(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6010436
(24)【登録日】2016年9月23日
(45)【発行日】2016年10月19日
(54)【発明の名称】点灯制御装置、照明装置
(51)【国際特許分類】
H05B 37/02 20060101AFI20161006BHJP
【FI】
H05B37/02 J
【請求項の数】4
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2012-255536(P2012-255536)
(22)【出願日】2012年11月21日
(65)【公開番号】特開2014-103039(P2014-103039A)
(43)【公開日】2014年6月5日
【審査請求日】2015年10月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002303
【氏名又は名称】スタンレー電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001184
【氏名又は名称】特許業務法人むつきパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】石川 清光
(72)【発明者】
【氏名】廣瀬 洋一
【審査官】
田中 友章
(56)【参考文献】
【文献】
特開2006−261682(JP,A)
【文献】
特開2004−319583(JP,A)
【文献】
特開2012−227096(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 37/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
各々が発光素子とスイッチを有し、互いに並列接続された複数の光源の点灯を制御する点灯制御装置であって、
動作の有効/無効を選択するための制御端を有するDC−DCコンバータと、
一端が前記DC−DCコンバータの出力端と接続され、他端が前記複数の光源と接続された第1の抵抗素子と、
一端が電源と接続され、他端が前記DC−DCコンバータの出力端及び前記第1の抵抗素子の一端と接続された第2の抵抗素子と、
非反転入力端が前記第1の抵抗素子の一端と接続され、反転入力端が前記第1の抵抗素子の他端と接続され、出力端が前記DC−DCコンバータの制御端と接続された比較器、
を含む、点灯制御装置。
【請求項2】
前記DC−DCコンバータの出力端と前記第1の抵抗素子の一端との間に介在するダイオードを更に備える、
請求項1に記載の点灯制御装置。
【請求項3】
前記DC−DCコンバータの出力端と前記第1の抵抗素子の一端との間に電流路を接続され、前記比較器の出力端と制御端を接続されたスイッチング素子を更に備える、
請求項1に記載の点灯制御装置。
【請求項4】
請求項1〜3の何れか1項に記載の点灯制御装置と、
この点灯制御装置によって点灯制御される複数の光源と、
を備える、照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LED(発光ダイオード)などの発光素子を用いた照明技術に関し、特に、例えば車両の室内における複数の箇所で照明を行う際に適した照明技術に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、車両の室内を照明する場合には、例えば
図4に示すように運転席側、後部座席側、トランクスペース側など複数の箇所にそれぞれ光源1a、1b、1c、1d、1eを配置し、それらを独立に点灯/消灯したいという要望がある。そして、各光源として近年では、省電力化の観点から従来の電球をLEDによる光源に置き換える動きも進んでいる。これに関する先行例は、例えば特開2007−276671号公報(特許文献1)や特開2010−55841号公報(特許文献2)に開示されている。しかし、これらの先行例に開示された車載用LED照明システムおよび車室用照明装置はいずれも比較的に複雑な回路構成を有している。このため、よりシンプルな回路構成による照明技術が望まれている。
【0003】
図5は、LEDを用いた照明装置の参考例を示す回路図である。図示の照明装置は、各光源1a、1b、1c、1d、1eが並列に接続されており、それらの一端側が共通にDC−DCコンバータ2と接続され、他端側が接地端子(基準電位端子)に接続されている。DC−DCコンバータ2にはバッテリー(電源)6から電圧が供給される。各光源1a等は、それぞれ、抵抗素子とLEDとスイッチを直列に接続されており、抵抗素子側がDC−DCコンバータ2に接続され、スイッチ側が接地端子に接続されている。このような構成によれば、DC−DCコンバータ2および抵抗素子を用いることで各LEDに流れる電流の定電流化が実現される。
【0004】
ところで、
図5に示した参考例の照明装置では、例えば全ての光源がオフ状態となっている場合であっても、その”オフ状態”であることを何らかの手段により検出しなければDC−DCコンバータ2は動作し続けることになるので、低消費電力化の観点で改良の余地がある。これに対しては、例えば各光源1a等に含まれる各スイッチの開閉状態をDC−DCコンバータ2へ伝達する配線を追加することも考えられる。しかし、その場合には配線数が増加するため、特に車室内で用いられる照明装置を考えた場合には望ましくない。他方で、各光源1a等のそれぞれに対して一対一にDC−DCコンバータを設けることも考えられるが、この場合はDC−DCコンバータの数が増加するためコストの面で望ましくない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−276671号公報
【特許文献2】特開2010−55841号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明に係る具体的態様は、比較的に簡素な構成により、LED等の発光素子を用いた照明装置における低消費電力化を達成することが可能な照明技術を提供することを目的の1つとする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る一態様の点灯制御装置は、各々が発光素子とスイッチを有し、互いに並列接続された複数の光源の点灯を制御する点灯制御装置であって、(a)動作の有効/無効を選択するための制御端を有するDC−DCコンバータと、(b)一端がDC−DCコンバータの出力端と接続され、他端が複数の光源と接続された第1の抵抗素子と、(c)一端が電源と接続され、他端がDC−DCコンバータの出力端及び第1の抵抗素子の一端と接続された第2の抵抗素子と、(d)非反転入力端が第1の抵抗素子の一端と接続され、反転入力端が第1の抵抗素子の他端と接続され、出力端がDC−DCコンバータの制御端と接続された比較器を含む、点灯制御装置である。なお、本明細書における「接続」の意味には、本発明の目的を達成するために必要な動作を阻害しない形で回路素子等の回路要素間に他の回路要素が介在している場合も含むものとする。
【0008】
上記構成によれば、1つのDC−DCコンバータを用いて複数の光源を点灯制御することが可能であり、光源からDC−DCコンバータへ延びる配線が少なく済むため、回路構成を簡素化することができる。また、すべての光源が消灯状態であるときには自律的にDC−DCコンバータも動作を停止させられるので低消費電力化を達成することができる。
【0009】
上記の点灯制御装置は、DC−DCコンバータの出力端と第1の抵抗素子の一端との間に介在するダイオードを更に備えることも好ましい。
【0010】
これにより、第2の抵抗素子を介してDC−DCコンバータの出力端への電流の流入を防ぐことができるので、点灯制御装置の動作をより安定化させることができる。
【0011】
上記の点灯制御装置は、DC−DCコンバータの出力端と第1の抵抗素子の一端との間に電流路を接続され、比較器の出力端と制御端を接続されたスイッチング素子を更に備えることも好ましい。
【0012】
これによれば、第2の抵抗素子を介してDC−DCコンバータの出力端への電流の流入をさらに確実に防ぐことができるので、点灯制御装置の動作をより安定化させることができる。
【0013】
本発明に係る一態様の照明装置は、上記した何れかの点灯制御装置とこの点灯制御装置によって点灯制御される複数の光源を備える、照明装置である。
【0014】
上記構成によれば、比較的に簡素な構成により、LED等の発光素子を用いた照明装置における低消費電力化を達成することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】
図1は、一実施形態の照明装置の構成を示す回路図である。
【
図2】
図2は、照明装置の他の構成例を示す回路図である。
【
図3】
図3は、照明装置の他の構成例を示す回路図である。
【
図4】
図4は、車室内における光源の設置例を模式的に示す図である。
【
図5】
図5は、LEDを用いた照明装置の参考例を示す回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0017】
図1は、一実施形態の照明装置の構成を示す回路図である。
図1に示す照明装置100は、相互に並列接続された複数の光源1a、1b、1cと、DC−DCコンバータ2と、抵抗素子3、4と、比較器(コンパレータ)5を含んで構成されている。なお、照明装置100から各光源1a、1b、1cを除いた部分であるDC−DCコンバータ2、抵抗素子3、4および比較器5が「点灯制御装置」に対応する。また、ここでは3つの光源を並列に接続した例を示しているが、光源の数はこれに限定されず、さらに多くてもよいし、2つでもよい。
【0018】
各光源1a、1b、1cは、それぞれ抵抗素子11、LED12およびスイッチ13を直列に接続して構成されている。そして、各光源1a、1b、1cは、それぞれ、抵抗素子11側を共通にして抵抗素子4を介してDC−DCコンバータ2と接続され、スイッチ13側が接地端子(基準電位端子)に接続されている。各抵抗素子11は、各LED12に流れる電流を制限するためのものである。また、各スイッチ13は、各光源1a等を相互に独立に点灯させ、または消灯させるためにユーザによって操作されるものである。
【0019】
DC−DCコンバータ2は、バッテリー(電源)6から供給される直流電圧を所定の大きさの直流電圧に変換して出力する。このDC−DCコンバータ2には、電圧変換動作の実行(イネーブル)と停止(ディセーブル)を切り替えるためのイネーブル・ディセーブル端(制御端)が備わっている。このイネーブル・ディセーブル端に対して比較器5から与えられる電圧の大きさに応じてDC−DCコンバータ2に電圧供給動作を実行させたりこれを停止させたりすることができる。
【0020】
抵抗素子(第2の抵抗素子)3は、その一端がDC−DCコンバータ2の出力端と接続されており、他端がバッテリー6と接続されている。
【0021】
抵抗素子(第1の抵抗素子)4は、その一端がDC−DCコンバータ2の出力端と接続されており、他端が各光源1a等の各抵抗素子11と接続されている。この抵抗素子4は、各光源1a等に流れる電流を電圧に変換するためのものである。なお、抵抗素子4の抵抗値は、各光源1a等に含まれる各抵抗素子11の抵抗値に比べて十分に小さいものとする。
【0022】
比較器5は、非反転入力端(+)が抵抗素子4のDC−DCコンバータ2側の一端と接続されており、反転入力端(−)が抵抗素子4の各光源1a等側の一端と接続されている。また、比較器5の出力端はDC−DCコンバータ2のイネーブル・ディセーブル端子と接続されている。
【0023】
本実施形態の照明装置100はこのような構成を備えており、次にその動作について説明する。ここで、上記の照明装置100において、比較器5は、非反転入力端の電圧V2と反転入力端の電圧V3を比較し、V2>V3において出力端の電圧V4が相対的に大きい状態(ハイ)となり、V2≦V3で出力端の電圧V4が相対的に小さい状態(ロー)となるものとする。また、DC−DCコンバータ2は、イネーブル・ディセーブル端子へ与えられる電圧V4がハイである場合に動作し(イネーブル)、電圧V4がローである場合に停止する(ディセーブル)ものとする。
【0024】
各光源1a、1b、1cがすべてスイッチ13を開状態とされた場合には、抵抗素子4に流れる電流も実質的に0となるので、比較器5の出力端の電圧V4はローとなり、DC−DCコンバータ2は動作を停止する(ディセーブル)。この場合、電力を消費するのは比較器5のみである。一般に、本実施形態のように特に高速性を要求されない用途の比較器の場合、その消費電流は数μA程度である。このため、各光源1a、1b、1cがすべて消灯である場合には、照明装置100における消費電力を極めて低くすることができる。一方で、光源1a、1b、1cのうちいずれか1つ以上がスイッチ13を閉状態とされた場合には、プルアップ抵抗素子である抵抗素子3を介してバッテリー6から抵抗素子4の一端側へ電圧が印加され、抵抗素子4の両端電圧がV2>V3となるので、DC−DCコンバータ2は動作を開始し(イネーブル)、スイッチ13を閉状態された光源のLED12は発光する。
【0025】
ところで、DC−DCコンバータ2の内部構成によっては、DC−DCコンバータ2がディセーブルである場合にプルアップ用の抵抗素子3からの電流がDC−DCコンバータ2の出力端に流れ込み、電圧V2を低下させることも考えられる。この電圧V2が低下すると抵抗素子4の両端に生じる電位差も低下するため、抵抗素子4に流れる電流の有無を検出するために十分な電位差が得られない場合がある。
【0026】
この不都合については、
図2に回路図を示す別の構成例の照明装置100aのように、DC−DCコンバータ2の出力端と抵抗素子4の一端との間にダイオード7を介在させることにより解消することができる。なお、
図2の照明装置100aの構成はダイオード7を除いては
図1に示した照明装置100と同じであるため、詳細な説明は省略する。
【0027】
さらに、
図2に示した照明装置100aにおいて、DC−DCコンバータ2のイネーブル時におけるダイオード7の順方向電圧による損失を回避するためには、
図3に示す別の構成例も考えられる。
【0028】
図3に示す構成例の照明装置100bは、基本的に
図1に示した照明装置100と同じ構成を備えており、DC−DCコンバータ2の出力端と抵抗素子4の一端との間にpMOSFET(電界効果トランジスタ)8を介在させた点が異なっている。pMOSFET8は、電流路がDC−DCコンバータ2の出力端と抵抗素子4の一端の間に接続されており、制御端(ゲート)がインバータ9を介して比較器5の出力端と接続されている。なお、ここでいうpMOSFET8の「電流路」とは、ドレイン端とソース端の間に設けられ、制御端への電圧に応じて電流を制御可能な部分をいう。
【0029】
この
図3に示した構成例の照明装置100bにおいては、抵抗素子4に電流が流れていない場合には非導通状態(電流路に電流が流れない状態)となるので、DC−DCコンバータ2への電流の流入を防止することができる。一方で、光源1a等のいずれか1つ以上が点灯した場合には、pMOSFET8が導通状態(電流路に電流が流れる状態)となるので、電力損失はpMOSFET8のオン抵抗によるものだけに抑えることができる。
【0030】
以上のような実施形態によれば、1つのDC−DCコンバータを用いて複数の光源を点灯制御することが可能であり、光源からDC−DCコンバータへ延びる配線が少なく済むため、回路構成を簡素化することができる。また、すべての光源が消灯状態であるときには自律的にDC−DCコンバータも動作を停止させられるので低消費電力化を達成することができる。
【0031】
なお、本発明は上述した実施形態の内容に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において種々に変形して実施をすることが可能である。例えば、上記した
図3に示した実施形態ではスイッチング素子の一例としてpMOSFETを説明していたが、バイポーラトランジスタ等の他のスイッチング素子を用いてもよい。また、各光源に含まれるLEDは1つだけであったがこれは例示であり、各光源にそれぞれ複数のLEDが含まれていてもよい。
【符号の説明】
【0032】
1a、1b、1c、1d、1e:光源
2:DC−DCコンバータ
3、4:抵抗素子
5:比較器
6:バッテリー
7:ダイオード
8:pMOSFET
9:インバータ
11:抵抗素子
12:LED
13:スイッチ
100、100a、100b:照明装置