特許第6010552号(P6010552)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6010552レバウディオサイドBを含有するステビアブレンド
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6010552
(24)【登録日】2016年9月23日
(45)【発行日】2016年10月19日
(54)【発明の名称】レバウディオサイドBを含有するステビアブレンド
(51)【国際特許分類】
   A23L 27/10 20160101AFI20161006BHJP
   A23L 2/60 20060101ALI20161006BHJP
   A23L 2/00 20060101ALI20161006BHJP
   A23L 27/00 20160101ALI20161006BHJP
   A61K 8/60 20060101ALI20161006BHJP
   A61K 8/97 20060101ALI20161006BHJP
【FI】
   A23L27/10 C
   A23L2/00 C
   A23L2/00 T
   A23L27/00 101A
   A61K8/60
   A61K8/97
【請求項の数】13
【全頁数】28
(21)【出願番号】特願2013-551961(P2013-551961)
(86)(22)【出願日】2011年10月19日
(65)【公表番号】特表2014-509191(P2014-509191A)
(43)【公表日】2014年4月17日
(86)【国際出願番号】US2011056845
(87)【国際公開番号】WO2012102769
(87)【国際公開日】20120802
【審査請求日】2014年10月7日
【審判番号】不服2016-4769(P2016-4769/J1)
【審判請求日】2016年4月1日
(31)【優先権主張番号】61/437,390
(32)【優先日】2011年1月28日
(33)【優先権主張国】US
【早期審理対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】513188789
【氏名又は名称】テート アンド ライル イングリーディエンツ アメリカズ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】特許業務法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ブリッジズ ジョン アール.
(72)【発明者】
【氏名】カールソン アルフレッド
(72)【発明者】
【氏名】パットン ペネロペ エー.
【合議体】
【審判長】 紀本 孝
【審判官】 佐々木 正章
【審判官】 鳥居 稔
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2011/094423(WO,A1)
【文献】 国際公開第2012/082677(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/60 8/97
A23L 27/10 2/00 2/00 27/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステビア抽出物であって、該ステビア抽出物中の甘味ステビオール配糖体化合物の総量の10重量%〜60重量%の範囲の濃度でレバウディオサイドBを含み、該ステビア抽出物中の甘味ステビオール配糖体化合物の総量の40重量%〜90重量%の範囲の濃度でレバウディオサイドAを含む、ステビア抽出物(ただし、以下の表に記載の配糖体を含む組成物は除く)。
【表1】
【請求項2】
レバウディオサイドBの濃度が、前記ステビア抽出物中の甘味ステビオール配糖体化合物の総量の20重量%〜40重量%の範囲である、請求項1に記載のステビア抽出物。
【請求項3】
レバウディオサイドBの濃度が、前記ステビア抽出物中の甘味ステビオール配糖体化合物の総量の20重量%〜25重量%の範囲である、請求項1に記載のステビア抽出物。
【請求項4】
レバウディオサイドAの濃度が、前記ステビア抽出物中の甘味ステビオール配糖体化合物の総量の40重量%〜80重量%の範囲である、請求項に記載のステビア抽出物。
【請求項5】
甘味ステビオール配糖体化合物を含む甘味組成物であって、該甘味ステビオール配糖体化合物が、該甘味組成物中の甘味ステビオール配糖体化合物の総量の10重量%〜60重量%の範囲の濃度でレバウディオサイドBを含み、該甘味組成物中の甘味ステビオール配糖体化合物の総量の40重量%〜90重量%の範囲の濃度でレバウディオサイドAを含む、甘味組成物(ただし、以下の表に記載の配糖体を含む組成物は除く)。
【表2】
【請求項6】
前記レバウディオサイドBの濃度が、前記甘味組成物中の甘味ステビオール配糖体化合物の総量の少なくとも20重量%かつ40重量%以下である、請求項に記載の甘味組成物。
【請求項7】
前記レバウディオサイドBの濃度が、前記甘味組成物中の甘味ステビオール配糖体化合物の総量の20重量%〜25重量%の範囲である、請求項に記載の甘味組成物。
【請求項8】
レバウディオサイドAの濃度が、前記甘味組成物中の甘味ステビオール配糖体化合物の総量の40重量%〜80重量%の範囲である、請求項に記載の甘味組成物。
【請求項9】
甘味ステビオール配糖体化合物を含む甘味組成物を含む消耗品であって、
該甘味ステビオール配糖体化合物が、該甘味組成物中の甘味ステビオール配糖体化合物の総量の10重量%〜60重量%の範囲の濃度でレバウディオサイドBを含み、該甘味組成物中の甘味ステビオール配糖体化合物の総量の40重量%〜90重量%の範囲の濃度でレバウディオサイドAを含む、消耗品。
【請求項10】
前記甘味ステビオール配糖体の総濃度が50ppm〜2000ppmの範囲であり、前記レバウディオサイドBの総濃度が少なくとも20ppmである、請求項に記載の消耗品。
【請求項11】
前記レバウディオサイドBの総濃度が少なくとも200ppmかつ300ppm以下である、請求項10に記載の消耗品。
【請求項12】
前記消耗品が、炭酸清涼飲料、粉末清涼飲料、缶やペットボトルの茶飲料、スポーツドリンク、乳飲料、ヨーグルト含有飲料、アルコール飲料、栄養飲料、フレーバーウォーター、ビタミン飲料、果実飲料及び果汁飲料からなる群から選択される飲料と、焼き菓子、スープ、ソース、加工食肉、果実の缶詰、野菜の缶詰、乳製品、冷凍菓子、砂糖菓子、チューインガム、ケーキ、クッキー、バー及び他の菓子パン類、シリアル、シリアルバー、ヨーグルト、エナジーバー、グラノーラバー、ハードキャンディ、ゼリーキャンディ、チョコレートキャンディ及び他の糖菓類からなる群から選択される食料品と、歯磨き粉、洗口液及びオーラルリンスからなる群から選択されるオーラルケア用品と、嗅ぎタバコ及び噛みタバコからなる群から選択されるタバコ製品と、錠剤、舐剤及び懸濁剤からなる群から選択される医薬品と、サプリメント及びビタミンからなる群から選択される栄養補助食品と、からなる群から選択される、請求項9〜11のいずれかに記載の消耗品。
【請求項13】
消耗品を甘くする方法であって、有効量の甘味ステビオール配糖体化合物を含む甘味組成物を該消耗品に加えることを含み、該甘味ステビオール配糖体化合物が、該甘味組成物中の甘味ステビオール配糖体化合物の総量の10重量%〜60重量%の範囲の濃度でレバウディオサイドBを含み、該甘味組成物中の甘味ステビオール配糖体化合物の総量の40重量%〜90重量%の範囲の濃度でレバウディオサイドAを含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本願は、2011年1月28日付で出願された米国仮特許出願第61/437,390号(その全体が引用することにより本明細書の一部分をなすものとする)の利益を主張する非仮出願である。
【0002】
[連邦政府による資金提供を受けた研究開発の記載]
該当なし。
【背景技術】
【0003】
天然のカロリー甘味料(caloric sweeteners)、例えばスクロース、グルコース及びフルクトースは、望ましい味覚特性を有するが、製品のカロリー量を増大させる。したがって、より健康的な代替品と考えられる低カロリー又はノンカロリーの甘味料に対する消費者の関心は高い。天然及び合成のノンカロリーの強力甘味料が既知であるが、殆どの場合、その風味プロファイルは消費者にとって砂糖ほど望ましいものではない。そのため、砂糖の代用とすることができ、味覚プロファイルがより望ましいノンカロリー甘味料を開発することが望まれる。
【0004】
ステビア・レバウディアナ(Stevia rebaudiana)種(「ステビア」)は、或る特定の自然発生的な甘味ステビオール配糖体の供給源である。ノンカロリー甘味料としてのステビアの甘味ステビオール配糖体の使用を評価するために多数の研究開発が行われている。ステビアから抽出することができる甘味ステビオール配糖体としては、6つのレバウディオサイド(すなわち、レバウディオサイドA〜レバウディオサイドF)、ステビオシド(野生型ステビアからの抽出物における主要な配糖体)及びズルコシドが挙げられる。
【0005】
レバウディオサイドA及び他のステビオール配糖体をベースとする市販の低カロリー又はノンカロリーの甘味料は、苦い甘草様の後味を有する傾向がある。これらの特性は、約300ppmを超える濃度でとりわけ顕著である。食品用途では、好ましい使用レベル(8%〜10%の砂糖相当値)は、通常約500ppm〜約1000ppmであり、この範囲を超えると異味が見られ始める。そのため、苦味、望ましくない(例えば甘草様の)風味が減少した若しくはそれを有しない味覚プロファイル、若しくは天然のカロリー甘味料により近い甘味プロファイル、又はかかる性質の組合せを有する甘味ステビオール配糖体を含むカロリーを抑えた、低カロリーの及び/又はノンカロリーの甘味料が依然として必要とされている。
【発明の概要】
【0006】
本発明は、ステビア抽出物であって、該ステビア抽出物の10重量%〜約90重量%の範囲の濃度でレバウディオサイドBを含むステビア抽出物に関する。
【0007】
本発明は、甘味ステビオール配糖体化合物を含む甘味組成物であって、該甘味ステビオール配糖体化合物が、該甘味組成物中の甘味ステビオール配糖体化合物の総量の10%重量%〜約90重量%の範囲の濃度でレバウディオサイドBを含む、甘味組成物にも関する。
【0008】
本発明は、上記の甘味組成物を含む飲料、食料品、オーラルケア用品、タバコ製品、医薬品及び栄養補助食品等の消耗品、並びに上記の甘味組成物を用いてそれを甘くする方法にも関する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】レバウディオサイドA及びステビオシドの濃度に応じた、pH3のクエン酸緩衝液中でのレバウディオサイドBの溶解度を示すグラフである。
図2】ステビオール配糖体の構造を示す図である。
図3】味パネリストによってスコアリングされる様々な風味属性に対する、レバウディオサイドB含量(水中での総濃度900ppmについてのレバウディオサイドAを含有し、レバウディオサイドBを添加した溶液における)の影響を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
I.定義
本明細書中で使用される場合、「甘味ステビオール配糖体化合物」という表現は、1つ又は複数の糖残基が環に化学的に結合した、ステビオールのジテルペン環系の一般構造を有する多数の自然発生的な化合物のいずれかを意味する。
【0011】
II.概要
甘味ステビオール配糖体を含むステビア抽出物及び甘味組成物にレバウディオサイドBを加え、及び/又はその濃度を制御することが、一般に否定的に考えられる苦味、甘草様の後味等の味覚特性を低減若しくは排除するか、若しくは天然のカロリー甘味料により近い甘味プロファイルをもたらすか、又はかかる性質の組合せをもたらす傾向があることが予期せず発見された。具体的には、上記の利益が、ステビア抽出物及び甘味組成物中の甘味ステビオール配糖体の総濃度に対して比較的高濃度のレバウディオサイドBを選択する(例えば、甘味ステビオール配糖体化合物の総量の少なくとも10重量%をレバウディオサイドBとする)ことによって達成され得ることが発見された。
【0012】
上述の本発明のステビア抽出物及び甘味組成物は、食料品、すなわち食用又は咀嚼用の組成物、例えば食品、飲料、薬、キャンディー、チューインガム等におけるカロリーを抑えた、低カロリーの又はノンカロリーの甘味料として有用である。本発明のステビア抽出物及び甘味組成物が、他の甘味ステビオール配糖体の混合物、例えば市販のステビオール配糖体のブレンド及び混合物と比べて、より砂糖に似ており、苦い後味が減少し、(例えば甘草様の)異風味が減少した甘味プロファイルを有し得ることが発見された。試験によって、殆どの場合で本発明の甘味組成物が、同じ濃度で試験した場合に、97%レバウディオサイドAを含む組成物よりも被験体に好まれることが示された。本発明のステビア抽出物及び甘味組成物を食品及び飲料に添加することで、甘味ステビオール配糖体を含有する既知のステビア抽出物及び甘味組成物、例えば97%レバウディオサイドAを含む組成物を用いて調製したものと比較して、より味の良い食品及び飲料が得られることが期待される。
【0013】
レバウディオサイドBを他の高甘味度甘味料に添加することも企図される。本発明の実施形態に好適な高甘味度甘味料の代表例としては、
ズルコシドA、ズルコシドB(レバウディオサイドCとしても知られる)、ルブソシド、シアメノシド、モナチン及びその塩(モナチンSS、モナチンRR、モナチンRS、モナチンSR)、クルクリン、グリチルリチン酸及びその塩、タウマチン、モネリン、マビンリン、ブラゼイン、ヘルナンズルシン、フィロズルシン、グリシフィリン、フロリジン、ステビオシド、レバウディオサイドA、レバウディオサイドD、レバウディオサイドE、レバウディオサイドF、ステビア、ステビオールモノシド及びステビオールビオシド等の天然高甘味度甘味料、並びに、
サッカリン、アスパルテーム、スクラロース、ネオテーム、アセスルファムカリウム等の人工高甘味度甘味料、
が挙げられる。
【0014】
さらに、レバウディオサイドBをカロリー甘味料、例えば砂糖(例えば異性化糖、スクロース、フルクトース等)及びポリオール(例えばソルビトール、キシリトール、ラクチトール等)又は他の低カロリー甘味料に添加して、カロリー値の減少した甘味組成物を製造することができることが当業者には認識される。
【0015】
植物からのステビオール配糖体の単純抽出は一般に、レバウディオサイドAがより多い精製抽出物よりも味の点であまり好ましくない抽出物をもたらす。しかしながら、単純抽出物は高純度レバウディオサイドAよりも製造が容易であり、一般に製造にかかる費用が少ない。したがって、本発明の更なる利点は、精製レバウディオサイドAよりも製造にかかる費用が少ないが、同等の又はより優れた風味特性を有する配糖体混合物を得るための、単純抽出物又は部分精製生成物とレバウディオサイドBとの組合せであり得る。レバウディオサイドAの精製において味の良い配糖体が枯渇したステビオール配糖体プロセス流を、レバウディオサイドB含量を増大させることによって味を良くすることも企図される。
【0016】
レバウディオサイドBを含有する組成物を、凝集、噴霧乾燥、ドラム乾燥等の粒径を変更する既知の技術、及び粒径を調整するために一般に適用される他の形態の物理的処理を用いて更に変更し、より良好な流動性、水和性又は溶解性をもたらすことができる。
【0017】
レバウディオサイドBを含有する組成物を、既知の技術を用いて更に変更し、特定の用途における使用性を保った液体形態を提供することができる。
【0018】
レバウディオサイドBを含有する組成物を、マルトデキストリン等の充填剤及び類似の化合物と同時処理する既知の技法を用いて更に変更し、甘味、用量、効力及び取扱性を制御した生成物をもたらすことができる。さらに、レバウディオサイドB及び/又はレバウディオサイドBと他のステビオール配糖体との組合せを、甘味組成物に加えることが望まれ得る他の成分と組み合わせることができることに留意すべきである。例えば、レバウディオサイドBを、レバウディオサイドA又は他のステビオール配糖体上に、及び/又はマルトデキストリン、スクロース等の他の材料、若しくは任意の他の所望の機能的担体とともにスプレーコーティング又はスプレー凝集することができる。
【0019】
III.レバウディオサイドBを含むステビア抽出物及び甘味組成物
甘味ステビオール配糖体の混合物及びブレンド(例えば、ステビオール配糖体の混合物及びブレンド)の味を、本発明に従ってステビオール配糖体組成物中のレバウディオサイドBの濃度を制御し及び/又は増大させることによって改善することができることが発見された。味の改善は約pH2〜約pH8のpH値で明らかであると考えられる。
【0020】
レバウディオサイドBの溶解限度を決定した(実施例5を参照されたい)。例えば、これまでの実験結果は、(i)レバウディオサイドBが中性pH溶液中で比較的高い溶解度を有すること、及び(ii)レバウディオサイドBの溶解度がpH3のクエン酸緩衝液中で制限されることを示している。さらに、これまでの実験結果は、溶液中のレバウディオサイドAの存在がレバウディオサイドBの溶解度を増大させることを示している。一方で、これまでの実験結果は、ステビオシドの存在がレバウディオサイドBの溶解度を僅かに低下させることを示している。この溶解度の情報は、レバウディオサイドBの溶液及びレバウディオサイドの混合物を配合する場合に考慮され得る。
【0021】
他の甘味料と混合するためのレバウディオサイドBは、様々な方法で得ることができる。例えば、レバウディオサイドBをクロマトグラフィー、沈殿又は結晶化によって植物抽出物から単離することができる。代替的には、レバウディオサイドBは、適当な温度及びpH条件下でレバウディオサイドAを一価カチオン、二価カチオン及び三価カチオンの様々な水酸化物で処理することによって得ることができる。残存レバウディオサイドAとのレバウディオサイドBの混合物は、別の混合物中のレバウディオサイドBの量を増大させるために使用することができ、又はレバウディオサイドBをレバウディオサイドA/レバウディオサイドB混合物からクロマトグラフィー、沈殿又は選択的結晶化によって単離することができる。レバウディオサイドBは、レバウディオサイドDをレバウディオサイドAについて上記で言及したものと同じ水酸化化合物で処理することによっても類似の方法で得ることができる。生成物混合物又は単離レバウディオサイドBを使用して、上記の味が改善したステビオール配糖体混合物を調製することができる。別の代替方法としては、レバウディオサイドBをレバウディオサイドA又はレバウディオサイドDから酵素的に製造することができる。
【0022】
或る特定の実施形態では、ステビア抽出物又は甘味組成物は、レバウディオサイドBと1つ又は複数の付加的な甘味配糖体化合物とを含む。甘味配糖体化合物の代表例としては、レバウディオサイドA、レバウディオサイドB、レバウディオサイドC(ズルコシドB)、レバウディオサイドD、レバウディオサイドE、レバウディオサイドF、ステビア、ステビオシド、ズルコシドA及びルブソシドが挙げられる。或る特定の実施形態では、1つ又は複数の甘味配糖体は、ステビオールビオシド及びステビオールモノシドを含む甘味ステビオール配糖体であり得る。より具体的には、甘味ステビオール配糖体の代表例としては、レバウディオサイドA、レバウディオサイドB、レバウディオサイドC、レバウディオサイドD、レバウディオサイドE、レバウディオサイドF及びステビオシドが挙げられる。例えば、植物に由来するステビオール配糖体の部分精製抽出物は、レバウディオサイドBと付加的なステビオール配糖体との混合物を含むことが多い。
【0023】
ステビア抽出物又は甘味組成物がレバウディオサイドBと1つ又は複数の付加的な甘味ステビオール配糖体化合物とを含む、或る特定の実施形態では、レバウディオサイドBの量は、ステビア抽出物又は甘味組成物中の甘味ステビオール配糖体化合物の総量の少なくとも約10重量%という濃度である。或る特定の実施形態では、レバウディオサイドBの濃度は、ステビア抽出物又は甘味組成物中の甘味ステビオール配糖体化合物の総量の少なくとも約15重量%である。或る特定の実施形態では、レバウディオサイドBの濃度は、ステビア抽出物又は甘味組成物中の甘味ステビオール配糖体化合物の総量の少なくとも約20重量%である。或る特定の実施形態では、レバウディオサイドBの濃度は、ステビア抽出物又は甘味組成物中の甘味ステビオール配糖体化合物の総量の少なくとも約25重量%である。或る特定の実施形態では、レバウディオサイドBの濃度は、ステビア抽出物又は甘味組成物中の甘味ステビオール配糖体化合物の総量の少なくとも約30重量%である。或る特定の実施形態では、レバウディオサイドBの濃度は、ステビア抽出物又は甘味組成物中の甘味ステビオール配糖体化合物の総量の少なくとも約35重量%である。或る特定の実施形態では、レバウディオサイドBの濃度は、ステビア抽出物又は甘味組成物中の甘味ステビオール配糖体化合物の総量の少なくとも約40重量%である。或る特定の実施形態では、レバウディオサイドBの濃度は、ステビア抽出物又は甘味組成物中の甘味ステビオール配糖体化合物の総量の少なくとも約45重量%である。或る特定の実施形態では、レバウディオサイドBの濃度は、ステビア抽出物又は甘味組成物中の甘味ステビオール配糖体化合物の総量の少なくとも約50重量%である。
【0024】
ステビア抽出物又は甘味組成物がレバウディオサイドBと1つ又は複数の付加的な甘味ステビオール配糖体化合物とを含み、レバウディオサイドBの濃度が上記の実施形態のいずれかと一致する濃度である(「一致する」という用語は、下方の範囲の上限よりも大きい上方の範囲の下限が選択される可能性のある組合せを除外するものである)、或る特定の実施形態では、レバウディオサイドBの濃度は、ステビア抽出物又は甘味組成物中の甘味ステビオール配糖体化合物の総量の約90重量%以下の濃度でもあり得る。レバウディオサイドBの濃度が上記の実施形態のいずれかと一致する濃度である、或る特定の実施形態では、レバウディオサイドBの濃度は、ステビア抽出物又は甘味組成物中の甘味ステビオール配糖体化合物の総量の約80重量%以下である。レバウディオサイドBの濃度が上記の実施形態のいずれかと一致する濃度である、或る特定の実施形態では、レバウディオサイドBの濃度は、ステビア抽出物又は甘味組成物中の甘味ステビオール配糖体化合物の総量の約70重量%以下である。レバウディオサイドBの濃度が上記の実施形態のいずれかと一致する濃度である、或る特定の実施形態では、レバウディオサイドBの濃度は、ステビア抽出物又は甘味組成物中の甘味ステビオール配糖体化合物の総量の約60重量%以下である。レバウディオサイドBの濃度が上記の実施形態のいずれかと一致する濃度である、或る特定の実施形態では、レバウディオサイドBの濃度は、ステビア抽出物又は甘味組成物中の甘味ステビオール配糖体化合物の総量の約50重量%以下である。レバウディオサイドBの濃度が上記の実施形態のいずれかと一致する濃度である、或る特定の実施形態では、レバウディオサイドBの濃度は、ステビア抽出物又は甘味組成物中の甘味ステビオール配糖体化合物の総量の約40重量%以下である。レバウディオサイドBの濃度が上記の実施形態のいずれかと一致する濃度である、或る特定の実施形態では、レバウディオサイドBの濃度は、ステビア抽出物又は甘味組成物中の甘味ステビオール配糖体化合物の総量の約35重量%以下である。レバウディオサイドBの濃度が上記の実施形態のいずれかと一致する濃度である、或る特定の実施形態では、レバウディオサイドBの濃度は、ステビア抽出物又は甘味組成物中の甘味ステビオール配糖体化合物の総量の約30重量%以下である。レバウディオサイドBの濃度が上記の実施形態のいずれかと一致する濃度である、或る特定の実施形態では、レバウディオサイドBの濃度は、ステビア抽出物又は甘味組成物中の甘味ステビオール配糖体化合物の総量の約25重量%以下である。
【0025】
或る特定の実施形態では、1つ又は複数の付加的な甘味ステビオール配糖体化合物は、レバウディオサイドAを含む。例えば、ステビオール配糖体の部分精製抽出物がレバウディオサイドBとレバウディオサイドAとの混合物を含み得るか、又はレバウディオサイドBがレバウディオサイドAの精製調製物に組み込まれ得る。レバウディオサイドAを含む或る特定の実施形態では、ステビア抽出物又は甘味組成物中のレバウディオサイドAの量は、ステビア抽出物又は甘味組成物中の甘味ステビオール配糖体化合物の総量の少なくとも約1重量%という濃度である。或る特定の実施形態では、レバウディオサイドAの量は、ステビア抽出物又は甘味組成物中の甘味ステビオール配糖体化合物の総量の少なくとも約5重量%である。或る特定の実施形態では、レバウディオサイドAの量は、ステビア抽出物又は甘味組成物中の甘味ステビオール配糖体化合物の総量の少なくとも約10重量%である。或る特定の実施形態では、レバウディオサイドAの量は、ステビア抽出物又は甘味組成物中の甘味ステビオール配糖体化合物の総量の少なくとも約20重量%である。或る特定の実施形態では、レバウディオサイドAの量は、ステビア抽出物又は甘味組成物中の甘味ステビオール配糖体化合物の総量の少なくとも約30重量%である。或る特定の実施形態では、レバウディオサイドAの量は、ステビア抽出物又は甘味組成物中の甘味ステビオール配糖体化合物の総量の少なくとも約40重量%である。或る特定の実施形態では、レバウディオサイドAの量は、ステビア抽出物又は甘味組成物中の甘味ステビオール配糖体化合物の総量の少なくとも約50重量%である。或る特定の実施形態では、レバウディオサイドAの量は、ステビア抽出物又は甘味組成物中の甘味ステビオール配糖体化合物の総量の少なくとも約60重量%である。或る特定の実施形態では、レバウディオサイドAの量は、ステビア抽出物又は甘味組成物中の甘味ステビオール配糖体化合物の総量の少なくとも約70重量%である。
【0026】
レバウディオサイドAの濃度が上記の実施形態のいずれかと一致する濃度である、レバウディオサイドAを含む或る特定の実施形態では、レバウディオサイドAの濃度は、ステビア抽出物又は甘味組成物中の甘味ステビオール配糖体化合物の総量の約95重量%以下である。レバウディオサイドAの濃度が上記の実施形態のいずれかと一致する濃度である、レバウディオサイドAを含む或る特定の実施形態では、レバウディオサイドAの濃度は、ステビア抽出物又は甘味組成物中の甘味ステビオール配糖体化合物の総量の約90重量%以下である。レバウディオサイドAの濃度が上記の実施形態のいずれかと一致する濃度である、レバウディオサイドAを含む或る特定の実施形態では、レバウディオサイドAの濃度は、ステビア抽出物又は甘味組成物中の甘味ステビオール配糖体化合物の総量の約85重量%以下である。レバウディオサイドAの濃度が上記の実施形態のいずれかと一致する濃度である、レバウディオサイドAを含む或る特定の実施形態では、レバウディオサイドAの濃度は、ステビア抽出物又は甘味組成物中の甘味ステビオール配糖体化合物の総量の約80重量%以下である。レバウディオサイドAの濃度が上記の実施形態のいずれかと一致する濃度である、レバウディオサイドAを含む或る特定の実施形態では、レバウディオサイドAの濃度は、ステビア抽出物又は甘味組成物中の甘味ステビオール配糖体化合物の総量の約75重量%以下である。レバウディオサイドAの濃度が上記の実施形態のいずれかと一致する濃度である、レバウディオサイドAを含む或る特定の実施形態では、レバウディオサイドAの濃度は、ステビア抽出物又は甘味組成物中の甘味ステビオール配糖体化合物の総量の約70重量%以下である。レバウディオサイドAの濃度が上記の実施形態のいずれかと一致する濃度である、レバウディオサイドAを含む或る特定の実施形態では、レバウディオサイドAの濃度は、ステビア抽出物又は甘味組成物中の甘味ステビオール配糖体化合物の総量の約65重量%以下である。レバウディオサイドAの濃度が上記の実施形態のいずれかと一致する濃度である、レバウディオサイドAを含む或る特定の実施形態では、レバウディオサイドAの濃度は、ステビア抽出物又は甘味組成物中の甘味ステビオール配糖体化合物の総量の約60重量%以下である。レバウディオサイドAの濃度が上記の実施形態のいずれかと一致する濃度である、レバウディオサイドAを含む或る特定の実施形態では、レバウディオサイドAの濃度は、ステビア抽出物又は甘味組成物中の甘味ステビオール配糖体化合物の総量の約55重量%以下である。レバウディオサイドAの濃度が上記の実施形態のいずれかと一致する濃度である、レバウディオサイドAを含む或る特定の実施形態では、レバウディオサイドAの濃度は、ステビア抽出物又は甘味組成物中の甘味ステビオール配糖体化合物の総量の約50重量%以下である。
【0027】
本発明の甘味組成物は、様々な量の様々なタイプの甘味料の混合物を含み得るが、或る特定の実施形態では、レバウディオサイドBと1つ又は複数の付加的な甘味ステビオール配糖体化合物とを含む甘味組成物は、甘味ステビオール配糖体化合物から本質的になる。例えば、かかる実施形態では、レバウディオサイドB及び組成物中に存在する他の全ての甘味ステビオール配糖体化合物の総濃度が、甘味組成物の本質的に全ての甘味官能性(functionality)をもたらす。レバウディオサイド及び甘味ステビオール配糖体化合物から本質的になる甘味組成物中に含まれ得る他の甘味化合物の量は、問題の他の甘味化合物のタイプ及びその甘味閾値濃度(これを下回れば、その甘味化合物が甘味組成物の甘味に感知され得るほど寄与しないと考えられる)に応じて異なる。さらに、或る特定の実施形態では、レバウディオサイドBと1つ又は複数の付加的な甘味ステビオール配糖体化合物とを含む甘味組成物は、甘味ステビオール配糖体化合物からなる。
【0028】
或る特定の実施形態では、レバウディオサイドBと1つ又は複数の付加的な甘味ステビオール配糖体化合物とを含むステビア抽出物又は甘味組成物は、ステビオシドを含む。或る特定の実施形態では、ステビオシドの濃度は、ステビア抽出物又は甘味組成物中の甘味ステビオール配糖体化合物の総量の少なくとも約1重量%である。或る特定の実施形態では、ステビオシドの濃度は、ステビア抽出物又は甘味組成物中の甘味ステビオール配糖体化合物の総量の少なくとも約5重量%である。或る特定の実施形態では、ステビオシドの濃度は、ステビア抽出物又は甘味組成物中の甘味ステビオール配糖体化合物の総量の少なくとも約10重量%である。或る特定の実施形態では、ステビオシドの濃度は、ステビア抽出物又は甘味組成物中の甘味ステビオール配糖体化合物の総量の少なくとも約20重量%である。或る特定の実施形態では、ステビオシドの濃度は、ステビア抽出物又は甘味組成物中の甘味ステビオール配糖体化合物の総量の少なくとも約30重量%である。或る特定の実施形態では、ステビオシドの濃度は、ステビア抽出物又は甘味組成物中の甘味ステビオール配糖体化合物の総量の少なくとも約40重量%である。或る特定の実施形態では、ステビオシドの濃度は、ステビア抽出物又は甘味組成物中の甘味ステビオール配糖体化合物の総量の約95重量%以下である。或る特定の実施形態では、ステビオシドの濃度は、ステビア抽出物又は甘味組成物中の甘味ステビオール配糖体化合物の総量の約90重量%以下である。或る特定の実施形態では、ステビオシドの濃度は、ステビア抽出物又は甘味組成物中の甘味ステビオール配糖体化合物の総量の約80重量%以下である。或る特定の実施形態では、ステビオシドの濃度は、ステビア抽出物又は甘味組成物中の甘味ステビオール配糖体化合物の総量の約70重量%以下である。或る特定の実施形態では、ステビオシドの濃度は、ステビア抽出物又は甘味組成物中の甘味ステビオール配糖体化合物の総量の約60重量%以下である。
【0029】
IV.高濃度のレバウディオサイドB甘味料を含む製品
本発明の或る特定の実施形態は、高濃度のレバウディオサイドBを含むステビア抽出物又は甘味組成物を含む食料品に関する。当業者であれば、任意の食用組成物又は咀嚼用組成物、例えば食料品(例えばスナック、焼き菓子、スープ、ソース、加工食肉、果物の缶詰、野菜の缶詰、乳製品、冷凍菓子、ケーキ、クッキー、バー及び他の菓子パン類(sweet bakery items)、シリアル、シリアルバー、ヨーグルト、ヨーグルト含有飲料、エナジーバー、グラノーラバー、ハードキャンディー、ゼリーキャンディー、チョコレートキャンディー及び他の糖菓類(sweet confections))、飲料(例えば炭酸清涼飲料、缶やペットボトルの茶飲料(ready to drink teas)、スポーツドリンク、乳飲料、アルコール飲料、栄養飲料、コーヒー、フレーバーウォーター、ビタミン飲料、果実飲料及び果汁飲料、粉末清涼飲料)、薬又は医薬品(例えば錠剤、舐剤、懸濁剤等)、栄養補助食品(例えばサプリメント、ビタミン等)、キャンディー又は砂糖菓子、チューインガム、タバコ製品(例えば噛みタバコ)等を本発明に従って甘くすることができることを認識するであろう。レバウディオサイドB、又はレバウディオサイドBと他の任意の甘味料とを含むステビア抽出物若しくは甘味組成物の食料品への添加は、食料品及びその調製によって異なるプロセスである。かかる調製は食料品調製の当業者に既知である。好ましくは、甘味組成物は、食料品に所望の量の甘味を付与するのに有効な量で含まれる。当業者であれば、食料品の調製において添加するのに好ましい甘味料の量を決定することが慣行であることを認識するであろう。
【0030】
或る特定の実施形態では、食料品はレバウディオサイドBと、本明細書に記載の1つ又は複数の付加的な甘味ステビオール配糖体化合物とを含む甘味組成物を含有する。或る特定の実施形態では、甘味組成物のステビオール配糖体の総濃度は、その甘味閾値(約40ppmと考えられる)未満である。かかる実施形態では、甘味ステビオール配糖体は、このような少ない量で甘味料というよりも風味付与剤又は風味増強剤として働くと考えられる。或る特定の実施形態では、甘味組成物の甘味ステビオール配糖体の総濃度は、少なくとも約50ppmである。或る特定の実施形態では、甘味組成物の甘味ステビオール配糖体は、少なくとも約200ppmという総濃度、又は少なくとも約500ppmという濃度、又は少なくとも約1500ppmという濃度である。
【0031】
或る特定の実施形態では、食料品はレバウディオサイドBと、本明細書に記載の1つ又は複数の付加的な甘味ステビオール配糖体化合物とを含む甘味組成物を含有する飲料である。或る特定の実施形態では、飲料のpHは少なくとも約pH2(好ましくは少なくとも約pH4)かつ約pH8以下である。或る特定の実施形態では、甘味組成物の甘味ステビオール配糖体の総濃度は、少なくとも約50ppmである。或る特定の実施形態では、甘味組成物の甘味ステビオール配糖体の総濃度は、少なくとも約200ppm又は少なくとも約500ppm又は少なくとも約1500ppmである。
【0032】
V.甘味組成物の製造
本明細書で説明する原理に従う甘味組成物は、任意の適当な様々な方法に従って製造することができる。かかる方法の1つは、或る特定の量のレバウディオサイドBと、1つ又は複数の付加的な甘味ステビオール配糖体化合物、例えばレバウディオサイドA及び/又は他の甘味ステビオール配糖体化合物とをブレンドすることを含む。例えば、精製レバウディオサイドBと、レバウディオサイドA及び/又は他の甘味ステビオール配糖体化合物とのブレンドは、構成要素の乾燥粉末をブレンドすることによって作製することができる。代替的には、甘味ステビオール配糖体化合物の混合物を溶液又は懸濁液中で調製し、同時乾燥して粉末を製造することができる。
【0033】
レバウディオサイドAは通常、例えば80%超のレバウディオサイドA、95%超のレバウディオサイドA又は97%以上のレバウディオサイドAとして特徴付けられる市販の材料である。このようなレバウディオサイドAの精製形態は通常、他のステビオール配糖体の量を溶媒再結晶化、吸着樹脂又はクロマトグラフ分別を用いることによって低減することで達成される。
【0034】
レバウディオサイドBは、様々な手段に従って得ることができる。例えば、レバウディオサイドBは、レバウディオサイドAの処理及び精製に伴って発生するプロセス流から、例えば沈殿、再結晶化、クロマトグラフ分別、吸着樹脂を用いて回収することができる。さらに、レバウディオサイドBは、Kohda, et. al., Phytochemistry, vol. 15, pp. 981-983 (1975)及び特許第52083731号公報により開示されるようなレバウディオサイドAのアルカリ加水分解又は酸加水分解によって得ることができる。レバウディオサイドBは、Mizukani, H., et al., Phytochem vol. 21, pp. 1927-1930 (1982)により開示されるようなレバウディオサイドAの酵素加水分解によっても製造することができる。
【0035】
レバウディオサイドBはレバウディオサイドAから形成され得るため、ステビア抽出物のレバウディオサイドB含量は、例えばステビア植物からのステビオール配糖体の抽出に関連するプロセスパラメータを変更することによって増大させることができる。例えば、レバウディオサイドBの量はプロセス流のpH、プロセス流の温度を制御すること、プロセス時間を延長させること、又はかかる変更の組合せによって増大させることができる。
【0036】
必要に応じて、レバウディオサイドBを、他のステビオール配糖体及び関連化合物から任意の適当な方法を用いて分離することができる。例えば、レバウディオサイドBを、溶液のpHを低下させることによって溶液から沈殿させることができる。レバウディオサイドBは通常、pH値が約4.5未満の室温の水中で本質的に不溶性のプロトン化形態へと変換する。
【0037】
レバウディオサイドBは沈殿後、懸濁液を精製する一般的な手段のいずれかによって、溶質化合物を含む溶液から分離することができる。沈殿物を遠心分離して、上清を除去することができる。沈殿物は、真空濾過等の濾過によって又はフィルタープレスを用いて分離することができる。可溶性相と不溶性相とは、膜を用いて分離することができる。濾過ケーキ、遠心分離ペレット又は膜残留物(membrane retentate)を水で洗浄することによって更に精製することができる。代替的には、部分精製し、回収した沈殿物をpHが約7.7超の水に再溶解し、酸を添加してpHを約4.5未満に低下させることによって再沈殿し、上記技法のいずれかによって不純物を含有する液相から再び分離することができる。
【0038】
代替的には、レバウディオサイドBを、レバウディオサイドBの溶解度が限られているか、又はレバウディオサイドBが不溶性の溶媒を添加することによって沈殿させることができる。具体的な溶媒、添加量及び温度は、他の化合物ではなく本質的にレバウディオサイドBのみが沈殿するように選択するのが好ましい。
【0039】
水中の中性pHでは、可溶性レバウディオサイドBは、クロマトグラフ分別、再結晶化、レバウディオサイドを保持するが、より小さい分子を通過させる適当な孔径の膜を用いた膜分離、又は全不純物を吸着してレバウディオサイドを溶出するか、若しくはレバウディオサイドを吸着して全不純物を溶出する吸着性樹脂を用いた処理によって他の可溶性化合物から分離することができる。次いで、吸着した材料に対して親和性を有する溶離液で樹脂を洗浄し、樹脂を再生する(1つ目の例)、又はレバウディオサイドを回収する(2つ目の例)。
【0040】
分離したレバウディオサイドBは、任意の適当な方法及び関連装置によって、例えばベルト乾燥、ドラム乾燥、トレイ乾燥、噴霧乾燥、凍結乾燥、気流乾燥、又は流動床を用いた乾燥によって乾燥させることができる。代替的には、レバウディオサイドBを乾燥させた後、乾燥させたレバウディオサイドBと、レバウディオサイドA及び/又は他の甘味ステビオシド化合物とをブレンドする代わりに、それらを溶液中でブレンドした後、組成物を乾燥させることができる。
【実施例】
【0041】
開示した以下の実施形態は、様々な形態で具体化され得る本発明を代表するものにすぎない。そのため、以下の実施例において開示した具体的な構造、機能及び手順上の詳細は限定的なものとは解釈されない。
【0042】
実施例1−市販のステビオール配糖体の混合物及びレバウディオサイドBに富んだ配糖体の混合物の選好性試験
市販のステビオール配糖体のブレンドを、0.0056Mクエン酸緩衝液(pH3.1)に溶解した。97%レバウディオサイドAを含有する市販の甘味組成物を含有する溶液を同様に調製した。
【0043】
【表1】
【0044】
31人のTate & Lyleの従業員が、甘味及び選好性の一対比較検定に参加した。製品を、pH3.1のクエン酸緩衝液(1L当たり0.9gの無水クエン酸(Tate & Lyle,Decatur,IL)及び0.26gのクエン酸ナトリウム二水和物(Tate & Lyle,Decatur,IL))中で作製し、ランダムな3桁の番号をラベルした2オンスのスフレカップ内で室温で試験した。提示順序は回転させた。より甘く、より好ましい溶液をパネリストに決めさせた。投票用紙を渡し、SIMS官能検査ソフトウェア(sensory software)(Sensory Computer Systems,LLC,Morristown,NJ)を用いてデータを収集した。ミネラルウォーター、2%スクロース溶液及び無塩クラッカーを、パネリストの試験前及び試験中の口直しのために用意した。
【0045】
甘味及び選好性に関する質問の結果を、2項検定を用いて分析し、サーストンのd’(Thurstonian d')を計算した。片側2項検定に関するp値を、
【数1】
(式中、cは成功回数であり、nは試行回数であり、pは偶然確率である)として計算した。この検定は、p値が事前に設定したαリスク未満である場合に統計的に有意とみなされる。両側p値は上で計算した片側p値の2倍である。
【0046】
サーストンのd’は心理物理学的相違の尺度である。1というd’は一般に、刺激が試行の75%においてより強いと判断される丁度可知差異(JND)と考えられる。サーストンのd’は試験方法から独立し、一対比較検定については、
【数2】
(式中、pは成功の割合であり、Φ(・)は標準正規分布の累積分布関数である)として計算される。これらの統計用語は、これに関する標準的な教科書、例えば"Sensory Discrimination Tests and Measurements", Jian Bi (Blackwell Publishing, 2006)においてより十分に定義されている。
【0047】
一対比較検定に関する指示は以下のとおりとした:
(i)サンプルの前及びサンプル間で口をすすぐことが重要である。
(ii)クラッカーを一口食べて口直しする。次いで、砂糖水で口をすすぐ。最後に、水(plain water)で口をすすぐ。
(iii)提示の順序で左から右にサンプルを試飲する。
(iv)第1のサンプルの少なくとも半分を試飲し、甘味を記入する。
(v)砂糖水で口をすすぎ、続いて水で口をすすぐ。
(vi)ここで、第2のサンプルの少なくとも半分を試飲する。
(vii)第1のサンプルを再度試飲しないこと。
(viii)選好性及び甘味についてサンプルを評価する。より好ましいサンプルを選び、より甘いサンプルを選ぶ。これらは同じサンプルであっても、又はそうでなくてもよい。確信が持てない又は選好性がない場合でもいずれかを選ぶ。
【0048】
一対比較検定に関する質問は以下のとおりとした:
(i)これら2つのサンプルのどちらがより好ましいか。
(ii)2つのサンプルのどちらがより甘いか。
【0049】
この検定の結果及び心理物理学的d’値を下記第2表に示す。
【0050】
【表2】
【0051】
結果から示されるように、市販のブレンドが97%レバウディオサイドAより僅かに好まれず、97%レバウディオサイドAとほぼ同じ甘味であることが分かった。
【0052】
同様に行われるその後の試験では、上記の市販のブレンドに対してレバウディオサイドBを添加し、甘味ステビオール配糖体の総量に対するレバウディオサイドBの濃度が約21%であり、レバウディオサイドAとレバウディオサイドBとの比率が約3:1である、本発明の実施形態である配糖体混合物を作製した。
【0053】
ステビオール配糖体の配糖体ブレンドを、0.0056Mクエン酸緩衝液(pH3.1)に溶解した。97%レバウディオサイドAを含有する市販の甘味組成物を含有する溶液を同様に調製した。
【0054】
【表3】
【0055】
この2つの溶液をTate & Lyleの従業員のパネルに提示し、上記に説明したものと同じ指示及び質問を用いて、より甘く、より好ましい溶液を決めさせた。甘味及び選好性に関する質問の結果を、2項検定を用いて分析し、上記に説明したようにサーストンのd’を計算した。この検定の結果及び心理物理学的d’値を下記第4表に示す。
【0056】
【表4】
【0057】
レバウディオサイドBブレンドが好まれ、かつ97%レバウディオサイドAよりも甘いことが分かった。
【0058】
実施例2−ステビオシドと混合したレバウディオサイドA又はレバウディオサイドBの800ppm混合物の選好性試験
味覚パネルに、レバウディオサイドAとステビオシドとの市販の混合物と、97%レバウディオサイドAの500ppmサンプルとを比較させた。ステビオール配糖体の配糖体ブレンドを、0.0056Mクエン酸緩衝液(pH3.1)に溶解した。97%レバウディオサイドAを含有する市販の甘味組成物を含有する溶液を同様に調製した。サンプル提示順序は回転させ、この2つの溶液のサンプル(室温)をTate & Lyleの従業員のパネルに提示し、実施例1と同じ指示及び質問を用いて、より甘く、より好ましい溶液を決めさせた。甘味及び選好性に関する質問の結果を、2項検定を用いて分析し、実施例1と同様にサーストンのd’を計算した。
【0059】
【表5】
【0060】
別のパネルにレバウディオサイドBとステビオシドとの混合物を比較させた。ステビオール配糖体の配糖体ブレンドを、0.0056Mクエン酸緩衝液(pH3.1)に溶解した。97%レバウディオサイドAを含有する市販の甘味組成物を含有する溶液を同様に調製した。この2つの溶液をTate & Lyleの従業員のパネルに提示し、実施例1と同じ指示及び質問を用いて、より甘く、より好ましい溶液を決めさせた。
【0061】
【表6】
【0062】
甘味及び選好性に関する質問の結果を、2項検定を用いて分析し、実施例1と同様にサーストンのd’を計算した。2つのパネルの結果及び心理物理学的d’値を第7表及び第8表にそれぞれ示す。
【0063】
【表7】
【0064】
結果から示されるように、レバウディオサイドA−ステビオシドブレンドが、97%レバウディオサイドAと比較して殆ど好まれず、甘味がほぼ等しいことが分かった。
【0065】
【表8】
【0066】
結果から示されるように、レバウディオサイドB−ステビオシドブレンドが97%レバウディオサイドA(500ppm)と同様に好まれ、レバウディオサイドB−ステビオシドブレンドが97%レバウディオサイドAよりも甘いことが分かった。
【0067】
実施例3−レバウディオサイドA又はレバウディオサイドBの混合物の選好性試験
味覚パネルに、レバウディオサイドAとレバウディオサイドBとの市販の混合物と、97%レバウディオサイドAの900ppmサンプルとを比較させた。Tate & Lyleの従業員が甘味及び選好性の一対比較検定に参加した。ランダムな3桁の番号をラベルした2オンスのスフレカップ内で、サンプルを室温で試験した。900ppmのレバウディオサイドAの異風味が残るため、提示順序は回転させなかった。パネリストは初めに試験サンプルを評価し、次いで対照の900ppmレバウディオサイドAサンプルを評価した。パネリストにサンプルを再び試飲しないよう指示した。さらに、パネリストをサンプルの試験間に1分間待たせ、2%スクロース溶液、無塩クラッカー及びミネラルウォーターで口直しするよう指示した。より甘く、より好ましい溶液をパネリストに決めさせた。投票用紙を渡し、SIMS官能検査ソフトウェア(Sensory Computer Systems,LLC,Morristown,NJ)を用いてデータを収集した。
【0068】
【表9】
【0069】
一対比較検定に関する指示は以下のとおりとした:
(i)サンプルの前及びサンプル間で口をすすぐことが重要である。
(ii)クラッカーを一口食べて口直しする。次いで、砂糖水で口をすすぐ。最後に、水で口をすすぐ。
(iii)提示の順序で左から右にサンプルを試飲する。
(iv)各サンプルの少なくとも半分を試飲し、甘味を記入する。
(v)砂糖水で口をすすぎ、続いて水で口をすすぐ。
(vi)選好性及び甘味についてサンプルを評価する。より好ましいサンプルを選び、より甘いサンプルを選ぶ。これらは同じサンプルであっても、又はそうでなくてもよい。確信が持てない又は選好性がない場合でもいずれかを選ぶ。
(vii)ここで、左側のサンプルを試飲する。
(viii)次のサンプルを試飲する前に1分間待つ(SIMSの60秒タイマーを開始する)
(ix)ここで、右側のサンプルを試飲する。
【0070】
一対比較検定に関する質問は以下のとおりとした:
(i)これら2つのサンプルのどちらがより好ましいか。答えをマークする前に3桁の番号を入念に確認すること。これらはサンプルが提示された順序と同じでなくてもよい。
(ii)2つのサンプルのどちらがより甘いか。
【0071】
試験の間、SIMSの120秒タイマーを開始した。甘味及び選好性に関する質問の結果を、2項検定を用いて分析し、実施例1と同様にサーストンのd’を計算した。
【0072】
2つのパネルの結果及び心理物理学的d’値を第11表に示す。
【0073】
【表10】
【0074】
結果から示されるように、レバウディオサイドA−レバウディオサイドBブレンドが97%レバウディオサイドAと比較して好まれ、甘味がほぼ等しいことが分かった。
【0075】
実施例4−ステビオール配糖体混合物の選好性試験
本研究は、レバウディオサイドA単独に対するレバウディオサイドAとレバウディオサイドBとのブレンドの選好性を決定するために、投票に関するパネリストの混乱を低減するよう変更した、パネリストテスターにおよそ2オンスの各サンプルを摂取させる官能的方法を用いて、およそ10SEVの甘味で行った。
【0076】
パネリストに甘味及び選好性の一対比較検定を行った。3桁の番号をラベルした2オンスのスフレカップ内で、製品を冷蔵温度で試験した。サンプルは提供する直前に注いだ。より甘く、より好ましい飲料をパネリストに決めさせた。ミネラルウォーター、2%スクロース溶液及び無塩クラッカーを、パネリストの試験前及び試験中の口直しのために用意した。
【0077】
パネリストは1回目に試験サンプルを評価し、次いで2回目に対照の900ppmレバウディオサイドAサンプルを評価した。900ppmのレバウディオサイドAの異風味が残るため、本試験における提示順序は回転させなかった。パネリストに全てのサンプルを摂取し、サンプルを再び試飲しないよう指示した。パネリストには、投票時のサンプルの順序が、サンプルが提示された順序と同じでなくてもよいことを注意した。接着剤付きノートに好ましいサンプルをマークするようパネリストに指示し、これらの結果を投票による結果と比較した。サンプル間に1分間及び試験間に2分間の休憩を設け、パネリストに2%スクロース、クラッカー及び水で口直しするよう指示した。
【0078】
試験した製品は、1部のシロップと4部の炭酸水とを含むレモンライム炭酸清涼飲料であり、シロップは下記第12表に記載の組成を有するものとした。
【0079】
【表11】
【0080】
結果を、選好性については片側検定、甘味については両側検定として2項検定を用いてαリスク0.05で分析した。試験の結果を下記第13表に記載する。
【0081】
【表12】
【0082】
検定から、試験レモンライム炭酸清涼飲料のどちらも、レバウディオサイドAで甘くしたレモンライム炭酸清涼飲料と甘味が有意に異ならず、レバウディオサイドAで甘くしたレモンライム炭酸清涼飲料よりも有意に好ましかったことが示される。
【0083】
分析から、レバウディオサイドAとレバウディオサイドBとのブレンドが、とりわけ高い甘味レベルでレバウディオサイドA単独よりも好ましいことが示唆される。
【0084】
実施例5−溶解度
或る特定の溶液におけるレバウディオサイドA及びレバウディオサイドBの溶解度を決定するために、4つのストック溶液を調製した。10倍濃縮したクエン酸/クエン酸ナトリウム(pH3)ストック緩衝溶液を、0.9gの無水クエン酸及び0.26gのクエン酸ナトリウム二水和物を水に溶解し、100mLの緩衝液(0.047Mクエン酸+0.0088Mクエン酸ナトリウム)を作製することによって調製した。レバウディオサイドAの2500ppm(公称)溶液を、0.125gのGLG RA 97を溶解し、50mLの溶液を作製することによって調製した。ステビオシドの2500ppm(公称)溶液を、0.125gのGLG STV 97を溶解し、50mLの溶液を作製することによって調製した。レバウディオサイドBの1000ppm(公称)溶液を、1790ppmと測定された56mLの溶液を希釈し、100mLの溶液を作製することによって調製した。
【0085】
これらの溶液を、第14表に示すように、容量(μL)を1.5mL容の微小遠心管にマイクロピペットで量り取ることによって総量1mLとして混合した。得られた3つの配糖体それぞれの公称濃度(ppm)も第14表に挙げる。
【0086】
【表13】
【0087】
混合の直後、溶液は全て透明であり(相対するものは混濁である)、沈殿を示さなかった。次いで、試験管を実験室内に室温(約25℃)で約100時間静置すると、その時点までに全てが少なくとも幾らかの沈殿を示した。5日間(約100時間)放置した後、試験管を卓上遠心機で回転させ、沈殿物をペレット化した。透明な上清をバイアルに採取し、UV検出(Watersの2487 Dual λ Absorbance Detectorを備えるWatersの2695 Separations Module、又は同等の機器)による逆相高速液体クロマトグラフィー(HPLC)勾配法を用いて、配糖体についてアッセイした。これについて第15表にまとめる。HPLC条件は以下のとおりとした:
カラム − WatersのAtlantis T3 4.6×250mm;4μ、PhenomenexのSecurity Guard AQ C18ガードカートリッジ、4×3.0mm、
緩衝液 − 0.0284%酢酸アンモニウム、0.0116%酢酸、
流量 − 1.0mL/分、
検出器 − 203nmでの分析を用いたUV検出器、
注入量 − 20μL又は必要に応じて標準濃度に適合する量、及び、
カラム温度 − 40℃。
【0088】
【表14】
【0089】
HPLCにより収集した上清のデータを、DESIGN EXPERT 8ソフトウェアを用いて処理した。簡潔に述べると、データをプログラムに公称データとしての2要因5水準の一般要因計画である「要因」データとして入力し、これを次いで数値データに変換し、実際のHPLC結果に置き換えた。次いで、ソフトウェアによって、上清中のレバウディオサイドA及びステビオシドの濃度に応じてレバウディオサイドBの濃度(溶解度)を予測するモデルを選択した。ソフトウェアによってモデルパラメータの有意性を示す多数の統計的要因も計算した。この場合、モデル化によって、小さなレバウディオサイドA−ステビオシド相互作用パラメータを含むモデルと含まないモデルとが、ほぼ等しく有効であることが示されたため、より単純な(非干渉)モデルを更なる処理に選択した。このプログラムによって得られたモデルの分散分析(ANOVA)を第16表に示す。
【0090】
【表15】
【0091】
第17表は、各々の試験溶液に由来する上清の実験的に決定された組成を示す。
【0092】
【表16】
【0093】
本研究に使用したレバウディオサイドBは、試験管1〜試験管5に見られるレバウディオサイドAを説明する、約6%〜7%のレバウディオサイドAを含有していた。サンプル中のステビオシド及びレバウディオサイドAの濃度は、これらの化合物がこの濃度でこの緩衝液に完全に可溶性である、すなわち、レバウディオサイドBのみが実験中に沈殿したという考えと一致することもデータから明らかである。第18表に示すデータをDESIGN EXPERT 8に入力し、2要因線形回帰モデルを生成した。これを下記方程式1に記載する。
【数3】
【0094】
この方程式から示されるように、上清中のBの濃度(concB、すなわち溶解限度)が、レバウディオサイドAの濃度(concA)及びステビオシドの濃度(concSs)の両方に影響されることが分かった。レバウディオサイドBの溶解度は、レバウディオサイドAの濃度を増大させることによって実質的に増大し、ステビオシドの濃度を増大させることによって僅かに減少した。
【0095】
図1に示されるように、方程式1によって表される線形−線形モデルを、3Dプロットにおいて平面としてプロットする。平面はクエン酸緩衝液(pH3.1)におけるレバウディオサイドBの最大溶解度を表し、478ppmのステビオシドにおける場合(モデルによる)の約225ppmという低い溶解度から480ppmのレバウディオサイドAにおける約380ppmまでの範囲である。
【0096】
溶解限度(方程式1)と、質量分率の総和が1でなければならないという制約とを用いることで、溶解限度でのレバウディオサイドBの質量分率(X)を、レバウディオサイドAの質量分率(X)、総レバウディオサイド濃度(レバウディオサイドB+レバウディオサイドA+ステビオシド=Ctot)、及び回帰方程式(下記方程式2)の係数(α=225.18ppm、α=0.312、α=−0.0226)に関連付ける方程式を見出すことができる。
【数4】
【0097】
したがって、方程式2がレバウディオサイドAと、ステビオシドと、レバウディオサイドBとの三成分混合物における安定な溶液の溶解度領域の端を規定すると考えられる。そのため、安定な領域の大きさは総濃度(Ctot)によって異なる。
【0098】
本研究から、レバウディオサイドBが中性pH溶液中で高い溶解度を有するにもかかわらず、レバウディオサイドBの溶解度がpH3のクエン酸緩衝液において制限されることが明らかに示される。また、レバウディオサイドAの存在はレバウディオサイドBの溶解度を増大させるが、ステビオシドの存在はレバウディオサイドBの溶解度を僅かに低減する。この溶解度の情報は、レバウディオサイドBの溶液及びレバウディオサイドの混合物の配合を試みる場合に留意すべきである。
【0099】
実施例6−レバウディオサイドB含量に応じた甘味料の味の評価
記述的パネルを使用して、レバウディオサイドA(純度97%であり、0.62%レバウディオサイドBを含有していた)に添加した様々なレベルのレバウディオサイドBの風味属性及び風味の強さを定量化した。具体的には、900ppmのレバウディオサイドA+レバウディオサイドB溶液で甘味料をパネリストに評価させた。ここで、レバウディオサイドBの添加量は、レバウディオサイドBの総含量が0.6%、3.6%、6.5%、11.4%、22.3%、37.5%及び52%となる量とした。8%スクロース溶液を対照として使用した。溶液は中性pH水中で調製した。試験対象に含まれる他の高甘味度甘味料は500ppmのアスパルテーム、750ppmのASK、250ppmのスクラロース及び500ppmのステビアであった。
【0100】
試験を行う前に、10人のパネリストに、サンプルを甘味、苦味、異風味、化学薬品又は人工甘味料の風味、アニス味(anise)及び口内での広がり(mouth coating)について格付けするために、多様な製品の外観、香り、風味及び質感を表す標準用語の使用について十分に教え込んだ。かかる属性の各々を一口目及び二口目及び後味について評価した。試験は、パネリストにサンプルを試飲させ、風味特性について考察させることから開始した。参照についても試飲を行い、「甘味」、「苦味」及び「アニス味」について考察させた。風味用語の定義を下記第18表に記載する。
【0101】
【表17】
【0102】
試験の2日目及び3日目に、パネリストにサンプルを様々な属性について評価させ、甘味料だけでなく全ての食品成分製品を含む、「なし」から「最大」までのスケールで格付けさせた。第19表に記載の製品及び溶液を、パネリストのスケールの「基準(anchor)」として使用した。
【0103】
【表18】
【0104】
1セッション当たり8つのサンプルを評価した。7分間の休憩時間を各サンプル間に設け、15分間の休憩を最初の4つのサンプルを評価した後に設けた。各製品について各パネリストから2回の評価(すなわち反復)を得た。したがって、合計で20回の判定を各製品について行った。データ収集の際には、パネリストに15cmの目盛線上に縦線を引くことによって各々の官能特性の強さを示すよう指示した。提供順序は、製品がほぼ等しい回数で各々の可能な位置に見られるように均等にした。待合室では、アルハンブラ周辺の(ambient Alhambra)飲用水、無塩ソーダクラッカー及びセロリを、サンプル間の口直しのために用意した。
【0105】
目盛線上の縦線を、コンピュータ化官能データ収集システムであるSIMSによって1〜15の範囲の数値に変換した。各々の官能特性について平均強さを計算した。必要に応じて、分散分析及びダンカンの多重範囲検定を用いて、各属性に関するサンプル間の有意差を決定した。パネリストと製品との相互作用が有意である場合、誤差項の平均平方の代わりに相互作用項の平均平方を、製品のF値の計算に使用した。結果を下記の第20表及び第21表に記載する。
【0106】
【表19】
【0107】
【表20】
【0108】
図3は、レバウディオサイドB含量に応じて統計的有意差を測定した各々の風味属性のパネリストの平均応答の大きさを示す。使用したスケールは「母集団」を包含するため、97%レバウディオサイドA溶液と漸増レベルのレバウディオサイドBとの差の大きさは、他の非公式試験によって決定されるほど大きくはない。例えば、数人の非公式テスターが、約20%のレバウディオサイドAの添加によって苦味が約80%低減したと考えたが、上記テイスターパネルによる結果は、約20%のレバウディオサイドAの添加によって苦味が約30%低減したことを示している。
【0109】
風味属性もサンプル間で比較した。サンプルの属性が他の全てのサンプルよりも有意に高いか又は低い場合に、その属性を「最高」又は「最低」と述べる。サンプルの属性が最高又は最低であるが、他の全てのサンプルよりも有意に高いか又は低くはない場合、その属性をそれぞれ「高い」又は「低い」と述べる。本明細書中で論考する属性は、95%信頼度で有意であることが分かった。
【0110】
高甘味度甘味料サンプルと比較して、スクロースは以下の点で最低であった:全体的な風味(ただし、二口目については22.3%、37.5%及び52%のレバウディオサイドBに対して有意ではない)、一口目及び後味の甘味(ただし、苦味対照よりも有意に低くはない)、全体的な異風味、人工甘味料/化学薬品の味、真の苦味、アニス味及び口内での広がり。
【0111】
高甘味度甘味料サンプルの中でも、0.6%レバウディオサイドBを含む97%レバウディオサイドが以下の点で高かった:二口目の全体的な異風味、一口目及び二口目の人工甘味料/化学薬品の味、真の苦味並びに後味のアニス味。
【0112】
高甘味度甘味料サンプルの中でも、3.6%のレバウディオサイドBを添加したサンプルが以下の点で高かった:全体的な風味、後味の甘味、全体的な異風味、二口目及び後味の人工甘味料/化学薬品の味、後味の真の苦味並びに後味のアニス味。
【0113】
高甘味度甘味料サンプルの中でも、6.5%のレバウディオサイドBを添加したサンプルが以下の点で高かった:一口目の甘味、二口目の全体的な異風味及び二口目の人工甘味料/化学薬品の味。
【0114】
高甘味度甘味料サンプルの中でも、11.4%のレバウディオサイドBを添加したサンプルが、二口目の全体的な異風味並びに一口目及び二口目の人工甘味料/化学薬品の味の点で低く、一口目のアニス味及び一口目の口内での広がりの点で高かった。
【0115】
高甘味度甘味料サンプルの中でも、22.3%のレバウディオサイドBを添加したサンプルが以下の点で低かった:二口目の全体的な風味、二口目の全体的な異風味、一口目及び二口目の人工甘味料/化学薬品の味、二口目の真の苦味並びに後味のアニス味。
【0116】
高甘味度甘味料サンプルの中でも、37.5%のレバウディオサイドBを添加したサンプルが以下の点で低かった:二口目及び後味の全体的な風味、二口目の全体的な異風味、二口目及び後味の人工甘味料/化学薬品の味、並びに二口目の真の苦味。
【0117】
高甘味度甘味料サンプルの中でも、52%のレバウディオサイドBを添加したサンプルが以下の点で低かった:一口目及び二口目の全体的な風味、一口目の甘味、一口目及び二口目の全体的な異風味、一口目及び二口目の人工甘味料/化学薬品の味、真の苦味並びに一口目のアニス味。
【0118】
結果から、3.6%のレバウディオサイドBの添加が風味属性の悪化をもたらし、6.5%のレバウディオサイドBの添加が、全体的な異風味及び人工甘味料/化学薬品の風味に殆ど影響を与えないことが示される。より大量のレバウディオサイドBの添加は、殆どの特性において、異風味、特に苦味が低減している、よりスクロースに似たサンプルのスコアリングをもたらす傾向がある。しかしながら、結果から、レバウディオサイドB含量を約20%超まで増大させることが、望ましくない風味属性に対して更なる影響を殆ど与えないことが示される。驚くべきことに、甘味はレバウディオサイドB含量によって殆ど影響を受けず、このことは、レバウディオサイドBの甘味がレバウディオサイドAの2分の1〜3分の2であると見出したレバウディオサイドBに関する以前の報告に反している。高甘味度甘味料溶液の甘味及び全体的な風味は、8%スクロース溶液に類似し、また互いに類似しており、人工甘味料/化学薬品の味はスクロース溶液よりもはるかに高く、高甘味度甘味料サンプルにより広まる。このことは、レバウディオサイドB濃度が、これらの味に対して顕著な影響を有することを示している。
【0119】
有利には、本発明を用いて、多くの用途に必要とされる「本格的な」甘味をもたらすために使用することのできる高甘味度甘味料組成物を製造することができる。これは、約200ppmを超える濃度でのその苦味のために、通常はレバウディオサイドA単独では達成することができない。より具体的には、本発明によって、消耗品が許容し難いレベルの苦味を有することなく、約800ppm〜約1000ppmのレバウディオサイドを含むように消耗品に添加することのできる高甘味度甘味料の製造が可能となるため、本発明の甘味料組成物を用いて、多くの消耗品(食品用途)に必要とされる完全な甘味をもたらすことができる。
図1
図2
図3