【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、駆動モーター(それはしばしばディーゼルエンジンである)の回転方向は、この種のパワースプリット式伝達装置に関する問題を生じる。ポンプだけが純粋油圧駆動装置で0度位置を通って回転して、これによって体積流量が同じ入力回転方向によって逆転する一方、機械式分岐の駆動モーターの速度が、少なくとも牽引力の中断なしではなく、または牽引力の調和的ゼロ通過によって単に容易に可逆的でないので、これは機械式分岐の複雑な作業になる。
【0006】
この種のパワースプリット式伝達装置で方向逆転を達成するために、そしていわゆる機械的ラインの牽引力の中断の挙げられた問題を回避するために、油圧回路の「正しい」回転方向のより大きな速度を機械式分岐の「誤った」回転方向に重畳することは、すでに提案された。しかしながら、無効動力は伝達装置において、これにより伝達されて、それは消費量を増加させて、より大きな油圧ユニットを必要にする。トラクタの場合は、例えば、この方法は非常にうまく用いられて、それは、しかしながら、トラクタが前進方向に主に作動するという状態に主に起因し、そして、この点で、後退を有する移動サイクル部分(そこにおいて、指定された回転方向は補償されなければならず、そして無効動力が発生する)は比較的小さい。大きな後退部分または前進と後退の間の多少バランスのよい比率を有する車輪型ローダーまたはクローラー装着ローダーのような移動作業機械の場合は、挙げられた無効動力が後退が起こる非常に多くの移動サイクル部分にわたってここで発生するので、この種の伝達システムのバランスは非常に悪い。
【0007】
代わりに、パワースプリット式伝達装置の機械式分岐への導入のための駆動モーターの予め固定的に規定された回転方向を逆転させることが可能であるために、駆動モーターまたは駆動軸とパワースプリット式伝達装置の遊星歯車の間に逆転装置を設けることが、したがってすでに提案された。機械式分岐の上流に連結される逆転装置を有するこの種のパワースプリット式伝達装置は、例えば、特許文献1および特許文献2により示される。この点で、油圧応用分岐の
静油圧式装置は、遊星歯車と、またはそれの下流に配置される手動式伝達装置と関連付けられて、機械力によって油圧動力を合計することが可能である。特に、車輪型ローダーのような大きな後退部分を有する移動作業機械の使用において、これらのすでに周知の解決策の欠点は、しかしながら、システムによってポンプ速度がゼロの方へ進む速度でその最大値に達して、これは逆転シフト・グループによる逆転でその回転方向で同様に変化し、それによって、ポンプの速度の変化は、総計で最大速度の2倍とほぼ一致することである。逆転プロセスが、例えば、それ自体は0.何秒か必要とされる速度で起こる場合、ポンプの境界線上の高い加速はそれによって発生して、早い磨耗または完全な故障さえ発生するように、ポンプはこれによってその荷重制限まで、またはそれを越えて荷重を掛けられる。他方では、これが考慮されて、逆転プロセスがよりゆっくり実行される場合、特に、ドライバーが、以前油圧作動された機械からの停止におけるいかなる休止もなしにゼロの速度で連続的に逆転する習慣を有する場合、ドライバーは、ゼロの速度で感知される「待機期間」によってこの種の遅い逆転を欠点として認める。
【0008】
この逆転の問題を軽減するために、挙げられた理由でパワースプリットを提供することが可能であるにもかかわらず、特許文献3はパワースプリット式伝達装置を提案し、そこでは、油圧ポンプは、逆転シフト段の上流で駆動軸または駆動モーターに連結されて、油圧応用分岐のポンプが同じ方向に常に回転するように、このようにして回転方向の逆転によって損なわれず、そして油圧モーターだけが遊星歯車に連結する。この点で、低速の移動
レンジの機械式分岐を切り離すことによって、ここでは通常の逆転が、ゼロを通るポンプの対応する枢動によって、穏やかに、それでも急速に実現されることができるように、動力は単に油圧だけで伝達されることができる。しかしながら、油圧モーターから出力への動力伝達のために遊星歯車と並列に配置されるさらに必要な平歯車チェーンおよびスプリット式伝動第2駆動位置の調整は、この点で不利である。第2の駆動位置の十分に大きい速度範囲をカバーするために、対応するクラッチを有する複数のシフト段が出力側に設けられて、遊星歯車はクラッチを係合することによって、いろいろな速度比をセットすることが可能である。動作がパワースプリットにより行われる場合、個々の移動
レンジ段の歯車伝達比の微細な変化だけは、油圧ユニットを調整することにより達成される。伝達装置はこれによって比較的複雑且つ高価になり、そしてクラッチおよびシフトが設けられることによって、保守が大変で、摩耗しやすい。加えて、パワースプリット式伝達装置の効率を損なうアイドリング損失は、必要なクラッチのために生じる。さらにまた、牽引力伝達装置の減退または少なくとも遅延は、純粋油圧動作からパワースプリット動作への切り換え時に生じる。純粋油圧移動
レンジの終わりに、純粋油圧最大可能出力速度を実現するために、ポンプは通常最大旋回角度であり、そしてモーターは最小であるか少なくとも減少した旋回角度である。この点で、油圧モーターは、トルク伝達なしに比較的高い速度で無駄に必然的にも動く遊星歯車の内歯歯車に連結している。パワースプリット移動
レンジの開始時に、ゼロから始まって増大している油圧応用分岐の速度が、ディーゼルエンジンによって、あらかじめ定義される機械式分岐の一定速度部分に内歯歯車を介して加えられるという点で、速度は増大する。このために、内歯歯車ひいては油圧モーターは、切り換えの直後にゼロの速度または少なくとも低速度を有しなければならず、ポンプが小さい旋回角度またはゼロ旋回角度であり、そしてモーターがこの時点で大きいまたは最大の旋回角度であるという点で、それは実現される。これには、ポンプが後方に旋回しなければならず、そしてモーターがシフトプロセスの間に非常に短い時間に外向きに旋回しなければならないという結果がある。動力伝達装置の上に挙げられた減退の状態はこの時に存在する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の基本的な目的は、従来技術の欠点を回避する最初に挙げられた種類の改良されたパワースプリット式伝達装置を提供して、更に進歩した方法でそれを開発することである。特に、速い、連続する磨耗の少ない可逆性は、伝達の効率を損なうことなしに、そして歯車伝達比の調整範囲を制限することなしに、簡単な伝達装置設計により達成されなければならない。加えて、例えば、
静油圧式装置の旋回角度がスイッチの間に調整される必要がないように、中断がない牽引力伝達は、いろいろな移動
レンジの間のスイッチングでも達成されなければならない。
【0010】
この目的は、請求項1に記載のパワースプリット式伝達装置によって、本発明に従って達成される。本発明の好ましい実施形態は従属クレームの主題である。
【0011】
油圧または電気的に互いに連結できる3つ以上の回転エネルギー変換器を提供し、そして、この点で、少なくとも一つの駆動軸と連結可能な少なくとも一つのエネルギー変換器を配置し、そして遊星歯車配置および/または出力軸と連結可能な少なくとも二つのエネルギー変換器を配置し、そして、この点で、モーターとして、あるいは圧力発生器または電流発生器としてそれぞれ固定した方法ですべてのエネルギー変換器を提供することはなくて、むしろ移動
レンジに応じてモーターまたはポンプ/発生器として選択的にエネルギー変換器のうちの少なくとも一つを使用することが提案される。本発明に従って、少なくとも一つの駆動軸は、第1のエネルギー変換器に、そして遊星歯車配置の第1の連結要素に連結できる。その一方で、少なくとも一つの出力軸は遊星歯車配置の第2の連結要素に連結することができて、第2および第3のエネルギー変換器は、遊星歯車配置および/または少なくとも一つの出力軸の少なくとも一つ以上の更なる連結要素に連結できる。動作は、少なくとも三つのエネルギー変換器、および駆動軸に対する、一方では、それに連結する遊星歯車配置に対するそれらのいろいろな結合の使用によって、必要に応じて、パワースプリットで、あるいはまた単に油圧/電気的分岐を介して、または機械式分岐を介して起こることができて、他方では、エネルギー変換器は互いとのいろいろな組み合わせで動作することが可能であり、それによって駆動位置の高い可変性が生じる。大きなスプレッドは、遊星歯車配置および/または出力軸に直接または間接的に結合するか、あるいは、例えば、クラッチアセンブリまたはシフティングアセンブリを介して結合されることができる少なくとも2つのエネルギー変換器によって、歯車伝達比の同時に連続する調整力を有する上流または下流のシフト段伝達グループなしでも特にパワースプリット移動で達成されることもできる。他方では、純粋油圧または電気的移動位置(それは、特に、短い、連続であるが、それでいて穏やかなゼロ通過を有する移動駆動装置の単純な逆転を達成できる)は、少なくとも一つの駆動軸または上流の駆動モーターに直接または間接的に連結するかまたは連結できる少なくとも一つのエネルギー変換器によって実現することもできる。同時に、駆動軸に連結される挙げられた第1のエネルギー変換器は、モーターとして、そしてポンプ/発生器としても可変実施可能性によって移動位置の可変性を有利に向上させることができる。
【0012】
本発明の更なる開発において、それぞれの異なるエネルギー変換器が、所望の出力速度および/または所望の出力トルクに応じて圧力発生器または電流発生器として動作できるように、エネルギー変換器を制御するための制御装置は、この点で有利に設けられて、構成される。提供は、第1のエネルギー変換器および2つの他のエネルギー変換器のうちの少なくとも一つが、所望の出力速度に応じてモーターとして、あるいは圧力発生器または電流発生器として交替に動作できるというこの点において、特になされることができる。駆動位置の可変性は、発生器動作とモーター動作の間のエネルギー変換器の制御可能な切り換え機能によってすぐに更に向上できる。
静油圧式装置の場合、挙げられた制御装置は旋回角度を調整できる。電気機械の場合、周波数は、例えば、交流機械の場合に周波数インバータにより調整されることができるか、または電圧は、直流機械の場合に電圧調整器により調整されることができる。
【0013】
挙げられた第2および第3のエネルギー変換器の連結は、通常、出力軸までの、それに連結されるアセンブリまでの遊星歯車配置のいろいろな位置で行われることができる。しかしながら、有利なことに、第2および第3のエネルギー変換器の両方は、遊星歯車配置に連結されて、パワースプリット動作の機械式分岐に関して速度変化のためにエネルギー変換器の各々を利用することが可能である。出力軸に直接連結しているエネルギー変換器は、トルクを変化させるためにだけ用いることができるが、他方では、遊星歯車に連結している残りのエネルギー変換器だけが速度変化のために用いることができる。したがって、遊星歯車配置は、有利に少なくとも4つのコネクタまたは連結要素を備え、駆動軸および出力軸は、挙げられた第1および第2の連結要素に連結しているその一方で、第2のエネルギー変換器または第3のエネルギー変換器は、第3および第4の連結要素にそれぞれ連結している。
【0014】
例えば、それぞれの要素が、例えば軸を介して対応する連結要素に直接且つ一体に連結されるように、挙げられた連結要素へのそれぞれの構成要素の連結は、この点で通常直接施されることができる。あるいは、しかしながら、対応する構成要素がそれぞれの連結要素から切り離されたり、それに連結できるように、挙げられた伝達要素、すなわち、駆動軸、出力軸、およびエネルギー変換器のうちの少なくとも一つまたは全ては、例えば、更なる伝達要素または伝達段階の介在によって、例えば、平歯車対の形で、そして/またはクラッチの介在によって、それぞれの連結要素に間接的に連結されることもできる。エネルギー変換器の各々は、したがって、それぞれの伝達要素または連結要素に直接または間接的に連結されるかまたは連結可能でありえる。これはまた、少なくとも一つのそれぞれの更なる伝達要素に直接または間接的に連結されるかまたは連結可能でありえる他の伝達要素にもあてはまる。
【0015】
本発明の有利な更なる開発において、エネルギー変換器が常にまた駆動軸で、または対応する惑星歯車要素で回転するか、あるいはそれらの停止で同様に静止するように、エネルギー変換器は、クラッチの介在なしに駆動軸または遊星歯車配置に連結できる。この種のクラッチの領域の動力の損失は、エネルギー変換器のこの種のクラッチフリーの連結によって回避できる。伝達装置は、速度変化のための手動式伝達装置なしで有利に構成されることもできる。本発明の更なる開発において、パワースプリット式伝達装置は、単にエネルギー変換器を調整することによって、そして任意に機械式分岐のオンとオフを切り換えることによって、そして任意に遊星歯車配置の個々の要素のブロッキングによって変速を達成できる。
【0016】
本発明の更なる開発において、第2および/または第3のエネルギー変換器が直接または間接的に連結されるかまたは連結可能である連結要素のうちの少なくとも一つは、制動装置により係止されることができて、制動装置は、連結要素と、またはそれに回転可能に固定して連結される要素と直接関連付けられることが可能である。この種の制動装置によって、遊星歯車配置を介した動力伝達は、エネルギー変換器がスイッチを切られるかまたはゼロに設定される効率的な方法で行われることもできる。しかしながら、例えば、エネルギー変換器が、連結要素に作用する力またはトルクに対抗する停止の充分なトルクを発生するという点で対応する移動
レンジをセットするために、対応する連結要素およびそれに接続可能なエネルギー変換器によって、それに連結される遊星歯車配置の伝達要素を止めることも代わりに可能である。これは関連するエネルギー変換器の対応する制御装置により達成することができる。あるいは、または加えて、それぞれの要素の一方向だけの移動を可能にするが、反対方向のそれをブロックするオーバーランニングクラッチを設けることができる。しかしながら、第2の分岐の動力損失が減少して、更により小さいエネルギー変換器を用いることができるので、制動装置の使用は好ましい。
【0017】
制動装置は、特に、上述した第3のエネルギー変換器が直接または間接的に連結されるかまたは連結可能である上述した第4の連結要素と関連付けられることが可能である。あるいは、または加えて、制動装置はまた、第2のエネルギー変換器に直接または間接的に連結されるかまたは連結可能である遊星歯車配置の第3の連結要素と関連付けられることもできる。
【0018】
本発明の更なる開発において、第4のエネルギー変換器、任意に第5のエネルギー変換器も、そして更なるエネルギー変換器さえも設けられることが可能である。この種の第4のエネルギー変換器は、例えば、始動補助として、または動力ピークの発生時に有利であるブースト機能という意味において、付加的な動力印加を提供することが可能であるために、少なくとも一つの駆動軸に有利に連結できる。この種の第4のエネルギー変換器は、利用できるエネルギー源の構成に応じて他のエネルギー変換器と違って構成されることもできる。例えば、複合型駆動装置が設けられる場合、他のエネルギー変換器が
静油圧式装置であっても、前記第4のエネルギー変換器は電気モーター/発生器として構成されることができる。この点で、挙げられた第4のエネルギー変換器が連結されることができる電気/油圧エネルギー貯蔵部位が設けられることもできる。
【0019】
上述した制御装置は、通常、異なって構成されることができるか、または異なる方法で伝達装置を制御できる。一方では、エネルギー変換器のうちの少なくとも一つ、好ましくは少なくとも二つ、および特にエネルギー変換器の全ては、調節可能な様に構成されることができて、制御装置は、個々の調節可能なエネルギー変換器またはさらに他の調節可能なエネルギー変換器の全てによって、それぞれのエネルギー変換器を個々に、またはグループ的に調整することが可能である。第2の分岐が油圧応用機械として構成される場合、そして、したがって
静油圧式装置がエネルギー変換器として設けられる場合、少なくとも一つの
静油圧式装置または対応する
静油圧式装置は、排水容積において調節可能であり、そしてその排水容積が、ゼロと最大排水容積の間で、または最大ネガティブ排水容積と最大ポジティブ排水容積の間で連続的に有利に調整されることができる調整ユニットでありえる。それぞれの
静油圧式装置の旋回角度は、制御装置によって特に調整されることができる。少なくとも2つ、または特に3つ全ての
静油圧式装置が並列に油圧で連結されるかまたは連結可能であるときに、上記の機能は簡単な方法で特に実現できる。対照的に、第2の分岐が電気的に構成される場合、そして、それに応じて電気機械がエネルギー変換器として設けられる場合、少なくとも一つの電気機械、好ましくは少なくとも二つ、および特に電気機械の各々は三相機械として設計されることができて、例えば、それぞれの電気機械の速度が、モーター動作において、好ましくはゼロと最大ポジティブまたは最大ネガティブ速度の間で挙げられたインバータを介して調整されることができるように、フィードバック可能なインバータを介して共通の直流電圧中間回路に接続されることができるか、または対応するスイッチ素子によってそれに接続されることができる。
【0020】
本発明の更なる開発において、伝達装置は、伝達装置のシフト状態を変えるために制御装置によってシフトされることができる少なくとも一つのシフト要素を備えることもできる。この種のシフト要素は、特にクラッチおよび/または制動装置でありえるが、原則として、他のシフト要素、例えば、シフト状況が挙げられた制御装置により変更されることができる連結可能な歯車伝達ステージでもありえる。
【0021】
本発明の更なる開発において、第1の移動
レンジにおいて、出力軸が油圧または電気的な第2の分岐により駆動されることができるだけであるように、伝達装置の機械式第1の分岐は、少なくとも一つのクラッチによって駆動軸から特に切り離すことができる。挙げられたクラッチは、それぞれの駆動位置を調節可能なエネルギー変換器の制御と協同して設定することが可能であるように、制御装置によって有利に制御されることができる。挙げられた方法で、機械式第1の分岐が駆動軸から切り離される場合、挙げられた第1の移動
レンジで、モーター動作において駆動軸に結合する第1のエネルギー変換器がポンプまたは発生器として動作して、第2および第3のエネルギー変換器のうちの少なくとも一つがモーターとして動作する制御装置が特に設けられることが可能である。
【0022】
機械式第1の分岐においてスイッチを切るかまたは切り換えるための挙げられたクラッチは、遊星歯車配置の第1の連結要素の回転方向が駆動軸に対して逆転可能である逆転シフト・グループによって、本発明の有利な更なる開発において形成されることができる。挙げられた逆転シフト・グループは、この点で駆動軸と遊星歯車配置の間に有利に設けられる。第1の分岐の切り離しは、しかしながら、挙げられた逆転シフト・グループによって必ずしも実行される必要があるわけではない。クラッチは、むしろ、逆転シフト・グループが、逆転シフト・グループの動作と独立して第1の分岐のスイッチのオフまたはインを実行することが可能であるように構成される方法に応じて、挙げられた逆転シフト・グループから別に、またはそれに加えて設けることもできる。有利なことに、また一方、第1の分岐を切り換えるためのクラッチは、挙げられた逆転シフト・グループに組み込まれて、それは、前方の段または後方の段に切り換わることが選択的に可能であるために、2つのクラッチ・ユニットまたは1つのダブルクラッチ・ユニットから有利に成ることができる。
【0023】
伝達装置がパワースプリットであり、すなわち、第1の分岐を切り換えることによって動作する場合、モーター動作において駆動軸に連結している第1のエネルギー変換器および遊星歯車配置に連結している第2のエネルギー変換器が、モーターとして、そして圧力発生器として両方、または電流発生器として選択的に各々動作できるように、特に、モーターとしての第1のエネルギー変換器の動作において、第2のエネルギー変換器がポンプまたは発生器として動作し、そして、逆にいえば、ポンプまたは発生器としての第1のエネルギー変換器の動作において、第2のエネルギー変換器がモーターとして動作するように、制御装置は、出力軸が第1の分岐および第2の分岐の両方により駆動されるこの種の第2の移動
レンジでエネルギー変換器を有利に調整することができる。達成可能な速度変換は、第1および第2のエネルギー変換器のこの種の動作反転によってかなり向上することができる。
【0024】
異なる下位
レンジは詳細にセットされることができて、動力が巧みなスイッチングによって、またはエネルギー変換器の調整によって、両方の分岐を使用してパワースプリットで伝達される挙げられた第2の移動
レンジで互いに結合して移動することができる。必要なトルクまたは必要な速度に応じて、いずれの非常に大きなトルクも同時に小さい速度で出力されることができるか、または非常に小さいトルクが高速で出力されることができるように、部分はパワースプリットにより調整されることができる。車輪型ローダーまたはクローラー装着ローダーは、それにより非常に低い移動速度から非常に高い移動速度まで連続的に移動することができる。
【0025】
本発明の有利な更なる開発において、第2のエネルギー変換器は、モーター動作において挙げられた第2の移動
レンジの第1の下位
レンジでこの点でポンプ/発生器として動作することができる。その一方で、第3のエネルギー変換器はモーターとして動作して、第1のエネルギー変換器は同様にモーターとして動作する。あるいは、または追加して、挙げられた第2の移動
レンジの第2の下位
レンジで、第2のエネルギー変換器はポンプ/発生器としてモーター動作において動作することができて、第3のエネルギー変換器はモーターとして動作できる。その一方で、第1のエネルギー変換器はトルクを伝達せずに無駄に回転する。あるいは、または加えて、挙げられた第2の移動
レンジの第3の下位
レンジで、第1のエネルギー変換器はポンプとしてモーター動作において動作することができて、第2のエネルギー変換器はモーターとして動作できる。その一方で、第3のエネルギー変換器はトルクを伝達せずに無駄に回転する。いろいろな速度範囲および/またはトルク範囲は、挙げられた下位
レンジおよびエネルギー変換器の対応する設定を使用して、パワースプリットの第2の移動
レンジで実現されることができて、挙げられた第1の下位
レンジより高い速度は挙げられた第2の下位
レンジで達成されることが特に可能であり、そして挙げられた第2の下位
レンジより高い速度は挙げられた第3の下位
レンジで達成されることが同様に可能である。この点で、速度は、好ましくは第1の移動
レンジに途切れなく隣接する挙げられた第1の下位
レンジによって、または、伝達装置が単に油圧または電気的に、すなわち第2の分岐を介して動作するという点で重なり合う方法で特に達成することができる。非常に広い速度変換範囲は、全体的にこれにより達成することができる。
【0026】
少なくとも一つのエネルギー変換器、有利なことに、複数のエネルギー変換器も、達成されるトルクおよび/または達成される速度の連続的な変化を達成するために、挙げられた移動
レンジまたは下位
レンジの各々において有利に同時に調整されることができる。本発明の更なる開発において、例えば、第2の移動
レンジの挙げられた第1の下位
レンジの第1の
静油圧式装置は、最大旋回角度とゼロ位置の間で調整されることができる。あるいは、または加えて、第2の
静油圧式装置および/または第3の
静油圧式装置は、最大旋回角度と減少した旋回角度またはゼロ位置の間でパワースプリット移動
レンジの第2の下位
レンジで連続的にまたは同時に調整されることができる。あるいは、または加えて、パワースプリット移動の挙げられた第3の下位
レンジで、第1の
静油圧式装置および/または第2の
静油圧式装置の旋回角度の調整を実行することができる。
【0027】
本発明の更なる開発において、エネルギー変換器のうちの少なくとも二つは、油圧または電気的に並列に連結されることができて、特に、第1のエネルギー変換器に発する体積流量または電流が第2および第3のエネルギー変換器の両方に入る(逆もまた同じ)ように、全3つのエネルギー変換器は本発明の有利な実施形態で互いと並列に連結されて配置されることが可能である。あるいは、または加えて、体積流量または電流の形でエネルギー変換器のうちのいずれか一つにより出力されるエネルギーが、他のエネルギー変換器の各々に伝えられることが可能であるように、エネルギー変換器の並列連結は構成されることもできる。多くのいろいろなスイッチ状態はこれにより達成することができる。油圧体積流量または電流の形で並列に連結したエネルギー変換器に作用するエネルギーの流れは、特に、エネルギー変換器を下へ調整することによって、例えば、ゼロ位置をセットすることによって、より大きくまたはより小さくすることもできて、そこにおいて、いかなる動力の受容および出力も起こらない。移動
レンジの微調整、なおかつ大きい調整範囲全体にわたって可変の調整はこれにより達成することができる。
【0028】
遊星歯車配置自体は、通常、いろいろな構成を有することができて、遊星歯車配置は多段として有利に構成される。遊星歯車配置は、少なくとも一つの多段遊星を有するウェブを備える多段遊星歯車として特に構成されることができて、第1の太陽は少なくとも一つの多段遊星の第1段と連動し、第2の太陽は挙げられた少なくとも一つの多段遊星の第2段と連動し、そして内歯歯車は少なくとも一つの多段遊星の少なくとも一つの段と連動する。エネルギー変換器だけでなく駆動軸および出力軸のための4つの連結要素は、これによって簡単な方法で設けられることが可能である。
【0029】
あるいは、または加えて、しかしながら、遊星歯車配置は、2つの従来通りに構成された遊星段を有して設けられることもできて、各々は、太陽、内歯歯車、および少なくとも一つの遊星を有するウェブを有し、各遊星段自体は3つの連結要素を有する。本発明の有利な更なる開発において、第1の遊星段の連結は第2の遊星段の連結に結合することができて、このように結合される遊星段システムが挙げられた伝達要素を連結するための4つの連結要素を有するように、更なる連結を固定することができる。この点で有利な方法で、2つのウェブは互いに結合することができ、そして/または内歯歯車のうちの一つは固定することができる。
【0030】
本発明の有利な実施形態に従って、駆動軸は遊星歯車配置の第1の太陽に直接または間接的に連結されるかまたは連結可能であり、そして出力軸はウェブまたは遊星歯車配置のウェブのうちの1つに直接または間接的に連結されるかまたは連結可能である。第2のエネルギー変換器は第2の太陽に有利に直接または間接的に連結している。その一方で、第3のエネルギー変換器は、本発明の有利な更なる開発において、遊星歯車配置の内歯歯車に、または非固定第2の内歯歯車に直接または間接的に連結されるかまたは連結可能でありえる。
【0031】
本発明は、好ましい実施形態および関連する図面を参照して以下に更に詳細に説明される。