(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6010590
(24)【登録日】2016年9月23日
(45)【発行日】2016年10月19日
(54)【発明の名称】粉末状材料からペレットを製造するためのプレス機
(51)【国際特許分類】
B30B 11/02 20060101AFI20161006BHJP
【FI】
B30B11/02 L
B30B11/02 H
B30B11/02 F
【請求項の数】7
【外国語出願】
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-166398(P2014-166398)
(22)【出願日】2014年8月19日
(65)【公開番号】特開2015-39724(P2015-39724A)
(43)【公開日】2015年3月2日
【審査請求日】2015年4月20日
(31)【優先権主張番号】10 2013 109 157.1
(32)【優先日】2013年8月23日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】513277289
【氏名又は名称】フェッテ コンパクティング ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100080182
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 三彦
(72)【発明者】
【氏名】パネヴィッツ トーマス
(72)【発明者】
【氏名】ベーンス ホルガー
【審査官】
矢澤 周一郎
(56)【参考文献】
【文献】
特開平06−039596(JP,A)
【文献】
実公昭49−023815(JP,Y1)
【文献】
米国特許第06030576(US,A)
【文献】
特開平02−084298(JP,A)
【文献】
特開2007−144476(JP,A)
【文献】
特開平04−327398(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2008/0196604(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B30B 11/02
B30B 1/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉末状材料からペレットを製造するためのプレス機であって、前記ペレットを想定した型穴を備えた少なくとも1つのダイと、前記ペレットを形成するために前記型穴と相互作用する少なくとも1つの上側パンチおよび少なくとも1つの下側パンチと、前記上側パンチ、および/または前記下側パンチ、および/または前記ダイを主要プレス軸に沿って駆動させるための少なくとも1つの電気式駆動装置とを備える、プレス機において、前記プレス機がまた、前記ダイおよび/または前記ダイの前記型穴上に作用する少なくとも1つの移動可能な要素も備え、少なくとも1つの電気油圧式駆動装置が、前記少なくとも1つの移動可能な要素を駆動させるために設けられ、前記少なくとも1つの移動可能な要素を駆動させるための前記少なくとも1つの電気油圧式駆動装置の移動および前記上側パンチおよび/または下側パンチを前記主要プレス軸に沿って駆動させるための前記少なくとも1つの電気式駆動装置の移動が、共通の制御装置によって制御され、前記少なくとも1つの電気油圧式駆動装置の、前記少なくとも1つの移動可能な要素上に作用する前記少なくとも1つの油圧シリンダ(68)が、前記少なくとも1つの油圧シリンダ(68)上で作動する少なくとも1つの油圧ポンプからおよび前記油圧ポンプを駆動させる少なくとも1つの電気モータから空間的に離して配置され、前記少なくとも1つの油圧シリンダ(68)および前記少なくとも1つの油圧ポンプは、油圧供給ライン(70、72)および油圧排出ライン(70、72)を用いることによって互いに連結され、前記プレス機が、前記ダイを有するダイプレート(26)、前記少なくとも1つの上側パンチおよび前記少なくとも1つの下側パンチが中に配置されたプレスフレーム(10)を有し、前記少なくとも1つの電気式駆動装置が、前記プレスフレーム(10)内または前記プレスフレーム(10)上に配置され、前記電気油圧式駆動装置の前記少なくとも1つの油圧シリンダ(68)が、前記プレスフレーム(10)内に配置され、前記少なくとも1つの油圧シリンダ(68)を作動させる前記少なくとも1つの油圧ポンプ、および前記油圧ポンプを駆動させる前記少なくとも1つの電気モータが、前記プレスフレーム(10)の外側に配置されることを特徴とする、プレス機。
【請求項2】
前記少なくとも1つの移動可能な要素が、前記ダイを調整するための少なくとも1つの調整要素および/または前記ダイの前記型穴上に作用する少なくとも1つの他のパンチ(64、66)であることを特徴とする、請求項1に記載のプレス機。
【請求項3】
前記少なくとも1つの移動可能な要素が、前記少なくとも1つの電気油圧式駆動装置を用いることによって、前記主要プレス軸に対してある角度で通る軸に沿って、好ましくは前記主要プレス軸に対して横断方向に通る横断方向軸に沿って移動可能であることを特徴とする、請求項1または2のいずれか一項に記載のプレス機。
【請求項4】
前記少なくとも1つの移動可能な要素が、前記少なくとも1つの電気油圧式駆動装置によって前記主要プレス軸に対して平行に移動させることができる追加の上側パンチおよび/または追加の下側パンチであることを特徴とする、請求項1または2のいずれか一項に記載のプレス機。
【請求項5】
前記少なくとも1つの電気油圧式駆動装置が、機械的偏向無く前記少なくとも1つの移動可能な要素上に作用することを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載のプレス機。
【請求項6】
前記油圧供給ライン(70、72)および前記油圧排出ライン(70、72)が、可撓性であることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載のプレス機。
【請求項7】
前記油圧シリンダ(68)が、前記ダイプレート(26)に取り付けられることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載のプレス機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粉末状材料からペレットを製造するためのプレス機であって、ペレットを複製する型穴を備えた少なくとも1つのダイと、ペレットを形成するために型穴と相互作用する少なくとも1つの上側パンチおよび少なくとも1つの下側パンチと、上側パンチ、および/または下側パンチ、および/またはダイを主要プレス軸に沿って駆動させるための少なくとも1つの電気式駆動装置とを備える、プレス機に関する。
【背景技術】
【0002】
粉末材料からペレットを製造するためのプレス機は、たとえば特許文献1明細書から知られている。ダイが、ダイテーブル上に回転可能に装着され、調整シリンダがダイテーブル上に配置され、シリンダは、機械的偏向によってダイと回転式駆動連結状態にある。知られているプレス機では、たとえば、捩じられた、傾斜した歯または他の部分が製造され得る。プレスパンチ用の主要駆動装置およびダイを回転させるため駆動装置は、いずれも油圧式駆動装置である。
【0003】
さらに、粉末状材料からブリケットを製造するためのプレス機が、特許文献2明細書から知られており、この特許では、いくつかの駆動装置が、90°の機械的偏向によって横断方向パンチ上に作用し、この横断方向パンチは、主要プレス軸に対して横断方向に通る横断方向軸に沿ってダイの型穴と相互作用する。横断方向パンチを駆動させるための駆動装置は、電気式駆動装置および油圧式駆動装置の両方になることができる。横断方向パンチ上に作用する駆動装置のそのような機械的偏向はまた、特許文献3明細書からも知られている。ペレットは、横断方向のボアホールまたは横方向くぼみを有するそのような横断方向パンチによって作製され得る。
【0004】
特にプレス軸用の電気式駆動装置を備えたプレス機では、現在のところ、小さい設置空間において強い力を与えるための十分な解決策は存在しない。電気式駆動装置は、大きな設置空間を必要とする。この問題に対処するために、電気式駆動装置は、ダイから距離を離して配置されることが多い。従来技術で頻繁にもたらされる機械的偏向は、望ましくない制御の不正確性、複雑な設計および摩耗の増大を招く。電気式駆動装置の代わりに従来技術において提供される油圧式駆動装置は、特に油圧構造部、弁などに関して相当な油圧複雑性を必要とし、電気式駆動装置よりも制御が難しい。主要プレス作用軸用の電気式駆動装置および横断方向プレス作用軸用の油圧式駆動装置などの異なる駆動装置を提供することは、プレス機の制御および安全設計に関して不正確性を招く。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】独国特許発明第102006020213B4号
【特許文献2】独国特許出願公開第102010048183A1号
【特許文献3】欧州特許出願公開第2103423A1号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
説明した優先事項に基づいて、本発明は、プレス機の設計を簡易化する、設置空間を低減する、および主要プレス軸に沿って移動される上側および/または下側のパンチに加えて他の作動要素またはパンチ類の制御を改良するという課題に対処する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、請求項1の主題によってこの目的を達成する。有利な実施形態は、従属請求項、本説明、および図において見出され得る。
【0008】
本発明は、プレス機がまた、ダイおよび/またはダイの型穴上に作用する少なくとも1つの移動可能な要素も備え、この場合少なくとも1つの電気油圧式駆動装置が、少なくとも1つの移動可能な要素を駆動させるために設けられる点において、上記で引用したタイプのプレス機に関する問題を解決する。
【0009】
本発明によるプレス機では、金属粉末からなるペレットが、工具の製造などのために後続の焼結工程用に製造され得る。本発明によるプレス機は、それ自体知られている方法でダイを備えたダイプレートを有することができる。上側および/または下側のパンチが、上側またはそれぞれ下側のパンチプレート上に配置され得る。プレス機は、プレス機の上述した要素が中に配置されたプレスフレームを有することができる。プレス機は、粉末状材料がそれによってダイ内の型穴に加えられる適切な充填装置を有する。電気式駆動装置を用いることにより、上側および/または下側のパンチ、および/またはダイまたはそれぞれ、ダイを有することができるダイプレートは、主要プレス軸に沿って移動され、それにより、ダイに加えられた粉末材料が、型穴内に押し込まれる。ダイが固定式に配置され、上側および下側のパンチが移動される突出工程、ならびに下側パンチが固定式に配置され、上側パンチおよびダイまたはそれぞれ、ダイを有することができるダイプレートが移動される後退工程がいずれも可能である。主要プレス軸は、たとえば縦方向に配置される。
【0010】
主要プレス軸用の電気式駆動装置は、たとえば電気式スピンドル駆動装置になることができる。電気モータが、たとえば軸方向に固定されたスピンドルを回転可能に駆動させることができる。それによって、スピンドル上を通るスピンドルナットが、スピンドルの軸方向に移動される。スピンドルナットは、通常、動力伝達装置を用いることによって上側および/または下側のパンチプレート上に作用し、それと共に上側パンチおよび/または下側パンチを、少なくとも1つのスピンドルの長手方向軸に対して平行な距離でまたはこれと同軸に通る主要プレス軸の方向に移動させる。それによって、上側パンチおよび下側のパンチを移動させることができ、または上側パンチおよび下側パンチの一方のみを移動させることができる。たとえば、2つの上側および/または2つの下側のそのような電気式駆動装置を設けることができ、これらの各々は、一緒になってたとえば上側パンチプレートおよび/または下側パンチプレート上に作用する。動力伝達装置は、たとえば水平方向に通る動力伝達ブリッジになることができ、スピンドルナットは、その対向する端部上に装着され、それにより、これらは、動力伝達ブリッジを縦方向に移動させる。
【0011】
本発明によれば、ダイおよび/またはダイの型穴上に作用し、少なくとも1つの電気油圧式駆動装置によって移動される少なくとも1つの追加の移動可能な要素が、提供される。特に、複数のそのような移動可能な要素およびこれに対応する複数のそのような電気油圧式駆動装置が、提供され得る。1つの電気油圧式駆動装置は、各々の移動可能な要素に対して提供され得る。しかし、1つの電気油圧式駆動装置が複数の移動可能な要素を駆動させることも考えられる。
【0012】
本発明によれば、1つまたはそれぞれ複数の、電気油圧式に駆動される追加の軸が、提供される。電気油圧式駆動装置が、原理上知られている。通常、これらは、油圧ポンプを用いることによって作動される油圧シリンダを有する。油圧ポンプは、さらに、電気モータによって駆動される。制御工学に関して、静電駆動装置は、単なる電気式駆動装置のように挙動する。制御に対しては、電気油圧式駆動装置の電気モータは、したがって主要プレス軸用に設けられた電気式駆動装置と同じ方法で作動され得る。したがって、制御工学に関して一様な手法が、プレス機において実現され得る。安全工学に関して一様な手法もまた、一様な駆動装置タイプを用いることで実現され得る。本発明によれば、油圧式駆動装置の利点、特に、高い力発揮性を有するコンパクト設計、および電気式駆動装置の利点、特に電気式駆動装置の簡単で正確な制御が、互いに組み合わせられ得る。原理上知られている2つの駆動装置タイプの利点は、それぞれの欠点を実装することなくプレス機に使用される。電気油圧式駆動装置とこれらによって駆動される移動可能な要素との間の機械的偏向は、省かれ得る。制御の正確性が増し、設計が簡易化され、摩耗が低減される。
【0013】
プレス機のダイが、たとえば主要プレス作用軸の方向に沿って分割された複数の構成要素、またはそれぞれのセグメント、すなわちいわゆる部分化されたダイであることも可能である。この場合、ダイの構成要素またはそれぞれのセグメントは、本発明によって提供された電気油圧式駆動装置によって駆動され得る。この場合、ダイの構成要素またはそれぞれのセグメントは、本発明によってそれ自体提供された移動可能な要素を形成することができる。
【0014】
少なくとも1つの移動可能な要素は、ダイを調整するための少なくとも1つの調整要素および/またはダイの型穴上に作用する少なくとも1つのパンチになることができる。調整要素は、たとえば、プレス作用中、ダイを移動させる、たとえば回転させるために設けられ得る。少なくとも1つの移動可能な要素は、少なくとも1つの電気油圧式駆動装置を用いることによって、主要プレス軸に対してある角度で通る軸に沿って、好ましくは主要プレス軸に対して横断方向に通る横断方向軸に沿って移動可能になり得る。特に追加の移動可能な要素が、追加のプレスパンチであるとき、たとえば、ペレット内の横断方向ボアホール、横方向くぼみまたは逃げ溝をこの方法で生成することができる。本発明による教示は、小さい設置空間、簡単な制御、および、特に主要プレス軸に対してある角度で通る軸、たとえば横断方向軸に関する高い制御正確性という利点を非常に効果的に明らかにする。
【0015】
あるいは、少なくとも1つの移動可能な要素が、少なくとも1つの電気油圧式駆動装置によって主要プレス軸に対して平行に移動させることができる追加の上側パンチおよび/または追加の下側パンチであることも可能である。
【0016】
別の実施形態によれば、少なくとも1つの移動可能な要素を駆動させるための少なくとも1つの電気油圧式駆動装置の移動ならびに上側パンチおよび/または下側パンチを主要プレス軸に沿って駆動させるための少なくとも1つの電気式駆動装置の移動は、共通の制御装置によって制御される。これに応じて、一様な制御が、主要プレス軸に沿って電気式駆動装置に対して、および追加の移動可能な要素用の電気油圧式駆動装置に対して実現される。特に、プレス機の駆動装置すべてに対する一様な制御が、実現され得る。一方では、電気式駆動装置を使用して上側および/または下側のパンチを主要プレス軸に沿って駆動させ、電気油圧式駆動装置を使用して少なくとも1つの移動可能な要素を移動させることにより、1つの電気モータを両方の場合における制御のために作動させることができる。
【0017】
少なくとも1つの電気油圧式駆動装置、特に電気油圧式駆動装置の油圧シリンダは、機械的偏向無く少なくとも1つの移動可能な要素上に作用することができる。故に、電気油圧式駆動装置の油圧シリンダと移動可能な要素との間にギア装置が設けられないことが特に可能である。すでに述べたように、電気油圧式駆動装置、特にその油圧シリンダは、強い力を生成する一方で設置空間は小さくてすむ。故に、これらは、容易にプレス機に内蔵することができ、特にプレスフレーム内に配置することができる。従来技術においてもたらされるような複雑な機械的偏向は、必要でない。
【0018】
別の実施形態によれば、少なくとも1つの電気油圧式駆動装置の、少なくとも1つの移動可能な要素上に作用する少なくとも1つの油圧シリンダは、少なくとも1つの油圧シリンダを作動させる少なくとも1つの油圧ポンプからおよび油圧ポンプを駆動させる少なくとも1つの電気モータから空間的に離して配置することができ、この場合、少なくとも1つの油圧シリンダおよび少なくとも1つの油圧ポンプは、油圧供給ラインおよび油圧排出ラインを用いることによって互いに連結される。油圧供給ラインおよび油圧排出ラインは、特に、可撓性になることができる。アクチュエータおよび動力発生装置のそのような分離は、特に、電気油圧式駆動装置に対する柔軟な設置の選択肢、故に、より小さいサイズのプレスフレーム、故にプレス機を生み出す。油圧シリンダは、油圧ポンプおよび油圧ポンプを駆動させる電気モータから離れているため、電気油圧式駆動装置の設計および配置に関する柔軟性が高められる。可撓性の油圧ラインを用いることにより、電気油圧式駆動装置の2つの別個の構成要素は、互いからほぼ自由に配置され得る。当然ながら、剛性の油圧ラインもまた可能である。
【0019】
プレス機が、マトリクスを有するマトリクスプレート、少なくとも1つの上側パンチおよび少なくとも1つの下側パンチが中に配置されたプレスフレームを有することをさらに提供することができ、この場合、少なくとも1つの電気式駆動装置は、プレスフレーム内またはプレスフレーム上に配置され、電気油圧式駆動装置の少なくとも1つの油圧シリンダは、プレスフレーム内に配置され、少なくとも1つの油圧シリンダを作動させる少なくとも1つの油圧ポンプ、および油圧ポンプを駆動させる少なくも1つの電気モータは、プレスフレームの外側に配置される。したがって、それ自体の設置空間が小さくてすむ油圧シリンダ1つだけが、プレスフレーム内に配置される。油圧シリンダ用の場合によっては大きい駆動装置の構成要素は、プレスフレームの外側に配置される。少なくとも1つの油圧ポンプ、ならびにこれを駆動させる少なくとも1つの電気モータは、たとえば、プレスフレームの外側に締め付けられ得る。
【0020】
追加の実施形態によれば、油圧シリンダは、ダイプレートに締め付けられ得る。特にこの実施形態では、油圧シリンダの固定された部分は、シリンダハウジングなどのダイプレートに締め付けられる。シリンダピストンは、このとき、少なくとも1つの移動可能な要素を駆動させるために固定された部分に対して、故にダイプレートに対して移動可能である。油圧シリンダをプレスフレーム内にしっかりと容易に取り付けることが達成され、特にこのとき、油圧シリンダは、ダイまたはダイの型穴上に作用する追加のパンチを調整するように調整要素を駆動させる。
【0021】
本発明の例示的な実施形態は、図を参照してより詳細に以下で説明される。これらは、以下を概略的に示す。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明によるプレス機の第1の斜視図である。
【
図3】
図1からのプレス機で使用される電気油圧式駆動装置の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
別途明記されない場合、同じ参照番号は、図内の同じ対象物を示す。本発明によるプレス機は、上側保持プレート12および下側保持プレート14を備えたプレスフレーム10を有する。上側および下側の保持プレート12、14は、描かれた例では縦方向に通る4つのスペーサ16を用いることによって互いに、および上側と下側の保持プレート12、14間の概ね中央に配置された軸受け要素18に連結される。描かれた例では、軸受け要素18は、一体品として設計され、水平面に位置するU字形状、構成部、および延長平面を有する。下側保持プレート14は、4本の支持脚部20を用いることによって支持表面上に直立する。さらに、プレス機は、上側パンチ(図示せず)を備えた上側パンチプレート22と、下側パンチ(これも図示せず)を備えた下側パンチプレート24とを有する。描かれた例では、ダイプレート26が、上側パンチプレート22と下側パンチプレート24の間に、上側と下側のパンチの間にプレスされる、金属またはセラミック粉末などの粉末のための型穴を備えたダイ(図示せず)と共に配置される。描かれた例では、上側パンチプレート22、下側パンチプレート24、およびダイプレート26は、縦方向のガイド柱28を用いることによって互いに連結される。描かれた例では、ダイプレート26は、軸受け要素18に直接的に取り付けられる。
【0024】
本発明によるプレス機は、さらに、上側パンチプレート22を縦方向に移動させるための2つの上側電気式駆動装置と、下側パンチプレート24を縦方向に移動させるための2つの下側電気式駆動装置とを備える。上側および下側の電気式駆動装置は各々、プレスフレーム10の両側に配置される。上側電気式駆動装置は各々、上側保持プレート12上に配置された上側電動モータ30、31と、上側スピンドル駆動装置とを備える。上側スピンドル駆動装置は、いずれの場合も、軸受け要素18の上部側にいずれの場合も直接的に締め付けられた上側の固定式軸受け32、33を備える。電動上側モータ30、31は各々、軸方向に固定された上側スピンドル34、35を回転可能に駆動させる。軸方向に移動可能な上側スピンドルナット36、37が、上側スピンドル34、35の各々上に配置される。上側スピンドル34、35が回転するとき、これは、それによってそれぞれの上側スピンドルナット36、37の軸方向運動を発生させる。上側スピンドルナット36、37は、上側の棒状の動力伝達ブリッジ38の両端部に締め付けられ、この上側の棒状の動力伝達ブリッジ38は、その中央において、別の動力伝達要素40を用いることによって上側パンチプレート22に連結される。上側電動モータ30、31を備えた上側電気式駆動装置は、したがって、動力伝達ブリッジ38によって上側パンチプレート22上、故に上側パンチ上に横方向にずれて作用する。
【0025】
2つの底部電気式駆動装置の設計は、2つの上側電気式駆動装置の設計とこれに応じて同一である。したがって、下側電気式駆動装置は各々、下側保持プレート14上に配置され、軸方向に固定された下側スピンドル44、45を回転可能に駆動させる下側電動モータ42、43を有する。下側スピンドル44、45の各々の下側の固定式軸受け46、47は、軸受け要素18の底部側に直接的に締め付けられる。軸方向に移動可能な下側スピンドルナット50、51が、さらに、下側スピンドル44、45上に配置される。下側スピンドルナット50、51は、さらに、下側の棒状の動力伝達ブリッジ52の両端部上に配置され、この動力伝達ブリッジ52は、その中央において、別の動力伝達要素54を用いることによって下側パンチプレート24に連結される。下側電動モータ42、43が下側スピンドル44、45を回転可能に駆動させるとき、下側スピンドルナット50、51の軸方向運動が生じ、この軸方向運動は、下側動力伝達ブリッジ52および動力伝達要素54によって下側パンチプレート24に伝達され、それにより、パンチプレートは縦方向に移動される。さらに、下側電動モータ42、43を備えた下側電気式駆動装置は、したがって、下側動力伝達ブリッジ52によって下側パンチプレート24上に、故に下側パンチ上に横方向にずれて作用する。
【0026】
描かれた例では、上側スピンドルナット36、37は、
図1において参照番号56、58の下でその2つを見ることができる、合計で4つの補償要素を用いることによって上側動力伝達ブリッジ38に連結される。同等の機能を備えた対応する補償要素が、いずれの場合も、
図1では隠されているが、補償要素56、58の反対側のプレス機の後部に配置される。下側スピンドルナット50、51は、これに対応して、
図1において参照番号60、62の下でその2つを見ることができる、合計で4つの補償要素を用いることによって下側動力伝達ブリッジ52に連結される。さらに、
図1には見ることができないプレス機の後部上には、設計および機能に関して補償要素60、62と同一である2つのさらなる補償要素が補償要素
60、62の反対側に存在する。
【0027】
縦長の補償要素56、58、60、62は、第1のピボット軸受けを用いることによって、上側動力伝達ブリッジ38またはそれぞれ下側動力伝達ブリッジ52上に回転可能に装着される。補償要素56、58、60、62は各々、第2のピボット軸受けを用いることによって、上側またはそれぞれ下側のスピンドルナット上に回転可能に装着される。
図1に示すプレス機の静止位置における補償要素のピボット軸受けは各々、縦方向に互いの上方に配置される。縦長の補償要素56、58、60、62の長手方向軸はまた、この静止の状態では縦方向に延びる。プレス作動中、巨大な力が生じる。これらは、動力伝達ブリッジ38、52を曲げ得る。動力伝達ブリッジ38、52のこの曲がりは、補償要素56、58、60、62のそのピボット軸受け周りの回転によって可能にされる補償要素56、58、60、62の傾きをもたらし、故に、スピンドルナット36、37、50、51と関連する動力伝達ブリッジ38、52との間の空隙と併せて、動力伝達ブリッジ38、52の曲がりの補償をもたらす。
【0028】
さらに、図に示す例示的な実施形態では、2つの移動可能な要素、すなわち参照番号64、66によって示された追加のプレスパンチが設けられ、これらの追加のプレスパンチは、上側パンチおよび下側パンチの縦方向の主要プレス軸に対して垂直に通る横断方向軸に沿って移動可能であり、ダイの型穴とも相互作用する。この方法では、たとえば横断方向の開口部、くぼみまたは逃げ溝が、型穴内に想定されたペレット内に形成され得る。追加のプレスパンチ64、66は各々、電気油圧式駆動装置を用いることによって駆動される。
【0029】
例示のために、
図3は、追加のプレスパンチ64と共に、これを駆動する電気油圧式駆動装置の拡大図を示している。当然ながら、他方の追加のプレスパンチ66およびその電気油圧式駆動装置は、これに応じて同一に設計される。電気油圧式駆動装置は、参照番号68によって示す油圧シリンダを備える。油圧シリンダ68は、油圧シリンダの駆動方向に応じて油圧供給ラインまたは油圧排出ラインとして使用することができる油圧ライン70、72を用いることによって駆動ブロック74に連結される。駆動ブロック74は、油圧流体用のリザーバに連結された油圧ポンプを備える。加えて、駆動ブロック74は、油圧ポンプを駆動させる電気モータを備える。油圧ポンプを用いることにより、油圧流体は、油圧シリンダ68を作動させるために、たとえばこの場合は供給ラインとして使用される油圧ライン70を用いることによってリザーバから圧送され、この場合、油圧流体は、この場合は排出ラインとして使用される油圧ライン72を用いることによって油圧シリンダ68から流れて油圧ポンプに戻り、油圧リザーバに入ることができる。電気油圧式駆動装置、特に電気油圧式駆動装置の油圧シリンダ68が、追加のプレスパンチ64、66上に作用して、ギア装置無しで、特に機械的偏向無しでこれらを移動させることを見ることができる。
【0030】
さらに、
図1および2においては、油圧シリンダ68がプレスフレーム10内に配置される一方で、駆動ブロック74はプレスフレームの外側のプレスフレームの外部に取り付けられることを見ることができる。油圧シリンダ68を作動させるための必要な連結は、可撓性の油圧ライン70、72を用いることによって存在する。当然ながら、油圧シリンダ68用の通路測定システムもまた設けられる。これは、油圧シリンダ内に内蔵することも外部に配置することもできる。強い力の印加を伴いながら、プレスフレーム10内には、わずかな設置空間だけですむ。油圧シリンダ68は、ダイプレート26にその固定された部分を介して取り付けられ得る。
【0031】
さらに、描かれた例示的な実施形態は共通の制御装置(図示せず)を提供し、この制御装置は、上側および下側のパンチを主要プレス軸に沿って駆動させるよう上側および下側の両方の電気駆動ユニットを制御するように、ならびに電気油圧式駆動装置の駆動ブロック74内に設けられた電気モータを制御するように設計される。制御工学および安全工学に関連して一様の方法が、これに応じて実現される。