【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 展示会名:第17回機械要素技術展、開催日:2013年6月19日〜21日 公開場所:株式会社栗本鐵工所 住吉工場 クリモト創造技術研究所内、公開日:2013年7月4日
【文献】
小林慧吾ほか1名,訓練およびアミューズメント機器に使用するための磁気粘性流体を応用した円筒型トルク制御デバイスの開発,ロボティクス・メカトロニクス講演会 ’11 講演論文集,日本,一般社団法人日本機械学会,2011年 5月26日,pp.3374〜3376
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ボイスコイルモータを用いて、指先に付与する力覚を指間距離に応じてリアルに再現するには、コイルに流す電流の制御系が複雑になるという問題がある。また、ボイルコイルモータはそもそも大きな推力を発生させることを不得手とするため、簡単な構成で大きな抗力を指先に与えることが容易ではない。例えば、鉄球等の固い物体を掴む際の力覚をリアルに再現することは難しい。
【0005】
本発明は、簡易な構成、構造、制御系でも、遠隔にある物体や仮想物体を手で扱う際の力覚をリアルに再現できる力覚提示システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の力覚提示システムは、以下の操作ユニットおよび従動ユニットを備える。すなわち、前記操作ユニットは、操作者の操作によって変位する変位部を有する操作部と、回転抵抗発生装置と、前記変位部の変位量を検出する変位量検出部と、を含む。前記回転抵抗発生装置は、前記変位部の変位動作に連動して回転する回転部を有し、供給される電流値の変化により内部に封入された磁気粘性流体に付与する磁場の強さを変化させて、前記回転部の回転抵抗を変化させるように構成されている。前記従動ユニットは、前記変位量検出部で検出された変位量に応じて変位する従動部と、前記従動部が対象物体に触れることにより発生する従動部への反力を検出する反力検出部と、を含む。そして、力覚提示システムは、さらに、前記反力検出部が検出する
実際の反力に応じて
前記回転部の回転抵抗を変化させるために前記操作ユニットの前記回転抵抗発生装置に供給する電流値を制御する制御部を備える。
【0007】
かかる構成を備える力覚提示システムによれば、回転抵抗発生装置に供給する電流値を変化させるだけで、操作部の変位部に対して、変量に応じて変化する抵抗を力覚として付与することができ、複雑な電流の制御系を必要としないので、簡易な構成、構造、制御系にて、遠隔にある物体、仮想物体等を手で扱う際の力覚をリアルに再現することができる。
【0008】
上記力覚提示システムにおいて、前記変位量検出部が検出する変位量と、前記反力検出部が検出する反力との関係を記憶部に記憶させる保存制御部を含んだ保存ユニットを備えるものとしてもよい。
【0009】
さらに、前記保存制御部は、過去に記憶部に記憶した変位量および反力の関係に基づき、現在、操作ユニットの変位量検出部が検出している変位量に対応する反力を読み出し、その読み出した反力に応じて、前記回転抵抗発生装置に供給する電流値を制御する制御手段を有する、ものとしてもよい。
【0010】
かかる構成を備える力覚提示システムによれば、従動部が対象物体に触れていなくても、記憶部に記憶された対象物体の力覚情報を元に、何度でもその対象物体についての力覚(感触)を確かめることができる。
【0011】
また、本発明の力覚提示システムは、以下の操作ユニットおよび再生ユニットを備えるものであってもよい。すなわち、前記操作ユニットは、操作者の操作によって変位する変位部を有する操作部と、回転抵抗発生装置と、前記変位部の変位量を検出する変位量検出部と、を含む。前記回転抵抗発生装置は、前記変位部の変位動作に連動して回転する回転部を有し、供給される電流値の変化により内部に封入された磁気粘性流体に付与する磁場の強さを変化させて、前記回転部の回転抵抗を変化させるように構成されたものである。また、前記再生ユニットは、前記変位部の変位量と、物体又は仮想物体を前記変位量に応じて変形させたときの反力との関係を記憶する記憶部と、前記記憶部に記憶した変位量および反力の関係に基づき、現在、操作ユニットの変位量検出部が検出している変位量に対応する
実際の反力を読み出し、その読み出した反力に応じて、
前記回転部の回転抵抗を変化させるために前記操作ユニットの前記回転抵抗発生装置に供給する電流値を制御する制御手段を有する再生制御部と、を含むものである。
【0012】
かかる構成を備える力覚提示システムによれば、対象物体が無くても、記憶部に記憶された対象物体の力覚情報を元に、何度でもその対象物体についての力覚(感触)を確かめることができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、簡易な構成、構造、制御系にて、遠隔にある物体、仮想物体等を手で扱う際の力覚をリアルに再現することができる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態に係る力覚提示システムについて図面を参照しながら説明する。
図1に示すように、本発明の実施形態に係る力覚提示システム100は、操作ユニット10、従動ユニット20、保存・再生ユニット30等で構成されている。この力覚提示システム100では、操作者が操作ユニット10を操作することで、遠隔にある対象物体1を従動ユニット20を介して疑似的に掴むことができ、その力覚を操作ユニット10の操作部においてリアルに再現し、操作者の指先等にあたかもその対象物体1が実在しているかのように感じさせることができる。また、保存・再生ユニット30を利用して上記力覚情報を保存し、その保存した力覚情報を操作ユニット10において再生させることができる。以下、各ユニットについて詳細に説明する。
【0016】
<操作ユニット>
操作ユニット10は、
図2に示すように、回転抵抗発生装置50、操作部12、回転力伝達機構13、回転量検出部14、ケーシング16等で構成されている。
【0017】
回転抵抗発生装置50は、内部に封入された磁気粘性流体に付与する磁場の強さを変化させることにより、回転軸(回転部)51の回転抵抗を変化させる。回転軸51は、後述する操作部12の変位部(第2把持部12b)の変位動作(回転動作)に連動して回転する。後に、この回転抵抗発生装置50の構成例を示す。
【0018】
操作部12は、操作者の操作によって変位する変位部を有する。本実施形態では、操作部12は、操作者の指をそれぞれ挿入可能な第1把持部12aおよび第2把持部12bを備えており、第2把持部12bが上記変位部となっている。第1把持部12aは、ケーシング16に固定されて動かないが、第2把持部12bは、その基部が回転自在にケーシング16に支持された支軸17に固定されており、当該支軸17を中心として回動可能となっている。つまり、第1把持部12aおよび第2把持部12bは、はさみの把持部と似た動作をするようになっている。なお、本実施形態では、操作者が操作していないときに、第1把持部12aと第2把持部12bとが所定の離間距離に復帰するよう、第2把持部12bは、図示しないリターンスプリング等により所定の復帰位置へ付勢されている。
【0019】
回転力伝達機構13は、操作部12の支軸17に固設された駆動プーリ13aと、回転抵抗発生装置50の回転軸51に固設された従動プーリ13bと、これらプーリ13a,13b間で動力を伝達するように巻き掛けられた無端ベルト13cとで構成されている。この回転力伝達機構13により、回転抵抗発生装置50における回転抵抗が操作部12の第2把持部12bに伝達される。
【0020】
回転量検出部14としては、例えばエンコーダが採用される。この回転量検出部14は、第2把持部12bの支軸17の回転量(基準位置からの回転角)を検出し、検出された回転量の情報は、配線を介して、従動ユニット20の制御部21に入力される。なお、支軸17の上記基準位置は、第2把持部12bが前記復帰位置にあるときの支軸17の回転位置となる。
【0021】
ケーシング16の内外には、回転抵抗発生装置50、その他の上記各部12〜14が取付けられている。
【0022】
図4に回転抵抗発生装置50の具体的な構成例を示す。同図に示す回転抵抗発生装置50は、回転軸51、円板52、ヨーク54,55、コイル57、磁気粘性流体58、ケーシング53,56等で構成されている。
【0023】
回転軸51は、その端部が円板52の裏面52bの中心部に垂直に接続されている。回転軸51はベアリング59を介してヨーク55に設けられた軸穴60に回転自在に支持されている。なお、回転軸51には非磁性体が用いられることが望ましい。
【0024】
円板52は、回転軸51と一体に軸線回りに、ケーシング53,56、ヨーク54,55等に対して相対回転可能となっている。なお、円板52には磁性体が用いられている。
【0025】
ヨークは、当然に磁性体からなり、第1ヨーク54および第2ヨーク55で構成されている。第1ヨーク54は、円板52の表面52aに対して微小隙間を介して平行に対向する対向面54aを有する円板状のもので構成されている。この第1ヨーク54は、円筒状のケーシング56の内側に嵌め込まれて固定されている。
【0026】
第2ヨーク55は、円板52の裏面52bに対して微小隙間を介して平行に対向する対向面55aを有する。この第2ヨーク55は、回転軸51を通すための軸穴60を有し、コイル57を配設するための環状の溝55bも有している。この第2ヨーク55は、円筒状のケーシング56の内側に嵌め込まれて固定されている。
【0027】
符号61は、非磁性体からなる球体であり、第1ヨーク54の中心部に形成された凹部と、円板52の中心に形成された貫通穴と、回転軸51の端面の中心に形成された凹部とで形成されるスペースに収容されている。この球体61は、第1ヨーク54と円板52との隙間の設定を容易にするためのものであり、球体61の直径によって、当該隙間が定まる。
【0028】
コイル57は、第2ヨーク55に形成された溝55bに沿って配設されている。このコイル57には、図示しない電流供給装置により任意の電流が供給されるようになっている。本実施形態では、上記電流供給装置は、従動ユニット20、保存・再生ユニット30内にそれぞれ設置されている。
【0029】
磁気粘性流体58は、円板52と、第1ヨーク54および第2ヨーク55との隙間に封入されている。この磁気粘性流体58は、磁性粒子を分散媒に分散させてなる液体であり、特にその磁性粒子がナノサイズの金属粒子(金属ナノ粒子)からなるものが使用できる。磁性粒子は磁化可能な金属材料からなり、金属材料に特に制限はないが軟磁性材料が好ましい。軟磁性材料としては、例えば鉄、コバルト、ニッケル及びパーマロイ等の合金が挙げられる。分散媒は、特に限定されるものではないが、一例として疎水性のシリコーンオイルを挙げることができる。磁気粘性流体における磁性粒子の配合量は、例えば3〜40vol%とすればよい。磁気粘性流体にはまた、所望の各種特性を得るために、各種の添加剤を添加することも可能である。
【0030】
ケーシング53は、第1ヨーク54の外側面を覆った円板状のものからなり、ケーシング56は、第1ヨーク54および第2ヨーク55の外周に外嵌された円筒状のものからなる。ケーシング53,56は、操作ユニット10のケーシング16に対して固定されている。
【0031】
上記構成を備える回転抵抗発生装置50において、コイル57に電流が印加されると、矢印Pa、Pbに示す方向に沿って円板52、第1ヨーク54、第2ヨーク55内に磁路が形成される。この磁路は、円板52の表面52aと第1ヨーク54の対向面54aとの隙間や、円板52の裏面52bと第2ヨーク55の対向面55aとの隙間に介在する磁気粘性流体58を貫通する。これにより、磁気粘性流体58には、磁場の強さに応じた粘度(ずり応力)が発現し、円板52とヨーク54,55との間での伝達トルクが磁場の強さに応じて大きくなり、その結果、回転軸51の回転抵抗もコイル57に給電される電流値に応じて大きくなる。
【0032】
<従動ユニット>
次に、従動ユニット20について説明する。従動ユニット20は、
図3に示すように、従動部22、反力検出部23、制御部21、ケーシング25等で構成されている。
【0033】
従動部22は、操作ユニット10から送られてくる変位量(回転量)の情報に応じて、変位(回転)するものである。
図3に例示する従動部22は、互いに平行に配置された2つのサーボモータ26の出力軸26aに、それぞれ基端部が固定された左右のアーム22L,22Rで構成されている。これらのアーム22L,22Rは左右対称形状をしており、それらの先端面22La,22Lbは互いに略向かい合っている。2つのサーボモータ26は、互いに反対方向に同じ速度で回転するように制御され、これにより、アーム22L,22Rの先端面22La,22Lbが互いに接近離反するようになっている。両アーム22L,22Rの先端面22La,22Lbにより、所定の大きさの対象物体1を挟持することができる。
【0034】
反力検出部23は、従動部22が対象物体1を挟持する(対象物体に触れる)ことにより発生する従動部22への反力を検出する。
図3に例示する反力検出部23は、一方のアーム22Rに、回転半径に直交する方向にスリット22Rbを形成し、そのスリット22Rbに隙間なく挿入された圧力センサ27等によって構成されている。この圧力センサ27によれば、左右のアーム22L,22Rが対象物体1を挟持する際にアーム22R内に発生する応力に応じた荷重が検出される。この検出荷重および所定のパラメータに基づいて、左右のアーム22L,22Rが対象物体1から受ける反力を求めることができる。
【0035】
制御部21は、マイクロコンピュータなどで構成される。この制御部21には、
図1に示すように、回転量検出部14から第2把持部12bの回転量に関する情報と、圧力センサ27の出力値と、電流上限値調整器28からの電流上限値指示信号と、ゲイン調整器28bからのゲイン指示信号と、オフセット量調整器28cからのオフセット量指示信号とが入力される。また、制御部21には、
図5(a)に示すような、圧力センサ27の出力から得られる反力[N]と回転抵抗発生装置50に供給すべき電流値[A]との関係が記憶されている。なお、制御部21には、サーボモータ26を駆動するためのコントローラや、回転抵抗発生装置50へ電流を供給するための電流供給装置なども含まれている。
【0036】
制御部21は、回転量検出部14から送られてくる回転量の情報に応じて、サーボモータ26の基準位置から回転量を制御する。これにより、操作ユニット10の第2把持部12bの回転量の増減に伴ってアーム22L,22Rの先端面22La,22Raの離間距離が増減される。すなわち、操作部12の2つの把持部12a,12bを接近離反させるように操作すると、その動作がアーム22L,22Rにおいて再現される。本実施形態では、操作者が第1把持部12aおよび第2把持部12bに指を挿入したときの指間距離と、アーム22L,22Rの先端面22La,22Raの離間距離とが略等しくなるように設定されている。なお、上記基準位置は、第2把持部12bが復帰位置にあるときに対応する位置である。
【0037】
アーム22L,22Rの先端面22La,22Ra同士の間に対象物体1を配置し、その対象物体1をアーム22L,22Rの先端面22La,22Ra間に挟持すると、圧力センサ27の出力値が上昇する。この出力値は挟持力の大きさに比例して大きくなる。制御部21は、この出力値から得られる対象物体1の反力をパラメータとして、
図5(a)に示した、反力[N]と電流値[A]との関係から、電流値を読み出し、更に、読み出したその電流値にゲイン調整器28bから指示されるゲインを乗じた値であって、かつ、電流上限値調整器28aが指示する電流値を上限とする電流を回転抵抗発生装置50のコイル57に供給する。電流値の上限を設けるのは、コイル57の焼損防止のためである。なお、制御部21は、コイル57への供給電流値を第1表示部29aにデジタル表示し、対象物体1の反力を第2表示部29bにデジタル表示する。
【0038】
<保存・再生ユニット>
保存・再生ユニット30は、
図1に示すように、メモリ等の記憶装置で構成される情報記憶部31と、情報記憶部31に力覚情報を書き込んだり、書き込まれた力覚情報を読みだしたりする保存・再生制御部32と、ユーザが保存又は再生を指示するための操作部33とを備えている。なお、保存・再生制御部32は、
図5(a)に示したような、対象物体1の反力[N]と回転抵抗発生装置50に供給すべき電流値[A]との関係を記憶している。また、保存・再生制御部32には、回転抵抗発生装置50への電流供給装置なども含まれている。この情報記憶部31に書き込まれる力覚情報は、前述したように実際に従動ユニット20のアーム22L,22Rに対象物体1を挟持させて得た情報でもよいし、仮想物体を想定して作成した、擬似的なものであってもよい。
【0039】
この保存・再生ユニット30において、操作部33の保存ボタン33aを押下すると、現在、保存・再生制御部32に入力されている第2把持部12bの回転量(例えば角度[θ])と、アーム22Rに備え付けられた圧力センサ27の出力値から得られる対象物体1の反力[N]とが対応付けて保存される。そして、第2把持部12bを可動範囲で回転(変位)させることで、
図5(b)に例示するような、第2把持部12bの回転量と、対象物体1の反力との関係が保存・再生制御部32により力覚情報として情報記憶部31に書き込まれる。
【0040】
第2把持部12bの回転量と、対象物体1の反力との関係が情報記憶部31に書き込まれた後は、操作部33の再生ボタン33bを押下することで、保存・再生制御部32は、操作ユニット10側から入力されている第2把持部12bの回転量に対応する反力を、
図5(b)に示す関係から読み出す。そして、読み出したその反力を
図5(a)に示した関係に当てはめて得られる値の電流を回転抵抗発生装置50のコイル57に供給する。これにより、供給される電流値に応じて回転抵抗発生装置50の回転軸51の回転抵抗が変化し、第2把持部12bに対して、変位に応じた抵抗が付与され、操作者は、対象物体1が無くても、指先にあたかもその物体が実在しているかのように感じる。なお、この保存・再生ユニット30においても、従動ユニット20で説明したように、ゲイン調整機能、電流上限値の設定機能等を持たせてもよい。
【0041】
以上に説明した本発明の実施形態に係る力覚提示システム100によれば、磁気粘性流体を用いた回転抵抗発生装置50を採用しているので、回転抵抗発生装置50に供給する電流値を変化させるだけで、操作部12の変位部(第2把持部12b)に対して、任意の抵抗を付与することができ、従来例に挙げたボイスコイルモータ等のように、複雑な電流の制御系を必要としない。つまり、この力覚提示システム100によれば、簡易な構成、構造、制御系にて、遠隔にある物体や仮想物体を手で扱う際の力覚をリアルに再現することができる。
【0042】
また、保存・再生ユニット30を備える力覚提示システム100によれば、対象物体1が無くても、保存・再生ユニット30に記憶された対象物体1の力覚情報を元に、何度でもその対象物体1についての力覚(感触)を確かめることができる。
【0043】
また、対象物体1が、柔らかいものであり、挟持された際に生じる反力が小さいことにより、力覚が得られにくい場合であっても、力覚提示システム100に備わっているゲイン調整器28cにてゲイン調整すれば、操作部12において力覚が得られるようにすることができる。
【0044】
<他の実施形態>
既述の実施形態では、操作ユニット10、従動ユニット20および保存・再生ユニット30は互いに配線によって接続されているが、各ユニット10,20,30に通信手段を設けて互いに通信可能とし、第2把持部12bの回転量の情報、圧力センサの出力値(対象物体1の反力)の情報、回転抵抗発生装置50に供給すべき電流値の情報などを通信にて授受するようにして、既述と同様の処理動作を実現できるようにしてもよい。この場合、上記通信の種類(プロトコル等)は特に限定されず、有線通信、無線通信、コンピュータネットワークなどの何れであってもよい。
【0045】
既述の実施形態では、回転抵抗発生装置50の回転軸51の回転抵抗が、プーリ13a,13b等を用いた回転力伝達機構13を介して、操作部12の変位部(第2把持部12b)に伝達されるように構成されていたが、上記回転力伝達機構13を省略した実施形態や、上記回転力伝達機構13を他の種類の回転力伝達手段に置き換えたものとすることも当然に可能である。
【0046】
既述の実施形態では、対象物体1の反力を検出する手段として、圧力センサ27を用いているが、対象物体1の反力を検出する手段としては、上記以外に多種多様な形態を採択し得ることはいうまでもない。
【0047】
既述の実施形態では、操作部12および従動部22の変位の一形態として、回転変位を例示したが、本発明は、操作部および従動部の変位が、その他の形態の変位(例えば、直動変位)などであっても適用することができる。