11、第1シールド電極H12など)が位置し、第1ソース配線S1の上方に第1主共通電極CAL1が位置している。このため、画素PXに黒を表示する場合であっても白を表示する場合であっても、第1主共通電極CAL1及び第1シールド電極により第1ソース配線S1からの不所望な電界を遮蔽することが可能となる。
【0087】
同様に、第2ソース配線S2の下方に複数の第2シールド電極(第2シールド電極H21、第2シールド電極H22など)が位置し、第2ソース配線S2の上方に第2主共通電極CAR1が位置している。このため、画素PXに黒を表示する場合であっても白を表示する場合であっても、第2主共通電極CAR1及び第2シールド電極により第2ソース配線S2からの不所望な電界を遮蔽することが可能となる。
【0088】
このような主共通電極CA1の幅が広いほど、ソース配線Sからの電界遮蔽性能が向上する。しかしながら、主共通電極CA1と主画素電極PAとの間に、主として表示に寄与する開口部が形成されるため、主共通電極CA1の幅が広すぎると、開口部の面積が小さくなり、透過率の低減を招く。
【0089】
このため、特に、第1主共通電極CAL1が第1ソース配線S1の直上に配置され且つ第1ソース配線S1と略同等の幅を有し、第2主共通電極CAR1が第2ソース配線S2の直上に配置され且つ第2ソース配線S2と略同等の幅を有する構成においては、高い透過率を維持しながら、第1ソース配線S1及び第2ソース配線S2からの電界遮蔽性能が向上することが可能となる。
【0090】
このようなソース配線Sからの不所望な電界を遮蔽することにより、ソース配線Sから液晶層LQに対して不所望なバイアスが印加されることを抑制することができ、クロストーク(例えば、当該画素PXが黒を表示する画素電位に設定されている状態で、当該画素PXに接続されたソース配線に白を表示する画素電位が供給されたときに、液晶層LQに保持された液晶分子の配向が乱れることにより輝度の上昇を招く現象)などの表示不良の発生を抑制することが可能となる。したがって、表示品位のさらに良好な液晶表示装置を得ることができる。
【0091】
また、このような構成例によれば、第3主共通電極CAL2は第1主共通電極CAL1と対向し、第4主共通電極CAR2は第2主共通電極CAR1と対向している。特に、主共通電極CA1及び主共通電極CA2がそれぞれソース配線Sの直上に配置されている場合には、主共通電極CA1及び主共通電極CA2がソース配線Sよりも主画素電極PA側に配置された場合と比較して、開口部を拡大することができ、画素PXの透過率を向上することが可能となる。
【0092】
また、主共通電極CA1のそれぞれをソース配線Sの直上に配置し、主共通電極CA2のそれぞれを主共通電極CA1の直上に配置することによって、主画素電極PAと主共通電極CA2との間の距離、あるいは、主画素電極PAと主共通電極CA1との間の距離を拡大することが可能となり、より水平に近い横電界を形成することが可能となる。このため、従来の構成であるIPSモード等の利点である広視野角化も維持することが可能となる。
【0093】
また、主共通電極CA1と主共通電極CA2とが液晶層を挟んで対向する領域では、不所望な縦電界(すなわち、基板主面の法線方向に沿った電界)の発生を抑制することが可能となる。
【0094】
ここで、本願発明者らは、本実施形態に係る液晶表示装置を用い、画素電極PEと主共通電極CA1、CA2との間に電圧を印加した際の等電位線についてシミュレーションを行った。なお、第2層間絶縁膜13の膜厚は2.0μmであり、ソース配線Sの幅は4.0μmであり、主共通電極CA1の幅は10.5μmであり、互いに対向したソース配線Sと主共通電極CA1の距離は3.25μmであり、シールド電極Hの幅は4.0μmである。
【0095】
図9は、本実施形態に係る液晶表示装置を用い、画素電極PEと主共通電極CA1、CA2との間に電圧を印加した際の等電位線についてシミュレーションを行った結果を示す概略図である。
図9に示すように、等電位線L1に殆ど歪みが無いことが分かる。このため、本実施形態に係る液晶表示装置では、液晶分子LMの配向乱れが小さくなり、クロストークを低減することができる。
【0096】
また、本願発明者らは、比較例の液晶表示装置を用い、画素電極PEと主共通電極CA1、CA2との間に電圧を印加した際の等電位線についてシミュレーションを行った。なお、比較例の液晶表示装置は、シールド電極Hが設けられていない以外は、上記実施形態に係る液晶表示装置と同様に形成されている。
【0097】
図10は、比較例の液晶表示装置を用い、画素電極PEと主共通電極CA1、CA2との間に電圧を印加した際の等電位線についてシミュレーションを行った結果を示す概略図である。
図10に示すように、等電位線L2の歪みが等電位線L1の歪みより大きいことが分かる。このため、比較例の液晶表示装置では、上記実施形態の液晶表示装置に比べ、液晶分子LMの配向乱れが大きくなり、クロストークの対策を十分に図ることができないものである。
【0098】
また、本願発明者らは、本実施形態の効果について検証した。次に上記検証の手法及び結果について説明する。
図11は、本実施形態において導入したクロストーク率の定義を説明するための図である。
【0099】
図11に示すように、アクティブエリアACTの略中央に矩形状のウインドーWDWを表示した場合であって、ウインドーWDWが黒表示または白表示である一方で、その周辺部分が中間色を表示した場合に、ウインドーWDWを囲む四方の輝度を測定した。図示した4個所のそれぞれの輝度をW1、W2、W3、W4とした。また、同一のアクティブエリアACTの全面で同一の中間色を表示した場合に、上記と同一個所の4個所の輝度を測定した。図示した4個所のそれぞれの輝度をG1、G2、G3、G4とした。このとき、クロストーク率は以下の式で定義する。
【0100】
クロストーク率=|W(n)-G(n)|/G(n)×100 (但し、n=1〜4である)
まず、上記比較例の液晶表示装置を用いてクロストーク率を測定した。次に、本実施形態に係る液晶表示装置を用いてクロストーク率を測定した。
【0101】
(ウインドーWDWを白表示した場合)
比較例のクロストーク率を1として規格化したところ、本実施形態のクロストーク率は0.34であった。クロストーク率が66%改善されたことが分かる。
【0102】
(ウインドーWDWを黒表示した場合)
比較例のクロストーク率を1として規格化したところ、本実施形態のクロストーク率は0.52であった。クロストーク率が48%改善されたことが分かる。
【0103】
上記のように、本実施形態によれば、クロストークを低減することが可能であることが確認された。
以上説明したように、本実施形態によれば、表示品位に優れた液晶表示装置を得ることが可能となる。
【0104】
なお、この発明は上記実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化可能である。また、上記実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。
【0105】
例えば、主共通電極CA1と画素電極PEとの間に他の層間絶縁膜が介在し、主共通電極CA1と画素電極PEとが異なる層に形成されても良い。この場合、主共通電極CA1は、画素電極PEとは異なる材料によって形成されてもよいし、画素電極PEと同一材料によって形成されてもよい。
【0106】
また、ゲート配線Gが画素PXの上側端部に配置され、補助容量線Cが略画素中央部に配置されても良い。この場合には、副画素電極PCは、略画素中央部に配置され、補助容量線Cと対向する(あるいは、副画素電極PCが補助容量線Cの直上に配置される)
。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]第1絶縁膜と、前記第1絶縁膜上に設けられ第1方向に沿って延出し前記第1方向に直交した第2方向に互いに間隔を置いて位置した第1シールド電極及び第2シールド電極と、前記第1絶縁膜上に設けられ前記第2方向に沿って延出し前記第1シールド電極及び第2シールド電極と一体に形成された補助容量線と、前記第1絶縁膜、第1シールド電極及び第2シールド電極上に設けられた第2絶縁膜と、前記第2絶縁膜上に設けられ前記第1シールド電極と対向し前記第1方向に沿って延出した第1ソース配線と、前記第2絶縁膜上に設けられ前記第2シールド電極と対向し前記第1方向に沿って延出した第2ソース配線と、前記第2絶縁膜、第1ソース配線及び第2ソース配線上に設けられた第3絶縁膜と、前記第3絶縁膜上に設けられ前記第1ソース配線と対向し前記第1方向に沿って延出した第1主共通電極と、前記第3絶縁膜上に設けられ前記第2ソース配線と対向し前記第1方向に沿って延出した第2主共通電極と、前記第3絶縁膜上に設けられ前記第1主共通電極と前記第2主共通電極との間に位置し前記第1方向に沿って延出した主画素電極と、を備えた第1基板と、
前記第1主共通電極と対向し前記第1方向に沿って延出した第3主共通電極と、前記第2主共通電極と対向し前記第1方向に沿って延出した第4主共通電極と、を備えた第2基板と、
前記第1基板と前記第2基板との間に挟持された液晶層と、を備え、
前記第1主共通電極、第2主共通電極、第3主共通電極及び第4主共通電極は、等電位に設定される液晶表示装置。
[2]前記第1シールド電極は、前記第1ソース配線の直下に配置され、前記第1ソース配線と略同等の幅を有し、
前記第2シールド電極は、前記第2ソース配線の直下に配置され、前記第2ソース配線と略同等の幅を有している[1]に記載の液晶表示装置。
[3]前記第1主共通電極は、前記第1ソース配線の直上に配置され、前記第1ソース配線と略同等の幅を有し、
前記第2主共通電極は、前記第2ソース配線の直上に配置され、前記第2ソース配線と略同等の幅を有している[2]に記載の液晶表示装置。
[4]前記第1基板は、前記第1絶縁膜で覆われ、前記第1シールド電極と前記補助容量線とに対向し、前記主画素電極に電気的に接続された補助容量電極をさらに備えている[1]に記載の液晶表示装置。
[5]前記補助容量電極の前記第1主共通電極と対向した領域は、前記第1シールド電極の直下に配置され、前記第1ソース配線と略同等の幅を有し、
前記補助容量電極の前記補助容量線と対向した領域は、前記補助容量線の直下に配置され、前記補助容量線と略同等の幅を有している[4]に記載の液晶表示装置。
[6]前記補助容量電極と同一層に設けられ、前記補助容量電極と同一材料で形成され、前記第1ソース配線と対向し、前記第1ソース配線に電気的に接続されたソース領域と、前記補助容量電極から連続的に形成されたドレイン領域と、チャネル領域と、を有した半導体層と、
前記第1シールド電極、第2シールド電極及び補助容量線と同一層に設けられ、前記第1絶縁膜を介して前記半導体層のチャネル領域と対向し、前記第2方向に沿って延出したゲート配線と、をさらに備えている[4]に記載の液晶表示装置。
[7]前記第2方向において、前記第1ソース配線と前記主画素電極との間隔は、前記第2ソース配線と前記主画素電極との間隔と略同等である[1]に記載の液晶表示装置。
[8]前記液晶層の液晶分子の初期配向方向は、前記第1方向に略平行な方向、又は前記第1方向から傾斜した方向である[1]に記載の液晶表示装置。
[9]前記第1基板は、前記液晶層に接する第1配向膜をさらに備え、
前記第2基板は、前記液晶層に接する第2配向膜をさらに備え、
前記第1配向膜が前記液晶層の液晶分子を初期配向させる第1配向処理方向と、前記第2配向膜が前記液晶分子を初期配向させる第2配向処理方向とは、前記第1方向に略平行な方向、又は前記第1方向から傾斜した方向である[1]に記載の液晶表示装置。
[10]第1絶縁膜と、前記第1絶縁膜上に設けられ第1方向に沿って延出したシールド電極と、前記第1絶縁膜上に設けられ前記第1方向に直交した第2方向に沿って延出し前記シールド電極と一体に形成された補助容量線と、前記第1絶縁膜、シールド電極上に設けられた第2絶縁膜と、前記第2絶縁膜上に設けられ前記シールド電極と対向し前記第1方向に沿って延出したソース配線と、前記第2絶縁膜及びソース配線上に設けられた第3絶縁膜と、前記第3絶縁膜上に設けられ前記ソース配線と対向し前記第1方向に沿って延出した第1主共通電極と、前記第3絶縁膜上に設けられ前記第2方向に前記第1主共通電極と間隔を置いて位置し前記第1方向に沿って延出した主画素電極と、を備えた第1基板と、
前記第1主共通電極と対向し前記第1方向に沿って延出した第2主共通電極を備えた第2基板と、
前記第1基板と前記第2基板との間に挟持された液晶層と、を備え、
前記第1主共通電極及び第2主共通電極は、等電位に設定される液晶表示装置。