特許第6010698号(P6010698)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6010698文字盤の上方にアニメーションを備えた腕時計
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6010698
(24)【登録日】2016年9月23日
(45)【発行日】2016年10月19日
(54)【発明の名称】文字盤の上方にアニメーションを備えた腕時計
(51)【国際特許分類】
   G04B 45/00 20060101AFI20161006BHJP
   G04B 25/06 20060101ALI20161006BHJP
   G04B 21/08 20060101ALI20161006BHJP
   G04B 1/16 20060101ALI20161006BHJP
【FI】
   G04B45/00 U
   G04B25/06
   G04B21/08 A
   G04B1/16
【請求項の数】17
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-524699(P2015-524699)
(86)(22)【出願日】2013年7月9日
(65)【公表番号】特表2015-527578(P2015-527578A)
(43)【公表日】2015年9月17日
(86)【国際出願番号】EP2013064500
(87)【国際公開番号】WO2014019819
(87)【国際公開日】20140206
【審査請求日】2015年3月12日
(31)【優先権主張番号】1231/12
(32)【優先日】2012年7月31日
(33)【優先権主張国】CH
(73)【特許権者】
【識別番号】509107758
【氏名又は名称】モントレ・ジャケ・ドロー・エスアー
(74)【代理人】
【識別番号】100064621
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 政樹
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】ジュノー,フランソワ
【審査官】 居島 一仁
(56)【参考文献】
【文献】 特開平07−191155(JP,A)
【文献】 特開平06−018675(JP,A)
【文献】 米国特許第02504811(US,A)
【文献】 特開2001−159687(JP,A)
【文献】 国際公開第99/056184(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G04B1/00−99/00
G04C1/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
腕時計ケース(201)、この腕時計ケース内の時計ムーブメント(205)及び文字盤(204)を備えた腕時計であって、
前記文字盤の上方の三次元模型(20);
前記文字盤(204)の上方であって前記文字盤に対して垂直な方向に延在し、前記文字盤に対して非平行な平面内での前記三次元模型の少なくとも一部分の動作を生成できるように設けられた少なくとも1つのシャフト(21a);
前記シャフトの動作を制御するために、前記文字盤の下方で前記模型を駆動するためのデバイス(1)であって、前記模型を駆動する前記デバイスは、前記シャフト(21a)を駆動する少なくとも第1のカム(3)を備えた第1の香箱(5)を含むこと
を特徴とする、腕時計。
【請求項2】
前記三次元模型(20)は、この三次元模型の残りの部分に対して可動である少なくとも1つの部分を備え;
前記シャフト(21a)は、前記可動部分の動作を制御する
ことを特徴とする、請求項1に記載の腕時計。
【請求項3】
前記三次元模型を前記文字盤に対して平行な平面内で動作するように設けられ、前記文字盤(204)の上方であって前記文字盤に対して垂直な方向に延在する前記少なくとも1つのシャフト(21)を特徴とする、請求項1に記載の腕時計。
【請求項4】
前記模型の1つ若しくは複数の部分を互いに独立して及び/又は模型全体を動作させるよう設けられ、前記文字盤(204)の上方であって前記文字盤に対して垂直な方向に延在する複数の同軸の前記シャフト(21、21a)を特徴とする、請求項3に記載の腕時計。
【請求項5】
前記模型(20)は、機械式の鳥で形成されていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の腕時計。
【請求項6】
前記機械式の鳥(20)の嘴及び/又は羽及び/又は尾は、前記鳥の本体に対して可動であることを特徴とする、請求項5に記載の腕時計。
【請求項7】
前記機械式の鳥(20)の前記本体は中空であり、1つ又は複数の前記シャフト(21、21a)の動作に応じて前記鳥の嘴及び/又は羽及び/又は尾を動作させるための機構を収容していることを特徴とする、請求項6に記載の腕時計。
【請求項8】
前記文字盤(204)に対して非平行な平面内での前記模型(20)の一部分の動作を引き起こす前記シャフト(21a)は前記文字盤(204)に垂直な第1のレバー(21a)である、請求項1〜のいずれか1項に記載の腕時計。
【請求項9】
前記文字盤(204)に平行な面内で前記模型(20)に回転を起こし、前記文字盤(204)に垂直な第2のレバー(21)を駆動する第2のカム(6a)を含む、請求項1〜8に記載の腕時計。
【請求項10】
前記第2のレバー(21a)は、この第のレバー(21a)の長手方向軸に沿った並進運動を実施することによって動作するよう制御される、請求項に記載の腕時計。
【請求項11】
前記時計ムーブメント(205)と前記模型(20)を駆動するための前記デバイス(1)とは、互いに独立していることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか1項に記載の腕時計。
【請求項12】
前記時計ムーブメント(205)は第2の香箱を備えていること
を特徴とする、請求項11に記載の腕時計。
【請求項13】
前記模型(20)を駆動するための前記デバイス(1)は第1の調節部材(17)を備えていること、及び
前記時計ムーブメント(205)は第2の調節部材を備えていること
を特徴とする、請求項1〜11のいずれか1項に記載の腕時計。
【請求項14】
前記時計ムーブメント(205)は、前記模型(20)を駆動するための前記デバイス(1)を駆動することを特徴とする、請求項1〜13のいずれか1項に記載の腕時計。
【請求項15】
前記模型(20)を駆動するための前記デバイス(1)は、鳥の鳴き声を模倣するように設けたホイッスルを備えていることを特徴とする、請求項1〜14のいずれか1項に記載の腕時計。
【請求項16】
前記機械式の鳥(20)の嘴と、前記ホイッスルとに同時に作用して、前記嘴の開閉と、前記嘴の動作に同期されたホイッスル音とを生成する前記第のカム(3)を備えている、請求項15に記載の腕時計。
【請求項17】
前記腕時計は、前記文字盤(204)及び前記模型(20)の上方に風防を備え、
前記風防の第1の部分(206)は前記文字盤(204)を覆い、
前記風防の第2の部分(203)は前記模型(20)を覆い、
前記第2の部分は前記第1の部分よりも湾曲しており、
前記2つの部分(203、206)は互いに対して溶着又は接着されている
ことを特徴とする、請求項1〜16のいずれか1項に記載の腕時計。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、文字盤の上方にアニメーションを備えた腕時計に関する。
【背景技術】
【0002】
鳴鳥は特にカッコウ時計又は嗅ぎたばこ入れにおいて公知である。カッコウ時計のコンセプトは、1738年頃にシュヴァルツヴァルト地方において創造されている。このような時計は、伝統的には錘によって動く視認可能なバランスと、山小屋の形態の装飾されたケースとを有する。山小屋の扉は1時間毎又は30分毎に開き、機械式の鳥が鳥の巣から現れて鳴く。最近では、カッコウ時計は大抵、クオーツムーブメント及び電子時報機構を備えている。
【0003】
1911年に付与された特許文献1は、時計の正面に配設された模型をカッコウの各鳴き声の直後に作動させる機構からなる既存のカッコウ時計に対する革新的な技術を記載している。
【0004】
特許文献2は、様々な音で構成される旋律を鳴らすこと、及び嘴若しくは尾等の1つ又は複数の部分を同時に動かすことが可能なカッコウを備えた置き時計を記載している。空気はふいごによってホイッスルに注入できる。
【0005】
特許文献3は、蓋を備えたケース内に位置決めされた機械式の鳴鳥を備えた嗅ぎたばこ入れを記載している。鳥は、ばねキャッチで制御されるばね機構の作用下で、可動かつ横たわった状態の静止位置から垂直の鳴き位置へと移動できる。機構を起動することにより、蓋の開放と同時に鳴き位置に鳥が現れ、続いて鳥が鳴き、最後に鳴くのをやめ、鳥は横たわった状態の静止位置へと戻り、蓋を閉じて機構自体を停止させることを有する動作サイクルが自動的に生成されている。
【0006】
カッコウ時計及び上述の他のデバイスは、極めて大きな空間要件を有し、従って持ち運びが困難である。
【0007】
また、時間表示に重ねて配置された様々な表示を有する腕時計の文字盤においてアニメーションを動かすために、様々な試みがなされてきた。
【0008】
従って特許文献4は、文字盤の上方に、腕時計ムーブメントによって振動が引き起こされる二次元の鍛冶屋を有する懐中時計を記載している。
【0009】
特許文献5は、窓の後ろに位置決めされる鳥を備えた腕時計又は懐中時計を記載しており、ここでは、所定の時間に窓が開くと同時にカッコウの鳴き声が発せられ、その後窓は再び閉まる。
【0010】
文字盤の前又は後ろにあるこのような二次元の可動部品は、視認性の低いアニメーションを生成する。他の時間表示のための空間を設けることができるように、文字盤の上方又は下方の動く要素のサイズは必然的に制限されなければならない。文字盤の真上にいないユーザは、腕時計の装着者のためだけに設計されたアニメーションを、全く見ない可能性がある。
【0011】
更に、このような二次元の可動部品は、文字盤の上方又は下方で、文字盤に対して平行な平面内で動作する。このような動作は、文字盤に対して垂直な位置にいない者には十分に視認できない。その上、この動作は文字盤の上方又は下方の表面領域のかなりの部分に及び、文字盤を腕時計の他の表示のために使用できない。
【0012】
従って、例えば1時間の経過、アラーム時間等の特定のイベントを示すために、又は単に更に見やすい様式で見たいというユーザの願望のために、腕時計の装着者や腕時計の装着者の間近にいる他の人々でさえも見逃すことができない、より見やすいアニメーションを文字盤の上方に有する腕時計が望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】スイス特許第55403号
【特許文献2】米国特許第2504811号
【特許文献3】スイス特許668846号
【特許文献4】スイス特許第32171号
【特許文献5】独国実用新案第20310007 U1号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
従って本発明の目的は、公知のアニメーションよりも明確に視認できるアニメーションを文字盤の上方に有する腕時計を提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明によると、この目的は特に、請求項において請求される特徴を有する腕時計によって達成される。
【0016】
一態様によると、この腕時計は:
腕時計ケース;
上記腕時計ケース内の時計ムーブメント;
文字盤;
上記文字盤の上方の三次元模型;
上記文字盤の上方で文字盤に対して垂直な方向に延在し、文字盤に対して非平行な平面内での上記三次元模型の少なくとも一部分の動作を生成できるよう配設されたシャフト;
上記シャフトの動作を制御するために、上記文字盤の下方で模型を駆動するためのデバイス
を備える。
【0017】
この腕時計は、2次元の物体よりも明確に視認できる3次元模型を文字盤の上方に有するという利点を有する。
【0018】
本出願において、用語「模型」はヒト及び動物の両方を包含する。
【0019】
腕時計内の三次元の動く模型は、はるかに大きいデバイスにおいて公知であるこのような模型が腕時計内にあることは全く予想外であるため、見る者を驚かせる効果をもたらす。
【0020】
この腕時計は更に、文字盤に対して非平行な平面内でこの模型又はこの模型の少なくとも一部分を動作させることにより、この模型又はこの模型の少なくとも一部分を動かすという利点を有する。この動作は、文字盤に対して平行な動作よりも明確に視認でき、更に、文字盤の表面領域の占有量が有意に少なく、これにより文字盤の表面領域を他のインジケータのために利用できる。
【0021】
模型及び/又は模型の一部分の動作は、文字盤に対して非平行な、少なくとも1つの並進運動成分を含むことができる。
【0022】
模型及び/又は模型の一部分の動作は、文字盤に対して非垂直な軸の周りでの、少なくとも1つの回転運動成分を有する。
【0023】
三次元模型は、模型の残りの部分に対して可動である1つの部分を有する。文字盤に対して垂直なシャフトは、この可動部分の動作を制御できる。
【0024】
文字盤に対して非平行な平面内でのこのような動作に加えて、模型又はこの模型の少なくとも一部分は、例えば回転運動及び/又は並進運動である追加の動作を、文字盤に対して平行な平面内で実施できる。これにより、文字盤に対して平行な上記動作が小さいものであっても、アニメーションをより一層明確に視認できるようになる。
【0025】
模型の異なる部分が、異なる非平行平面内で動作できる。模型の複数の部分が非平面動作を実施できる。
【0026】
腕時計は、文字盤の上方で文字盤に対して垂直な方向に延在し、模型の1つ若しくは複数の部分を互いに独立して及び/又は模型全体を動作させるように配設される複数の同軸のシャフトを備える。例えば、1つのシャフトは模型全体の動作を制御できる。別のシャフトは模型の一部分の動作を制御できる。第3のシャフトを設けて模型の第3の部分の動作を制御できる。
【0027】
模型は機械式の鳥の形態であってもよい。この機械式の鳥の嘴及び/又は羽及び/又は尾を、鳥の本体に対して可動とすることができる。鳥の本体を文字盤に対して可動とすることができる。この機械式の鳥の嘴及び/又は羽及び/又は尾を、文字盤に対して非平行な平面内で可動とすることができる。鳥の本体を、文字盤に対して平行な平面内で可動とすることができる。
【0028】
ある実施形態では、機械式の鳥の本体は、文字盤に対して垂直な軸の周りで自転し、一方で頭、尾及び羽は、文字盤に対して非垂直な複数の軸の周りで回転する。
【0029】
例えば鳥である模型の本体は中空であってもよく、1つ又は複数のシャフトの動作に応じて模型の複数の部分を動作させるための(例えば上記鳥の嘴及び/又は羽及び/又は尾を動作させるための)機構を収容できる。
【0030】
時計ムーブメントと模型を駆動するためのデバイスとは、互いに独立していてもよい。
【0031】
模型を駆動するためのデバイスは第1の香箱を備え、時計ムーブメントは第2の香箱を備えることができる。2つの香箱は、互いに独立して巻くことができる。
【0032】
模型を駆動するためのデバイスは、第1の制御部材を備える。時計ムーブメントは第2の制御部材を備える。2つの制御部材は、互いに独立していてもよい。第2の制御部材の精度は、第1の制御部材の精度よりも著しく高い。第1の制御部材は、模型の動作を制動するための単純なブレーキ又は慣性ブロックデバイスで形成できる。第2の制御部材は、ゼンマイ‐テンプ組立体で形成できる。
【0033】
ある変形例では、時計ムーブメントは、模型を駆動するためのデバイスを駆動できる。時計ムーブメントは、この駆動動作に必要なエネルギを供給できる。時計ムーブメントは、模型の駆動が開始されることになるモーメントを決定できる。時計ムーブメントは、模型の動作の速度を調節できる。
【0034】
模型を駆動するためのデバイスは、鳥の鳴き声を模倣するよう構成されたホイッスルを備えさせることができる。
【0035】
腕時計は、文字盤及び模型の上方に風防を備え、この風防の第1の部分は文字盤を覆い、この風防の第2の部分は模型を覆う。第2の部分は第1の部分よりも湾曲している。これら2つの部分は、互いに対して溶着又は接着できる。
【0036】
本発明の例示的な実施形態を、添付の図面によって例示される以下の記載において示す。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1図1は、本発明による腕時計の断面図である。
図2図2は、本発明による模型を駆動するためのデバイスの一部を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
図1は、本発明のある実施形態による模型20を駆動するためのデバイス1を備えた腕時計ケース200を示す。腕時計ケースは中央部分201、裏蓋202、及び互いに接着又は接合された2つの部分からなる風防203、206を備えている。ここで2つの部分のうちの一方206は時間表示を有する文字盤204を覆い、風防の最も湾曲した部分203は模型20を保護する。模型20は、前記文字盤204の上方で文字盤に対して垂直に延在し、レバー又はシャフト21によって回転駆動する。
【0039】
要素205は腕時計ムーブメントであり、この実施形態では、この腕時計ムーブメントは独立しており、模型を駆動するためのデバイス1と協働しない。腕時計ムーブメント205は機械式であってもよい。この実施形態では、模型20を駆動するためのデバイス1は、腕時計ケース内においてムーブメント205が占める空間の側部及び下部の空間を占める。ムーブメント205はケースに対して偏心しており、ムーブメントの針(図示せず)は模型20の側部で動作するため、模型20はこれら針を覆わない。
【0040】
しかしながら、腕時計ムーブメントと同じ地板上、又はこのムーブメントと協働する補助的モジュール上にある図2の駆動デバイス1も考えられる。
【0041】
本出願における用語「文字盤」は広い意味に解釈しなければならない。これは別個の部分、例えばエナメル部分、真珠層部分等であってもよく、又はスケルトン腕時計の場合、例えばその上方で腕時計の針が動作するムーブメントの上面であってもよい。一般に、文字盤は背景として定義でき、この文字盤の前で針及び/又は動く模型が動作する。文字盤の平面は文字盤の上面の平面であり、非平面表面の場合、文字盤の平面は針の動作平面に対して平行である。
【0042】
この実施形態では、模型20は三次元の機械式の鳥で形成され、これは文字盤204の上方に突出するように延在している。模型20は、例えば貴金属である金属材料、セラミック又は他のいずれかの適切な材料で作製できる。模型20は、モールディング、機械加工又は材料の複数のシートを用いたフォールディングによって製造できる。模型20は、羽毛を備えることができる。
【0043】
模型20を駆動するためのデバイス1は、模型20を駆動して動作させるために、文字盤204に対して垂直に文字盤204を通過するシャフト21を備える。複数のシャフト21、21aを同心円状に配設して、鳥の本体並びにこの鳥の1つ又は複数の部分(例えば尾、嘴及び/若しくは羽)を独立して駆動できる。複数の独立したシャフトによって、これらの部分を互いに独立して作動させることもできる。ある実施形態では、中空外側シャフト21は、文字盤に対して平行な平面内で、鳥全体をこのシャフトの周りで回転させることができ、上記シャフトの内側にあるシャフト21aは、この鳥の一部分を鳥の本体に対して動作させることができる。1つ又は複数のシャフト21、21aは、デバイス1によって回転駆動させられ、及び/又は長手方向並進運動を実施するよう駆動させられる。ある実施形態では、外側シャフト21は、その長手方向軸の周りでの回転運動を実施し、鳥の複数の部分を制御するシャフト21aは、シャフト21の内側にある同じ長手方向軸に沿って前後に並進運動する。3本以上の偏心シャフトを使用できる。単一のシャフトの独立した動作によって、鳥の複数の部分を独立して制御できる。
【0044】
模型20は中空であってもよい。模型20は、シャフト21、21aの動作に応じた模型の複数の部分の動作を制御するための機構の一部を収容する。例えば模型20は、シャフト21aの動作に応じて鳥の頭、嘴、羽及び/又は尾を操作するための機構を収容できる。模型20内の機構は、カム並びに/又は鳥の本体に対して嘴、羽及び尾を同時に動作させるためにシャフト21aの圧力下でばねの力に対抗する部品を備える。複数の部品を鳥の内部に設けて、この模型の異なる部分を互いに独立して動作させることができる。
【0045】
別の実施形態では、シャフト21aのヘッドはカムを備え、このシャフト21aが鳥の本体に対して90°回転した場合に羽を広げることができるか、又は別の角度で回転した場合に鳥の別の部分を動作させることができる。
【0046】
模型20の動作は、例えば文字盤204に対して及び針の動作平面に対して平行な平面内におけるシャフト21の周りでの模型全体の回転を有することができる。模型20は、例えば複数回の自転を行わせることができる。往復回転運動を実施するため、及び鳥の回転方向を転換するために、ラックを用いてシャフト21を制御することもできる。
【0047】
また、模型全体を文字盤204に対して非平行な平面内で、又は文字盤204に対して非平行な方向に動作させることができ、これによって、例えば水平軸の周りで枢動させることにより、及び/又は開放シャッタを通して登場させることにより、例えば模型を文字盤から出すことができる。例えば羽、嘴、尾等の模型の複数の部分は、例えば文字盤204に対して非平行な軸の周りでこの模型の本体に対して回転することにより、模型の本体に対して動作できる。
【0048】
図2は、シャフト21又はシャフト21、21aを用いた模型20を駆動するためのデバイス1の一部の例を示す。このデバイスは、運動学的機構10のカナ100と噛合する外側歯部6が取り付けられた香箱5を備えている。カナ100は、歯車103の軸上の四番カナ102を駆動する歯車101の軸上に設けられている。例えば2秒に1回転する香箱5と、例えば毎秒10回転する歯車103との間のギヤ比は有利には、1/5〜1/50の範囲、例えば1/20である。この速度比は、運動学的機構10における異なる数の歯車及びカナ(同時に「歯車」と呼ばれる)によっても得ることができる。
【0049】
香箱5は、カム3、6a、6b(例えば香箱5の周縁部に設置される複数のカム)も備え、これにより模型20を動かす及び/又は様々な他の機構(例えばホイッスル機構の要素)を作動させる。歯車103は、偏心器16又はロッド(図示せず)を作動させることができるカムを備え、これによってホイッスルに注入される空気を生成するポンプのピストンを動作させる。
【0050】
運動学的機構10は、更にここでは歯車103の下流の歯車101bのうちの1つの上にある慣性ブロックで形成される調節部材17を備えている。この慣性ブロック17は、歯車101bが回転を開始すると、歯車101bの回転の中心から離れ、これにより歯車101bの慣性モーメントを増大させ、歯車101bの速度及び運動学的機構10全体の速度を減速させて制御する傾向がある。ゼンマイ‐テンプ、ブレーキ等に基づいた機構を有する他の調節機構も使用できる。
【0051】
接続要素21、21aを用いて、運動学的機構10の歯車のうちの1つ又は複数(例えばカム3、6a)を関節式模型20(例えば文字盤に対して垂直である機械式の鳥又は他の動く模型)に接続することにより、運動学的機構10が回転する際にこの歯車を作動させる。
【0052】
カム3は、更に鳥の鳴き声を模倣するための副次的機構(例えばホイッスルの上流のバルブ)を作動させることができる。カム6bは、ホイッスル内でピストンを動作させることができ、これにより生成される音を変調できる。
【0053】
カム6aはレバー(又はシャフト)21を制御して、文字盤204に対して垂直であり模型20を通過する軸の周りでの模型20の自転を制御する。この模型の回転運動を交互のものとすることにより、ラック機構(図示せず)を用いて、一連の往復運動や、ある方向の及びこれに続く別方向の回転を生成する。シャフト21は有利には、文字盤204を文字盤に対して垂直に通過する。
【0054】
カム3は、更にシャフト21を通して長手方向開口に入るレバー(又はシャフト、アーバ)21aを制御する。レバー21aは、有利にはカム3の作用下でその長手方向軸に沿って並進運動し、これによって鳥20の嘴、羽及び/又は尾の鳥の本体に対する動作を制御する。有利にはレバー21aの端部は、ばね(図示せず)の力に対抗して、レバーを鳥の本体から引き出すか又は鳥の本体内へ押し込むことにより、嘴、羽及び尾の位置に同時に作用して、嘴、羽及び尾それぞれを文字盤に対して非垂直な軸の周りで枢動させることができる。
【0055】
ある変形例では、シャフト21aは回転シャフトであり、カム又はロッドを通して模型20の可動部分に作用する。
【0056】
模型20の様々な部分を独立して作動させるために、例えば尾又は嘴とは独立して羽を動作させるために、異なるシャフト又はレバーを設けることができる。異なるシャフト又はレバーは同心であってもよい。
【0057】
従って、模型20の制御を可能とする1つ又は複数のシャフト21、21aは、運動学的機構の歯車のうちの1つによって作動させられる。異なるシャフト21、21aを、異なる歯車によって異なる速度で駆動できる。シャフトの回転速度は、例えばカム、マルタクロス歯車等の影響下で、不規則なものとすることができる。また、1つ又は複数のシャフト21、21aを並進駆動することもできる。
【0058】
上述のホイッスルは、模型20と同一の運動学的機構10上のカムによって、例えば鳥の嘴を制御するためにシャフト21aにも作用するカムと同一のカム3によって、操作できる。よって嘴を開ける動作は、ホイッスルが発する音と完璧に同期される。
【0059】
ホイッスル機構は、鳴らされる音の高さを変調するためのピストンを備えることができる。ホイッスル機構は、運動的機構10によって操作されるホイッスルに空気を送り込む第2のピストンを設けることができる。
【0060】
本発明によるデバイスは、例えばプッシュボタン、レバー等のアクチュエータを備えることができ、ユーザはこれを手動で操作して香箱5を解放し、模型20の動作を手動で起動できる。アクチュエータ(図示せず)の操作によって、香箱を解放でき、続いて模型のアニメーションを動作させることができる。同一のアクチュエータ又は異なるアクチュエータを更に使用して香箱5を再び巻くことができる。
【0061】
ある変形例では、例えば1時間、30分又は15分でさえある時間の経過時に、自動でアニメーションを起動できる。例えば腕時計の機能、特にアラーム、日付機能等を用いてプログラムされた様式で、アニメーションを起動することもできる。
【0062】
本発明を機械式腕時計に関して説明したが、本発明は電子機械式腕時計又は電子腕時計にも適用できる。
【0063】
本発明を腕時計に関して説明したが、本発明は、上述の特徴を組み合わせて又は互いに独立して取り入れた、小さい寸法の他のデバイスにも適用できる。
図1
図2