(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6010616
(24)【登録日】2016年9月23日
(45)【発行日】2016年10月19日
(54)【発明の名称】ペノキススラムおよびペンジメタリンを含む相乗的除草組成物
(51)【国際特許分類】
A01N 43/90 20060101AFI20161006BHJP
A01N 33/18 20060101ALI20161006BHJP
A01P 13/00 20060101ALI20161006BHJP
A01N 25/00 20060101ALI20161006BHJP
【FI】
A01N43/90 105
A01N33/18 B
A01P13/00
A01N25/00 102
【請求項の数】10
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2014-517153(P2014-517153)
(86)(22)【出願日】2012年6月21日
(65)【公表番号】特表2014-520158(P2014-520158A)
(43)【公表日】2014年8月21日
(86)【国際出願番号】US2012043526
(87)【国際公開番号】WO2012177860
(87)【国際公開日】20121227
【審査請求日】2015年6月8日
(31)【優先権主張番号】61/500,784
(32)【優先日】2011年6月24日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】501035309
【氏名又は名称】ダウ アグロサイエンシィズ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100126354
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 尚
(74)【代理人】
【識別番号】100104282
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 康仁
(72)【発明者】
【氏名】マン,リチャード,ケー.
(72)【発明者】
【氏名】グエン,ラップ
(72)【発明者】
【氏名】サマンワン,ソムサック
【審査官】
水島 英一郎
(56)【参考文献】
【文献】
特表2008−530114(JP,A)
【文献】
国際公開第2008/114493(WO,A1)
【文献】
GRASP SC,VERSATILE AND RELIABLE NEW TOOL FOR RICE PROTECTION,DOW AGROSCIENCES [ONLINE],2008年,URL,http://www.dowagro.com/PublishedLiterature/dh_00dc/0901b803800dcdd2.pdf?filepath=usag/pdfs/noreg/010-31598.pdf&fromPage=GetDoc
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01N,A01P
CAplus(STN)
REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
除草的に有効量の(a)ペノキススラムおよび(b)ペンジメタリンを含む、
相乗的除草組成物であって、有効成分(ai)に基づく、ペノキススラムに対するペンジメタリンの重量比が、224:1と3:1との間である、組成物。
【請求項2】
有効成分(ai)に基づく、ペノキススラムに対するペンジメタリンの重量比が、55:1と17:1との間である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
農学的に許容される補助剤またはキャリアをさらに含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
望ましくない植生を抑制する方法であって、
前記植生または前記植生の場所を、除草的に有効量の請求項1に記載の組成物と接触させる工程を含む、
方法。
【請求項5】
前記組成物が、130gai/haと2290gai/haとの間の散布量で散布される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記組成物が、180gai/haと1730gai/haとの間の散布量で散布される、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記ペンジメタリンが、500gai/haと1100gai/haとの間の量で散布され、前記ペノキススラムが、10gai/haと40gai/haとの間の量で散布される、請求項4に記載の方法。
【請求項8】
前記望ましくない植生が、ワニ雑草、アサガオ、コーヒーウィード、ジャングルライス、サラモラグラス、スズメノテッポウである、請求項4に記載の方法。
【請求項9】
作物における望ましくない植生を抑制する方法であって、
前記植生または前記植生の場所を、除草的に有効量の請求項1記載の組成物と接触させる工程を含み、
前記作物が、コメ、穀類、穀物、芝生、サトウキビまたは木およびブドウ園であり、
前記望ましくない植生がIVM(産業植生管理)において防除される、方法。
【請求項10】
請求項1記載の組成物が、発芽前から発芽後の早期に、前記望ましくない植生に対して散布される、請求項9に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
この出願は、この出願は、2011年6月24日に出願された、米国仮出願第61/500,784号の利益を主張する。この仮出願の内容全体は、参照によりこの出願に組み込まれる。
【0002】
本発明は、特に、多様な作物、例えば、コメ、穀類および穀物、芝生、工業的植生管理(IVM)、サトウキビおよび木ならびにブドウ園における、望ましくない植生の生長を抑制するための、(a)ペノキススラムおよび(b)ペンジメタリンを含む相乗的除草組成物に関する。
【背景技術】
【0003】
作物の生長を妨げる雑草および他の植生からの作物の保護は、農業における絶えず繰り返される課題である。この課題と戦うことを支援するために、合成化学の分野における研究者は、このような望ましくない生長の抑制に効果的な、広範囲に及ぶ各種の化学物質および化学組成を製造してきた。多くの種類の化学的な除草剤が文献に開示されており、多くが商業利用されている。
【0004】
一部の場合には、除草有効成分は、個々に散布される場合より、組み合わせで効果的であることが示されてきた。これは、「相乗効果」と呼ばれる。the Herbicide Handbook of the Weed Science Society of America, Ninth Edition, 2007, p. 429に記載のように、「『相乗効果』は、組み合わせられた場合の効果が、別々に散布された各因子に対する反応に基づいて予測される効果より大きくなるような、2つまたはそれ以上の因子の相互作用である」。本発明は、その除草効果について、それぞれ既に公知である、ペンジメタリンおよびペノキススラムが、組み合わせて散布された場合、相乗効果を示すことの発見に基づいている。
【発明の概要】
【0005】
本発明は、除草的に有効量の(a)ペノキススラムおよび(b)ペンジメタリンを含む相乗的除草混合物に関する。組成物は、農学的に許容される補助剤またはキャリアを含んでもよい。
【0006】
本発明は、多様な作物、例えば、コメ、穀類および穀物、芝生、IVM、サトウキビおよび木ならびにブドウ園における、望ましくない植生の生長を抑制する方法、ならびに、この相乗的組成物の使用にも関する。
【発明を実施するための形態】
【0007】
ペノキススラムは、一般名(2−(2,2−ジフルオロエトキシ)−N−(5,8−ジメトキシ−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−c]ピリミジン−2−イル)−6−(トリフルオロメチル)ベンゼンスルホンアミドである。その化学構造は、
【化1】
である。その除草活性は、The Pesticide Manual, Fifteenth Edition, 2009に記載されている。ペノキススラムは、コメ、芝生、堅実のなる木、ブドウ園作物、穀類および穀物ならびにIVMにおける、イヌビエならびに多くの広葉雑草およびカヤツリグサ科雑草を抑制する。
【0008】
ペンジメタリンは、一般名N−(1−エチルプロピル)−3,4−ジメチル−2,6−ジニトロベンゼンアミンである。その化学構造は、
【化2】
である。その除草活性は、The Pesticide Manual, Fifteenth Edition, 2009に記載されている。ペンジメタリンは、各種の作物における、ほとんどの一年草および多くの一年生広葉雑草を抑制する。
【0009】
本願明細書では、除草剤の用語は、植物の生長を枯らし、抑制し、または、他の逆に調整する有効成分を意味するものとして使用される。除草的に有効量または植生抑制量は、逆に調整する効果をもたらす有効成分の量であり、自然な生長からの逸脱、枯死、調整、乾燥、遅延等を含む。植物および植生としては、発芽種子、新生苗木、植物珠芽が現れている植物および土着の植生が挙げられる。
【0010】
除草活性は、任意の生長段階または種まきもしくは出芽前に、直接植物に、または、植物の場所に散布された時の、相乗的混合物の化合物により示される。観察される効果は、抑制される植物の種類、植物の生長段階、希釈および散布滴サイズの散布パラメータ、固体状成分の粒子サイズ、使用時の環境条件、使用される具体的な化合物、使用される具体的な補助剤およびキャリア、土壌の種類等ならびに、散布される化学物質の量により決まる。これらおよび他の要因は、非選択的または選択的な除草作用を促進するために、当分野において公知のように調節される。一般的に、雑草の最大抑制を達成するために、本発明の組成物を、発芽前から発芽後の早期に、比較的未成熟な望ましくない植生に対して散布するのが好ましい。
【0011】
本発明の組成物では、除草効果が相乗的であるペノキススラムに対するペンジメタリンの有効成分比(重量対重量、wt:wt)は、約5:1と320:1との間の範囲内にあり、ある実施形態では、約55:1の比である。他の実施形態では、比は、224:1から3:1の範囲である。ある実施形態では、比は、55:1から17:1の範囲である。
【0012】
散布される相乗的組成物の量は、抑制される雑草の具体的な種類、必要とされる抑制の度合いおよびタイミングならびに散布方法により決まる。一部の実施形態では、本発明の組成物は、組成物中の有効成分の合計量に基づいて、1ヘクタールあたりに約160グラムの有効成分(gai/ha)と、約1850gai/haとの間の散布量で散布され得る。他の実施形態では、本発明の組成物は、組成物中の有効成分の合計量に基づいて、1ヘクタールあたりに約130グラムの有効成分(gai/ha)と、約2290gai/haとの間の散布量で散布され得る。ある実施形態では、約760gai/haと約1800gai/haとの間の散布量が好ましい。他の実施形態では、約180gai/haと約1730gai/haとの間の散布量が好ましい。一部の実施形態では、ペンジメタリンは、約150gai/haと約1500gai/haとの間の量で散布され、ペノキススラムは、約10gai/haと約50gai/haとの間の量で散布される。一部の実施形態では、ペンジメタリンは、約500gai/haと約1100gai/haとの間の量で散布され、ペノキススラムは、約10gai/haと約40gai/haとの間の量で散布される。
【0013】
本発明の相乗的混合物の成分は、単独で、または、マルチパート除草系の一部としてのいずれかで散布されることができる。
【0014】
本発明の相乗的混合物は、より幅広い各種の望ましくない植生を抑制するために、1つまたはそれ以上の他の除草剤と併せて散布され得る。他の除草剤と併せて使用される場合、組成物は、他の1つまたはそれ以上の除草剤と配合され、他の1つまたはそれ以上の除草剤とタンク混合され、または、他の1つまたはそれ以上の除草剤と連続して散布される。本発明の相乗的組成物と併せて使用され得る一部の除草剤としては、4−CPA、4−CPB、4−CPP、2,4−Dのコリン塩、エステルおよびアミン、3,4−DA、2,4−DB、3,4−DB、2,4−DEB、2,4−DEP、3,4−DP、2,3,6−TBA、2,4,5−T、2,4,5−TB、アセトクロル、アシフルオルフェン、アクロニフェン、アクロレン、アラクロル、アリドクロル、アロキシジム、アリルアルコール、アロラック、アメトリジオン、アメトリン、アミブジン、アミカルバゾン、アミドスルフロン、アミノシクロピラクロル、アミノピラリド、アミプロホス−メチル、アミトロール、スルファミン酸アンモニウム、アニロホス、アニスロン、アシュラム、アトラトン、アトラジン、アザフェニジン、アジムスルフロン、アジプロトリン、バルバン、BCPC、ベフルブタミド、ベナゾリン、ベンカルバゾン、ベンフルラリン、ベンフレセート、ベンスルフロン−メチル、ベンスリド、ベンチオカーブ、ベンタゾン(bentazon)、ベンタゾン(bentazone)、ベンタゾン−ナトリウム、ベンザドクス、ベンズフェンジゾン、ベンジプラム、ベンゾビシクロン、ベンゾフェナップ、ベンゾフルオル、ベンゾイルプロップ、ベンズチアズロン、ビシクロピロン、ビフェノックス、ビラナホス、ビスピリバック−ナトリウム、ホウ砂、ブロマシル、ブロモボニル、ブロモブチド、ブロモフェノキシム、ブロモキシニル、ブロムピラゾン、ブタクロル、ブタフェナシル、ブタミホス、ブテナクロル、ブチダゾール、ブチウロン、ブトラリン、ブトロキシジム、ブツロン、ブチレート、カコジル酸、カフェンストロール、塩素酸カルシウム、カルシウムシアナミド、カンベンジクロル、カルバスラム、カルベタミド、カルボキサゾールクロルプロカルブ、カルフェントラゾン−エチル、CDEA、CEPC、クロメトキシフェン、クロランベン、クロラノクリル、クロラジホップ、クロラジン、クロルブロムロン、クロルブファム、クロレツロン、クロルフェナク、クロルフェンプロップ、クロルフルラゾール、クロルフルレノール、クロリダゾン、クロリムロン、クロルニトロフェン、クロロポン、クロロトルロン、クロロクスロン、クロロキシニル、クロルプロファム、クロルスルフロン、クロルタール、クロルチアミド、シニドン−エチル、シンメチリン、シノスルフロン、シスアニリド、クレトジム、クリオジネート、クロジナホップ−プロパルギル、クロホップ、クロマゾン、クロメプロップ、クロプロップ、クロプロキシジム、クロピラリド、クロランスラム−メチル、CMA、硫酸銅、CPMF、CPPC、クレダジン、クレゾール、クミルウロン、シアナトリン、シアナジン、シクロエート、シクロスルファムロン、シクロキシジム、シクルロン、シハロホップ−ブチル、シペルクアット、シプラジン、シプラゾール、シプロミド、ダイムロン、ダラポン、ダゾメット、デラクロル、デスメジファム、デスメトリン、ジ−アレート、ジカンバ、ジクロベニル、ジクロラール尿素、ジクロルメート、ジクロルプロップ、ジクロルプロップ−P、ジクロホップ−メチル、ジクロスラム、ジエタムクアット、ジエタチル、ジフェノペンテン、ジフェノクスロン、ジフェンゾクアット、ジフルフェニカン、ジフルフェンゾピル、ジメフロン、ジメピペレート、ジメタクロル、ジメタメトリン、ジメテンアミド、ジメテンアミド−P、ジメキサノ、ジミダゾン、ジニトラミン、ジノフェネート、ジノプロップ、ジノサム、ジノセブ、ジノテルブ、ジフェンアミド、ジプロペトリン、ジクアット、ジスル、ジチオピル、ジウロン、DMPA、DNOC、DSMA、EBEP、エグリナジン、エンドタール、エプロナズ、EPTC、エルボン、エスプロカルブ、エタルフルラリン、エタメトスルフロン、エチジムロン、エチオレート、エトフメセート、エトキシフェン、エトキシスルフロン、エチノフェン、エトニプロミド、エトベンザニド、EXD、フェナスラム、フェノプロップ、フェノキサプロップ、フェノキサプロップ−P−エチル、フェノキサプロップ−P−エチル+イソキサジフェン−エチル、フェノキサスルホン、フェンテラコール、フェンチアプロップ、フェントラザミド、フェヌロン、硫酸第一鉄、フラムプロップ、フラムプロップ−M、オリザリン、フロラスラム、フルアジホップ、フルアジホップ−P−ブチル、フルアゾレート、フルカルバゾン、フルセトスルフロン、フルクロラリン、フルフェナセット、フルフェニカン、フルフェンピル−エチル、フルメツラム、フルメジン、フルミクロラック−ペンチル、フルミオキサジン、フルミプロピン、フルオメツロン、フルオロジフェン、フルオログリコフェン、フルオロミジン、フルオロニトロフェン、フルオチウロン、フルポキサム、フルプロパシル、フルプロパネート、フルピルスルフロン、フルリドン、フルロクロリドン、フルロキシピル、フルルタモン、フルチアセット、ホメサフェン、ホラムスルフロン、ホサミン、フリルオキシフェン、グルホシネート、グルホシネート−アンモニウム、グルホシネート−P−アンモニウム、グリホサートエステルおよび塩、ハロサフェン、ハロスルフロン−メチル、ハロキシジン、ハロキシホップ−メチル、ハロキシホップ−P−メチル、ヘキサクロロアセトン、ヘキサフルレート、ヘキサジノン、イマザメタベンズ、イマザモックス、イマザピック、イマザピル、イマザキン、イマゼタピル、イマゾスルフロン、インダノファン、インダジフラム、ヨードボニル、ヨードメタン、ヨードスルフロン、イオキシニル、イパジン、イプフェンカルバゾン、イプリミダム、イソカルバミド、イソシル、イソメチオジン、イソノルロン、イソポリネート、イソプロパリン、イソプロツロン、イソウロン、イソキサベン、イソキサクロルトール、イソキサフルトール、イソキサピリホップ、カルブチレート、ケトスピラドックス、ラクトフェン、レナシル、リヌロン、MAA、MAMA、MCPAエステルおよび塩、MCPA−チオエチル、MCPB、メコプロップ、メコプロップ−P、メジノテルブ、メフェナセット、メフルイジド、メソプラジン、メソスルフロン、メソトリオン、メタム、メタミホップ、メタミトロン、メタザクロル、メタゾスルフロン、メトフルラゾン、メタベンズチアズロン、メタルプロパリン、メタゾール、メチオベンカルブ、メチオゾリン、メチウロン、メトメトン、メトプロトリン、臭化メチル、メチルイソチオシアネート、メチルジムロン、メトベンズロン、メトブロムロン、メトラクロル、メトスラム、メトクスロン、メトリブジン、メトスルフロン−メチル、モリネート、モナリド、モニソウロン、モノクロロ酢酸、モノリヌロン、モヌロン、モルファムクアット、MSMA、ナプロアニリド、ナプロパミド、ナプタラム、ネブロン、ニコスルフロン、ニピラクロフェン、ニトラリン、ニトロフェン、ニトロフルオルフェン、ノルフルラゾン、ノルロン、OCH、オルベンカルブ、オルト−ジクロロベンゼン、オルトスルファムロン、オリザリン、オキサジアルギル、オキサジアゾン、オキサピラゾン、オキサスルフロン、オキサジクロメホン、オキシフルオルフェン、パラフルフェン−エチル、パラフルロン、パラクアット、ペブレート、ペラルゴン酸、ペンタクロロフェノール、ペンタノクロル、ペントキサゾン、ペルフルイドン、ペトキサミド、フェニソファム、フェンメジファム、フェンメジファム−エチル、フェノベンズロン、酢酸フェニル水銀、ピクロラム、ピコリナフェン、ピノキサデン、ピペロホス、亜ヒ酸カリウム、アジ化カリウム、シアン化カリウム、プレチラクロル、プリミスルフロン−メチル、プロシアジン、プロジアミン、プロフルアゾール、プリフルラリン、プロホキシジム、プログリナジン、プロメトン、プロメトリン、プロナミド、プロパクロル、プロパニル、プロパキザホップ、プロパジン、プロファム、プロピソクロル、プロポキシカルバゾン、プロピリスルフロン、プロピザミド、プロスルファリン、プロスルホカルブ、プロスルフロン、プロキサン、プリナクロル、ピダノン、ピラクロニル、ピラフルフェン−エチル、ピラスルホトール、ピラゾギル(pyrazogyl)、ピラゾリネート、ピラゾスルフロン−エチル、ピラゾキシフェン、ピリベンゾキシム、ピリブチカルブ、ピリクロル、ピリダホール、ピリデート、ピリフタリド、ピリミノバック、ピリミスルファン、ピリチオバック−ナトリウム、ピロキサスルホン、ピロキシスラム、キンクロラック、キンメラック、キノクラミン、キノナミド、キザロホップ、キザロホップ−P−エチル、ロデタニル、リムスルフロン、サフルフェナシル、S−メトラクロル、セブチラジン、セクブメトン、セトキシジム、シズロン、シマジン、シメトン、シメトリン、SMA、亜ヒ酸ナトリウム、アジ化ナトリウム、塩素酸ナトリウム、スルコトリオン、スルファレート、スルフェントラゾン、スルホメツロン、スルホセート、スルホスルフロン、硫酸、スルグリカピン、スウェップ、TCA、テブタム、テブチウロン、テフリルトリオン、テンボトリオン、テプラロキシジム、テルバシル、テルブカルブ、テルブクロル、テルブメトン、テルブチラジン、テルブトリン、テトラフルロン、テニルクロル、チアザフルロン、チアゾピル、チジアジミン、チジアズロン、チエンカルバゾン−メチル、チフェンスルフロン−メチル、チオベンカルブ、チオカルバジル、チオクロリム、トプラメゾン、トラルコキシジム、トリアファモン、トリ−アレート、トリアスルフロン、トリアジフラム、トリベヌロン−メチル、トリカンバ、トリクロピルコリン塩、エステルおよびアミン、トリジファン、トリエタジン、トリフロキシスルフロン、トリフルラリン、トリフルスルフロン、トリホップ、トリホプシム、トリヒドロキシトリアジン、トリメツロン、トリプロピンダン、トリタック、トリトスルフロン、ベルノレート、キシラクロルならびに、塩およびエステル、任意に活性異性体およびそれらの混合物が挙げられる。
【0015】
本発明の相乗的混合物は、遺伝子操作または変異および選択により、それらまたは他の除草剤に対する耐性または抵抗性となった、多くの作物において、望ましくない植生を抑制するために、さらに使用され得る。本発明の相乗的混合物は、2,4−D耐性、グリホサート耐性、グルホシネート−耐性、ジカンバ−耐性、スルホニル尿素−耐性の作物、またはイミダゾリノン−耐性の作物について、2,4−D、グリホサート、グルホシネート、ジカンバ、スルホニル尿素またはイミダゾリノンと併せて、さらに使用され得る。
【0016】
処理される作物に対して選択的であり、使用される散布量でこれらの化合物により抑制される雑草の範囲を補完する除草剤との組み合わせで、本発明の相乗的組成物を使用するのが一般的に好ましい。本発明の相乗的組成物および他の補完的な除草剤を、同時に、または、組み合わせ配合もしくはタンク混合としてのいずれかで散布するのが、一般的にさらに好ましい。
【0017】
本発明の相乗的組成物は、その選択性を向上させるために、公知の除草剤毒性緩和剤、例えば、ベノキサコル、ベンチオカルブ、ブラシノリド、クロキントセット(メキシル)、シオメトリニル、シプロスルファメート、ダイムロン、ジクロルミド、ジシクロノン、ジエトレート、ジメピペレート、ジスルホトン、フェンクロラゾール−エチル、フェンクロリム、フルラゾール、フルキソフェニム、フリラゾール、ハーピンタンパク質、イソキサジフェン−エチル、メフェンピル−ジエチル、メファネート(mephanate)、MG191、MON4660、無水ナフタル酸(NA)、オキサベトリニル、R29148およびN−フェニル−スルホニル安息香酸アミドとの組み合わせで、一般的に使用され得る。
【0018】
実際には、除草的に有効量の除草成分と、少なくとも1つの農学的に許容される補助剤またはキャリアとを含む混合物において、本発明の相乗的組成物を使用するのが好ましい。適切な補助剤またはキャリアは、具体的には、作物の存在下で、選択的な雑草の抑制用の組成物を散布するために使用される濃度で、高価な作物に対して植物毒性であるべきではなく、除草成分または他の組成物成分と、化学的に反応すべきでない。このような混合物は、雑草またはその場所に対して直接散布する用に設計され得るか、または、散布前に更なるキャリアおよび補助剤で一般的に希釈される濃縮物または配合であり得る。混合物は、固体状、例えば、細粉、顆粒、水分散性顆粒もしくは水和剤等、または、液体状、例えば、乳化性濃縮物、溶液、エマルジョンもしくは懸濁液等であり得る。
【0019】
本発明の除草混合物を調製するために有用である、適切な農学的な補助剤およびキャリアは、当業者に周知である。これらの補助剤の一部としては、制限されず、作物油濃縮物(鉱油(85%)+乳化剤(15%));ノニルフェノールエトキシレート;ベンジルココアルキルジメチル第四級アンモニウム塩;石油炭化水素、アルキルエステル、有機酸およびアニオン性界面活性剤の混合物;C
9−C
11アルキルポリグリコシド;リン酸化アルコールエトキシレート;天然の第一級アルコール(C
12−C
16)エトキシレート;ジ−sec−ブチルフェノールEO−POブロックコポリマー;ポリシロキサン−メチルキャップ;ノニルフェノールエトキシレート+尿素硝酸アンモニウム(urea ammonium nitrate);乳化メチル化種子油;トリデシルアルコール(合成)エトキシレート(8EO);タローアミンエトキシレート(15EO);PEG(400)ジオレエート−99が挙げられる。
【0020】
使用され得る液体状のキャリアとしては、水および有機溶媒が挙げられる。使用される有機溶媒としては、典型的に、制限されず、石油留分または炭化水素、例えば、鉱油、芳香族溶媒、パラフィン油等;植物油、例えば、ダイズ油、ナタネ油、オリーブ油、ヒマシ油、ヒマワリ種子油、ヤシ油、トウモロコシ油、綿実油、アマニ油、パーム油、ピーナッツ油、ベニバナ油、ゴマ油、キリ油等;上記植物油のエステル;モノアルコールまたは二価、三価もしくは他の低級多価アルコール(4−6個のヒドロキシ含有)のエステル、例えば、2−エチルヘキシルステアレート、n−ブチルオレエート、イソプロピルミリステート、プロピレングリコールジオレエート、ジ−オクチルスクシネート、ジ−ブチルアジペート、ジ−オクチルフタレート等;モノ、ジおよびポリカルボン酸のエステル等が挙げられる。具体的な有機溶媒としては、トルエン、キシレン、石油ナフサ、作物油、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、トリクロロエチレン、パークロロエチレン、酢酸エチル、酢酸アミル、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルおよびジエチレングリコールモノメチルエーテル、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、アミルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、N−メチル−2−ピロリジノン、N,N−ジメチルアルキルアミド、ジメチルスルホキシド、液体肥料等が挙げられる。水は、一般的に、濃縮物の希釈に選択されるキャリアである。
【0021】
適切な固体状のキャリアとしては、タルク、ろう石クレイ、シリカ、アタパルジャイトクレイ(attapulgus clay)、カオリンクレイ、多孔質珪藻土、白亜、珪藻土、石灰、炭酸カルシウム、ベントナイトクレイ、フラー土、綿実殻、小麦粉、ダイズ粉、軽石、木粉、クルミ殻粉、リグニン等が挙げられる。
【0022】
本発明の組成物に、1つまたはそれ以上の界面活性剤を包含するのが、通常望ましい。このような界面活性剤は、固体状および液体状の両方の組成物、特に散布前にキャリアで希釈されるように設計されたものにおいて、有利に使用される。界面活性剤は、特性においてアニオン性、カチオン性または非イオン性であることができ、乳化剤、湿潤剤、懸濁化剤として、または他の目的で使用され得る。配合の分野において慣例的に使用される界面活性剤、および、本配合においても使用され得る界面活性剤は、とりわけ、「McCutcheon’s Detergents and Emulsifiers Annual」, MC Publishing Corp., Ridgewood, New Jersey, 1998、および、「Encyclopedia of Surfactants」, Vol. I-III, Chemical Publishing Co., New York, 1980-81に記載されている。典型的な界面活性剤としては、アルキル硫酸塩、例えば、ラウリル硫酸ジエタノールアンモニウム;アルキルアリールスルホン酸塩、例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム;アルキルフェノール−アルキレンオキシド付加物、例えば、ノニルフェノール−C
18エトキシレート;アルコール−アルキレンオキシド付加物、例えば、トリデシルアルコール−C
16エトキシレート;石鹸、例えば、ステアリン酸ナトリウム;アルキルナフタレン−スルホン酸塩、例えば、ジブチル−ナフタレンスルホン酸ナトリウム;スルホコハク酸塩のジアルキルエステル、例えば、ジ(2−エチルヘキシル)スルホコハク酸ナトリウム;ソルビトールエステル、例えば、ソルビトールオレエート;第四級アミン、例えば、ラウリルトリメチルアンモニウムクロリド;脂肪酸のポリエチレングリコールエステル、例えば、ポリエチレングリコールステアレート;エチレンオキシドとプロピレンオキシドとのブロックコポリマー;モノ−およびジアルキルリン酸エステルの塩;植物または種子の油、例えば、ダイズ油、ナタネ/カノーラ油、オリーブ油、ヒマシ油、ヒマワリ種子油、ヤシ油、トウモロコシ油、綿実油、アマニ油、パーム油、ピーナッツ油、ベニバナ油、ゴマ油、キリ油等;ならびに、上記植物油のエステル、特にメチルエステルが挙げられる。
【0023】
多くの場合、これらの材料の一部、例えば、植物または種子の油およびそれらのエステルは、農学的な補助剤、液体状のキャリアまたは界面活性剤として、互換的に使用され得る。
【0024】
農学的組成物に一般的に使用される他の補助剤としては、相溶化剤、消泡剤、金属イオン封鎖剤、中和剤および緩衝剤、腐食防止剤、染料、着臭剤、展着剤、浸透助剤、固着剤、分散剤、増粘剤、凝固点降下剤、抗菌剤等が挙げられる。組成物は、他の適合性成分、例えば、他の除草剤、植物生長調節剤、殺真菌剤、殺虫剤等を含んでもよく、液体肥料または、固体状、粒子状肥料キャリア、例えば、硝酸アンモニウム、尿素等と配合され得る。
【0025】
本発明の相乗的組成物における有効成分の濃度は、一般的に、0.001から98重量パーセントである。0.01から90重量パーセントの濃度が、多くの場合使用される。濃縮物として使用されるように設計された組成物では、有効成分は、一般的に、1から98重量パーセント、好ましくは2から90重量パーセントの濃度で存在する。このような組成物は、典型的には、散布前に、不活性なキャリア、例えば、水で希釈される。通常、雑草または雑草の場所に散布される希釈された組成物は、一般的に、0.0001から1重量パーセントの有効成分を含み、好ましくは0.001から0.05重量パーセントを含む。
【0026】
本組成物は、従来の粉砕または空中散粉機、噴霧機および散粒機の使用により、灌漑用水への添加により、当業者に公知の他の従来の手段により、雑草または雑草の場所に散布され得る。
【実施例】
【0028】
現場条件下での混合物の発芽前における除草活性の評価
方法
標準的な除草剤の小区画研究法を使用して、コメおよび樹木作物において、野外試験を行った。区画サイズは、小区画研究に関して典型的とし、幅2から4メートル(m)×長さ6.7から10メートルで変動させた。処理あたり3から4回繰り返した。土壌の種類は、中程度から細粒土テクスチャの範囲とした。通常の現地栽培業務のように、機械的な直接乾燥播種により、コメまたは穀類を種まきした。コメまたは穀類を、施肥、散水、洪水および維持について通常の栽培業務を使用して生長させ、作物および雑草の良好な生長を確認した。
【0029】
圧縮された空気またはCO
2のいずれかを使用して、124から276キロパスカル(kPa)のスプレー圧で、バックパック噴霧器により、処理を散布した。スプレーチップは、典型的に、Flat Fan Teejetノズル、例えば、TJ8002からTJ110015またはXR11001とした。スプレー量は、1ヘクタールあたりに、93.5から250リットル(L/ha)で変動させた。ペノキススラムを、市販品であるGrasp SC(240gr ai/L)またはClipper20 OD(20グラムai/L)として散布し、ペンジメタリンを、市販品であるProwl ECとして散布した。
【0030】
各処理に関して、散布の単位面積(ヘクタール)に基づいて、区画面積を処理し、所望の散布量を達成するための、適切に配合される製品の量を、バックパック噴霧器で散布する前に、算出し、測定し、水に混合した。処理は、未処理コントロール区画と比較して評価した。
【0031】
評価
処理区画およびコントロール区画を、散布後の種々の間隔で、盲目的に評価した。評価は、目視による雑草抑制のパーセント(%)に基づき、0は、無傷に対応し、100は、完全な枯死に対応する。
【0032】
データを、全ての試験について収集し、種々の数学的方法を使用して分析した。
【0033】
Colbyの方程式を、混合物から予測される除草効果を決定するために使用した(Colby, S. R. Calculation of the synergistic and antagonistic response of herbicide combinations. Weeds 1967, 15, 20-22)。
【0034】
下記の方程式を、2つの有効成分であるAおよびBを含む混合物の予測される活性を算出するために使用した。
予測値=A+B−(A×B/100)
A=混合物中で使用されるのと同じ濃度での有効成分Aの観察された有効性;
B=混合物中で使用されるのと同じ濃度での有効成分Bの観察された有効性
【0035】
表1から3に、結果をまとめる。
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】
【0038】
【表3】