(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6010334
(24)【登録日】2016年9月23日
(45)【発行日】2016年10月19日
(54)【発明の名称】変速機の同期噛合い機構
(51)【国際特許分類】
F16D 23/06 20060101AFI20161006BHJP
【FI】
F16D23/06 C
【請求項の数】4
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2012-107230(P2012-107230)
(22)【出願日】2012年5月9日
(65)【公開番号】特開2012-241899(P2012-241899A)
(43)【公開日】2012年12月10日
【審査請求日】2015年4月1日
(31)【優先権主張番号】10-2011-0046285
(32)【優先日】2011年5月17日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】591251636
【氏名又は名称】現代自動車株式会社
【氏名又は名称原語表記】HYUNDAI MOTOR COMPANY
(73)【特許権者】
【識別番号】500518050
【氏名又は名称】起亞自動車株式会社
【氏名又は名称原語表記】KIA MOTORS CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】特許業務法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】朴 鍾 閏
【審査官】
村上 聡
(56)【参考文献】
【文献】
特開平05−263834(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16D 23/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
変速機の同期噛合い機構において、
回転軸上にスプライン結合するクラッチハブと、前記クラッチハブの外周側にブロッキングキーを介在して軸方向に移動が可能に結合するスリーブと、コーン面を含んで、前記スリーブの両側で回転軸と回転干渉なく配置されるクラッチギヤと、前記クラッチギヤの前記コーン面との摩擦力によって結合するブロッカーリングとを含み、
前記クラッチハブは、その外周面には、円周方向に沿って等間隔に複数のキー案内溝を有し、
前記クラッチハブの両側にはブロッカーリングが配置され、
前記ブロッカーリングは、その外周面に複数のサーボ荷重作用部及び複数のキー荷重作用部が互いに交互に形成され、
前記サーボ荷重作用部にはブロッキングキーの円周方向の幅を収容する空間と、
前記キー案内溝に挿入される突出部を有し、
前記キー荷重作用部には前記キー案内溝に挿入される突出部が形成され、
前記空間の両側で軸方向に突出する支持突起を有し、
前記支持突起は、前記ブロッカーリングでブロッキングキーを支持し、
前記ブロッキングキーと接触して、同期力を伝達するキー接触面がサーボ荷重作用部及びキー荷重作用部のそれぞれに配置され、
前記サーボ荷重作用部のキー接触面は、前記キー荷重作用部のキー接触面より軸方向に、より内側に位置することを特徴とする変速機の同期噛合い機構。
【請求項2】
前記クラッチハブの外周面には、複数のキー案内溝が形成されていて、前記キー案内溝には、ブロッキングキーが配置されることを特徴とする請求項1に記載の変速機の同期噛合い機構。
【請求項3】
前記キー案内溝は、各々幅が狭い小幅部及び幅が広い広幅部を有し、前記小幅部及び広幅部は、傾斜面で連結したことを特徴とする請求項2に記載の変速機の同期噛合い機構。
【請求項4】
前記ブロッカーリングの外周面に形成された前記キー案内溝の広幅部の同一線上には前記サーボ荷重作用部が形成され、
前記キー案内溝の小幅部の同一線上に前記キー荷重作用部が形成され、
前記キー案内溝は、交互に配置される第1、2キー案内溝を含み、
前記第1キー案内溝の広幅部は、一側に向かい、前記第2キー案内溝の広幅部は、他側に向かうことを特徴とする請求項3に記載の変速機の同期噛合い機構
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両などに適用される変速機に係り、より詳しくは、同期作動でキー荷重だけが作用する間に、ブロッカーリング及びクラッチギヤのコーン面の油膜を除去して、同期作動が円滑に行われるように手動変速機に適用される、同期噛合い機構に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、変速機は、動力伝達装置の一部分であって、クラッチと駆動軸との間に配置されて、車両の走行条件に応じてエンジンの回転力を増大させたり減少させる役割を果たす。また、変速機は、車両を後進させるための後進装置を備えている。
【0003】
このような変速機において、手動変速機の同期噛合い機構は、駆動側ギヤ及び受動側ギヤの噛合い時に、前記二つのギヤの回転速度を同期させた後に噛合うようにして、スムーズなギヤの噛合いにより変速衝撃を防止する役割を果たす。(例えば特許文献1参照)
【0004】
図1は、一般的な同期噛合い機構の一部断面図である。
【0005】
図1を参照すれば、一般的な同期噛合い機構は、クラッチハブ100、スリーブ102、ブロッキングキー(Blocking Key)104、ブロッカーリング(Blocker Ring)106、クラッチギヤ108を含んで構成される。
【0006】
前記クラッチハブ100は、回転軸(図示せず)上にスプライン結合して、その外周面には、円周方向に等間隔に多数の溝が形成される。
【0007】
前記スリーブ102は、前記クラッチハブ100の外周面にスプライン結合して、軸方向に移動が可能で、その外周面に形成されたスライディング溝110に挿入されるシフトフォーク(図示せず)によって図面において左右に移動する。
【0008】
前記ブロッキングキー104は、前記クラッチハブ100の外周側で円周方向に等間隔に形成された多数の溝に配置されている。前記ブロッキングキー104と前記クラッチハブ100との間にスプリング112が介在していて、前記スプリング112の弾性力によって、前記ブロッキングキー104は、前記スリーブ102の内周面に形成されたロッキング溝114に挿入される。
【0009】
前記ブロッカーリング106は、通常、シンクロナイザーリングともよばれ、前記クラッチハブ100の両側に配置されて、前記ブロッキングキー104を保護すると同時に、スリーブ102が軸方向に移動する時に、前記スリーブ102によって押されて、クラッチギヤ108のコーン面116と摩擦同期(frictionally synchronized)する。
【0010】
前記クラッチギヤ108は、スピードギヤ(図示せず)と一体に形成される。
【0011】
前記同期噛合い機構によれば、変速のために前記スリーブ102が図面において左側または右側に移動すると、前記スリーブ102が前記ブロッキングキー104と共に移動して、前記ブロッカーリング106をクラッチギヤ108側に押す。
【0012】
そうすると、前記ブロッカーリング106の内周面は、前記クラッチギヤ108のコーン面116と摩擦して、クラッチギヤ108及びブロッカーリング106の回転速度が互いに同期する。このような状態で、前記スリーブ102がさらに移動すると、前記スリーブ102及び前記クラッチギヤ108が互いに噛合って、動力伝達が行われる。
【0013】
図2及び
図3は、従来の同期噛合い機構に適用されるブロッカーリング106の正面図及び平面図である。
【0014】
図2及び
図3を参照すれば、従来のブロッカーリング106は、その外周面に3つのサーボ荷重作用部118及び3つのキー荷重作用部120が互いに交互に形成される。
【0015】
前記サーボ荷重作用部118は、ブロッカーリング106でブロッキングキー104が安着される支持突起122、124が形成された部分を称し、キー荷重作用部120は、前記ブロッカーリング106でブロッキングキー104の一側が接触する部分を称する。
【0016】
つまり、前記ブロッカーリング106をクラッチハブ100の両側に配置する時、一側ブロッカーリング106のサーボ荷重作用部118及び他側ブロッカーリング(図示せず)のキー荷重作用部(図示せず)を同一線上に配置して、これらの間にブロッキングキー104が結合する。
【0017】
それによって、前記サーボ荷重作用部118とキー荷重作用部120との間に配置される6つのブロッキングキー104は、変速時に選択した側に配置されたブロッカーリング106を押して、同期噛合い機構としての機能を行う。
【0018】
従来のブロッカーリング106によれば、前記サーボ荷重作用部118及びキー荷重作用部120のキー接触面126、128が同一平面上に配置される。
【0019】
図4は、中立状態でのブロッカーリング及びキーの位置を示すために、スリーブが組立てられない従来の同期噛合い機構の概略図であり、
図5は同期開始区間でのブロッカーリング及びキーの位置を示すために、スリーブが組立てられない従来の同期噛合い機構の概略図である。
【0020】
図4を参照すれば、中立状態では、サーボ荷重作用部118のキー接触面126とブロッキングキー104との間の間隔(C)及びキー荷重作用部120のキー接触面128とブロッキングキー104との間の間隔(c)は互いに同一である。
【0021】
そして、同期を開始するためにスリーブ(図示せず)が前記ブロッキングキー104を押せば、
図5のように、前記ブロッキングキー104がサーボ荷重作用部118及びキー荷重作用部120の各キー接触面126、128に同時に接触して、同期力を伝達する。
【0022】
それによって、クラッチギヤ108のコーン面116とブロッカーリング106との間に残存する油膜を除去する時間がないため、所望の摩擦力を発生させることができない問題点がある。
【0023】
前記のように所望の摩擦力を確保することができなければ、一般的な変速の場合には、大きな問題が発生しないが、急変速時には、同期不能が発生して、円滑な変速が行われない問題点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0024】
【特許文献1】特開2012−57786号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0025】
本発明は前記のような点に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、同期作動でキー荷重だけが作用する間に、ブロッカーリング及びクラッチギヤのコーン面の油膜を除去して、同期作動が円滑に行われるようにする変速機の同期噛合い機構を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0026】
このような目的を達成するための本発明の一つまたは多数の実施例による変速機の同期噛合い機構は、回転軸上にスプライン結合するクラッチハブと、前記クラッチハブの外周側にブロッキングキーを介在して軸方向に移動が可能に結合するスリーブと、コーン面を含んで、前記スリーブの両側で回転軸と回転干渉なく配置されるクラッチギヤと、前記クラッチギヤのコーン面との摩擦力によって結合するブロッカーリングとを含み、前記ブロッカーリングは、互いに交互に配置されて、各々キー接触面を有するサーボ荷重作用部及びキー荷重作用部を含み、前記サーボ荷重作用部のキー接触面は、前記キー荷重作用部のキー接触面に対して軸方向に一定の距離で離隔していることを特徴とする。
【0027】
前記サーボ荷重作用部のキー接触面は、前記キー荷重作用部のキー接触面より軸方向により内側に位置することを特徴とする。
【0028】
前記クラッチハブの外周面には、複数のキー案内溝が形成されていて、前記キー案内溝には、ブロッキングキーが配置されることを特徴とする。
【0029】
前記キー案内溝は、広幅部及び小幅部を含むことを特徴とする。
【0030】
前記キー案内溝は、互いに交互に配置される第1、2キー案内溝を含み、前記第1キー案内溝の広幅部は、一側に向かい、前記第2キー案内溝の広幅部は、他側に向かうことを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図2】従来の同期噛合い機構に適用されるブロッカーリングの正面図。
【
図3】従来の同期噛合い機構に適用されるブロッカーリングの平面図。
【
図4】中立状態でのブロッカーリング及びキーの位置を示すために、スリーブが組立てられない従来の同期噛合い機構の概略図。
【
図5】同期開始区間でのブロッカーリング及びキーの位置を示すために、スリーブが組立てられない従来の同期噛合い機構の概略図。
【
図6】本発明の実施例による同期噛合い機構の分解斜視図。
【
図7】本発明の実施例による同期噛合い機構の正面図。
【
図8】本発明の実施例による同期噛合い機構に適用されるブロッカーリングの正面図。
【
図9】本発明の実施例による同期噛合い機構に適用されるブロッカーリングの平面図。
【
図10】中立状態でのブロッカーリング及びキーの位置を示すために、スリーブが組立てられない本発明の実施例による同期噛合い機構の概略図。
【
図11】同期開始区間でのブロッカーリング及びキーの位置を示すために、スリーブが組立てられない本発明の実施例による同期噛合い機構の概略図。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明の実施例を添付した図面を参照して詳細に説明する。
【0033】
但し、本発明の実施例を明確に説明するために、説明に不必要な部分は省略し、明細書全体を通して同一または類似した構成要素については、同一図面符号を適用する。
【0034】
図6は、本発明の実施例による同期噛合い機構の分解斜視図であり、
図7は、本発明の実施例による同期噛合い機構の正面図である。
【0035】
図6及び
図7を参照すれば、本発明の実施例による同期噛合い機構は、クラッチハブ1、スリーブ2、ブロッキングキー(Blocking Key)3、ブロッカーリング(Blocker Ring)4、クラッチギヤ5を含んで構成される。
【0036】
前記クラッチハブ1は、回転軸(図示せず)上にスプライン結合して、その外周面には、円周方向に沿って等間隔に多数のキー案内溝10が形成される。
【0037】
前記スリーブ2は、前記クラッチハブ1の外周面にスプライン結合して、軸方向に移動が可能で、その外周面には、円周方向にスライディング溝20が形成される。前記スリーブ2のスライディング溝20には、シフトフォーク(図示せず)が挿入され、前記スリーブ2は、前記シフトフォークの移動によって軸方向に移動する。
【0038】
前記ブロッキングキー3は、前記クラッチハブ1の外周面に円周方向に沿って等間隔に形成された多数のキー案内溝10に配置される。また、前記クラッチハブ1とブロッキングキー3との間には、スプリング30が介在する。
【0039】
つまり、前記ブロッキングキー3は、前記スプリング30の弾性力によって前記スリーブ2の内周面に形成されたロッキング溝16に挿入される。
【0040】
前記ブロッカーリング4は、通常、シンクロナイザーリングともよばれ、前記クラッチハブ1の両側に配置されて、前記ブロッキングキー3を保護すると同時に、スリーブ2が軸方向に移動する時に、前記スリーブ2によって軸方向に押されて、クラッチギヤ5のコーン面50と摩擦同期する。
【0041】
前記クラッチギヤ5は、スピードギヤ(図示せず)と一体に結合される。
【0042】
前記同期噛合い機構の構成をより詳細に見ると、下記の通りである。
【0043】
前記クラッチハブ1に形成されるキー案内溝10は、各々幅が狭い小幅部11及び幅が広い広幅部12を有し、前記小幅部11及び広幅部12は、傾斜面で連結する。
【0044】
そして、6つのキー案内溝10が等間隔に形成されるが、3つのキー案内溝10は、広幅部12が一側に向かい、残りの3つのキー案内溝10は、広幅部12が他側に向かうように形成される。そして、3つのキー案内溝10及び残りの3つのキー案内溝10は、互いに交互に配置される。つまり、広幅部12が一側に向かうキー案内溝(第1キー案内溝)10の周辺には、広幅部12が他側に向かうキー案内溝(第2キー案内溝)10が配置される。
【0045】
前記各キー案内溝10には、ブロッキングキー3が配置され、図面には、一側広幅部12に結合する3つのブロッキングキー3だけを示しているが、その反対側広幅部12にも3つのブロッキングキー3が配置される。
【0046】
一方、前記ブロッカーリング4の外周面には、前記キー案内溝10の広幅部12と同一線上にサーボ荷重作用部40が形成され、前記サーボ荷重作用部40の間のブロッカーリング4の外周面には、前記キー案内溝10の小幅部11と同一線上にキー荷重作用部41が形成される。
【0047】
前記サーボ荷重作用部40は、空間43、支持突起44、45、そして突出部46を含む。前記支持突起44、45は、前記空間43の両側で軸方向に突出する。前記空間43の幅は、前記ブロッキングキー3の円周方向の幅を収容することができるように構成されている。
【0048】
また、前記支持突起44、45の間のブロッカーリング4の外周面には、キー案内溝10に干渉なく挿入するように突出部46が形成される。
【0049】
前記キー荷重作用部41にも、前記キー案内溝10の小幅部11に干渉なく挿入するように突出部47が形成される。
【0050】
前記同期噛合い機構は、
図7のように組立てられて、同期噛合い機構としての機能を果たす。前記同期噛合い機構の同期作動は、当業者に周知であるので、ここでは詳細な説明は省略する。
【0051】
図8及び
図9は、本発明の実施例による同期噛合い機構に適用されるブロッカーリングの正面図及び平面図である。
【0052】
図8及び
図9を参照すれば、本発明の実施例によるブロッカーリング4は、その外周面に3つのサーボ荷重作用部40及び3つのキー荷重作用部41が互いに交互に形成される。
【0053】
そして、前記サーボ荷重作用部40のキー接触面48及び前記キー荷重作用部41のキー接触面49は、軸方向に一定の距離(S)で離隔している。
【0054】
つまり、前記サーボ荷重作用部40のキー接触面48がキー荷重作用部41のキー接触面49より軸方向により内側(つまり、
図9で、より低い地点またはより深い地点)に位置する。
【0055】
図10は、中立状態でのブロッカーリング及びキーの位置を示すために、スリーブが組立てられない本発明の実施例による同期噛合い機構の概略図であり、
図11は、同期開始区間でのブロッカーリング及びキーの位置を示すために、スリーブが組立てられない本発明の実施例による同期噛合い機構の概略図である。
【0056】
図10を参照すれば、中立状態では、サーボ荷重作用部40のキー接触面48とブロッキングキー3との間の間隔(D)が前記キー荷重作用部41のキー接触面49とブロッキングキー3との間の間隔(d)より前記一定の距離(S)だけ大きくなる。
【0057】
そして、同期作動を開始するために、スリーブ(図示せず)が前記ブロッキングキー3を押せば、
図11に示しているように、前記ブロッキングキー3がキー荷重作用部41のキー接触面49と先に接触して、ブロッカーリング4を押す。
【0058】
この時、前記サーボ荷重作用部40に位置するブロッキングキー3は、依然としてキー接触面48と所定の間隔(D´)を維持する。
【0059】
このような状態で、スリーブが軸方向にさらに移動すると、スリーブが軸方向に前記所定の間隔(D´)移動する間に、前記キー荷重作用部41のキー荷重によってブロッカーリング4とクラッチギヤ5のコーン面50との間でオイルワイピング(Oil Wiping)作業が行われ、ブロッカーリング4とコーン面50との間に残存する油膜を除去する。
【0060】
つまり、同期作動時に、まず、キー荷重作用部41に配置されたブロッキングキー3の荷重によってブロッカーリング4が移動して、オイルワイピング作業が行われ、その後、サーボ荷重作用部40に配置されたブロッキングキー3の荷重によってブロッカーリング4が移動して、完全な同期作動が行われる。
【0061】
本発明の実施例では、オイルワイピング(Oil Wiping)区間である近接(Proximity)区間を十分に確保して、同期時に摩擦力を高めることができる。
【0062】
それによって、一般的な変速はもちろん、急変速時にも、安定した同期作動によって円滑な変速を行う。
【0063】
本発明の実施例によれば、同期作動時に、まず、キー荷重作用部に適用されるブロッキングキーの荷重によってブロッカーリングが移動して、オイルワイピング作業が行われ、その後、サーボ荷重作用部に適用されるブロッキングキーの荷重によってブロッカーリングが移動して、より安定した同期作動を行うことができる。
【0064】
以上で、本発明の一実施例について説明したが、本発明はこれに限定されず、特許請求の範囲、発明の詳細な説明、及び添付した図面の範囲内で多様に変形して実施することが可能であり、これも本発明の技術範囲に属する。
【産業上の利用可能性】
【0065】
本発明は、車両などに適用される変速機に関し、手動変速機に適用される、同期噛合い機構の分野に適用できる。
【符号の説明】
【0066】
1、100 クラッチハブ
2、102 スリーブ
3,104 ブロッキングキー
4,106 ブロッカーリング
5,108 クラッチギヤ
10 キー案内溝
11 小幅部
12 広幅部
30,112 スプリング
40,118 サーボ荷重作用部
41,120 キー荷重作用部
44、45、122,124 支持突起
46、47 突出部
48、49,126,128 キー接触面
50,116 コーン面