特許第6010618号(P6010618)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6010618ガスタービンの寿命予測および最適化装置および方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6010618
(24)【登録日】2016年9月23日
(45)【発行日】2016年10月19日
(54)【発明の名称】ガスタービンの寿命予測および最適化装置および方法
(51)【国際特許分類】
   F02C 7/00 20060101AFI20161006BHJP
   F01D 25/00 20060101ALI20161006BHJP
   G06F 17/50 20060101ALI20161006BHJP
【FI】
   F02C7/00 A
   F01D25/00 F
   F01D25/00 V
   F01D25/00 W
   F01D25/00 X
   G06F17/50 612A
   G06F17/50 680Z
【請求項の数】9
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2014-522085(P2014-522085)
(86)(22)【出願日】2012年7月25日
(65)【公表番号】特表2014-522943(P2014-522943A)
(43)【公表日】2014年9月8日
(86)【国際出願番号】EP2012064621
(87)【国際公開番号】WO2013014202
(87)【国際公開日】20130131
【審査請求日】2015年7月24日
(31)【優先権主張番号】CO2011A000032
(32)【優先日】2011年7月28日
(33)【優先権主張国】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】505347503
【氏名又は名称】ヌオーヴォ ピニォーネ ソシエタ ペル アチオニ
(74)【代理人】
【識別番号】100137545
【弁理士】
【氏名又は名称】荒川 聡志
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 博
(74)【代理人】
【識別番号】100129779
【弁理士】
【氏名又は名称】黒川 俊久
(74)【代理人】
【識別番号】100113974
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 拓人
(72)【発明者】
【氏名】デ・プロスペリス,ロベルト
(72)【発明者】
【氏名】ディ・シスト,パオロ
(72)【発明者】
【氏名】ボルコワスキ,マチェイ
【審査官】 山崎 孔徳
(56)【参考文献】
【文献】 再公表特許第2001/023725(JP,A1)
【文献】 特開2001−166819(JP,A)
【文献】 特開2011−163345(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02C 7/00
F01D 25/00
G06F 17/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスタービンのロータの残りの寿命の見込みを判定するコンピュータによる方法であって、
前記コンピュータで前記ガスタービンの作動状況を受信するステップと、
前記ガスタービンロータの検査結果を受信するステップと、
前記ガスタービンの作動状況および前記ガスタービンロータの検査結果に基づいて、前記ガスタービンに対応するフリートに関するデータベースを更新するステップと、
前記ガスタービンの前記ロータの前記残りの寿命の見込みおよび寿命の延長に関連するリスクを計算するステップと、
を含み、さらに、
前記ガスタービンの物理的モデルを利用して、独立変数に基づいて前記ガスタービンの複数の従属変数を計算するステップであって、前記複数の従属変数が、前記ガスタービンの流量、圧力および温度、流量と前記ロータとの熱伝達係数、ロータ金属温度、ロータ変位、ひずみおよびストレスであるステップと、
前記独立変数を入力として伝達関数に提供することで寿命変数を計算するステップであって、寿命変数は、サイクルからLCF(低サイクル疲労)までのクラック開始パラメータであり、独立変数は、周辺温度とロータ回転速度の一方であるステップと、
を含む、
方法。
【請求項2】
前記ガスタービンロータの検査結果が、前記ロータ内のクラックの存在、または前記ロータにおける使用頻度の兆候、または前記ロータ内に何の事象も生じていないことを示す、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ロータ内に予期せぬクラックがあった場合、前記ガスタービンのモデルを修正する必要がある、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記ロータにおける使用頻度の兆候または予期せぬクラックがあった場合、前記使用頻度の兆候または予期せぬクラックに関する前記ロータに関する残りの寿命が計算される、請求項1から3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
前記使用頻度の兆候が、前記ロータにおける痕跡、かき傷または跡である、請求項1から4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
前記独立変数、前記独立変数の前記分布、前記伝達関数に基づいてモンテカルロシミュレーションを実行することで、前記フリートの確率的寿命を判定するステップをさらに含む、請求項1から5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
前記独立変数、前記独立変数の前記分布に基づいてモンテカルロシミュレーションを実行するステップをさらに含む、請求項1から5のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
前記独立変数、前記伝達関数、前記モンテカルロシミュレーションおよび前記研究室での破壊試験に基づいて、前記ガスタービンの前記ロータの残りの寿命の見込みを計算するステップをさらに含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
ガスタービンの構成要素の残りの寿命の見込みを判定するように構成された装置であって、
メモリと、
前記メモリに動作可能に接続され、
前記ガスタービンの作動状況を受信し、
ガスタービンロータの検査結果を受信し、
前記ガスタービンの前記作動状況および前記ガスタービンロータの検査結果に基づいて、前記ガスタービンに対応するフリートに関するデータベースを更新し、
前記ガスタービンの前記ロータの前記残りの寿命の見込みを計算する
ように構成されたプロセッサとを備え、前記プロセッサがさらに、
前記ガスタービンの物理的モデルを利用して、独立変数に基づいて前記ガスタービンの複数の従属変数を計算し、
前記独立変数を入力として伝達関数に提供することで寿命変数を計算する
ように構成され、
前記複数の従属変数が、前記ガスタービンの流量、圧力および温度、流量と前記ロータとの熱伝達係数、ロータ金属温度、ロータ変位、ひずみおよびストレスであり、
前記寿命変数は、サイクルからLCF(低サイクル疲労)までのクラック開始パラメータであり、独立変数は、周辺温度とロータ回転速度の一方である、
装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示される主題の実施形態は一般に、方法およびシステムに関し、より詳細にはガスタービン、またはその中の構成要素の作動寿命を予測し最適化するための機構および技術に関する。
【背景技術】
【0002】
図1は、米国特許公開第2008/0243352号(参照により本明細書に組み込まれる)の図1と同様であり、圧縮機12と、燃焼器14と、圧縮機12に結合されたタービン16と、コンピュータ制御システム(制御装置)18とを有するガスタービン10の一例を示している。圧縮機12への入口ダクト20は、圧縮機12に周辺空気を供給することができる。入口ダクト20は、入口20を通って圧縮機12の入口ガイドベーン21へと流れる周辺空気の圧力損失に寄与するダクト、フィルタ、スクリーンおよびノイズ緩和装置を有する場合がある。タービンの排気ダクト22は、タービン10の出口からの燃焼ガスを、例えば排出制御およびノイズ緩和装置を介して誘導する。タービン10は、電力を生成する発電機24を駆動させることができる。あるいはタービンが、2軸装置(例えば高圧タービンと低圧タービンとを含む)であるときはいつでも、低圧タービンは、高圧ロータとは異なる速度で回転することができ、これは圧縮機またはさらには発電機のようなより包括的な機械を駆動させることができる。
【0003】
ガスタービン10の作動は、タービン10、発電機および周辺環境の種々の性能に関する変数を測定するように設計されたいくつかのセンサ26によって監視されてよい。例えば重複する温度センサ26の集合は、ガスタービン10を囲む周辺温度、圧縮機の吐出温度、タービンの排ガス温度、およびガスタービン10を通るガス流の他の温度測定値を監視することができる。同様に、重複する圧力センサ26の集合は、周辺圧力、圧縮機入口および出口のタービン排気口、ガスタービン10を通るガス流の他の場所における静的および動的圧力レベルを監視することができる。重複する湿度センサ26の集合、例えば湿球温度計は、圧縮機12の入口ダクトにおける周辺湿度を測定することができる。重複するセンサ26の集合はまた、流量センサ、速度センサ、火炎検出器センサ、バルブ位置センサ、ガイドベーン角度センサなどを含む場合があり、これらはガスタービン10の作動に関連する種々のパラメータを感知する。本明細書で使用されるように、「パラメータ」は、タービンの作動状況を既定するのに利用することができる要素を指しており、これに限定するものではないがタービン内の規定された場所における温度、圧力およびガス流などを指している。
【0004】
燃料制御システム28は、燃料供給源から燃焼器14へと流れる燃料、一次燃料ノズルに流れる燃料と二次燃料ノズルに流れる燃料の間にある1つまたは複数のスプリット、および燃焼室へと流れる二次空気と混合される燃料の量を調整する。 燃料制御システム28はまた、燃焼器のために燃料の種類を選択することもできる。燃料制御システム28は、別個のユニットである場合、あるいはメイン制御装置18の構成要素である場合がある。制御装置18は、コンピュータシステムであってよく、これはセンサ入力および人である操作者からの指示を利用して、ガスタービンの作動を制御するためのプログラムおよびオペレーションを実行する少なくとも1つのプロセッサを有する。制御装置18によって生成されるコマンドによって、ガスタービン上のアクチュエータに、例えば、流量、燃料スプリット、燃焼器へと流れる燃料の種類を調整する燃料供給源と燃焼器の間の弁(アクチュエータ27)を調節させ、圧縮機上の入口ガイドベーン21(アクチュエータ29)を調節させ、入口抽気熱を調節させ、同様にガスタービン上の他の制御設定を始動させることができる。
【0005】
タービンは、油およびガスの分野で広い用途を有する可能性がある。すなわちパイプラインにおいて圧縮機を駆動させる場合、さらには井戸からガソリンまたは天然ガスを汲み出すために圧縮機を駆動させる場合もある。油およびガス会社の重要な臨界品質(CTQ)は、産出量を最大限にするためのそれぞれのプラントの利用度である。プラントの閉鎖または供給の途絶を最小限にするために、プラントの中核部、例えばガスタービンなどは、その故障の可能性が、プラントの信頼性に実質的に影響を与えるそのときに、交換される/メンテナンスされることが理想的である。別の重要なCTQは、メンテナンスコストであり、これは可能であればいつも最小限にすべきである。
【0006】
これらのおよび他のCTQを改善させるために、様々な企業が、CBM(状況に基づいたメンテナンス)およびRLM(ロータ寿命管理)として寿命延長構想に着手してきた。一部の技術は、単独で光学検査に頼ることで、クラックの長さを測定し、クラックの長さの統計学的な分布を開発してきた。このような統計学的な分布を利用して、プラントの余命を推測する。別の技術は、破損または劣化(例えば微小クラック)に関する要素を検査し、装置の構造モデルを形成し、この装置に関する将来の利用状況を設定し、この破損または劣化の進行度をシミュレートすることを含む。別の手法は、ラーソン−ミラー表示を含む特定の表示によってクリープ破損を推測し、その後統計学的な解析(例えばワイブル統計解析)を実施することで将来のクリープ破損を推測するものである。ここで装備の開始総数および熱ストレスに基づく推測パラメータは、統計モデルに基づいて計算される。別の手法は、タービン構成要素の金属温度と、この構成要素を収容するタービンの作動状況との関係を判定することである。この手法は、構成要素の熱モデルおよびタービンの作動履歴を利用して、現在または将来の構成要素の作動温度を予測する。
【0007】
しかしながらプラントおよびタービンの寿命延長のための従来のモデルおよびシステムは、データ(例えばクラックの長さ)を収集するためにプラントを閉鎖する必要があり、一般には、明らかな故障を示していない構成要素に適用することができない。したがって上記に記載した問題および欠点を回避するシステムおよび方法を提供することが望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許出願公開第2004/148129号明細書
【発明の概要】
【0009】
本発明の態様は、ガスタービン構成要素(例えばロータ)、特に明らかな破損を示しておらず、長い作動寿命が見込まれるが、高い熱−機械負荷により、クラックが生じ、簡単に劣化しプラントの安全性を損なう恐れのあるエンジンの故障につながる可能性がある構成要素の作動寿命を予測し最適化するためのシステムおよび方法に関する。
【0010】
例示の一実施形態によると、ガスタービンのロータの残りの寿命の見込みを判定するコンピュータによる方法が提供されている。この方法は、コンピュータにおいてガスタービンの作動状況を受信するステップと、ガスタービンロータの検査結果を受信するステップと、ガスタービンの作動状況およびガスタービンロータの検査結果に基づいて、このガスタービンに対応するフリートのデータベースを更新するステップと、ガスタービンのロータの残りの寿命の見込みを計算するステップとを含む。
【0011】
添付の図面は、明細書に組み込まれ、その一部を構成しており、1つまたは複数の実施形態を例示し、明細書と併せてこれらの実施形態を説明している。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】ガスタービンの一例を示す図である。
図2】本発明の一実施形態の基礎を成す4つの概念を示す図である。
図3】本発明の一実施形態に関連する解析段階を示す図である。
図4】本発明の一実施形態による構成要素の寿命を予測するための方法を示す図である。
図5】一例の実施形態によるガスタービンの構成要素の寿命を予測するための別の方法を示す図である。
図6】本明細書で考察される方法を実施するように構成された装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下の例示の実施形態の記載は、添付の図面を参照している。種々の図面における同一の参照番号は、同一または同様の要素を特定している。以下の詳細な記載は、本発明を限定するものではない。代わりに本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によって定義される。以下の実施形態は、簡素化するためにガスタービン、詳細にはロータの専門用語および構造に関して考察されている。しかしながら次で考察すべき実施形態は、これらのシステムに限定されるものではなく、他のシステムにも適用される場合がある。
【0014】
明細書を通しての「特定の実施形態」または「一実施形態」という言及は、一実施形態に関連して記載される特定の機能、構造または特徴が、開示される主題の少なくとも一実施形態に含まれることを意味している。よって明細書全体を通して様々な場所で「特定の実施形態において」または「一実施形態において」というフレーズが出てきた場合、必ずしも同一の実施形態を指しているとは限らない。さらに特定の機能、構造または特徴は、1つまたは複数の実施形態において任意の好適な方法で組み合わされる場合もある。
【0015】
ガスタービンは、作動上および安全性のリスクを確実に最小限にするために周期的に検査する必要がある。ロータに関するメンテナンス要因は、開始時間および作動時間の両方を含む。このような検査は、該当する情報を集計し利用することによって、販売先のロータの健全性を評価しており、この情報には、作動変数(低サイクル疲労およびクリープに対するそれぞれの影響を評価するためのモデル時間、サイクルおよび温度)、材料の履歴 (適用環境、デューティサイクルおよびメンテナンスの実施のモデルを含めた)、サブコンポーネント状況(破損および適合性に関してサブコンポーネントを綿密に調べることによって判定される)が含まれる。このような情報によって、ロータの寿命の延長またはロータの撤収の推奨を知らせることが可能である。交換に値する場合、新たなプロセスは、同じものでの交換、または新しいロータの設置のいずれかの可能性に関する推奨を提供することができる。
【0016】
図2に示されるように、一実施形態によって、従来のシステムおよび方法によって可能であるものよりもより精度が高い構成要素の寿命を予測するための方法が提供される。この方法は、予測装置20において実施されてよく、これは後により詳細に考察する。方法は、4つの概念に基づいており、すなわち1つまたは複数のガスタービン構成要素の確率的な寿命を予測するための物理学によるモデル(21)、構成要素の検査を通しての結果(22)、この部品が属するエンジンの作動寿命の履歴の評価の結果(23)および一部の部品に対する破壊試験による結果(24)である。これらの4つの概念は、以下で考察するように複数の段階を有する方法において関連付けることができる。
【0017】
一実施形態において、図3に示されるように6つの段階がある。6つの段階が記載されているが、当業者は、一部の段階が省略される場合、および他の段落が加えられる場合があることを理解するであろう。また図3は、1から6に連続して流れる段階を示しているが、段階同士の間でフィードバックも可能であり、これは以下で考察する。
【0018】
図3では、段階1(31)の数字/解析モデルが、段階2(32)の種々の伝達関数を与える。伝達関数の結果は、段階3の種々の確率的解析(33)を与える。確率的解析の結果は、段階4(34)の破壊試験結果と共に使用され、所与の構成要素の寿命を予測することができる。さらに、所与の構成要素の寿命を予測する際、段階5(35)に示される構成要素の作動履歴および非破壊検査も利用することができる。最初の5つの段階の各々からの結果を段階6(36)の寿命延長予測へと組み込むことができる。これらの6つの段階の詳細は、以下で記載される。また破壊試験(34)は、このプロセスに対して有益であるが、このような破壊試験は、長時間の作動寿命が経過した後ロータで利用される材料の特徴を明らかにするために通常一回のみ実施される。対照的に、非破壊試験(検査)は、その寿命の延長が見込まれるロータに対してメンテナンスが行なわれる度毎に実施することができる。
【0019】
本発明の一実施形態の段階1は、数字/解析モデルの形成を含んでおり、このモデルは例えば、a)エンジン一次流れおよび二次流れの流量、圧力および温度、b)流れとロータの間の熱伝達係数、c)ロータ金属温度およびd)ロータ変位、ひずみおよびストレスを予測することができる。一実施形態において、モデルは、「理想的な」ガスタービンまたは構成要素を対象としており、すなわち「実世界」の実験によって純粋である設計および製造仕様にもっぱら基づいている。別に実施形態では、1つまたは複数のモデルは、「実世界」のパラメータを含む場合がある。1つまたは複数のこのようなモデルは、特定のタイプのガスタービン専用である場合、あるいは汎用的である場合がある。モデルならびに予測ツールは、商業的に入手可能である場合、あるいはそれらは社内で開発される場合がある。
【0020】
数字/解析モデルは、直列にまたは並列に作動するように設計され、これは全体のシナリオまたはモデル化すべき装置に左右される。一実施形態において、数字/解析モデルは、1つまたは複数の入力独立変数(vitalXの)を利用し、従属変数(例えば金属温度)を出力する。形成されたモデルは、ライブラリまたは後に利用するために例えばメモリなどのモデルツールキットに記憶されてよい。これらのモデルは、入力独立変数を利用し、ガスタービンを特徴付ける様々な従属変数を計算することができる。独立変数、すなわちvitalXの例は、タービンに関連する周辺温度、ロータ速度、燃焼温度、種々の内部の幾何学的隙間などである。
【0021】
本発明の一実施形態の段階2は、a)実験の特有の適切な設計(DOE)プランを定義するステップと、b)段階1で開発された1つまたは複数のモデルをDOEに適用することにより、対応する従属変数を生成するステップと、c)c1)寿命変数[Z](例えばサイクルからLCF(低サイクル疲労)までのクラック開始、クリープクラック開始までの時間、クラックが疲労に伝搬するための時間/サイクルなど)と、c2)対応するモデルの独立変数(vitalXの)との間に伝達関数(TF)を形成するステップとを含む。伝達関数は、当分野で既知のもの、またはこのプロセスに関して定義された新しい関数、あるいはその両方を組み合わせたもののいずれかである。寿命変数は一般に、ガスタービンまたはタービン構成要素の寿命に関するメンテナンス概念または問題を表す変数である。クラック開始TF(LCF)に関して、好ましくは各々の単一の部品に関して少なくとも1つのTFが存在することで、販売先にとってどちらがより都合がよいかによって寿命の終わりに、あるいはロータ全体の交換時にこの単一部品だけを交換することを可能にする。好ましくは、各々の面に関して少なくとも1つのクラック伝搬TFが存在することで、1つまたは複数の兆候を得ることができ、廃物の量を減らすことができる。
【0022】
本発明の一実施形態の段階3は、a)vitalXの分布の評価/定義、b)1つまたは複数のモンテカルロシミュレーションを実行し、フリートの確率的寿命および/またはフリートの故障のリスクを判定する、c)1つまたは複数のモンテカルロシミュレーションを実行することで、例えばホイール空間警告を設定し(成熟したフリートを評価するときはいつでも、既存の設定の確認または更新する)、故障のリスクを最小限にすることを含む。フリートとはここでは、共通する同一セットの特徴を有する特定のクラスのガスタービンを表すものと理解される。ホイール空間警告は、本明細書に記載される計算に基づいて低下させたり、増大させたりすることができるガスタービン内に存在する可能性のある警告の1つの可能な例である。
【0023】
vitalXの分布を次に記載する。特定のフリートからの種々のガスタービンが、世界中にある種々の販売先に提供されると仮定されたい。ガスタービンの周辺温度は1つの独立変数、すなわちvitalXである。しかしながらドーハ(カタール)における周辺温度は、アラスカにおける周辺温度とは異なる。したがって所与のvitalX(Tamp)に関して、そのフリートを構成するガスタービンに関して特定の温度の分布が存在する。この分布は、例えばガウスベル形状または他の形状であってよい。
【0024】
任意の測定されたvitalXに関するデータポイントの数が、十分大きいものであれば、vitalXに関するかなり正確な分布関数を策定することが可能である。このとき、フィルタ(例えばカルマンフィルタ)を適用することでモデルをフィルタデータ(例えばクラックの長さ)と合わせることができる。しかしながら任意の測定されたvitalXに関するデータポイントの数が、十分に大きくない場合、このようなフィルタは正確な結果を提供しない場合がある。この場合、設計上の判断を利用して、vitalXに関する「最適な推測」の分布関数を策定することができる。この場合、分布が定義される。
【0025】
ホイール空間警告に戻ると、燃焼タービンは、圧縮された空気流を形成する複数の段を有する圧縮機と、シャフトを駆動するタービンロータを有するタービンとを含んでいることに留意されたい。作動中、タービンロータの温度はかなり上昇する。圧縮機の吐出空気をタービンロータの周りに延在するホイール空間に向けることによって冷却作用が実現される場合もある。ホイール空間温度は、圧縮機吐出温度と高温ガス路温度の間の材料の限界点に維持されてよい。万一、ホイール空間温度が材料の限界を超えた場合には、警告が鳴らされ過剰な温度状況を知らせることができる。材料の限界を超えた場合、ターボ機械は、運転停止され、精密な検査および調査の後、1つまたは複数の装置を提供することで補助的な冷却流を形成する場合もある。種々の要因が、圧縮機の吐出空気の温度に影響を与える可能性がある。例えば、周辺入口空気温度が上昇する際、圧縮機吐出空気は上昇する。よってホイール空間警告を正確に設定することが望ましく、本明細書に記載される新たなプロセスは、この警告を調節することが可能である。
【0026】
先行する段階(31から33)は、装置/構成要素の全体の耐用年数の予測と、残りの耐用年数の予測(すなわち残りの寿命の最適化)の両方に適用可能である。以下の段階は一般に、残りの耐用年数の予測により適用可能である。
【0027】
本発明の一実施形態の段階4(34)は、統計的な量の廃物になった部品(その寿命の中間における、あるいは終わりにおける)の研究室での破壊試験を含むことで材料の強度がなお、設計上の予測と一致しているかどうか確認する。
【0028】
本発明の一実施形態の段階5(35)は、各々の特有のユニットに関する履歴的な作動状況のデータベースの取得および活用を含む。データベース中のデータは、a)任意の非破壊試験の結果、およびb)構成要素の寿命における検査を含むことができる。検査は、1つまたは複数の以下のタイプ、すなわち渦電流検査、磁気粒子検査、蛍光浸透検査および/または超音波検査を含むことができる。このような試験および検査は、この部品の100%の表面に対して実施されることが最適である。興味深いのは、作動履歴の特定が、ユニットが、予測された製造元の寿命の見込みよりより穏やかな状況で作動され得ることを示す場合があることである。
【0029】
本発明の一実施形態の段階6は、先の5段階の結果を利用することを含むことで、特定の部品または装置の寿命の延長を推測する(すなわち、構成要素の寿命を最初の製造中に予測した寿命の終わりを超えて延ばすことに関連する故障のリスクを推測する)。この推測は、この部品の寿命の見込みに影響を与える一部のまたは全てのvitalX(例えば作動状況、幾何学的寸法、材料の特性)を包含する統計学を利用することができる。計算を簡単にするために、この段階における(ならびに段階3における)vitalXの数は削減されてよい(例えば7vitalX未満まで)。このようなvitalXの削減は、異なるvitalXの集合に関連する線形のTFを形成する(段階2内で)ことによって容易にすることができる。このような線形TFは、各々のvitalXの集合から、対応する寿命変数を最も生み出すvitalXを選択するのに使用されてよい。
【0030】
段階6の目的は、先の5つの段階のデータを利用して、構成要素が元の設計者(より控えめな製品寿命の計算を使用していた場合、あるいは段階5で特定された実際の作動環境より厳しい作動環境を想定していた場合、あるいは段階4で特定された実際の材料強度より高い材料強度を想定していた場合がある)によって予測されたものより長い寿命を有する可能性があるかどうかを予測する。
【0031】
先のコメントは、少なくとも6つの段階の概要を提供しており、これらの段階は、製品寿命のより正確な推測を生成するために組み合わされる場合もある。以下のコメントは、これら6つの段階の少なくとも一部に関してさらなる詳細を提供する。
【0032】
一実施形態において、段階4の検査を利用して、段階6の計算をサポートし(但し実証するものではない)、同様に部品が設計に従って製造されていること、および部品がさらには設計に従って作動されメンテナンスされていたことを確認することができる。段階4の検査は好ましくは、段階6の計算を実証するのに利用されないが、これは段階4の非破壊検査が、局所疲労またはクリープ破損を検知することができず、そのため蓄積された破損に関する特定の値を割り当てるには信頼できないことが多いためである。
【0033】
好ましくは、段階6の寿命延長予測は、推測される寿命と一致する段階4からの材料データベースに依拠すべきである。好ましくは段階4からの材料のクリープのデータベースは、推測される寿命の1/20時間より短くない試験を含むべきである。換言すると、このデータベースは、信頼できる十分な情報(時間の観点における)を含むべきである。この意味での一例は以下の通りである。ガスタービンのロータが20年の見込みの寿命時間を有すると仮定されたい。このデータベースは、そのロータに関して少なくとも1年に匹敵する情報を含み、すなわち推測される寿命の1/20の時間より短くないことが望ましい。
【0034】
段階3の結果を利用して、製品仕様と異なるフリートの確率的寿命を予測することができる。段階3の結果の利用の前後に、いずれかのモデルおよび/またはvitalX分布を修正すべきかどうかを判断するために、何らかの「予期せぬ」結果を調査すべきである。
【0035】
段階5の結果は、特定の部分(例えばクラック)における予期せぬ欠陥を強調することができる。予期せぬ欠陥が段階5において発見されない場合、根本原因解析(RCA)を行なうべきである。RCAの結果は段階6に適用され、寿命延長推測をさらに調整することができ、設計および製造に適用されることで最初の構成要素の設計および製造を改善させることができる。段階5では、クラックは、その部品の寿命の終わりの兆候とみなされてよく、RCAを通して調査することで、予測モデルおよびTFを依然として信頼できるものとみなしてよいか、あるいは修正を必要としているかを確認すべきである。あるいは、クラック以外の兆候(例えばかき傷、痕跡、跡)も容認可能であり得るが、但しこれらのクラック以外の兆候は、その部品の寿命に影響を与えるようには見えない。兆候をより滑らかにするために、欠陥を再度機械加工することが提案される場合がある。
【0036】
これらのクラック以外の兆候(使用頻度を示すもの)が評価され、専用のTFを生成することができる。このTFは、他のTFと同一のvitalXに加えて、兆候の寸法(長さ、深さ、厚さ)を有している。上記で指摘したように、TFの量を削減するために、ある実施形態は、部品の表面をグループ分けし、各々の表面の集合に関してただ1つのTFを定義することができる。各々の集合は、同様の挙動を有する表面によって構成されてよく、その結果、最低の位置を有する最後の集合が、全区域の代表として選択されてよい。ロータは、数千までいかなくとも、数百の小さな表面を有する可能性がある。
【0037】
先に記載した段階は、図4のプロセスフローに集約することができる。このプロセスは、タービンロータの検査(41)によって開始することができる。検査は、クラックが存在するかどうか(42)、あるいは他の寿命サイクルに関連する兆候(例えば、かき傷、痕跡、跡)が存在するかどうか(43)を判定する。作動に起因するクラックが存在する場合、根本原因解析(RCA)が行なわれる(48)。RCAの結果は、製造元が使用する任意の予測モデル、ならびに任意の寿命延長解析にフィードバックされてよい。他の寿命サイクルに関連する兆候(例えば、かき傷、痕跡、跡)が発見された場合、これらの兆候は、履歴上の作動結果と組み合わされ(44)、各々の兆候に関する残りの寿命を推測することができる。クラックや他の兆候のいずれも検知されなかった場合、フリート分布が更新され、固有のユニットの残りの寿命を予測することができる(46)。例えば全体のフリートに関するY分布は、このフリートに存在する総体的なばらつきを含むvitalX分布を利用して生成される(例えば、Tamb分布は、機械が作動することができる全ての可能な場所を含む)。またフリート分布の範囲内にある分布を有する固有のユニットY’sは典型的には、共通の形態(例えばガウスベル曲線)を維持する。しかしながらこれらの分布は、幅が狭い場合があり、これは1つまたは複数のvitalX分布を、特定の値(例えば、内部隙間)によって置き換える、あるいはより狭い分布(例えば、その場所の周辺温度)によって置き換えることもできるためである。このような残りの寿命の計算はまた、履歴上の作動結果を考慮する場合もある(44)。更新されたフリート分布を利用して、ユニットに関する全体のリスクを予測することができる(47)。予測されるリスクの例には、クラック形成の始まりおよび/または既にあるクラックの伝搬に関する予測が含まれる。
【0038】
図4のプロセスでは、項目41、42、43および44は、段階5の一部とみなされてよく、残りの項目(45、46、47および48)は、段階6に関連付けられている。先に記載した段階1−4の1つまたは複数は、段階4に結果を与えることができる。これは、大抵のタービンのOEMが、それぞれの構成要素を設計するため、それらがそれぞれの作動寿命においてクラックを形成しないことから有益である。
【0039】
上記に記載した方法論は、現在設置され作動中のガスタービンを対象としている。しかしながら当業者は、少なくとも最初の3つは、新しい設計にも適用可能であることを理解するであろう(例えば新たな設計に関する寿命の予測)。
【0040】
先行する方法論は、1つまたは複数のプロセッサベースの装置(コンピュータ)において実行されてよく、これは、有線または無線ネットワークによって接続される場合、あるいはされない場合がある。プロセッサベースの装置は、プロセッサ、メモリおよび入力ユニットを含む。プロセッサベースの装置はまた、ディスプレイを含む場合もある。このような装置は、図6に関して考察される。先行する方法論に関連するコンピュータプログラムは、非一時的記録媒体、例えばメモリまたはディスクまたは別のデバイスに記録されてよい。
【0041】
図5に示される例示の実施形態によって、ガスタービンのロータの残りの寿命の見込みを判断するための方法が提供される。方法は、コンピュータでガスタービンの作動状況を受信するステップ500と、ガスタービンロータの検査結果を受信するステップ502と、ガスタービンの作動状況およびガスタービンロータの検査結果に基づいて、このガスタービンに対応するフリートに関するデータベースを更新するステップ504と、ガスタービンロータの残りの寿命の見込みを計算するステップ506とを含む。
【0042】
上記の方法は、特定の装置に実装され、ガスタービン構成要素の残りの寿命の見込みを判断することができる。装置は、メモリと、メモリに動作可能に接続されたプロセッサとを含むことができる。プロセッサは、ガスタービンの作動状況を受信し、ガスタービンロータの検査結果を受信し、ガスタービンの作動状況およびガスタービンロータの検査結果に基づいて、このガスタービンに対応するフリートに関するデータベースを更新し、ガスタービンロータの残りの寿命の見込みを計算するように構成されてよい。
【0043】
プロセッサはさらに、ガスタービンの物理的モデルを利用して、独立変数に基づいてガスタービンの複数の従属変数を計算する、または独立変数を入力として伝達関数に提供することで寿命変数を計算する、または独立変数の分布を受信する、または独立変数、独立変数の分布および伝達関数に基づいてモンテカルロシミュレーションを実行し、このフリートの確率的な寿命を判定する、またはガスタービンの部品に対して行なわれた研究室での破壊試験を受信する、または独立変数、伝達関数、モンテカルロシミュレーションおよび研究室での破壊試験に基づいて、ガスタービンロータの残りの寿命の見込みを計算するように構成されてよい。
【0044】
例示の一実施形態では、非一時的なコンピュータベースの製品は、ガスタービンのコンピュータの残りの寿命の見込みを判断するための指示を含んでおり、このコンピュータベースの製品は、プロセッサベースの装置に以下の指示を実行させる、すなわち、ガスタービンの作動状況を受信する、ガスタービンロータの検査結果を受信する、ガスタービンの作動状況およびガスタービンロータの検査結果に基づいて、このガスタービンに対応するフリートに関するデータベースを更新する、ガスタービンロータの残りの寿命の見込みを計算し、寿命の延長に関連するリスクを計算することを実行させるように構成されている。
【0045】
上記で考察した実施形態に従って作動を実行することが可能な代表的な装置の一例が、図6に示される。ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェアまたはそれらの組み合わせを使用して、本明細書に記載される様々なステップおよび動作を行なうことができる。図6の計算構造600は、このようなシステムに関連して使用される可能性のある一例の計算構造である。
【0046】
例示の実施形態に記載される作用を行なうのに適した例示の計算構成600は、サーバ601を含む場合がある。このようなサーバ601は、ランダムアクセスメモリ(RAM)604および読取専用メモリ(ROM)606に結合された中央処理装置(CPU)602を含むことができる。ROM606はまた、例えばプログラマブルROM(PROM)、消去可能PROM(EPROM)などの、プログラムを記憶するための他のタイプの記憶媒体でもよい。プロセッサ602は、入/出力(I/O)回路608およびバス類610を介して、他の内部および外部構成要素と通信することで制御信号などを提供することができる。プロセッサ602は、ソフトウェアおよび/またはファームウェア指示によって要求される際、当分野で既知の多様な機能を実行する。
【0047】
サーバ601はまた、1つまたは複数のデータ記憶装置を含んでおり、これにはハードおよびフロッピーディスクドライブ612、CD−ROMドライブ614、および情報を読み取るおよび/または記憶することが可能な他のハードウェア、DVDなどが含まれる。一実施形態において、上記で考察されるステップを実行するためのソフトウェアは、CD−ROM616、ディスケット618または携帯できるように情報を記憶することが可能な他の形態の媒体に記憶され分散されてよい。これらの記憶媒体は、例えばCD−ROMドライブ614、ディスクドライブ612などのデバイスに挿入され、これらによって読み取ることができる。サーバ601は、ディスプレイ602に結合されてよく、このディスプレイは、LCDディスプレイ、プラズマディスプレイ、ブラウン管(CRT)などのいずれのタイプの既知のディスプレイまたはプレゼンテーション画面でもよい。ユーザ入力インターフェース622が設けられており、これは1つまたは複数のユーザインターフェース機構、例えばマウス、キーボード、マイクロフォン、タッチパッド、タッチスクリーン、音声認識システムなどを含む。
【0048】
サーバ601は、ネットワークを介して、例えば地上通信線および/または無線ターミナルなどの他の計算デバイスに結合されてよい。サーバは、インターネット628などのグローバルエリアネットワーク(GAN)でのように大型ネットワーク構成の一部であってよく、これにより種々の地上通信線および/または移動クライアント/ウォッチャデバイスに最終的に接続することが可能になる。
【0049】
開示される例示の実施形態は、ガスタービンの構成要素の残りの寿命を判定するための方法、コンピュータソフトウェアおよび装置を提供する。この記載は、本発明を限定することを意図していないことを理解されたい。反対に例示の実施形態は、代替形態、修正形態および均等物を包含することが意図されており、これらは添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の精神および範囲内に含まれる。さらに例示の実施形態の詳細な記載において、主張される発明の包括的な理解を可能にするために多くの固有の詳細が記載される。しかしながら当業者は、種々の実施形態がこのような固有の詳細なしで実施され得ることを理解するであろう。
【0050】
本例示の実施形態の機能および要素は、特定の組み合わせの実施形態において記載されているが、各々の機能または要素は、実施形態の他の機能および要素なしで単独で、あるいは本明細書に開示される他の機能および要素と合わせた種々の組み合わせで、またはそれらなしでの種々の組み合わせで使用することもできる。本出願で提供される方法またはフローは、固有にプログラムされたコンピュータまたはプロセッサによって実行するようにコンピュータ読み取り可能記憶媒体において実際に具現化されたコンピュータプログラム、ソフトウェアまたはファームウェアにおいて実施することができる。
【0051】
この書面による記載は、開示される主題の例を利用して、当業者がこれを実施することを可能にしており、これには任意のデバイスまたはシステムの作製および利用、ならびに任意の採り入れた方法の実行が含まれる。特許可能な主題の範囲は、特許請求の範囲によって定義されており、当業者が思い付く他の例を含む場合もある。このような他の例は、特許請求の範囲内にあることが意図されている。
【符号の説明】
【0052】
10 ガスタービン
12 圧縮機
14 燃焼器
16 タービン
18 制御装置
20 ダクト、予測装置
21 入口ガイドベーン、物理学によるモデル
22 排気ダクト、検査結果
23 作動履歴解析
24 発電機、破壊試験の結果
26 センサ
27 アクチュエータ
28 燃料制御システム
31 数学/解析モデル
32 伝達関数
33 確率的解析
34 破壊試験
35 作動履歴解析
36 寿命延長予測
41 ロータ検査
42 クラック
43 兆候
44 エンジンの作動状況を販売先から取得する
45 各々の兆候に関する残りの寿命を推測する
46 フリート分布を更新し、固有のユニットの残りの寿命を予測する
47 ユニットに関連する全体のリスク(例えば、クラックの開始、既にある兆候の破損への伝搬)を予測する
48 クラック(作動による)が予期されない場合、RCAを実行し、異常事態が起らなければ、モデルの予測は修正を必要とする。
500 コンピュータでガスタービンの作動状況を受信する
502 ガスタービンロータの検査結果を受信する
504 ガスタービンの作動状況およびガスタービンロータの検査結果に基づいて、このガスタービンに対応するフリートに関するデータベースを更新する
506 ガスタービンロータの残りの寿命の見込みを計算する
600 計算構造
601 サーバ
602 プロセッサ
604 RAM
606 ROM
608 I/O
610 バス類
612 ディスクドライブ
614 CD−ROMプレイヤ
616 CD−ROM
618 ディスケット
620 ディスプレイ
622 ユーザ入力インターフェース
629 インターネット
図1
図2
図3
図4
図5
図6