【実施例1】
【0023】
図1は、本発明の実施例1に係る貸借システム及びユーザー端末の全体構成を示す図である。
【0024】
本貸借システムの貸借システム機器本体である管理装置100は、インターネット網を介してユーザー端末200(ユーザー端末200は、1台〜n台(nは2以上の整数)で構成される。)と接続される。
【0025】
なお、本貸借システムでは、ユーザー端末200に対して、動産又は不動産の貸借の仲介サービスを提供する場合、管理装置100から見て、ユーザー端末200の使用者を顧客(貸主、借主)と呼ぶことができる。また、この場合、管理装置100の管理者のことを、本仲介サービスの提供者である仲介者と呼ぶことができる。
【0026】
次に、管理装置100及びユーザー端末200のハードウェア構成について説明する。
【0027】
図2は、本発明の実施例1に係る貸借システムの管理装置のハードウェア構成を示す図である。
【0028】
管理装置100は、本貸借システム全体の動作を制御する制御部101、後述する借入希望情報、借入申込情報等の各種情報を記憶するメモリ102、キーボード等の入力部103、ディスプレイ等の出力部104、後述するユーザーリスト30等を記憶するハードディスク105及びユーザー端末200と情報の送受信を行う通信部106を備える。
【0029】
ユーザー端末200は、ネットワーク接続機能を有するスマートフォン、タブレット端末又はパーソナルコンピュータ(PC)等のハードウェアから構成される(図示略)。
【0030】
続いて、上述のように構成された貸借システムの動作について説明する。なお、本願の特許請求の範囲及び明細書等において使用する次の用語の定義は、以下のとおりである。
【0031】
[第1のキー]
第1のキーとは、本貸借システムにおいて使用できる電子的な仮想通貨(ポイント)のことをいう。この第1のキーは、ユーザー(借主)が、他のユーザー(貸主)から動産又は不動産を借り受ける際に必要となるキーであり(すなわち、第1のキーは、動産又は不動産の貸借の決済を受けるのに、必ず必要となるキーである)、ユーザーは、第1のキーを仲介者から購入することで、これを本貸借システムにおいて使用することができる。なお、第1のキーは、法定通貨と交換可能(換金可能)なものであってもよいし、法定通貨と交換(換金)できないものであってもよい。また、本願の明細書等では、第1のキーを、「ゴールドキー」と呼ぶことがある。
【0032】
[第2のキー]
第2のキーとは、本貸借システムにおいて使用できる電子的な仮想通貨(ポイント)のことをいう。この第2のキーは、第1のキーと組み合わせることで、初めて動産又は不動産の貸借の決済に使用することができるものであり(すなわち、第2のキーのみでは、動産又は不動産の貸借の決済を受けることはできない)、ユーザー(貸主)が、他のユーザー(借主)に対して、動産又は不動産を貸し出すことで、貸主であるユーザーに付与されるものである。なお、第2のキーは、法定通貨と交換可能(換金可能)なものであってもよいし、法定通貨と交換(換金)できないものであってもよい。また、本願の明細書等では、第2のキーを、「シルバーキー」と呼ぶことがある。
【0033】
[不動産]
不動産とは、土地及びその土地に定着するもの(例えば建物等)のことをいう。
【0034】
[動産]
動産とは、自動車や洋服、アクセサリー等の不動産以外の物のことをいう。なお、本願の特許請求の範囲及び明細書等における「動産」の概念には、例えば、電子書籍、音楽ファイル及びゲーム要素等の電子的な情報等、ユーザー間で貸借可能な様々な物が含まれる。
【0035】
図3は本発明の実施例1に係る貸借システムの構成を示すブロック図である。
【0036】
借主側キー記憶手段10及び貸主側キー記憶手段11は、ハードディスク105に割り当てられた各ユーザーの記憶領域(例えば、ユーザー1人に対して1つの記憶領域が割り当てられる)であり、ここには、ユーザーの立場(貸主又は借主の立場)に応じて、貸主又は借主と関連付けられて、ゴールドキーの数及びシルバーキーの数が記憶される。
【0037】
キー移転手段12は、借主側キー記憶手段10に記憶されているゴールドキーの数及びシルバーキーの数から、動産又は不動産の貸借の決済に使用するゴールドキーの数及びシルバーキーの数を減算し、借主が、当該決済において使用するゴールドキーの数及びシルバーキーの数を合計した数と同数のシルバーキーの数を、貸主側キー記憶手段11に記憶されているシルバーキーの数に加算して、当該使用するゴールドキーをシルバーキーとして移転させる。
【0038】
ランク付け手段13は、ユーザーが所定の条件を満たした場合に、ユーザーのランクを更新し、その情報をユーザーリスト30(
図6乃至
図10参照)に書き込む。
【0039】
では、最初に、本貸借システムの動作の概要について説明する。なお、本実施例では、貸借の対象として、ユーザーが所有する別荘(不動産)を例に挙げて説明する(以下では、別荘を「物件」と呼ぶことがある)。また、本実施例では、別荘の貸主・借主として、ユーザーA、ユーザーB、ユーザーCの3者を例に挙げて説明する。
【0040】
[本貸借システムの動作概要]
ユーザー(例えば、ユーザーA)が、他のユーザー(ユーザーB)より、その者が所有する別荘を借り受ける場合、借主であるユーザーAは、自身のユーザー端末200より、貸借の対象となる別荘を選択し、当該別荘の借入希望情報を管理装置100に送信する。当該ユーザー端末200より、当該別荘の借入希望情報を受信した管理装置100は、当該ユーザー端末200に対し、借入申込情報の入力フォームを送信し、ユーザーAは、当該別荘の貸借の決済を受けるべく、自身のユーザー端末200より、借り入れに必要なゴールドキーの数及びシルバーキーの数を管理装置100に送信する。これを受信した管理装置100は、当該ユーザー端末200から送信されたゴールドキーの数及びシルバーキーの数が、当該別荘を借りるのに必要な条件を満たしている場合には、ユーザーリスト30中のユーザーA(借主)のゴールドキー数及びシルバーキーの数から、当該別荘の借り入れ(貸借の決済)に使用するゴールドキーの数及びシルバーキーの数を減算するとともに、当該別荘の借り入れ(貸借の決済)に使用するゴールドキーの数及びシルバーキーの数を合計した数と同数のシルバーキーの数を、ユーザーリスト30中のユーザーB(貸主)のシルバーキーの数に加算する(すなわち、当該別荘の借り入れに使用するユーザーAのゴールドキーは、シルバーキーとして貸主であるユーザーBに移転される)。これにより、当該別荘の貸借の決済が完了する。
【0041】
次に、
図3乃至
図12を用いて、本貸借システムの動作の詳細について説明する。なお、ここでは、本貸借システムの動作を、
(1)ユーザーがゴールドキーを購入する際の動作
(2)別荘の貸借の決済を行う際の動作
ア.ゴールドキーのみを使用して決済を行う場合の動作
イ.ゴールドキーにシルバーキーを組み合わせて決済を行う場合の動作
の順に従って説明する。
【0042】
(1)ユーザーがゴールドキーを購入する際の動作
図4は本発明の実施例1に係る貸借システムにおいて、ユーザーが第1のキーを購入するための手順を示すフローチャートであり、
図6及び
図7は本発明の実施例1に係る貸借システムのユーザーリストの例を示す図である。
【0043】
ユーザー(ここでは、ユーザーAを例に挙げる。
図6参照)が仲介者よりゴールドキーを購入する場合、ユーザーAは、自身のユーザー端末200より、管理装置100に対して、ゴールドキーの購入希望数を送信する。なお、ここでは、ユーザーAが、購入するゴールドキーの数として、例えば、「4」と入力し、この情報を管理装置100に送信するものとする。
【0044】
次に、管理装置100は、ステップS10において、ユーザーAが自身のユーザー端末200より送信したゴールドキーの購入希望数「4」を、通信部106を介して受信し、これをメモリ102に記憶する。
【0045】
そして、管理装置100は、ステップS11において、メモリ102に記憶したゴールドキーの購入希望数「4」に基づいて、ゴールドキーの購入金額を計算する。なお、ゴールドキーの数「1」あたりの購入金額は、物価の状況等、市場の状況に応じて仲介者により適宜決定されるものであるが、本実施例では、例えば、ゴールドキーの数「1」あたりの購入金額を「50ドル」として説明する。したがって、この場合、管理装置100は、ゴールドキーの購入金額を、「200ドル」と算出する。
<購入金額の計算式>
4×50ドル=200ドル
※ゴールドキーの購入希望数×ゴールドキーの数「1」あたりの購入金額=購入金額
【0046】
続いて、管理装置100は、ステップS12において、計算したゴールドキーの購入金額「200ドル」を、通信部106を介して、ユーザーAのユーザー端末200に送信する。そして、ユーザーAが、管理装置100から受信したゴールドキーの購入金額で、ゴールドキーの購入を確定すると、ユーザーAは、自身のユーザー端末200より、管理装置100に対して、ゴールドキーの購入確定情報(この情報には、ゴールドキーの購入数「4」が含まれる)を送信し、管理装置100は、ステップS13において、ユーザーAのユーザー端末200より送信されたゴールドキーの購入確定情報を、通信部106を介して受信する。なお、管理装置100は、受信したゴールドキーの購入確定情報をメモリ102に記憶する。
【0047】
最後に、管理装置100は、ステップS14において、メモリ102に記憶したゴールドキーの購入確定情報に基づいて、ハードディスク105に記憶されているユーザーリスト30のユーザーAのゴールドキーの数「0」に、ユーザーAが購入したゴールドキーの数「4」を加算する。なお、管理装置100は、その加算した結果であるゴールドキーの数「4」(「0」+「4」の結果)をハードディスク105に記憶する(
図7参照)。
【0048】
なお、このとき、ユーザーリスト30にある各ユーザー(例えば、
図6のユーザーA、B、C)の「ゴールドキーの数」は、ユーザーの立場(貸主又は借主の立場)に応じて、貸主又は借主と関連付けられて、ハードディスク105に記憶されていることになる。すなわち、この各ユーザーの「ゴールドキーの数」は、それぞれ、ハードディスク105に割り当てられた各ユーザーの記憶領域(例えば、ユーザー1人に対して1つの記憶領域が割り当てられる)に記憶されるものの、この「ゴールドキーの数」は、各ユーザーが、別荘の貸主となる場合には「貸主のゴールドキーの数」として、別荘の借主となる場合には「借主のゴールドキーの数」として、当該記憶領域に記憶されていることになることから、ユーザーリスト30にある各ユーザーの「ゴールドキーの数」は、ユーザーの立場(貸主又は借主の立場)に応じて、貸主又は借主と関連付けられて、ハードディスク105に記憶されていることになるのである(つまり、ハードディスク105は、ユーザーの立場(貸主又は借主の立場)に応じて、借主側キー記憶手段10又は貸主側キー記憶手段11として機能することになる)。
【0049】
以上をもって、本貸借システムにおいて、ユーザーがゴールドキーを購入する際の手順が終了する。
【0050】
(2)別荘の貸借の決済を行う際の動作
ア.ゴールドキーのみを使用して決済を行う場合の動作
まず、ゴールドキーのみを使用して、別荘の貸借の決済を行う場合の動作について説明する。なお、ここでは、ユーザーAがユーザーBより、Bが所有する物件No.2の物件を借りる場合を例に挙げて説明する(
図8参照)。
【0051】
図5は本発明の実施例1に係る貸借システムにおいて、貸借の決済を行う際の手順を示すフローチャートであり、
図8は本発明の実施例1に係る貸借システムのユーザーリストの例を示す図である。また、
図11は本発明の実施例1に係る貸借システムにおいて、ユーザー端末上に表示する物件一覧のページを示す図であり、
図12は本発明の実施例1に係る貸借システムにおいて、ユーザー端末上に表示する借入申込画面のページを示す図である。
【0052】
図11に示すように、ユーザーAは、まず、自身のユーザー端末200より、本貸借システムにアクセスし、貸借の対象となる別荘が表示された物件一覧のページ40を、当該ユーザー端末200に表示させる。この物件一覧のページ40には、「物件No」、「物件住所」、「物件の借入キー数」が表示されており、ユーザーは、この各物件の情報を比較して、借り入れを希望する別荘を選択できるようになっている。なお、物件一覧のページ40にある「物件の借入キー数」とは、別荘の貸借の決済を行う上で必要となるキーの数のことであり、このキーの数は、例えば、物件の評価を勘案した上で、仲介者と物件の持主であるユーザーとの協議によって適宜決定される(この物件の評価は、例えば、物件の所在地、立地条件、築年数、物件の清潔度等を総合して決定される)。また、物件一覧のページ40には、各物件の借り入れを申し込むための借入申込ボタン41が表示されており、ユーザーは、借り入れを希望する物件を選択し、この借入申込ボタン41より当該物件の借り入れを申し込む。
【0053】
続いて、ユーザーAは、物件一覧のページ40にある物件No.2の借入申込ボタン41をマウス等でクリックして(又は直接タップする等して)、物件No.2の借入希望情報を、自身のユーザー端末200より管理装置100に送信する。
【0054】
管理装置100は、ステップS20において、ユーザーAのユーザー端末200より送信された物件No.2の借入希望情報を、通信部106を介して受信し、これをメモリ102に記憶する。
【0055】
次に、管理装置100は、メモリ102に記憶した物件No.2の借入希望情報に基づいて、物件No.2の借り入れに関する申込情報を入力するためのフォーム(借入申込情報の入力フォーム)を作成し、ステップS21において、このフォームを、通信部106を介して、ユーザーAのユーザー端末200に送信する。
【0056】
ユーザーAのユーザー端末200が、管理装置100より、借入申込情報の入力フォームを受信すると、当該ユーザー端末200には、受信した借入申込情報の入力フォーム(借入申込画面50)が表示される(
図12参照)。なお、この借入申込画面50には、ユーザーが、宿泊情報を入力するための「チェックイン日入力欄51」、「チェックアウト日入力欄52」及び「宿泊人数入力欄53」が設けられるとともに、借り入れ対象物件の決済情報を入力するための「使用するゴールドキーの数入力欄54」、「使用するシルバーキーの数入力欄55」及び「ゴールドキーの購入を申し込むための購入ボタン56」が設けられている。また、借入申込画面50の下段には、借入申込画面50に入力した各種情報を、管理装置100に送信するための「借入申込ボタン57」が設けられている。
【0057】
そして、ユーザーAは、自身のユーザー端末200に表示された借入申込画面50の入力欄51、52、53に、それぞれ、希望するチェックインの日、チェックアウトの日及び宿泊人数を入力するとともに、入力欄54、55に、それぞれ、使用するゴールドキーの数及びシルバーキーの数を入力する。なお、ここでは、ユーザーAが所有するキーの数は、ゴールドキーの数=「4」、シルバーキーの数=「0」となっており(
図8の上段の表及び
図12参照)、ユーザーAが借り入れを希望する物件No.2の「物件の借入キー数」は「4」となっている(
図8及び
図12参照)ことから、ユーザーAは、入力欄54に使用するゴールドキーの数として「4」と入力し、入力欄55に使用するシルバーキーの数として「0」と入力する(ここで使用されるシルバーキーの数は「0」であることから、この例は、ゴールドキーのみを使用して別荘の決済を行う場合に該当する)。
【0058】
入力欄51〜55に上記各種情報が入力されると、ユーザーAは、借入申込画面50にある借入申込ボタン57をマウス等でクリックして(又は直接タップする等して)、物件No.2の借入申込情報を、自身のユーザー端末200より管理装置100に送信する。
【0059】
そして、管理装置100は、ステップS22において、ユーザーAのユーザー端末200より送信された物件No.2の借入申込情報を、通信部106を介して受信し、これをメモリ102に記憶する。
【0060】
次に、管理装置100は、ステップS23において、メモリ102に記憶した物件No.2の借入申込情報に基づいて、ユーザーAが、宿泊を希望する日において、物件No.2に宿泊が可能か否かを判定する。例えば、管理装置100は、ユーザーAが宿泊を希望する日(借入申込画面50の入力欄51、52に入力した希望する「チェックインの日」から「チェックアウトの日」までの期間)と他のユーザーが宿泊を希望する日(他のユーザーが、ユーザーAよりも先に管理装置100に送信した「チェックインの日」から「チェックアウトの日」までの期間)において、重なりがあるか否かを判定し、この期間に重なりがある場合には、ユーザーAの物件No.2への宿泊は「不可」と、この期間に重なりがない場合には、ユーザーAの物件No.2への宿泊は「可」と判定する。
【0061】
管理装置100が、ステップS23において、ユーザーAの物件No.2への宿泊は「不可」と判定した場合には、管理装置100は、再度、借入申込情報の入力フォームを、通信部106を介して、ユーザーAのユーザー端末200に送信し(ステップS21に戻る)、ユーザーAは、再度、借入申込画面50の入力欄51、52に、それぞれ、希望するチェックインの日及びチェックアウトの日を入力する。そして、ユーザーAが、ユーザー端末200より、これらの情報を管理装置100に送信すると、管理装置100は、これらの情報を、通信部106を介して受信し(ステップS22)、再び、ステップS23において、ユーザーAが、宿泊を希望する日において、物件No.2に宿泊が可能か否かを判定する。
【0062】
管理装置100が、ステップS23において、ユーザーAの物件No.2への宿泊は「可」と判定した場合には、ステップS24において、管理装置100は、ユーザーAが借入申込画面50の入力欄55に入力した使用するシルバーキーの数が、貸借の決済において使用可能な範囲内の数か否かについて判定を行う。この判定は、例えば、借入申込画面50の入力欄54に入力されたゴールドキーの数と入力欄55に入力されたシルバーキーの数を組み合わせたときの、それぞれのキーの数の割合が、ユーザーのランクとの関係において、一定の範囲内の割合であるか否かにより行われ、管理装置100は、使用するシルバーキーの数が、貸借の決済において使用可能な範囲を超えていると判定した場合には「不可」と、使用可能な範囲内の場合には「可」と判定する。なお、この判定は、例えば、次の計算式を用いて行われる。
<計算式1>
b/a≦n
・a=使用する第1のキー(ゴールドキー)の数
・b=使用する第2のキー(シルバーキー)の数
・n=ランク付け手段13によってランク付けされた1以上の整数
ここで、ランク付け手段13は、ユーザーが所定の条件を満たした場合に、ユーザーのランクを更新し、その情報をユーザーリスト30に書き込む(ハードディスク105に記憶する)。なお、ユーザーのランクの更新条件は、例えば、ユーザーのゴールドキーの使用数(例えば、「100」の数のゴールドキーの使用)又は後述するシルバーキーの獲得数(例えば、「100」の数のシルバーキーの獲得)に応じて決定される等、適宜、仲介者によって決定することができる。
【0063】
以下、管理装置100が、上記計算式1を用いて、借入申込画面50の入力欄55に入力された使用するシルバーキーの数が、貸借の決済において使用可能な範囲内の数か否かについて判定を行う場合の具体例について説明する。なお、以下では、ユーザーのランクを1〜3に分けて説明する。
【0064】
[ユーザーのランクが「1」(低い)の場合]
ランク付け手段13によって、ユーザーのランクが「1」と設定されている場合、このユーザーが貸借の決済において使用できるシルバーキーの数は、上記計算式1より、以下のとおりとなる。
<計算式1>
b/a≦1
<ランクが「1」のユーザーの使用できるシルバーキーの数の範囲>
b≦a
すなわち、上記計算式1より、ランクが「1」のユーザーが、貸借の決済において使用できるシルバーキーの数bは、ゴールドキーの数aに対して、b≦aとなり、ゴールドキーの数aに対して、使用するシルバーキーの数bをaよりも大きい数とした場合には、上記計算式1が成立しないことから、管理装置100は、この判定において、「不可」と判定する。なお、使用するシルバーキーの数bがa以下の場合には、上記計算式1の条件を満たすことから、管理装置100は、この判定において、「可」と判定する。
【0065】
[ユーザーのランクが「2」(中位)の場合]
ランク付け手段13によって、ユーザーのランクが「2」と設定されている場合、このユーザーが貸借の決済において使用できるシルバーキーの数は、上記計算式1より、以下のとおりとなる。
<計算式1>
b/a≦2
<ランクが「2」のユーザーの使用できるシルバーキーの数の範囲>
b≦2a
すなわち、上記計算式1より、ランクが「2」のユーザーが、貸借の決済において使用できるシルバーキーの数bは、ゴールドキーの数aに対して、b≦2aとなり、ゴールドキーの数「1」に対して、使用するシルバーキーの数bを2aよりも大きい数とした場合には、上記計算式1が成立しないことから、管理装置100は、この判定において、「不可」と判定する。なお、使用するシルバーキーの数bが2a以下の場合には、上記計算式1の条件を満たすことから、管理装置100は、この判定において、「可」と判定する。
【0066】
[ユーザーのランクが「3」(高い)の場合]
ランク付け手段13によって、ユーザーのランクが「3」と設定されている場合、このユーザーが貸借の決済において使用できるシルバーキーの数は、上記計算式1より、以下のとおりとなる。
<計算式1>
b/a≦3
<ランクが「3」のユーザーの使用できるシルバーキーの数の範囲>
b≦3a
すなわち、上記計算式1より、ランクが「3」のユーザーが、貸借の決済において使用できるシルバーキーの数bは、ゴールドキーの数aに対して、b≦3aとなり、ゴールドキーの数「1」に対して、使用するシルバーキーの数bを3aよりも大きい数とした場合には、上記計算式1が成立しないことから、管理装置100は、この判定において、「不可」と判定する。なお、使用するシルバーキーの数bが3a以下の場合には、上記計算式1の条件を満たすことから、管理装置100は、この判定において、「可」と判定する。
【0067】
上記の判定手法を用いて、ユーザーAが借入申込画面50の入力欄55に入力した使用するシルバーキーの数が、物件No.2の貸借の決済において使用可能な範囲内の数か否かについて判定を行うと、
・ユーザーAのランクは「1」(
図8参照)
・ユーザーAが借入申込画面50の入力欄54に入力したゴールドキーの数は「4」
・ユーザーAが借入申込画面50の入力欄55に入力したシルバーキーの数は「0」
となっていることから、これらの数を上記計算式1に代入すれば、以下に示すとおり、ユーザーAが使用するシルバーキーの数は、上記計算式1の条件を満たすことになる。よって、この場合、管理装置100は、この判定において、「可」と判定することになる。
<計算式1>
0/4≦1
なお、仮に、ランクが「1」のユーザーAが、ゴールドキーの数「1」に対して、使用するシルバーキーの数を「1」よりも大きい数とした場合(入力欄55に「1」よりも大きい数を入力した場合)には、上記計算式1が成立しないことから、管理装置100は、この判定において、「不可」と判定し、再度、借入申込情報の入力フォームを、通信部106を介して、ユーザーAのユーザー端末200に送信し(ステップS21に戻る)、ユーザーAは、再度、適切な、使用するシルバーキーの数を入力欄55に入力することになる(あとは、ステップS22〜ステップS24のステップを繰り返す)。
【0068】
管理装置100が、ステップS24で行った判定において、「可」と判定した場合、管理装置100は、ステップS25において、ユーザーが貸借の決済において使用するゴールドキーの数とシルバーキーの数を合計した数が、物件借入キー数と一致するか否かを判定する。ここで、
・ユーザーAが借入申込画面50の入力欄54に入力したゴールドキーの数は「4」
・ユーザーAが借入申込画面50の入力欄55に入力したシルバーキーの数は「0」
となっているのに対し、物件No.2の物件借入キー数は「4」(
図8参照)となっていることから、ユーザーAが物件No.2の貸借の決済において使用するゴールドキーの数とシルバーキーの数を合計した数「4=4+0」は、物件No.2の物件借入キー数「4」と一致する。よって、この場合、管理装置100は、この判定において、「可」と判定することになる。なお、ユーザーAが物件No.2の貸借の決済において使用するゴールドキーの数とシルバーキーの数を合計した数が、物件No.2の物件借入キー数と一致しない場合には、管理装置100は、この判定において、「不可」と判定し、再度、借入申込情報の入力フォームを、通信部106を介して、ユーザーAのユーザー端末200に送信し(ステップS21に戻る)、ユーザーAは、再度、適切な、使用するゴールドキーの数及びシルバーキーの数を入力欄54、55に入力することになる(あとは、ステップS22〜ステップS25のステップを繰り返す)。
【0069】
管理装置100が、ステップS25で行った判定において、「可」と判定した場合、管理装置100は、ステップS26において、ユーザーが貸借の決済において使用するシルバーキーの数(借入申込画面50の入力欄55に入力したシルバーキーの数)が、ユーザーリスト30にある当該ユーザーのシルバーキーの数の範囲内にあるか否かについて判定する。ここで、
・ユーザーAが借入申込画面50の入力欄55に入力したシルバーキーの数は「0」
となっているのに対し、ユーザーリスト30にあるユーザーAのシルバーキーの数は「0」となっていることから(
図8参照)、ユーザーAが物件No.2の貸借の決済において使用するシルバーキーの数は、ユーザーリスト30にあるユーザーAのシルバーキーの数の範囲内となる。よって、この場合、管理装置100は、この判定において、「可」と判定することになる。なお、ユーザーAが物件No.2の貸借の決済において使用するシルバーキーの数が、ユーザーリスト30にあるユーザーAのシルバーキーの数よりも大きい場合(範囲外の場合)には、管理装置100は、この判定において、「不可」と判定し、再度、借入申込情報の入力フォームを、通信部106を介して、ユーザーAのユーザー端末200に送信し(ステップS21に戻る)、ユーザーAは、再度、適切な、使用するシルバーキーの数を入力欄55に入力することになる(あとは、ステップS22〜ステップS26のステップを繰り返す)。
【0070】
管理装置100が、ステップS26で行った判定において、「可」と判定した場合、管理装置100は、ステップS27において、ユーザーが貸借の決済において使用するゴールドキーの数(借入申込画面50の入力欄54に入力したゴールドキーの数)が、ユーザーリスト30にある当該ユーザーのゴールドキーの数の範囲内にあるか否かについて判定する。ここで、
・ユーザーAが借入申込画面50の入力欄54に入力したゴールドキーの数は「4」
となっているのに対し、ユーザーリスト30にあるユーザーAのゴールドキーの数は「4」となっていることから(
図8上段の表参照)、ユーザーAが物件No.2の貸借の決済において使用するゴールドキーの数は、ユーザーリスト30にあるユーザーAのゴールドキーの数の範囲内となる。よって、この場合、管理装置100は、この判定において、「可」と判定することになる。なお、ユーザーAが物件No.2の貸借の決済において使用するゴールドキーの数が、ユーザーリスト30にあるユーザーAのゴールドキーの数よりも大きい場合(範囲外の場合)には、管理装置100は、この判定において、「不可」と判定し、この段階において、ユーザーAにゴールドキーの購入を可能とさせるべく、再度、ステップS10〜ステップS14のステップを繰り返す。その後、管理装置100は、改めて、ステップS27での判定を行う。なお、借入申込画面50には、ゴールドキーを購入するための購入ボタン56が設けられており、ユーザーが、この購入ボタン56をマウス等でクリックすると(又は直接タップする等)、管理装置100は、上述したゴールドキーを購入する際の手順(ステップS10〜ステップS14)を実行することになることから、ユーザーは、この購入ボタン56を介して、借入申込情報の入力の際、予め、貸借の決済に必要な数のゴールドキーを購入しておくことができる。
【0071】
管理装置100が、ステップS27で行った判定において、「可」と判定した場合、管理装置100は、ステップS28において、物件No.2の借入申込確認情報を、ユーザーAのユーザー端末200に、通信部106を介して送信する。そして、ユーザーAが、管理装置100から受信した物件No.2の借入申込確認情報の内容で、借り入れの申し込みを確定する場合、ユーザーAは、自身のユーザー端末200より、管理装置100に対して、物件No.2の借入申込確定情報(この情報には、当該物件の決済において使用するゴールドキーの数「4」、シルバーキーの数「0」が含まれる)を送信し、管理装置100は、ステップS29において、ユーザーAのユーザー端末200より送信された物件No.2の借入申込確定情報を、通信部106を介して受信する。なお、管理装置100は、受信した物件No.2の借入申込確定情報をメモリ102に記憶する。
【0072】
そして、管理装置100は、ステップS30において、メモリ102に記憶した物件No.2の借入申込確定情報(この情報には、当該物件の決済において使用するゴールドキーの数「4」、シルバーキーの数「0」が含まれる)に基づいて、ユーザーリスト30にあるユーザーAのゴールドキーの数及びシルバーキーの数から、ユーザーA(借主)が物件No.2の貸借の決済において使用するゴールドキーの数及びシルバーキーの数を減算し、続いて、ステップS31において、ユーザーAが物件No.2の貸借の決済において使用するゴールドキーの数及びシルバーキーの数を合計した数と同数のシルバーキーの数を、ユーザーリスト30にあるユーザーB(物件No.2の貸主)のシルバーキーの数に加算する。
【0073】
このことを具体的に説明すると、管理装置100は、まず、
ユーザーリスト30にあるユーザーAのゴールドキーの数「4」から、ユーザーAが物件No.2の貸借の決済において使用するゴールドキーの数「4」を減算し、続いて、ユーザーリスト30にあるユーザーAのシルバーキーの数「0」から、ユーザーAが当該物件の貸借の決済において使用するシルバーキーの数「0」を減算する。その結果、ユーザーリスト30にあるユーザーAのゴールドキーの数及びシルバーキーの数は共に「0」となる(
図8の上段の表から下段の表のようになる)。
【0074】
そして、管理装置100は、
ユーザーAが物件No.2の貸借の決済において使用するゴールドキーの数「4」及びシルバーキーの数「0」を合計した数「4」と同数のシルバーキーの数「4」を、ユーザーリスト30にあるユーザーB(物件No.2の貸主)のシルバーキーの数「2」に加算する。その結果、ユーザーリスト30にあるユーザーBのシルバーキーの数は「6」となる(
図8の上段の表から下段の表のようになる)。
【0075】
このように、物件No.2の借主であるユーザーAが、当該物件の貸借の決済において使用するシルバーキーは、そのまま、シルバーキーとして、物件No.2の貸主であるユーザーBに移転することになるが、ユーザーAが、当該物件の貸借の決済において使用するゴールドキーは、全てシルバーキーとして、当該物件の貸主であるユーザーBに移転されることになる(キー移転手段12)。なお、ステップS30及びステップS31のステップは、上記ステップS24からの手順を踏まえて実行されることから、キー移転手段12は、物件の貸借の決済において使用するゴールドキーの数とシルバーキーの数を組み合わせたときの、それぞれのキーの数の割合が、
<計算式1>
b/a≦n
の条件を満たす場合に実行されることになる。よって、この計算式1の条件を満たす場合には、キー移転手段12が実行されることになることから、物件の貸主は、借主に物件を貸し出すだけで、シルバーキーを獲得(入手)することができるのである。
【0076】
そして、管理装置100は、この減算加算結果をハードディスク105に記憶する。なお、このとき、ユーザーリスト30にある各ユーザー(例えば、
図6のユーザーA、B、C)の「シルバーキーの数」は、ユーザーの立場(貸主又は借主の立場)に応じて、貸主又は借主と関連付けられて、ハードディスク105に記憶されていることになる。すなわち、この各ユーザーの「シルバーキーの数」は、それぞれ、ハードディスク105に割り当てられた各ユーザーの記憶領域(例えば、ユーザー1人に対して1つの記憶領域が割り当てられる)に記憶されるものの、この「シルバーキーの数」は、各ユーザーが、別荘の貸主となる場合には「貸主のシルバーキーの数」として、別荘の借主となる場合には「借主のシルバーキーの数」として、当該記憶領域に記憶されていることになることから、ユーザーリスト30にある各ユーザーの「シルバーキーの数」は、ユーザーの立場(貸主又は借主の立場)に応じて、貸主又は借主と関連付けられて、ハードディスク105に記憶されていることになるのである。つまり、ハードディスク105は、ユーザーの立場(貸主又は借主の立場)に応じて、借主側キー記憶手段10又は貸主側キー記憶手段11として機能することになる。
【0077】
したがって、このことと、上記段落[0048]に記載の説明とを合わせれば、上記ユーザーリスト30にあるユーザーA(物件No.2の借主)のゴールドキーの数及びシルバーキーの数は、借主側キー記憶手段10に記憶されているゴールドキーの数及びシルバーキーの数となり、上記ユーザーリスト30にあるユーザーB(物件No.2の貸主)のゴールドキーの数(「3」
図8参照)及びシルバーキーの数は、貸主側キー記憶手段11に記憶されているゴールドキーの数及びシルバーキーの数となる。勿論、ユーザーAが貸主となれば、上記ユーザーリスト30にあるユーザーAのゴールドキーの数及びシルバーキーの数は、貸主側キー記憶手段11に記憶されているゴールドキーの数及びシルバーキーの数となり、ユーザーBが借主となれば、上記ユーザーリスト30にあるユーザーBのゴールドキーの数及びシルバーキーの数は、借主側キー記憶手段10に記憶されているゴールドキーの数及びシルバーキーの数となる。
【0078】
以上をもって、本貸借システムにおいて、ゴールドキーのみを使用して決済を行う際の手順が終了する。
【0079】
イ.ゴールドキーにシルバーキーを組み合わせて決済を行う場合の動作
次に、ゴールドキーにシルバーキーを組み合わせて、別荘の貸借の決済を行う場合の動作について、
(ア)ユーザーBがユーザーCより、Cが所有する物件No.3の物件を借りる場合
(イ)ユーザーCがユーザーAより、Aが所有する物件No.1の物件を借りる場合
を例に挙げて説明する(
図9、
図10a、
図10b参照)。なお、ゴールドキーにシルバーキーを組み合わせて、別荘の貸借の決済を行う場合の管理装置100の動作は、上述したゴールドキーのみを使用して、別荘の貸借の決済を行う場合の管理装置100の動作(ステップS20〜ステップS31)と基本的に共通することから、ここでは、ステップS20〜ステップS31の基本的な事項を省略し、主に、ステップS24以降のステップについて説明する。
【0080】
(ア)ユーザーBがユーザーCより、Cが所有する物件No.3の物件を借りる場合
図9は本発明の実施例1に係る貸借システムのユーザーリストの例を示す図である。
【0081】
図9に示すように、ユーザーCが所有する物件No.3の物件借入キー数は「9」となっていることから、ユーザーBは、借入申込画面50の入力欄54に、使用するゴールドキーの数として「3」を入力するとともに、入力欄55に、使用するシルバーキーの数として「6」を入力し、この情報(物件No.3の借入申込情報)を、自身のユーザー端末200より管理装置100に送信する。
【0082】
ユーザーBのユーザー端末200より、物件No.3の借入申込情報を受信した管理装置100は(ステップS22)、この情報をメモリ102に記憶し、この情報に基づいて、ユーザーBが借入申込画面50の入力欄55に入力した使用するシルバーキーの数が、貸借の決済において使用可能な範囲内の数か否かについて判定を行う(ステップS24)。
【0083】
そこで、上記の判定手法を用いて、ユーザーBが借入申込画面50の入力欄55に入力した使用するシルバーキーの数が、物件No.3の貸借の決済において使用可能な範囲内の数か否かについて判定を行うと、
・ユーザーBのランクは「2」(
図9参照)
・ユーザーBが借入申込画面50の入力欄54に入力したゴールドキーの数は「3」
・ユーザーBが借入申込画面50の入力欄55に入力したシルバーキーの数は「6」
となっていることから、これらの数を上記計算式1に代入すれば、以下に示すとおり、ユーザーBが使用するシルバーキーの数は、上記計算式1の条件を満たすことになる。よって、この場合、管理装置100は、この判定において、「可」と判定することになる。
<計算式1>
6/3≦2
なお、仮に、ランクが「2」のユーザーBが、ゴールドキーの数「1」に対して、使用するシルバーキーの数を「2」よりも大きい数とした場合(入力欄55に「2」よりも大きい数を入力した場合)には、上記計算式1が成立しないことから、管理装置100は、この判定において、「不可」と判定し、再度、借入申込情報の入力フォームを、通信部106を介して、ユーザーBのユーザー端末200に送信し(ステップS21に戻る)、ユーザーBは、再度、適切な、使用するシルバーキーの数を入力欄55に入力することになる(あとは、ステップS22〜ステップS24のステップを繰り返す)。
【0084】
管理装置100が、ステップS24で行った判定において、「可」と判定した場合、管理装置100は、ステップS25において、ユーザーBが物件No.3の貸借の決済において使用するゴールドキーの数とシルバーキーの数を合計した数が、物件No.3の物件借入キー数と一致するか否かを判定する。ここで、
・ユーザーBが借入申込画面50の入力欄54に入力したゴールドキーの数は「3」
・ユーザーBが借入申込画面50の入力欄55に入力したシルバーキーの数は「6」
となっているのに対し、物件No.3の物件借入キー数は「9」となっていることから、ユーザーBが物件No.3の貸借の決済において使用するゴールドキーの数とシルバーキーの数を合計した数「9=3+6」は、物件No.3の物件借入キー数「9」と一致する。よって、この場合、管理装置100は、この判定において、「可」と判定することになる。なお、ユーザーBが物件No.3の貸借の決済において使用するゴールドキーの数とシルバーキーの数を合計した数が、物件No.3の物件借入キー数と一致しない場合には、管理装置100は、この判定において、「不可」と判定し、再度、借入申込情報の入力フォームを、通信部106を介して、ユーザーBのユーザー端末200に送信し(ステップS21に戻る)、ユーザーBは、再度、適切な、使用するゴールドキーの数及びシルバーキーの数を入力欄54、55に入力することになる(あとは、ステップS22〜ステップS25のステップを繰り返す)。
【0085】
管理装置100が、ステップS25で行った判定において、「可」と判定した場合、管理装置100は、ステップS26において、ユーザーBが物件No.3の貸借の決済において使用するシルバーキーの数(借入申込画面50の入力欄55に入力したシルバーキーの数)が、ユーザーリスト30にあるユーザーBのシルバーキーの数の範囲内にあるか否かについて判定する。ここで、
・ユーザーBが借入申込画面50の入力欄55に入力したシルバーキーの数は「6」
となっているのに対し、ユーザーリスト30にあるユーザーBのシルバーキーの数は「6」となっていることから(
図9の上段の表参照)、ユーザーBが物件No.3の貸借の決済において使用するシルバーキーの数は、ユーザーリスト30にあるユーザーBのシルバーキーの数の範囲内となる。よって、この場合、管理装置100は、この判定において、「可」と判定することになる。なお、ユーザーBが物件No.3の貸借の決済において使用するシルバーキーの数が、ユーザーリスト30にあるユーザーBのシルバーキーの数よりも大きい場合(範囲外の場合)には、管理装置100は、この判定において、「不可」と判定し、再度、借入申込情報の入力フォームを、通信部106を介して、ユーザーBのユーザー端末200に送信し(ステップS21に戻る)、ユーザーBは、再度、適切な、使用するシルバーキーの数を入力欄55に入力することになる(あとは、ステップS22〜ステップS26のステップを繰り返す)。
【0086】
管理装置100が、ステップS26で行った判定において、「可」と判定した場合、管理装置100は、ステップS27において、ユーザーBが物件No.3の貸借の決済において使用するゴールドキーの数(借入申込画面50の入力欄54に入力したゴールドキーの数)が、ユーザーリスト30にあるユーザーBのゴールドキーの数の範囲内にあるか否かについて判定する。ここで、
・ユーザーBが借入申込画面50の入力欄54に入力したゴールドキーの数は「3」
となっているのに対し、ユーザーリスト30にあるユーザーBのゴールドキーの数は「3」となっていることから(
図9の上段の表参照)、ユーザーBが物件No.3の貸借の決済において使用するゴールドキーの数は、ユーザーリスト30にあるユーザーBのゴールドキーの数の範囲内となる。よって、この場合、管理装置100は、この判定において、「可」と判定することになる。なお、ユーザーBが物件No.3の貸借の決済において使用するゴールドキーの数が、ユーザーリスト30にあるユーザーBのゴールドキーの数よりも大きい場合(範囲外の場合)には、管理装置100は、この判定において、「不可」と判定し、この段階において、ユーザーBにゴールドキーの購入を可能とさせるべく、再度、ステップS10〜ステップS14のステップを繰り返す。その後、管理装置100は、改めて、ステップS27での判定を行う。
【0087】
そして、管理装置100が、ステップS28において、物件No.3の借入申込確認情報を、ユーザーBのユーザー端末200に、通信部106を介して送信し、ユーザーBのユーザー端末200より、物件No.3の借入申込確定情報を受信した場合には、管理装置100は、メモリ102に記憶した物件No.3の借入申込確定情報に基づいて、ユーザーリスト30にあるユーザーBのゴールドキーの数及びシルバーキーの数から、ユーザーB(借主)が物件No.3の貸借の決済において使用するゴールドキーの数及びシルバーキーの数を減算し(ステップS30)、続いて、ユーザーBが物件No.3の貸借の決済において使用するゴールドキーの数及びシルバーキーの数を合計した数と同数のシルバーキーの数を、ユーザーリスト30にあるユーザーC(物件No.3の貸主)のシルバーキーの数に加算する(ステップS31)。
【0088】
このことを具体的に説明すると、管理装置100は、まず、
ユーザーリスト30にある(借主側キー記憶手段10に記憶されている)ユーザーBのゴールドキーの数「3」から、ユーザーBが物件No.3の貸借の決済において使用するゴールドキーの数「3」を減算し、続いて、ユーザーリスト30にある(借主側キー記憶手段10に記憶されている)ユーザーBのシルバーキーの数「6」から、ユーザーBが当該物件の貸借の決済において使用するシルバーキーの数「6」を減算する。その結果、ユーザーリスト30にあるユーザーBのゴールドキーの数及びシルバーキーの数は共に「0」となる(
図9の上段の表から下段の表のようになる)。
【0089】
そして、管理装置100は、
ユーザーBが物件No.3の貸借の決済において使用するゴールドキーの数「3」及びシルバーキーの数「6」を合計した数「9」と同数のシルバーキーの数「9」を、ユーザーリスト30にある(貸主側キー記憶手段11に記憶されている)ユーザーC(物件No.3の貸主)のシルバーキーの数「3」に加算する。その結果、ユーザーリスト30にあるユーザーCのシルバーキーの数は「12」となる(
図9の上段の表から下段の表のようになる)。
【0090】
このように、物件No.3の借主であるユーザーBが、当該物件の貸借の決済において使用するシルバーキーは、そのまま、シルバーキーとして、物件No.3の貸主であるユーザーCに移転するとともに、ユーザーBが、当該物件の貸借の決済において使用するゴールドキーは、全てシルバーキーとして、当該物件の貸主であるユーザーCに移転されることになる(キー移転手段12)。
【0091】
そして、管理装置100は、この減算加算結果をハードディスク105に記憶する。
【0092】
以上をもって、本貸借システムにおいて、ゴールドキーにシルバーキーを組み合わせて、別荘の貸借の決済を行う際(ユーザーBがユーザーCより、Cが所有する物件No.3の物件を借りる場合)の手順が終了する。
【0093】
(イ)ユーザーCがユーザーAより、Aが所有する物件No.1の物件を借りる場合
図10aは本発明の実施例1に係る貸借システムのユーザーリストの例を示す図である。
【0094】
図10aに示すように、ユーザーAが所有する物件No.1の物件借入キー数は「12」となっていることから、ユーザーCは、借入申込画面50の入力欄54に、使用するゴールドキーの数として「3」を入力するとともに、入力欄55に、使用するシルバーキーの数として「9」を入力し、この情報(物件No.1の借入申込情報)を、自身のユーザー端末200より管理装置100に送信する。
【0095】
ユーザーCのユーザー端末200より、物件No.1の借入申込情報を受信した管理装置100は(ステップS22)、この情報をメモリ102に記憶し、この情報に基づいて、ユーザーCが借入申込画面50の入力欄55に入力した使用するシルバーキーの数が、貸借の決済において使用可能な範囲内の数か否かについて判定を行う(ステップS24)。
【0096】
そこで、上記の判定手法を用いて、ユーザーCが借入申込画面50の入力欄55に入力した使用するシルバーキーの数が、物件No.1の貸借の決済において使用可能な範囲内の数か否かについて判定を行うと、
・ユーザーCのランクは「3」(
図10a参照)
・ユーザーCが借入申込画面50の入力欄54に入力したゴールドキーの数は「3」
・ユーザーCが借入申込画面50の入力欄55に入力したシルバーキーの数は「9」
となっていることから、これらの数を上記計算式1に代入すれば、以下に示すとおり、ユーザーCが使用するシルバーキーの数は、上記計算式1の条件を満たすことになる。よって、この場合、管理装置100は、この判定において、「可」と判定することになる。
<計算式1>
9/3≦3
【0097】
なお、仮に、ランクが「3」のユーザーCが、ゴールドキーの数「1」に対して、使用するシルバーキーの数を「3」よりも大きい数とした場合(入力欄55に「3」よりも大きい数を入力した場合)には、上記計算式1が成立しないことから、管理装置100は、この判定において、「不可」と判定し、再度、借入申込情報の入力フォームを、通信部106を介して、ユーザーCのユーザー端末200に送信し(ステップS21に戻る)、ユーザーCは、再度、適切な、使用するシルバーキーの数を入力欄55に入力することになる(あとは、ステップS22〜ステップS24のステップを繰り返す)。
【0098】
管理装置100が、ステップS24で行った判定において、「可」と判定した場合、管理装置100は、ステップS25において、ユーザーCが物件No.1の貸借の決済において使用するゴールドキーの数とシルバーキーの数を合計した数が、物件No.1の物件借入キー数と一致するか否かを判定する。ここで、
・ユーザーCが借入申込画面50の入力欄54に入力したゴールドキーの数は「3」
・ユーザーCが借入申込画面50の入力欄55に入力したシルバーキーの数は「9」
となっているのに対し、物件No.1の物件借入キー数は「12」となっていることから、ユーザーCが物件No.1の貸借の決済において使用するゴールドキーの数とシルバーキーの数を合計した数「12=3+9」は、物件No.1の物件借入キー数「12」と一致する。よって、この場合、管理装置100は、この判定において、「可」と判定することになる。なお、ユーザーCが物件No.1の貸借の決済において使用するゴールドキーの数とシルバーキーの数を合計した数が、物件No.1の物件借入キー数と一致しない場合には、管理装置100は、この判定において、「不可」と判定し、再度、借入申込情報の入力フォームを、通信部106を介して、ユーザーCのユーザー端末200に送信し(ステップS21に戻る)、ユーザーCは、再度、適切な、使用するゴールドキーの数及びシルバーキーの数を入力欄54、55に入力することになる(あとは、ステップS22〜ステップS25のステップを繰り返す)。
【0099】
管理装置100が、ステップS25で行った判定において、「可」と判定した場合、管理装置100は、ステップS26において、ユーザーCが物件No.1の貸借の決済において使用するシルバーキーの数(借入申込画面50の入力欄55に入力したシルバーキーの数)が、ユーザーリスト30にあるユーザーCのシルバーキーの数の範囲内にあるか否かについて判定する。ここで、
・ユーザーCが借入申込画面50の入力欄55に入力したシルバーキーの数は「9」
となっているのに対し、ユーザーリスト30にあるユーザーCのシルバーキーの数は「12」となっていることから(
図10aの上段の表参照)、ユーザーCが物件No.1の貸借の決済において使用するシルバーキーの数は、ユーザーリスト30にあるユーザーCのシルバーキーの数の範囲内となる。よって、この場合、管理装置100は、この判定において、「可」と判定することになる。なお、ユーザーCが物件No.1の貸借の決済において使用するシルバーキーの数が、ユーザーリスト30にあるユーザーCのシルバーキーの数よりも大きい場合(範囲外の場合)には、管理装置100は、この判定において、「不可」と判定し、再度、借入申込情報の入力フォームを、通信部106を介して、ユーザーCのユーザー端末200に送信し(ステップS21に戻る)、ユーザーCは、再度、適切な、使用するシルバーキーの数を入力欄55に入力することになる(あとは、ステップS22〜ステップS26のステップを繰り返す)。
【0100】
管理装置100が、ステップS26で行った判定において、「可」と判定した場合、管理装置100は、ステップS27において、ユーザーCが物件No.1の貸借の決済において使用するゴールドキーの数(借入申込画面50の入力欄54に入力したゴールドキーの数)が、ユーザーリスト30にあるユーザーCのゴールドキーの数の範囲内にあるか否かについて判定する。ここで、
・ユーザーCが借入申込画面50の入力欄54に入力したゴールドキーの数は「3」
となっているのに対し、ユーザーリスト30にあるユーザーCのゴールドキーの数は「4」となっていることから(
図10aの上段の表参照)、ユーザーCが物件No.1の貸借の決済において使用するゴールドキーの数は、ユーザーリスト30にあるユーザーCのゴールドキーの数の範囲内となる。よって、この場合、管理装置100は、この判定において、「可」と判定することになる。なお、ユーザーCが物件No.1の貸借の決済において使用するゴールドキーの数が、ユーザーリスト30にあるユーザーCのゴールドキーの数よりも大きい場合(範囲外の場合)には、管理装置100は、この判定において、「不可」と判定し、この段階において、ユーザーCにゴールドキーの購入を可能とさせるべく、再度、ステップS10〜ステップS14のステップを繰り返す。その後、管理装置100は、改めて、ステップS27での判定を行う。
【0101】
そして、管理装置100が、ステップS28において、物件No.1の借入申込確認情報を、ユーザーCのユーザー端末200に、通信部106を介して送信し、ユーザーCのユーザー端末200より、物件No.1の借入申込確定情報を受信した場合には、管理装置100は、メモリ102に記憶した物件No.1の借入申込確定情報に基づいて、ユーザーリスト30にあるユーザーCのゴールドキーの数及びシルバーキーの数から、ユーザーC(借主)が物件No.1の貸借の決済において使用するゴールドキーの数及びシルバーキーの数を減算し(ステップS30)、続いて、ユーザーCが物件No.1の貸借の決済において使用するゴールドキーの数及びシルバーキーの数を合計した数と同数のシルバーキーの数を、ユーザーリスト30にあるユーザーA(物件No.1の貸主)のシルバーキーの数に加算する(ステップS31)。
【0102】
このことを具体的に説明すると、管理装置100は、まず、
ユーザーリスト30にある(借主側キー記憶手段10に記憶されている)ユーザーCのゴールドキーの数「4」から、ユーザーCが物件No.1の貸借の決済において使用するゴールドキーの数「3」を減算し、続いて、ユーザーリスト30にある(借主側キー記憶手段10に記憶されている)ユーザーCのシルバーキーの数「12」から、ユーザーCが当該物件の貸借の決済において使用するシルバーキーの数「9」を減算する。その結果、ユーザーリスト30にあるユーザーCのゴールドキーの数は「1」に、シルバーキーの数は「3」となる(
図10aの上段の表から下段の表のようになる)。
【0103】
そして、管理装置100は、
ユーザーCが物件No.1の貸借の決済において使用するゴールドキーの数「3」及びシルバーキーの数「9」を合計した数「12」と同数のシルバーキーの数「12」を、ユーザーリスト30にある(貸主側キー記憶手段11に記憶されている)ユーザーA(物件No.1の貸主)のシルバーキーの数「0」に加算する。その結果、ユーザーリスト30にあるユーザーAのシルバーキーの数は「12」となる(
図10aの上段の表から下段の表のようになる)。
【0104】
このように、物件No.1の借主であるユーザーCが、当該物件の貸借の決済において使用するシルバーキーは、そのまま、シルバーキーとして、物件No.1の貸主であるユーザーAに移転するとともに、ユーザーCが、当該物件の貸借の決済において使用するゴールドキーは、全てシルバーキーとして、当該物件の貸主であるユーザーAに移転されることになる(キー移転手段12)。
【0105】
そして、管理装置100は、この減算加算結果をハードディスク105に記憶する。
【0106】
以上をもって、本貸借システムにおいて、ゴールドキーにシルバーキーを組み合わせて、別荘の貸借の決済を行う際(ユーザーCがユーザーAより、Aが所有する物件No.1の物件を借りる場合)の手順が終了する。
【0107】
なお、上記の例では、ユーザーCが、物件No.1の貸借の決済において使用するゴールドキーの数を「3」と、シルバーキーの数を「9」として説明したが、ランクが「3」であるユーザーCは、使用するシルバーキーの数を、ゴールドキーの数「1」に対して、「3」まで(「3」以内)使用することができることから、例えば、ユーザーCが、
・借入申込画面50の入力欄54に、使用するゴールドキーの数を「4」と、
・借入申込画面50の入力欄55に、使用するシルバーキーの数を「8」と
入力した場合であっても、これらの数を上記計算式1に代入すれば、以下に示すとおり、ユーザーCが使用するシルバーキーの数は、上記計算式1の条件を満たすことになる。よって、この場合でも、管理装置100は、ステップS24における判定において、「可」と判定することになる(
図10b参照)。
<計算式1>
8/4≦3
【0108】
そして、この場合、ステップS25〜ステップS27の条件はクリアされることから、管理装置100は、まず、ステップS30において、ユーザーリスト30にある(借主側キー記憶手段10に記憶されている)ユーザーCのゴールドキーの数「4」から、ユーザーCが物件No.1の貸借の決済において使用するゴールドキーの数「4」を減算し、続いて、ユーザーリスト30にある(借主側キー記憶手段10に記憶されている)ユーザーCのシルバーキーの数「12」から、ユーザーCが当該物件の貸借の決済において使用するシルバーキーの数「8」を減算する。その結果、ユーザーリスト30にあるユーザーCのゴールドキーの数は「0」に、シルバーキーの数は「4」となる(
図10bの上段の表から下段の表のようになる)。
【0109】
そして、管理装置100は、ステップS31において、ユーザーCが物件No.1の貸借の決済において使用するゴールドキーの数「4」及びシルバーキーの数「8」を合計した数「12」と同数のシルバーキーの数「12」を、ユーザーリスト30にある(貸主側キー記憶手段11に記憶されている)ユーザーA(物件No.1の貸主)のシルバーキーの数「0」に加算する。その結果、ユーザーリスト30にあるユーザーAのシルバーキーの数は「12」となる(
図10bの上段の表から下段の表のようになる。「キー移転手段12」)。
【0110】
このように、本発明は、不動産(別荘)の貸借の決済を受けて、借主(ユーザー)が該決済において使用する第1のキー(ゴールドキー)の数及び第2のキー(シルバーキー)の数を合計した数と同数の第2のキーの数が、貸主側キー記憶手段11に記憶されている第2のキーの数に加算されるものとなっていることから、本発明では、不動産の貸し借りを促進することができる。
【0111】
このことを具体的に説明すると、本発明において貸主(ユーザー)は、不動産を借主に貸し出すことで、不動産の貸借の決済に必要な第1のキーと組み合わせて使用することができる第2のキーを獲得することができるところ(つまり、この場合、第2のキーは貸主に付与される)、本発明における貸主が第2のキーを獲得するための条件は、ただ単に、不動産を借主に貸し出すことであって、貸主に、これ以外の他の条件が課せられることはない。そのため、貸主は、不動産を借主に貸し出すだけで、容易に、当該決済に必要な第1のキーと組み合わせて使用することができる第2のキーを獲得することができ、貸主には、これによって、「不動産を貸し出したい」という、強い動機(より多くの第2のキーの獲得を目指し、不動産の貸し出しを、より頻繁に行おうという動機)が与えられることになることから、本発明を用いれば、その結果として、不動産の貸し借りを促進することができるのである。
【0112】
また、本発明における第1のキーは、不動産の貸借の決済に必要なものであるところ、借主が第1のキーに加え、第2のキーを所有している場合には(例えば、借主が、以前、貸主として他の借主に不動産を貸し出して、第2のキーを獲得した場合)、借主は、第2のキーを第1のキーと組み合わせて、不動産の貸借の決済を行うことができることから、本発明では、不動産の貸借の決済において、借主に対し、使用する第2のキーの数に応じた割引を与えることができる。すなわち、第1のキーと組み合わせて使用する第2のキーの数に応じて、借主は、不動産の貸借の決済において必要となる第1のキーを、仲介者から購入する必要がなくなることから、借主には、購入が必要なくなった第1のキーの数に応じた購入代金分の割引が与えられることになるのである。これにより、借主には、このような割引を受けるべく、より多くの第2のキーの獲得を目指し、貸主の立場で、不動産の貸し出しを、より頻繁に行おうという強い動機が与えられることになることから、本発明を用いれば、その結果として、不動産の貸し借りを促進することができる。
【0113】
さらに、本発明において、借主が、不動産の貸借の決済を受けるためには、必ず第1のキーが必要になることから、本発明では、このように構成することで、仲介者の利益を確実に確保することができる。すなわち、借主が、以前、貸主として他の借主に不動産を貸し出して、第2のキーを獲得していたとしても、本発明では、第2のキーのみで当該決済を受けることはできず、借主は、当該決済を受けるべく、必ず、仲介者から、第1のキーを購入しなければならないことから、仲介者は、当該決済が行われる際に、借主から支払われる第1のキーの購入代金分による利益を確実に確保することができるのである。よって、本発明を用いれば、仲介者の利益を確実に確保することができる。
【0114】
加えて、本発明は、使用する第1のキーの数aと第2のキーの数bを組み合わせたときの、それぞれのキーの数の割合が、b/a≦n(ただし、nはランク付け手段13によってランク付けされた1以上の整数)の場合に、キー移転手段12を実行するものとなっていることから、本発明では、ユーザー(貸主、借主)のランクに応じて、使用できる第2のキーの数を制限することができる。したがって、借主は、不動産の貸借の決済の際、使用が制限された第2のキーの数分の第1のキーを仲介者から購入する必要があることから、仲介者には、その分の利益が還元されることになる。よって、本発明を用いれば、ユーザーに上位にランク付けされるインセンティブを与えることによって、さらに動産又は不動産の貸し借りを促進することができるとともに、仲介者の利益を確実に確保することができる。
【0115】
以上より、本発明を用いれば、貸主に第2のキーを取得するインセンティブを与え、借主に第2のキーを使用するインセンティブを与えることによって動産又は不動産の貸し借りを促進するとともに、仲介者は第1のキーを販売することによって仲介者の利益を確実に確保することのできる貸借システム、方法及びプログラムを提供することができるのである。
【0116】
[本実施例に係る貸借システムの変形例]
なお、本実施例では、貸借の対象として、ユーザーが所有する別荘(不動産)を例に挙げて説明したが、本貸借システムにおいて、動産を貸借の対象とすることができることは勿論である。
【0117】
また、本実施例では、別荘の貸借の決済を行う際の動作について、ステップS20〜ステップS31の順に説明したが、これらのステップを踏まえて、キー移転手段12が実行されるのであれば、このステップの内、ステップS23〜ステップS27のステップについては、適宜、順番を入れ替えて、管理装置100を動作させることもできる。例えば、管理装置100を、ステップS23、ステップS26、ステップS27、ステップS25、ステップS24の順に動作させるようにしてもよい。
【0118】
さらに、本実施例では、別荘の貸借の決済において使用する第1のキーの数と第2のキーの数を組み合わせたときの、それぞれのキーの数の割合が、上記計算式1(b/a≦n)の条件を満たす場合に、キー移転手段12が実行されるものとなっているが、これに変えて、例えば、次の計算式の条件を満たす場合に、キー移転手段12が実行されるようにしてもよい。
<計算式2>
1≦b
・b=動産又は不動産の貸借の決済の際に使用される第2のキーの数
すなわち、この構成において、動産又は不動産の貸借の決済を受ける(キー移転手段12が実行される)ためには、第1のキーに加えて、必ず、「1」以上の数の第2のキーが必要となる。したがって、上記計算式2の条件を満たす場合に、キー移転手段12を実行するようにすれば、動産又は不動産の貸借の決済の際に、借主に、第1のキーと合わせて第2のキーを使用(入力欄55に「1」以上の数を入力)するよう要求することができることから、借主には、当該決済を受けるべく、第2のキーの獲得を目指し、貸主の立場で、動産又は不動産の貸し出しを、頻繁に行おうという強い動機が与えられることになる。よって、このように構成することで、さらに、動産又は不動産の貸し借りを促進することができる。
【0119】
また、本実施例における計算式1と上記計算式2の双方の条件を満たす場合に、キー移転手段12が実行されるように構成することもできる。こうすることで、計算式1中の「b」(第2のキーの数)には、計算式2の条件を満たすべく、必ず、「1」以上の数が代入されることになることから、ユーザー(貸主、借主)のランクに応じて、使用できる第2のキーの数を制限しつつも、借主には、動産又は不動産の貸借の決済において、第1のキーと合わせて第2のキーを使用(入力欄55に「1」以上の数を入力)するよう要求することができる。よって、上記計算式1及び2の双方の条件を満たす場合に、キー移転手段12を実行するようにすれば、仲介者の利益を確実に確保することができるとともに、より、動産又は不動産の貸し借りを促進することができる。
【0120】
また、本実施例では、使用する第1及び第2のキーの数を組み合わせたときの、それぞれのキーの数の割合が、上記計算式1の条件を満たすのであれば、ユーザーは、その範囲内において、使用する第1及び第2のキーの数を変動させることができるが(すなわち、使用する第1及び第2のキーの数を変動させても、上記計算式1の条件を満たすのであれば、キー移転手段12は実行される。
図10a、
図10b参照)、例えば、これに変えて、ユーザーが使用する第1及び第2のキーの数を組み合わせたときの、それぞれのキーの数が、物件借入キー数(動産又は不動産の借入キー数)に対して、一定の場合にのみ、キー移転手段12を実行させるようにすることもできる。例えば、具体例として、以下の組み合わせが挙げられる。
[ランクが「1」のユーザーの場合]
・物件借入キー数「6」の場合・・・第1のキーの数「6」 第2のキーの数「0」
・物件借入キー数「7」の場合・・・第1のキーの数「7」 第2のキーの数「0」
・物件借入キー数「8」の場合・・・第1のキーの数「8」 第2のキーの数「0」
[ランクが「2」のユーザーの場合]
・物件借入キー数「6」の場合・・・第1のキーの数「4」 第2のキーの数「2」
・物件借入キー数「7」の場合・・・第1のキーの数「5」 第2のキーの数「2」
・物件借入キー数「8」の場合・・・第1のキーの数「6」 第2のキーの数「2」
[ランクが「3」のユーザーの場合]
・物件借入キー数「6」の場合・・・第1のキーの数「3」 第2のキーの数「3」
・物件借入キー数「7」の場合・・・第1のキーの数「4」 第2のキーの数「3」
・物件借入キー数「8」の場合・・・第1のキーの数「5」 第2のキーの数「3」
【0121】
すなわち、ランクが「1」のユーザーが、物件借入キー数「6」の物件の貸借の決済を行う場合、この物件の決済が認められる(キー移転手段12が実行される)ためには、必ず、使用する第1のキーの数を「6」、第2のキーの数を「0」とする必要があり、これ以外の第1及び第2のキーの数の組み合わせの場合には、キー移転手段12は実行されないことになる(すなわち、ランクが「1」のユーザーは、第2のキーを使用することができない)。
【0122】
また、ランクが「3」のユーザーが、物件借入キー数「8」の物件の貸借の決済を行う場合、この物件の決済が認められる(キー移転手段12が実行される)ためには、必ず、使用する第1のキーの数を「5」、第2のキーの数を「3」とする必要があり、これ以外の第1及び第2のキーの数の組み合わせの場合には、キー移転手段12は実行されない。
【0123】
このように、ユーザーが使用する第1及び第2のキーの数を組み合わせたときの、それぞれのキーの数が、物件借入キー数(動産又は不動産の借入キー数)に対して、一定の場合にのみ、キー移転手段12を実行するようにすれば、動産又は不動産の貸借の決済を受けるための第1及び第2のキーの数の組み合わせは固定され、ランクが「1」のユーザーは、第2のキーを使用することができないことから、早く自分のランクを上げようと、より多くの第1のキーを仲介者から購入し使用しようと考えるようになり、また、ランクが「2」以上のユーザーは、これの決済を受けるための第1及び第2のキーの数の組み合わせを完成させるべく、より多くの第1のキーを仲介者から購入するとともに、自身の動産又は不動産を他のユーザーに貸し出して、より多くの第2のキーを獲得しようと考えることから、キー移転手段12の実行条件を、このように設定することで、さらに、仲介者の利益を確実に確保することができるとともに、動産又は不動産の貸し借りを、より促進することのできる貸借システムを提供することができることになる。
【0124】
また、本実施例では、上記のとおり、使用する第1及び第2のキーの数を組み合わせたときの、それぞれのキーの数の割合が、ユーザーのランクとの関係において、一定の範囲内の割合である場合(上記計算式1の条件を満たす場合)にのみ、キー移転手段12が実行されるものとなっているが、例えば、これに変えて、ランク付け手段13を設けないで、上記計算式1の条件を不要とするよう構成することもできる。この場合、ユーザーが、動産又は不動産の貸借の決済において使用する第2のキーの数に制限はないことから、当該決済において使用する第1のキーの数が、最低でも「1」あれば、あとは、必要な数(物件借入キー数と一致させるための残りのキーの数)だけの第2のキーの数を、これに組み合わせることで、キー移転手段12を実行させることができる。
【0125】
このように、ランク付け手段13を設けないで、上記計算式1の条件を不要とするよう構成したとしても、動産又は不動産の貸借の決済を受ける(キー移転手段12が実行させる)ためには、最低でも、「1」の数の第1のキーが必要であり、また、ユーザーは、動産又は不動産を借り受ける際、より多くの第2のキーを使用することができることから、仲介者の利益を確実に確保することができるとともに、動産又は不動産の貸し借りを、より促進することのできる貸借システムを提供することができる。なお、この構成に、上記計算式2の条件を付加した場合には、動産又は不動産の貸借の決済の際、借主に、第1のキーと合わせて第2のキーを使用(入力欄55に「1」以上の数を入力)するよう要求することができることから、さらに、動産又は不動産の貸し借りを促進することができる。
【0126】
最後に、本実施例の貸借システムは、貸借方法であってもよいし、コンピュータを貸借システム又は方法として機能させるためのプログラムでも実現される。このプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に格納されていてもよい。なお、上記記録媒体は、本実施例の貸借システムのROMそのものや、外部記憶装置(CD−ROMドライブ等)に挿入することで読み取り可能なCD−ROM、磁気テープ、カセットテープ、フレキシブルディスク、ハードディスク、MO/MD/DVD等、又は半導体メモリであってもよい。
【0127】
以上のとおり、これまで、本実施例に対するいくつかの変形例を説明したが、これらの変形例を、適宜組み合わせて適用することができることは勿論のことである。
【0128】
このように、本実施例では、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能であることはいうまでもない。