【実施例】
【0041】
開示した以下の実施形態は、様々な形態で具体化され得る本発明を代表するものにすぎない。そのため、以下の実施例において開示した具体的な構造、機能及び手順上の詳細は限定的なものとは解釈されない。
【0042】
実施例1−市販のステビオール配糖体の混合物及びレバウディオサイドBに富んだ配糖体の混合物の選好性試験
市販のステビオール配糖体のブレンドを、0.0056Mクエン酸緩衝液(pH3.1)に溶解した。97%レバウディオサイドAを含有する市販の甘味組成物を含有する溶液を同様に調製した。
【0043】
【表1】
【0044】
31人のTate & Lyleの従業員が、甘味及び選好性の一対比較検定に参加した。製品を、pH3.1のクエン酸緩衝液(1L当たり0.9gの無水クエン酸(Tate & Lyle,Decatur,IL)及び0.26gのクエン酸ナトリウム二水和物(Tate & Lyle,Decatur,IL))中で作製し、ランダムな3桁の番号をラベルした2オンスのスフレカップ内で室温で試験した。提示順序は回転させた。より甘く、より好ましい溶液をパネリストに決めさせた。投票用紙を渡し、SIMS官能検査ソフトウェア(sensory software)(Sensory Computer Systems,LLC,Morristown,NJ)を用いてデータを収集した。ミネラルウォーター、2%スクロース溶液及び無塩クラッカーを、パネリストの試験前及び試験中の口直しのために用意した。
【0045】
甘味及び選好性に関する質問の結果を、2項検定を用いて分析し、サーストンのd’(Thurstonian d')を計算した。片側2項検定に関するp値を、
【数1】
(式中、cは成功回数であり、nは試行回数であり、p
0は偶然確率である)として計算した。この検定は、p値が事前に設定したαリスク未満である場合に統計的に有意とみなされる。両側p値は上で計算した片側p値の2倍である。
【0046】
サーストンのd’は心理物理学的相違の尺度である。1というd’は一般に、刺激が試行の75%においてより強いと判断される丁度可知差異(JND)と考えられる。サーストンのd’は試験方法から独立し、一対比較検定については、
【数2】
(式中、p
cは成功の割合であり、Φ(・)は標準正規分布の累積分布関数である)として計算される。これらの統計用語は、これに関する標準的な教科書、例えば"Sensory Discrimination Tests and Measurements", Jian Bi (Blackwell Publishing, 2006)においてより十分に定義されている。
【0047】
一対比較検定に関する指示は以下のとおりとした:
(i)サンプルの前及びサンプル間で口をすすぐことが重要である。
(ii)クラッカーを一口食べて口直しする。次いで、砂糖水で口をすすぐ。最後に、水(plain water)で口をすすぐ。
(iii)提示の順序で左から右にサンプルを試飲する。
(iv)第1のサンプルの少なくとも半分を試飲し、甘味を記入する。
(v)砂糖水で口をすすぎ、続いて水で口をすすぐ。
(vi)ここで、第2のサンプルの少なくとも半分を試飲する。
(vii)第1のサンプルを再度試飲しないこと。
(viii)選好性及び甘味についてサンプルを評価する。より好ましいサンプルを選び、より甘いサンプルを選ぶ。これらは同じサンプルであっても、又はそうでなくてもよい。確信が持てない又は選好性がない場合でもいずれかを選ぶ。
【0048】
一対比較検定に関する質問は以下のとおりとした:
(i)これら2つのサンプルのどちらがより好ましいか。
(ii)2つのサンプルのどちらがより甘いか。
【0049】
この検定の結果及び心理物理学的d’値を下記第2表に示す。
【0050】
【表2】
【0051】
結果から示されるように、市販のブレンドが97%レバウディオサイドAより僅かに好まれず、97%レバウディオサイドAとほぼ同じ甘味であることが分かった。
【0052】
同様に行われるその後の試験では、上記の市販のブレンドに対してレバウディオサイドBを添加し、甘味ステビオール配糖体の総量に対するレバウディオサイドBの濃度が約21%であり、レバウディオサイドAとレバウディオサイドBとの比率が約3:1である、本発明の実施形態である配糖体混合物を作製した。
【0053】
ステビオール配糖体の配糖体ブレンドを、0.0056Mクエン酸緩衝液(pH3.1)に溶解した。97%レバウディオサイドAを含有する市販の甘味組成物を含有する溶液を同様に調製した。
【0054】
【表3】
【0055】
この2つの溶液をTate & Lyleの従業員のパネルに提示し、上記に説明したものと同じ指示及び質問を用いて、より甘く、より好ましい溶液を決めさせた。甘味及び選好性に関する質問の結果を、2項検定を用いて分析し、上記に説明したようにサーストンのd’を計算した。この検定の結果及び心理物理学的d’値を下記第4表に示す。
【0056】
【表4】
【0057】
レバウディオサイドBブレンドが好まれ、かつ97%レバウディオサイドAよりも甘いことが分かった。
【0058】
実施例2−ステビオシドと混合したレバウディオサイドA又はレバウディオサイドBの800ppm混合物の選好性試験
味覚パネルに、レバウディオサイドAとステビオシドとの市販の混合物と、97%レバウディオサイドAの500ppmサンプルとを比較させた。ステビオール配糖体の配糖体ブレンドを、0.0056Mクエン酸緩衝液(pH3.1)に溶解した。97%レバウディオサイドAを含有する市販の甘味組成物を含有する溶液を同様に調製した。サンプル提示順序は回転させ、この2つの溶液のサンプル(室温)をTate & Lyleの従業員のパネルに提示し、実施例1と同じ指示及び質問を用いて、より甘く、より好ましい溶液を決めさせた。甘味及び選好性に関する質問の結果を、2項検定を用いて分析し、実施例1と同様にサーストンのd’を計算した。
【0059】
【表5】
【0060】
別のパネルにレバウディオサイドBとステビオシドとの混合物を比較させた。ステビオール配糖体の配糖体ブレンドを、0.0056Mクエン酸緩衝液(pH3.1)に溶解した。97%レバウディオサイドAを含有する市販の甘味組成物を含有する溶液を同様に調製した。この2つの溶液をTate & Lyleの従業員のパネルに提示し、実施例1と同じ指示及び質問を用いて、より甘く、より好ましい溶液を決めさせた。
【0061】
【表6】
【0062】
甘味及び選好性に関する質問の結果を、2項検定を用いて分析し、実施例1と同様にサーストンのd’を計算した。2つのパネルの結果及び心理物理学的d’値を第7表及び第8表にそれぞれ示す。
【0063】
【表7】
【0064】
結果から示されるように、レバウディオサイドA−ステビオシドブレンドが、97%レバウディオサイドAと比較して殆ど好まれず、甘味がほぼ等しいことが分かった。
【0065】
【表8】
【0066】
結果から示されるように、レバウディオサイドB−ステビオシドブレンドが97%レバウディオサイドA(500ppm)と同様に好まれ、レバウディオサイドB−ステビオシドブレンドが97%レバウディオサイドAよりも甘いことが分かった。
【0067】
実施例3−レバウディオサイドA又はレバウディオサイドBの混合物の選好性試験
味覚パネルに、レバウディオサイドAとレバウディオサイドBとの市販の混合物と、97%レバウディオサイドAの900ppmサンプルとを比較させた。Tate & Lyleの従業員が甘味及び選好性の一対比較検定に参加した。ランダムな3桁の番号をラベルした2オンスのスフレカップ内で、サンプルを室温で試験した。900ppmのレバウディオサイドAの異風味が残るため、提示順序は回転させなかった。パネリストは初めに試験サンプルを評価し、次いで対照の900ppmレバウディオサイドAサンプルを評価した。パネリストにサンプルを再び試飲しないよう指示した。さらに、パネリストをサンプルの試験間に1分間待たせ、2%スクロース溶液、無塩クラッカー及びミネラルウォーターで口直しするよう指示した。より甘く、より好ましい溶液をパネリストに決めさせた。投票用紙を渡し、SIMS官能検査ソフトウェア(Sensory Computer Systems,LLC,Morristown,NJ)を用いてデータを収集した。
【0068】
【表9】
【0069】
一対比較検定に関する指示は以下のとおりとした:
(i)サンプルの前及びサンプル間で口をすすぐことが重要である。
(ii)クラッカーを一口食べて口直しする。次いで、砂糖水で口をすすぐ。最後に、水で口をすすぐ。
(iii)提示の順序で左から右にサンプルを試飲する。
(iv)各サンプルの少なくとも半分を試飲し、甘味を記入する。
(v)砂糖水で口をすすぎ、続いて水で口をすすぐ。
(vi)選好性及び甘味についてサンプルを評価する。より好ましいサンプルを選び、より甘いサンプルを選ぶ。これらは同じサンプルであっても、又はそうでなくてもよい。確信が持てない又は選好性がない場合でもいずれかを選ぶ。
(vii)ここで、左側のサンプルを試飲する。
(viii)次のサンプルを試飲する前に1分間待つ(SIMSの60秒タイマーを開始する)
(ix)ここで、右側のサンプルを試飲する。
【0070】
一対比較検定に関する質問は以下のとおりとした:
(i)これら2つのサンプルのどちらがより好ましいか。答えをマークする前に3桁の番号を入念に確認すること。これらはサンプルが提示された順序と同じでなくてもよい。
(ii)2つのサンプルのどちらがより甘いか。
【0071】
試験の間、SIMSの120秒タイマーを開始した。甘味及び選好性に関する質問の結果を、2項検定を用いて分析し、実施例1と同様にサーストンのd’を計算した。
【0072】
2つのパネルの結果及び心理物理学的d’値を第11表に示す。
【0073】
【表10】
【0074】
結果から示されるように、レバウディオサイドA−レバウディオサイドBブレンドが97%レバウディオサイドAと比較して好まれ、甘味がほぼ等しいことが分かった。
【0075】
実施例4−ステビオール配糖体混合物の選好性試験
本研究は、レバウディオサイドA単独に対するレバウディオサイドAとレバウディオサイドBとのブレンドの選好性を決定するために、投票に関するパネリストの混乱を低減するよう変更した、パネリストテスターにおよそ2オンスの各サンプルを摂取させる官能的方法を用いて、およそ10SEVの甘味で行った。
【0076】
パネリストに甘味及び選好性の一対比較検定を行った。3桁の番号をラベルした2オンスのスフレカップ内で、製品を冷蔵温度で試験した。サンプルは提供する直前に注いだ。より甘く、より好ましい飲料をパネリストに決めさせた。ミネラルウォーター、2%スクロース溶液及び無塩クラッカーを、パネリストの試験前及び試験中の口直しのために用意した。
【0077】
パネリストは1回目に試験サンプルを評価し、次いで2回目に対照の900ppmレバウディオサイドAサンプルを評価した。900ppmのレバウディオサイドAの異風味が残るため、本試験における提示順序は回転させなかった。パネリストに全てのサンプルを摂取し、サンプルを再び試飲しないよう指示した。パネリストには、投票時のサンプルの順序が、サンプルが提示された順序と同じでなくてもよいことを注意した。接着剤付きノートに好ましいサンプルをマークするようパネリストに指示し、これらの結果を投票による結果と比較した。サンプル間に1分間及び試験間に2分間の休憩を設け、パネリストに2%スクロース、クラッカー及び水で口直しするよう指示した。
【0078】
試験した製品は、1部のシロップと4部の炭酸水とを含むレモンライム炭酸清涼飲料であり、シロップは下記第12表に記載の組成を有するものとした。
【0079】
【表11】
【0080】
結果を、選好性については片側検定、甘味については両側検定として2項検定を用いてαリスク0.05で分析した。試験の結果を下記第13表に記載する。
【0081】
【表12】
【0082】
検定から、試験レモンライム炭酸清涼飲料のどちらも、レバウディオサイドAで甘くしたレモンライム炭酸清涼飲料と甘味が有意に異ならず、レバウディオサイドAで甘くしたレモンライム炭酸清涼飲料よりも有意に好ましかったことが示される。
【0083】
分析から、レバウディオサイドAとレバウディオサイドBとのブレンドが、とりわけ高い甘味レベルでレバウディオサイドA単独よりも好ましいことが示唆される。
【0084】
実施例5−溶解度
或る特定の溶液におけるレバウディオサイドA及びレバウディオサイドBの溶解度を決定するために、4つのストック溶液を調製した。10倍濃縮したクエン酸/クエン酸ナトリウム(pH3)ストック緩衝溶液を、0.9gの無水クエン酸及び0.26gのクエン酸ナトリウム二水和物を水に溶解し、100mLの緩衝液(0.047Mクエン酸+0.0088Mクエン酸ナトリウム)を作製することによって調製した。レバウディオサイドAの2500ppm(公称)溶液を、0.125gのGLG RA 97を溶解し、50mLの溶液を作製することによって調製した。ステビオシドの2500ppm(公称)溶液を、0.125gのGLG STV 97を溶解し、50mLの溶液を作製することによって調製した。レバウディオサイドBの1000ppm(公称)溶液を、1790ppmと測定された56mLの溶液を希釈し、100mLの溶液を作製することによって調製した。
【0085】
これらの溶液を、第14表に示すように、容量(μL)を1.5mL容の微小遠心管にマイクロピペットで量り取ることによって総量1mLとして混合した。得られた3つの配糖体それぞれの公称濃度(ppm)も第14表に挙げる。
【0086】
【表13】
【0087】
混合の直後、溶液は全て透明であり(相対するものは混濁である)、沈殿を示さなかった。次いで、試験管を実験室内に室温(約25℃)で約100時間静置すると、その時点までに全てが少なくとも幾らかの沈殿を示した。5日間(約100時間)放置した後、試験管を卓上遠心機で回転させ、沈殿物をペレット化した。透明な上清をバイアルに採取し、UV検出(Watersの2487 Dual λ Absorbance Detectorを備えるWatersの2695 Separations Module、又は同等の機器)による逆相高速液体クロマトグラフィー(HPLC)勾配法を用いて、配糖体についてアッセイした。これについて第15表にまとめる。HPLC条件は以下のとおりとした:
カラム − WatersのAtlantis T3 4.6×250mm;4μ、PhenomenexのSecurity Guard AQ C18ガードカートリッジ、4×3.0mm、
緩衝液 − 0.0284%酢酸アンモニウム、0.0116%酢酸、
流量 − 1.0mL/分、
検出器 − 203nmでの分析を用いたUV検出器、
注入量 − 20μL又は必要に応じて標準濃度に適合する量、及び、
カラム温度 − 40℃。
【0088】
【表14】
【0089】
HPLCにより収集した上清のデータを、DESIGN EXPERT 8ソフトウェアを用いて処理した。簡潔に述べると、データをプログラムに公称データとしての2要因5水準の一般要因計画である「要因」データとして入力し、これを次いで数値データに変換し、実際のHPLC結果に置き換えた。次いで、ソフトウェアによって、上清中のレバウディオサイドA及びステビオシドの濃度に応じてレバウディオサイドBの濃度(溶解度)を予測するモデルを選択した。ソフトウェアによってモデルパラメータの有意性を示す多数の統計的要因も計算した。この場合、モデル化によって、小さなレバウディオサイドA−ステビオシド相互作用パラメータを含むモデルと含まないモデルとが、ほぼ等しく有効であることが示されたため、より単純な(非干渉)モデルを更なる処理に選択した。このプログラムによって得られたモデルの分散分析(ANOVA)を第16表に示す。
【0090】
【表15】
【0091】
第17表は、各々の試験溶液に由来する上清の実験的に決定された組成を示す。
【0092】
【表16】
【0093】
本研究に使用したレバウディオサイドBは、試験管1〜試験管5に見られるレバウディオサイドAを説明する、約6%〜7%のレバウディオサイドAを含有していた。サンプル中のステビオシド及びレバウディオサイドAの濃度は、これらの化合物がこの濃度でこの緩衝液に完全に可溶性である、すなわち、レバウディオサイドBのみが実験中に沈殿したという考えと一致することもデータから明らかである。第18表に示すデータをDESIGN EXPERT 8に入力し、2要因線形回帰モデルを生成した。これを下記方程式1に記載する。
【数3】
【0094】
この方程式から示されるように、上清中のBの濃度(concB、すなわち溶解限度)が、レバウディオサイドAの濃度(concA)及びステビオシドの濃度(concSs)の両方に影響されることが分かった。レバウディオサイドBの溶解度は、レバウディオサイドAの濃度を増大させることによって実質的に増大し、ステビオシドの濃度を増大させることによって僅かに減少した。
【0095】
図1に示されるように、方程式1によって表される線形−線形モデルを、3Dプロットにおいて平面としてプロットする。平面はクエン酸緩衝液(pH3.1)におけるレバウディオサイドBの最大溶解度を表し、478ppmのステビオシドにおける場合(モデルによる)の約225ppmという低い溶解度から480ppmのレバウディオサイドAにおける約380ppmまでの範囲である。
【0096】
溶解限度(方程式1)と、質量分率の総和が1でなければならないという制約とを用いることで、溶解限度でのレバウディオサイドBの質量分率(X
B)を、レバウディオサイドAの質量分率(X
A)、総レバウディオサイド濃度(レバウディオサイドB+レバウディオサイドA+ステビオシド=C
tot)、及び回帰方程式(下記方程式2)の係数(α
0=225.18ppm、α
1=0.312、α
2=−0.0226)に関連付ける方程式を見出すことができる。
【数4】
【0097】
したがって、方程式2がレバウディオサイドAと、ステビオシドと、レバウディオサイドBとの三成分混合物における安定な溶液の溶解度領域の端を規定すると考えられる。そのため、安定な領域の大きさは総濃度(C
tot)によって異なる。
【0098】
本研究から、レバウディオサイドBが中性pH溶液中で高い溶解度を有するにもかかわらず、レバウディオサイドBの溶解度がpH3のクエン酸緩衝液において制限されることが明らかに示される。また、レバウディオサイドAの存在はレバウディオサイドBの溶解度を増大させるが、ステビオシドの存在はレバウディオサイドBの溶解度を僅かに低減する。この溶解度の情報は、レバウディオサイドBの溶液及びレバウディオサイドの混合物の配合を試みる場合に留意すべきである。
【0099】
実施例6−レバウディオサイドB含量に応じた甘味料の味の評価
記述的パネルを使用して、レバウディオサイドA(純度97%であり、0.62%レバウディオサイドBを含有していた)に添加した様々なレベルのレバウディオサイドBの風味属性及び風味の強さを定量化した。具体的には、900ppmのレバウディオサイドA+レバウディオサイドB溶液で甘味料をパネリストに評価させた。ここで、レバウディオサイドBの添加量は、レバウディオサイドBの総含量が0.6%、3.6%、6.5%、11.4%、22.3%、37.5%及び52%となる量とした。8%スクロース溶液を対照として使用した。溶液は中性pH水中で調製した。試験対象に含まれる他の高甘味度甘味料は500ppmのアスパルテーム、750ppmのASK、250ppmのスクラロース及び500ppmのステビアであった。
【0100】
試験を行う前に、10人のパネリストに、サンプルを甘味、苦味、異風味、化学薬品又は人工甘味料の風味、アニス味(anise)及び口内での広がり(mouth coating)について格付けするために、多様な製品の外観、香り、風味及び質感を表す標準用語の使用について十分に教え込んだ。かかる属性の各々を一口目及び二口目及び後味について評価した。試験は、パネリストにサンプルを試飲させ、風味特性について考察させることから開始した。参照についても試飲を行い、「甘味」、「苦味」及び「アニス味」について考察させた。風味用語の定義を下記第18表に記載する。
【0101】
【表17】
【0102】
試験の2日目及び3日目に、パネリストにサンプルを様々な属性について評価させ、甘味料だけでなく全ての食品成分製品を含む、「なし」から「最大」までのスケールで格付けさせた。第19表に記載の製品及び溶液を、パネリストのスケールの「基準(anchor)」として使用した。
【0103】
【表18】
【0104】
1セッション当たり8つのサンプルを評価した。7分間の休憩時間を各サンプル間に設け、15分間の休憩を最初の4つのサンプルを評価した後に設けた。各製品について各パネリストから2回の評価(すなわち反復)を得た。したがって、合計で20回の判定を各製品について行った。データ収集の際には、パネリストに15cmの目盛線上に縦線を引くことによって各々の官能特性の強さを示すよう指示した。提供順序は、製品がほぼ等しい回数で各々の可能な位置に見られるように均等にした。待合室では、アルハンブラ周辺の(ambient Alhambra)飲用水、無塩ソーダクラッカー及びセロリを、サンプル間の口直しのために用意した。
【0105】
目盛線上の縦線を、コンピュータ化官能データ収集システムであるSIMSによって1〜15の範囲の数値に変換した。各々の官能特性について平均強さを計算した。必要に応じて、分散分析及びダンカンの多重範囲検定を用いて、各属性に関するサンプル間の有意差を決定した。パネリストと製品との相互作用が有意である場合、誤差項の平均平方の代わりに相互作用項の平均平方を、製品のF値の計算に使用した。結果を下記の第20表及び第21表に記載する。
【0106】
【表19】
【0107】
【表20】
【0108】
図3は、レバウディオサイドB含量に応じて統計的有意差を測定した各々の風味属性のパネリストの平均応答の大きさを示す。使用したスケールは「母集団」を包含するため、97%レバウディオサイドA溶液と漸増レベルのレバウディオサイドBとの差の大きさは、他の非公式試験によって決定されるほど大きくはない。例えば、数人の非公式テスターが、約20%のレバウディオサイドAの添加によって苦味が約80%低減したと考えたが、上記テイスターパネルによる結果は、約20%のレバウディオサイドAの添加によって苦味が約30%低減したことを示している。
【0109】
風味属性もサンプル間で比較した。サンプルの属性が他の全てのサンプルよりも有意に高いか又は低い場合に、その属性を「最高」又は「最低」と述べる。サンプルの属性が最高又は最低であるが、他の全てのサンプルよりも有意に高いか又は低くはない場合、その属性をそれぞれ「高い」又は「低い」と述べる。本明細書中で論考する属性は、95%信頼度で有意であることが分かった。
【0110】
高甘味度甘味料サンプルと比較して、スクロースは以下の点で最低であった:全体的な風味(ただし、二口目については22.3%、37.5%及び52%のレバウディオサイドBに対して有意ではない)、一口目及び後味の甘味(ただし、苦味対照よりも有意に低くはない)、全体的な異風味、人工甘味料/化学薬品の味、真の苦味、アニス味及び口内での広がり。
【0111】
高甘味度甘味料サンプルの中でも、0.6%レバウディオサイドBを含む97%レバウディオサイドが以下の点で高かった:二口目の全体的な異風味、一口目及び二口目の人工甘味料/化学薬品の味、真の苦味並びに後味のアニス味。
【0112】
高甘味度甘味料サンプルの中でも、3.6%のレバウディオサイドBを添加したサンプルが以下の点で高かった:全体的な風味、後味の甘味、全体的な異風味、二口目及び後味の人工甘味料/化学薬品の味、後味の真の苦味並びに後味のアニス味。
【0113】
高甘味度甘味料サンプルの中でも、6.5%のレバウディオサイドBを添加したサンプルが以下の点で高かった:一口目の甘味、二口目の全体的な異風味及び二口目の人工甘味料/化学薬品の味。
【0114】
高甘味度甘味料サンプルの中でも、11.4%のレバウディオサイドBを添加したサンプルが、二口目の全体的な異風味並びに一口目及び二口目の人工甘味料/化学薬品の味の点で低く、一口目のアニス味及び一口目の口内での広がりの点で高かった。
【0115】
高甘味度甘味料サンプルの中でも、22.3%のレバウディオサイドBを添加したサンプルが以下の点で低かった:二口目の全体的な風味、二口目の全体的な異風味、一口目及び二口目の人工甘味料/化学薬品の味、二口目の真の苦味並びに後味のアニス味。
【0116】
高甘味度甘味料サンプルの中でも、37.5%のレバウディオサイドBを添加したサンプルが以下の点で低かった:二口目及び後味の全体的な風味、二口目の全体的な異風味、二口目及び後味の人工甘味料/化学薬品の味、並びに二口目の真の苦味。
【0117】
高甘味度甘味料サンプルの中でも、52%のレバウディオサイドBを添加したサンプルが以下の点で低かった:一口目及び二口目の全体的な風味、一口目の甘味、一口目及び二口目の全体的な異風味、一口目及び二口目の人工甘味料/化学薬品の味、真の苦味並びに一口目のアニス味。
【0118】
結果から、3.6%のレバウディオサイドBの添加が風味属性の悪化をもたらし、6.5%のレバウディオサイドBの添加が、全体的な異風味及び人工甘味料/化学薬品の風味に殆ど影響を与えないことが示される。より大量のレバウディオサイドBの添加は、殆どの特性において、異風味、特に苦味が低減している、よりスクロースに似たサンプルのスコアリングをもたらす傾向がある。しかしながら、結果から、レバウディオサイドB含量を約20%超まで増大させることが、望ましくない風味属性に対して更なる影響を殆ど与えないことが示される。驚くべきことに、甘味はレバウディオサイドB含量によって殆ど影響を受けず、このことは、レバウディオサイドBの甘味がレバウディオサイドAの2分の1〜3分の2であると見出したレバウディオサイドBに関する以前の報告に反している。高甘味度甘味料溶液の甘味及び全体的な風味は、8%スクロース溶液に類似し、また互いに類似しており、人工甘味料/化学薬品の味はスクロース溶液よりもはるかに高く、高甘味度甘味料サンプルにより広まる。このことは、レバウディオサイドB濃度が、これらの味に対して顕著な影響を有することを示している。
【0119】
有利には、本発明を用いて、多くの用途に必要とされる「本格的な」甘味をもたらすために使用することのできる高甘味度甘味料組成物を製造することができる。これは、約200ppmを超える濃度でのその苦味のために、通常はレバウディオサイドA単独では達成することができない。より具体的には、本発明によって、消耗品が許容し難いレベルの苦味を有することなく、約800ppm〜約1000ppmのレバウディオサイドを含むように消耗品に添加することのできる高甘味度甘味料の製造が可能となるため、本発明の甘味料組成物を用いて、多くの消耗品(食品用途)に必要とされる完全な甘味をもたらすことができる。