(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記検出手段(28)は、前記ドライブ・ヘッド・ユニット(3)が前記注入シリンジ・ピストン(4)に近づくことによって前記検出手段(28)内に移動する1つの単体伝達装置要素(27)によって、前記注入シリンジ・ピストン(4)の位置を検出する2つのセンサ(29、30)を備え、前記伝達装置要素(27)は、前記主要軸受手段(17)から突出する接触要素(27A)を備え、接触要素(27A)は、注入シリンジ・ピストン(4)に接触可能であることを特徴とする、請求項1に記載の駆動デバイス(1)。
前記検出手段(28)は、前記ドライブ・ヘッド・ユニット(3)内において軸方向に直列配置された少なくとも2つの光バリア(29、30)を備えることを特徴とする、請求項1に記載の駆動デバイス(1)。
前記センサ・ユニット(24)の前記1つの単体伝達装置要素(27)が、前記固定手段(20)を始動させるための前記手段(21)の内部に配置されることを特徴とする、請求項2から5のいずれか一項に記載の駆動デバイス(1)。
前記センサ・ユニット(24)の前記1つの単体伝達装置要素(27)は、前記検出手段(28)の第1の段が前記単体伝達装置要素(27)によって前記注入シリンジ・ピストン(4)の位置を検出し得る前に、2mm〜10mmの間の、好ましくは4mmの事前移動値を有しており、
前記事前移動値は、前記伝達装置要素(27)が前記検出手段(28)に到達する前に前記伝達装置要素(27)が移動する距離であることを特徴とする、請求項2から6のいずれか一項に記載の駆動デバイス(1)。
前記前進手段(6)は、保持ソレノイドに接続された前記検出手段(23)によって保持ソレノイドへの電力供給を制御可能な保持ソレノイド(80、81)を備え、前記保持ソレノイド(80、81)は、前記前進スピンドル(8)に対して前記前進スピンドル・ナット(9)を半径方向に係合するために磁石プレート(82、83)を介して軸方向可動摺動スリーブ(53、56)を作動させ、
前記軸方向可動摺動スリーブ(53、56)の軸方向移動が、前進スライド軸受(68)上の端部側(67)で傾斜軸(66)の周りに支持されている前記少なくとも1つの半径方向可動ナット・シェル(12、13)の傾きを生じさせ、前記少なくとも1つの半径方向可動ナット・シェル(12、13)の前記係合部(64)が前記前進スピンドル(8)の前記雄ねじ山(15)に係合することを特徴とする、請求項8に記載の駆動デバイス(1)。
前記ドライブ・ヘッド・ユニット(3)の前記手動送込みは、前記接触要素(27A)が前記第2のセンサ要素(30)に到達する前に阻止されることを特徴とする、請求項12に記載の方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、注入ポンプ上の注入シリンジの交換を、より簡単なものに、およびそれにもかかわらず患者に対する不注意によるボーラス投与の危険性に関してより安全なものにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一方においては、本発明の目的は、注入ポンプ上に配設された注入シリンジの注入シリンジ・ピストンの線形移動のための駆動デバイスによって達成される。この駆動デバイスでは、注入ポンプは、注入シリンジ・ピストンを支持するための主要軸受手段と、主要軸受手段上に注入シリンジ・ピストンを固定するための固定手段と、固定手段を解除するための手段とを含む、ドライブ・ヘッド・ユニットを備える。また、注入ポンプは、電動可能前進スピンドルと、少なくとも1つの半径方向可動ナット・シェルを有する複数パーツ型前進スピンドル・ナットとを含む、ドライブ・ヘッド・ユニット用の前進手段を備える。ドライブ・ヘッド・ユニットが、主要軸受手段の前方の注入シリンジ・ピストンを検出するための検出手段をさらに備える。検出手段が、主要軸受手段の前方の注入シリンジ・ピストンの種々の位置を検出するための少なくとも2段型上流検出手段を有する複数しきい値センサ・ユニットを備える。
【0008】
本発明による「複数しきい値センサ・ユニット」という用語は、注入シリンジ・ピストンがピストン・プレートによりドライブ・ヘッド・ユニットの主要軸受手段上に載置される前に、ドライブ・ヘッド・ユニットの前方に配置された注入シリンジ・ピストンおよび特にそのピストン・プレートの種々の位置を検出するための手段を表す。
【0009】
この場合には、複数しきい値センサ・ユニットは、ドライブ・ヘッド・ユニットの上または中に配置され、機能的に相互接続されてセンサ・ユニットを形成するように構成された、複数の個別のセンサから構成され得る。あるいは、センサ・ユニットは、より有利な態様で具体的構成において構築され得る構造設計に応じて、少なくとも2つのセンサが少なくとも部分的に封入されたケーシング内の1つの単一構成要素からなる。
【0010】
有利には、複数しきい値センサ・ユニットにより、特に注入シリンジの交換後の注入ポンプの適切な始動のためのサイクルが、主要軸受手段が注入シリンジ・ピストンのピストン・プレートと接触状態になり得る前に、少なくとも2つの段で自動化され得る。これにより、注入ポンプの始動は、実質的により効率的なおよびさらにはより確実な態様で実行され得る。
【0011】
これは、一方においては、ドライブ・ヘッド・ユニットの手動送込みの阻止が、上流検出手段の第1の段により開始され得ることによるものである。次いで、さらなる送込みが、先行の検出手段の第2の段により規定のモータ駆動基準移動へと理想的には平滑的に移行される電動送込みによって即座に継続され得る。ここで、前進スピンドルは、規定の回転数を実施するに過ぎない。これにより、ドライブ・ヘッド・ユニットは、一方においては極めて迅速に、および他方においては極めて正確に、ピストン・プレートまで移動され、ピストン・プレートにおいて使用可能な状態に置かれ得る。
【0012】
また、この点に関して、他方においては、本発明の目的は、注入シリンジ・ピストンの線形移動のためのドライブ・ヘッド・ユニットを備える注入ポンプ上の注入シリンジを交換するための方法により達成される。この方法では、前進スピンドル・ナットの少なくとも1つの半径方向可動ナット・シェルが、ドライブ・ヘッド・ユニットを駆動するために、前進手段の前進スピンドルから半径方向に係合解除されることにより、注入シリンジ・ピストンのピストン・プレートのドライブ・ヘッド・ユニットが、手動により迅速に軸方向へと送られることが可能になり、また、不注意によるボーラス投与を防止するために、ピストン・プレートが、ピストン・プレートがドライブ・ヘッド・ユニットの主要軸受手段の主要軸受表面と接触状態になる前に、ドライブ・ヘッド・ユニットに関連付けられる接触要素によって検出され得る。
第1の検出ステップで、接触要素が、第1のセンサ要素を始動させ、それにより、前進スピンドル・ナットおよび前進スピンドルによるドライブ・ヘッド・ユニットの手動送込みが阻止され、少なくとも1つの半径方向可動ナット・シェルが前進スピンドルに対して半径方向に係合され、その後、ピストン・プレートのドライブ・ヘッド・ユニットが、前進手段を介して電動によりさらに送られ続け、
第2の検出ステップで、接触要素が、第2のセンサ要素を始動させ、それにより、主要軸受手段の主要軸受表面までのドライブ・ヘッド・ユニットのモータ駆動基準移動が、開始され、
第3の検出ステップで、モータ駆動基準移動が、主要軸受表面とのピストン・プレートの接触の途中で停止され、ピストン・プレート用の固定手段の保持ブラケットが、閉じられ、それにより、ピストン・プレートが、主要軸受手段に対して固定される。
【0013】
注入ポンプにおける確実性は、注入シリンジが交換される際に、いかなる遅延も発生することなく前記複数検出によって、さらに上昇させることが可能である。
【0014】
有利には、ドライブ・ヘッド・ユニットの手動送込みは、接触要素が第2のセンサ要素を始動させる前に、阻止される。これにより、前進スピンドル・ナットは、前記第2のセンサが接触要素により適切に始動され次第、基準移動が複数しきい値センサ・ユニットの第2のセンサにより開始される前に、前進スピンドルにおいて正確にロックされることが特に確保され得る。したがって、ピストン・プレートに対するドライブ・ヘッド・ユニットの正確な位置は、基準移動が開始される前に、常に保証され得る。
【0015】
好ましい1つの別の方法は、モータ駆動基準移動が、規定のモータ・ステップ数により実施されることを可能にする。規定のモータ・ステップ数により、前進スピンドルの正確な所定の回転数と、またしたがってドライブ・ヘッド・ユニット用の規定の送り経路とが、特に最後の数ミリメートルにおいて実現可能となり、それにより、ドライブ・ヘッド・ユニットは、ピストン・プレートの前方において特に正確に常に配置され得る。
【0016】
さらに、構造に関しては、複数しきい値センサ・ユニットが、1つの単体伝達装置要素により始動されるように構成された2つのセンサを備え、伝達装置要素が、主要軸受手段から突出する接触要素を備える場合には、特に有利となる。
【0017】
ドライブ・ヘッド・ユニットにおける(特に注入シリンジ・ピストンのピストン・プレート用の主要軸受手段における)取付けスペースが、通常は非常に小さくなるように寸法設定されるため、複数しきい値センサ・ユニットの少なくとも2つのセンサが、1つのみの単体伝達装置要素により始動され得る場合には、特に有利となる。
【0018】
有利には、接触要素は同時に伝達装置要素を構成し、それによりドライブ・ヘッド・ユニットはさらによりコンパクトな設計を有することができる。
【0019】
始動されるように構成された前述のセンサは、最も異なるセンサ手段により実現され得ることが理解される。例えば、ホール・センサを使用することが可能である。
【0020】
構造的に特に好ましい別の設計は、検出手段が、好ましくは、ドライブ・ヘッド・ユニット内において軸方向に直列配置された少なくとも2つの光バリアを備えることを可能にする。特に、直列配置された2つの光バリアは、1つの単体伝達装置要素により特に単純な構造で構成され得る。
【0021】
したがって、「軸方向に」という用語は、ドライブ・ヘッド・ユニットの送込み動作に実質的に整列されることを意味し、伝達装置要素の作動軸が、有利には注入シリンジ・ピストンの摺動軸と一致するか、または注入シリンジ・ピストンの摺動軸に対して並行して配列される。その範囲において、伝達装置要素は、有利には、接触要素と同一になるように単純に形成することが可能である。
【0022】
ドライブ・ヘッド・ユニットは、2つの光バリアの少なくとも一方がフォークライトバリアの形態をとる場合に、さらに構造的に容易化され得る。
【0023】
さらに、主要軸受手段が、接触要素を備える複数しきい値センサ・ユニットのセンサを切り替えるための伝達装置要素を備えるダイアフラム・プレートを備える場合には、有利である。
【0024】
例えば、ばね付勢されるダイアフラム・プレートが、ピストン・プレート用の固定手段を始動させるための手段の少なくとも1つの構成要素または構成要素群を具現化する。この場合に、前記ばね付勢されるダイアフラム・プレート内に、複数しきい値センサ・ユニットの伝達装置要素が直接的に配置される場合には、検出手段の設計は、さらに容易化され得る。
【0025】
好ましくは、複数しきい値センサ・ユニットの伝達装置要素のみが、固定手段を始動させるための手段の中に配設され、それにより、特に主要軸受ユニットが、さらによりコンパクトな設計を有することが可能となる。
【0026】
別の非常に有利な変形の設計は、複数しきい値センサ・ユニットの1つの単体伝達装置要素が、2段型上流検出手段の第1の段が伝達装置要素のみにより始動され得る前に、2mm〜10mmの間の、好ましくは4mmの事前移動値を有することを可能にする。かかる短く選択された事前移動により、過度に強力な手動送込み動作によっても、阻止手段が十分な迅速さで応答することが不可能となりピストン・プレートが主要軸受手段に対して危うく当接する危険性が、低下する。
【0027】
駆動デバイスが、前進スピンドルにおける少なくとも1つの半径方向可動ナット・シェルの自動半径方向係合のための検出手段に応答して動作する、および、半径方向に係合された前進スピンドル・ナットにより実施されることとなるように適合化された注入シリンジ・ピストンまでの主要軸受手段の基準移動を開始させるための、少なくとも1つの接合制御手段を備える場合には、これらの機能の相互作用は、特に有利に連携され得る。
【0028】
2つの保持ソレノイドにおける動力状態の、およびしたがってまた磁場の、特に急激な低下を実現するために、制御手段が、保持ソレノイドを切り替えるためのコンパレータ回路ユニットを備えると有利である。
【0029】
この点に関して、前進デバイスが、前進スピンドルに対して前進スピンドル・ナットを半径方向に係合させるために、軸方向に変位可能な摺動スリーブを作動させるための検出手段により制御可能な保持ソレノイドを備えると有利である。
【0030】
有利には、制御下に無い注入の危険性は、注入ポンプ上の注入シリンジのより迅速な交換の場合であっても、本発明によってさらに大幅に軽減され得る。
【0031】
本注入ポンプは、特に、少なくとも1つの注入シリンジを挿入し得るシリンジ・ポンプである。本注入ポンプは、個別のポンプとしても動作可能であり、分類システムまたはドッキング・ステーションにおいて組み合わせることも可能である。
【0032】
本発明のさらなる利点、目標、および特徴は、添付の図面および以下の説明により説明される。その場合に、二重しきい値センサ・ユニットを備える注入ポンプの駆動デバイスは、例として示され説明される。
【発明を実施するための形態】
【0034】
図1〜
図7に示す注入ポンプ2の駆動デバイス1は、注入ポンプ2に対して固定された注入シリンジ5のピストン4を移動するためのドライブ・ヘッド・ユニット3と、ドライブ・ヘッド・ユニット3用の前進手段6とを実質的に備える。
【0035】
前進手段6は、前進スライド7、前進スピンドル8、および複数パーツ型前進スピンドル・ナット9を実質的に備える。さらに、前進手段6は、ここでは図示しないが前進モータおよび適切な歯車をさらに備える。前進手段6により、ドライブ・ヘッド・ユニット3の線形送り移動が変換される。前進スライド7は、線形案内と、ドライブ・ヘッド・ユニット3のねじれに対する保護とを保証する。
【0036】
複数パーツ型前進スピンドル・ナット9および前進スライド7は、前進スピンドル8の回転方向がピストン駆動方向10において適切に選択される場合に、前方に駆動され得る。特に、複数パーツ型前進スピンドル・ナット9は、前進スピンドル8の長手方向延長11に沿って軸方向に移動される。
【0037】
複数パーツ型前進スピンドル・ナット9は、以降でより詳細に説明されるように、第1の半径方向可動ナット・シェル12および第2の半径方向可動ナット・シェル13を備える。しかし、いずれにしても半径方向可動ナット・シェル12および13は、前進スピンドル8と共に軸方向形状閉鎖を確保し、またこの軸方向形状閉鎖の反転を可能にする。これを目的として、前進スライド7内の2つの半径方向可動ナット・シェル12および13は、前進スピンドル8に対して係合可能または係合解除可能な態様で支持されるように配置される。
【0038】
「半径方向に」という用語は、前進スピンドル8の長手方向延長11に対して実質的に横方向へと半径移動方向14を特徴づける。
【0039】
さらに、前進スピンドル8は、複数パーツ型前進スピンドル・ナット9をしっかりと連結させ得るようにするための雄ねじ山15を有する。
【0040】
ドライブ・ヘッド・ユニット3は、前進スライド7と共に軸方向に可動となるように、保持アーム16により前進スライド7に対して固定される。
【0041】
さらに、ドライブ・ヘッド・ユニット3は、注入シリンジ・ピストン4のピストン・プレート18を支持するための主要軸受手段17を備える。ピストン・プレート18は、注入シリンジ・ピストン4がドライブ・ヘッド・ユニット3によりピストン駆動方向10に変位される場合に、主要軸受手段17上に支持される。これを目的として、主要軸受手段17は、ピストン・プレート18がその上に支持されるための主要軸受表面19を構成する。
【0042】
ピストン・プレート18は、固定手段20を介してドライブ・ヘッド・ユニット3に対して固定され、それにより、しっかりとした連結が、注入シリンジ・ピストン4のピストン・プレート18とドライブ・ヘッド・ユニット3との間に保証される。
【0043】
固定手段20は、固定手段20を始動させるための手段21を備える。この手段21は、ダイアフラム・プレート22を備え、このダイアフラム・プレート22は、主要軸受手段17に対するピストン・プレート18に関する当接圧力または軸受圧力を検出することが可能な圧力センサ22Aを形成する。対応する圧力が検知されると、固定手段20の固定ブラケット20Aおよび20Bの移動が始動され、次いで、固定ブラケット20Aおよび20Bは、内部へとスナップ動作し、形状/力閉鎖により主要軸受表面19に対してピストン・プレート18を固定する(
図2および
図4Cを参照)。
【0044】
固定手段20を特にそれらのダイアフラム・プレート22および圧力センサ22Aと共に始動させるための手段21は、一般的に、ドライブ・ヘッド・ユニット3の検出手段23に関連付けられ得る一方で、検出手段23は、特に、主要軸受手段17の上流領域25において注入シリンジ・ピストン4を検出するための複数しきい値センサ・ユニット24によって優れたものとなっている。
【0045】
検出手段23は、複数しきい値センサ・ユニット24に影響を与えるためのばね26で付勢される軸方向変位可能伝達装置要素27をさらに備える。この伝達装置要素27は、主要軸受手段17を越えて上流領域25内に突出するドライブ・ヘッド・ユニット3の接触要素27Aによって直接的に、構造的に単純な態様で構成される。
【0046】
複数しきい値センサ・ユニット24は、軸方向に直列配置された第1の光バリア29および第2の光バリア30を備える少なくとも2段型上流検出手段28によって優れたものとなっており、それによってこれらの光バリア29および30の両方が、伝達装置要素27のみによって構造的に特に単純な態様で影響され得る。
【0047】
固定手段20の駆動歯車31の機能は、ダイアフラム・プレート22の圧力センサ22Aにより制御され得る一方で、前進手段6の機能は、以降においてさらに詳細に説明されるように、複数しきい値センサ・ユニット24により影響され得る。これを目的として、複数しきい値センサ・ユニット24は、適切な信号ライン32を介して前進手段6の制御ユニット33に対して接続される。
【0048】
有利には、駆動デバイス1は、より高次レベルの接合制御手段34をさらに備える。この接合制御手段34は、前進スピンドル8における2つの半径方向可動ナット・シェル12および13の自動半径方向係合用の検出手段23に応じて動作し、半径方向に係合された前進スピンドル・ナット9により実施されるように構成された主要軸受手段17の注入シリンジ・ピストン4までの基準移動を始動させる。接合制御手段34は、
図1によれば注入ポンプ2の注入ポンプ・ハウジング35の上方部分内に配置される。
【0049】
接合制御手段34は、以降でさらに詳細に説明されるように、保持ソレノイド80および81(
図3、
図5A、および
図5Bを参照)をそれぞれ切り替えるためのコンパレータ回路ユニット36によってさらに優れたものとなっている。
【0050】
さらに、ドライブ・ヘッド・ユニット3には、それによって固定ブラケット20Aおよび20Bの機能ならびに前進手段6の機能を追加的に手動的に操作可能にするための手動操作可能操作レバー36が設けられる。操作レバー36により前進手段6を機械的に操作するために、操作レバー36は、ドライブ・ヘッド・ユニット3から保持アーム16を経由して前進手段6まで案内される。
【0051】
特に
図1に概略的に図示される制御手段34は、その機能が本発明にとって不可欠である限りにおいてのみ、本明細書において論じられる。制御手段34は、例えば、注入シリンジ5の正確な取付け位置を決定するためのセンサ40と、複数パーツ型前進スピンドル・ナット9と前進スピンドル8との間の形状閉鎖の状態を確認するための形状閉鎖センサ41とを備える。
【0052】
注入ポンプ・ハウジング35には、さらに注入シリンジ5用のシート42が、外部からアクセス可能となるように設けられる。このシートは、注入シリンジ5を半径方向に固定するためのクランプ固定ブラケット43と、注入ポンプ2のシート42に注入シリンジ5を軸方向に固定するためのクランプ固定ラグ44とを備える。
【0053】
図2に示す図においては、ドライブ・ヘッド・ユニット3がさらに詳細に図示される。検出手段23は、その複数しきい値センサ・ユニット24および2段型上流検出手段28と共に明確に見ることができる。2段型上流検出手段28は、特に、軸方向に直列配置された2つの光バリア29および30と、これを目的として2つの光バリア29および30に対してそれぞれ応答するためにのみ必要とされる伝達装置要素27とを備える。
【0054】
したがって、第1の光バリア29は、信号ライン32(
図1を参照)の第1の電気ケーブル接続部29Aにより制御手段34に対して電気的に接続され、第2の光バリア30は、信号ライン32の第2の電気ケーブル接続部30Aにより制御手段34に対して電気的に接続される。
【0055】
この図における伝達装置要素27は、ここには図示しないピストン・プレート18と接触することによって、矢印方向50に沿ってドライブ・ヘッド・ユニット3内に変位され、第2の光バリア30が係合解除される。ここまでの説明において、駆動デバイス1は第2の動作位置61にあったが、第2の動作位置61については、以下でさらに詳細に説明する。
【0056】
ダイアフラム・プレート22に対して可動となるように支持された、ダイアフラム・プレート22内に可動的に一体化された2段型上流検出手段28の伝達装置要素27を、明確に見ることができる。
【0057】
ダイアフラム・プレート22の背後に配設された圧力センサ22Aは、ピストン・プレート18により十分に強力には未だ押圧されていないため、固定手段20の2つの固定ブラケット20Aおよび20Bは、依然として開位置に位置する(
図4Bも参照)。
【0058】
以降、本駆動デバイス1の機能的連結を、特に
図4、
図5、
図6、および
図7に関して詳細に説明する。駆動デバイス1は、ピストン駆動方向10へのドライブ・ヘッド・ユニット3の手動送込み動作を阻止するために、複数しきい値センサ・ユニット24により自動的に解除され得る阻止手段51を備える。有利には、阻止手段51は、複数パーツ型前進スピンドル・ナット9を直接的に備える。
【0059】
阻止手段51は、軸方向変位可能操作要素52を備え、この軸方向変位可能操作要素52は、この場合は、例として、前進スピンドル・ナット9の2つのナット・シェル12および13の周囲に同心状に配置された少なくとも1つの軸方向変位可能トリガ・スリーブ53を備える。トリガ・スリーブ53は、前進スピンドル・ナット9の半径方向外側において、前進スピンドル8の長手方向延長11に可動的に支持される。
【0060】
阻止手段51が、極めて迅速に作動され得るようにするために、阻止手段51は、トリガ・スリーブ53を加速するための手段54を呈する。この加速手段54は、コイルばね55によって構造的に単純な態様で構成され、コイルばね55はトリガ・スリーブ53の半径方向外側に支持される。
【0061】
さらに、操作要素52は、前進スピンドル・ナット9の2つのナット・シェル12および13の周囲において軸方向に可動であり同心状に同様に配設され得る解除スリーブ56を備える。
【0062】
また、この点において、2つの摺動スリーブ53および56は、2つの半径方向可動ナット・シェル12および13の長手方向延長57に対して軸方向に可動となるように支持される。
【0063】
複数しきい値センサ・ユニット24の機能との関連において前進スピンドル・ナット9の本操作要素52の機能をさらによく理解するために、
図4A、
図5A、および
図5Bにおいては、駆動デバイス1の第1の動作位置60が例示されており、2つのナット・シェル12および13は、前進スピンドル8の雄ねじ山15との間でしっかりした係合状態にはない。前記第1の動作位置60においては、ドライブ・ヘッド・ユニット3は、ピストン駆動方向10への手動送込み動作により、ピストン・プレート18の方向へとより迅速に手動的に移動され得る(
図4Aも参照)。伝達装置要素27は、2つの光バリア29および30の前方に依然として設けられる。ここまでは、前進スピンドル・ナット9は、依然として開状態にあり、これは、
図4Aによる図において最も右側にも概略的に表される。この動作位置60は、注入シリンジが注入ポンプ2において交換される場合に、特に選択され得る。
【0064】
図4B、
図6A、および
図6Bに例示される第2の動作位置61においては、伝達装置要素27は、第1の光バリア29内へと既に変位され、それにより、阻止手段51が始動される。このとき、前進手段6は、半径方向に係合された前進スピンドル・ナット9によってそれ自体阻止され、それにより、ピストン駆動方向10へのドライブ・ヘッド・ユニット3のさらなる手動送込み動作は、不可能となる。この点において、ダイアフラム・プレート22がピストン・プレート18に対して危うく当接し、その結果として、患者にとって危険となり得るボーラス投与が誤って実施されてしまう危険性が、排除される。ピストン・プレート18は、ダイアフラム・プレート22の背後の圧力センサ22Aに対して未だ押圧を行ってはおらず、そのため、固定ブラケット20Aおよび20Bは、依然として開状態にある。
【0065】
最後に、
図4C、
図7A、および
図7Bに関して例として選択されたさらなる第3の動作位置62においては、駆動デバイス1は、圧力センサ22Aがピストン・プレート18により十分な強さで押圧され、それにより固定ブラケット20Aおよび20Bが閉じられる、基本動作状態にある。このとき、ドライブ・ヘッド・ユニット3は、前進手段6によりピストン駆動方向10へと正常に駆動される。したがって、所望の注入療法が、注入ポンプ2によってそれ自体公知の様式で実行され得る。
【0066】
図5、
図6、および
図7の全ての図を考察すると、2つの半径方向可動ナット・シェル12および13のそれぞれが、前進スピンドル8の雄ねじ山15に係合するための係合領域64を有することが、自明である。前進スピンドル・ナット9のナット・シェル12および13と前進スピンドル8の雄ねじ山15との間のしっかりとした連結は、前記係合領域64が、前進スピンドル8の方向に半径方向に適切に移動されるか、または保持される場合には、ナット・シェル12および13のそれぞれの各係合領域64の上方においてもたらされ得る。この場合には、2つのナット・シェル12、13は、前進スピンドル8に対して係合される。これは、例えば2つの動作位置61および62などに該当する。さらに、2つの半径方向可動ナット・シェル12および13は、ナット・シェル12および13を雄ねじ山15上にせいぜい半径方向に静置させることはできても、それらに係合させることはできない、支持領域65をさらに備える。係合領域64および支持領域65は、軸方向に直列配置される。
【0067】
各ナット・シェル12および13のそれぞれの長手方向延長57に対して実質的に横方向に延在する傾斜軸66の周囲の前進スピンドル8に対して、2つの摺動スリーブ53、56と共に2つの半径方向可動ナット・シェル12および13のそれぞれが半径方向に傾斜させ得るようにするために、2つのナット・シェル12および13はそれぞれ、それらの端部側67において、前進スライド軸受68上に支持される。
図5B、
図6B、および
図7Bが示すところによれば、傾斜軸66は、図面平面に対して垂直方向に延在する。
【0068】
さらに、前進スピンドル・ナット9は、ヘッド領域69およびフット領域70を備え、これらの各外径は、中間に位置する前進スピンドル・ナットゾーン71よりも大きい。ヘッド領域69は、2つの軸方向可動摺動スリーブ53および56用のスライド・オン傾斜部72を形成し、フット領域70は、2つの軸方向可動摺動スリーブ53および56用の対向軸受73を形成する。
【0069】
前進スライド軸受68に対面する前進スピンドル・ナット端部74には、リリース・スリーブ56用に前進スライド7上に支持されたパーキング手段75が設けられ、このパーキング手段75は、前進スピンドル・ナット9に軸方向に隣接して配置される。リリース・スリーブ56が、パーキング手段75のシート上へと滑動し、前進スピンドル・ナット9に隣接してパーキングされると、リリース・スリーブ56は、開位置76に設けられる。これは、2つの動作位置60および61に該当する。第3の動作位置62においては、リリース・スリーブ56は、傾斜部72上へとシフトされ、したがって閉位置77に設けられる。
【0070】
リリース・スリーブ53は、2つの動作位置60および62の各々において、その固有の開位置78に設けられ、トリガ・スリーブ53は、傾斜部72よりも対向軸受73に対してより近い。動作位置61のみにおいて、トリガ・スリーブ53は、それに対して指定される閉位置79に設けられる。
【0071】
さらに、前進手段8は、この実施形態においては前進スライド7の上方に配置された、第1の保持ソレノイド80および第2の保持ソレノイド81を備える。
【0072】
第1の保持ソレノイド80は、リリース・スリーブ53に関連付けられ、したがってリリース・スリーブ53の磁石プレート82に対応し得る。これを目的として、磁石プレート82は、第1の保持ソレノイド80の前方に配置され、リリース・スリーブ53に対して結合された状態で軸方向に可動的に支持される。2つの動作位置60および62においては、第1の保持ソレノイド80は、電流を供給され、それにより磁石プレート82に対する接触を維持し、したがって、リリース・スリーブ53をその動作位置78に維持することも可能となる。第2の動作位置61においては、磁石プレート82は、電流が供給されない第1の保持ソレノイド80から離間される。
【0073】
したがって、第2の保持ソレノイド81は、リリース・スリーブ56に関連付けられ、リリース・スリーブ56の磁石プレート83に対して対応し得る。磁石プレート83は、第2の保持ソレノイド81前方に配置されている。前記磁石プレート83は、リリース・スリーブ56に対して結合されると、リリース・スリーブ56と共に一体的に軸方向に変位される。この点に関して、動作位置60および61においては、磁石プレート83は、電流を供給される第2の保持ソレノイド81と接触状態にある一方で、第2の動作位置62においては、磁石プレート83は、電流を供給されない第2の保持ソレノイド81から離れて配置される。
【0074】
注入シリンジの交換が望まれるまたは必要である場合には、注入は停止される。その後、ドライブ・ヘッド・ユニット3の操作レバー36が作動される。操作レバー36を操作することにより、ばね92荷重を受けるリリース・スリーブ56が、チューブ90(
図3を参照)として設計された保持アーム16によって内方固定シャフト91を経由して第2の保持ソレノイド81の方向に移動される。前記作動は、さらに、ここには図示しないセンサを備えるマイクロスイッチによって確立され、それにより、2つの保持ソレノイド80および81は、適切な電気ケーブル93および94を経由して電流を供給され、2つの摺動スリーブ53および56は、結果として相互から離間される。したがって、2つのナット・シェル12および13が開く。また、固定手段20の固定ブラケット20Aおよび20Bが、操作レバー36の作動により開く。前進スピンドル8と前進スピンドル・ナット9との間の形状閉鎖は、第1の動作位置60に応じて反転され、ドライブ・ヘッド・ユニット3は、ピストン駆動方向10の対向側の展開位置(
図4Aを参照)へと置かれ得る。
【0075】
その後、クランプ固定ブラケット43が、開かれ、シート42への容易なアクセスが可能となるように適切に旋回される。注入ポンプ・ハウジング35内部に取り付けられた電位差計97が、クランプ固定ブラケット43(
図1を参照)の状態を特定する。交換対象の注入シリンジを取り外すことが可能となり、新たな注入シリンジ5をシート42内に挿入することが可能となる。挿入すべき注入シリンジ5の注入シリンジ翼部が、クランプ固定ラグ44に対して固定されることにより、新たな注入シリンジ5は、注入シリンジ・ポンプ2に対して軸方向に固定される。また、この場合、クランプ固定ブラケット43が、再び閉じられることにより、注入シリンジ5が、やはり半径方向に固定される。クランプ固定ブラケット43の電位差計97により、注入シリンジの直径が直接的に測定される。
【0076】
このとき、ドライブ・ヘッド・ユニット3は、注入シリンジ5の充填レベルと、したがってまた注入シリンジ・ピストン4の位置とに応じて、ピストン・プレート18の方向へと案内され得る。これは、ドライブ・ヘッド・ユニット3とピストン・プレート18との間のより大きな距離がより迅速に解消され得る。これは、ピストン駆動方向10への手動送込み動作によって実行され得る。2つの半径方向可動ナット・シェル12および13が前進スピンドル8の雄ねじ山15に係合されない。これは、
図4A、
図5A、および
図5Bによる第1の動作位置60に図示される。第1の動作位置60においては、2つの保持ソレノイド80および81は、電流を供給され、摺動スリーブ53および56は、相互から離間されるように配置され、2つのナット・シェル12および13は、半径方向に開かれる。さらに、ドライブ・ヘッド・ユニット3の固定手段20が、開かれる。
【0077】
接触要素27Aがピストン・プレート22と接触状態になるとすぐに(
図4Bを参照)、伝達装置要素27は、特に、ドライブ・ヘッド・ユニット3内へと内方に移動する。ドライブ・ヘッド・ユニット3Aの内部において、伝達装置要素27は、複数しきい値センサ・ユニット24の2つの光バリア29および30を正常に通過する。
【0078】
第1の光バリア29を通過する際に(さらに
図4Bを参照)、第1の保持ソレノイド80に対する電流供給は、切断され、リリース・スリーブ53は、さらなるばね92により2つの半径方向可動ナット・シェル12および13の傾斜部72を飛び越えて、はね返る。それにより、前進スピンドル・ナット9は、前進スピンドル8の雄ねじ山15中の係合領域64に急激に確実に係合する。したがって、前進手段6は、
図4B、
図6A、および
図6Bによる第2の動作位置61において表されるように、阻止する。これにより、ピストン駆動方向10への手動送込み動作は、急激に抑制される。
【0079】
しかし、このとき、前進手段6は、伝達装置要素27が第2の光バリア30を通過するまで、自動的に移動し続ける(特に
図4Cを参照)。ここでは、第2の光バリア30は、前進スピンドル8に対する半径方向に閉じられしたがって半径方向に係合されたナット・シェル12および13ならびにそれらの係合領域64の位置の変更が、第1の保持ソレノイド80応答速度と、ピストン・プレート18までのドライブ・ヘッド・ユニット3の動作速度とに依存するため、必要とされる。さらに、前進スピンドル・ナット9の閉鎖時に、2つの半径方向可動ナット・シェル12および13が、雄ねじ山15のねじ山フランク上に単に静置されるだけとなり、したがって前進スピンドル・ナット9の係合領域64が雄ねじ山15に効果的には係合されないことが、可能となる。しかし、第2の光バリア30までの短い移動により、前進スピンドル・ナット9は、前進スピンドル8に適切に係合することが可能となる。第2の光バリア30へと到達すると、駆動デバイス1の線形位置が画定される。
【0080】
本発明によるこの基準移動により、前進手段6は、第1の保持ソレノイド80が無電流状態であるが、第2の保持ソレノイド81は電流を供給される、第2の動作位置61に設けられる。両摺動スリーブ53および56が、前進スライド7内において左へと変位され、2つのナット・シェル12および13が、半径方向に閉じられる。ドライブ・ヘッド・ユニット3の固定手段20は、依然として開状態にある(
図4Bを参照)。
【0081】
ドライブ・ヘッド・ユニット3は、第2の光バリア30からダイアフラム・プレート22およびその背後に配置された圧力センサ22Aへと整列された経路をたどる。この圧力センサ22Aにより、主要軸受表面19上におけるピストン・プレート18の正確な載置が検出され、ドライブ・ヘッド・ユニットにおいて信号伝送される(
図4Cを参照)。
【0082】
第2の保持ソレノイド81は、無電流状態へと切り替えられ、リリース・スリーブ56は、その閉位置77へと変位され(特に
図7Aおよび
図7Bを参照)、固定手段20は、閉じ、固定ブラケット20Aおよび20Bは、形状および力閉鎖により注入シリンジ5のピストン・プレート18の上に載置される。このとき、注入シリンジ5は、安全に捕獲され、遊びがなくなる(
図4Cを参照)。
【0083】
クランプ固定ブラケット43および電位差計97により、注入シリンジの直径は、予め測定されており、そのため、注入ポンプ2の表示時には(ここには図示せず)、適切な注入シリンジ5の選択が示唆される。妥当な注入シリンジ5の確認後に、所望の注入療法を開始することが可能となり、注入を開始することが可能となり、このとき、ドライブ・ヘッド・ユニット3および前進手段6は、
図4C、
図7A、および
図7Bによれば第3の動作位置62に設けられる。したがって、第3の動作位置62においては、前進手段6はロックされる。これは、2つの保持ソレノイド80および81が無電流状態となることを意味する。
【0084】
ここで、無動力状態が2つの保持ソレノイド80および81に関して実現されることが特に有利となり、保持ソレノイド80、81への電流供給を伴わなくても第3の動作位置62の機能性が確保され得る。2つの摺動スリーブ53、56は、さらなるばね92がコイルばね55よりも強力となるように設計されることにより、前進スライド7内において右へと変位される。2つのナット・シェル12および13は、ドライブ・ヘッド・ユニット3の固定手段23が閉じられることのみにより、半径方向に閉じられた状態に留まる。
【0085】
保持ソレノイド80および81が特に迅速に無電流状態になるように切り替えるために、有利には、駆動デバイス1は、コンパレータ回路ユニット100をさらに備える(
図1を参照)。保持ソレノイド80および81の各磁場が、電流供給の補助により発生するため、短期間過電圧が、電流供給の急速な終了に関して許容される場合には有利となる。コンパレータ回路ユニット100により、各保持ソレノイド80および81におけるエネルギー状態の特に急速な低下は、前進手段6を阻止するための応答時間がさらに短縮され得るように、達成される。
【0086】
前述した実施形態は、本発明による駆動デバイスの第1の構成に過ぎないことが理解される。ここまでの説明において、本発明の構成はこの実施形態に限定されない。
【0087】
本出願文献に開示される全ての特徴は、それらが個別にまたは組合せで最新技術に対する新規性を有する場合には、本発明に不可欠なものとして特許請求される。
下記の項目は、国際出願時の請求の範囲に記載された発明である。
[項目1]
注入ポンプ(2)に配置された注入シリンジ(5)の注入シリンジ・ピストン(4)線形移動のための駆動デバイス(1)であって、前記注入ポンプ(2)は、前記注入シリンジ・ピストン(4)を支持するための主要軸受手段(17)と、前記主要軸受手段(17)上に前記注入シリンジ・ピストン(4)を固定するための固定手段(20)と、前記固定手段(20)を始動させるための手段(21)とを含む、ドライブ・ヘッド・ユニット(3)を備え、さらに、前記注入ポンプ(2)は、電動前進スピンドル(8)と、少なくとも1つの半径方向可動ナット・シェル(12、13)を有する複数パーツ型前進スピンドル・ナット(9)とを含む、前記ドライブ・ヘッド・ユニット(1)用の前進手段(6)を備え、前記ドライブ・ヘッド・ユニット(3)が、前記主要軸受手段(17)の前方の前記注入シリンジ・ピストン(4)を検出するための検出手段(23)をさらに備える、駆動デバイス(1)において、
前記検出手段(23)は、前記主要軸受手段(17)の前方の前記注入シリンジ・ピストン(4)の種々の位置を検出するための少なくとも2段型上流検出手段(28)を有する複数しきい値センサ・ユニット(24)を備えることを特徴とする、駆動デバイス(1)。
[項目2]
前記複数しきい値センサ・ユニット(24)は、1つの単体伝達装置要素(27)により始動される少なくとも2つのセンサ(29、30)を備え、前記伝達装置要素(27)は、前記主要軸受手段(17)から突出する接触要素(27A)を備えることを特徴とする、項目1に記載の駆動デバイス(1)。
[項目3]
前記検出手段(23)は、前記ドライブ・ヘッド・ユニット(3)内において軸方向に直列配置された少なくとも2つの光バリア(29、30)を備えることを特徴とする、項目1または2に記載の駆動デバイス(1)。
[項目4]
前記2つの光バリア(29、30)の少なくともいずれかが、フォークライトバリアであることを特徴とする、項目3に記載の駆動デバイス(1)。
[項目5]
前記主要軸受手段(17)は、前記複数しきい値センサ・ユニット(24)のセンサ(29、30)を切り替えるための接触要素(27A)を含む伝達装置要素(27)を備えるダイアフラム・プレート(22)を備えることを特徴とする、項目1から4のいずれか一項に記載の駆動デバイス(1)。
[項目6]
前記複数しきい値センサ・ユニット(24)の1つの単体伝達装置要素(27)が、前記固定手段(20)を始動させるための前記手段(21)の内部に配置されることを特徴とする、項目1から5のいずれか一項に記載の駆動デバイス(1)。
[項目7]
前記複数しきい値センサ・ユニット(24)の1つの単体伝達装置要素(27)は、前記2段型上流検出手段(28)の第1の段が前記単体伝達装置要素(27)により始動され得る前に、2mm〜10mmの間の、好ましくは4mmの事前移動値を有することを特徴とする、項目1から6のいずれか一項に記載の駆動デバイス(1)。
[項目8]
前記駆動デバイス(1)は、前記前進スピンドル(8)における前記少なくとも1つの半径方向可動ナット・シェル(12、13)の自動半径方向係合用の前記検出手段(23)に応じて動作する、および、前記半径方向に係合された前進スピンドル・ナット(9)により実施される前記注入シリンジ・ピストン(4)までの前記主要軸受手段(17)の基準移動を開始させるための、少なくとも1つの接合制御手段(34)を備えることを特徴とする、項目1から7のいずれか一項に記載の駆動デバイス(1)。
[項目9]
前記接合制御手段(34)は、保持ソレノイド(80、81)を切り替えるためのコンパレータ回路ユニット(100)を備えることを特徴とする、項目8に記載の駆動デバイス(1)。
[項目10]
前記前進手段(6)は、前記前進スピンドル(8)に対して前記前進スピンドル・ナット(9)を半径方向に係合するために軸方向可動摺動スリーブ(53、56)を作動させるための前記検出手段(23)によって制御可能な保持ソレノイド(80、81)を備えることを特徴とする、項目1から9のいずれか一項に記載の駆動デバイス(1)。
[項目11]
前記注入ポンプ(2)上に配設された注入シリンジ(5)の注入シリンジ・ピストン(4)を移動させるためのドライブ・ヘッド・ユニット(3)を備えおよび前記ドライブ・ヘッド・ユニット(3)を駆動するための前進手段(6)を備える、前記注入ポンプ(2)であって、
項目1から10のいずれか一項に記載の駆動デバイス(1)を特徴とする、注入ポンプ(2)。
[項目12]
注入シリンジ・ピストン(4)の線形移動のためのドライブ・ヘッド・ユニット(3)を備える注入ポンプ(2)上の注入シリンジ(5)を交換するための方法であって、前進スピンドル・ナット(9)の少なくとも1つの半径方向可動ナット・シェル(12、13)が、前記ドライブ・ヘッド・ユニット(3)を駆動するために、前進手段(6)の前進スピンドル(8)から半径方向に係合解除されることにより、前記注入シリンジ・ピストン(4)のピストン・プレート(18)の前記ドライブ・ヘッド・ユニット(3)が、手動により迅速に軸方向へと送られることが可能になり、また、不注意によるボーラス投与を防止するために、前記ピストン・プレート(18)が、前記ピストン・プレート(18)が前記ドライブ・ヘッド・ユニット(3)の主要軸受手段(17)の主要軸受表面(19)と接触状態になる前に、前記ドライブ・ヘッド・ユニット(3)に関連付けられる接触要素(27A)によって検出され得る、方法において、
第1の検出ステップで、前記接触要素(27A)は、第1のセンサ要素(29)を始動させ、それにより、前記前進スピンドル・ナット(9)および前記前進スピンドル(8)による前記ドライブ・ヘッド・ユニット(3)の前記手動送りが阻止され、前記少なくとも1つの半径方向可動ナット・シェル(12、13)が前記前進スピンドル(8)に対して半径方向に係合され、このとき、前記ピストン・プレート(18)の前記前記ドライブ・ヘッド・ユニット(3)は、前記前進手段(6)を介してモータ駆動によりさらに送られ、
第2の検出ステップで、前記接触要素(27A)は、第2のセンサ要素(30)を始動させ、それにより、前記主要軸受手段(17)の前記主要軸受表面(19)までの前記ドライブ・ヘッド・ユニット(3)のモータ駆動基準移動が、開始され、
第3の検出ステップで、前記モータ駆動基準移動は、前記主要軸受表面(19)との前記ピストン・プレート(18)の接触の途中で停止され、前記ピストン・プレート(18)用の固定手段(20)の保持ブラケット(20A、20B)が、閉じられ、それにより、前記ピストン・プレート(18)は、前記主要軸受手段(17)に対して固定されることを特徴とする、方法。
[項目13]
前記ドライブ・ヘッド・ユニット(3)の前記手動送込みは、前記接触要素(27A)が前記第2のセンサ要素(30)を始動させる前に阻止されることを特徴とする、項目12に記載の方法。
[項目14]
前記モータ駆動基準移動は、規定のモータ・ステップ数により実施されることを特徴とする、項目12または13に記載の方法。