(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
マルチメディア・シーケンスのビデオの基準品質及び前記ビデオの最終品質と前記マルチメディア・シーケンスのオーディオの基準品質及び前記オーディオの最終品質とを入手するステップと、
前記ビデオの前記基準品質及び前記オーディオの前記基準品質に従って前記マルチメディア・シーケンスの基準品質を判定するステップと、
前記ビデオの前記基準品質、前記ビデオの前記最終品質、前記オーディオの前記基準品質、及び前記オーディオの前記最終品質に従って前記マルチメディア・シーケンスのひずみ値を判定するステップと、
前記マルチメディア・シーケンスの前記基準品質及び前記マルチメディア・シーケンスの前記ひずみ値に従って前記マルチメディア・シーケンスのマルチメディア品質を判定するステップと
を含む、マルチメディア品質を評価する方法。
前記ビデオの前記基準品質、前記ビデオの前記最終品質、前記オーディオの前記基準品質、及び前記オーディオの前記最終品質に従って前記マルチメディア・シーケンスのひずみ値を判定する前記ステップは、
前記ビデオの前記基準品質及び前記ビデオの前記最終品質に従って前記ビデオのひずみ値を判定するステップと、
前記オーディオの前記基準品質及び前記オーディオの前記最終品質に従って前記オーディオのひずみ値を判定するステップと、
前記ビデオの前記ひずみ値及び前記オーディオの前記ひずみ値に従って前記マルチメディア・シーケンスの前記ひずみ値を判定するステップと
を含む、請求項1に記載の方法。
前記N個のマルチメディア・セグメントの各マルチメディア・セグメントの前記マルチメディア品質に従って前記マルチメディア・シーケンスのマルチメディア品質を判定する前記ステップは、
N個又はK個のマルチメディア・セグメントのマルチメディア品質に対して加重平均を実行することによって前記マルチメディア・シーケンスの前記マルチメディア品質を判定するステップであり、前記K個のマルチメディア・セグメントは、前記N個のマルチメディア・セグメントのうちで最悪のマルチメディア品質を有する前記K個のマルチメディア・セグメントであり、Kは、正の整数であり、Kは、1以上N未満である、ステップ
を含む、請求項5又は6に記載の方法。
マルチメディア・シーケンスのビデオの基準品質及び前記ビデオの最終品質と前記マルチメディア・シーケンスのオーディオの基準品質及び前記オーディオの最終品質とを入手するように構成された第1の入手モジュールと、
前記第1の入手モジュールによって入手される前記ビデオの前記基準品質及び前記オーディオの前記基準品質に従って前記マルチメディア・シーケンスの基準品質を判定するように構成された基準品質判定モジュールと、
前記第1の入手モジュールによって入手される前記ビデオの前記基準品質、前記ビデオの前記最終品質、前記オーディオの前記基準品質、及び前記オーディオの前記最終品質に従って前記マルチメディア・シーケンスのひずみ値を判定するように構成されたひずみ値判定モジュールと、
前記基準品質判定モジュールによって判定される前記マルチメディア・シーケンスの前記基準品質及び前記ひずみ値判定モジュールによって判定される前記マルチメディア・シーケンスの前記ひずみ値に従って前記マルチメディア・シーケンスのマルチメディア品質を判定するように構成されたマルチメディア品質判定モジュールと
を含む、マルチメディア品質を評価する装置。
マルチメディア・シーケンスをN個のマルチメディア・セグメントに分割するように構成されたセグメント化モジュールであり、ここで、Nは、正の整数であり、Nは、2以上である、セグメント化モジュールと、
前記N個のマルチメディア・セグメントの各マルチメディア・セグメントのマルチメディア品質を評価するように構成された評価モジュールと、
前記N個のマルチメディア・セグメントの各マルチメディア・セグメントの前記マルチメディア品質に従って前記マルチメディア・シーケンスのマルチメディア品質を判定するように構成された処理モジュールと
を含み、
前記評価モジュールは、
各マルチメディア・セグメントのビデオの基準品質及び前記ビデオの最終品質と、各マルチメディア・セグメントのオーディオの基準品質及び前記オーディオの最終品質とを入手するように構成された第1の入手ユニットと、
前記ビデオの前記基準品質及び前記オーディオの前記基準品質に従って各マルチメディア・セグメントの基準品質を判定するように構成された基準品質判定ユニットと、
前記ビデオの前記基準品質、前記ビデオの前記最終品質、前記オーディオの前記基準品質、及び前記オーディオの前記最終品質に従って各マルチメディア・セグメントのひずみ値を判定するように構成されたひずみ値判定ユニットと、
各マルチメディア・セグメントの前記基準品質及び各マルチメディア・セグメントの前記ひずみ値に従って各マルチメディア・セグメントの前記マルチメディア品質を判定するように構成された評価ユニットと
を含む、マルチメディア品質を評価する装置。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の実施形態における技術的解決策をより明瞭に説明するために、以下では、本発明の実施形態を説明するのに必要な添付図面を簡単に紹介する。明らかに、以下の説明の添付図面は、単に本発明のいくつかの実施形態を示すものであり、当業者は、創作的努力なしでこれらの添付図面から他の図面を導出することができる。
【0014】
以下では、本発明の実施形態における添付図面を参照して本発明の実施形態における技術的解決策を明瞭かつ完全に説明する。明らかに、説明される実施形態は、本発明の実施形態のすべてではなく一部である。創作的努力なしで本発明の実施形態に基づいて当業者が入手するすべての他の実施形態は、本発明の保護範囲に含まれなければならない。
【0015】
図1は、本発明の実施形態による、マルチメディア品質を評価する方法100の概略流れ図である。
図1に示されているように、方法100は、以下を含む。
【0016】
S110 マルチメディア・シーケンスのビデオの基準品質及びビデオの最終品質とマルチメディア・シーケンスのオーディオの基準品質及びオーディオの最終品質とを入手する。
【0017】
S120 ビデオの基準品質及びオーディオの基準品質に従ってマルチメディア・シーケンスの基準品質を判定する。
【0018】
S130 ビデオの基準品質、ビデオの最終品質、オーディオの基準品質、及びオーディオの最終品質に従ってマルチメディア・シーケンスのひずみ値を判定する。
【0019】
S140 マルチメディア・シーケンスの基準品質及びマルチメディア・シーケンスのひずみ値に従ってマルチメディア・シーケンスのマルチメディア品質を判定する。
【0020】
マルチメディア品質に関する人の印象は、ひずみが安定したマルチメディア基準品質に重畳されることである。マルチメディア基準品質が記述するものは、マルチメディア内のビデオ又はオーディオの符号化圧縮によって引き起こされるマルチメディア圧縮品質である。パケットロス又はマルチメディアのフリーズなどの要因に起因して、人は、マルチメディア・シーケンスのひずみを感じる。ひずみは、基準品質に対する相対劣化レベル、すなわち、比較的安定な基準品質からのマルチメディア品質劣化である。本発明のこの実施形態では、マルチメディア・シーケンスのビデオの基準品質及びビデオの最終品質並びにマルチメディア・シーケンスのオーディオの基準品質及びオーディオの最終品質が入手された後に、マルチメディア・シーケンスの基準品質は、ビデオの基準品質及びオーディオの基準品質に従って判定され、マルチメディア・シーケンスのひずみ値は、ビデオの基準品質、ビデオの最終品質、オーディオの基準品質、及びオーディオの最終品質に従って判定され、最後に、マルチメディア・シーケンスのマルチメディア品質は、マルチメディア・シーケンスの基準品質及びマルチメディア・シーケンスのひずみ値に従って判定される。このように、マルチメディア・シーケンスのひずみは、総合的に理解されるのであって、ビデオ及びオーディオが別々に理解された後の組合せではない。
【0021】
したがって、本発明のこの実施形態によるマルチメディア品質を評価する方法は、マルチメディア・シーケンスの基準品質及びマルチメディア・シーケンスのひずみ値に従ってマルチメディア・シーケンスのマルチメディア品質を判定することによって、マルチメディア・シーケンスのひずみを直接に反映することができ、人の主観的印象と一致し、したがって、マルチメディア品質を正確に効果的に評価することができる。
【0022】
S110では、マルチメディア・シーケンスのビデオの基準品質、ビデオの最終品質、オーディオの基準品質、及びオーディオの最終品質が、入手される。ビデオの基準品質は、ビデオの符号化圧縮に起因して引き起こされるビデオ圧縮品質であり、具体的には、異なる符号化タイプ及び解像度を有するビデオの符号化ビット・レートに従う計算を介して入手することができ、オーディオの基準品質は、オーディオの符号化圧縮に起因して引き起こされるオーディオ圧縮品質であり、具体的には、異なる符号化タイプ、サンプリング周波数、チャネル数などを有するオーディオの符号化ビット・レートに従う計算を介して入手することができる。ビデオの最終品質及びオーディオの最終品質は、ネットワーク損傷(たとえば、パケットロス、ジッタ、その他)は、ビデオ及びオーディオで別々に発生する場合の、マルチメディア・シーケンスのビデオ及びオーディオの入手された最終的な経験品質であり、具体的には、マルチメディア・シーケンスに対してオーディオ分析及びビデオ分析を実行することによる計算を介して入手することができる。
【0023】
S120では、マルチメディア・シーケンスの基準品質を、ビデオの基準品質及びオーディオの基準品質に従って判定する。本発明のこの実施形態は、マルチメディア・シーケンスの基準品質が判定される特定の方法を限定しない。たとえばマルチメディア・シーケンスの基準品質Q
av’を、次式(1)によって判定することができる。
Q
av’=a
1・Q
v_coding+a
2・Q
a_coding+a
3・Q
v_coding・Q
a_coding+a
4 (1)
ここで、Q
v_coding及びQ
a_codingは、それぞれビデオの基準品質及びオーディオの基準品質であり、a
1、a
2、a
3、及びa
4は、ビデオの空間解像度及び表示モードに関するパラメータであり、その値は、データ・トレーニングを使用することによって入手され、基本的にすべてが0と1との間の小数であり、たとえば、解像度が(128×96)のときに、a
1=0.207962、a
2=0.124365、a
3=0.179018、a
4=0.5456である。
【0024】
S130では、マルチメディア・シーケンスのひずみ値が、ビデオの基準品質、ビデオの最終品質、オーディオの基準品質、及びオーディオの最終品質に従って判定される。
図2に示されているように、S130は、以下をも含む。
【0025】
S131 ビデオの基準品質及びビデオの最終品質に従ってビデオのひずみ値を判定する。
【0026】
S132 オーディオの基準品質及びオーディオの最終品質に従ってオーディオのひずみ値を判定する。
【0027】
S133 ビデオのひずみ値及びオーディオのひずみ値に従ってマルチメディア・シーケンスのひずみ値を判定する。
【0028】
ビデオのひずみ値は、ビデオの基準品質からビデオの最終品質を減算することによって入手することができ、オーディオのひずみ値は、オーディオの基準品質からオーディオの最終品質を減算することによって入手することができる。
【0029】
S133では、マルチメディア・シーケンスのひずみ値が、ビデオのひずみ値及びオーディオのひずみ値に従って判定される。具体的には、マルチメディア・シーケンスのひずみ値を、次の方法で入手することができる。
【0030】
ビデオのひずみ係数は、ビデオの基準品質及びビデオのひずみ値に従って判定される。ビデオのひずみ係数d
vは、ビデオの基準品質Q
v_codingに対するビデオのひずみ値D
vの比であり、任意選択で、次式(2)によって判定され得る。
【数1】
【0031】
ビデオのひずみ値D
vが、ビデオの基準品質からビデオの最終品質を減算することによって入手され、したがって、任意選択で、ビデオのひずみ係数d
vを、次式(3)によって判定することもできることを理解されたい。
【数2】
【0032】
オーディオのひずみ係数は、オーディオの基準品質及びオーディオのひずみ値に従って判定される。オーディオのひずみ係数d
aは、オーディオの基準品質Q
a_codingに対するオーディオのひずみ値D
aの比であり、任意選択で、次式(4)によって判定され得る。
【数3】
【0033】
同様に、オーディオのひずみ値D
aは、オーディオの基準品質からオーディオの最終品質を減算することによって入手され、したがって、任意選択で、オーディオのひずみ係数d
aを、次式(5)によって判定することもできる。
【数4】
【0034】
マルチメディア・シーケンスのひずみ係数は、ビデオのひずみ係数及びオーディオのひずみ係数に従って判定される。マルチメディア・シーケンスのひずみ係数d
avは、ビデオのひずみ係数d
v及びオーディオのひずみ係数d
aによって判定される。ビデオのひずみ係数d
v又はオーディオのひずみ係数d
aの増加は、マルチメディア・シーケンスのひずみ係数d
avを増加させ、その関係は、線形とすることができ、非線形とすることもでき、線形と非線形との組合せとすることもできる。本発明のこの実施形態は、マルチメディア・シーケンスのひずみ係数d
avがビデオのひずみ係数d
v及びオーディオのひずみ係数d
aに従って計算される特定の方法を限定せず、たとえば、d
avを、次式(6)又は(7)によって判定することができる。
【数5】
d
av=a
5+a
6・d
v+a
7・d
a (7)
ここで、a
5、a
6、a
7は、定数であり、その値は、符号化タイプ及びビデオ解像度に関係し、d
v又はd
aが増えるときにd
avが増えるという条件を満足し、特定の数値を、実験を使用して入手することができる。
【0035】
マルチメディア・シーケンスのひずみ値は、マルチメディア・シーケンスの基準品質及びマルチメディア・シーケンスのひずみ係数に従って判定される。たとえば、マルチメディア・シーケンスのひずみ値D
avを、次式(8)によって判定することができる。
D
av=(Q
av’−Q
min)・d
av (8)
ここで、Q
minは、定数であり、最小のマルチメディア品質を示し、たとえば、レーティングが5ポイント・システムのときに、最小品質は1である。
【0036】
S140では、マルチメディア・シーケンスのマルチメディア品質が、マルチメディア・シーケンスの基準品質及びマルチメディア・シーケンスのひずみ値に従って判定される。マルチメディア・シーケンスの基準品質Q
av’及びマルチメディア・シーケンスのひずみ値D
avが判定された後に、マルチメディア・シーケンスのマルチメディア品質Q
avが、Q
av’及びD
avに従って入手され、その関係を、次式(9)によって示すことができる。
Q
av=f(Q
av’,D
av) (9)
【0037】
たとえば、その関係を、次式(10)として表すことができる。
Q
av=Q
av’−D
av (10)
【0038】
式(9)及び(10)は、マルチメディア・シーケンスのマルチメディア品質が、ひずみがマルチメディア・シーケンスの基準品質に重畳された後に入手される結果であり、マルチメディア品質に関する人の印象が、正確に、ひずみが安定したマルチメディア基準品質に重畳されることであることを示す。したがって、本発明のこの実施形態によるマルチメディア品質を評価する方法は、人の認知特性と一致する。
【0039】
このように、本発明のこの実施形態によるマルチメディア品質を評価する方法は、マルチメディア・シーケンスの基準品質及びマルチメディア・シーケンスのひずみ値に従ってマルチメディア・シーケンスのマルチメディア品質を判定することによって、マルチメディア・シーケンスのひずみを直接に反映することができ、人の主観的印象と一致し、したがって、マルチメディア品質を正確に効果的に評価することができる。
【0040】
任意選択で、マルチメディア・シーケンスのマルチメディア品質を、式(1)、(3)、(5)、(6)、及び(8)が式(10)に置換された後に入手することができる。この場合に、マルチメディア・シーケンスのマルチメディア品質Q
avは、ビデオの基準品質Q
v_coding、オーディオの基準品質Q
a_coding、ビデオの最終品質Q
v、及びオーディオの最終品質Q
aの関数である。
【0041】
任意選択で、式(1)について、次式(11)を、式(1)のパラメータを置換し、整理を実行することによって得ることができる。
Q
av’=a
1・(Q
v+D
v)+a
2・(Q
a+D
a)+a
3・(Q
v+D
v)・(Q
a+D
a)+a
4
=a
1・Q
v+a
1・D
v+a
2・Q
a+a
2・D
a+a
3・(Q
v・Q
a+Q
v・D
a+D
v・Q
a+D
v・D
a)+a
4
=(a
1・Q
v+a
2・Q
a+a
3・Q
v・Q
a+a
4)+(a
1・D
v+a
2・Q
a+a
3・(Q
v・D
a+D
v・Q
a+D
v・D
a))
=Q”+f
1(Q
v,Q
a,D
v,D
a) (11)
【0042】
式(11)では、Q”はa
1・Q
v+a
2・Q
a+a
3・Q
v・Q
a+a
4を示す、すなわち、1つの品質スコアが、ビデオの最終品質及びオーディオの最終品質に従って入手される。a
1・D
v+a
2・Q
a+a
3・(Q
v・D
a+D
v・Q
a+D
v・D
a)は、関数f
1(Q
v,Q
a,D
v,D
a)の形で表され、マルチメディア品質を計算する式(10)は、次式(12)として表すことができる。
Q
av=(Q”+f
1(Q
v,Q
a,D
v,D
a))−(Q”+f
1(Q
v,Q
a,D
v,D
a)−Q
min)・d
av (12)
ここで、マルチメディアひずみ係数d
avを、複数の関数の形で表すことができ、したがって、f
2(Q
v,Q
a,D
v,D
a)の形で表すことができ、式(12)は、次式(13)として展開することができる。
Q
av=Q”・(1−f
2(Q
v,Q
a,D
v,D
a))+
f
1(Q
v,Q
a,D
v,D
a)・(1−f
2(Q
v,Q
a,D
v,D
a))+Q
min・f
2(Q
v,Q
a,D
v,D
a)
=Q”・f
3(Q
v,Q
a,D
v,D
a)+f
4(Q
min,Q
v,Q
a,D
v,D
a) (13)
【0043】
1−f
2(Q
v,Q
a,D
v,D
a)は、関数f
3(Q
v,Q
a,D
v,D
a)を使用することによって表され、f
1(Q
v,Q
a,D
v,D
a)・(1−f
2(Q
v,Q
a,D
v,D
a))+Q
min・f
2(Q
v,Q
a,D
v,D
a)は、関数f
4(Q
min,Q
v,Q
a,D
v,D
a)を使用することによって表され、マルチメディア品質の計算方法は、上で説明した別の式の形として展開することができる、すなわち、マルチメディア品質Q
avは、ビデオの最終品質Q
v、オーディオの最終品質Q
a、ビデオのひずみ値D
v、及びオーディオのひずみ値D
aの関数である。
【0044】
本発明のこの実施形態によるマルチメディア品質を評価する方法は、マルチメディア・シーケンスの基準品質及びひずみ値に従ってマルチメディア・シーケンスのマルチメディア品質を判定することによって、マルチメディア・シーケンスのひずみを直接に反映することができ、人の主観的印象と一致し、したがって、マルチメディア品質を正確に効果的に評価することができる。
【0045】
オーディオ及びビデオが非同期であるときには、マルチメディア・シーケンスのマルチメディア品質は、おそらくは劣化する。このシナリオでは、オーディオ及びビデオが非同期であるという問題を考慮する必要がある。したがって、
図3に示されているように、本発明のこの実施形態によるマルチメディア品質を評価する方法100は、さらに、以下を含む。
【0046】
S150 マルチメディア・シーケンスのオーディオ及びビデオの非同期の影響係数を入手する。
【0048】
S141 マルチメディア・シーケンスの基準品質、マルチメディア・シーケンスのひずみ値、並びにマルチメディア・シーケンスのオーディオ及びビデオの非同期の影響係数に従ってマルチメディア・シーケンスのマルチメディア品質を判定する。
【0049】
S150では、マルチメディア・シーケンスのオーディオ及びビデオの非同期の影響係数が、入手される。マルチメディア・シーケンスのオーディオ及びビデオの非同期の影響係数は、オーディオ及びビデオの非同期の時間差ΔT
synの関数であり、マルチメディア品質に対するオーディオ及びビデオの非同期の影響を反映する。
【0050】
S141では、マルチメディア・シーケンスのマルチメディア品質が、マルチメディア・シーケンスの基準品質、マルチメディア・シーケンスのひずみ値、並びにマルチメディア・シーケンスのオーディオ及びビデオの非同期の影響係数に従って判定される。その関係を、次式(14)として表すことができる。
Q
av=f(Q
av’,D
av,f
5(ΔT
syn)) (14)
ここで、f
5(ΔT
syn)は、マルチメディア・シーケンスのオーディオ及びビデオの非同期の影響係数である。
【0051】
たとえば、任意選択で、マルチメディア・シーケンスのマルチメディア品質Q
avを、次式(15)によって判定することができる。
Q
av=Q
av’−D
av・f
5(ΔT
syn) (15)
ここで、f
5(ΔT
syn)は、1より大きく、より大きい|ΔT
syn|は、より大きいf
5(ΔT
syn)を示し、これは、Q
avをより小さくする。f
5(ΔT
syn)は、形において限定されず、線形とすることができ、非線形とすることもでき、線形の式と非線形の式との組合せとすることもでき、たとえば、その特定の形を、次式(16)として表すことができる。
【数6】
ここで、b
1、c
1、d
1は、定数である。
【0052】
任意選択で、マルチメディア・シーケンスのマルチメディア品質Q
avを、次式(17)によって判定することもできる。
Q
av=(Q
av’−D
av)・f
6(ΔT
syn) (17)
ここで、f
6(ΔT
syn)は、マルチメディア・シーケンスのオーディオ及びビデオの非同期の影響係数であり、その値は、1より小さく、0より大きく、より大きい|ΔT
syn|は、より小さいf
6(ΔT
syn)を示し、これは、Q
avをより小さくする。f
6(ΔT
syn)は、形において限定されず、線形とすることができ、非線形とすることもでき、線形の式と非線形の式との組合せとすることもでき、たとえば、その特定の形を、次式(18)として表すことができる。
【数7】
ここで、b
2、c
2、d
2は、定数である。
【0053】
式(14)、(15)、及び(17)は、マルチメディア・シーケンスのマルチメディア品質が、ひずみとオーディオ及びビデオの非同期の影響とがマルチメディア・シーケンスの基準品質に重畳された後に入手される結果であり、人の認知特性と一致することを示す。
【0054】
したがって、本発明のこの実施形態に従ってマルチメディア品質を評価する方法は、マルチメディア・シーケンスの基準品質、マルチメディア・シーケンスのひずみ値、及びマルチメディア・シーケンスのオーディオ及びビデオの非同期の影響係数に従ってマルチメディア品質を判定することによって、人の主観的印象と一致し、したがって、マルチメディア品質を正確に効果的に評価することができる。
【0055】
図4を参照して、以下で、本発明のこの実施形態による、マルチメディア品質を評価する方法を詳細に説明する。
【0056】
S410 ビデオの基準品質及びオーディオの基準品質に従ってマルチメディア・シーケンスの基準品質を計算する。たとえば、前述の式(1)を使用することができる。
【0057】
S420 ビデオの基準品質及びビデオの最終品質に従ってビデオのひずみ係数を計算する。たとえば、前述の式(3)を使用することができる。
【0058】
S430 オーディオの基準品質及びオーディオの最終品質に従ってオーディオのひずみ係数を計算する。たとえば、前述の式(5)を使用することができる。
【0059】
S440 ビデオのひずみ係数及びオーディオのひずみ係数に従ってマルチメディア・シーケンスのひずみ係数を計算する。たとえば、前述の式(6)又は(7)を使用することができる。
【0060】
S450 マルチメディア・シーケンスのマルチメディア品質を計算する。オーディオ及びビデオの非同期が発生しないときには、マルチメディア・シーケンスのマルチメディア品質は、マルチメディア・シーケンスの基準品質及びマルチメディア・シーケンスのひずみ係数に従って計算され、たとえば、前述の式(8)及び(10)を使用することができる。オーディオ及びビデオが非同期であるときには、マルチメディア・シーケンスのマルチメディア品質は、マルチメディア・シーケンスの基準品質、マルチメディア・シーケンスのひずみ係数、並びにマルチメディア・シーケンスのオーディオ及びビデオの非同期の影響係数に従って計算され、たとえば、前述の式(8)及び式(15)又は(17)を使用することができる。
【0061】
したがって、本発明のこの実施形態に従ってマルチメディア品質を評価する方法は、マルチメディア・シーケンスの基準品質及びマルチメディア・シーケンスのひずみ係数に従ってマルチメディア・シーケンスのマルチメディア品質を判定することによって、人の主観的印象と一致し、したがって、マルチメディア品質を正確に効果的に評価することができる。
【0062】
図5は、本発明の実施形態による、マルチメディア品質を評価する方法500の概略流れ図である。
図5に示されているように、方法500は、以下を含む。
【0063】
S510 マルチメディア・シーケンスをN個のマルチメディア・セグメントに分割する。ここで、Nは、正の整数であり、2以上である。
【0064】
S520 N個のマルチメディア・セグメントの各マルチメディア・セグメントのマルチメディア品質を評価する。
【0065】
S530 N個のマルチメディア・セグメントの各マルチメディア・セグメントのマルチメディア品質に従ってマルチメディア・シーケンスのマルチメディア品質を判定する。
【0066】
あるマルチメディア・シーケンスについて、人の短期記憶に起因して、マルチメディア品質は、現在時刻からの時間のより短い期間内のより深い記憶を用いて理解される。本発明のこの実施形態では、マルチメディア・シーケンスは、まず、複数のマルチメディア・セグメントに分割され、その後、各マルチメディア・セグメントのマルチメディア品質が、別々に評価され、その後、マルチメディア・シーケンスのマルチメディア品質が、各マルチメディア・セグメントのマルチメディア品質に従って判定される。
【0067】
したがって、本発明のこの実施形態に従ってマルチメディア品質を評価する方法は、マルチメディア・シーケンスをセグメントに分割し、各マルチメディア・セグメントのマルチメディア品質に従ってマルチメディア・シーケンスのマルチメディア品質を判定することによって、各マルチメディア・セグメントに対して人が払う注意のレベルに従ってマルチメディア・シーケンスのマルチメディア品質を判定するのに便利であり、人の認知特性と一致し、マルチメディア品質の評価の正確さを高めることができる。
【0068】
S510では、マルチメディア・シーケンスが、N個のマルチメディア・セグメントに分割される。Nは、正の整数であり、2以上である、すなわち、マルチメディア・シーケンスは、少なくとも2つのマルチメディア・セグメントに分割される。
【0069】
任意選択で、マルチメディア・シーケンスを、持続時間に従ってN個のマルチメディア・セグメントに分割することができる。たとえば、マルチメディア・シーケンスの最初のフレームから開始して、各L秒の持続時間内のマルチメディア・シーケンスが、1つのセグメントに分割され、Lの値は、特定の状況に従って調整することができる。
【0070】
任意選択で、マルチメディア・シーケンスを、マルチメディア品質、ビデオ品質、又はオーディオ品質のレベルに従ってN個のマルチメディア・セグメントに分割することもできる。人は、マルチメディア・シーケンス内の比較的特別なコンテンツ、たとえば、ビット誤りによって影響されたビデオ・ピクチャ、ひずんだオーディオのサウンドなどに注意を払う傾向がある。したがって、マルチメディア・セグメント化は、中央として低品質のマルチメディア・コンテンツをとり、マルチメディア・シーケンス全体を、持続時間が約L秒の連続するマルチメディア・セグメントに分割し、ここで、Lの値は、特定の状況に従って調整することができる。たとえば、セグメント化を、以下の方法に従って実行することができる。
【0071】
1.最初のフレームから開始して、0.8×L秒のウィンドウをスライドさせ、各ウィンドウ内のマルチメディア品質を計算する。
【0072】
2.1つのマルチメディア・セグメントを判定するために、最低品質を有するウィンドウ位置を選択する。
【0073】
3.選択されたマルチメディア・セグメントを除外し、ステップ1及び2を繰り返して新しいマルチメディア・セグメントを入手する。ここで、インターバルは、新しいマルチメディア・セグメントが判定されたマルチメディア・セグメントに隣接する場合に、0〜0.4×L秒になるように制御される。
【0074】
4.ステップ3を繰り返して、マルチメディア・シーケンス全体を分割する。
【0075】
5.マルチメディア・シーケンス全体の完全なセグメント化を実施するために、等しい割り振り方法を採用することによって、マルチメディア・セグメントのインターバルのマルチメディア・フレームを、隣接するマルチメディア・セグメントに組み合わせる。
【0076】
マルチメディア品質に従って実行されるセグメント化の前述の方法を、ビデオ品質又はオーディオ品質に従って実行されるセグメント化に置換することもできることを理解されたい。ビデオ品質に従って実行されるセグメント化中には、長さ単位を、ビデオのGOP(Group of Pictures、グループ・オフ・ピクチャ)とすることができる、すなわち、1つ又は複数のGOP長が、1つのマルチメディア・セグメントとして使用される。
【0077】
マルチメディア・シーケンスに対してセグメント化を実行する方法を、別の方法とすることができ、たとえば、各セグメントの長さを異なるものとすることができ、もう1つの例として、マルチメディア品質に従って実行されるセグメント化中に、高い品質を有するマルチメディア・セグメントを、最初に選択することなどができることを、さらに理解されたい。本発明のこの実施形態は、マルチメディア・シーケンスがN個のマルチメディア・セグメントに分割される特定の方法を限定しない。
【0078】
S520では、N個のマルチメディア・セグメントの各マルチメディア・セグメントのマルチメディア品質が、評価される。マルチメディア・セグメントごとに、マルチメディア・セグメントのマルチメディア品質は、各マルチメディア・セグメントのオーディオ及びビデオの品質条件及びひずみ条件の組合せに従う計算を介して入手することができる。本発明の実施形態は、各マルチメディア・セグメントのマルチメディア品質が評価される方法を限定しない。特定の方法について、従来技術を使用することができ、本発明の実施形態に従ってマルチメディア品質を評価する前述の方法100を使用することもできる。詳細を本明細書でもう一度提供することはしない。
【0079】
S530では、マルチメディア・シーケンスのマルチメディア品質が、N個のマルチメディア・セグメントの各マルチメディア・セグメントのマルチメディア品質に従って判定される。N個のマルチメディア・セグメントの各マルチメディア・セグメントのマルチメディア品質が評価された後に、マルチメディア・シーケンスのマルチメディア品質が、N個のマルチメディア・セグメントのマルチメディア品質に従って入手される。
【0080】
任意選択で、マルチメディア・シーケンスのマルチメディア品質を、N個のマルチメディア・セグメントのマルチメディア品質に対して加重平均を実行することによって判定することができる。加重平均を、等しい重み値に基づいてN個のマルチメディア・セグメントのマルチメディア品質に対して実行することができ、加重平均を、N個のマルチメディア・セグメントの各マルチメディア・セグメントのマルチメディア品質に関する重み値に基づいてN個のマルチメディア・セグメントのマルチメディア品質に対して実行することもでき、たとえば、マルチメディア・セグメントのより低いマルチメディア品質は、より大きい重みを示す。たとえば、マルチメディア・シーケンスの品質を、次式(19)を使用することによって判定することができる。
【数8】
ここで、mは、マルチメディア・シーケンス内のm番目のマルチメディア・セグメントを示し、Q
av,mは、m番目のマルチメディア・セグメントのマルチメディア品質であり、W
mは、その重み値であり、等しい定数とするか、マルチメディア品質のレベルに従って適用される重みとすることができる。
【0081】
人は、簡単にものを忘れるので、後で見られたマルチメディア・セグメントは、強い印象を与え、前に見られたマルチメディア・セグメントに関する記憶は、比較的曖昧である。したがって、加重平均を、N個のマルチメディア・セグメントの各マルチメディア・セグメントの時刻に関する重み値に基づいてN個のマルチメディア・セグメントのマルチメディア品質に対して実行することもでき、たとえば、マルチメディア・セグメントの時刻と現在のレーティング時刻との間のより短い時間的距離は、より大きい重み値を示す。たとえば、マルチメディア・セグメントの品質を、次式(20)を使用して判定することができる。
【数9】
ここで、t
mは、m番目のマルチメディア・セグメントの時刻と現在のレーティング時刻との間の時間的距離であり、
【数10】
は、この時間的距離に関する重み値である。
【0082】
加重平均を、N個のマルチメディア・セグメントの各マルチメディア・セグメントのマルチメディア品質及び時刻に関する重み値に基づいてN個のマルチメディア・セグメントのマルチメディア品質に対して実行することができる。たとえば、マルチメディア・シーケンスの品質を、次式(21)を使用することによって判定することができる。
【数11】
ここで、W
mは、マルチメディア品質に関する重み値であり、
【数12】
は、時間的距離に関する重み値であり、この2つの重み値を、1つの重み値に組み合わせることもでき、この1つの重み値は、マルチメディア品質だけに関するのではなく、時間的距離にも関する。
【0083】
人の目は、より悪い品質を有するマルチメディア・セグメントに簡単に気付き、より悪いマルチメディア・セグメントは、マルチメディア・シーケンス全体の品質を反映することができる。したがって、任意選択で、最も悪いマルチメディア品質を有するK個のマルチメディア・セグメントを、N個のマルチメディア・セグメントから選択することができ、マルチメディア・シーケンスのマルチメディア品質は、K個のマルチメディア・セグメントのマルチメディア品質に対して加重平均を実行することによって判定され、ここで、Kは、正の整数であり、Kは、1以上N未満であり、Kの特定の値は、実際のアプリケーション・シナリオに従ってセットすることができる。加重平均がK個のマルチメディア・セグメントのマルチメディア品質に対して実行される方法について、加重平均がN個のマルチメディア・セグメントのマルチメディア品質に対して実行される前述の方法を参照されたい、すなわち、加重平均を、等しい重み値に基づいて、又はK個のマルチメディア・セグメントの各マルチメディア・セグメントのマルチメディア品質及び/又は時刻に関する重み値に基づいて、K個のマルチメディア・セグメントのマルチメディア品質に対して実行することができる。
【0084】
任意選択で、加重平均が、等しい重み値に基づいて実行される場合に、マルチメディア・シーケンスの品質を、次式(22)を使用することによって判定することができる。
【数13】
ここで、kは、マルチメディア・シーケンス内で最悪の品質を有するk番目のマルチメディア・セグメントを示し、Q
av,kは、マルチメディア・シーケンス内で最悪の品質を有するk番目のマルチメディア・セグメントのマルチメディア品質である。
【0085】
任意選択で、加重平均が、K個のマルチメディア・セグメントの各マルチメディア・セグメントのマルチメディア品質に関する重み値に基づいて実行される場合に、マルチメディア・シーケンスの品質を、次式(23)を使用することによって判定することができる。
【数14】
ここで、W
kは、マルチメディア品質に関する重み値である。
【0086】
任意選択で、加重平均が、K個のマルチメディア・セグメントの各マルチメディア・セグメントの時刻に関する重み値に基づいて実行される場合に、マルチメディア・シーケンスの品質を、次式(24)を使用することによって判定することができる。
【数15】
ここで、
【数16】
は、時刻に関する重み値である。
【0087】
任意選択で、加重平均が、K個のマルチメディア・セグメントの各マルチメディア・セグメントのマルチメディア品質及び時刻に関する重み値に基づいて実行される場合に、マルチメディア・シーケンスの品質を、次式(25)を使用することによって判定することができる。
【数17】
【0088】
したがって、本発明のこの実施形態に従ってマルチメディア品質を評価する方法は、マルチメディア・シーケンスをセグメントに分割し、その後各マルチメディア・セグメントのマルチメディア品質に従ってマルチメディア・シーケンスのマルチメディア品質を判定することとによって、人によって各マルチメディア・セグメントに払われる注意のレベルに従って、マルチメディア・シーケンスのマルチメディア品質を判定するのに便利であり、人の認知特性に一致し、マルチメディア品質の評価の正確さを高めることができる。
【0089】
本発明の実施形態では、各ステップのシーケンス番号の値が、実行順序を示さず、ステップの実行順序は、関数及びその固有の論理に従って判定されなければならず、本発明の実施形態の実施プロセスに対する限定を構成してはならないことを理解されたい。
【0090】
図1から
図5を参照すると、前述は、本発明の実施形態に従ってマルチメディア品質を評価する方法を詳細に説明する。
図6から
図9を参照して、以下では、本発明の実施形態に従ってマルチメディア品質を評価する装置を説明する。
【0091】
図6は、本発明の実施形態による、マルチメディア品質を評価する装置600の概略ブロック図である。
図6に示されているように、装置600は、
マルチメディア・シーケンスのビデオの基準品質及びビデオの最終品質とマルチメディア・シーケンスのオーディオの基準品質及びオーディオの最終品質とを入手するように構成された第1の入手モジュール610と、
第1の入手モジュール610によって入手されるビデオの基準品質及びオーディオの基準品質に従ってマルチメディア・シーケンスの基準品質を判定するように構成された基準品質判定モジュール620と、
第1の入手モジュール610によって入手されるビデオの基準品質、ビデオの最終品質、オーディオの基準品質、及びオーディオの最終品質に従ってマルチメディア・シーケンスのひずみ値を判定するように構成されたひずみ値判定モジュール630と、
基準品質判定モジュール620によって判定されるマルチメディア・シーケンスの基準品質及びひずみ値判定モジュール630によって判定されるマルチメディア・シーケンスのひずみ値に従ってマルチメディア・シーケンスのマルチメディア品質を判定するように構成されたマルチメディア品質判定モジュール640と
を含む。
【0092】
本発明のこの実施形態によるマルチメディア品質を判定する装置は、マルチメディア・シーケンスの基準品質及びマルチメディア・シーケンスのひずみ値に従ってマルチメディア・シーケンスのマルチメディア品質を判定することによって、マルチメディア・シーケンスのひずみを直接に反映することができ、人の主観的印象と一致し、したがって、マルチメディア品質を正確に効果的に評価することができる。
【0093】
本発明のこの実施形態では、
図7に示されているように、任意選択で、ひずみ値判定モジュール630は、
ビデオの基準品質及びビデオの最終品質に従ってビデオのひずみ値を判定するように構成された第1の判定ユニット631と、
オーディオの基準品質及びオーディオの最終品質に従ってオーディオのひずみ値を判定するように構成された第2の判定ユニット632と、
ビデオのひずみ値及びオーディオのひずみ値に従ってマルチメディア・シーケンスのひずみ値を判定するように構成された第3の判定ユニット633と
を含む。
【0094】
本発明のこの実施形態では、任意選択で、第3の判定ユニット633は、
ビデオの基準品質及びビデオのひずみ値に従ってビデオのひずみ係数を判定するように構成された第1の判定サブユニットと、
オーディオの基準品質及びオーディオのひずみ値に従ってオーディオのひずみ係数を判定するように構成された第2の判定サブユニットと、
ビデオのひずみ係数及びオーディオのひずみ係数に従ってマルチメディア・シーケンスのひずみ係数を判定するように構成された第3の判定サブユニットと、
マルチメディア・シーケンスの基準品質及びマルチメディア・シーケンスのひずみ係数に従ってマルチメディア・シーケンスのひずみ値を判定するように構成された第4の判定サブユニットと
を含む。
【0095】
本発明のこの実施形態では、第3の判定サブユニットは、次式に従ってマルチメディア・シーケンスのひずみ係数d
avを判定するようにさらに構成され、
【数18】
d
v及びd
aは、それぞれ、ビデオのひずみ係数及びオーディオのひずみ係数であり、a
5、a
6、及びa
7は、定数である。
【0096】
本発明のこの実施形態では、
図8に示されているように、マルチメディア品質を評価する装置600は、
マルチメディア・シーケンスのオーディオ及びビデオの非同期の影響係数を入手するように構成された第2の入手モジュール650
をさらに含む。
【0097】
マルチメディア品質判定モジュール640は、マルチメディア・シーケンスの基準品質、マルチメディア・シーケンスのひずみ値、及び第2の入手モジュール650によって入手されるマルチメディア・シーケンスのオーディオ及びビデオの非同期の影響係数に従ってマルチメディア・シーケンスのマルチメディア品質を判定するようにさらに構成される。
【0098】
本発明のこの実施形態では、マルチメディア品質判定モジュール640は、次式に従ってマルチメディア・シーケンスのマルチメディア品質Q
avを判定するようにさらに構成され、
Q
av=Q
av’−D
av・f
5(ΔT
syn)又は
Q
av=(Q
av’−D
av)・f
6(ΔT
syn)
Q
av’は、マルチメディア・シーケンスの基準品質であり、D
avは、マルチメディア・シーケンスのひずみ値であり、f
5(ΔT
syn)及びf
6(ΔT
syn)は、マルチメディア・シーケンスのオーディオ及びビデオの非同期の影響係数であり、ΔT
synは、マルチメディア・シーケンスのオーディオ及びビデオの非同期の時間差であり、より大きい|ΔT
syn|は、より大きいf
5(ΔT
syn)及びより小さいf
6(ΔT
syn)を示す。
【0099】
本発明のこの実施形態によるマルチメディア品質を評価する装置は、マルチメディア・シーケンスの基準品質及びマルチメディア・シーケンスのひずみ値に従ってマルチメディア・シーケンスのマルチメディア品質を判定することによって、マルチメディア・シーケンスのひずみを直接に反映することができ、人の主観的印象と一致し、したがって、マルチメディア品質を正確に効果的に評価することができる。
【0100】
図9は、本発明の実施形態による、マルチメディア品質を評価する装置900の概略ブロック図である。
図9に示されているように、装置900は、
マルチメディア・シーケンスをN個のマルチメディア・セグメントに分割するように構成されたセグメント化モジュール910であり、ここで、Nは、正の整数であり、Nは、2以上である、セグメント化モジュール910と、
N個のマルチメディア・セグメントの各マルチメディア・セグメントのマルチメディア品質を評価するように構成された評価モジュール920と、
N個のマルチメディア・セグメントの各マルチメディア・セグメントのマルチメディア品質に従ってマルチメディア・シーケンスのマルチメディア品質を判定するように構成された処理モジュール930と
を含む。
【0101】
本発明のこの実施形態に従ってマルチメディア品質を評価する装置は、マルチメディア・シーケンスをセグメントに分割し、各マルチメディア・セグメントのマルチメディア品質に従ってマルチメディア・シーケンスのマルチメディア品質を判定することによって、人によって各マルチメディア・セグメントに払われる注意のレベルに従って、マルチメディア・シーケンスのマルチメディア品質を判定するのに便利であり、人の認知特性に一致し、マルチメディア品質の評価の正確さを高めることができる。
【0102】
本発明のこの実施形態では、任意選択で、セグメント化モジュール910は、
持続時間に従ってマルチメディア・シーケンスをN個のマルチメディア・セグメントに分割するように構成された第1のセグメント化ユニット
を含む。
【0103】
本発明のこの実施形態では、任意選択で、セグメント化モジュール910は、
マルチメディア品質、ビデオ品質、若しくはオーディオ品質のレベルに従ってマルチメディア・シーケンスをN個のマルチメディア・セグメントに分割するように構成された第2のセグメント化ユニット
を含む。
【0104】
本発明のこの実施形態では、評価モジュール920は、
各マルチメディア・セグメントのビデオの基準品質及びビデオの最終品質と、各マルチメディア・セグメントのオーディオの基準品質及びオーディオの最終品質とを入手するように構成された第1の入手ユニットと、
ビデオの基準品質及びオーディオの基準品質に従って各マルチメディア・セグメントの基準品質を判定するように構成された基準品質判定ユニットと、
ビデオの基準品質、ビデオの最終品質、オーディオの基準品質、及びオーディオの最終品質に従って各マルチメディア・セグメントのひずみ値を判定するように構成されたひずみ値判定ユニットと、
各マルチメディア・セグメントの基準品質及び各マルチメディア・セグメントのひずみ値に従って各マルチメディア・セグメントのマルチメディア品質を判定するように構成された評価ユニットと
を含む。
【0105】
本発明のこの実施形態では、任意選択で、評価モジュール920は、
各マルチメディア・セグメントのオーディオ及びビデオの非同期の影響係数を入手するように構成された第2の入手ユニット
をさらに含む。
【0106】
評価ユニットは、各マルチメディア・セグメントの基準品質、各マルチメディア・セグメントのひずみ値、及び各マルチメディア・セグメントのオーディオ及びビデオの非同期の影響係数に従って各マルチメディア・セグメントのマルチメディア品質を判定するようにさらに構成される。
【0107】
本発明のこの実施形態では、処理モジュール930は、N個又はK個のマルチメディア・セグメントのマルチメディア品質に対して加重平均を実行することによってマルチメディア・シーケンスのマルチメディア品質を判定するようにさらに構成され、K個のマルチメディア・セグメントは、N個のマルチメディア・セグメントのうちで最悪のマルチメディア品質を有するK個のマルチメディア・セグメントであり、Kは、正の整数であり、Kは、1以上N未満である。
【0108】
本発明のこの実施形態では、任意選択で、処理モジュール930は
等しい重み値に基づき、N個又はK個のマルチメディア・セグメントのマルチメディア品質に対して加重平均を実行することによって、マルチメディア・シーケンスのマルチメディア品質を判定するように構成された第1の処理ユニット
を含む。
【0109】
本発明のこの実施形態では、任意選択で、処理モジュール930は
N個又はK個のマルチメディア・セグメントの各マルチメディア・セグメントのマルチメディア品質に関する重み値に基づき、N個又はK個のマルチメディア・セグメントのマルチメディア品質に対して加重平均を実行することによって、マルチメディア・シーケンスのマルチメディア品質を判定するように構成された第2の処理ユニット
を含む。
【0110】
本発明のこの実施形態では、任意選択で、処理モジュール930は
N個又はK個のマルチメディア・セグメントの各マルチメディア・セグメントの時刻に関する重み値に基づき、N個又はK個のマルチメディア・セグメントのマルチメディア品質に対して加重平均を実行することによって、マルチメディア・シーケンスのマルチメディア品質を判定するように構成された第3の処理ユニット
を含む。
【0111】
本発明のこの実施形態では、任意選択で、処理モジュール930は
N個又はK個のマルチメディア・セグメントの各マルチメディア・セグメントのマルチメディア品質及び時刻に関する重み値に基づき、N個又はK個のマルチメディア・セグメントのマルチメディア品質に対して加重平均を実行することによって、マルチメディア・シーケンスのマルチメディア品質を判定するように構成された第4の処理ユニット
を含む。
【0112】
本発明のこの実施形態に従ってマルチメディア品質を評価する装置は、マルチメディア・シーケンスをセグメントに分割し、各マルチメディア・セグメントのマルチメディア品質に従ってマルチメディア・シーケンスのマルチメディア品質を判定することによって、人によって各マルチメディア・セグメントに払われる注意のレベルに従って、マルチメディア・シーケンスのマルチメディア品質を判定するのに便利であり、人の認知特性に一致し、マルチメディア品質の評価の正確さを高めることができる。
【0113】
本発明のこの実施形態での用語「及び/又は」は、関連する対象を説明するために関連する関係のみを説明するものであり、3つの関係が存在する可能性があることを表すことを理解されたい。たとえば、A及び/又はBは、次の3つのケースすなわち、Aのみが存在する、AとBとの両方が存在する、及びBのみが存在するを表すことができる。さらに、本明細書での文字「/」は、一般に、関連する対象の間の「又は」の関係を示す。
【0114】
当業者は、本明細書で開示される実施形態で説明される例と組み合わせて、ユニット及びアルゴリズム・ステップを、コンピュータ・ハードウェア又はコンピュータ・ソフトウェア及び電子ハードウェアの組合せによって実施できることを認識する可能性がある。機能が、ハードウェア又はソフトウェアのどちらによって実行されるのかは、特定の応用例及び技術的解決策の設計制約条件に依存する。当業者は、特定の応用例ごとに説明される機能を実施するのに異なる方法を使用することができるが、その実施態様が本発明の範囲を超えると考えてはならない。
【0115】
便宜及び短い説明のために、前述のシステム、装置、及びユニットの詳細な動作するプロセスについて、前述の方法実施形態の対応するプロセスを参照する場合があり、詳細が本明細書でもう一度説明されることがないことを、当業者は明瞭に理解することができる。
【0116】
本願で提供される複数の実施形態で、開示されるシステム、装置、及び方法を他の形で実施できることを理解されたい。たとえば、説明される装置実施形態は、単に例示的である。たとえば、ユニット分割は、単に論理的な機能分割であり、実際の実施態様に他の分割がある可能性がある。たとえば、複数のユニット又はコンポーネントを、別のシステムに組み合わせるか一体化することができ、或いは、いくつかの特徴を無視し又は実行しないものとすることができる。さらに、表示され又は議論される相互結合又は直接結合又は通信接続を、いくつかのインターフェースを介して実施することができる。装置又はユニットの間の間接結合又は通信接続を、電子的な形、機械的な形、又は他の形で実施することができる。
【0117】
別々の部分として説明されるユニットが、物理的に別々であってもなくてもよく、ユニットとして表示される部分が、物理的なユニットであってもなくてもよく、1つの位置に配置されてもよく、或いは、複数のネットワーク・ユニット上に分散されてもよい。ユニットの一部又はすべてを、実施形態の解決策の目的を達成するための必要に応じて選択することができる。
【0118】
さらに、本発明の実施形態の機能ユニットを、1つの処理ユニットに一体化することができ、或いは、ユニットのそれぞれが、物理的に単独で存在することができ、或いは、2つ以上のユニットが、1つのユニットに一体化される。
【0119】
機能が、ソフトウェア機能ユニットの形で実施され、独立の製品として販売され又は使用されるときに、機能をコンピュータ可読記憶媒体に格納することができる。そのような理解に基づいて、本質的に、本発明の技術的解決策、又は従来技術に貢献する部分若しくは技術的解決策の一部を、ソフトウェア製品の形で実施することができる。ソフトウェア製品は、記憶媒体に格納され、本発明の実施形態で説明される方法のステップのすべて又は一部を実行するようにコンピュータ・デバイス(パーソナル・コンピュータ、サーバ、又はネットワーク・デバイスとすることができる)に指示する複数の命令を含む。前述の記憶媒体は、USBフラッシュ・ドライブ、リムーバブル・ハード・ディスク、読取り専用メモリ(ROM、Read−Only Memory)、ランダム・アクセス・メモリ(RAM、Random Access Memory)、磁気ディスク、又は光ディスクなど、プログラム・コードを格納できるいずれかの媒体を含む。
【0120】
前述の説明は、単に、本発明の特定の実施態様であるが、本発明の保護範囲を限定することは意図されていない。本発明で開示される技術範囲内で当業者が容易に想到するすべての変形又は置換は、本発明の保護範囲に含まれるものとする。したがって、本発明の保護範囲は、特許請求の範囲の保護範囲に従うものとする。