(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
バッテリトレーに載置されたバッテリを、該バッテリ上に配設されるクランプ部材と該バッテリトレーとで挟み込んで固定保持するバッテリ固定保持用のクランプ構造であって、
前記バッテリトレーと前記クランプ部材との間にはクランプ機構が設けられており、
前記クランプ機構は、孔形状の掛止孔を有し且つ前記バッテリトレーの一辺に立設される掛止具と、先端側に前記掛止孔に引っ掛かる掛止フックを有し且つ基端側に雄螺子部を有する締結ボルトとを備え、
前記締結ボルトは、先端側を下に向けて前記掛止フックを前記掛止孔に引っ掛け且つ前記雄螺子部を前記クランプ部材に設けられた孔に挿通した状態で前記雄螺子部にて螺合される雌螺子部材を螺子回しすることにより、上方に移動させられて前記バッテリトレーと前記クランプ部材とにより前記バッテリを挟み込むことが可能に設定されており、
前記掛止具には、前記掛止フックを前記掛止孔に引っ掛けるに際し、該掛止フック先端が該掛止孔に挿入される位置まで前記締結ボルトを案内するガイド構造が設けられており、
前記ガイド構造は、前記締結ボルトの下降移動を案内しながら、前記掛止フック先端が前記掛止孔へ移動するように案内するガイド部を有しており、
前記ガイド部は、前記締結ボルトの下降移動を案内する第1ガイド部と、前記締結ボルトの前記掛止フック先端が前記掛止孔へ移動するように案内する第2ガイド部とを有しており、
前記ガイド構造には、前記掛止フック先端を前記掛止孔に挿入する際に前記締結ボルトを上方から押圧する力によって撓む弾性変形部が設けられており、
前記弾性変形部が撓むことにより前記掛止フック先端が前記掛止孔へ挿入可能となり、前記掛止フック先端を前記掛止孔から抜去する際には前記弾性変形部を撓ませなければならないことを特徴とするバッテリ固定保持用のクランプ構造。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、
図14においては図示していないが、上記したように搭載されるバッテリ112の周囲には、さまざまな車両構成部材が装備されている。たとえば、上記した掛止孔104に近接する周囲にはエアクリーナ(不図示)が設置されていたり、バッテリ112の上側にはカウルルーバ(不図示)が設置されていたりする。このため、掛止孔104は、エアクリーナ(不図示)やカウルルーバ(不図示)の存在によって、作業者にとって見え難くなっている。このため、図示符号106´の破線で示すように、掛止孔104に対する掛止フック106の引っ掛けを外してしまうことがある。なお、締結ボルト105の掛止フック106が掛止孔104から外れている場合には、この掛止孔104以外の部位に掛止フック106が掛止してしまっていることもある。このため、掛止孔104に掛止フック106を引っ掛けるに際しては、掛止孔104に掛止フック106の向きを向けておく必要があり、掛止作業が煩雑であるとの指摘がある上、掛止フック106の掛止を目視確認によらずに判断できるようにしておきたい、との要請があった。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みなされたものであって、本発明が解決しようとする課題は、バッテリトレーに載置したバッテリを固定保持するバッテリ固定保持用のクランプ構造において、バッテリを固定保持する際の作業を簡単かつ確実なものにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記した課題を解決するために本発明に係るバッテリ固定保持用のクランプ構造は次の手段をとる。すなわち、本発明の第1の発明に係るバッテリ固定保持用のクランプ構造は、バッテリトレーに載置されたバッテリを、該バッテリ上に配設されるクランプ部材と該バッテリトレーとで挟み込んで固定保持するバッテリ固定保持用のクランプ構造であって、前記バッテリトレーと前記クランプ部材との間にはクランプ機構が設けられており、前記クランプ機構は、孔形状の掛止孔を有し且つ前記バッテリトレーの一辺に立設される掛止具と、先端側に前記掛止孔に引っ掛かる掛止フックを有し且つ基端側に雄螺子部を有する締結ボルトとを備え、前記締結ボルトは、先端側を下に向けて前記掛止フックを前記掛止孔に引っ掛け且つ前記雄螺子部を前記クランプ部材に設けられた孔に挿通した状態で前記雄螺子部にて螺合される雌螺子部材を螺子回しすることにより、上方に移動させられて前記バッテリトレーと前記クランプ部材とにより前記バッテリを挟み込むことが可能に設定されており、前記掛止具には、前記掛止フックを前記掛止孔に引っ掛けるに際し、該掛止フック先端が該掛止孔に挿入される位置まで前記締結ボルトを案内するガイド構造が設けられており、前記ガイド構造は、前記締結ボルトの下降移動を案内しながら、前記掛止フック先端が前記掛止孔へ移動するように案内するガイド部を有することを特徴とする。
この第1の発明に係るバッテリ固定保持用のクランプ構造によれば、掛止具に設けられるガイド構造のガイド部により、締結ボルトの下降移動を案内しながら、掛止フック先端が前記掛止孔へ移動するように案内することができる。これによって、掛止フックを掛止孔に引っ掛けるに際し、このガイド部により、ガイド構造は、掛止フック先端が掛止孔に挿入される位置まで締結ボルトを案内することができる。これによって、掛止孔に掛止フックが引っ掛かるまでの間、作業者の作業における注意負担を軽減することができて、作業性の向上を図ることができる。したがって、バッテリを固定保持する際の作業を簡単かつ確実なものにすることができる。
【0007】
本発明の第2の発明に係るバッテリ固定保持用のクランプ構造は、前記第1の発明に係るバッテリ固定保持用のクランプ構造において、前記ガイド部は、前記締結ボルトの下降移動を案内する第1ガイド部と、前記締結ボルトの前記掛止フック先端が前記掛止孔へ移動するように案内する第2ガイド部とを有しており、前記ガイド構造には、前記掛止フック先端を前記掛止孔に挿入する際に前記締結ボルトを上方から押圧する力によって撓む弾性変形部が設けられており、前記弾性変形部が撓むことにより前記掛止フック先端が前記掛止孔へ挿入可能となり、前記掛止フック先端を前記掛止孔から抜去する際には前記弾性変形部を撓ませなければならないことを特徴とする。
この第2の発明に係るバッテリ固定保持用のクランプ構造によれば、ガイド部は第1ガイド部と第2ガイド部とを有しており、第1ガイド部により締結ボルトの下降移動を案内することができ、第2ガイド部により締結ボルトの掛止フック先端を掛止孔へ移動するように案内することができる。さらに、ガイド構造には弾性変形部が設けられている。ここで弾性変形部は、掛止フック先端を掛止孔に挿入する際に、締結ボルトを上方から押圧する力によって撓むようになっており、このように弾性変形部が撓んだ場合には、掛止フック先端は掛止孔へ挿入可能となる。これによって、作業者は、掛止孔に掛止フック先端が挿入される直前に、締結ボルトの差し込みに応じて撓みの反発力(弾性復元力)を感じることができる。このようにして、掛止フック先端の挿入を感触で認識することができる。また、掛止フック先端を掛止孔から抜去する際には、弾性変形部を撓ませなければならない。これによって、掛止フック先端を掛止孔へ一度挿入すると、弾性変形部を撓ませない限り、掛止孔から掛止フック先端は抜けないものとなり、この掛止フック先端の掛止孔への挿入を維持することができる。したがって、締結ボルトを差し込んで掛止フック先端を掛止孔へ挿入した後にも、この締結ボルトから手を離して次の作業に移ることができる。このようにして、作業者の作業における注意負担を軽減することができて、作業性の向上を図ることができる。
【0008】
本発明の第3の発明に係るバッテリ固定保持用のクランプ構造は、前記第2の発明に係るバッテリ固定保持用のクランプ構造において、前記第2ガイド部は、前記締結ボルトの下降移動下端で前記掛止フック先端が前記掛止孔へ移動するように案内し、前記弾性変形部は、前記掛止フック先端が前記掛止孔の直前位置まで案内されて前記掛止孔に挿入される際に、前記締結ボルトを上方から押圧する力によって撓み、前記弾性変形部が撓む方向は、前記第2ガイド部が前記掛止フック先端を案内する方向に沿っていることを特徴とする。
この第3の発明に係るバッテリ固定保持用のクランプ構造によれば、締結ボルトの下降移動の下端で、掛止フック先端が掛止孔の直前位置まで案内される。この際に、締結ボルトを上方から押圧する力によって、掛止フック先端の案内される方向に沿った方向に弾性変形部が撓む。そうすると、弾性変形部の撓みの反発力(弾性復元力)が生じ、この反発力を利用して、掛止フック先端を掛止孔に挿入させることができる。したがって、このバッテリ固定保持用のクランプ構造の使用者は、締結ボルトを下降移動させるという簡易な操作で掛止フック先端を掛止孔に挿入させることができる。
【0009】
本発明の第4の発明に係るバッテリ固定保持用のクランプ構造は、前記第2の発明に係るバッテリ固定保持用のクランプ構造において、前記弾性変形部が撓む方向は、前記第2ガイド部が前記掛止フック先端を案内する方向に対して交差する方向であることを特徴とする。
この第4の発明に係るバッテリ固定保持用のクランプ構造によれば、弾性変形部は、第2ガイド部が掛止フック先端を案内する方向に対して交差する方向に撓む。そうすると、弾性変形部には撓みによる反発力(弾性復元力)が生じるようになる。これによって、弾性変形部の反発力を利用して、掛止孔に対する掛止フック先端の向きを整えることができる。つまり、弾性変形部の撓みの反発力が、掛止フックのガイドに寄与することになる。したがって、掛止フック先端を掛止孔に挿入させ易くすることができる。
【発明の効果】
【0010】
第1の発明に係るバッテリ固定保持用のクランプ構造によれば、バッテリを固定保持する際の作業を簡単かつ確実なものにすることができる。
第2の発明に係るバッテリ固定保持用のクランプ構造によれば、作業者の作業における注意負担を軽減することができて、作業性の向上を図ることができる。
第3の発明に係るバッテリ固定保持用のクランプ構造によれば、バッテリ固定保持用のクランプ構造の使用者は、締結ボルトを下降移動させるという簡易な操作で掛止フックを掛止孔に挿入させることができる。
第4の発明に係るバッテリ固定保持用のクランプ構造によれば、掛止フック先端を掛止孔に挿入させ易くすることができる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[第1の実施の形態]
以下、本発明に係るバッテリ固定保持用のクランプ構造を実施するための第1の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、クランプ構造20にて固定保持されるバッテリ10を示す斜視図である。なお、以下の説明では、説明の便宜上、図示記載のとおりでクランプ構造20に関しての『上下前後左右』の方向を規定している。
図1は、フード(不図示)を開けた自動車のエンジン周りを示す図であり、バッテリトレー16に載置されるバッテリ10が固定保持されている。このバッテリ10は、一般の車両に搭載されるバッテリと同様、自動車の各種の電気制御を行うにあたって充放電可能に構成される。
図1では、クランプ構造20を見え易くするために、このクランプ構造20に近接して設置されるエアクリーナや、バッテリ10の上側に設置されるカウルルーバ等についての図示を省略している。
図1に示すクランプ構造20は、バッテリトレー16に載置されたバッテリ10をバッテリ10上に配置されるバッテリークランプ21によりバッテリトレー16と挟み込んで、バッテリトレー16上でバッテリ10を固定保持するものである。なお、
図1に示す符号17は、ラジエータサポートである。これらバッテリトレー16とラジエータサポート17とは、この自動車の骨格をなす車体フレームに固定されている。
【0013】
クランプ構造20は、バッテリークランプ21と、クランプ機構30とを備える。このクランプ構造20は、バッテリトレー16に載置されるバッテリ10を、クランプ機構30によるバッテリークランプ21の締め付けにより、これらバッテリトレー16とバッテリークランプ21とにより挟み込む。このようにして、クランプ構造20は、バッテリトレー16に載置されたバッテリ10を、このバッテリトレー16の上で固定保持する。このため、このクランプ機構30は、これらバッテリトレー16とバッテリークランプ21との間に設けられている。
バッテリークランプ21は、本発明に係るクランプ部材に相当する部材である。このバッテリークランプ21は、バッテリ10の上に配置され、バッテリ10の前後方向に延びている。このバッテリークランプ21は、バッテリ10の上面に対して適宜に面当接可能な形状を有して形成されている。このようにバッテリ10の前後方向に延びるバッテリークランプ21の前端は、ラジエータサポート17に一体に配設されるボルト251とナット252との間に挟み込まれるようにして、ラジエータサポート17に螺子締結されている。このようにしてバッテリークランプ21の前端は、これらのボルト251とナット252とにより、ラジエータサポート17に対して相対変位不可に固定されている。
これに対し、バッテリークランプ21の後端は、クランプ機構30の締結ボルト41に対して螺子掛止されている。具体的には、バッテリークランプ21の後端は、後に詳述する締結ボルト41の基端側に形成される雄螺子部261に螺合されるナット262にて螺子掛止されている。なお、このナット262は、本発明に係る雌螺子部材に相当する部材である。
後に詳述するが、締結ボルト41の掛止フック43を掛止孔35に引っ掛けた状態で、雄螺子部261にて螺合されるナット262を螺子回しした場合、このナット262の締結ボルト41に対する相対位置は、締結ボルト41の基端側となる上側から、締結ボルト41の先端側となる下側に向けて移動することとなる。そうすると、このナット262に螺子掛止されるバッテリークランプ21は、バッテリトレー16に載置されるバッテリ10を、バッテリトレー16とともに挟み込み、このバッテリ10をバッテリトレー16の上で固定保持する。
【0014】
次に、クランプ機構30について説明する。クランプ機構30は、上記したバッテリークランプ21とバッテリトレー16とともにバッテリ10を挟み込んで締め付けるように作用する。
ところで、クランプ機構30は、概略、掛止具31と、締結ボルト41と、ガイドブラケット51と、を備える。
図2は、掛止具31とガイドブラケット51とを示す分解斜視図である。なお、
図2では、これら掛止具31とガイドブラケット51とを前から後に向く方向で見ている。掛止具31は、バッテリトレー16の一辺に立設されている。具体的には、
図1に示すように、掛止具31は、バッテリトレー16に対して固定されるように設けられる。すなわち、掛止具31は、適宜に切り欠かれた板状形状をなし、適宜のスポット溶接等により下部がバッテリトレー16に固定されている。掛止具31の中間部には、係合孔33と掛止孔35とが設けられている。係合孔33は、この掛止具31に、次に説明するガイドブラケット51の取付けのために設けられる。この係合孔33は、ガイドブラケット51の係合ボス53が係合可能な円形の孔形状を有して形成される。掛止孔35は、締結ボルト41の掛止フック43の引っ掛けのために設けられる。この掛止孔35は、掛止フック43を嵌挿させることができる孔形状を有して形成される。また、この掛止孔35は、この掛止孔35に嵌挿された掛止フック43が上側に移動させられると、この掛止孔35に対して掛止フック43が引っ掛かるように、上下に延びる長孔形状を有して形成されている。
【0015】
図3は、
図1のクランプ構造20のIII−III断面矢視を示す断面図である。
図4は、締結ボルト41の差し込みの第1段階を示す断面図である。
図5は、締結ボルト41の差し込みの第2段階を示す断面図である。
図6は、締結ボルト41の差し込みの第3段階を示す断面図である。
図7は、
図1のクランプ構造20のVII−VII断面矢視を示す断面図である。
図8は、
図7の断面図において第2段階の差し込みを示す断面図である。なお、
図7は
図3に対応した図であり、
図8は
図5に対応した図である。
締結ボルト41は、上記した従来例となるクランプ構造100の締結ボルト105と同様に構成される。つまり、締結ボルト41は、適宜に折り曲げられ且つ螺子切られる略円柱状(丸棒)に形成される。この締結ボルト41は、先端側となる下端に掛止フック43が形成され、基端側となる上端に雄螺子部261が形成される。掛止フック43は、掛止孔35に引っ掛かる個所である。また、雄螺子部261は、上記した雌螺子部材としてのナット262が螺子締め可能に螺合される雄螺子形状を有して形成される。つまり、締結ボルト41は、掛止フック43の配設側となる先端側を下に向けて掛止孔35に掛止フック43を引っ掛けるようになっている。また、雄螺子部261は、バッテリークランプ21の後端に設けられた挿通孔(不図示)に挿し込み可能になっている。
図1に示すように、バッテリークランプ21の後端の挿通孔に、雄螺子部261を挿し込んだ後には、その状態の上側に突き出される雄螺子部261に、ナット262が螺合される。このナット262は、本発明に係る雌螺子部材に相当する部材である。このナット262を、雄螺子部261に対して螺子回しすると、このナット262に対して締結ボルト41は相対的に上方に移動する。言い換えれば、ナット262は、掛止フック43側に向けて相対的に移動する。つまり、この掛止フック43と、ナット262に係止されるバッテリークランプ21との間の長さは縮められることとなり、後に詳述するバッテリトレー16とバッテリークランプ21とによりバッテリ10を挟み込むことが可能となる。
【0016】
具体的には、締結ボルト41の先端側端となる下端は、上記した掛止具31の掛止孔35に引っ掛かる掛止フック43として形成されている。この掛止フック43は、図示するように、側面視「レ」字あるいは「J」字をなす鉤型にて形成されている。詳しく言えば、掛止フック43は、折り返されるように屈曲される屈曲部45を有して形成される。このように、下側に延びるように形成された締結ボルト41の先端側端は、屈曲部45により折り返された、上向く先端47として形成されることとなる。また、上記したように締結ボルト41の基端側端となる上端は、ナット262が螺合する雄螺子部261が形成されている。この雄螺子部261に螺合するナット262には、バッテリークランプ21の後端が係止する。このため、この雄螺子部261に螺合するナット262が、この雄螺子部261に対して相対変位することにより、バッテリークランプ21の挟み込み作用力が変化する。つまり、下端に形成される掛止フック43を掛止孔35に引っ掛けた状態で、雄螺子部261に螺合するナット262を螺子回しすることにより締結ボルト41を上方に移動させると、バッテリークランプ21とバッテリトレー16とによりバッテリ10を挟み込むように作用する。
【0017】
このように形成される掛止具31には、ガイドブラケット51が取り付けられている。このガイドブラケット51は、弾性樹脂材料の成形品として形成され、
図1等に示すように正面視略逆三角形にて形成される。このガイドブラケット51は、下側の1点と上側の2点とにより掛止具31に取り付けられている。具体的には、ガイドブラケット51のうち掛止具31と対面する下部には、
図2にも示すように、掛止具31に設けられる係合孔33に係合する係合ボス53が設けられている。また、ガイドブラケット51のうち、掛止具31と対面する上部には、
図2にも示すように、掛止具31の上部端縁37に引っ掛けられる掛留部54が、左右幅方向にて対をなすように設けられている。この掛留部54は、掛止具31の上部端縁37に対して掛けることができる適宜の鉤型形状をなして形成される。このようにして、ガイドブラケット51は、これらの係合ボス53および掛留部54によって、掛止具31に対して一体となるように取り付けられる。
この掛止具31に取り付けられるガイドブラケット51の略中央には、上記した締結ボルト41の差し込みをガイドするガイド構造61が設けられている。このガイド構造61は、締結ボルト41の掛止フック43を掛止具31の掛止孔35に引っ掛けるに際し、この掛止フック43が掛止孔35に挿入されるまでの間、締結ボルト41の差し込みをガイドする機能を有する。つまり、ガイド構造61は、掛止フック43の先端47が掛止孔35に挿入される位置まで、締結ボルト41の挿し込みを案内するように機能する。
ガイド構造61は、
図1および
図2に示すように、ガイドブラケット51と掛止具31との間に、上側から下側に向けて締結ボルト41を差し込むことができる形状を有して形成されている。具体的には、ガイド構造61は、掛止具31から適宜に後側に離間するような膨らみ形状を有して形成されている。この膨らみ形状は、
図2に示すように掛止孔35に対面する位置から上側に向けて放射状に拡がるように設定されている。ここでガイド構造61の上端は、掛止具31から後側に適宜離間された開口部62が形成される。
【0018】
このガイド構造61には、ガイド面63が設けられている。このガイド面63は、
図3等に示すように、掛止具31の平面形状に対して略対面される面形状にて形成される。このように掛止具31に対面するガイド面63の対面範囲は、ガイドする締結ボルト41の径長に対応した長さに設定されている。このため、このガイド面63を区画する左右の傾斜部位64,64が、締結ボルト41の差し込みをガイドすることとなる。
ガイド面63は、上から順に、第1ガイド面631、第2ガイド面632、第3ガイド面633を有して形成されている。このガイド構造61の上端から設けられる第1ガイド面631は、掛止具31の下側に向かうにしたがって、緩く前側に傾斜される略平面にて形成される。これに対して、第2ガイド面632および第3ガイド面633は、次に説明する弾性変形部66にて設定される。
第2ガイド面632および第3ガイド面633は、ガイド構造61(ガイド面63)の下部に形成される弾性変形部66に対して設定される。具体的には、弾性変形部66は、上端のみがガイド構造61と一体となるように連接されており、左右両側および下側がガイド構造61から後側に揺動可能にスリット65が設けられている。つまり、スリット65は、下向きに略「コ」字形をなしており、下側および左右両側を切り離すようにして弾性変形部66を形成する。これにより、弾性変形部66は、上端がガイドブラケット51に連接されて支持され、下端がスリット65にてガイド構造61から後側に揺動できるようになっている。
【0019】
ここで弾性変形部66のうち、上側のガイド面63が第2ガイド面632として設定されており、下側のガイド面63が第3ガイド面633として設定されている。この第3ガイド面633は、掛止具31の掛止孔35に近接するように設定されている。このようにして弾性変形部66は、ガイド構造61の他の形状に対して相対的に後側に揺動できるようになっている。つまり、掛止孔35の直前位置まで案内された掛止フック43の先端47が掛止孔35に挿入されるにあたって、弾性変形部66は、次のように揺動することとなる。なお、掛止フック43が掛止孔35に挿入されて掛止されるにあたっては、
図4、
図5、
図6、
図3の順で行われることとなる。
図4に示すように、掛止孔35の直前位置まで掛止フック43の先端47が案内されている場合には、締結ボルト41の屈曲部45は第3ガイド面633に当たるまでとなる。ここで、締結ボルト41の屈曲部45を第3ガイド面633に当てたまま、締結ボルト41を更に上方から押圧すると、
図5に示すように、この押圧する力によって弾性変形部66は後側に向けて撓む。この弾性変形部66は、スリット65にて上端のみが連接されたものとなっているため、ガイド構造61の他の形状に対して相対的に後側に撓ませることができる。これにより、掛止孔35から第3ガイド面633を離間させることができ、掛止孔35と第3ガイド面633との間の距離を稼ぐことができて、掛止フック43の先端47を掛止孔35へ挿入可能となる位置まで下げることができる。つまり、
図5に示す状態から、
図6に示す掛止フック43の先端47を掛止孔35に挿入させた状態とすることができる。ここで、
図6に示す掛止フック43の先端47を掛止孔35に挿入させた状態で、締結ボルト41の雄螺子部261に螺合されるナット262を螺子回し(
図1参照)すると、ナット262に対して締結ボルト41を相対的に上方移動させることとなり、
図1に示すように、バッテリトレー16とバッテリークランプ21とによりバッテリ10を挟み込むこととなる。
【0020】
なお、この掛止フック43の先端47を掛止孔35に挿入させた場合には、弾性変形部66は、
図5に示す状態から
図6に示す状態に切り替わるように、締結ボルト41は前側に移動する。そして、この弾性変形部66の下端は、撓んだ状態から通常状態に復元されることとなる。なお、このように撓んだ状態から通常状態に復元された弾性変形部66は、掛止具31の掛止孔35に近接することとなり、掛止孔35から掛止フック43の先端47が抜け出てしまうことを防止する、いわゆる抜け止め作用を奏することとなる。つまり、掛止孔35から掛止フック43の先端47を抜去する際には、弾性変形部66を撓ませなければならないこととなる。
ところで、上記したガイド面63が、本発明に係るガイド部に相当する。また、上記した第1ガイド面631および第2ガイド面632が、本発明に係る第1ガイド部に相当する。また、上記した第3ガイド面633が、本発明に係る第2ガイド部に相当する。すなわち、第1ガイド面631および第2ガイド面632は、締結ボルト41の下降移動を案内する作用を奏し、第3ガイド面633は、締結ボルト41の下降移動の下端で掛止フック43の先端47を掛止孔35へ移動案内する作用を奏する。具体的には、締結ボルト41を上側から下側に差し込んだ際には、締結ボルト41を第1ガイド面631に摺接させて締結ボルト41の下降移動を案内し、その後に締結ボルト41を第2ガイド面632に摺接させて締結ボルト41の下降移動を案内する。ここで、この下降移動の下端における締結ボルト41を上方から更に押圧すると、この弾性変形部66を後側に撓ませることとなる。この場合に、この撓んだ弾性変形部66は、掛止フック43の先端47が掛止孔35へ移動するように、掛止フック43の先端47を案内することとなる。
【0021】
上記した第1の実施の形態のバッテリ10の固定保持用のクランプ構造20によれば、次の作用効果を奏することができる。
すなわち、上記したバッテリ固定保持用のクランプ構造20によれば、掛止具31に設けられるガイド構造61により、第1ガイド面631および第2ガイド面632により締結ボルト41の下降移動を案内することができ、第3ガイド面633により締結ボルト41の下降移動下端で掛止フック43の先端47が掛止孔35へ移動するように案内することができる。これによって、掛止フック43を掛止孔35に引っ掛けるに際し、これら第1ガイド面631、第2ガイド面632、第3ガイド面633により、ガイド構造61は、掛止フック43の先端47が掛止孔35に挿入される位置まで締結ボルト41を案内することができる。これによって、掛止孔35に掛止フック43が引っ掛かるまでの間、作業者の作業における注意負担を軽減することができて、作業性の向上を図ることができる。したがって、バッテリ10を固定保持する際の作業を簡単かつ確実なものにすることができる。
また、上記したバッテリ固定保持用のクランプ構造20によれば、ガイド構造61には弾性変形部66が設けられている。ここで弾性変形部66は、掛止孔35の直前位置まで案内された掛止フック43の先端47を掛止孔35に挿入する際に、締結ボルト41を上方から押圧する力によって撓むようになっている。このように弾性変形部66が撓んだ場合には、掛止フック43の先端47が掛止孔35へ挿入可能となる。これによって、作業者は、掛止孔35に掛止フック43の先端47が挿入される直前に、締結ボルト41の差し込みに応じて撓みの反発力(弾性復元力)を感じることができる。このようにして、掛止フック43の先端47の挿入が押圧する力の感触で認識することができる。また、掛止フック43の先端47を掛止孔35から抜去する際には、弾性変形部66を撓ませなければならない。これによって、掛止フック43の先端47を掛止孔35へ一度挿入すると、弾性変形部66を撓ませない限り、掛止孔35から掛止フック43の先端47は抜けないものとなり、この掛止フック43の先端47の掛止孔35への挿入を維持することができる。したがって、締結ボルト41を差し込んで掛止フック43の先端47を掛止孔35へ挿入した後にも、この締結ボルト41から手を離して次の作業に移ることができる。このようにして、作業者の作業における注意負担を軽減することができて、作業性の向上を図ることができる。
また上記したバッテリ固定保持用のクランプ構造20によれば、弾性変形部66に設定された第3ガイド面633は、掛止フック43の先端47の案内される方向に沿った方向に撓む。そうすると、弾性変形部66の撓みの反発力(弾性復元力)が生じ、この反発力を利用して、掛止フック43の先端47を掛止孔35に挿入させることができる。したがって、このバッテリ固定保持用のクランプ構造20の使用者は、締結ボルト41を下降移動させるという簡易な操作で、掛止フック43の先端47を掛止孔35に挿入させることができる。
【0022】
[第2の実施の形態]
次に、本発明に係るバッテリ固定保持用のクランプ構造を実施するための第2の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この第2の実施の形態においては、上記した第1の実施の形態にて説明した部分と同一に構成される部分については、同一の符号を付して説明を省略する。
図9は第2の実施の形態に関するクランプ構造20Aにて固定保持されるバッテリ10を斜め後方から見た図である。また、
図10は掛止具31Aとガイドブラケット51Aとを示す分解斜視図である。また、
図11は
図10のクランプ構造20AのXI−XI断面矢視図である。また、
図12および
図13は締結ボルト41の差し込みの順序について順次図示するものである。詳しくは、
図12は締結ボルト41の差し込みの第1段階を示す断面図であり、
図13は締結ボルト41の差し込みの第2段階を示す断面図である。
第2の実施の形態のクランプ構造20Aは、掛止具が金属製ではなく、樹脂製である場合に本発明を使用するために設けられる。この第2の実施の形態のクランプ構造20Aでは、
図2等に示す第1の実施の形態のクランプ構造20と比較して、クランプ機構30Aの構成が相違するものとなっている。具体的には、バッテリトレー16Aの構成と、掛止具31Aの構成と、ガイドブラケット51Aの構成とが、相違するものとなっている。
バッテリトレー16Aは樹脂成形品として形成される。バッテリトレー16Aは掛止具31Aを備えている。具体的には、掛止具31Aは、
図12等に示すように、バッテリトレー16Aに略「L」字形に起立して設けられる。掛止具31Aには、薄肉部32Aが形成されている。この薄肉部32Aには、掛止孔35Aが形成されている。掛止孔35Aは、締結ボルト41の掛止フック43の引っ掛けのために設けられる。また、薄肉部32Aが形成されている位置のバッテリトレー16Aの下面には、被係合部33Aが設けられている。この被係合部33Aは、次に説明するガイドブラケット51Aの取付けのために設けられる。被係合部33Aは、掛止具31Aが形成されている位置のバッテリトレー16Aの下面が窪むことで形成される。
【0023】
図9に示すように、掛止具31Aには、ガイドブラケット51Aが設けられている。ガイドブラケット51Aは、弾性樹脂成形品として形成される。ガイドブラケット51Aは、
図10等に示すように、掛止具31Aに対して締結ボルト41配置側に張り出す張出し部52Aと、係合部55Aとを備える。係合部55Aは張出し部52Aと一体に成形され、掛止具31A方向に長い略「L」字形をなしている。係合部55Aは、ガイドブラケット51Aを掛止具31Aに取り付けるために設けられる。ガイドブラケット51Aを掛止具31Aに取り付ける際には、係合部55Aは弾性変形し、係合部55Aの前端部に設けられている係合爪53Aとバッテリトレー16Aの被係合部33Aとが係合可能な位置になると弾性変形が戻り、係合爪53Aと被係合部33Aとが係合する。また、ガイドブラケット51Aのうち、掛止具31Aの薄肉部32Aと対面する上部には、
図10等に示すように、掛止具31Aの薄肉部32Aの上部端縁37Aに引っ掛けられる掛留部54Aが左右幅方向に並んで設けられている。このようにして、ガイドブラケット51Aは、掛留部54Aおよび係合部55Aにより上下方向から掛止具31Aを挟み込む。これにより、ガイドブラケット51Aは、掛止具31Aに対して一体となるように取り付けられている。すなわち、ガイドブラケット51Aは、下側の1点と上側の3点とにより掛止具31Aに取り付けられている。張出し部52Aの上部には、
図10に示すように、掛止フック43が挿入される開口部62Aが設けられている。また、
張出し部52Aの前部で掛止孔35Aに対応する位置には、掛止孔35Aと連通する連通孔67Aが設けられている。この張出し部52Aの内部には、ガイド構造61Aが設けられている。
【0024】
ガイド構造61Aには、
図11に示すように、掛止具31Aの平面形状に対して略対面される面形状にて形成されるガイド部63Aが形成されている。ガイド部63Aの傾斜部位64A,64Aは、開口部62Aから張出し部52Aの内部に挿入される掛止フック43の挿入をガイドする。この傾斜部位64Aは、開口端傾斜部位641Aと、内部傾斜部位642Aとを備え、掛止フック43を張出し部52Aの内部に挿入し易くしている。開口端傾斜部位641Aは、開口部62Aの開口周縁に設けられている。また、内部傾斜部位642Aは、開口部62Aから張出し部52Aの内部に入った部分に設けられている。この内部傾斜部位642A,642Aは、縦壁部68A,68Aの上端部にそれぞれ設けられている。この縦壁部68A,68Aは、掛止孔35Aに対して掛止フック43の先端47が挿入される方向と交差する方向に、対面するように設けられている。すなわち、開口部62Aから、開口端傾斜部位641Aおよび内部傾斜部位642Aによりガイドされて、張出し部52Aの内部に挿入された掛止フック43は、縦壁部68A,68Aの間に導かれることになる。なお、この縦壁部68A,68Aの間の間隔は、締結ボルト41の丸棒部分の太さ寸法よりも小さく設けられている。縦壁部68A,68Aは、それぞれ弾性変形部66Aにて設定されている。
ガイド部63Aは、上から順に下降ガイド部631A、挿入ガイド部633Aを有して形成されている。このガイド部63Aは、張出し部52Aの内部に挿入された掛止フック43が、締結ボルト41の下降移動にしたがって掛止孔35Aに向かうようにガイドする。具体的には、挿入ガイド部633Aは、下側にいくにしたがって掛止孔35Aの方向に向かうように傾斜する形状を有している。このため、挿入ガイド部633Aは、張出し部52Aの内部に挿入された掛止フック43に対して、掛止孔35Aの挿入方向に沿った後側(挿入方向後側)から摺接し、締結ボルト41の下降移動にしたがって、掛止フック43を掛止孔35Aに向かう方向へ移動させる。このようにして、挿入ガイド部633Aは、締結ボルト41の下降移動に従って、掛止フック43が掛止孔35Aに向かうように案内することとなる。
【0025】
図12に示すように、掛止フック43を開口部62Aから挿入した場合には、掛止フック43は傾斜部位64Aによりガイドされて、下降ガイド部631Aと当接する。次に、締結ボルト41を下降ガイド部631Aに当てたまま下降させると、係止フック43の屈曲部45が縦壁部68A,68Aの間に導かれる。この時、縦壁部68A,68Aの間の間隔は、上記したように締結ボルト41の丸棒部分の太さ寸法よりも小さいため、係止フック43は縦壁部68A,68Aを幅方向外側に離間するように押圧することになる。この力によって縦壁部68A,68Aは、掛止孔35Aに対して掛止フック43の先端47が挿入される方向と交差する方向、すなわち、縦壁部68A,68Aの間の間隔が開く方向に撓む。これにより、掛止フック43は、縦壁部68A,68Aの間を通ることができるようになる。掛止フック43が縦壁部68A,68Aの間を通っている状態では、掛止フック43に対して、縦壁部68A,68Aの撓みによる反発力(弾性復元力)が生じるようになる。これにより、掛止孔35Aに対する掛止フック43の先端47の向きが整えられることになる。締結ボルト41をさらに降下させると、掛止フック43の屈曲部45が挿入ガイド部633Aにあたり、挿入ガイド部633Aにより、掛止孔35Aに向けて掛止フック43の先端47が移動することとなる。ここで、掛止フック43が、これ以上移動することのない前端位置に達すると、
図13に示すように、掛止フック43の先端47は掛止孔35Aに挿入された状態となる。ここで、
図13に示す掛止フック43の先端47を掛止孔35Aに挿入させた状態で、締結ボルト41の雄螺子部261に螺合されるナット262を螺旋回しすると、バッテリトレー16Aとバッテリークランプ21とによりバッテリ10を挟み込むこととなる。
ところで、上記した下降ガイド部631Aが、本発明に係る第1ガイド部に相当する。また、上記した挿入ガイド部633Aが、本発明に係る第2ガイド部に相当する。すなわち、下降ガイド部631Aは、締結ボルト41の下降移動を案内する作用を奏し、挿入ガイド部633Aは、掛止フック43の先端47を掛止孔35Aへ挿入案内する作用を奏する。このように構成される第2の実施の形態のクランプ構造20Aを用いることで、掛止具が金属製ではなく、樹脂製である場合にも本発明を使用することができる。なお、この第2の実施の形態のクランプ構造20Aにあっても、上記した第1の実施の形態のクランプ構造20と略同様の作用効果を奏することができる。さらに、このバッテリ固定保持用のクランプ構造20Aによれば、弾性変形部66Aとして設定されている縦壁部68A,68Aは、挿入ガイド部633Aが掛止フック43の先端47を案内する方向に対して交差する方向に撓む。そうすると、弾性変形部66Aには撓みによる反発力(弾性復元力)が生じるようになる。これによって、弾性変形部66Aの反発力を利用して、掛止孔35Aに対する掛止フック43の先端47の向きを整えることができる。つまり、弾性変形部66Aの撓みの反発力が、掛止フック43のガイドに寄与することになる。したがって、掛止フック43の先端47を掛止孔35Aに挿入させ易くすることができる。
【0026】
なお、本発明に係るバッテリ固定保持用のクランプ構造にあっては、上記した実施の形態の取付け構造に限定されるものではなく、次のように適宜箇所を変更して構成するようにしてもよい。
すなわち、上記した実施の形態のクランプ構造20のガイド構造61にあっては、掛止フック43を掛止孔35に向かわせるように締結ボルト41の差し込みをガイドするガイド面63を有して構成されるものであった。しかしながら、本発明に係るガイド構造としては、上記したクランプ構造20の例に限定されることなく、締結ボルト41の掛止フック43を掛止具31の掛止孔35に引っ掛けるに際し、掛止フック43が掛止孔35に挿入されるまでの間をガイドする、さまざまな構成を採用することができる。なお、上記したガイド構造61が設けられるガイドブラケット51は、掛止孔35に挿入された掛止フック43が掛止孔35から抜けてしまうのを規制するように設けられた弾性変形部66を有して形成されるものであった。しかしながら、この弾性変形部66の構成についても、適宜の構成により代替されるようにしてもよい。