【文献】
藤原 英樹,水溶性食物繊維の飲料への利用,Beverage Japan,1999年,Vol.11, No.215,p.55, 56
【文献】
「食品添加物基礎講座(その12) 味に係わる食品添加物(2)」、アサマ化成株式会社、2010年6月25日、[2016年5月12日検索]、インターネット<URL: http://www.asama-chemical.co.jp/TENKAB/YUKAWA12.HTM>,URL,http://www.asama-chemical.co.jp/TENKAB/YUKAWA12.HTM
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0006】
ホップエキスを含有するエタノール低含有のビアテイスト飲料において、難消化性デキストリンを含有させるとホップ由来の生臭みが低減できるものの、雑味が感じられてしまいビアテイスト感が損なわれやすいことが判明した。ここで、本明細書において「雑味」とは、すっきり感やキレを損なう難消化性デキストリン由来の味をいう。
本発明は、コクが良好でありながら雑味の改善されたビアテイスト飲料に関する。
【0007】
本発明者は、上記課題に鑑み検討した結果、ホップ含有ビアテイスト飲料に、難消化性デキストリンと特定のカラメルと酸味料とを含有させ、エタノール含有量を特定範囲内に制御することにより、コクが良好でありながら更に雑味も改善されたビアテイスト飲料が得られることを見出した。
【0008】
本発明によれば、コクが良好でありながら、更に雑味も改善されたビアテイスト飲料を提供することができる。
【0009】
本明細書において「ビアテイスト飲料」とは、酵母等で発酵させて醸造された通常のビール飲料のような味わいを有する飲料をいい、製品名称、表示にかかわらず、香味上ビールを想起させる呈味を有するものであればビアテイスト飲料に包含される。
【0010】
本発明のビアテイスト飲料は、成分(A)として難消化性デキストリンを含有する。ここで「難消化性デキストリン」とは、人間の消化酵素により加水分解されずに残るデキストリンである。成分(A)は、例えば、澱粉に微量の塩酸を加えて加熱し、酵素(α−アミラーゼ、グルコアミラーゼ等)で処理して得られた食物繊維の画分を分取することで得られる。なお、澱粉は食品分野において使用されているものであれば、その由来は特に限定されないが、例えば、トウモロコシ、馬鈴薯、甘藷、小麦、米等の植物由来の澱粉等を挙げることができる。中でも、トウモロコシ由来の澱粉が所望の効果を得やすい点で好ましい。
【0011】
成分(A)のデキストロース当量(DE:Dextrose Equivalent)は、コクの増強の観点から、1以上が好ましく、5以上がより好ましく、7以上が更に好ましく、9以上がより更に好ましく、そして30以下が好ましく、25以下がより好ましく、23以下が更に好ましく、20以下がより更に好ましい。成分(A)のデキストロース当量の範囲としては、好ましくは1〜30であり、より好ましくは5〜25であり、更に好ましくは7〜23であり、より更に好ましくは9〜20である。
成分(A)として市販品を用いることも可能であり、例えば、パインファイバー、ファイバーソル2(以上、商品名、松谷化学工業社製)、プロミター85(商品名、Tate&Lyle社製)等を挙げることができる。中でも、ファイバーソル2が好ましい。
【0012】
本発明のビアテイスト飲料中の成分(A)の含有量は、コクの増強の観点から、0.3質量%以上が好ましく、0.5質量%以上がより好ましく、0.8質量%以上が更に好ましく、1質量%以上が殊更に好ましく、1.2質量%以上が殊更に好ましく、1.4質量%以上が殊更に好ましく、1.42質量%以上が殊更に好ましく、また風味バランスの観点から、2質量%以下が好ましく、1.95質量%以下がより好ましく、1.9質量%以下が更に好ましく、1 .85質量%以下が殊更に好ましく、1.8質量%以下が殊更に好ましい。成分(A)の含有量の範囲としては、本発明のビアテイスト飲料中に、好ましくは0.3〜2質量%であり、より好ましくは0.5〜1.95質量%であり、更に好ましくは0.8〜1.9質量%であり、殊更に好ましくは1〜1.9質量%であり、殊更に好ましくは1.2〜1.85質量%であり、殊更に好ましくは1.4〜1.85質量%であり、殊更に好ましくは1.42〜1.8質量%である。なお、成分(A)の含有量は、食物繊維成分含量として求められる値であり、その分析は後掲の実施例に記載の方法で行うことができる。
【0013】
また、本発明のビアテイスト飲料は、当該飲料1本当たりの成分(A)の含有量が、1g以上が好ましく、1.8g以上がより好ましく、2.8g以上が更に好ましく、4g以上が更に好ましく、4.5g以上が殊更に好ましく、5g以上が殊更に好ましく、そして、9g以下が好ましく、8g以下がより好ましく、7g以下が更に好ましく、6.5g以下が更に好ましく、6g以下が殊更に好ましい。ビアテイスト飲料1本当たりの成分(A)の含有量の範囲としては、好ましくは1〜9g、より好ましくは1〜8g、更に好ましくは1.8〜7g、更に好ましくは2.8〜7g、更に好ましくは4〜6.5g、より更に好ましくは4.5〜6.5gであり、殊更に好ましくは5〜6gである。なお、容器に充填されたビアテイスト飲料の容量は、200〜600gが好ましく、250〜550gがより好ましく、300〜500gが更に好ましく、350〜450gがより更に好ましい。
【0014】
また、本発明のビアテイスト飲料は、雑味の改善の観点から、成分(B)としてカラメルI及びカラメルIVから選ばれる少なくとも1種を含有する。本発明のビアテイスト飲料は、成分(B)としてカラメルIVを含有することが、雑味の改善効果がより一層高められる点でより好ましい。ここで、本明細書において「カラメルI、カラメルIV」とは、第8版食品添加物公定書(厚生労働省)に記載のカラメルI、カラメルIVを意味する。より具体的には、カラメルIは、澱粉加水分解物、糖蜜又は糖類の食用炭水化物を、熱処理して得られたもの、又は酸若しくはアルカリを加えて熱処理して得られたもので、亜硫酸化合物及びアンモニウム化合物を使用していないものであり、またカラメルIVは、澱粉加水分解物、糖蜜又は糖類の食用炭水化物に、亜硫酸化合物及びアンモニウム化合物を加えて、又はこれに酸若しくはアルカリを加えて熱処理して得られるものである。
【0015】
本発明のビアテイスト飲料中の成分(B)の含有量は、コクの増強及び雑味の改善の観点から、固形分換算で0.0005質量%以上が好ましく、0.001質量%以上がより好ましく、0.003質量%以上が更に好ましく、0.005質量%以上が更に好ましく、0.007質量%以上が殊更に好ましく、そして5質量%以下が好ましく、1質量%以下がより好ましく、0.4質量%以下が更に好ましく、0.3質量%以下が殊更に好ましい。かかる成分(B)の含有量の範囲としては、本発明のビアテイスト飲料中に、固形分換算で、好ましくは0.0005〜5質量%であり、より好ましくは0.001〜1質量%であり、更に好ましくは0.003〜0.4質量%であり、殊更に好ましくは0.005〜0.3質量%であり、殊更に好ましくは0.007〜0.3質量%である。なお、成分(B)の含有量は、第8版食品添加物公定書に記載のカラメルI及びカラメルIVの純度試験に準じて固形分含量を測定し、固形分に換算した値である。
【0016】
本発明のビアテイスト飲料中の成分(A)と成分(B)との質量比[(B)/(A)]は、コクの増強及び雑味の改善の観点から、0.0001以上が好ましく、0.0005以上が好ましく、0.001以上がより好ましく、0.003以上が更に好ましく、そして0.5以下が好ましく、0.45以下が好ましく、0.4以下がより好ましく、0.35以下が更に好ましい。かかる質量比[(B)/(A)]の範囲としては、本発明のビアテイスト飲料中に、好ましくは0.0001〜0.5であり、より好ましくは0.0005〜0.45であり、更に好ましくは0.001〜0.4であり、更に好ましくは0.003〜0.35である。
【0017】
本発明のビアテイスト飲料は、成分(C)として無機酸、カルボン酸及びそれらの塩から選択される少なくとも1種の酸味料を含有する。具体的には、無機酸としては、例えば、塩酸、リン酸等を挙げることができ、カルボン酸としては、例えば、クエン酸、グルコン酸、コハク酸、酒石酸、乳酸、フマル酸、リンゴ酸、アジピン酸、フィチン酸、酢酸等を挙げることができる。無機酸又はカルボン酸の塩としては、例えば、カリウム塩、ナトリウム塩等のアルカリ金属塩を挙げることができる。成分(C)は、1種又は2種以上を含有することができる。中でも、成分(C)としては、グルコン酸、クエン酸、リン酸、コハク酸及びそれらの塩から選択される少なくとも1種が好ましい。
【0018】
本発明のビアテイスト飲料中の成分(C)の含有量は、0.0001質量%以上が好ましく、0.005質量%以上がより好ましく、0.001質量%以上が更に好ましく、そして雑味の改善の観点から0.1質量%以下が好ましく、0.05質量%以下がより好ましく、0.03質量%以下が更に好ましい。かかる成分(C)の含有量の範囲としては、本発明のビアテイスト飲料中に、好ましくは0.0001〜0.1質量%であり、より好ましくは0.005〜0.05質量%であり、更に好ましくは0.001〜0.03質量%である。なお、成分(C)が塩の形態である場合、成分(C)の含有量はその遊離酸量に換算した値とする。
【0019】
本発明のビアテイスト飲料は、ホップを含有する。ホップは、ツル性の多年草であり、ホップから抽出されたホップエキスの形態で含有させることができる。ホップエキスは、例えば、ホップの球花やその圧縮物をそのまま又は粉砕した後、炭酸ガス、水、有機溶媒等の溶剤で抽出することによって調製することができる。抽出操作としては、例えば、ビール醸造等に用いられる一般的なホップエキスの調製法を適宜選択することができるが、例えば、溶剤中にホップの球花、その粉砕物等を冷浸、温浸等によって浸漬する方法、加温し攪拌しながら抽出を行い、濾過して抽出液を得る方法の他、パーコレーション法等も採用することができる。抽出操作によって得られた粗抽出物は、必要に応じて、ろ過、遠心分離等の固液分離に付すことができる。
抽出操作後、必要により固液分離して得られた液を、そのままホップエキスとして用いてもよいが、そこに含まれる溶剤の少なくとも一部を除去した濃縮物、あるいは減圧乾燥、凍結乾燥等により乾燥させた乾燥物等を用いてもよい。また、市販のホップエキスを用いることもできる。
【0020】
本発明のビアテイスト飲料は、成分(D1)としてα酸及びイソα酸から選択される少なくとも1種を含有することができる。α酸及びイソα酸は、主にホップに由来するものであるが、他の成分に由来するものであっても構わない。ここで、本明細書において「α酸」とは、フムロン、アドフムロン、コフムロン、ポストフムロン及びプレフムロンの総称であり、また「イソα酸」とは、イソフムロン、イソアドフムロン、イソコフムロン、イソポストフムロン及びイソプレフムロンの総称である。
【0021】
本発明のビアテイスト飲料中の成分(D1)の含有量は、コクの増強の観点から、0.0.0000005質量%以上が好ましく、0.000001質量%以上がより好ましく、0.000005質量%以上が更に好ましく、0.000015質量%以上が殊更に好ましく、そして0.0005質量%以下が好ましく、0.0001質量%以下がより好ましく、0.00005質量%以下が更に好ましい。かかる成分(D1)の含有量の範囲としては、本発明のビアテイスト飲料中に、好ましくは0.0000005〜0.0005質量%、より好ましくは0.000001〜0.0001質量%、更に好ましくは0.000005〜0.00005質量%であり、殊更に好ましくは0.000015〜0.00005質量%である。なお、成分(D1)の含有量は、上記5種のα酸及び上記5種のイソα酸の合計量に基づいて定義される。
【0022】
更に、本発明のビアテイスト飲料は、雑味の改善の観点から、成分(E)としてデヒドロアスコルビン酸を含有することができる。
本発明のビアテイスト飲料中の成分(E)の含有量は、雑味の改善の観点から、0.0001質量%以上が好ましく、0.0005質量%以上がより好ましく、0.0008質量%以上が更に好ましく、0.001質量%以上が殊更に好ましく、そして0.5質量%以下が好ましく、0.1質量%以下がより好ましく、0.05質量%以下が更に好ましく、0.01質量%以下が殊更に好ましい。成分(E)の含有量の範囲としては、本発明のビアテイスト飲料中に、好ましくは0.0001〜0.5質量%であり、より好ましくは0.0005〜0.1質量%であり、更に好ましくは0.0008〜0.05質量%、殊更に好ましくは0.001〜0.01質量%である。
【0023】
本発明のビアテイスト飲料中の成分(A)と成分(E)との質量比[(E)/(A)]は、雑味の改善の観点から、0.00005以上が好ましく、0.0001以上がより好ましく、0.0005以上が更に好ましく、そして0.05以下が好ましく、0.03以下がより好ましく、0.01以下が更に好ましい。かかる質量比[(E)/(A)]の範囲としては、本発明のビアテイスト飲料中に、好ましくは0.00005〜0.05であり、より好ましくは0.0001〜0.03であり、更に好ましくは0.0005〜0.01である。
【0024】
本発明のビアテイスト飲料中の成分(E)と成分(D1)との質量比[(E)/(D1)]は、コクの増強及び雑味の改善の観点から、1以上が好ましく、10以上がより好ましく、50以上が更に好ましく、そして5000以下が好ましく、3000以下がより好ましく、2000以下が更に好ましい。かかる質量比[(E)/(D1)]の範囲としては、本発明のビアテイスト飲料中に、好ましくは1〜5000、より好ましくは10〜3000、更に好ましくは50〜2000である。
【0025】
また、本発明のビアテイスト飲料は、成分(F)として塩化物イオンを含有することができる。成分(F)としては、塩化物の形態で本発明のビアテイスト飲料へ配合することができ、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム等のアルカリ金属の塩化物、塩化マグネシウム、塩化カルシウム等のアルカリ土類金属の塩化物の他、塩化第二鉄、塩化アンモニウム等を挙げることができる。中でも、アルカリ金属の塩化物及びアルカリ土類金属の塩化物から選択される少なくとも1種が好ましく、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム及び塩化カルシウムから選択される少なくとも1種が更に好ましい。
【0026】
本発明のビアテイスト飲料中の成分(F)の含有量は、雑味の改善の観点から、0.0001質量%以上が好ましく、0.0005質量%以上がより好ましく、0.001質量%以上が更に好ましく、そして0.05質量%以下が好ましく、0.01質量%以下がより好ましく、0.005質量%以下が更に好ましい。成分(F)の含有量の範囲としては、本発明のビアテイスト飲料中に、好ましくは0.0001〜0.05質量%、更に好ましくは0.0005〜0.01質量%、更に好ましくは0.001〜0.005質量%である。
【0027】
本発明のビアテイスト飲料中の成分(A)と成分(F)との質量比[(F)/(A)]は、雑味の改善の観点から、0.00001以上が好ましく、0.0001以上がより好ましく、0.001以上が更に好ましく、そして0.05以下が好ましく、0.03以下がより好ましく、0.01以下が更に好ましい。かかる質量比[(F)/(A)]の範囲としては、本発明のビアテイスト飲料中に、好ましくは0.00001〜0.05であり、より好ましくは0.0001〜0.03であり、更に好ましくは0.001〜0.01である。
【0028】
本発明のビアテイスト飲料中の成分(D1)と成分(F)との質量比[(F)/(D1)]は、雑味の改善の観点から、1以上が好ましく、50以上がより好ましく、100以上が更に好ましく、そして500以下が好ましく、350以下がより好ましく、300以下が更に好ましい。かかる質量比[(F)/(D1)]の範囲としては、本発明のビアテイスト飲料中に、好ましくは1〜500であり、より好ましくは50〜350であり、更に好ましくは100〜300である。
【0029】
本発明のビアテイスト飲料は、(G)エタノールの含有量が1質量%未満であるが、ノンアルコールビアテイスト飲料として、0.7質量%未満が好ましく、0.5質量%未満がより好ましく、0.3質量%未満が更に好ましく、0.00質量%であってもよい。なお、「エタノール含有量が0.00質量%」とは、後掲の実施例に記載の「エタノールの分析」において、エタノールの含有量が小数点二桁未満において検出限界以下である場合も包含する概念である。
【0030】
更に、本発明のビアテイスト飲料は、ビアテイスト感の向上の観点から、成分(H)として炭酸ガスを含有することができる。圧入する炭酸ガスは、ビアテイスト感の向上の観点から、本発明のビアテイスト飲料中に、ガス容量(GV)で1v/v以上が好ましく、1.2v/v以上がより好ましく、1.5v/v以上が更に好ましく、1.6v/v以上が殊更に好ましく、そしてコクの増強の観点から、3.0v/v以下が好ましく、2.9v/v以下がより好ましく、2.8v/v以下が更に好ましく、2.7v/v以下がより更に好ましく、2.6v/vが殊更に好ましい。本発明のビアテイスト飲料中の成分(H)の含有量の範囲としては、ガス容量比で、好ましくは1〜3.0v/vであり、より好ましくは1.2〜2.9v/vであり、更に好ましくは1.5〜2.8v/vであり、殊更に好ましくは1.6〜2.7v/vであり、殊更に好ましくは1.6〜2.6v/vである。ここで、本明細書において「ガス容量(GV)」とは、1気圧、0℃における容器詰飲料中に溶解している炭酸ガスの容積と飲料の容積比を表す。成分(H)の分析は、後掲の実施例に記載の方法にしたがうものとする。
【0031】
本発明のビアテイスト飲料のpH(20℃)は、コクの増強及び雑味の改善の観点から、1.8以上が好ましく、2以上がより好ましく、2.5以上が更に好ましく、2.8以上がより更に好ましく、3.1以上が殊更に好ましく、そして4.5以下が好ましく、4以下がより好ましく、3.9以下が更に好ましく、3.8以下が殊更に好ましい。pHの範囲としては、好ましくは1.8〜4.5、より好ましくは2〜4、更に好ましくは2.5〜3.9、殊更に好ましくは2.8〜3.8である。なお、pHは、ビアテイスト飲料約100mLを300mLのビーカーに量り取り、温度調整をして測定するものとする。また、ビアテイスト飲料中に炭酸ガスが含まれる場合には、ビアテイスト飲料約100mLを300mLのビーカーに量り取り、スターラーピースを入れてスターラーで激しく20分間攪拌して、炭酸ガスを取り除いた後、温度調整をして測定するものとする。
【0032】
本発明のビアテイスト飲料のBrix(20℃)は、コクの増強及び雑味の改善の観点から、0.5%以上が好ましく、0.8%以上がより好ましく、1%以上が更に好ましく、1.2以上がより更に好ましく、1.5以上が殊更に好ましく、また飲みやすさの観点から10%以下が好ましく、8%以下がより好ましく、4%以下が更に好ましく、3%以下がより更に好ましく、2.5以下が殊更に好ましい。かかるBrixの範囲としては、好ましくは0.5〜10%、より好ましくは0.8〜8%、更に好ましくは1〜4%であり、より更に好ましくは1.2〜3%であり、殊更に好ましくは1.5〜2.5%である。なお、Brixは、ビアテイスト飲料約100mLを300mLのビーカーに量り取り、温度調整をして測定するものとする。また、ビアテイスト飲料中に炭酸ガスが含まれる場合には、ビアテイスト飲料約100mLを300mLのビーカーに量り取り、スターラーピースを入れてスターラーで激しく20分間攪拌して、炭酸ガスを取り除いた後、温度調整をして測定するものとする。
【0033】
また、本発明のビアテイスト飲料は、成分(A)の含有量とBrixとが下記式(1)の関係を満たす、すなわち、成分(A)以外のBrixに寄与する成分が少ない場合であっても、コクが増強され、雑味が改善され、更に飲みやすさも良好なビアテイスト飲料が得られるので好ましい。
【0034】
0.01<(b−a)/b<0.7 ・・・(1)
【0035】
〔式(1)中、aは当該ビアテイスト飲料中の成分(A)の含有量(質量%)を示し、bは当該ビアテイスト飲料のBrix(%)を示す。〕
【0036】
本発明のビアテイスト飲料は、好ましくは下記式(2)の関係、より好ましくは下記式(3)の関係、更に好ましくは下記式(4)の関係、殊更に好ましくは下記式(5)の関係を満たす飲料とすることで、コクの増強効果及び雑味の改善効果をより一層高めることができるので好ましい。
【0037】
0.05<(b−a)/b<0.5 ・・・(2)
0.05<(b−a)/b<0.48 ・・・(3)
0.1<(b−a)/b<0.45 ・・・(4)
0.13<(b−a)/b<0.4 ・・・(5)
【0038】
〔式(2)〜(5)中、aは及びbは前記式(1)中のa及びbと同義である。〕
【0039】
本発明のビアテイスト飲料は、更に香料、甘味料、ビタミン、ミネラル、酸化防止剤、エステル、乳化剤、保存料、品質安定剤等の添加剤を1種又は2種以上を組み合わせて含有させることができる。これら添加剤の含有量は、本発明の目的を損なわない範囲内で適宜設定することができる。
【0040】
本発明のビアテイスト飲料は、例えば、成分(A)〜(C)及びホップ、所望により他の成分を配合し、エタノール濃度を調整することにより製造することができる。
【0041】
ビアテイスト飲料には、発酵ビアテイスト飲料と非発酵ビアテイスト飲料がある。発酵ビアテイスト飲料とは、飲料製造工程中に発酵工程を経るものであり、一方、非発酵ビアテイスト飲料は、飲料製造工程中に発酵工程を経ないものや、料製造工程中に発酵工程を経るものの、エタノール発酵は抑制したものが含まれる。本発明においては、非発酵ビアテイスト飲料が本発明の効果を十分に引き出す観点から好ましい。
【0042】
本発明のビアテイスト飲料は、金属缶、瓶、ポリエチレンテレフタレートを主成分とする成形容器(いわゆるPETボトル)等の通常の包装容器に充填して提供することができる。
【0043】
本発明のビアテイスト飲料は、加熱殺菌されていてもよく、加熱殺菌方法としては、適用されるべき法規(日本にあっては食品衛生法)に定められた条件に適合するものであれば特に限定されるものではない。例えば、レトルト殺菌法、高温短時間殺菌法(HTST法)、超高温殺菌法(UHT法)、充填後殺菌法(パストリゼーション)等を挙げることができる。
また、容器の種類に応じて加熱殺菌法を適宜選択することも可能であり、例えば、金属缶、瓶のように、飲料を容器に充填後、容器ごと加熱殺菌(例えば60〜140℃、1〜60分)できる場合にあってはレトルト殺菌や充填後殺菌法(パストリゼーション)を採用することができる。充填後殺菌法(パストリゼーション)の場合、例えば65℃で1〜60分間、好ましくは65℃で5〜30分間、更に好ましくは65℃で10〜20分間で加熱殺菌することができる。
また、PETボトルのようにレトルト殺菌できないものについては、飲料をあらかじめ上記と同等の殺菌条件(例えば65〜140℃で0.1秒〜30分間、好ましくは70〜125℃で1秒〜25分間、更に好ましくは75〜120℃で10秒〜20分間)で加熱殺菌し、無菌環境下で殺菌処理した容器に充填するアセプティック充填や、ホットパック充填等を採用することができる。
【実施例】
【0044】
1.難消化性デキストリンの分析
(1)定量法
試料約1gを精密に量り(Sp)、0.08mol/Lリン酸緩衝液(pH6.0)を加え50mLにする。これに熱安定性α−アミラーゼ(ターマミル120L:ノボザイムズ社)0.1mLを加え、沸騰水浴中に入れ、30分間振とうする。放冷後、0.275mol/L水酸化ナトリウム溶液10mLでpHを7.5±0.1に調整した。たんぱく分解酵素溶液(プロテアーゼP-5380:シグマ社)0.1mLを加え、60℃で振とうしながら30分間反応させる。放冷後、0.325mol/L塩酸10mLで、pHを4.3±0.3に調整する。次いで、アミログルコシダーゼ(アミログルコシダーゼA-9913:シグマ社)0.1mLを加え、60℃で振とうしながら30分間反応させる。以上の酵素処理を終了後、直ちに沸騰水浴中で10分間加熱した後冷却し、10W/V%グリセリン溶液(内部標準物質)3mLを加え水で100mLとし酵素処理液とする。
酵素処理液50mLをイオン交換樹脂〔アンバーライトIRA-67(OH型,オルガノ社):アンバーライト200CT(H型,オルガノ社)=1:1(容量比)〕50mLを充填したカラム(ガラス管、φ20mm×300mm)に通液速度50mL/hrで通液し、更に水を通して流出液の全量を約200mLとする。この溶液をロータリーエバポレーターで濃縮し、全量を水で10mLとした後、孔径0.45μmのメンブレンフィルターで濾過し、検液とした。検液20μLにつきHPLCにより、検液のグリセリン及び食物繊維画分のピーク面積値を測定し、次式により食物繊維成分含量を求める。
【0045】
食物繊維成分含量(%)=〔X
1/Y
1〕×f
1×〔Z
1/Sp〕×100
〔式中、X
1は食物繊維成分のピーク面積を示し、Y
1はグリセリンのピーク面積を示し、f
1はグリセリンとブドウ糖のピーク感度補正係数(0.82)を示し、Z
1は内部標準グリセリン重量(mg)を示し、Spは秤取試料重量(mg)を示す。〕
【0046】
HPLC分析
・検出器 :示差屈折計
・カラム充填剤:TSKgel G2500PW
XL
・カラム管 :φ7.8mm×300mm
・カラム温度:80℃
・移動相 :水
・流速 :0.5mL/min
・注入量 :20μL
【0047】
(2)デキストロース当量
試料2.5gを正確に量り、水に溶かして200mLとする。この液10mLを正確に量り、0.04mol/Lヨウ素溶液10mLと、0.04mol/L水酸化ナトリウム溶液15mLを加えて20分間暗所に放置する。次に、2mol/L塩酸を5mL加えて混和した後、0.04mol/Lチオ硫酸ナトリウム溶液で滴定する。滴定の終点近くで液が微黄色になったら、澱粉指示薬2滴を加えて滴定を継続し、液の色が消失した時点を滴定の終点とする。別に空試験を行う。次式によりデキストロース当量(DE)を求める。
【0048】
DE=(d−c)×f×3.602/(1/1000)/(200/10)/[A×(100−B)×100]×100
〔式中、cは滴定値(mL)を示し、dはブランク値(mL)を示し、fはチオ硫酸ナトリウム溶液のファクター値を示し、Aは試料の秤取量(mg)を示し、Bは試料の水分値(%)を示す。〕
【0049】
2.カラメルI及びカラメルIVの分析
第8版食品添加物公定書(厚生労働省)に記載されているカラメルIVの純度試験(4)に準じて測定を行った。具体的には、30gの海砂を秤量皿に量り入れ、その合計質量(Ws)を精密に量った。カラメル色素1.5〜2.0g(Wc)を精密に量り、少量の水を加えてよくかき混ぜ、水浴上で乾固するまで加熱し、恒量になるまで60℃で5時間減圧乾燥し、その質量(Wf)を精密に量り、次式により固形物含量を算出した。
[固形物量]=(Wf−Ws)/Wc×100(%)
【0050】
3.α酸及びイソα酸の分析
BCOJビール分析法 6.2.2α酸、β酸−HPLC法−に準じて分析した。
【0051】
分析条件は以下の通りである。
分析用異動相;
・A液 :メタノール/水/85質量%リン酸/10質量%水酸化テトラエチルアンモニウム=755mL/2255mL/17g/29.5g (pH3〜3.1)
・B液 :メタノール
・C液 :メタノール/水/10質量%水酸化テトラエチルアンモニウム/42.5質量%リン酸=465mL/135mL/17.7g/適量 (pH4.85)
・検出 :
0−13分 254nm(イソα酸)
13.1−22分 326nm(α酸)
・試料量: 10.0μL
・流速 : 1.5mL/min
・カラム温度: 50℃
・移動相のタイムプログラム:
0−8min A液
8.01min C液
8.02−23minグラジェント 0−50容量%B液、100−50容量%C液
23.01−28min 50容量%B液、50容量%C液
28.01 A液
【0052】
4.酸味料の分析
酸味料の測定方法は、イオンクロマトグラフィーを用いて行う。
【0053】
5.塩化物の分析
塩化物イオンの測定方法は、出典JIS K 0102-2008 35.3の方法に準じて、イオンクロマトグラフを用いて飲料中の塩化物イオンを定量する。測定の際の飲料濃度は、適宜希釈して測定を行うことができる。
【0054】
6.デヒドロアスコルビン酸の分析
分析機器は高速液体クロマトグラフ(形式LC−20AT、島津製作所製)を使用する装置の構成ユニットの名称・型番は次の通りである。
・検出器:紫外可視吸光光度計、SPD−10V(島津製作所製)
・カラム:Senshupak Silica-1100-N,φ4.6mm×100mm(センシュー科学製)
【0055】
分析条件は次の通りである。
・移動相:酢酸エチル、ヘキサン、酢酸及び水の混液(60:40:5:0.05)
・流量:1.5mL/min
・カラムオーブン設定温度:35℃
・波長:495nm
【0056】
試料を精秤後、2%チオ尿素−5%メタリン酸溶液にて50mLにメスアップする。ろ過後、ろ液を1mL分取し、これに2%チオ尿素−5%メタリン酸溶液を1mL、5%メタリン酸溶液を2mL加える。更に、2%2,4−ジニトロフェニルヒドラジン−4.5mol/L硫酸を0.5mL加えた後、50℃にて1時間オサゾンの生成反応を行う。次いで、酢酸エチル3mLを加え60分間振とうし、転溶によって得られたオサゾンを分析に供する。
【0057】
7.エタノールの分析
エタノールの分析は、次に示すガスクロマトグラフ法にしたがって行う。
分析機器は、GC-14B(島津製作所社製)を使用する。
分析機器の装置構成は次の通りである。
・検出器 :FID
・カラム :Gaskuropack55、80〜100mesh、φ3.2mm×3.1m
【0058】
分析条件は次の通りである。
・温度 :試料注入口及び検出機250℃、カラム130℃
・ガス圧力:ヘリウム(キャリアガス)140kPa、水素60kPa、空気50kPa
・注入量 :2μL
【0059】
以下の手順にて分析用試料を調製する。
検体5gを量りとり、これに水を加えて25mLに定容する。その溶液をディスクろ過し、試料溶液とする。調製した試料溶液をガスクロマトグラフ分析に供する。
【0060】
8.炭酸ガスの分析
「最新・ソフトドリンクス(最新・ソフトドリンクス編集委員会、株式会社光琳、平成15年9月30日発行)」の第VI編 3−1−2ガス内圧力の検査に記載の方法を用いた。具体的には、以下のとおりである。
1)測定前に製品を恒温槽にて20℃まで温め、液温を均一にした。
2)ガスボリュームを測定機にかけ、スニフト(スニフトバルブを開放し、大気圧までゲージを戻す)を行った。スニフト操作を行うことによりヘッドスペース中のエアーを抜いた。
3)次に激しく振動させゲージ圧が一定値を示したら、その値を読み、製品の温度を測定し、表(スニフト用ガスボリュームチャート)よりガスボリュームを求めた。
【0061】
9.Brixの測定
試料の20℃における糖用屈折計示度(Brix)を、糖度計(Atago RX-5000(Atago社製))を用いて測定した。なお、ビアテイスト飲料中に炭酸ガスが含まれる場合には、ビアテイスト飲料約100mLを300mLのビーカーに量り取り、スターラーピースを入れてスターラーで激しく20分間攪拌して、炭酸ガスを取り除いた後、温度調整をして測定した。
【0062】
10.pHの測定
pHメータ(HORIBA コンパクトpHメータ、堀場製作所製)を用いて、20℃に温度調整をして測定した。なお、炭酸ガスを含有する場合は、検体約100mLを300mLのビーカーに量り取り、ビーカー内にスターラーピースを入れ、スターラーで20分間攪拌して炭酸ガスを取り除いた後、20℃に温度調整をして測定した。
【0063】
11.官能評価
各ビアテイスト飲料の「コク」及び「雑味」について、3名の専門パネルが比較例1のビアテイスト飲料の「コク」の評点を2及び「雑味」の評点を「1」として5段階で評価した。具体的な評価基準は以下のとおりであり、協議により最終評点を決定した。
【0064】
コクの評価基準
評点5:コクが強い
4:コクがやや強い
3:コクがある
2:コクがやや弱い
1:コクが弱い
【0065】
雑味の評価基準
評点5:雑味がない
4:雑味がほとんどない
3:雑味がわずかにある
2:雑味がややある
1:雑味がある
【0066】
実施例1〜14及び比較例1
表1に示す各成分をイオン交換水に混合溶解した。次に、4℃に冷却したGV=3.3v/vの炭酸水で全量350gとし、350mL用アルミ缶に充填しパストリゼーションにて加熱殺菌した。殺菌条件は、65℃、20分で行った。得られたビアテイスト飲料の分析結果、官能評価の結果を表1に併せて示す。
【0067】
【表1】
【0068】
表1から、ホップ含有ビアテイスト飲料に、難消化性デキストリンと、カラメルI及びカラメルIVから選ばれる少なくとも1種と、酸味料とを含有させ、エタノール含有量を特定範囲内に制御することにより、コクが向上するのみならず、雑味も改善されたビアテイスト飲料が得られることが分かる。