(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記複数の第一辺側転送電極と前記複数の第二辺側転送電極とは、同じ位相の前記電荷転送信号が与えられる前記第一辺側転送電極と前記第二辺側転送電極とが、前記第一辺と前記第二辺とが対向する方向において、互いに対向するように配置されている、請求項1記載の距離センサ。
前記複数の第一辺側転送電極と前記複数の第二辺側転送電極とは、異なる位相の前記電荷転送信号が与えられる前記第一辺側転送電極と前記第二辺側転送電極とが、前記第一辺と前記第二辺とが対向する方向において、互いに対向するように配置されている、請求項1記載の距離センサ。
前記複数の第一辺側転送電極と前記複数の第二辺側転送電極とは、前記第一及び第二辺が延びる前記方向で位置が互いにずれるように配置されている、請求項1記載の距離センサ。
前記複数の第一辺側転送電極は、異なる位相の前記電荷転送信号が与えられ、前記第一及び第二辺が延びる前記方向において互いに隣り合う対の前記第一辺側転送電極を有し、 前記複数の第二辺側転送電極は、異なる位相の前記電荷転送信号が与えられ、前記第一及び第二辺が延びる前記方向において互いに隣り合う対の前記第二辺側転送電極を有し、 前記対の各前記第一辺側転送電極及び前記対の各前記第二辺側転送電極は、前記第一及び第二辺が延びる前記方向に沿って延びる第一部分と、前記第一部分において、隣り合う前記第一部分に対して遠い側の端部から、前記受光領域と重なるように延びる第二部分と、をそれぞれ有している、請求項1〜4のいずれか一項記載の距離センサ。
前記受光領域の前記第一辺側において前記第一辺に沿って互いに離間すると共に前記第一辺側信号電荷収集領域と離間して配置され、発生した不要電荷を排出する第一辺側不要電荷排出領域と、
前記受光領域の前記第二辺側において前記第二辺に沿って互いに離間すると共に前記第二辺側信号電荷収集領域と離間して配置され、発生した不要電荷を排出する第二辺側不要電荷排出領域と、
前記第一辺側不要電荷排出領域と前記フォトゲート電極との間に配置され、前記第一辺側不要電荷排出領域への不要電荷の流れの遮断及び開放を選択的に行う第一辺側不要電荷排出ゲート電極と、
前記第二辺側不要電荷排出領域と前記フォトゲート電極との間に配置され、前記第二辺側不要電荷排出領域への不要電荷の流れの遮断及び開放を選択的に行う第二辺側不要電荷排出ゲート電極と、を更に備えている、請求項1〜5のいずれか一項記載の距離センサ。
前記第一辺側不要電荷排出ゲート電極と前記第二辺側不要電荷排出ゲート電極とは、前記第一及び第二辺が延びる前記方向に沿って延びる第三部分と、前記受光領域と重なるように前記第三部分から延びる第四部分と、をそれぞれ有している、請求項6記載の距離センサ。
一次元状又は二次元状に配置された複数のユニットからなる撮像領域を半導体基板上に備え、前記ユニットから出力される電荷量に基づいて、距離画像を得る距離画像センサであって、
前記ユニットそれぞれが、請求項1〜9のいずれか一項記載の距離センサである、距離画像センサ。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には、同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
【0025】
図1は、実施形態に係る測距装置の構成図である。
【0026】
この測距装置は、距離画像センサ1と、近赤外光を出射する光源3と、駆動回路4と、制御回路2と、演算回路5と、を備えている。駆動回路4は、光源3にパルス駆動信号S
Pを与える。制御回路2は、距離画像センサ1の各距離センサP1(
図3参照)に含まれる第一ゲート電極TX1
1,TX1
2(
図4参照)に、電荷転送信号としてパルス駆動信号S
Pに同期した検出用ゲート信号S
1を与え、第二ゲート電極TX2
1,TX2
2(
図4参照)に、電荷転送信号としてパルス駆動信号S
P及び検出用ゲート信号S
1と位相が異なる検出用ゲート信号S
2を与え、第三ゲート電極TX3
1,TX3
2(
図4参照)に、電荷転送信号として排出用ゲート信号S
3を与える。演算回路5は、各距離センサP1の第一半導体領域FD1
1,FD1
2(
図4参照)及び第二半導体領域FD2
1,FD2
2(
図4参照)から読み出された距離情報を示す信号d
1及び信号d
2から、歩行者などの対象物Hまでの距離を演算する。距離画像センサ1から対象物Hまでの水平方向Dの距離をdとする。
【0027】
制御回路2は、パルス駆動信号S
Pを駆動回路4のスイッチ4bに入力する。LED又はレーザダイオードからなる投光用の光源3は、スイッチ4bを介して電源4aに接続されている。スイッチ4bにパルス駆動信号S
Pが入力されると、パルス駆動信号S
Pと同じ波形の駆動電流が光源3に供給され、光源3からは測距用のプローブ光としての出射パルス光L
Pが出力される。出射パルス光L
Pが対象物Hに照射されると、対象物Hによってパルス光が反射される。反射されたパルス光は、検出パルス光L
Dとして、距離画像センサ1に入射する。検出パルス光L
Dが距離画像センサ1に入射している間、距離画像センサ1からパルス検出信号S
Dが出力される。
【0028】
距離画像センサ1は、配線基板10上に配置されている。配線基板10上の配線を介して、距離情報を有する信号d
1及び信号d
2が距離画像センサ1の各距離センサP1から出力される。
【0029】
図2は、実施形態に係る距離画像センサの断面図である。
【0030】
距離画像センサ1は、表面入射型の距離画像センサであって、半導体基板1Aを備えている。半導体基板1Aは、Siなどからなる。距離画像センサ1には、半導体基板1Aの光入射面1FTから検出パルス光L
Dが入射する。距離画像センサ1の光入射面1FTとは逆側の裏面1BKは、接着領域ADを介して配線基板10に接続されている。接着領域ADは、絶縁性の接着剤及びフィラー等を含んでいる。距離画像センサ1は、所定の位置に開口LIa(
図5〜7参照)が形成された遮光層LIを備えている。遮光層LIは、光入射面1FTの前方に配置されている。遮光層LIは、たとえば、アルミニウムなどの金属からなる。
【0031】
図3は、
図2の距離画像センサの平面図である。
【0032】
距離画像センサ1では、半導体基板1Aが、X方向に沿って一次元状に配列した複数(ここでは3つ)の距離センサ(ユニット)P1からなる撮像領域1Bを有している。撮像領域1Bは、矩形状(詳細には、正方形状)を呈している。距離センサP1は、平面視において、X方向と直角なY方向が長手方向である長方形状を呈している。距離センサP1において、長辺の長さに対する短辺の長さの割合は、例えば1/3程度となっている。距離センサP1からは、前述の距離情報を有する信号d
1及び信号d
2として電荷量Q1及び電荷量Q2が出力される。隣り合う距離センサP1,P1間においては、電荷量Q1を出力するための配線が共有されていると共に、電荷量Q2を出力するための配線が共有されている。距離センサP1は、微小測距センサとして対象物Hまでの距離に応じた電荷量Q1及び電荷量Q2を出力する。したがって、対象物Hからの反射光を撮像領域1Bに結像すれば、対象物H上の各点までの距離情報の集合体としての対象物の距離画像を得ることができる。距離センサP1は、一つの画素として機能する。
【0033】
図4は、
図3中の距離センサの一部を示す平面図である。
図5は、
図4中のV−V線に沿った断面図である。
図6は、
図4中のVI−VI線に沿った断面図である。
図7は、
図4中のVII−VII線に沿った断面図である。
図4においては、遮光層LIの図示は省略されている(
図12〜17,19〜21,23においても同様)。
【0034】
距離画像センサ1は、前述のように、互いに対向する光入射面1FTと裏面1BKとを有する半導体基板1Aを備えている(
図2参照)。半導体基板1Aは、裏面1BK側に位置するp型の第一基板領域1Aaと、光入射面1FT側に位置するp
−型の第二基板領域1Abと、を有する。第二基板領域1Abは、第一基板領域1Aaよりも不純物濃度が低い。半導体基板1Aは、たとえば、p型の半導体基板上に、当該半導体基板よりも不純物濃度が低いp
−型のエピタキシャル層を成長させることにより得ることができる。
【0035】
距離センサP1は、フォトゲート電極PG1と、複数の第一半導体領域FD1
1,FD1
2と、複数の第二半導体領域FD2
1,FD2
2と、複数の第三半導体領域FD3
1,FD3
2と、第四半導体領域SR1と、第五半導体領域SR2
1,SR2
2と、複数の第一ゲート電極TX1
1,TX1
2と、複数の第二ゲート電極TX2
1,TX2
2と、複数の第三ゲート電極TX3
1,TX3
2と、を備えている。
【0036】
フォトゲート電極PG1は、SiO
2などからなる絶縁層1Eを介して、光入射面1FT上に設けられている。フォトゲート電極PG1は、遮光層LIに形成された開口LIaに対応して配置されている。開口LIaの形状は、平面視において、Y方向を長辺方向とする長方形状を呈している。フォトゲート電極PG1は、開口LIaに対応した形状を呈しており、平面視において、Y方向を長辺方向とする長方形状を呈している。フォトゲート電極PG1はポリシリコンからなるが、他の材料からなっていてもよい。
【0037】
光(対象物Hからの反射光)は、開口LIaを通して半導体基板1Aに入射する。開口LIaにより、半導体基板1Aには受光領域が規定される。受光領域は、開口LIaの形状に対応しており、Y方向を長辺方向とする長方形状を呈している。受光領域は、X方向において互いに対向し、それぞれY方向に延びる第一及び第二長辺LS1,LS2と、Y方向において互いに対向し、それぞれX方向に延びる第一及び第二短辺SS1,SS2と、を含んでいる(
図3参照)。第一及び第二長辺LS1,LS2の長さは、第一長辺LS1と第二長辺LS2との間隔よりも長い。
【0038】
受光領域において、フォトゲート電極PG1に対応する領域(フォトゲート電極PG1の直下の領域)は、入射光に応じて電荷が発生する電荷発生領域として機能する。本実施形態においては、平面視において、受光領域の形状と、フォトゲート電極PG1の形状と、電荷発生領域の形状とは、一致している。各平面図においては、説明のため、受光領域の各辺とフォトゲート電極PG1の各辺とは、ずらして記載されている。
【0039】
受光領域において、第一長辺LS1を含み且つ第一長辺LS1が延びる方向に延びる領域は、第一領域である。受光領域において、第二長辺LS2を含み且つ第二長辺LS2が延びる方向に延びる領域は、第二領域である。第一領域と第二領域との間には、第四半導体領域SR1が配置されている。
【0040】
半導体基板1Aにおける受光領域以外の領域(第一〜第三半導体領域FD1
1〜FD3
2、第五半導体領域SR2、及び、第一〜第三ゲート電極TX1
1〜TX3
2が配置された領域を含む領域)は、遮光層LIにより覆われており、当該領域に光が入射するのが防止されている。これにより、上記領域に入射した光による不要電荷の発生を防止することができる。
【0041】
第一半導体領域FD1
1は、受光領域からX方向に離間した第一長辺LS1側の領域において、第一長辺LS1に沿って互いに離間するように複数配置されている。第一半導体領域FD1
2は、受光領域からX方向に離間した第二長辺LS2側の領域において、第二長辺LS2に沿って互いに離間し、且つ、それぞれ対応する第一長辺LS1側の第一半導体領域FD1
1と受光領域を挟んで対向するように複数配置されている。本実施形態では、第一長辺LS1側の第一半導体領域FD1
1と、第二長辺LS2側の第一半導体領域FD1
2とは、X方向において互いに対向している。
【0042】
第二半導体領域FD2
1は、受光領域からX方向に離間した第一長辺LS1側の領域において、第一長辺LS1に沿って互いに離間するように複数配置されている。第二半導体領域FD2
2は、受光領域からX方向に離間した第二長辺LS2側の領域において、第二長辺LS2に沿って互いに離間し、且つ、それぞれ対応する第一長辺LS1側の第二半導体領域FD2
1と受光領域を挟んで対向するように複数配置されている。第一半導体領域FD1
1と第二半導体領域FD2
1とは、Y方向に沿って離間して交互に配置されており、第一半導体領域FD1
2と第二半導体領域FD2
2とは、Y方向に沿って離間して交互に配置されている。本実施形態では、第一長辺LS1側の第二半導体領域FD2
1と、第二長辺LS2側の第二半導体領域FD2
2とは、X方向において互いに対向している。
【0043】
第一及び第二ゲート電極TX1
1〜TX2
2は、それぞれ光入射面1FT上において絶縁層1Eを介して設けられている。第一ゲート電極TX1
1は、第一長辺LS1側において、第一長辺LS1に沿って互いに離間するように複数配置されており、対応する第一半導体領域FD1
1とフォトゲート電極PG1との間に配置されている。第一ゲート電極TX1
2は、第二長辺LS2側において、第二長辺LS2に沿って互いに離間するように複数配置されており、対応する第一半導体領域FD1
2とフォトゲート電極PG1との間に配置されている。第一長辺LS1側の第一ゲート電極TX1
1と、第二長辺LS2側の第一ゲート電極TX1
2とは、X方向において互いに対向している。
【0044】
第二ゲート電極TX2
1は、第一長辺LS1側において、第一長辺LS1に沿って互いに離間するように複数配置されており、対応する第二半導体領域FD2
1とフォトゲート電極PG1との間に配置されている。第二ゲート電極TX2
2は、第二長辺LS2側において、第二長辺LS2に沿って互いに離間するように複数配置されており、対応する第二半導体領域FD2
2とフォトゲート電極PG1との間に配置されている。第一ゲート電極TX1
1と第二ゲート電極TX2
1とは、Y方向に沿って離間して交互に配置されており、第一ゲート電極TX1
2と第二ゲート電極TX2
2とは、Y方向に沿って離間して交互に配置されている。第一長辺LS1側の第二ゲート電極TX2
1と、第二長辺LS2側の第二ゲート電極TX2
2とは、X方向において互いに対向している。
【0045】
第一及び第二半導体領域FD1
1〜FD2
2は、平面視において多角形状を呈している。本実施形態では、第一及び第二半導体領域FD1
1〜FD2
2は、矩形状(詳細には、正方形状)を呈している。なお、第一及び第二半導体領域FD1
1〜FD2
2の形状は、多角形状に限定されない。第一及び第二半導体領域FD1
1〜FD2
2は、それぞれ対応する第一及び第二ゲート電極TX1
1〜TX2
2の直下の領域に流れ込む電荷を蓄積する。第一長辺LS1側の第一及び第二半導体領域FD1
1,FD2
1は、第一辺側信号電荷収集領域として機能する。第二長辺LS2側の第一及び第二半導体領域FD1
2,FD2
2は、第二辺側信号電荷収集領域として機能する。第一及び第二半導体領域FD1
1〜FD2
2は、高不純物濃度のn型半導体からなる領域であり、フローティング・ディフュージョン領域である。
【0046】
第一及び第二ゲート電極TX1
1〜TX2
2は、それぞれ平面視において多角形状を呈している。本実施形態では、第一及び第二ゲート電極TX1
1〜TX2
2は、それぞれ略矩形状(詳細には、Y方向を長辺方向とする長方形状)を呈している。なお、第一及び第二ゲート電極TX1
1〜TX2
2の形状は、多角形状に限定されない。第一ゲート電極TX1
1,TX1
2は、与えられた検出用ゲート信号S
1に基づいて、それぞれ第一半導体領域FD1
1,FD1
2への信号電荷の流れの遮断及び開放を選択的に行う。第二ゲート電極TX2
1,TX2
2は、与えられた検出用ゲート信号S
2に基づいて、それぞれ第二半導体領域FD2
1,FD2
2への信号電荷の流れの遮断及び開放を選択的に行う。第一長辺LS1側の第一及び第二ゲート電極TX1
1,TX2
1は、第一辺側転送電極として機能する。第二長辺LS2側の第一及び第二ゲート電極TX1
2,TX2
2は、第二辺側転送電極として機能する。第一及び第二ゲート電極TX1
1〜TX2
2は、ポリシリコンからなるが、他の材料からなっていてもよい。
【0047】
第三半導体領域FD3
1は、受光領域からX方向に離間した第一長辺LS1側の領域において、第一長辺LS1に沿って互いに離間するように複数配置されている。第三半導体領域FD3
2は、受光領域からX方向に離間した第二長辺LS2側の領域において、第二長辺LS2に沿って互いに離間し、且つ、それぞれ対応する第一長辺LS1側の第三半導体領域FD3
1と受光領域を挟んで対向するように複数配置されている。第三半導体領域FD3
1は、Y方向において第一及び第二半導体領域FD1
1,FD2
1と離間して配置されおり、第三半導体領域FD3
2は、Y方向において第一及び第二半導体領域FD1
2,FD2
2と離間して配置されている。本実施形態では、第三半導体領域FD3
1は、Y方向において全ての第一半導体領域FD1
1と第二半導体領域FD2
1との間に配置されており、第三半導体領域FD3
2は、Y方向において全ての第一半導体領域FD1
2と第二半導体領域FD2
2との間に配置されている。第三半導体領域FD3
1は、Y方向において全ての第一及び第二半導体領域FD1
1,FD2
1を挟むようにY方向の両端にも配置されていてもよく、第三半導体領域FD3
2は、Y方向において全ての第一及び第二半導体領域FD1
2,FD2
2を挟むようにY方向の両端にも配置されていてもよい。第一長辺LS1側の第三半導体領域FD3
1と、第二長辺LS2側の第三半導体領域FD3
2とは、X方向において互いに対向している。
【0048】
第三ゲート電極TX3
1,TX3
2は、光入射面1FT上において絶縁層1Eを介して設けられている。第三ゲート電極TX3
1は、第一長辺LS1側において、第一長辺LS1に沿って互いに離間するように複数配置されており、対応する第三半導体領域FD3
1とフォトゲート電極PG1との間に配置されている。第三ゲート電極TX3
2は、第二長辺LS2側において、第二長辺LS2に沿って互いに離間するように複数配置されており、対応する第三半導体領域FD3
2とフォトゲート電極PG1との間に配置されている。第三ゲート電極TX3
1は、Y方向において第一及び第二ゲート電極TX1
1,TX2
1と離間して配置されており、第三ゲート電極TX3
2は、Y方向において第一及び第二ゲート電極TX1
2,TX2
2と離間して配置されている。第一長辺LS1側の第三ゲート電極TX3
1と、第二長辺LS2側の第三ゲート電極TX3
2とは、X方向において互いに対向している。
【0049】
第三半導体領域FD3
1,FD3
2は、平面視において多角形状を呈している。本実施形態では、第三半導体領域FD3
1,FD3
2は、矩形状(詳細には、正方形状)を呈している。なお、第三半導体領域FD3
1,FD3
2の形状は、多角形状に限定されない。第三半導体領域FD3
1,FD3
2は、それぞれ対応する第三ゲート電極TX3
1,TX3
2の直下の領域に流れ込む電荷を排出する。第三半導体領域FD3
1,FD3
2は、不要電荷排出領域(不要電荷排出ドレイン)として機能し、たとえば固定電位に接続されている。第一長辺LS1側の第三半導体領域FD3
1は、第一辺側不要電荷排出領域として機能する。第二長辺LS2側の第三半導体領域FD3
2は、第二辺側不要電荷排出領域として機能する。第三半導体領域FD3
1,FD3
2は、高不純物濃度のn型半導体からなる領域であり、フローティング・ディフュージョン領域である。
【0050】
第三ゲート電極TX3
1,TX3
2は、平面視において多角形状を呈している。本実施形態では、第三ゲート電極TX3
1,TX3
2は、矩形状(詳細には、Y方向を長辺方向とする長方形状)を呈している。なお、第三ゲート電極TX3
1,TX3
2の形状は、多角形状に限定されない。第三ゲート電極TX3
1,TX3
2は、与えられた排出用ゲート信号S
3に基づいて、それぞれ第三半導体領域FD3
1,FD3
2への不要電荷の流れの遮断及び開放を選択的に行う。第一長辺LS1側の第三ゲート電極TX3
1は、第一辺側不要電荷排出ゲート電極として機能する。第二長辺LS2側の第三ゲート電極TX3
2は、第二辺側不要電荷排出ゲート電極として機能する。第三ゲート電極TX3
1,TX3
2は、ポリシリコンからなるが、他の材料からなっていてもよい。
【0051】
第四半導体領域SR1は、フォトゲート電極PG1の直下の領域において、第一長辺LS1と第二長辺LS2との間に配置されている。第四半導体領域SR1は、平面視において、Y方向が長辺方向である長方形状を呈している。第四半導体領域SR1は、第一長辺LS1と第二長辺LS2との間の中央部分において、第一短辺SS1と第二短辺SS2とを結ぶようにY方向に沿って延在している。
【0052】
第四半導体領域SR1は、半導体基板1Aと同じ導電型であり且つ第二基板領域1Abよりも不純物濃度が高い、すなわち高不純物濃度のp型半導体からなる領域である。第四半導体領域SR1は、p型ウエル領域であってもよく、また、p型拡散領域であってもよい。
【0053】
第五半導体領域SR2
1は、受光領域からX方向に離間した第一長辺LS1側の領域において、第一長辺LS1に沿って延在するように配置されている。第五半導体領域SR2
2は、受光領域からX方向に離間した第二長辺LS2側の領域において、第二長辺LS2に沿って延在するように配置されている。第五半導体領域SR2
1,2
2は、平面視において、Y方向が長辺方向である長方形状を呈している。第五半導体領域SR2
1は、第一長辺LS1側において距離センサP1の長辺に沿って配置されており、平面視において、第一長辺LS1側の第一〜第三半導体領域FD1
1〜FD3
1と重複する部分を有している。第五半導体領域SR2
2は、第二長辺LS2側において距離センサP1の長辺に沿って配置されており、平面視において、第二長辺LS2側の第一〜第三半導体領域FD1
2〜FD3
2と重複する部分を有している。
【0054】
第五半導体領域SR2
1,2
2は、半導体基板1Aと同じ導電型であり且つ第二基板領域1Abよりも不純物濃度が高い、すなわち高不純物濃度のp型半導体からなる領域である。第五半導体領域SR2
1,2
2は、p型ウエル領域であってもよく、また、p型拡散領域であってもよい。なお、第五半導体領域SR2
1,2
2は、設けられていなくてもよい。
【0055】
各領域の厚さ/不純物濃度は以下の通りである。
半導体基板1Aの第一基板領域1Aa:厚さ5〜700μm/不純物濃度1×10
18〜10
20cm
−3
半導体基板1Aの第二基板領域1Ab:厚さ3〜50μm/不純物濃度1×10
13〜10
16cm
−3
第一半導体領域FD1
1,FD1
2:厚さ0.1〜0.4μm/不純物濃度1×10
18〜10
20cm
−3
第二半導体領域FD2
1,FD2
2:厚さ0.1〜0.4μm/不純物濃度1×10
18〜10
20cm
−3
第三半導体領域FD3
1,FD3
2:厚さ0.1〜0.4μm/不純物濃度1×10
18〜10
20cm
−3
第四半導体領域SR1:厚さ1〜5μm/不純物濃度1×10
16〜10
18cm
−3
第五半導体領域SR2:厚さ1〜5μm/不純物濃度1×10
16〜10
18cm
−3
【0056】
絶縁層1Eには、第一〜第三半導体領域FD1
1〜FD3
2の表面を露出させるためのコンタクトホール(不図示)が設けられている。コンタクトホール内には、第一〜第三半導体領域FD1
1〜FD3
2を外部に接続するための導体(不図示)が配置される。
【0057】
第一ゲート電極TX1
1,TX1
2に、ハイレベルの信号(正電位)が与えられると、第一ゲート電極TX1
1,TX1
2の直下の領域のポテンシャルが半導体基板1Aにおけるフォトゲート電極PG1の直下の領域のポテンシャルに対して低くなる。これにより、負の電荷(電子)は、第一ゲート電極TX1
1,TX1
2の方向に引き込まれ、第一半導体領域FD1
1,FD1
2によって形成されるポテンシャル井戸内に蓄積される。第一ゲート電極TX1
1,TX1
2は、入力された信号に応じて、信号電荷を第一半導体領域FD1
1,FD1
2に流入させる。n型の半導体は、正にイオン化したドナーを含んでおり、正のポテンシャルを有し、電子を引き付ける。第一ゲート電極TX1
1,TX1
2に、ローレベルの信号(たとえば、グランド電位)が与えられると、第一ゲート電極TX1
1,TX1
2によるポテンシャル障壁が生じる。したがって、半導体基板1Aで発生した電荷は、第一半導体領域FD1
1,FD1
2内には引き込まれない。
【0058】
第二ゲート電極TX2
1,TX2
2に、ハイレベルの信号が与えられると、第二ゲート電極TX2
1,TX2
2の直下の領域のポテンシャルが半導体基板1Aにおけるフォトゲート電極PG1の直下の領域のポテンシャルに対して低くなる。これにより、負の電荷は、第二ゲート電極TX2
1,TX2
2の方向に引き込まれ、第二半導体領域FD2
1,FD2
2によって形成されるポテンシャル井戸内に蓄積される。第二ゲート電極TX2
1,TX2
2は、入力された信号に応じて、信号電荷を第二半導体領域FD2
1,FD2
2に流入させる。第二ゲート電極TX2
1,TX2
2に、ローレベルの信号が与えられると、第二ゲート電極TX2
1,TX2
2によるポテンシャル障壁が生じる。したがって、半導体基板1Aで発生した電荷は、第二半導体領域FD2
1,FD2
2内には引き込まれない。
【0059】
第三ゲート電極TX3
1,TX3
2に、ハイレベルの信号が与えられると、第三ゲート電極TX3
1,TX3
2の直下の領域のポテンシャルが半導体基板1Aにおけるフォトゲート電極PG1の直下の領域のポテンシャルに対して低くなる。これにより、負の電荷は第三ゲート電極TX3
1,TX3
2の方向に引き込まれ、第三半導体領域FD3
1,FD3
2によって形成されるポテンシャル井戸を介して排出される。第三ゲート電極TX3
1,TX3
2に、ローレベルの信号が与えられると、第三ゲート電極TX3
1,TX3
2によるポテンシャル障壁が生じる。したがって、半導体基板1Aで発生した電荷は、第三半導体領域FD3
1,FD3
2内には引き込まれない。第三半導体領域FD3
1,FD3
2には、光の入射に応じて電荷発生領域で発生した電荷のうち一部の電荷が、不要電荷として排出される。
【0060】
半導体基板1Aの光入射面1FTから入射した対象物からの検出パルス光L
Dは、半導体基板1Aの表面側に設けられた受光領域(電荷発生領域)に至る。検出パルス光L
Dの入射に伴って半導体基板1A内で発生した電荷は、電荷発生領域から、電荷発生領域に隣接する第一ゲート電極TX1
1,TX1
2又は第二ゲート電極TX2
1,TX2
2の直下の領域に送られる。すなわち、第一ゲート電極TX1
1,TX1
2に光源のパルス駆動信号S
Pに同期した検出用ゲート信号S
1を配線基板10を介して与えると、電荷発生領域で発生した電荷がそれぞれ第一ゲート電極TX1
1,TX1
2の直下の領域に流れ、これらから第一半導体領域FD1
1,FD1
2に流れ込む。第二ゲート電極TX2
1,TX2
2に光源のパルス駆動信号S
P及び検出用ゲート信号S
1と位相が異なる検出用ゲート信号S
2を配線基板10を介して与えると、電荷発生領域で発生した電荷がそれぞれ第二ゲート電極TX2
1,TX2
2の直下の領域に流れ、これらから第二半導体領域FD2
1,FD2
2に流れ込む。
【0061】
距離画像センサ1は、図示は省略するが、半導体基板1Aの電位を基準電位に固定するためのバックゲート半導体領域を備えている。
【0062】
図8及び
図9は、電荷の蓄積動作を説明するためのポテンシャル分布を示す図である。
図10は、電荷の排出動作を説明するためのポテンシャル分布を示す図である。
図8〜
図10の(a)は、
図4中のV−V線に沿った断面におけるポテンシャル分布であり、
図8〜
図10の(b)は、
図4中のVI−VI線に沿った断面におけるポテンシャル分布であり、
図8〜
図10の(c)は、
図4中のVII−VII線に沿った断面におけるポテンシャル分布である。
【0063】
光入射時において、フォトゲート電極PG1に与えられる電位(たとえば、第一〜第三ゲート電極TX1
1〜TX3
2に与えられる高い方の電位と低い方の電位の中間の電位)により、電荷発生領域のポテンシャルφPG1は、基板電位よりも若干高く設定されている。各図には、第一ゲート電極TX1
1,TX1
2の直下の領域のポテンシャルφTX1
1,φTX1
2、第二ゲート電極TX2
1,TX2
2の直下の領域のポテンシャルφTX2
1,φTX2
2、第三ゲート電極TX3
1,TX3
2の直下の領域のポテンシャルφTX3
1,φTX3
2、第一半導体領域FD1
1,FD1
2のポテンシャルφFD1
1,φFD1
2、第二半導体領域FD2
1,FD2
2のポテンシャルφFD2
1,φFD2
2、第三半導体領域FD3
1,FD3
2のポテンシャルφFD3
1,φFD3
2、及び、第四半導体領域SR1のポテンシャルφSR1が示されている。
【0064】
第一ゲート電極TX1
1,TX1
2には、電荷転送信号として、検出用ゲート信号S
1が与えられる。検出用ゲート信号S
1の高電位が第一ゲート電極TX1
1,TX1
2に入力されると、
図8の(a)に示されるように、電荷発生領域(フォトゲート電極PG1の直下の領域)で発生した電荷は、ポテンシャル勾配にしたがって、第一ゲート電極TX1
1,TX1
2の直下の領域を介して、第一半導体領域FD1
1,FD1
2のポテンシャル井戸内に蓄積される。第一半導体領域FD1
1,FD1
2のポテンシャル井戸内には、検出用ゲート信号S
1のパルスタイミングに応じて、電荷量Q1が蓄積される。蓄積された電荷量Q1に対応した電圧出力V
out1が第一半導体領域FD1
1,FD1
2から読み出される。電圧出力V
out1は、前述した信号d
1に相当する。
【0065】
このとき、フォトゲート電極PG1の直下の領域において、X方向の中央部分に位置する第四半導体領域SR1のポテンシャルφSR1は、第一長辺LS1側及び第二長辺LS2側のポテンシャルφPG1よりも高くなっている。したがって、フォトゲート電極PG1の直下の領域には、第一長辺LS1と第二長辺LS2との間にY方向に延びる高ポテンシャル領域が形成され、第四半導体領域SR1から第一長辺LS1及び第二長辺LS2に向かって低くなるポテンシャルのより一層大きな勾配が形成される。
【0066】
電荷発生領域で発生した電荷は、第四半導体領域SR1により形成される上記ポテンシャルの勾配に応じて、第一長辺LS1側の第一半導体領域FD1
1及び第二長辺LS2側の第一半導体領域FD1
2に向かって速やかに移動する。
【0067】
図8の(b)及び(c)に示されるように、第一ゲート電極TX1
1,TX1
2に検出用ゲート信号S
1が印加されている間、第二ゲート電極TX2
1,TX2
2及び第三ゲート電極TX3
1,TX3
2には、ローレベルの電位(たとえば、グランド電位)が与えられている。このため、ポテンシャルφTX2
1,TX2
2及びポテンシャルφTX3
1,TX3
2は下がらず、第二半導体領域FD2
1,FD2
2及び第三半導体領域FD3
1,FD3
2のポテンシャル井戸内には、電荷は流れ込まない。
【0068】
第二ゲート電極TX2
1,TX2
2には、電荷転送信号として、検出用ゲート信号S
2が与えられる。検出用ゲート信号S
2の高電位が第二ゲート電極TX2
1,TX2
2に入力されると、
図9の(b)に示されるように、電荷発生領域で発生した電荷は、ポテンシャル勾配にしたがって、第二ゲート電極TX2
1,TX2
2の直下の領域を介して、第二半導体領域FD2
1,FD2
2のポテンシャル井戸内に蓄積される。第二半導体領域FD2
1,FD2
2のポテンシャル井戸内には、検出用ゲート信号S
2のパルスタイミングに応じて、電荷量Q2が蓄積される。蓄積された電荷量Q2に対応した電圧出力V
out2が第二半導体領域FD2
1,FD2
2から読み出される。電圧出力V
out2は、前述した信号d
2に相当する。
【0069】
電荷発生領域で発生した電荷は、第四半導体領域SR1により形成される上記ポテンシャルの勾配に応じて、第一長辺LS1側の第二半導体領域FD2
1及び第二長辺LS2側の第二半導体領域FD2
2に向かって速やかに移動する。
【0070】
図9の(a)及び(c)に示されるように、第二ゲート電極TX2
1,TX2
2に検出用ゲート信号S
2が印加されている間、第一ゲート電極TX1
1,TX1
2及び第三ゲート電極TX3
1,TX3
2には、ローレベルの電位が与えられている。このため、ポテンシャルφTX1
1,TX1
2及びポテンシャルφTX3
1,TX3
2は下がらず、第一半導体領域FD1
1,FD1
2及び第三半導体領域FD3
1,FD3
2のポテンシャル井戸内には、電荷は流れ込まない。
【0071】
第三ゲート電極TX3
1,TX3
2には、排出用ゲート信号S
3が与えられる。排出用ゲート信号S
3の高電位が第三ゲート電極TX3
1,TX3
2に入力されると、
図10の(c)に示されるように、電荷発生領域で発生した電荷は、ポテンシャル勾配にしたがって、第三ゲート電極TX3
1,TX3
2の直下の領域を介して、第三半導体領域FD3
1,FD3
2のポテンシャル井戸内に不要電荷として流れ込む。第三半導体領域FD3
1,FD3
2のポテンシャル井戸に流入した不要電荷は、外部に排出される。第三ゲート電極TX3
1,TX3
2に正の電位が与えられる間、第一ゲート電極TX1
1,TX1
2及び第二ゲート電極TX2
1,TX2
2には、ローレベルの電位が与えられる。このため、
図10の(a)及び(b)に示されるように、ポテンシャルφTX1
1,TX1
2及びポテンシャルφTX2
1,TX2
2は下がらず、第一半導体領域FD1
1,FD1
2及び第二半導体領域FD2
1,FD2
2のポテンシャル井戸内には、電荷は流れ込まない。
【0072】
図11は、各種信号のタイミングチャートである。
【0073】
1フレームの期間は、信号電荷を蓄積する期間(蓄積期間)と、信号電荷を読み出す期間(読み出し期間)と、からなる。一つの距離センサP1に着目すると、蓄積期間において、パルス駆動信号S
Pに基づいた信号が光源に印加され、これに同期して、検出用ゲート信号S
1が第一ゲート電極TX1
1,TX1
2に印加される。続いて、検出用ゲート信号S
2が、検出用ゲート信号S
1に所定の位相差(たとえば、180度の位相差)で第二ゲート電極TX2
1,TX2
2に印加される。すなわち、第一長辺LS1側の第一及び第二ゲート電極TX1
1,TX2
1に異なる位相の電荷転送信号が与えられると共に、第二長辺LS2側の第一及び第二ゲート電極TX1
2,TX2
2に異なる位相の電荷転送信号が与えられる。距離測定に先立って、リセット信号が第一及び第二半導体領域FD1
1〜FD2
2に印加され、内部に蓄積された電荷が外部に排出される。リセット信号が一瞬ONし、続いてOFFした後、検出用ゲート信号S
1,S
2のパルスが第一及び第二ゲート電極TX1
1〜TX2
2に逐次印加され、電荷転送が行われる。そして、第一及び第二半導体領域FD1
1〜FD2
2内に信号電荷が積算して蓄積される。
【0074】
その後、読み出し期間において、第一及び第二半導体領域FD1
1〜FD2
2内に蓄積された信号電荷が読み出される。このとき、第三ゲート電極TX3
1,TX3
2に印加される排出用ゲート信号S
3がハイレベルとなり、第三ゲート電極TX3
1,TX3
2に正の電位が与えられ、不要電荷が第三半導体領域FD3
1,FD3
2のポテンシャル井戸に収集される。
【0075】
フォトゲート電極PG1に与えられる電位V
PGは、電位VTX1
1,TX1
2,VTX2
1,TX2
2,VTX3
1,TX3
2より低く設定されている。これにより、検出用ゲート信号S
1,S
2がハイレベルとなった際に、ポテンシャルφTX1
1,φTX1
2,φTX2
1,φTX2
2はポテンシャルφPG1よりも低くなる。排出用ゲート信号S
3がハイレベルとなった際に、ポテンシャルφTX3
1,φTX3
2はポテンシャルφPG1よりも低くなる。
【0076】
電位V
PGは、検出用ゲート信号S
1,S
2及び排出用ゲート信号S
3がローレベルであるときの電位より高く設定されている。検出用ゲート信号S
1,S
2がローレベルとなった際に、ポテンシャルφTX1
1,φTX1
2,φTX2
1,φTX2
2はポテンシャルφPG1よりも高くなる。排出用ゲート信号S3がローレベルとなった際に、ポテンシャルφTX3
1,φTX3
2はポテンシャルφPG1よりも高くなる。
【0077】
パルス信号S
P,S
1,S
2,S
Dのパルス幅がT
Pであるとする。パルス駆動信号S
Pに同期した検出用ゲート信号S
1がハイレベルであって、パルス検出信号S
Dがハイレベルであるときに、距離センサP1内で発生する電荷量(第一半導体領域FD1
1,FD1
2内に蓄積される電荷量)がQ1である。パルス駆動信号S
Pに180度の位相差を有した検出用ゲート信号S
2がハイレベルであって、パルス検出信号S
Dがハイレベルであるときに、距離センサP1内で発生する電荷量(第二半導体領域FD2
1,FD2
2内に蓄積される電荷量)がQ2である。
【0078】
検出用ゲート信号S
1とパルス検出信号S
Dの位相差(出射パルス光L
Pと検出パルス光L
Dとの位相差)は、前述した電荷量Q2に比例する。1画素内において発生する全電荷量をQ1+Q2とすると、Δt=T
P×Q2/(Q1+Q2)の期間だけ、パルス駆動信号S
Pに対してパルス検出信号S
Dが遅れている。一つのパルス光の飛行時間Δtは、対象物までの距離をdとし、光速をcとすると、Δt=2d/cで与えられる。このため、特定の画素からの距離情報を有する信号d
1,d
2として二つの電荷量Q1,Q2が出力されると、演算回路5は、入力された電荷量Q1,Q2と、予め判明しているパルス幅T
Pとに基づいて、対象物Hまでの距離d=(c×Δt)/2=c×T
P×Q2/(2×(Q1+Q2))を演算する。
【0079】
前述のように、電荷量Q1,Q2を分離して読み出せば、演算回路5は、距離dを演算することができる。なお、前述のパルスは繰り返して出射され、その積分値を各電荷量Q1,Q2として出力することができる。
【0080】
電荷量Q1,Q2の全体電荷量に対する比率は、前述の位相差、すなわち、対象物Hまでの距離に対応している。演算回路5は、この位相差に応じて対象物Hまでの距離を演算している。前述のように、位相差に対応する時間差をΔtとすると、距離dは、好適にはd=(c×Δt)/2で与えられるが、適当な補正演算をこれに加えて行ってもよい。たとえば、実際の距離と、演算された距離dとが異なる場合、後者を補正する係数βを予め求めておき、出荷後の製品では演算された距離dに係数βを乗じたものを最終的な演算距離dとしてもよい。外気温度を測定しておき、外気温度に応じて光速cが異なる場合には、光速cを補正する演算を行ってから、距離演算を行うこともできる。演算回路に入力された信号と、実際の距離との関係を予めメモリに記憶しておき、ルックアップテーブル方式によって、距離を演算してもよい。センサ構造によっても演算方法は変更することができ、これには従来から知られている演算方法を用いることができる。
【0081】
以上、本実施形態の距離画像センサ1の距離センサP1では、受光領域の第一長辺LS1と第二長辺LS2との間に位置する第四半導体領域SR1の直下の領域に高いポテンシャルが発生し、第一長辺LS1及び第二長辺LS2に向けてポテンシャルの傾斜が形成される。このため、入射光に応じて発生した信号電荷のうち、フォトゲート電極PG1の第一長辺LS1側の部分の直下の領域で発生した信号電荷は、第一長辺LS1に向けて加速され、フォトゲート電極PG1の第二長辺LS2側の部分の直下の領域で発生した信号電荷は、第二長辺LS2に向けて加速される。したがって、転送速度の向上を図ることができる。
【0082】
距離センサP1では、第一長辺LS1と第二長辺LS2との間に高いポテンシャルが発生し、第一長辺LS1及び第二長辺LS2の双方に向けてポテンシャルの傾斜が形成される。例えば、第一及び第二長辺LS1,LS2のいずれか一方のみに沿って第一及び第二ゲート電極TX1,TX2が配置され、第一及び第二長辺LS1,LS2の他方から一方に向けてポテンシャルの傾斜が形成される場合に比して、信号電荷の移動距離が短くなる。したがって、転送速度の向上を図ることができる。
【0083】
フォトゲート電極PG1の第一長辺LS1側の部分の直下の領域、及び、フォトゲート電極PG1の第二長辺LS2側の部分の直下の領域により、ポテンシャル調整手段である第四半導体領域SR1が共有されているため、面積の使用効率が向上されている。したがって、開口率の向上を図ることができる。
【0084】
第一辺側転送電極(TX1
1,TX2
1)及び第二辺側転送電極(TX1
2,TX2
2)の双方に異なる位相の電荷転送信号がそれぞれ入力されるため、いずれの電荷転送信号が与えられても、フォトゲート電極PG1の第一長辺LS1側の部分の直下の領域、及び、フォトゲート電極PG1の第二長辺LS2側の部分の直下の領域の双方で発生した信号電荷を取り込むことが可能になっている。したがって、信号電荷の取りこぼしが低減され、転送精度の向上を図ることができる。
【0085】
第一辺側転送電極(TX1
1,TX2
1)及び第二辺側転送電極(TX1
2,TX2
2)の双方に異なる位相の電荷転送信号がそれぞれ入力されるため、第一辺側転送電極及び第二辺側転送電極にそれぞれ一つの位相の電荷転送信号のみが入力される場合に比して、第一長辺LS1と第二長辺LS2とが対向するX方向における製造のばらつきの影響を低減することができる。したがって、転送精度の向上を図ることができる。
【0086】
距離センサP1は、第一長辺LS1側及び第二長辺LS2側のそれぞれに、第三半導体領域FD3
1,FD3
2と第三ゲート電極TX3
1,TX3
2とを備えているため、不要電荷を排出でき、転送精度の向上を図ることができる。
【0087】
受光領域は、第一領域と第二領域とを有しており、ポテンシャル調整手段は、第一領域と第二領域との間に配置された不純物濃度が高い第四半導体領域SR1であるため、高いポテンシャルを簡単な構成により発生させることができる。
【0088】
続いて、他の実施形態の距離センサの構成を説明する。
図12は、他の実施形態に係る距離センサの一部を示す平面図である。
【0089】
図12に示されるように、本実施形態の距離センサP2では、前述の距離センサP1(
図4参照)と比較して、第三半導体領域FD3
1,FD3
2及び第三ゲート電極TX3
1,TX3
2の数が少ない点で相違する。
【0090】
距離センサP2では、第三半導体領域FD3
1は、Y方向において一つ置きの第一半導体領域FD1
1と第二半導体領域FD2
1との間に配置されており、第三半導体領域FD3
2は、Y方向において一つ置きの第一半導体領域FD1
2と第二半導体領域FD2
2との間に配置されている。第三半導体領域FD3
1,FD3
2は、Y方向の両端にも配置されていてもよい。第三ゲート電極TX3
1は、Y方向において一つ置きの第一ゲート電極TX1
1と第二ゲート電極TX2
1との間に配置されており、第三ゲート電極TX3
2は、Y方向において一つ置きの第一ゲート電極TX1
2と第二ゲート電極TX2
2との間に配置されている。
【0091】
本実施形態の距離センサP2では、第四半導体領域SR1の直下の領域から第一長辺LS1及び第二長辺LS2に向けてポテンシャルの傾斜が形成されるため、転送速度の向上を図ることができる。
【0092】
フォトゲート電極PG1の第一長辺LS1側の部分の直下の領域、及び、フォトゲート電極PG1の第二長辺LS2側の部分の直下の領域により、ポテンシャル調整手段である第四半導体領域SR1が共有されているため、面積の使用効率が向上されている。したがって、開口率の向上を図ることができる。
【0093】
第一辺側転送電極(TX1
1,TX2
1)及び第二辺側転送電極(TX1
2,TX2
2)の双方に、異なる位相の電荷転送信号がそれぞれ入力されるため、信号電荷の取りこぼしが低減されると共に、X方向における製造のばらつきの影響が低減され、転送精度の向上を図ることができる。
【0094】
距離センサP2は、第一長辺LS1側及び第二長辺LS2側のそれぞれに、第三半導体領域FD3
1,FD3
2と第三ゲート電極TX3
1,TX3
2とを備えており、不要電荷を排出できるため、転送精度の向上を図ることができる。
【0095】
受光領域は、第一領域と第二領域とを有しており、ポテンシャル調整手段は、第一領域と第二領域との間に配置された不純物濃度が高い第四半導体領域SR1であるため、高いポテンシャルを簡単な構成により発生させることができる。
【0096】
続いて、さらに他の実施形態の距離センサの構成を説明する。
図13は、さらに他の実施形態に係る距離センサの一部を示す平面図である。
【0097】
図13に示されるように、本実施形態の距離センサP3は、前述の距離センサP1(
図4参照)と比較して、第三半導体領域FD3
1,FD3
2及び第三ゲート電極TX3
1,TX3
2を有していない点で相違する。
【0098】
本実施形態の距離センサP3では、第四半導体領域SR1の直観の領域から第一長辺LS1及び第二長辺LS2に向けてポテンシャルの傾斜が形成されるため、転送速度の向上を図ることができる。
【0099】
フォトゲート電極PG1の第一長辺LS1側の部分の直下の領域、及び、フォトゲート電極PG1の第二長辺LS2側の部分の直下の領域により、ポテンシャル調整手段である第四半導体領域SR1が共有されているため、面積の使用効率が向上されている。したがって、開口率の向上を図ることができる。
【0100】
第一辺側転送電極(TX1
1,TX2
1)及び第二辺側転送電極(TX1
2,TX2
2)の双方に、異なる位相の電荷転送信号がそれぞれ入力されるため、信号電荷の取りこぼしが低減されると共に、X方向における製造のばらつきの影響が低減され、転送精度の向上を図ることができる。
【0101】
受光領域は、第一領域と第二領域とを有しており、ポテンシャル調整手段は、第一領域と第二領域との間に配置された不純物濃度が高い第四半導体領域SR1であるため、高いポテンシャルを簡単な構成により発生させることができる。
【0102】
続いて、さらに他の実施形態の距離センサの構成を説明する。
図14は、さらに他の実施形態に係る距離センサの一部を示す平面図である。
【0103】
図14に示されるように、本実施形態の距離センサP4では、前述の距離センサP1(
図4参照)と比較して、半導体領域及び電極の配置が、第一長辺LS1側と第二長辺LS2側とで異なる点で相違する。
【0104】
距離センサP4では、異なる位相の電荷転送信号が与えられる第一ゲート電極TX1
1と第二ゲート電極TX2
2とがX方向において互いに対向し、異なる位相の電荷転送信号が与えられる第二ゲート電極TX2
1と第一ゲート電極TX1
2とがX方向において互いに対向している。これにより、検出用ゲート信号S
1,S
2の入力位置が、それぞれ第一長辺LS1側と第二長辺LS2側とで異なっている。第一半導体領域FD1
1と第二半導体領域FD2
2とはX方向において互いに対向し、第二半導体領域FD2
1と第一半導体領域FD1
2とはX方向において互いに対向している。
【0105】
本実施形態の距離センサP4では、第四半導体領域SR1の直下の領域から第一長辺LS1及び第二長辺LS2に向けてポテンシャルの傾斜が形成されるため、転送速度の向上を図ることができる。
【0106】
フォトゲート電極PG1の第一長辺LS1側の部分の直下の領域、及び、フォトゲート電極PG1の第二長辺LS2側の部分の直下の領域により、ポテンシャル調整手段である第四半導体領域SR1が共有されているため、面積の使用効率が向上されている。したがって、開口率の向上を図ることができる。
【0107】
第一辺側転送電極(TX1
1,TX2
1)及び第二辺側転送電極(TX1
2,TX2
2)の双方に、異なる位相の電荷転送信号がそれぞれ入力されるため、信号電荷の取りこぼしが低減されると共に、X方向における製造のばらつきの影響が低減され、転送精度の向上を図ることができる。
【0108】
異なる位相の電荷転送信号が与えられる第一ゲート電極TX1
1と第二ゲート電極TX2
2とがX方向において互いに対向し、異なる位相の電荷転送信号が与えられる第二ゲート電極TX2
1と第一ゲート電極TX1
2とがX方向において互いに対向するように配置されているため、同じ位相の検出用ゲート信号の入力位置が、第一長辺LS1側と第二長辺LS2側とで異なっており、検出用ゲート信号の入力位置による依存性を相殺することができる。したがって、転送精度の向上を図ることができる。
【0109】
距離センサP4は、第一長辺LS1側及び第二長辺LS2側のそれぞれに、第三半導体領域FD3
1,FD3
2と第三ゲート電極TX3
1,TX3
2とを備えており、不要電荷を排出できるため、転送精度の向上を図ることができる。
【0110】
受光領域は、第一領域と第二領域とを有しており、ポテンシャル調整手段は、第一領域と第二領域との間に配置された不純物濃度が高い第四半導体領域SR1であるため、高いポテンシャルを簡単な構成により発生させることができる。
【0111】
続いて、さらに他の実施形態の距離センサの構成を説明する。
図15は、さらに他の実施形態に係る距離センサの一部を示す平面図である。
【0112】
図15に示されるように、本実施形態の距離センサP5では、前述の距離センサP2(
図12参照)と比較して、半導体領域及び電極の配置が、第一長辺LS1側と第二長辺LS2側とで異なる点で相違する。
【0113】
距離センサP5では、異なる位相の電荷転送信号が与えられる第一ゲート電極TX1
1と第二ゲート電極TX2
2とがX方向において互いに対向し、異なる位相の電荷転送信号が与えられる第二ゲート電極TX2
1と第一ゲート電極TX1
2とがX方向において互いに対向している。これにより、検出用ゲート信号S
1,S
2の入力位置が、それぞれ第一長辺LS1側と第二長辺LS2側とで異なっている。第一半導体領域FD1
1と第二半導体領域FD2
2とはX方向において互いに対向し、第二半導体領域FD2
1と第一半導体領域FD1
2とはX方向において互いに対向している。
【0114】
本実施形態の距離センサP5では、第四半導体領域SR1の直下の領域から第一長辺LS1及び第二長辺LS2に向けてポテンシャルの傾斜が形成されるため、転送速度の向上を図ることができる。
【0115】
フォトゲート電極PG1の第一長辺LS1側の部分の直下の領域、及び、フォトゲート電極PG1の第二長辺LS2側の部分の直下の領域により、ポテンシャル調整手段である第四半導体領域SR1が共有されているため、面積の使用効率が向上されている。したがって、開口率の向上を図ることができる。
【0116】
第一辺側転送電極(TX1
1,TX2
1)及び第二辺側転送電極(TX1
2,TX2
2)の双方に、異なる位相の電荷転送信号がそれぞれ入力されるため、信号電荷の取りこぼしが低減されると共に、X方向における製造のばらつきの影響が低減され、転送精度の向上を図ることができる。
【0117】
異なる位相の電荷転送信号が与えられる第一ゲート電極TX1
1と第二ゲート電極TX2
2とがX方向において互いに対向し、異なる位相の電荷転送信号が与えられる第二ゲート電極TX2
1と第一ゲート電極TX1
2とがX方向において互いに対向するように配置されているため、同じ位相の検出用ゲート信号の入力位置が、第一長辺LS1側と第二長辺LS2側とで異なっており、検出用ゲート信号の入力位置による依存性を相殺することができる。したがって、転送精度の向上を図ることができる。
【0118】
受光領域は、第一領域と第二領域とを有しており、ポテンシャル調整手段は、第一領域と第二領域との間に配置された不純物濃度が高い第四半導体領域SR1であるため、高いポテンシャルを簡単な構成により発生させることができる。
【0119】
続いて、さらに他の実施形態の距離センサの構成を説明する。
図16は、さらに他の実施形態に係る距離センサの一部を示す平面図である。
【0120】
図16に示されるように、本実施形態の距離センサP6では、前述の距離センサP2(
図12参照)と比較して、半導体領域及び電極の位置が、第一長辺LS1側と第二長辺LS2側とでずれている点で相違する。
【0121】
距離センサP6では、第一長辺LS1側の第一及び第二ゲート電極TX1
1,TX2
1と、第二長辺LS2側の第一及び第二ゲート電極TX1
2,TX2
2とは、Y方向で位置が互いにずれるように配置されている。これにより、検出用ゲート信号S
1,S
2の入力位置が、それぞれ第一長辺LS1側と第二長辺LS2側とで異なっている。第一長辺LS1側の第一及び第二半導体領域FD1
1,FD2
1と、第二長辺LS2側の第一及び第二半導体領域FD1
2,FD2
2とは、Y方向で位置が互いにずれるように配置されている。
【0122】
本実施形態の距離センサP6では、第四半導体領域SR1の直下の領域から第一長辺LS1及び第二長辺LS2に向けてポテンシャルの傾斜が形成されるため、転送速度の向上を図ることができる。
【0123】
フォトゲート電極PG1の第一長辺LS1側の部分の直下の領域、及び、フォトゲート電極PG1の第二長辺LS2側の部分の直下の領域により、ポテンシャル調整手段である第四半導体領域SR1が共有されているため、面積の使用効率が向上されている。したがって、開口率の向上を図ることができる。
【0124】
第一辺側転送電極(TX1
1,TX2
1)及び第二辺側転送電極(TX1
2,TX2
2)の双方に、異なる位相の電荷転送信号がそれぞれ入力されるため、信号電荷の取りこぼしが低減されると共に、X方向における製造のばらつきの影響が低減され、転送精度の向上を図ることができる。
【0125】
第一長辺LS1側の第一及び第二ゲート電極TX1
1,TX2
1と、第二長辺LS2側の第一及び第二ゲート電極TX1
2,TX2
2とは、第一及び第二長辺LS1,LS2が延びるY方向で位置が互いにずれるように配置されているため、同じ位相の電荷転送信号の入力位置が、第一長辺LS1側と第二長辺LS2側とで異なり、電荷転送信号の入力位置による依存性を相殺することができる。したがって、転送精度の向上を図ることができる。
【0126】
距離センサP6は、第一長辺LS1側及び第二長辺LS2側のそれぞれに、第三半導体領域FD3
1,FD3
2と第三ゲート電極TX3
1,TX3
2とを備えており、不要電荷を排出できるため、転送精度の向上を図ることができる。
【0127】
受光領域は、第一領域と第二領域とを有しており、ポテンシャル調整手段は、第一領域と第二領域との間に配置された不純物濃度が高い第四半導体領域SR1であるため、高いポテンシャルを簡単な構成により発生させることができる。
【0128】
続いて、さらに他の実施形態の距離センサの構成を説明する。
図17は、さらに他の実施形態に係る距離センサの一部を示す平面図である。
【0129】
図17に示されるように、本実施形態の距離センサP7は、前述の距離センサP2(
図12参照)と比較して、第一ゲート電極TX1
1,TX1
2に代えて、第一ゲート電極TX1
1,TX1
2と形状の異なる第四ゲート電極TX4
1,TX4
2を備えており、第二ゲート電極TX2
1,TX2
2に代えて、第二ゲート電極TX2
1,TX2
2と形状の異なる第五ゲート電極TX5
1,TX5
2を備えている点で相違する。
【0130】
第一長辺LS1側において、Y方向において互いに隣り合う第四ゲート電極TX4
1と第五ゲート電極TX5
1との対がY方向に沿って複数形成されており、長辺LS2側において、Y方向において互いに隣り合う第四ゲート電極TX4
2と第五ゲート電極TX5
2との対がY方向に沿って複数形成されている。第一長辺LS1側の対同士の間には第三ゲート電極TX3
1が配置され、第二長辺LS2側の対同士の間には第三ゲート電極TX3
2が配置されている。
【0131】
第四及び第五ゲート電極TX4
1〜TX5
2は、それぞれ、平面視において、L字状を呈している。第四及び第五ゲート電極TX4
1〜TX5
2は、それぞれ、第一部分TX10と第二部分TX20とを有している。第一部分TX10は、Y方向に沿って延びており、平面視においてY方向が長辺方向である長方形状を呈している。第二部分TX20は、第一部分TX10において、隣り合う第一部分TX10に対して遠い側の端部からX方向に沿って延びており、平面視においてX方向が長辺方向である長方形状を呈している。第二部分TX20は、平面視において、受光領域と重なる部分を有している。
【0132】
フォトゲート電極PG1は、各長辺において、第四及び第五ゲート電極TX4
1〜TX5
2を避けるように、平面視において、一部が窪んだ形状を呈している。第二部分TX20は、平面視において、フォトゲート電極PG1に囲まれている。具体的には、第二部分TX20は、第二部分TX20の縁に含まれる三辺にわたって、フォトゲート電極PG1に囲まれている。
【0133】
前述のように、半導体基板1Aの受光領域において、フォトゲート電極PG1に対応する領域(フォトゲート電極PG1の直下の領域)は、入射光に応じて電荷が発生する電荷発生領域として機能する。第四及び第五ゲート電極TX4
1〜TX5
2はポリシリコンからなるため、光は第四及び第五ゲート電極TX4
1〜TX5
2の第二部分TX20を透過して半導体基板1Aに入射する。したがって、半導体基板1Aにおける第二部分TX20の直下の領域も、電荷発生領域として機能する。このため、本実施形態においては、平面視において、受光領域の形状と、電荷発生領域の形状とは、一致している。第二部分TX20は、電荷発生領域とも重複して位置する。第四及び第五ゲート電極TX4
1〜TX5
2が光を透過しない材料からなる場合は、電荷発生領域はフォトゲート電極PG1により規定されることとなり、受光領域の形状と電荷発生領域の形状とは一致しない。
【0134】
本実施形態の距離センサP7では、第四半導体領域SR1の直下の領域から第一長辺LS1及び第二長辺LS2に向けてポテンシャルの傾斜が形成されるため、転送速度の向上を図ることができる。
【0135】
フォトゲート電極PG1の第一長辺LS1側の部分の直下の領域、及び、フォトゲート電極PG1の第二長辺LS2側の部分の直下の領域により、ポテンシャル調整手段である第四半導体領域SR1が共有されているため、面積の使用効率が向上されている。したがって、開口率の向上を図ることができる。
【0136】
第一辺側転送電極(TX4
1,TX5
1)及び第二辺側転送電極(TX4
2,TX5
2)の双方に、異なる位相の電荷転送信号がそれぞれ入力されるため、信号電荷の取りこぼしが低減されると共に、X方向における製造のばらつきの影響が低減され、転送精度の向上を図ることができる。
【0137】
距離センサP7は、第一長辺LS1側及び第二長辺LS2側のそれぞれに、第三半導体領域FD3
1,FD3
2と第三ゲート電極TX3
1,TX3
2とを備えており、不要電荷を排出できるため、転送精度の向上を図ることができる。
【0138】
受光領域は、第一領域と第二領域とを有しており、ポテンシャル調整手段は、第一領域と第二領域との間に配置された不純物濃度が高い第四半導体領域SR1であるため、高いポテンシャルを簡単な構成により発生させることができる。
【0139】
第一長辺LS1側の複数の転送電極は、異なる位相の信号が与えられ、Y方向において互いに隣り合う第四ゲート電極TX4
1と第五ゲート電極TX5
1との対を有し、長辺LS2側の複数の転送電極は、異なる位相の信号が与えられ、Y方向において互いに隣り合う第四ゲート電極TX4
2と第五ゲート電極TX5
2との対を有しており、各第四及び第五ゲート電極TX4
1〜TX5
2は、Y方向に沿って延びる第一部分TX10と、第一部分TX10において、隣り合う第一部分TX10に対して遠い側の端部から、受光領域と重なるように延びる第二部分TX20と、を有している。信号電荷の転送を行うときに、対の転送電極のうち、信号電荷の転送を行っていない転送電極の直下の領域では、ポテンシャルが高められることになる。したがって、受光領域において、信号電荷の転送を行っていない転送電極の第二部分TX20の直下の領域からY方向に沿ったポテンシャルの傾斜が発生し、Y方向に信号電荷が速やかに移動する。したがって、転送速度の向上を図ることができる。特に、距離センサP7のように、Y方向に長尺である構成においては、本実施形態の効果が好適に発揮される。
【0140】
続いて、さらに他の実施形態の距離センサの構成を説明する。
図18は、さらに他の実施形態に係る距離センサの一部を示す平面図である。
【0141】
図18に示されるように、本実施形態の距離センサP8は、前述の距離センサP2(
図12参照)と比較して、第三ゲート電極TX3
1,TX3
2に代えて、第三ゲート電極TX3
1,TX3
2と形状の異なる第六ゲート電極TX6
1,TX6
2を備えている点で相違する。
【0142】
第六ゲート電極TX6
1,TX6
2は、平面視において、T字状を呈している。第六ゲート電極TX6
1,TX6
2は、第三部分TX30と第四部分TX40とを有している。第三部分TX30は、Y方向に沿って延びており、平面視においてY方向が長辺方向である長方形状を呈している。第四部分TX40は、第三部分TX30において、Y方向における中央部分からX方向に沿って延びており、平面視においてX方向が長辺方向である長方形状を呈している。第四部分TX40は、平面視において、受光領域と重なる部分を有している。
【0143】
フォトゲート電極PG1は、各長辺において、第六ゲート電極TX6
1,TX6
2の第四部分TX40を避けるように、平面視において一部が窪んだ形状を呈している。第四部分TX40は、平面視においてフォトゲート電極PG1に囲まれている。具体的には、第四部分TX40は、第四部分TX40の縁に含まれる三辺にわたって、フォトゲート電極PG1に囲まれている。
【0144】
前述のように、半導体基板1Aの受光領域において、フォトゲート電極PG1に対応する領域(フォトゲート電極PG1の直下の領域)は、入射光に応じて電荷が発生する電荷発生領域として機能する。第六ゲート電極TX6
1,TX6
2はポリシリコンからなるため、光は第六ゲート電極TX6
1,TX6
2の第四部分TX40を透過して半導体基板1Aに入射する。したがって、半導体基板1Aにおける第四部分TX40の直下の領域も、電荷発生領域として機能する。このため、本実施形態においては、平面視において、受光領域の形状と、電荷発生領域の形状とは、一致している。第四部分TX40は、電荷発生領域とも重複して位置する。第六ゲート電極TX6
1,TX6
2が光を透過しない材料からなる場合は、電荷発生領域はフォトゲート電極PG1により規定されることとなり、受光領域の形状と電荷発生領域の形状とは一致しない。
【0145】
本実施形態の距離センサP8では、第四半導体領域SR1の直下の領域から第一長辺LS1及び第二長辺LS2に向けてポテンシャルの傾斜が形成されるため、転送速度の向上を図ることができる。
【0146】
フォトゲート電極PG1の第一長辺LS1側の部分の直下の領域、及び、フォトゲート電極PG1の第二長辺LS2側の部分の直下の領域により、ポテンシャル調整手段である第四半導体領域SR1が共有されているため、面積の使用効率が向上されている。したがって、開口率の向上を図ることができる。
【0147】
第一辺側転送電極(TX1
1,TX2
1)及び第二辺側転送電極(TX1
2,TX2
2)の双方に、異なる位相の電荷転送信号がそれぞれ入力されるため、信号電荷の取りこぼしが低減されると共に、X方向における製造のばらつきの影響が低減され、転送精度の向上を図ることができる。
【0148】
距離センサP8は、第一長辺LS1側及び第二長辺LS2側のそれぞれに、第三半導体領域FD3
1,FD3
2と第六ゲート電極TX6
1,TX6
2とを備えており、不要電荷を排出できるため、転送精度の向上を図ることができる。
【0149】
第六ゲート電極TX6
1,TX6
2は、第一及び第二長辺LS1,LS2が延びるY方向に沿って延びる第三部分TX30と、受光領域と重なるように第三部分TX30から延びる第四部分TX40と、を有している。信号電荷の転送を行うときに、第六ゲート電極TX6
1,TX6
2の直下の領域では、ポテンシャルが高められることになる。したがって、受光領域において、第六ゲート電極TX6
1,TX6
2の第四部分TX40の直下の領域から周囲に向けて、Y方向に沿ったポテンシャルの傾斜が発生し、Y方向に信号電荷が速やかに移動する。したがって、転送速度の向上を図ることができる。特に、距離センサP8のように、Y方向に長尺である構成においては、本実施形態の効果が好適に発揮される。
【0150】
受光領域は、第一領域と第二領域とを有しており、ポテンシャル調整手段は、第一領域と第二領域との間に配置された不純物濃度が高い第四半導体領域SR1であるため、高いポテンシャルを簡単な構成により発生させることができる。
【0151】
続いて、さらに他の実施形態の距離センサの構成を説明する。
図19は、さらに他の実施形態に係る距離センサの一部を示す平面図である。
【0152】
図19に示されるように、本実施形態の距離センサP9は、前述の距離センサP2(
図12参照)と比較して、第四半導体領域SR1に代えて、第四半導体領域SR1と構成の異なる第六半導体領域SR3を備えている点で相違する。
【0153】
第六半導体領域SR3は、受光領域における第一長辺LS1側の第一領域と第二長辺LS2側の第二領域との間において、Y方向に沿って互いに離間して複数配置されている。第六半導体領域SR3は、平面視において矩形状(詳細には、X方向が長辺方向である長方形状)を呈している。Y方向における第六半導体領域SR3,SR3同士の間においては、受光領域の第一領域と第二領域とが連結されている。
【0154】
図20は、
図19中のXX−XX線に沿った断面におけるポテンシャル分布を示す図である。フォトゲート電極PG1の直下の領域において、X方向の中央部分のポテンシャルは、第六半導体領域SR3の直下の領域においてポテンシャルφSR3となっており、第一長辺LS1側及び第二長辺LS2側のポテンシャルφPG1よりも高くなっている。第六半導体領域SR3,SR3同士の間のポテンシャルも、第六半導体領域SR3の直下の領域のポテンシャルφSR3の影響により、第一長辺LS1側及び第二長辺LS2側のポテンシャルφPG1よりも高くなっている。したがって、フォトゲート電極PG1の直下の領域には、第一長辺LS1と第二長辺LS2との間にY方向に延びる高ポテンシャル領域が形成され、第六半導体領域SR3の直下の領域から第一長辺LS1及び第二長辺LS2に向かって低くなるポテンシャルのより一層大きな勾配が形成される。
【0155】
本実施形態の距離センサP9では、第六半導体領域SR3を含む高ポテンシャル領域から第一長辺LS1及び第二長辺LS2に向けてポテンシャルの傾斜が形成されるため、転送速度の向上を図ることができる。
【0156】
フォトゲート電極PG1の第一長辺LS1側の部分の直下の領域、及び、フォトゲート電極PG1の第二長辺LS2側の部分の直下の領域により、ポテンシャル調整手段である第六半導体領域SR3が共有されているため、面積の使用効率が向上されている。したがって、開口率の向上を図ることができる。
【0157】
第一辺側転送電極(TX1
1,TX2
1)及び第二辺側転送電極(TX1
2,TX2
2)の双方に、異なる位相の電荷転送信号がそれぞれ入力されるため、信号電荷の取りこぼしが低減されると共に、X方向における製造のばらつきの影響が低減され、転送精度の向上を図ることができる。
【0158】
距離センサP9は、第一長辺LS1側及び第二長辺LS2側のそれぞれに、第三半導体領域FD3
1,FD3
2と第三ゲート電極TX3
1,TX3
2とを備えており、不要電荷を排出できるため、転送精度の向上を図ることができる。
【0159】
受光領域は、第一領域と第二領域とを有しており、ポテンシャル調整手段は、第一領域と第二領域との間に配置された不純物濃度が高い第六半導体領域SR3であるため、高いポテンシャルを簡単な構成により発生させることができる。
【0160】
続いて、さらに他の実施形態の距離センサの構成を説明する。
図21は、さらに他の実施形態に係る距離センサの一部を示す平面図である。
図22は、
図21中のXXII−XXII線に沿った断面図である。
【0161】
図21,22に示されるように、本実施形態の距離センサP10は、前述の距離センサP1(
図4参照)と比較して、受光領域の構成(遮光層LIの開口LIaの構成)及びフォトゲート電極PG1の構成が相違する。
【0162】
距離センサP10では、遮光層LIの開口LIaは、受光領域に第四半導体領域SR1が含まれないように、X方向に互いに離間して二つ設けられている。各開口LIaは、Y方向を長辺方向とする長方形状を呈している。
【0163】
二つの開口LIaにより、半導体基板1Aには受光領域が規定される。受光領域は、二つの開口LIaの形状に対応しており、X方向において二つに分かれている。分かれた受光領域の各部分は、Y方向を長辺方向とする長方形状を呈している。受光領域の一方側(
図21,22において左側)の部分は、X方向において互いに対向し、それぞれY方向に延びる第一長辺LS1及び第三長辺LS3を有している。受光領域の他方側の部分は、X方向において互いに対向し、それぞれY方向に延びる第二長辺LS2及び第四長辺LS4を有している。第一〜第四長辺LS1〜LS4の長さは、第一長辺LS1と第二長辺LS2との間隔よりも長い。
【0164】
フォトゲート電極PG1は、二つの開口LIaに対応して配置されており、X方向において二つに分かれている。すなわち、フォトゲート電極PG1は、第四半導体領域SR1上には配置されていない。分かれたフォトゲート電極PG1の各部分は、開口LIaの形状に対応しており、Y方向が長辺方向である長方形状を呈している。
【0165】
なお、距離センサP10においては、第五半導体領域SR2は設けられていない。
【0166】
距離センサP10においても、前述の距離センサP1と同様に、第四半導体領域SR1の直下の領域のポテンシャルが第一長辺LS1側及び第二長辺LS2側のポテンシャルよりも高くなっている。したがって、第一長辺LS1と第二長辺LS2との間の第四半導体領域SR1にY方向に延びる高ポテンシャル領域が形成され、第四半導体領域SR1の直下の領域から第一長辺LS1及び第二長辺LS2に向かって低くなるポテンシャルのより一層大きな勾配が形成される。
【0167】
本実施形態の距離センサP10では、第四半導体領域SR1の直下の領域から第一長辺LS1及び第二長辺LS2に向けてポテンシャルの傾斜が形成されるため、転送速度の向上を図ることができる。
【0168】
フォトゲート電極PG1の第一長辺LS1側の部分の直下の領域、及び、フォトゲート電極PG1の第二長辺LS2側の部分の直下の領域により、ポテンシャル調整手段である第四半導体領域SR1が共有されているため、面積の使用効率が向上されている。したがって、開口率の向上を図ることができる。
【0169】
第一辺側転送電極(TX1
1,TX2
1)及び第二辺側転送電極(TX1
2,TX2
2)の双方に、異なる位相の電荷転送信号がそれぞれ入力されるため、信号電荷の取りこぼしが低減されると共に、X方向における製造のばらつきの影響が低減され、転送精度の向上を図ることができる。
【0170】
距離センサP10は、第一長辺LS1側及び第二長辺LS2側のそれぞれに、第三半導体領域FD3
1,FD3
2と第三ゲート電極TX3
1,TX3
2とを備えており、不要電荷を排出できるため、転送精度の向上を図ることができる。
【0171】
受光領域は、第一領域と第二領域とを有しており、ポテンシャル調整手段は、第一領域と第二領域との間に配置された不純物濃度が高い第四半導体領域SR1であるため、高いポテンシャルを簡単な構成により発生させることができる。
【0172】
続いて、さらに他の実施形態の距離センサの構成を説明する。
図23は、さらに他の実施形態に係る距離センサの一部を示す平面図である。
図24は、
図23中のXXIV−XXIV線に沿った断面図である。
【0173】
図23,24に示されるように、本実施形態の距離センサP11は、前述の距離センサP1(
図4参照)と比較して、ポテンシャル調整手段の構成が異なる点で相違する。具体的には、フォトゲート電極PG1の構成が異なる点、ポテンシャル調整電極PG2を更に備えている点、及び、第四半導体領域SR1が設けられていない点で相違する。
【0174】
距離センサP10では、フォトゲート電極PG1は、X方向において二つに分かれている。分かれたフォトゲート電極PG1の各部分は、それぞれY方向が長辺方向である長方形状を呈している。分かれたフォトゲート電極PG1の第一長辺LS1側の部分は、第一電極部分として機能する。分かれたフォトゲート電極PG1の第二長辺LS2側の部分は、第二電極部分として機能する。
【0175】
ポテンシャル調整電極PG2は、絶縁層1Eを介して、光入射面1FT上に設けられている。ポテンシャル調整電極PG2は、フォトゲート電極PG1の第一電極部分と第二電極部分との間に、これらと離間して配置されている。すなわち、ポテンシャル調整電極PG2は、フォトゲート電極PG1の第一電極部分及び第二電極部分と電気的に分離されている。ポテンシャル調整電極PG2は、平面視において、Y方向が長辺方向である長方形状を呈している。ポテンシャル調整電極PG2はポリシリコンからなるが、他の材料からなっていてもよい。
【0176】
ポテンシャル調整電極PG2には、フォトゲート電極PG1に与えられる電位よりも低い電位が与えられる。これにより、ポテンシャル調整電極PG2の直下の領域のポテンシャルは、第一長辺LS1側及び第二長辺LS2側のポテンシャル(フォトゲート電極PG1の直下の領域のポテンシャル)よりも高くなる。したがって、第一長辺LS1と第二長辺LS2との間のポテンシャル調整電極PG2の直下の領域にY方向に延びる高ポテンシャル領域が形成され、ポテンシャル調整電極PG2の直下の領域から第一長辺LS1及び第二長辺LS2に向かって低くなるポテンシャルのより一層大きな勾配が形成される。
【0177】
なお、距離センサP10においては、第五半導体領域SR2は設けられていない。
【0178】
本実施形態の距離センサP11では、ポテンシャル調整電極PG2の直下の領域から第一長辺LS1及び第二長辺LS2に向けてポテンシャルの傾斜が形成されるため、転送速度の向上を図ることができる。
【0179】
フォトゲート電極PG1の第一長辺LS1側の部分の直下の領域、及び、フォトゲート電極PG1の第二長辺LS2側の部分の直下の領域により、ポテンシャル調整手段であるポテンシャル調整電極PG2が共有されているため、面積の使用効率が向上されている。したがって、開口率の向上を図ることができる。
【0180】
第一辺側転送電極(TX1
1,TX2
1)及び第二辺側転送電極(TX1
2,TX2
2)の双方に、異なる位相の電荷転送信号がそれぞれ入力されるため、信号電荷の取りこぼしが低減されると共に、X方向における製造のばらつきの影響が低減され、転送精度の向上を図ることができる。
【0181】
距離センサP11は、第一長辺LS1側及び第二長辺LS2側のそれぞれに、第三半導体領域FD3
1,FD3
2と第三ゲート電極TX3
1,TX3
2とを備えており、不要電荷を排出できるため、転送精度の向上を図ることができる。
【0182】
フォトゲート電極PG1は、受光領域における第一長辺LS1側の領域上に配置される第一電極部分と、第一長辺LS1と第二長辺LS2とが対向するX方向において第一電極部分と離間し且つ受光領域における第二長辺側の領域上に配置される第二電極部分と、を有しており、ポテンシャル調整手段は、第一電極部分と第二電極部分との間に第一及び第二電極部分と電気的に分離して配置されると共に、フォトゲート電極PG1に与えられる電位よりも低い電位が与えられるポテンシャル調整電極PG2であるため、フォトゲート電極PG1及びポテンシャル調整電極PG2に与える電位を調節することにより、ポテンシャルの傾斜量を好適に調節することができる。
【0183】
以上、本発明の好適な実施形態について説明してきたが、本発明は必ずしも前述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
【0184】
距離画像センサ1は、表面入射型の距離画像センサに限られない。距離画像センサ1は、裏面照射型の距離画像センサであってもよい。
【0185】
入射光に応じて電荷が発生する電荷発生領域をフォトダイオード(たとえば、埋め込み型のフォトダイオードなど)により構成してもよい。距離画像センサ1は、距離センサP1〜10が一次元状に配置されたものに限られることなく、距離センサP1〜10が二次元状に配置されたものであってもよい。
【0186】
本実施形態に係る距離画像センサ1におけるp型及びn型の各導電型は、前述したものとは逆になるよう入れ替えられていてもよい。
【0187】
本発明は、例えば、工場の製造ラインにおける製品モニタ、又は、車両などに搭載される距離センサ及び距離画像センサ等に利用できる。