(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
[1]第1実施形態
[1−1]全体構成
図1は、第1実施形態の情報処理システムの全体構成の一例を示す図である。
図1の例では、サーバ装置10と、ユーザにより利用されるユーザ装置20と、ネットワーク2とを備える情報処理システム1が示されている。
【0011】
情報処理システム1は、ユーザの学習を支援するシステムであり、特に、穴埋め問題による学習を支援する。穴埋め問題とは、複数の語句を含む文のうち1以上の語句を隠した問題文をユーザに提示し、隠された語句が何であるかを答えさせる問題のことである。ネットワーク2は、インターネット及び移動体通信網等を含んで通信を行うシステムであり、自システムに接続された装置同士のデータのやり取りを仲介する。サーバ装置10及びユーザ装置20は、ネットワーク2を介してデータをやり取りする。
【0012】
サーバ装置10は、前述した穴埋め問題を作成してユーザに提供する処理を行う情報処理装置である。より詳細には、サーバ装置10は、問題文の元の文から1以上の語句を隠した問題文を示す問題文データを生成し、生成した問題文データをユーザ装置20に送信する。なお、サーバ装置10が行う処理は、いわゆるクラウドコンピューティングと呼ばれる仕組みで行われてもよい。ユーザ装置20は、サーバ装置10により作成された穴埋め問題をユーザに提示する処理を行う情報処理装置であり、例えばスマートフォンやタブレット端末、パーソナルコンピュータ、電子書籍用の端末、デジタルテキスト、電子辞書などである。ユーザ装置20は、サーバ装置10から送信されてきた問題文データが示す問題文を表示することで、ユーザにその問題文を提示する。
【0013】
[1−2]ハードウェア構成
図2は、サーバ装置10のハードウェア構成の一例を示す図である。サーバ装置10は、制御部11と、記憶部12と、通信部13とを備えるコンピュータである。制御部11は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)及びリアルタイムクロックを備え、CPUが、RAMをワークエリアとして用いてROMや記憶部12に記憶されたプログラムを実行することによって各部の動作を制御する。リアルタイムクロックは、現在の日時を算出してCPUに通知する。記憶部12は、ハードディスク等を備え、制御部11が制御に用いるデータやプログラムを記憶している。通信部13は、通信を行うための通信回路を備え、ネットワーク2を介したデータのやり取りを行う。
【0014】
図3は、ユーザ装置20のハードウェア構成の一例を示す図である。ユーザ装置20は、制御部21と、記憶部22と、通信部23と、表示部24と、操作部25とを備えるコンピュータである。制御部21は、制御部11と同様の構成を有する。記憶部22は、フラッシュメモリ等を備え、制御部21が制御に用いるデータやプログラムの他、学習用のアプリケーションプログラム(以下「学習アプリ」という)を記憶している。制御部21がこの学習アプリを実行することで、上述した穴埋め問題をユーザに提示する処理が行われる。通信部23は、移動体通信等の規格に準拠した無線通信を行うための通信回路を備え、ネットワーク2を介したデータのやり取りを行う。
【0015】
表示部24は、例えば液晶ディスプレイ等を有し、制御部21からの制御に基づいて画像を表示する表示手段である。操作部25は、ユーザによる操作を受け付ける。具体的には、操作部25は、表示部24の液晶ディスプレイに重ねて設けられた透過型のタッチスクリーンを有し、タッチスクリーンに対してユーザが操作を行った位置を示す位置データを制御部21に供給する。制御部21は、表示部24に操作子を表示させ、操作子を表示させている位置に対して操作が行われたことを示す位置データが供給されると、その操作子に応じた処理を行う。
【0016】
[1−3]機能構成
サーバ装置10の記憶部12には、上述した穴埋め問題を作成してユーザに提示するためのプログラムが記憶されている。制御部11がこのプログラムを実行して各部を制御することで、以下に述べる各機能が実現される。
図4は、サーバ装置10の機能構成の一例を示す図である。サーバ装置10は、表示制御手段101と、選択手段102とを備える。
【0017】
[1−3−1]表示制御手段
表示制御手段101は、複数の語句を含む文のうち選択された1以上の語句を隠した問題文を表示手段に表示させる手段である。ここでいう問題文は、上述した穴埋め問題で用いられる問題文であり、以下では「穴埋め問題文」という。表示制御手段101は、本実施形態では、ユーザ装置20の表示部24という表示手段に穴埋め問題文を表示させる。表示制御手段101は、生成手段103と送信手段104とを備える。
【0018】
生成手段103は、穴埋め問題文を表す問題文データを生成する手段である。問題文データの生成方法について
図5を参照して説明する。
図5は、問題文データの生成方法を説明するための図である。
図5(a)では、語句を隠して穴埋め問題文とする前の文、つまり穴埋め問題文の元の文の一例として、「この法律は、発明の保護及び利用を図ることにより、発明を奨励し、もつて産業の発達に寄与することを目的とする。」という元の文A1が示されている。
図5(b)では、元の文A1に含まれる語句のうちから選択された語句(以下「選択語句」という)の例として、「保護」及び「利用」という選択語句B1及びB2が示されている。
【0019】
生成手段103は、例えば、元の文A1を示すテキストデータのうち選択語句B1及びB2を示す部分を空白などの所定の記号で表した問題文データを生成する。
図5(c)では、そうして生成された問題文データが示す穴埋め問題文の一例として、選択語句を「●」で表した「この法律は、発明の●●及び●●を図ることにより、発明を奨励し、もつて産業の発達に寄与することを目的とする。」という穴埋め問題文C1が示されている。なお、この例では、「●」の数で選択語句の文字数が表されるようになっているが、文字数が分からないように、「(イ)」、「(ロ)」、「(ハ)」といった穴埋め問題でよく使われる文字及び記号などで選択語句を表してもよい。また、生成手段103は、テキストデータだけでなく、選択画像をマスクするマスク画像(例えば長四角の画像)を示す画像データやそのマスク画像を穴埋め問題文上で重ねる位置を示す位置データなどを含む問題文データを生成してもよい。生成手段103は、こうして生成した問題文データを送信手段104に供給する。
【0020】
生成手段103は、例えばユーザ装置20から問題文データを要求されたときに上記の生成を行う。具体的には、ユーザがユーザ装置20に対して上述した学習用アプリの起動や学習の分野を選択するといった学習を開始するための操作を行うと、ユーザ装置20が、選択された分野の問題文データを要求する要求データをサーバ装置10に送信する。サーバ装置10の記憶部12には、各分野に関する元の文を示すテキストデータ(以下「元データ」という)がそれぞれ記憶されている。
【0021】
生成手段103は、ユーザ装置20から送信されてきた要求データが示す分野の元データを記憶部12から取得する。生成手段103が取得した元データを選択手段102に供給すると、選択手段102が選択語句を選択し(その方法は後述する)、その選択語句を生成手段103に通知する。生成手段103は、取得した元データと通知された選択語句とを用いて上記のとおり問題文データを生成する。
【0022】
送信手段104は、生成手段103により生成された問題文データをユーザ装置20に送信する手段である。送信手段104は、生成手段103から問題文データが供給されると、前述した要求データを送信してきたユーザ装置20に対してその問題文データを送信する。ユーザ装置20は、こうして送信されてきた問題文データが示す穴埋め問題文を表示する。
図6は、表示された穴埋め問題文の例を示す図である。
図6(a)では、
図5に示した穴埋め問題文C1と、「以下の●●に入る語句を答えよ。」というユーザに答え方を指示する指示文D1とが表示部24に表示されている様子が示されている。このように、表示制御手段101は、問題文データを生成して送信することで、穴埋め問題文を表示手段に表示させる。
【0023】
ユーザ装置20は、
図6(a)の例では穴埋め問題文をそのまま表示したが、穴埋め問題文を加工して表示してもよい。
図6(b)では、穴埋め問題文C1のうちの「●」で表された部分に重ねて表示されたマスク画像E1及びE2と、「以下の(1)、(2)に入る語句を答えよ。」という指示文D2とが表示部24に表示されている。マスク画像E1及びE2には、それぞれ「(1)」及び「(2)」という文字列が表されている。この場合も、
図5に示す元の文A1で選択された選択語句B1及びB2は隠されたままである。このように、ユーザ装置20は、選択語句がユーザにとって隠されている状態、言い換えれば、選択語句をユーザが読み取れない(選択語句の内容を理解できない)状態となっていれば、選択語句を表す部分を様々な態様で表して表示してもよい。
【0024】
図6に示す指示文は、ユーザ装置20が記憶または生成することで表示してもよいし、生成手段103が問題文データに含めて生成するようにしてもよい。また、生成手段103は、
図6(a)や(b)で表示されている画像全体を示す画像データを問題文データとして生成してもよい。要するに、表示制御手段101が穴埋め問題文を表示手段に表示させるようになっていれば、その他の情報(指示文やマスク画像など)は、サーバ装置10が送信して表示させてもよいし、ユーザ装置20が記憶または生成して表示してもよい。
【0025】
[1−3−2]選択手段
選択手段102は、表示制御手段101が表示させる穴埋め問題文の元の文に含まれる複数の語句のうちその穴埋め問題文において隠される語句を選択する手段である。さらに、この選択手段102は、元の文が同じ穴埋め問題文については、前回とは異なる語句を少なくとも1以上選択する。具体的には、選択手段102は、例えば、元の文と、その元の文における選択語句の候補(以下「選択候補」という)と、各選択候補のうちのいずれが選択されている状況であるかということを示す情報(以下「選択状況」という)とを対応付けた選択テーブルを記憶している。
【0026】
図7は、選択テーブルの一例を示す図である。
図7の例では、
図5に示した「A1」という元の文と、「発明」、「保護」、「利用」、「奨励」、「産業」、「発達」及び「寄与」という選択候補とが対応付けられている選択テーブルが示されている。これらの選択候補は、本実施形態では、情報処理システム1により学習を支援するサービスを提供するサービス提供者によって決められて選択テーブルに格納されている。また、
図7では、
図5で述べた例のように、選択手段102により「保護」及び「利用」が選択されたあとの選択テーブルが示されており、「保護」及び「利用」という選択語句には「○」という選択状況が対応付けられ、それ以外の選択候補には「−」という選択状況が対応付けられている。
【0027】
選択手段102は、選択テーブルが
図7に示す状態のときに、再び元の文A1を用いた穴埋め問題が提示されることになると、選択候補のうちの2つをランダムに選択する。選択手段102は、選択した選択候補の選択状況がいずれも「○」となっていれば、選択をやり直し、いずれか一方でも「−」となっていれば、それらの選択候補を選択語句として選択する。例えば、選択手段102は、
図7の状態から「産業」及び「寄与」を選択すると、これらの選択状況を「○」に変更し、「○」となっていた「保護」及び「利用」の選択状況を「−」に変更する。また、選択手段102は、次に再び元の文A1を用いた穴埋め問題が提示されることになり、「保護」及び「産業」を新たに選択すると、「保護」の選択状況を「○」に変更し、「○」となっていた「寄与」の選択状況を「−」に変更する。選択手段102は、「産業」については連続して選択したので、選択状況を変更しない。この場合に表示される穴埋め問題文の例を
図8に示す。
【0028】
図8は、表示された穴埋め問題文の例を示す図である。
図8では、
図6(b)のように選択語句の部分にマスク画像が重ねて表示される例が示されている。
図8(a)では、「産業」及び「寄与」という選択語句が隠された穴埋め問題文C2が表示部24に表示され、
図8(b)では、「保護」及び「産業」という選択語句が隠された穴埋め問題文C3が表示部24に表示されている。以上のとおり、本実施形態では、穴埋め問題文として上記のC1、C2及びC3が表示されることで、ユーザは、元の文が同じ(この場合A1)であっても、毎回少なくとも1以上の異なる語句が隠された穴埋め問題に対して回答することになる。
【0029】
穴埋め問題文C1、C2及びC3の例では、「保護」という語句がC1で隠されたあと、C2では隠されなくなり、C3で再び隠されるようになっている。一方、「発明」という語句は、これらの穴埋め問題文のいずれでも隠されていない。このように、選択手段102は、前回とは異なる語句を少なくとも1以上選択してさえいれば、選択候補を順番に選択していく必要はなく、例えば一度選択した語句をまだ選択されていない語句よりも先に再び選択してもよい。
【0030】
元の文が同じ場合、隠される語句が毎回同じだと、ユーザは穴埋め問題文と正解の組み合わせを覚えてしまうため、問題文の内容をほとんど読まなくても正解を思い出せてしまう。そうなると、問題文の隠された語句以外の語句が記憶に残りにくくなり、元の文の他の語句が隠されたときに正解を思い出しにくくなる。その結果、学習効果が低下するおそれがある。これに比べて、本実施形態では、上記のとおり毎回少なくとも1以上の異なる語句が隠されるようにすることで、穴埋め問題文と正解の組み合わせをユーザが覚えにくいようにして学習効果を高めることができる。
【0031】
[1−4]動作
情報処理システム1が備える各装置は、以上の構成に基づき、穴埋め問題を提示してユーザに学習させる学習処理を行う。学習処理における各装置の動作について、
図9を参照して説明する。
図9は、学習処理における各装置の動作の一例を示すシーケンス図である。学習処理は、ユーザがユーザ装置20に対して上述した学習を開始するための操作を行うことを契機に開始される。まず、ユーザ装置20が、この学習開始操作を受け付け(ステップS11)、問題文データを要求する要求データをサーバ装置10に送信する(ステップS12)。
【0032】
サーバ装置10は、送信されてきた要求データに基づいて例えば
図5等に示す元の文A1を示す元データを取得する(ステップS13)。次に、サーバ装置10は、元の文A1の選択候補から例えばαを選択語句として選択し(ステップS14)、元の文A1及び選択語句αを用いて問題文データを生成する(ステップS15)。続いて、サーバ装置10は、生成した問題文データをユーザ装置20に送信し(ステップS16)、ユーザ装置20は、送信されてきた問題文データが示す穴埋め問題文を表示する(ステップS17)。ステップS14は選択手段102が行う動作であり、ステップS15及びS16は表示制御手段101が行う動作である。そして、ユーザ装置20は、ユーザが穴埋め問題に回答してその正誤の結果をユーザに伝える処理(以下「回答処理」という)を行う(ステップS18)。
【0033】
回答処理は、例えば次のように行われる。ステップS16においてサーバ装置10が問題文データとともに元データを送信し、ユーザ装置20が、ステップS17において穴埋め問題文を表示させるとともに、隠された選択語句を入力させる回答欄を表示する。そして、ユーザ装置20が、その回答欄に入力された語句が選択語句と一致していれば正解、一致していなければ不正解と判定し、その判定の結果を表示するまでの処理を、回答処理として行う。
【0034】
なお、学習処理において行われる回答処理はこれに限らない。例えば、サーバ装置10が、
図7に示すような選択候補とともに回答候補を記憶しておき、選択語句に対応する回答候補を示す回答候補データを問題文データとともに送信する。回答候補は、例えば選択候補と意味が似た語句や意味が反対の語句(選択候補が「保護」であれば、「維持」や「破棄」)などである。そして、ユーザ装置20が、隠された選択語句の選択肢としてその選択語句と対応する回答候補とを表示し、ユーザが選択語句を選べば正解、回答候補を選べば不正解と判定してもよい。
【0035】
また、
図9の例では、回答処理をユーザ装置20だけが行っているが、ユーザ装置20とサーバ装置10とが協働して回答処理を行ってもよい。例えば、ユーザ装置20が回答欄に記入された語句やユーザが選択した選択肢をサーバ装置10に通知し、サーバ装置10がそれらの語句や選択肢が正解か不正解かを判定する。そして、サーバ装置10がその判定の結果をユーザ装置20に通知し、ユーザ装置20が通知された判定の結果を表示するまでの処理が回答処理として行われるという具合である。このように、学習処理においては、どのような処理が回答処理として行われてもよい。
【0036】
続いて、サーバ装置10は、次の問題文データを生成するため、例えば元の文A1と同じ分野の元の文A2を示す元データを取得し(ステップS21)、元の文A2の選択候補から例えばγを選択語句として選択する(ステップS22)。あとは、ステップS15、S16、S17及びS18と同様の動作が行われて穴埋め問題のユーザへの提示と回答とが行われる。こうして元の文を変えながら穴埋め問題が繰り返し提示され、再び元の文A1を用いた穴埋め問題の提示が行われることになる。このときの各動作を次に説明する。
【0037】
まず、サーバ装置10は、ステップS13と同様に元の文A1を示す元データを取得し(ステップS31)、元の文A1の選択候補から、前回選択したαとは異なる語句を少なくとも1以上含む選択語句として例えばβを選択する(ステップS32)。そのあと、サーバ装置10が、ステップS15(問題文データの生成)及びS16(問題文データの送信)と同じステップS33及びS34の動作を行い、ユーザ装置20が、ステップS17(穴埋め問題文の表示)及びS18(回答処理)と同じステップS35及びS36の動作を行う。以上の動作が行われることにより、ステップS17で表示される穴埋め問題文で隠されている語句とは少なくとも1以上の異なる語句が隠された穴埋め問題がステップS35において表示される。
【0038】
なお、
図9の例では、元の文を毎回変えた穴埋め問題がユーザに提示されたが、同じ元の文を用いた穴埋め問題が連続してユーザに提示されてもよい。その場合、仮に隠される語句が毎回同じだと、穴埋め問題文と正解の組み合わせがすぐにユーザに覚えられてしまうため、学習効果の低下が顕著に現れることになる。しかし、本実施形態では、上記の穴埋め問題文C1、C2及びC3のように毎回隠される語句が変わるため、同じ元の文が連続して用いられた穴埋め問題が提示される場合でも、穴埋め問題文と正解の組み合わせをユーザが覚えにくいようにして学習効果を高めることができる。
【0039】
[2]第2実施形態
本発明の第2実施形態について、以下、第1実施形態と異なる点を中心に説明する。第1実施形態では、選択手段102がランダムに選択語句を選択したため、各語句が隠される頻度に偏りが生じにくいようになっていたが、第2実施形態では、各語句が隠される頻度に偏りが生じるように語句が選択される。
【0040】
[2−1]機能構成
図10は、第2実施形態のサーバ装置の機能構成の一例を示す図である。
図10の例では、
図4に示す各手段に加え、結果取得手段105を備えるサーバ装置10aが示されている。結果取得手段105は、表示制御手段101が表示させた穴埋め問題文についてユーザが回答した結果(以下「回答結果」という)を取得する手段である。結果取得手段105は、例えば、
図9のステップS18やS36の回答処理を行ったユーザ装置20から回答結果を取得する。
【0041】
この場合、ユーザ装置20は、ユーザの回答の正誤を判定すると、その結果を示す判定結果データをサーバ装置10に送信する。結果取得手段105は、こうして送信されてくる判定結果データが示す結果を回答結果として取得する。なお、上述したように、回答処理をユーザ装置20とサーバ装置10とが協働して行い、サーバ装置10が正誤の判定を行う場合は、結果取得手段105は、自装置で判定された結果を回答結果として取得する。結果取得手段105は、こうして取得した回答結果を選択手段102に通知する。
【0042】
選択手段102は、結果取得手段105により取得された回答結果に応じて、その回答結果が取得されたときに隠されていた語句を選択する頻度(以下「選択頻度」という)を変化させる。選択手段102は、例えば、
図7に示す選択テーブルに、各選択候補と対応付けて回答結果及び選択頻度を格納する。
図11は、本実施形態の選択テーブルの一例を示す図である。
図11の例では、「発明」、「保護」、「利用」、「奨励」、「産業」、「発達」及び「寄与」という選択候補に、「5/5」、「4/5」、「3/6」、「2/7」、「3/4」、「4/4」及び「3/5」という回答結果が対応付けられている。この回答結果は、正解数/全回答数で表されており、例えば「発明」は5回隠されて5回とも正解であり、「利用」は6回隠されて3回が正解だったことが表されている。
【0043】
選択手段102は、この例では、回答結果の逆数を選択頻度として格納している。例えば「保護」の回答結果は「4/5」なので、選択頻度として「5/4」を格納し、「奨励」の回答結果は「2/7」なので、選択頻度として「7/2」を格納している。この選択頻度は、値が大きいほど選択される頻度が高いことを表している。例えば選択頻度が「5/5(つまり1)」の「発明」に比べて、選択頻度が「6/3(つまり2)」の「利用」は選択される頻度が2倍高いことを表している。このように、
図11の例では、選択手段102は、正解率が高い選択候補ほど選択頻度を低くし、正解率が低い選択候補ほど選択頻度を高くしている。
【0044】
これにより、ユーザは、既に覚えている語句(正解率が高い選択候補)に比べてまだ覚えていない語句(正解率が低い選択候補)を学習する機会を多くすることができ、選択頻度を変えない場合に比べて、自分の苦手な部分を早く克服することができる。また、正解率が低い語句であっても、ユーザが繰り返し回答して正答率を向上させると、選択頻度が下がっていくことになる。このように、本実施形態によれば、各語句を学習する機会の多さをユーザの学習の進展に応じてそれらの語句毎に変化させていくことができる。
【0045】
なお、選択手段102は、上記とは異なる方法で選択頻度を変化させてもよい。例えば、回答結果の値の範囲と選択頻度とを対応付けておいて(例えば回答結果が1以上2未満なら選択頻度が1、2以上3未満なら2、3以上4未満なら3という具合)もよい。また、例えば、試験の直前などには苦手な語句を覚えるよりもある程度覚えている語句についておさらいして確実に点を取れるようにしておいた方がよい場合がある。そのような場合に、選択手段102は、上記例とは反対に、正解率が高い選択候補ほど選択頻度を高くし、正解率が低い選択候補ほど選択頻度を低くしてもよい。これにより、学習した結果を試験の点数の向上に役立てやすくすることができる。
【0046】
[3]変形例
上述した各実施形態は、各々が本発明の実施の一例に過ぎず、以下のように変形させてもよい。また、上述した各実施形態及び以下に示す各変形例は、必要に応じてそれぞれ組み合わせて実施してもよい。
【0047】
[3−1]選択頻度を設定
上述した選択頻度が、例えば学習を支援するサービスを提供するサービス提供者によって予め設定されていてもよい。この場合、語句毎の難易度をサービス提供者が判断して設定することで、難しい語句ほど頻繁に隠されるようにして覚えやすくすることができる。また、サービス提供者が選択頻度を複数通り設定しておき、例えばユーザの学習の上達度に応じた設定を利用できるようにしてもよい。
【0048】
[3−2]選択頻度を自動的に設定
上記のように選択頻度を設定する場合に、人間が設定するのではなく、自動的に設定がされるようにしてもよい。例えば、選択手段102は、元の文に含まれている語句(実施形態では選択候補)が数を表しているか否かに応じて、その語句の選択頻度を異ならせる、という具合である。ここでいう数を表す語句とは、アラビア数字の他に、漢数字やローマ数字、ギリシア数字なども含めてもよい。そのような語句には、例えば、「2013年」、「12月」、「31日」といった年月日や「六月」、「三十日」といった期間、「第二十九条」、「第二項」といった条項の番号、「一人」、「三人」といた人数などが含まれる。選択手段102は、例えば、語句、すなわち選択候補が数を表している場合には、その選択候補の選択頻度を、数を表さない選択候補に比べて高くする。これにより、数を表す選択候補が隠された穴埋め問題文が提示されやすくなり、前述した年月日や期間、条項、人数などを含む語句をユーザが学習しやすいようにすることができる。
【0049】
[3−3]選択頻度を他の方法で設定
上記変形例では数を表す語句に注目したが、他の方法で選択頻度を自動的に設定させてもよい。
図12は、本変形例のサーバ装置の機能構成の一例を示す図である。
図12の例では、
図4に示す各手段に加え、計数手段106を備えるサーバ装置10bが示されている。計数手段106は、元の文において各語句が登場する回数(以下「登場回数」という)をそれぞれ計数する手段である。
【0050】
計数手段106は、1つの文における登場回数を計数してもよいし、複数の文における登場回数を計数してもよい。複数の文とは、例えば、或る分野の学習に用いられる元の文の集まりであり、教科書や参考書から抜き出した複数の文や法律の条項から抜き出した文などである。これらの文は、例えばサーバ装置10の記憶部12に予め記憶されている。計数手段106は、記憶部12からこれらの文を読み出し、周知の技術を用いて各語句の登場回数をそれぞれ計数する。計数手段106は、こうして計数した登場回数と語句との組み合わせを選択手段102に通知する。
【0051】
選択手段102は、計数手段106により計数された登場回数に応じて、その登場回数が計数された語句を選択する頻度を異ならせる。選択手段102は、例えば、
図7に示すような選択テーブルに、各選択候補と対応付けて計数された登場回数を格納する。
図13は、本変形例の選択テーブルの一例を示す図である。
図13の例では、「出願」、「公開」、「審査」及び「査定」という選択候補に、「10」、「3」、「5」及び「2」という登場回数が対応付けられている。
【0052】
選択手段102は、この例では、登場回数の逆数を選択頻度として格納している。例えば「出願」の登場回数は「10」なので、選択頻度として「1/10」を格納し、「審査」の登場回数は「5」なので、選択頻度として「1/5」を格納している。この選択頻度は、値が大きいほど選択される頻度が高いことを表している。例えば選択頻度が「1/10(つまり0.1)」の「出願」に比べて、選択頻度が「1/5(つまり0.2)」の「審査」は選択される頻度が2倍高いことを表している。
【0053】
このように、
図13の例では、選択手段102は、登場回数が多い選択候補ほど選択頻度を低くし、登場回数が少ない選択候補ほど選択頻度を高くしている。なお、選択手段は、この反対に、登場回数が多い選択候補ほど選択頻度を高くし、登場回数が少ない選択候補ほど選択頻度を低くしてもよい。元の文によっては、覚えるべき重要な語句の登場回数が多い場合もあるし、少ない場合もある。本変形例によれば、どちらの場合であっても、重要な語句ほどユーザが学習する機会を多くすることができる。
【0054】
[3−4]選択頻度の変化方法
選択手段102は、第2実施形態とは異なる方法で選択頻度を変化させてもよい。例えば、選択手段102は、各選択候補についてインターネット等で提供されている検索サービスを利用して検索を行い、その結果(検索でその語句が見つかった件数)に応じて選択頻度を変化させてもよい。検索で見つかった件数が少ないということは、その語句が学習中の分野における専門的な用語を表す語句であり、その分野を学習するユーザにとっては覚えておくべき重要な語句である場合がある。本変形例によれば、そのように重要な語句をユーザが学習しやすいようにすることができる。
【0055】
[3−5]ユーザを識別
情報処理システム1は、ユーザが学習アプリを終了させて次回起動したときに、前回の続きから学習できるようにしてもよい。この場合、例えば、ユーザ装置20の記憶部22が、自装置を利用するユーザのユーザID(Identification)を記憶し、サーバ装置10は、ユーザ毎に異なる選択テーブルを作成してそれらを各ユーザのユーザIDに対応付けて記憶する。そして、ユーザ装置20が、
図9のステップS12で要求データにユーザIDを付加して送信することで、サーバ装置10が、要求データが示すユーザIDに対応付けて選択テーブルを用いて語句の選択や選択頻度の設定などを行う。これにより、ユーザ毎に選択状況や選択頻度などの情報が保持されて、各ユーザが前回の続きから学習できるようにすることができる。
【0056】
[3−6]他のユーザの回答結果
選択手段102は、他のユーザの回答結果に応じて選択頻度を変化させてもよい。この場合、結果取得手段105は、複数のユーザの回答結果を取得し、選択手段102は、取得された複数のユーザの回答結果を選択テーブルに格納する。選択手段102は、例えば、格納した回答結果の平均値を求め、その逆数を選択頻度として用いる。この回答結果の平均値は、その語句が隠されたときの難易度を表すことになる。これにより、ユーザがまだ回答していない語句についてもその難易度に応じて学習する時間を振り分けることができる。
【0057】
また、選択手段102は、各回答結果に重みを付けて選択頻度を変化させてもよい。例えば、選択手段102は、ユーザ自身の回答結果と10人の他のユーザの回答結果とが取得された場合に、ユーザ自身の回答結果を10倍した値と、他のユーザの回答結果を合計した値とに基づいた選択頻度(例えば合計した値の逆数など)を用いる。これにより、ユーザは、語句の難易度に加え、ユーザ自身の苦手な度合いに応じて学習する時間を振り分けることができる。
【0058】
[3−7]選択語句の数
選択手段102は、実施形態では2つの語句を毎回選択したが、これに限らず、1つの語句を選択してもよいし、3つ以上の語句を選択してもよい。また、選択手段102は、選択する語句の数を変化させてもよい。例えば、1回目は1つの語句を選択し、2回目は2つの語句を選択し、3回目は再び1つの語句を選択するといった具合である。さらに、選択手段102は、選択語句の数を、例えば結果取得手段105により取得された回答結果に応じて変化させてもよい。その場合、例えば、選択手段102は、閾値よりも高い正答率を示す回答結果が取得された場合に、選択語句の数を1つ増やす。このような選択が行われると、ユーザの学習が進んで正答率が上がっていく度に、隠される語句の数が増えていき、穴埋め問題の難易度が増すことになる。これにより、同じ元の文を繰り返し用いる場合であっても学習の効果を高めることができる。
【0059】
[3−8]語句を選択する順番
選択手段102は、実施形態では、選択候補を順番に選択するということはしていなかったが、例えば選択候補を隠す順番を決めておいて、その順番で語句を選択してもよい。ただし、例えば選択候補が少ないと、語句が隠される順番も含めてユーザが覚えてしまい学習効果が低下するおそれがあるから、選択手段102は、選択候補を一通り順番に選択し終えたら、次は順番を前回とは変えて語句を選択するとよい。本変形例によれば、ユーザが問題文を覚えにくいようにして学習効果を高めつつ、どの語句も満遍なく学習させることができる。
【0060】
[3−9]問題文を表示させる頻度
元の文が異なる複数の穴埋め問題文が表示される場合に、穴埋め問題文毎に表示される頻度が異なっていてもよい。この場合、例えば、
図10に示す結果取得手段105が上記の回答結果を取得し、表示制御手段101が、複数の穴埋め問題文のそれぞれについて結果取得手段105が取得した回答結果に応じて、複数の問題文のそれぞれを表示させる頻度(以下「表示頻度」という)を変化させる。具体的には、表示制御手段101は、元の文が異なる穴埋め問題文毎に、各選択語句における回答結果から正解率の平均値(中間値、最高値、最小値などでもよい)を求め、求めた値を用いて、第2実施形態で選択手段102が選択頻度を変化させたように表示頻度を変化させればよい。
【0061】
例えば、表示制御手段101は、正解率が高い穴埋め問題文ほど表示頻度を低くし、正解率が低い穴埋め問題文ほど表示頻度を高くする。これにより、ユーザは、理解が進んだ穴埋め問題文(正解率の平均が高い穴埋め問題文)に比べて理解が進んでいない穴埋め問題文(正解率の平均が低い穴埋め問題文)を学習する機会を多くすることができ、表示頻度を変えない場合に比べて、自分の苦手な穴埋め問題文を早く克服することができる。また、表示制御手段101は、正解率の平均が高い穴埋め問題文ほど表示頻度を高くし、正解率の平均が低い穴埋め問題文ほど表示頻度を低くしてもよい。これにより、学習した結果を試験の点数の向上に役立てやすくすることができる。
【0062】
[3−10]複数の回答処理
上述した回答結果に応じて、異なる回答処理が行われてもよい。例えば、表示制御手段101が、隠された選択語句を入力させる回答欄を表示させる入力回答処理と、隠された選択語句の選択肢としてその選択語句と対応する回答候補とを表示させる選択回答処理とを行うものとする。そして、表示制御手段101は、例えば、正解率が閾値以上の選択語句が隠された穴埋め問題文を表示させる場合には、入力回答処理を行い、正解率が閾値未満の選択語句が隠された穴埋め問題文を表示させる場合には、選択回答処理を行う。
【0063】
なお、表示制御手段101は、入力回答処理及び選択回答処理を反対の場合に行ってもよい。また、表示制御手段101は、選択語句毎に回答処理を変えるのではなく、穴埋め問題文の元の文毎に回答処理を変えてもよい。選択回答処理が行われた場合、ユーザは消去法で回答したり選択肢に含まれた正解の語句を見てそれが正解であることを思い出したりすることができるため、入力回答処理が行われる場合よりも正解を回答しやすい。つまり、回答処理を異ならせることで、回答の難易度を変化させることができる。本変形例によれば、上記のとおり選択語句毎や穴埋め問題文毎に、それぞれの回答結果に応じて、回答の難易度を変化させることができる。
【0064】
[3−11]ユーザ装置による語句の選択等
実施形態では、サーバ装置10が語句を選択し、穴埋め問題文の表示を制御したが、ユーザ装置20がこれを行ってもよい。この場合、ユーザ装置20の制御部21がプログラムを実行して
図4等に示す各手段を実現する。要するに、選択語句の選択や穴埋め問題文の表示の制御などは、サーバ装置10やユーザ装置20のような情報処理装置によって行われればよい。
【0065】
[3−12]同じ語句の選択
選択手段102は、実施形態では、元の文が同じ穴埋め問題文については、必ず前回とは異なる語句を少なくとも1以上選択したが、これに限定されない。例えば数回程度であれば、元の文が同じ穴埋め問題文であっても同じ語句を選択してもよい。本変形例の選択手段102は、元の文が同じ問題文が所定の回数表示されるまでに少なくとも1回は、前回に表示された問題文(元の文が同じ問題文)とは異なる語句を少なくとも1以上選択する。
【0066】
所定の回数を例えば3回とし、元の文A1の穴埋め問題として問題文C1、C2、C3が表示されるものとする。この場合、選択手段102は、C2についてはC1と全て同じ語句を選択することがあるが、その場合、C3についてはC2と異なる語句を少なくとも1以上選択する。また、選択手段102は、C2についてC1と異なる語句を少なくとも1以上選択した場合には、C3についてはC2と全て同じ語句を選択してもよい。なお、後者の場合、選択手段102は、C3についてもC2と異なる語句を少なくとも1以上選択してもよい。つまり、元の文A1の穴埋め問題が所定の回数(この例では3回)表示されるまでに2回以上、前回に表示された問題文とは異なる語句を少なくとも1以上選択してもよい。
【0067】
また、選択手段102は、1回目と2回目で異なる語句を少なくとも1以上選択し、3回目に2回目と全て同じ語句を選択した場合には、4回目は3回目と異なる語句を少なくとも1以上選択しなければならない。2〜4回目までの3回のうち、少なくとも1回は前回に表示された問題文とは異なる語句を少なくとも1以上選択する必要があるからである。なお、所定の回数は、2回であってもよいし、4回以上であってもよい。所定の回数が2回の場合には、実施形態のように、選択手段102が前回とは異なる語句を少なくとも1以上選択することになる。この所定の回数が少ないほど、穴埋め問題文と正解の組み合わせをユーザが覚えにくくなり、学習効果を高めることができる。
【0068】
また、選択手段102は、問題文C1が表示されてから問題文C2が表示されるまでに経過した時間が所定の期間(例えば1日や1週間など)未満である場合には、所定の回数の表示がされる前であっても、C2について必ずC1と異なる語句を少なくとも1以上選択するようにしてもよい。言い換えると、この経過時間が所定の期間以上である場合のみ、選択手段102が前回と全て同じ語句を選択してもよい。この経過時間が短いほど、穴埋め問題文と正解の組み合わせをユーザが覚えている可能性が高くなって学習効果が下がってしまうが、経過時間が所定の期間未満の場合には必ず異なる語句を1以上選択することで、学習効果の低下を抑えることができる。なお、この経過時間に基づく場合に代えて、例えば表示した問題文の数が所定の数(例えば100や500など)未満である場合としてもよい。この場合も同様に、学習効果の低下を抑えることができる。
【0069】
[3−13]発明のカテゴリ
本発明は、サーバ装置やユーザ装置といった情報処理装置の他に、これらの情報処理装置を備える情報処理システムとしても捉えられる。また、本発明は、これらの情報処理装置が実施する処理を実現するための情報処理方法としても捉えられる。ここでいう処理とは、例えば、
図9に示す学習処理である。また、本発明は、サーバ装置やユーザ装置のようなコンピュータを、
図4等に示す各手段として機能させるためのプログラムとしても捉えられるものである。このプログラムは、それを記憶させた光ディスク等の記録媒体の形態で提供されたり、インターネット等のネットワークを介して、コンピュータにダウンロードさせ、それをインストールして利用可能にするなどの形態でも提供されたりするものであってもよい。