特許第6010693号(P6010693)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6010693ライン内エアの検出及び管理のための方法及び装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6010693
(24)【登録日】2016年9月23日
(45)【発行日】2016年10月19日
(54)【発明の名称】ライン内エアの検出及び管理のための方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   A61M 5/36 20060101AFI20161006BHJP
   A61M 5/142 20060101ALI20161006BHJP
【FI】
   A61M5/36 500
   A61M5/142 530
【請求項の数】17
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2015-518553(P2015-518553)
(86)(22)【出願日】2013年6月19日
(65)【公表番号】特表2015-520001(P2015-520001A)
(43)【公表日】2015年7月16日
(86)【国際出願番号】US2013046594
(87)【国際公開番号】WO2014004216
(87)【国際公開日】20140103
【審査請求日】2015年3月26日
(31)【優先権主張番号】13/531,554
(32)【優先日】2012年6月24日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】502300657
【氏名又は名称】ゼヴェクス・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100140109
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 新次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100075270
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 泰
(74)【代理人】
【識別番号】100101373
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 茂雄
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100117411
【弁理士】
【氏名又は名称】串田 幸一
(72)【発明者】
【氏名】ブラウン,アイダン
(72)【発明者】
【氏名】ジュレティック,ジェフリー・ティー
(72)【発明者】
【氏名】グプタ,ラムジ
(72)【発明者】
【氏名】マーテル,ダニエル・エイ
【審査官】 石田 宏之
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第05616124(US,A)
【文献】 特開2012−072991(JP,A)
【文献】 特開2011−177411(JP,A)
【文献】 特表2010−536497(JP,A)
【文献】 特許第4268334(JP,B2)
【文献】 特許第4574644(JP,B2)
【文献】 特開昭63−252163(JP,A)
【文献】 特開2005−046404(JP,A)
【文献】 特表平04−505412(JP,A)
【文献】 実開平02−055957(JP,U)
【文献】 特許第3506437(JP,B2)
【文献】 特表2001−517498(JP,A)
【文献】 特表2012−513285(JP,A)
【文献】 特開2005−131078(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 5/36
A61M 5/142
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
注入ポンプ(10)に接続される管(4,6,8)を通る液体流におけるライン内エア状態を検出する方法であって、
前記管(4,6,8)に沿った検知位置にライン内エアセンサ(26)を設ける工程であって、該ライン内エアセンサ(26)が、所与の時間において前記センサ(26)によって観測されたある量の流体がエアか液体かを示す信号を発生する工程と、
前記ポンプ(10)を操作して治療流量で前記流体を送達する工程と、
前記流体が前記センサ(26)を通過して流れる際の前記センサ信号をサンプリングする工程と、
前記センサ(26)が最後に液体を観測してから前記センサ(26)によって観測されたエアの総量を算出する工程と、
前記エアの総量が第1閾値を超えると、前記ポンプ(10)を操作して前記治療流量より高いボーラス流量でボーラス量の流体を送達する工程であって、前記エアの総量が前記第1閾値を超えると、前記ポンプ(10)を止める前または警報を示す前に、前記ボーラス量を前記ポンプ(10)によって自動的に送達する工程と、
前記エアの総量が前記第1閾値より高い第2閾値を超えると、前記ライン内エア状態を検出する工程であって、前記ライン内エア状態に基づいて、前記ポンプ(10)を止めるまたは前記警報を示す工程と、を含む、方法。
【請求項2】
前記ポンプ(10)を操作して、前記ボーラス量の送達後に前記治療流量より低い低流量で流体を送達する工程を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ポンプ(10)を操作して、前記ボーラス量の送達の結果、前記治療流量に対して過剰に送達された量が相殺されるまで前記低流量で流体を送達する、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記ポンプ(10)を操作して、前記過剰量が相殺された後に前記治療流量で流体を送達する工程を更に含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記ポンプ(10)が均等な時間セグメントによって操作され、前記低流量が、前記ボーラス量が送達された時間セグメントに続く複数の前記時間セグメントにわたって適用される、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記複数の時間セグメントが連続した時間セグメントである、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記複数の連続した時間セグメントが、前記ボーラス量が送達された時間セグメントの直後に続く、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記ポンプ(10)が均等な時間セグメントによって操作され、前記低流量が、前記ボーラス量が送達された時間セグメントに続く単一の時間セグメントのみに適用される、請求項3に記載の方法。
【請求項9】
前記単一の時間セグメントが、前記ボーラス量が送達された時間セグメントの直後に続く、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
配置されたライン内エアセンサ(26)の観測ゾーンから微小気泡を除去し、注入ポンプ(10)に接続される管(4,6,8)を通って流れる流体を観測する方法であって、前記ポンプ(10)が治療流量で流体を送達するようにプログラムされ、
前記センサ(26)が最後に液体を観測してから前記センサ(26)によって観測されたエアの総量を算出する工程と、
前記エアの総量が所定の閾値を超えると、前記ポンプ(10)を操作して前記治療流量より高いボーラス流量でボーラス量の流体を送達する工程と、を含み、
前記エアの総量が前記所定の閾値を超えると、前記ポンプ(10)を止める前または警報を示す前に、前記ボーラス量を前記ポンプ(10)によって自動的に送達する方法。
【請求項11】
前記注入ポンプ(10)が所定のプライミング流量を有し、該流量で前記ポンプ(10)が前記ポンプ(10)のプライミングのために操作され、前記ボーラス流量が前記プライミング流量と実質的に等しい、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
ポンピング機構(14,20,36)に接続される管(4,6,8)を通って流体を流すように動作するポンピング機構(14,20,36)であって、モータと、該モータに通電するためのモータ制御装置と、を備えるポンピング機構(14,20,36)と、
前記管(4,6,8)を通って流れる流体を観測するために前記管(4,6,8)に沿った検知位置において配置されるライン内エアセンサ(26)であって、所与の時間において前記センサ(26)によって観測されたある量の流体がエアか液体かを示す信号を発生するライン内エアセンサ(26)と、
メモリモジュール(38)と、
該メモリモジュール(38)、前記ポンピング機構(14,20,36)、及び前記ライン内エアセンサ(26)に接続されるマイクロプロセッサ(30)と、を備える注入ポンプ(10)であって、該マイクロプロセッサ(30)が、前記ポンピング機構(14,20,36)に治療流量で流体を送達させる命令をプログラム可能であり、
前記メモリモジュール(38)が、前記管(4,6,8)を通って流れる連続量のエアが所定の第1量閾値を超えることを示す前記ライン内エアセンサ(26)からの信号に応えて、前記治療流量を超えるボーラス流量でのボーラス量の流体の送達を、前記マイクロプロセッサ(30)によって前記ポンピング機構(14,20,36)に命令させるプログラミング命令を記憶し、
前記ポンプ(10)を止める前または警報を示す前に、前記ボーラス量を前記ポンプ(10)によって自動的に送達し、
前記メモリモジュール(38)が、前記管(4,6,8)を通って流れる連続量のエアが前記第1量閾値より高い所定の第2量閾値を超えることを示す前記ライン内エアセンサ(26)からの信号に応えて、前記マイクロプロセッサ(30)によってライン内エア警報状態を示させるプログラミング命令を記憶し、前記ライン内エア警報状態を示す時に、前記マイクロプロセッサ(30)は前記ポンプ(10)を止めることまたは前記警報を示すことを命令する、注入ポンプ。
【請求項13】
前記メモリモジュール(38)が、前記マイクロプロセッサ(30)によって、前記ライン内エアセンサ(26)からの信号を評価してエアと微小気泡を含む液体を区別させるプログラミング命令を記憶する、請求項12に記載の注入ポンプ。
【請求項14】
前記メモリモジュール(38)が、前記ボーラス量の送達の結果前記治療流量に対して過剰に送達された量が相殺されるまで、前記マイクロプロセッサ(30)によって、前記ボーラス量の送達後に前記治療流量より低い低流量で流体を送達させるよう前記ポンピング機構(14,20,36)に命令されるプログラミング命令を記憶する、請求項12に記載の注入ポンプ。
【請求項15】
前記低流量が前記治療流量の所定の割合である、請求項14に記載の注入ポンプ。
【請求項16】
前記所定の割合が50%である、請求項15に記載の注入ポンプ。
【請求項17】
前記メモリモジュール(38)が、前記マイクロプロセッサ(30)によって、前記過剰量が相殺された後に前記治療流量で流体を送達させるよう前記ポンピング機構(14,20,36)に命令されるプログラミング命令を記憶する、請求項14に記載の注入ポンプ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療用注入ポンプの分野、より詳細には医療用注入ポンプのためのライン内エア検知及び管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
所定の液体送達パラメータに従って、患者に栄養液及び薬剤を送達するためのプログラム可能な注入ポンプは、広く使用されている。注入ポンプの1つの種類は、液体源から患者へ液体を運ぶ、可撓性の連結管に沿って配置される、蠕動ポンプである。蠕動ポンプは、管の連続部分を進行的に圧搾して、流体を患者へ向かう流動方向に管を通して流動させるための、ポンピング機構を有する。一般的な配置では、ポンピング機構は、モータ駆動ホイールを含み、これは、このホイールの周囲部分の周りに配置される管のセグメントに係合する、放射状のフィンガ又はローラを有する。ホイールが回転するにつれ、流体は、管を通って患者へポンプ注入される。ポンプホイールの周りに配置される管セグメントは、ポンプのチャネル又は収容部領域での受容のために設計されるカセットにより、U形構成に保持されてもよい。カセットは、液体源から来る管の引込線及び患者へ行く管の引出線を、ポンプにより受容されるU形管セグメントの反対端へ接続するための終点を提供してもよい。
【0003】
経腸栄養用栄養液又は静脈内治療用薬液のポンプ注入時に認識されている安全性に対する懸念点は、患者内にポンプ注入されている液体中の気泡形成である。安全対策として、注入ポンプに、ライン内エア状態を検出して警報を鳴らすライン内エアセンサを設けることが知られている。例えば、ライン内エアセンサは、管を通して超音波を方向付けるように配置される超音波発信装置と、管及びこれによって運ばれる流体を通過した後の超音波を受信するための、発信装置から管を経て反対側にある受信装置と、を備える場合がある。受信装置は、超音波信号が、発信装置から受信装置まで伝わる際に液体又はエアを通過したかどうかを示す出力信号を発生する。
【0004】
センサの測定ゾーンを通過する各増分量の流体を観察するために、ライン内エアセンサの出力が、流体が管を通ってポンプ輸送されている間に定期的にサンプリングされる。既知の気泡検出アルゴリズムでは、一連の連続したセンサ読み取り値が、所定量の液体(例えば、0.375ミリリットル)が存在しない状態で、所定量のエア(例えば、1.5ミリリットル)がセンサを通過したことを示すと、ライン内エア警報状態が検出される。
【0005】
栄養液を含む食品ボトルを勢いよく振って内容物を混合すると起こる問題が、特定されている。このような場合、ライン内エアセンサの下流側で微小気泡がまとまることがあり、結局ライン内エア警報を引き起こす場合がある。ポンプによる流体の送達は、別個の時間セグメントにおいて実施されてよく、この間、ポンプのモータが事実上動作して時間セグメントのごく一部のみでポンプ注入が行われ、残りの時間セグメントについては動作していない。重力によって、振り混ぜに起因するエアの微小気泡が上流に浮かんでライン内エアセンサの場所で集まることがあり、「誤」警報を鳴らすであろうライン内エア状態の検出をもたらす可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
好ましくはポンプ装置又はセンサ装置を変更せずに、この種の誤警報を防ぐニーズが存在する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記問題に取り組み、他の重要な考慮すべき事柄に最適化されているポンプ装置又はセンサ装置に対して変更なくそれに取り組む。
【0008】
一態様では、本発明は、注入ポンプに接続される管を通る液体流におけるライン内エア状態を検出する方法を提供する。この方法は、概して、(i)管に沿った検知位置にライン内エアセンサを設ける工程であって、ライン内エアセンサが、所与の時間においてセンサによって観測されたある量の流体がエアか液体かを示す信号を発生する工程と、(ii)ポンプを操作して治療流量で流体を送達する工程と、(iii)流体がセンサを通過して流れる際のセンサ信号をサンプリングする工程と、(iv)センサが最後に液体を観測してからセンサによって観測されたエアの総量を算出する工程と、(v)エアの総量が第1閾値を超えると、ポンプを操作して治療流量より高いボーラス流量でボーラス量の流体を送達する工程と、(vi)エアの総量が第1閾値より高い第2閾値を超えると、ライン内エア状態を検出する工程と、を含む。上記方法では、工程(v)におけるボーラス送達は、多くの場合、警報を必要とするライン内エア状態を避けるために蓄積された気泡を除去するのに有効である。
【0009】
上で概要を示した方法は更に、ボーラス量によって送達された過剰量を相殺するために、ポンプを操作してボーラス量の送達後に治療流量より低い低流量で送達する工程を含んでよい。ポンプは、ボーラス量の送達の結果、治療流量に対して過剰に送達された量が相殺されるまで低流量で操作され、その後、治療流量においてプログラムされた治療を再開してよい。
【0010】
別の態様では、本発明は、配置されたライン内エアセンサの観測ゾーンから微小気泡を除去し、注入ポンプに接続される管を通って流れる流体を観測する方法を提供する。この方法は、概して、(i)センサが最後に液体を観測してからセンサによって観測されたエアの総量を算出する工程と、(ii)エアの総量が所定の閾値を超えると、ポンプを操作してプログラムされた治療流量より高いボーラス流量でボーラス量の流体を送達する工程と、を含む。ボーラス流量は、ポンプのプライミングに使用されるプライミング流量と実質的に等しくてよい。
【0011】
別の態様では、本発明は、(i)ポンピング機構に接続される管を通って流体を流すように動作するポンピング機構であって、モータと、モータに通電するためのモータ制御装置と、を備えるポンピング機構と、(ii)管を通って流れる流体を観測するために管に沿った検知位置において配置されるライン内エアセンサであって、所与の時間においてセンサによって観測されたある量の流体がエアか液体かを示す信号を発生するライン内エアセンサと、(iii)メモリモジュールと、(iv)メモリモジュール、ポンピング機構、及びライン内エアセンサに接続されるマイクロプロセッサと、を概して備え、マイクロプロセッサが、ポンピング機構に治療流量で流体を送達させる命令をプログラム可能であり、メモリモジュールが、管を通って流れる連続量のエアが所定の第1量閾値を超えることを示すライン内エアセンサからの信号に応えて、治療流量を超えるボーラス流量でのボーラス量の流体の送達を、マイクロプロセッサによってポンピング機構に命令させるプログラミング命令を記憶する、注入ポンプを包含する。
【0012】
メモリモジュールは、管を通って流れる連続量のエアが第1量閾値より高い所定の第2量閾値を超えることを示すライン内エアセンサからの信号に応えて、マイクロプロセッサによってライン内エア警報状態を示させるプログラミング命令も記憶してよい。
【0013】
ボーラスで送達された過剰量を相殺するため、メモリモジュールは、マイクロプロセッサによって、ボーラス量の送達後に治療流量より低い低流量で流体を送達させるようポンピング機構に命令させるプログラミング命令を記憶してよい。低流量は、治療流量の所定の割合、例えば50%であってよい。また、メモリモジュールは、マイクロプロセッサによって、過剰量の相殺の完了後に治療流量で流体を送達させるようポンピング機構から命令させる更なるプログラミング命令を記憶してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0014】
本発明は、以下の図面を参照して、以下に詳細に説明される。
図1】本発明の実施形態に従って形成される注入ポンプの模式図であり、基本的な動作を例示するために、カセット及び管は、ポンプ内に据付けられて示される。
図2図1で示される注入ポンプの電子ブロック図である。
図3A】本発明の実施形態に従って、治療中に注入ポンプのライン内エアセンサを監視し、ライン内エア状態を検出する方法を示すフローチャートである。
図3B】本発明の実施形態に従って、治療中に注入ポンプのライン内エアセンサを監視し、ライン内エア状態を検出する方法を示すフローチャートである。
図3C】本発明の実施形態に従って、治療中に注入ポンプのライン内エアセンサを監視し、ライン内エア状態を検出する方法を示すフローチャートである。
図4】本発明の実施形態に従って、ライン内エアセンサによって観測されるある量の流体がエアか液体かを判定する微小気泡検出ルーチンのフローチャートである。
図5】本発明の実施形態に従って、ポンプによって実行されるボーラス相殺論理を示すフローチャートである。
図6A】本発明の代表的な実施形態に従って、ライン内エアセンサゾーンから微小気泡を除くためにボーラスが送達され、引き続いて相殺される様々な状態における、モータ速度対時間を示すグラフである。
図6B】本発明の代表的な実施形態に従って、ライン内エアセンサゾーンから微小気泡を除くためにボーラスが送達され、引き続いて相殺される様々な状態における、モータ速度対時間を示すグラフである。
図6C】本発明の代表的な実施形態に従って、ライン内エアセンサゾーンから微小気泡を除くためにボーラスが送達され、引き続いて相殺される様々な状態における、モータ速度対時間を示すグラフである。
図6D】本発明の代表的な実施形態に従って、ライン内エアセンサゾーンから微小気泡を除くためにボーラスが送達され、引き続いて相殺される様々な状態における、モータ速度対時間を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1及び2は、本発明を具体化するプログラム可能な注入ポンプ10を模式的に描写する。注入ポンプ10は、ハウジング12と、ハウジングの外面上のポンプホイール又はロータ14及びカセット収容部16と、カセット収容部及びポンプホイール上で開閉するようにハウジングに接続されるドア18と、を含む。図1で示されるように、投与セットは、流体源から患者に流体を運ぶためのポンプに関連付けて据付けてもよい。投与セットは、流体源からポンプに延びる上流管4と、ポンプから患者に延びる下流管8と、カセット収容部16中に受容されるカセット5と、ポンプホイール14の周りに配置されるU形管セグメント6と、を含んでよい。カセット5は、上流管4を管セグメント6の上流末端に、並びに下流管8を管セグメント6の下流末端に接続するための接続終点5U及び5Dで構成され、上流管からポンプを通る下流管への流路を完成する。
【0016】
ポンプホイール14は、管を通る流体流動を意図された流動方向に引き起こすように動作するポンピング機構の部分である。ポンピング機構は、ポンプホイール14に接続され、ポンプホイールをその軸の周りで回転させるように動作する電子モータ20を更に含む。ポンプホイール14は、ホイールの周囲部分の周りに配置された管セグメント6に係合する放射状フィンガ又はローラ(図示せず)を有する。ポンプホイール14が回転するとき、管セグメント6の連続部分が進行的に圧搾され、患者へ向かう流動方向に、管を通って、流体を流動させる。注入される流体の流量は、モータ20が駆動される速度、及び/又はモータ20が所与の速度で駆動される時間の長さを制御することによって調節できる。当業者は、上に記載される蠕動ポンピング機構の変形が可能であることを理解するであろう。例えば、モータ20は、並べて配置された1連の並列フィンガ又はローラに接続されたカム部材を駆動することができ、それにより、蠕動ポンピング作用は、図1で示されるように、管の湾曲したセグメントの代わりに管の直線のセグメントに適用される。本発明は、特定のポンピング機構構成に限定されない。
【0017】
注入ポンプ10には、ポンピングホイール14から上流の管セグメント6に沿った場所の上流閉塞センサ22、及びポンピングホイール14から下流の管セグメント6に沿った場所の下流閉塞センサ24が提供されてよい。上流センサ22及び下流センサ24は各々、管内のそれぞれの局所流圧を示す、それぞれのセンサ信号を提供する。例えば、上流及び下流センサ22、24は、管内で流圧により引き起こされる可撓性の管壁のたわみを検出し、このたわみに比例した電子信号を提供するための、管セグメント6の外壁に係合するように配置される、変換器又は歪みゲージであってよい。
【0018】
注入ポンプ10は更に、所与の時間においてセンサによって観測されたある量の流体がエアか液体かを検出するライン内エアセンサ26を備える。本実施形態では、ライン内エアセンサ26は、管セグメント6の部分を横切って互いに反対側にある1対の圧電セラミック素子26A及び26Bを含む、超音波変換器を備えてよい。1つのセラミック素子26Aは、周波数範囲内の共振を通って掃引する周波数において、マイクロプロセッサ30によって駆動される。超音波エネルギーは、素子26Aによって伝送されて管の一方の側に入り、エネルギーの一部は反対側の素子26Bによって受信される。液体が管中に存在する場合、素子26Bによって受信された超音波エネルギーは、プリセットされたコンパレータ閾値より大きくなり、続いて論理レベルを「高」に変換する。エアが管中に存在する場合、超音波エネルギーの伝搬用媒体の密度は低く、素子26Bによって生じる信号が閾値以下に減じられ、論理レベルを「低」に変換する。したがって、今記載した実施形態では、素子26Bによって受信された超音波エネルギーの振幅は、管の中の液体とエアとの間の差を判定する主要原理である。管は、ライン内エアセンサ素子26A及び26Bに乾燥連結されてよく、すなわち、センサ配置に超音波ゲルの使用を必要としない。
【0019】
図2中に見られるように、注入ポンプ10は、ユーザが、患者に送達されるべき液体の量及びこの液体が送達されるべき速度を判断する注入治療プロトコルを選択し、及び/又は作り出し、その後稼働させることを可能にするように構成される。注入ポンプ10は、キーパッド、スイッチ、及びダイヤル制御器等の、入力装置を有するユーザインターフェース32に接続されるマイクロプロセッサ30を含む。注入ポンプ10は、マイクロプロセッサ30に接続されたディスプレイ34もまた含む。ディスプレイ34は、時にはユーザインターフェース32の部分として作用する、タッチスクリーンディスプレイであってよい。マイクロプロセッサ30は、選択された治療プロトコルを管理するように、電動モータ20を駆動するためのモータ制御装置36に接続される。ポンプ動作を制御するためにマイクロプロセッサにより実行される命令を記憶するための1つ以上のメモリモジュール38は、マイクロプロセッサ30に接続されるか、又はこれと一体化される。記憶された命令は、ソフトウェアルーチンで組織化されてもよい。記憶されたソフトウェアルーチンは、存在し得る微小気泡を検出し、ボーラス放出によってこれらの除去を試み、ボーラスによって送達された過剰の流体を相殺して、プログラムされた治療送達速度を達成するルーチンである。これらのルーチンは、以下に詳細に説明される。本発明の目的において、マイクロプロセッサ30は、ライン内エアセンサ26からの信号を受信する。マイクロプロセッサ30は上流閉塞センサ22及び下流閉塞センサ24にも接続される。閉塞センサからのアナログ電圧信号を、マイクロプロセッサ30によって利用されるデジタル形式に変換するアナログデジタル変換回路23が示されるが、別の形式の閉塞センサ及びマイクロプロセッサインターフェイスを使用してもよい。注入ポンプ10は、マイクロプロセッサ30に接続される、可聴信号生成器35もまた含んでよい。
【0020】
本発明の実施形態では、流体送達は、規則的時間セグメント、例えば1分間セグメントで実行される。治療流量は、0.1ミリリットル/時間(mL/hr)〜400mL/hrの範囲内で選択されてよい。モータ20は、所与の回転速度、例えば40rpmで操作されてよい。例として、各モータ回転は、12段階の徐々に増える回転モータ、つまり「目盛り」から構成されてよく、ここで流体送達を分解すると1目盛りあたり18マイクロリットルである。したがって、1ミリリットルの流体をポンプ注入するのに約56回の目盛りが必要とされる。選択した治療速度が60mL/hrの場合、各1分間セグメント間に平均1ミリリットルがポンプ注入されなくてはならない。全1分間セグメントについてモータを40rpmで操作すると仮定すると、480回の目盛りとなり、選択した流量に対して過剰量の流体が送達される。結果的に、1ミリリットルを送達するのに必要な各時間セグメント部分のみ動作し、残りの時間セグメントは動作しないようにモータを制御できる。この例では、1ミリリットルは約56回の目盛りで送達され、これはモータ速度40rpmにおいて約7秒に相当する。時間セグメントの残りの53秒間にモータは動作していない。理解され得るように、治療送達速度は、各時間セグメント中のモータが動作している長さを変更することによって、モータ速度(rpm)を変えずに調整できる。
【0021】
以下に詳細に示すように、本発明は、ライン内エアが第1閾値を超えた場合に、より高い流量の流体ボーラスが命令されて送達され、選択した治療流量に対して流量を一時的に低下させることによって、ボーラスによって送達された過剰の流体を相殺する方法によって具体化される。本発明の実施形態では、ボーラスは、ポンプのプライミング流量(例えば700mL/hr)で送達される流体1.0ミリリットルであってよく、これは、治療に対して選択可能な最大流量より高い。当然のことながら、本発明から逸脱せずに、他のボーラス量及びボーラス流量を使用できる。
【0022】
ここで、本発明の実施形態に従って、ポンプに記憶され実行されるソフトウェアルーチンによって実施されるライン内エア検出論理の概略を示す、図3A〜3Cを参照する。示される実施形態では、ライン内エアセンサ26は、ブロック120でサンプリングされる。上記のように、ライン内エアセンサ26は、センサがエア又は液体のいずれかを観測したことを示す、デジタル信号をもたらす。ブロック122では、非常に小さい気泡を無視する論理を含む、微小気泡ルーチンが呼び出される。微小気泡ルーチンの様式は、図4を参照して以下に詳細に説明される。センサ26によって観測された増分量の流体がエアである場合、判断ブロック124からブロック126、128、及び130に流れる。ブロック126では、センサ26が最後にエアを観測してから観測された液体の総量を追跡する変数VOL_LIQを、ゼロに設定する。ブロック128では、センサ26が連続閾値量の液体(例えば0.375mL)を最後に観測してから観測したエアの総量を追跡する変数VOL_AIRは、ポンプモータ20の徐々に増える1段階、つまり「目盛り」ずつセンサ26を通過する量に相当する、追加の増分量VOL_INCずつ増える。例として、現在のポンプ実施形態では、増分量は約18マイクロリットルである。したがって、サンプリングされたセンサ信号がエアを示す場合、この例では、VOL_AIRは18マイクロリットルずつ増加する。判断ブロック130は、VOL_AIRが第1の所定の閾値、例えば1.0ミリリットルを超えるかどうかを確認する。超えない場合、フローは元に戻り、ライン内エアセンサ26によって次にサンプリングされた値を処理する。
【0023】
判断ブロック124に戻り、センサ26によって観測された増分量の流体がエアの代わりに液体である場合、ブロック132に従って、VOL_LIQはVOL_INCずつ増加する。判断ブロック134は、VOL_LIQが、本実施形態では0.375mLである所定の閾値を超えるかどうかを判定する。超える場合、ブロック136においてVOL_AIRがゼロに設定され、その後フローは元に戻り、ライン内エアセンサ26によって次にサンプリングされた値を処理する。超えない場合、判断ブロック134はブロック136を迂回する。
【0024】
判断ブロック130が、VOL_AIRが第1閾値である1.0ミリリットルを超えると判断する場合、蓄積されたエアが、センサ26の場所で集まる微小気泡によるものである場合にライン内エア警報状態となることを避けるため、本発明の工夫に満ちた手法が用いられる。より詳細には、エアの総連続量が第1閾値を超えると、ポンプは、センサから離れる方向に微小気泡を除去するために、治療流量より高いボーラス流量でボーラス量の流体を送達するように命令される。図3Bの判断ブロック138は、現在ボーラスが送達されているかどうかを示すブール変数bBOL_ACTIVEの値を確認する。送達されていない場合、フローはブロック140に移動してbBOL_ACTIVEの値をTrueに設定し、その後ブロック142に移動してボーラス送達を開始する。ボーラスが開始されると、フローはブロック120に戻る。
【0025】
判断ブロック138がbBOL_ACTIVEをTrueであると判定する場合は、ボーラス送達が既に命令されたことを意味する。このような場合、判断ブロック144は、VOL_AIRが第2の所定の閾値、例えば1.5ミリリットルを超えるかどうかを確認する。第2閾値を超える場合、送達されたボーラスはライン内エアを除去できなかった。その結果、ブロック150において警報状態が示され、ブロック152でポンピングが止まる。VOL_AIRが第2閾値を超えない場合、判断ブロック144はブロック146に直接流れ、ボーラス量を追跡する変数VOL_BOLを増やす。この例示的実施形態では、ボーラス量1.0ミリリットルが使用される。したがって、ボーラスで送達された流体が1.0ミリリットルに達するまで、判断ブロック148はブロック120に戻り、ここで判断ブロック148は、図3Cのブロック154に進む。ブロック154では、ブール変数bBOL_ACTIVEの値がFalseに設定され、この時点でボーラス送達が完了する。
【0026】
次にブール変数bBOL_COMPの値が判断ブロック156で確認される。bBOL_COMPの値は、ボーラス相殺が実行中かどうかを示す。bBOL_COMPの値がFalseである場合、フローはブロック158に向かい、bBOL_COMPの値をTrueに設定してから、ブロック160に進み、ボーラス相殺を開始する。本発明を具体化するボーラス相殺スキームは、図5及び6A〜6Dを参照して後ほど説明する。判断ブロック156においてbBOL_COMPの値がTrueである場合、フローは判断ブロック162に枝分れし、ボーラス相殺が完了したかどうか確認する。完了した場合、ブロック164において、ポンプは治療のために選択された元のポンピング速度に戻る。
【0027】
最後に、判断ブロック166は、プログラムされた治療が終了したかどうかを評価する。終了していない場合、フローは図3Aのブロック120に戻る。
【0028】
上記のように、微小気泡ルーチンは、ブロック122で実行され、気泡に対応できる。栄養液の容器等の液体源を勢いよく振盪して内容物を混合する場合に気泡が形成され得る。本発明の実践に好適な微小気泡ルーチンを図4に示す。ルーチンは、現在のポンプ目盛りによって移動され、センサ26によって観測される、サンプリングされた増分量の流体における、それぞれエア量及び液体量を表す入力値AIRIN及びLIQINを受け入れることができる。各モータ目盛りが約18マイクロリットルに相当するこの例では、AIRINは、ライン内エアセンサ26がエアを観測した場合は18マイクロリットルの値、又は、ライン内エアセンサ26が液体を観測した場合はゼロの値のいずれかを有する。反対に、LIQINは、ライン内エアセンサ26がエアを観測した場合はゼロ、ライン内エアセンサ26が液体を観測した場合は18マイクロリットルのいずれかの値を有する。
【0029】
微小気泡ルーチンは、出力値AIROUT及びLIQOUTを返す。このルーチンは、非ゼロ値であるAIROUTを返す前に、所定の閾値量に達するまで、エアの連続出現を探すように設計される。この実施形態では、AIROUT値は、ルーチンを4回連続して呼び出すことでAIRINがエアを示すまでゼロに保持され、この4回の時点で、センサ読み取り値は、単に気泡を示すだけではなく、ライン内エア警報起動の可能性となる実際の気泡を示すと見なされる。この時点で、4つの読み取り値は単一のAIROUT値(例えば72マイクロリットル)に累積される。したがって、AIROUTの値は、顕著な量のエアが検出されると、最初にゼロから分解量の4倍(例えば72マイクロリットル)に跳ねあがる。この閾値に達すると、一連の連続したエア読み取り値が液体読み取り値によって中断されるまで、後続のルーチン呼び出しにおいてAIROUTはAIRINに設定される。AIRINの連続値が、4回の連続した非ゼロ値に達することなく、ゼロと非ゼロ値(例えば18マイクロリットル)との間で変動する場合、気泡が存在することを示し、AIRIN値は無視される。LIQIN値がゼロを超える場合、LIQOUT値はLIQIN値と等しく設定される。認識され得るように、微小気泡ルーチンは、泡を示す小さい気泡を無視することによって誤ったライン内エア警報の減少に役立つ。
【0030】
微小気泡ルーチンの実施形態が図4に示される。示される微小気泡ルーチンの最初のブロック200は、AIROUT及びLIQOUTの値をゼロに設定する。判断ブロック202は、AIRINの値を確認する。AIRIN値がゼロを超える(例えば18マイクロリットル)場合、センサ26は、サンプリングされた増分量中に液体ではなくエアを認め、フローを判断ブロック204に進める。判断ブロック204では、変数LASTAIROUTの値をゼロと比較する。LASTAIROUTは、以前に呼び出した微小気泡ルーチンから得られたAIROUT値を記憶する。そのため、判断ブロック204は、以前のルーチン呼び出しによってエアが見つかったかどうかを判定する。エアが以前の呼び出しにおいて見られた場合、フローはブロック206に枝分れし、ここでAIROUT値はAIRIN値と等しく設定される。言い換えれば、以前にエアが見つかった場合、ルーチンはエアの計数を維持する。
【0031】
判断ブロック204においてLASTAIROUTがゼロに等しい場合、フローはブロック208に向かって変数BUBBLE値を設定し、これによってルーチンの連続呼び出しを通して気泡量を蓄積する。ブロック208は、AIRINによってBUBBLE値を増やす。判断ブロック210は、BUBBLEを所定の閾値量と比較する。この例では、閾値量は55マイクロリットルであるが、別の閾値量を選択してもよい。理解され得るように、18マイクロリットルであるエア読み取り値が4回連続することが、BUBBLE値が55マイクロリットルである閾値量を超えるのに必要とされる。閾値に達しなかった場合、フローはブロック212及び214を迂回し、AIROUT値はゼロのままである。しかし、判断ブロック210において閾値に達したことが分かった場合、ブロック212はAIROUT値をBUBBLE値と等しく設定し、ブロック214はBUBBLE値をゼロにリセットする。
【0032】
ここで判断ブロック202に再度注目する。センサ26がエアの代わりに液体を認識する場合、AIRINはゼロに等しくなり、判断ブロック202は、ブロック216及び218の方向に流れる。ブロック216はBUBBLE値をゼロにリセットし、ブロック218はLIQOUT値をLIQIN値と等しく設定する。
【0033】
論理フローの経路に関わらず、フローはブロック220に到達し、ここでLASTAIROUT値はAIROUTに等しく設定され、その後ルーチンは、AIROUT値及びLIQOUTを呼び出しプログラムに返す。
【0034】
ここで、本発明の実施形態によるボーラス相殺の説明が、図5及び6A〜6Dを参照して示される。図3Bのブロック142に従ってポンプによってボーラスが送達されると、後続のポンプ制御及び操作を調整し、ボーラスで「予定より早く」送達された過剰の流体を相殺する必要がある。ポンプによって実行されるボーラス相殺論理の代表的な実施形態を図5に示す。ブロック300では、ボーラスが送達される時間セグメントにおいて送達された過剰の流体量の算出が行われる。場合によっては、ボーラスは、過剰量がゼロになるように、プログラムされた治療での規定のセグメント量の範囲内で送達されてよい。これらの場合、相殺する必要はない。したがって、最初の判断ブロック302は、算出された過剰量がゼロを超えるかどうかを確認し、超えない場合、ボーラス相殺は完全に迂回される。過剰量の算出の結果ゼロを超える量である場合、フローはブロック304に進み、ここで規定のセグメント量の割合としてボーラス量の算出が行われる。その後、判断ブロック306は、ブロック304で算出されたボーラス割合が所定の閾値割合、例えば25%を超えるかどうかに基づいて、フローを枝分れさせる。超えない場合、フローはブロック308に枝分れし、次のセグメント量はブロック300で算出された過剰量まで減少する。言い換えれば、ボーラス相殺全体が、ボーラス送達セグメントの直後のセグメントにおいて達成される。判断ブロック306が、ボーラス割合が所定の閾値割合(例えば25%)を超えると判定した場合、過剰のボーラスの相殺は、減少ルールを実行することによって複数の後続セグメントに及ぶ。例えば、次のセグメントで送達される量は、ブロック310に示されるように、50%又はその他何らかの割合まで減少する。判断ブロック312によって確認されるように、減少ルールは、過剰量が相殺されるまで連続セグメントにおいて実行される。
【0035】
図6A〜6Dは、実際のポンピング状態下においてボーラス相殺論理をどのように機能させるかについての4つの例を提供する。図6Aでは、ポンプの治療流量は、60ミリリットル/時間未満に選択されると考えられる。流体送達は1分間セグメントで予定され、ここでブロック402は規定の治療セグメント中のモータ動作時間を示す。次のセグメントでは、予定されたポンピング時間404が約半分終了した時点で、ブロック400で示されるようなボーラス送達が起こる。示され得るように、モータ速度は、規定の治療送達中に使用されるモータ速度と比較して、ボーラス送達中に増加し、ボーラス量が短時間で送達されるように、選択可能な最大治療流量を上回る高流量を達成する。ボーラスによって送達される量(例えば1.0ミリリットル)は、規定の治療流量(治療流量が60ミリリットル/時間であると仮定すれば、1.0ミリリットル未満)でのセグメント中に送達され得る量の25%を超える。結果的に、図5の論理下において、後続セグメント中にポンプ注入される量は、ボーラスによって送達された過剰量が相殺されるまで、規定のセグメント量に対して50%まで減少し、このことは、ブロック402ほど幅広くないブロック406及び408において見られ、これらのセグメントにおいてポンプ動作時間が短くなっていることを示す。警報が避けられた場合、相殺が完了すると、セグメントは選択した治療用ポンピング速度(例えば、ブロック402)に戻る。
【0036】
図6Bは、選択した治療流量が60ミリリットル/時間を超え、ボーラス400がセグメント内で比較的早期に送達される状況を示す。この場合、ボーラス量全体がセグメント量の範囲内で送達され、選択した治療流量において、セグメント中に送達された総量が、既に予定された量(ブロック414)に等しくなるようにする。この状況では、相殺は不要であり、図5の論理は相殺を迂回する。結果的に、ブロック412、416、及び418は同一であり、治療流量に相当する。
【0037】
図6Cは、図6Aと類似するが、治療流量が150ミリリットル/時間を超える状況を示す。ブロック422とブロック402とを比較して、ブロック422に関連するセグメント中でより長い時間、モータが動作したまま維持されることに気づくと、治療速度の高さが理解され得る。ボーラス400は、予定されたブロック424中に送達される。より高い流量であるのにも関わらず、ボーラス量は予定されたセグメント量の25%を更に超え、そのため後続セグメントは、過剰量の相殺が完了するまで、50%の量が減少される。この減少は、ブロック422に対して、短い時間のブロック426及び428において見られる。治療流量が高くなると、相殺の完了に要する時間は短くなる。
【0038】
図6Dは、治療流量が240ミリリットル/時間を超える状況を示す。ブロック432の幅で示されるように、各セグメント中、より長い時間でモータが動作したまま維持され、治療流量に達する。ボーラス400は、動作中のポンピング時間434の終了付近で引き起こされる。この場合、選択した治療速度(治療流量が240ミリリットル/時間であると仮定すれば、4.0ミリリットル超)下で送達されるボーラス量(例えば1.0ミリリットル)は、セグメント量の25%未満である。ここでブロック436に示されるように、図5の論理は次のセグメントのボーラス量全体を減少させ、1つのセグメント以内で相殺を完全に達成する。ブロック438は治療流量に従って予定されたセグメント量に相当し、ブロック438はブロック432と同一である。
【0039】
本発明は、方法、及びこの方法を実施するプログラムされたポンプ装置として具体化される。本発明の方法及びポンプ装置の例示的実施形態が、本明細書で詳細に説明されるが、しかしながら、当業者は、付属の請求項により定義されるように、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、修正を行うことができることを認識するであろう。
以上説明したように、本発明は以下の形態を有する。
[形態1]
注入ポンプに接続される管を通る液体流におけるライン内エア状態を検出する方法であって、
前記管に沿った検知位置にライン内エアセンサを設ける工程であって、該ライン内エアセンサが、所与の時間において前記センサによって観測されたある量の流体がエアか液体かを示す信号を発生する工程と、
前記ポンプを操作して治療流量で前記流体を送達する工程と、
前記流体が前記センサを通過して流れる際の前記センサ信号をサンプリングする工程と、
前記センサが最後に液体を観測してから前記センサによって観測されたエアの総量を算出する工程と、
前記エアの総量が第1閾値を超えると、前記ポンプを操作して前記治療流量より高いボーラス流量でボーラス量の流体を送達する工程と、
前記エアの総量が前記第1閾値より高い第2閾値を超えると、前記ライン内エア状態を検出する工程と、を含む、方法。
[形態2]
前記ポンプを操作して、前記ボーラス量の送達後に前記治療流量より低い低流量で流体を送達する工程を更に含む、形態1に記載の方法。
[形態3]
前記ポンプを操作して、前記ボーラス量の送達の結果、前記治療流量に対して過剰に送達された量が相殺されるまで前記低流量で流体を送達する、形態2に記載の方法。
[形態4]
前記ポンプを操作して、前記過剰量が相殺された後に前記治療流量で流体を送達する工程を更に含む、形態3に記載の方法。
[形態5]
前記ポンプが均等な時間セグメントによって操作され、前記低流量が、前記ボーラス量が送達された時間セグメントに続く複数の前記時間セグメントにわたって適用される、形態3に記載の方法。
[形態6]
前記複数の時間セグメントが連続した時間セグメントである、形態5に記載の方法。
[形態7]
前記複数の連続した時間セグメントが、前記ボーラス量が送達された時間セグメントの直後に続く、形態6に記載の方法。
[形態8]
前記ポンプが均等な時間セグメントによって操作され、前記低流量が、前記ボーラス量が送達された時間セグメントに続く単一の時間セグメントのみに適用される、形態3に記載の方法。
[形態9]
前記単一の時間セグメントが、前記ボーラス量が送達された時間セグメントの直後に続く、形態8に記載の方法。
[形態10]
配置されたライン内エアセンサの観測ゾーンから微小気泡を除去し、注入ポンプに接続される管を通って流れる流体を観測する方法であって、前記ポンプが治療流量で流体を送達するようにプログラムされ、
前記センサが最後に液体を観測してから前記センサによって観測されたエアの総量を算出する工程と、
前記エアの総量が所定の閾値を超えると、前記ポンプを操作して前記治療流量より高いボーラス流量でボーラス量の流体を送達する工程と、を含む、方法。
[形態11]
前記注入ポンプが所定のプライミング流量を有し、該流量で前記ポンプが前記ポンプのプライミングのために操作され、前記ボーラス流量が前記プライミング流量と実質的に等しい、形態10に記載の方法。
[形態12]
ポンピング機構に接続される管を通って流体を流すように動作するポンピング機構であって、モータと、該モータに通電するためのモータ制御装置と、を備えるポンピング機構と、
前記管を通って流れる流体を観測するために前記管に沿った検知位置において配置されるライン内エアセンサであって、所与の時間において前記センサによって観測されたある量の流体がエアか液体かを示す信号を発生するライン内エアセンサと、
メモリモジュールと、
該メモリモジュール、前記ポンピング機構、及び前記ライン内エアセンサに接続されるマイクロプロセッサと、を備え、該マイクロプロセッサが、前記ポンピング機構に治療流量で流体を送達させる命令をプログラム可能であり、
前記メモリモジュールが、前記管を通って流れる連続量のエアが所定の第1量閾値を超えることを示す前記ライン内エアセンサからの信号に応えて、前記治療流量を超えるボーラス流量でのボーラス量の流体の送達を、前記マイクロプロセッサによって前記ポンピング機構に命令させるプログラミング命令を記憶する、注入ポンプ。
[形態13]
前記メモリモジュールが、前記管を通って流れる連続量のエアが前記第1量閾値より高い所定の第2量閾値を超えることを示す前記ライン内エアセンサからの信号に応えて、前記マイクロプロセッサによってライン内エア警報状態を示させるプログラミング命令を記憶する、形態12に記載の注入ポンプ。
[形態14]
前記メモリモジュールが、前記マイクロプロセッサによって、前記ライン内エアセンサからの信号を評価してエアと微小気泡を含む液体を区別させるプログラミング命令を記憶する、形態12に記載の注入ポンプ。
[形態15]
前記メモリモジュールが、前記ボーラス量の送達の結果前記治療流量に対して過剰に送達された量が相殺されるまで、前記マイクロプロセッサによって、前記ボーラス量の送達後に前記治療流量より低い低流量で流体を送達させるよう前記ポンピング機構に命令されるプログラミング命令を記憶する、形態12に記載の注入ポンプ。
[形態16]
前記低流量が前記治療流量の所定の割合である、形態15に記載の注入ポンプ。
[形態17]
前記所定の割合が50%である、形態16に記載の注入ポンプ。
[形態18]
前記メモリモジュールが、前記マイクロプロセッサによって、前記過剰量が相殺された後に前記治療流量で流体を送達させるよう前記ポンピング機構に命令されるプログラミング命令を記憶する、形態15に記載の注入ポンプ。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図6D