特許第6010742号(P6010742)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6010742
(24)【登録日】2016年9月30日
(45)【発行日】2016年10月19日
(54)【発明の名称】防火扉のロック解除機構
(51)【国際特許分類】
   E05B 65/10 20060101AFI20161006BHJP
   E05B 47/00 20060101ALI20161006BHJP
【FI】
   E05B65/10 A
   E05B47/00 R
【請求項の数】1
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2012-49132(P2012-49132)
(22)【出願日】2012年3月6日
(65)【公開番号】特開2013-185314(P2013-185314A)
(43)【公開日】2013年9月19日
【審査請求日】2015年2月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】515027303
【氏名又は名称】株式会社国府田産業
(74)【代理人】
【識別番号】100079337
【弁理士】
【氏名又は名称】早川 誠志
(72)【発明者】
【氏名】国府田 一郎
【審査官】 藤脇 昌也
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−133143(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05B 1/00 − 85/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
防火扉の突起を所定位置まで受け入れてその戻り方向への移動を規制したロック状態を保持し、特定レバーの所定方向への動きにより前記ロック状態を解除する係支機構部に対して、通電時に前記特定レバーを前記所定方向に動かす力を与えて前記ロック状態を解除させるためのロック解除機構において、
ース部材(32、120、170、180)と、
前記ベース部材に支持され、非通電状態で発生する永久磁石の磁力あるいは通電によって発生する電磁石の磁力により駆動軸を一端側に突出させた状態で吸着保持させた第1状態と、通電によって前記永久磁石の磁力を打ち消すまたは非通電によって前記電磁石の磁力を消すことで前記駆動軸の内部への移動が可能な第2状態にするソレノイド(110)と、
前記ソレノイドの一端側近傍で前記駆動軸の長さ方向を含む平面内で回動自在な状態で前記ベース部材に支持され、自由端が前記ソレノイドの前記駆動軸の先端に当接する位置まで延びた回動レバー(123)と、
前記ソレノイドの外周近傍の位置で、該ソレノイドの前記駆動軸の長さ方向にスライド自在な状態で前記ベース部材に支持され、前記回動レバーの中間部に前記ソレノイドの駆動軸と反対方向から係合する第1腕部(136)が設けられ、バネ(135)によって前記ソレノイドの他端方向へ付勢され、前記ソレノイドが前記第1状態に保持されているときには、該駆動軸に先端を当接して回動が規制されている前記回動レバーにより第1位置に停止し、前記ソレノイドが第2状態になって前記駆動軸が前記バネの付勢力で内部に押し込まれて前記回動レバーが回動したときに、前記ソレノイドの他端方向の第2位置へ移動するスライドレバー(130)と、
前記スライドレバーと平行にスライド自在な状態で前記ベース部材に支持され、バネ(92)の付勢力によって前記係支機構部の特定レバーに作用しない前記ソレノイドの一端寄りの第3位置から、前記係支機構部の特定レバーを解除位置に移動させるととに、その戻りを規制する前記ソレノイドの他端寄りの第4位置へ移動可能な解除レバー(91)と、
前記ソレノイドの駆動軸の長さ方向を含む平面内で回動自在な状態で前記ベース部材に支持され、前記スライドレバーが前記第1位置にあるときには、前記解除レバーに係合して該解除レバーを前記第3位置に停止させる角度位置となり、前記スライドレバーが前記第2位置に移動するときこれと連動して前記解除レバーとの係合を解除して該解除レバーを前記第4位置まで移動させて、前記係支機構部のロックを解除させるとともに、再ロック防止状態にするトリガレバー(100)と、
前記ソレノイドの駆動軸の長さ方向と直交する方向にスライド自在で外部から押し込み操作できる状態で前記ベース部材に支持され、押し込み操作されたとき前記スライドレバーおよび前記解除レバーにそれぞれテーパー部を当接させて、前記スライドレバーを前記第2位置から前記第1位置に復帰させ、前記解除レバーを前記第4位置から前記第3位置に復帰させる操作レバー(150)とを備えたことを特徴とする防火扉のロック解除機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、防火扉が係支機構に係支されたロック状態を、火災発生時等に解除するためのロック解除機構に関し、その構造を簡単化して種々の係支機構に適用できる汎用性を与えるための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
ビル等の建造物には、火災発生時の安全を確保するために防火扉が設置されている。防火扉は、平常時には係支機構により壁面等に沿わせた位置に係支されたロック状態となっているが、火災発生時には遠隔操作などによってその係支機構のロック状態が解除され、特定の通路を閉鎖できる可動状態となる。
【0003】
このような防火扉を係支する基本的な係支機構として、防火扉に固定されたフックを、案内路に沿って受け入れながら、そのフックで係支レバーの一端側を押して回動させ、フックが奥まで進入したとき係支レバーの他端側をフックに引掛かけるとともに、係支レバーの戻り方向の移動を戻り規制機構で規制している。これによってフックが退出できないロック状態となる。
【0004】
そして、火災発生時には、ロック解除機構からの力を戻り規制機構に作用させてその規制状態を解除させて、係支レバーをフック進入時と逆方向に回動させ、フックが退出できるようにする。
【0005】
このように、防火扉を開閉させる係支装置としては、大別して、防火扉を係支状態に保持する係支機構部と、その係支状態を解除するロック解除機構部とで構成されることになる。また、防火扉としては、火災発生の際に一旦ロック解除されて係支機構部から離脱して可動できる状態になった防火扉を誤って係支機構部側に移動させて再びロック状態(再ロック状態)になってしまうことを防ぐための、再ロック防止機能を持たせる必要がある。
【0006】
このような、係支機構部とロック解除機構部とを有し、再ロック防止機能を備えた係支装置の具体的な構成は、例えば特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2010−133143号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記特許文献1は、少ない消費電力で大きな解除規制能力と再ロック防止機能を実現するためになされたものであり、防火扉の突起(フック)が進入するときの力を、解除用の力としてバネに蓄えるとともに自己保持型のソレノイドによる非通電時の磁石の保持力を利用して大きな解除規制能力を実現し、ソレノイドへの通電で蓄えていた力を係支機構部に与えてロック解除を行い、再ロック防止状態を維持しながら防火扉の移動を可能にし、操作レバーの押し込み操作により、ロック可能な状態に戻す構造を有している。
【0009】
それを実現するためのロック解除構造として、自己保持型のソレノイドと操作レバーの他に3つのスライド型のレバーを用い、そのうちの二つを係支機構部のロック用のアームと再ロック防止用の制止片にそれぞれ作用させて、ロック解除させ、再ロック防止状態を維持させている。
【0010】
上記特許文献1のロック解除機構は、係支機構部の2箇所に対して作用する構造を採用しているため、構造が複雑化し、係支機構部の構造に対する依存性が強く、汎用性に欠け、他の係支機構への対応が困難であった。
【0011】
本発明は、上記特許文献1のロック解除機構をさらに発展させ、より簡単な構造で汎用性が高く、他の係支機構へ対応が容易な防火扉のロック解除機構を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記目的を達成するために、本発明の防火扉のロック解除機構は、
防火扉の突起を所定位置まで受け入れてその戻り方向への移動を規制したロック状態を保持し、特定レバーの所定方向への動きにより前記ロック状態を解除する係支機構部に対して、通電時に前記特定レバーを前記所定方向に動かす力を与えて前記ロック状態を解除させるためのロック解除機構において、
ース部材(32、120、170、180)と、
前記ベース部材に支持され、非通電状態で発生する永久磁石の磁力あるいは通電によって発生する電磁石の磁力により駆動軸を一端側に突出させた状態で吸着保持させた第1状態と、通電によって前記永久磁石の磁力を打ち消すまたは非通電によって前記電磁石の磁力を消すことで前記駆動軸の内部への移動が可能な第2状態にするソレノイド(110)と、
前記ソレノイドの一端側近傍で前記駆動軸の長さ方向を含む平面内で回動自在な状態で前記ベース部材に支持され、自由端が前記ソレノイドの前記駆動軸の先端に当接する位置まで延びた回動レバー(123)と、
前記ソレノイドの外周近傍の位置で、該ソレノイドの前記駆動軸の長さ方向にスライド自在な状態で前記ベース部材に支持され、前記回動レバーの中間部に前記ソレノイドの駆動軸と反対方向から係合する第1腕部(136)が設けられ、バネ(135)によって前記ソレノイドの他端方向へ付勢され、前記ソレノイドが前記第1状態に保持されているときには、該駆動軸に先端を当接して回動が規制されている前記回動レバーにより第1位置に停止し、前記ソレノイドが第2状態になって前記駆動軸が前記バネの付勢力で内部に押し込まれて前記回動レバーが回動したときに、前記ソレノイドの他端方向の第2位置へ移動するスライドレバー(130)と、
前記スライドレバーと平行にスライド自在な状態で前記ベース部材に支持され、バネ(92)の付勢力によって前記係支機構部の特定レバーに作用しない前記ソレノイドの一端寄りの第3位置から、前記係支機構部の特定レバーを解除位置に移動させるととに、その戻りを規制する前記ソレノイドの他端寄りの第4位置へ移動可能な解除レバー(91)と、
前記ソレノイドの駆動軸の長さ方向を含む平面内で回動自在な状態で前記ベース部材に支持され、前記スライドレバーが前記第1位置にあるときには、前記解除レバーに係合して該解除レバーを前記第3位置に停止させる角度位置となり、前記スライドレバーが前記第2位置に移動するときこれと連動して前記解除レバーとの係合を解除して該解除レバーを前記第4位置まで移動させて、前記係支機構部のロックを解除させるとともに、再ロック防止状態にするトリガレバー(100)と、
前記ソレノイドの駆動軸の長さ方向と直交する方向にスライド自在で外部から押し込み操作できる状態で前記ベース部材に支持され、押し込み操作されたとき前記スライドレバーおよび前記解除レバーにそれぞれテーパー部を当接させて、前記スライドレバーを前記第2位置から前記第1位置に復帰させ、前記解除レバーを前記第4位置から前記第3位置に復帰させる操作レバー(150)とを備えている。
【発明の効果】
【0013】
このように構成したため、本発明の防火扉のロック解除機構では、火災発生時の通電切換によりソレノイドが第1状態から第2状態へ変化して、駆動軸が内部に押し込まれてスライドレバーが第1位置から第2位置へ移動し、その移動によりトリガレバーが回動して解除レバーが第3位置から第4位置に移動する。この解除レバーで係支機構部の特定レバーを所定方向に作動させることで、係支機構部による防火扉のロック状態を解除することができる。この状態では、第4位置にある解除レバーが特定レバーの戻りを規制するので再ロック防止状態となる。そして、操作レバーを押し込むことで、スライドレバーが第2位置から第1位置側に移動し、ソレノイドの駆動軸が一端側に突出した状態に保持されて、スライドレバーが第1位置に停止する。また、解除レバーが第4位置から第3位置側に移動し、トリガレバーと係合して第3位置に停止して、再ロック可能な初期状態に復帰する。
【0014】
このように、本発明のロック解除機構は、通電制御されるソレノイドと操作レバーの他に、2つのスライド型レバーと2つの回動型レバーを用い、スライド型レバーの一つを係支機構部の特定レバーに作用させることで、ロック解除させ、再ロック防止状態を維持させているから、ロック解除機構自体の構成が簡単化でき低コストに作ることができ、係支機構部の構造に対する依存性が弱く、汎用性が格段に高くなり、種々の係支機構への対応が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の実施形態の係支装置を正面上方から見た図
図2】実施形態の下シャーシ内の係支機構部の構造を示す図
図3】実施形態の下シャーシ内の係支機構部の構造を示す分解図
図4】実施形態の上シャーシ内のロック解除機構部の構造を示す図
図5】実施形態の上シャーシ内のロック解除機構部の構造の一部を省いた図
図6】実施形態の上シャーシ内のロック解除機構部の構造を示す分解図
図7】実施形態に用いたソレノイドの内部構造図
図8】実施形態に用いた操作レバーの構造図
図9】実施形態の下シャーシ内の各部の係支状態までの動作を説明するための図
図10】実施形態の下シャーシ内の各部の係支状態までの動作を説明するための図
図11】実施形態のロック解除機構部の動作を説明するための図
図12】実施形態のロック解除機構部の動作を説明するための図
図13】実施形態のロック解除機構部の動作を説明するための図
図14】実施形態の下シャーシ内の各部の解除状態までの動作を説明するための図
図15】実施形態の操作レバーによる復帰動作を説明するための図
図16】実施形態の操作レバーによる復帰動作を説明するための図
図17】実施形態の操作レバーによる復帰動作を説明するための図
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
図1図6は、本発明を適用したロック解除機構を含む係支装置30の構造を示している。
【0017】
この係支装置30は、図1に示しているように、上下に重ねられた矩形箱型の下シャーシ31と上シャーシ32、および前面板170、背面板180により一体的に構成したケースを有している。
【0018】
ここで、下シャーシ31には、防火扉の突起を所定位置まで受け入れてその戻り方向への移動を規制したロック状態を保持し、特定レバーの所定方向への動きにより前記ロック状態を解除するための係支機構部200が形成され、上シャーシ32には、係支機構部200に対して、通電時に特定レバーを所定方向に動かす力を与えてロック状態を解除させるためのロック解除機構部300が形成されている。
【0019】
係支機構部200のベース部となる下シャーシ31は、図2図3に示しているように、底板31a、前板31b、後板31c、左側板31d、右側板31eとにより形成され、前板31bの中央は、防火扉の突起Pを受け入れるための開口を形成するように切欠かれており、底板31aの中央には、この開口と連続し防火扉のU字状の突起Pを内部に直線的に案内する案内路を形成する案内溝33が形成されている。
【0020】
この案内溝33の奥端の近傍で左側板31d寄りの位置には第1の軸34が立設され、案内溝33の入り口近傍の左側方には第2の軸35が立設されている。
【0021】
第1の軸34には、この係支機構部200の係支レバー201を構成する係支片41と捕捉片46とが重ね合わされて一体化されて回動自在に取り付けられている。
【0022】
係支片41は、第1の軸34を挿通させる穴42が設けられている基部41aと、基部41aからほぼ一定幅で案内溝33と交差し下シャーシ31の右側板31e側に延びた第1腕部41bと、基部41aから第1腕部41bと直交する方向に延びた第2腕部41cとによって略L字状に形成されている。
【0023】
第1腕部41bの先端の後板31c寄りの側縁には立上げ片43が形成され、その立上げ片43の中央にはネジ溝を有する穴44が設けられている。また、第2腕部41cの先端面には段部45が形成されている。
【0024】
一方、捕捉片46は、第1の軸34を挿通させる穴47が設けられている基部46aと、基部46aからほぼ一定幅で案内溝33と交差して右側板31e側に延びた第1腕部46bと、基部46aから第1腕部46bと直交する方向に延び、さらに第1腕部46bと平行に対向する方向に延びた第2腕部46cとを有している。
【0025】
捕捉片46の第1腕部46aの中央部および先端部には、立上げ片48、50がそれぞれ形成され、立上げ片50の中央にはネジを挿通させるための穴51が設けられている。
【0026】
係支片41と捕捉片46は、互いの第1腕部同士、第2腕部同士が重なりあう状態で第1の軸34に取り付けられ、係支片41の立上げ片43の穴44には、捕捉片46の立上げ片50の穴51を通過するネジ53が螺着され、そのネジ53の頭部と捕捉片46の立上げ片50との間には、コイルバネ54が挟まれている。
【0027】
係支片41と捕捉片46は、このコイルバネ54の反発力によって互いに重なりあった状態で一体的に回動できるようになっており、非常時等で防火扉が開く方向に強い力が付与され、コイルバネ54の反発力より強い力が捕捉片46に時計回りに与えたときに、捕捉片46が時計回りに回動して強制解除できるようになっている。
【0028】
第1の軸34の上部には、スプリング65が取り付けられている。スプリング65の一端は、捕捉片46の第1腕部46bの外側部に掛けられ、他端側は下シャーシ31の後板31cに掛けられており、係支片41および捕捉片46は、このスプリング65によって時計回り(図2において)、即ち、捕捉片46の第2腕部が案内溝33から退避する方向に回動付勢される。
【0029】
一方、第2の軸35には、この係止機構部200のロック/解除用の特定レバーを構成する制止片70が回動自在に取り付けられている。
【0030】
制止片70は、第2の軸35を挿通させる穴71が設けられている基部70aと、基部70aから係支片41の第2腕部41cの外周に接する方向に延びた第1腕部70bと、後述するロック解除機構部300のスライドレバー130に当接するために上方に延びた第2腕部70dを有し、スプリング72によって反時計回りに回動付勢されている。
【0031】
第1腕部70bの先端は、係支片41の外周に接しており、防火扉の突起Pが進入してきて係支片41と捕捉片46が反時計回りに回動して、捕捉片46の第2腕部46cが案内溝33と交差する位置まで達したときに、係支片41の外周の段部45に係合して、係支片41および捕捉片46の時計回り(図2において)の回動を規制する。
【0032】
なお、下シャーシ31の底板31aの右側前端および後端には、係支片41および捕捉片46の第2腕部側に当接して、その回動範囲を規定するためのストッパ77、78が設けられている。また、前板31bの右側には、コイルバネ54の弾性復帰力を調整するネジ53を回すドライバー(図示せず)を通すためのU字の切欠79が設けられている。また、図1のように、前面板170にはこの切欠79と重なる位置に穴170aが設けられている。
【0033】
このように構成された係支機構部200は、案内溝33に進入してきた防火扉の突起Pに押されて係支レバー201が反時計回りに回動して、捕捉片46の第2腕部46cが案内溝33と交差する位置まで達したときに、制止片70の第1腕部70bが係支片41の外周の段部45に係合して、係支レバー201の時計回り(図2において)の回動を規制し、防火扉の突起Pが案内溝33から抜けないロック状態を保持する。このロック状態は、制止片70の第2腕部70dを右方(図2において)へ押して、時計回りに回動させることで解除することができる。この解除を行うためのロック解除機構部300が下シャーシ31の上に重なり合うように固定された上シャーシ32に形成されている。
【0034】
上シャーシ32は、前板170、後ろ板180とともに、ロック解除機構部300のベース部を構成するものであり、図4図6に示しているように、下シャーシ31と同様に、底板32a、前板32b、後板32c、左側板32d、右側板32eによって浅い矩形箱状に形成されており、前板32bの中央は、下シャーシ31の前板31bの開口とともに防火扉の突起を受け入れる開口部を形成するために切欠かれており、底板32aの中央下面には、下シャーシ31の案内溝33とともに防火扉の突起を内部に案内するための案内路を形成する案内溝80が形成されている。
【0035】
また、底板32aの後部には、解除レバーガイド溝82が後ろ板32cに沿って形成されている。また、底板32aの左部には、制止片70の第2腕部70dを通過させ且つその動きを規制しないように円弧状に形成された穴83が設けられている。
【0036】
解除レバーガイド溝82の左端部82aおよび右端部82bの間隔は、後述する解除レバー91の基部91aの厚さより僅かに広く設定され、中間部82cの間隔は、解除レバー91の基部91aの外周に装着されて解除レバー91を右側板32e方向に付勢するためコイルバネ95の幅より僅かに広く設定されている。
【0037】
解除レバーガイド溝82の左方には円柱状のボス84が立設され、右方には、後述する操作レバー150の先端部を受け入れ、前後方向にガイドするための操作レバーガイド穴85が形成されている。また、上シャーシ32の右前隅には、バネフック86が立設されている。
【0038】
解除レバー91は、解除レバーガイド溝82に収容されて横方向に摺動自在な状態で支持される基部91aと、基部91aの左端から穴83と交差する位置まで前方に延びた腕部91bと、基部91aと腕部91bとが交差する部分において前方へ突出してその先端に段差をもつストッパ部91cとを有しており、基部91aの中間部にはコイルバネ92が装着され、その右方にはコイルバネ92の右方への動きを規制するためのピン93が貫通している。
【0039】
解除レバー91の基部91aは、解除レバーガイド溝82の左端部82aおよび右端部82bの間に挟まれ、その間に装着されたコイルバネ92によって右方へ付勢され、さらに、解除レバーガイド溝82の右端部82bの上にネジ止めされた押え板95と、ボス84に回動自在に取り付けられたトリガレバー100により上方への動きが規制される。
【0040】
トリガレバー100は、ボス84に回動自在な状態でネジ止めするための穴101が設けられた基部100aと、基部100aの左方に所定距離延びて下方に屈曲する第1腕部100bと、基部100aの前方に所定距離延びた第2腕部100cと、基部100aの後方に延び、解除レバー91の上方を通過してその浮き上がりを防ぐ第3腕部100dとを有しており、第3腕部100dと解除レバー溝82の左端部82aの間に掛け渡されたコイルバネ103によって時計回りに付勢されている。
【0041】
ここで、解除レバー91が左寄りの所定位置(特定レバーとしての制止片70の第2腕部70dに作用しない離間した第3位置)にあるときに、トリガレバー100の第1腕部100bの後部側の角部が解除レバー91のストッパ部91cの段差部に係合する角度位置となって、解除レバー91の右方への移動を規制して第3位置に保持する。また、この規制状態から、第2腕部100cの先端が右方に押されて回動すると、解除レバー91のストッパ部91cに対する第1腕部100bの係合が解除されて、解除レバー91が右方の第4位置まで移動する間に、腕部91bの先端が制止片70の第2腕部70dに当接して右方に移動させ、制止片70を時計回りに回動させる。これによって係支機構部200がロック解除状態となる。
【0042】
ここで、第4位置まで移動した解除レバー91の腕部91bは、解除状態にある制止片70の第2腕部70dの左方近傍に位置しており、制止片70の反時計回りの回動を規制するから、再ロックが防止された状態となる。
【0043】
一方、解除レバー91、トリガレバー100の上方には自己保持型のソレノイド(プランジャとも言う)110が配置されている。なお、ここでは平穏時にはソレノイドへの通電を行わず、火災発生時に短時間(例えば1秒)だけ通電駆動する常時非通電方式について説明するが、後述するように、平穏時にソレノイドへの通電を連続して行い、火災発生時に非通電状態となる常時通電方式の場合には、自己保持型でなく、通電された電磁石の磁力によって駆動軸を突出状態に保持し、非通電にすると駆動軸が内部に引っ込む構造の一般的なソレノイドを用いればよい。
【0044】
ソレノイド110は、下シャーシ31と上シャーシ32の背面側を連結する背面板104に対して横向きに且つその駆動軸110aの先端が左方を向いた状態で固定されている。
【0045】
ソレノイド110は、非通電時に永久磁石の磁力により駆動軸110aを突出させた第1状態に保持し、永久磁石の磁力を打ち消す方向に通電されると、駆動軸110aを突出させる力を弱め、弱い力で内部に引っ込むことができる第2状態となる。
【0046】
なお、このソレノイド110は、図7に示すように、奥端に設けられた永久磁石110bの磁力を外周の鉄枠(ヨーク)110cを介して前端の鉄製の軸受110dに与え、この軸受110dに内部の可動鉄心110eの前端を強力に吸着し、可動鉄心110dに圧入されている非鉄の駆動軸110aを突出させた第1状態に保持する。そして、コイル110fへの通電により永久磁石110bの磁力が打ち消されると、軸受110dと可動鉄心110eとの吸着を解除し、駆動軸110aの先端側に加えられた弱い力で可動鉄心110eを奥側へ移動させて駆動軸110aを内部に押し込むことができる第2状態になり、コイル110fに対して少ない供給電流で駆動軸110aの内部への移動を可能にしている。なお、コイルバネ110gは、コイル110fの通電を停止したあとに可動鉄心110eを軸受110d側に移動させて吸着させるためのものである。
【0047】
ソレノイド110の側部にはレバー支持板120がネジ止めされている。レバー支持板120は、横長矩形でソレノイド110の側面に密着するようにネジ止め固定される基部120aと、基部120の左端から前方に延びたレバー支持部120bとを有している。レバー支持部120bの上面には、回動レバー123が回動自在に取り付けられている。回動レバー123の一端側の基部123aは、レバー支持部120bに回動可能な状態でネジ止め支持され、先端(自由端)123bはソレノイド110の駆動軸110aの先端に当接可能な位置まで延びており、その中間の左部には後述するスライドレバー130の第1腕部の先端を受け入れる切欠部123cが形成されている。
【0048】
レバー支持板120はガイドネジ125、126によってソレノイド110に固定され、その前面側には、スライドレバー130が左右方向にスライド自在に状態で支持されている。
【0049】
スライドレバー130の一端側には、ガイドネジ125の軸部を受け入れる横長の切欠131が形成され、他端側にはガイドネジ126の軸部を受け入れる横長の切欠132が形成されており、これらのガイドネジ125、126をガイドとしてスライド移動自在に支持されている。
【0050】
スライドレバー130の中央にはバネ掛け用のフック133が形成され、このフック133とガイドネジ126との間にはコイルバネ135が掛け渡されている。
【0051】
また、スライドレバー130の左端上部から後方へ第1腕部136が延び、その下部が回動レバー123の中間部の切欠123cに左方から進入している。ここで、コイルバネ135による付勢力が、スライドレバー130および回動レバー123を介して、ソレノイド110の駆動軸110aを押し込む方向に伝達されるが、ソレノイド110の永久磁石による保持力により駆動軸110aは突出状態(第1状態)に保持され、スライドレバー130はソレノイド110の一端寄り(駆動軸寄り)の所定位置(第1位置)に停止した状態に保持される。
【0052】
なお、この駆動軸110aに先端側を接して押している回動レバー123は、その先端と回動支点との間でスライドレバー130を付勢しているコイルバネ135の力を受けているので、先端部から駆動軸110aにかかる力を弱めることができる。したがって、永久磁石110bによる吸着力は小さくて済み、この吸着を解除するために必要な電流も少なくすることが可能である。実際に用いたソレノイド110では、30mA程度の電流により吸着を解除でき、従来のソレノイドを用いた機構で要求される電流の1/10程度でロック解除が可能となる。
【0053】
また、スライドレバー130の左下部から下方に突出した第2腕部137は、トリガレバー100の第2腕部100cの左方まで延びていて、第1位置にあったスライドレバー130が、ソレノイド110の通電駆動によって右方の第2位置まで移動する際の力をトリガレバー100に伝達して、トリガレバー100と解除レバー91との係合を解除させる。
【0054】
さらに、スライドレバー130の右上部から前方に延びた第3腕部138は、第2位置まで移動した状態で、後述する操作レバー150が所定ストローク押されたときにその第1テーパー部152に押されて、スライドレバー130を第2位置から第1位置まで戻させる。
【0055】
操作レバー150は、一度防火扉の突起Pに対するロックが解除されて再ロック防止状態になってからロック可能な初期状態に復帰させるためのものであり、図8に示しているように、上板151、上板151の左後方縁部に45度の角度で且つ手前に向かうほど幅が広くなるように形成された第1テーパー部152、上板151の前端中央から所定幅で前方に延びた突出片153、突出片153の先端から同一幅で上方に延びた操作片154、上板151の右縁から下方に延びた側板155、側板155の下部から内方に所定距延びた連結部156、連結部156から45度の角度で外側に所定距離延びた第2テーパー部157、第2テーパー部157から後方に所定距離延びた先端部158を有している。また、側板155の外形は前下部が切欠かれた逆L字状で、その縦部と上シャーシ32のバネフック86の間にコイルバネ159が掛けられている。
【0056】
操作レバー150の突出片153および操作片154は、前面板103に設けられた穴(図示せず)を通過して外部へ突出し、側板155の下縁が上シャーシ32の底板に接し、先端部158が操作レバーガイド穴85に進入した状態で支持され、コイルバネ159によって前方に付勢されており、操作片154を押すことで、第1テーパー部152および第2テーパー部157を後方に移動させることができる。
【0057】
操作レバー150は、後方に所定ストローク押されたときに、第2位置にあるスライドレバー130を、第1テーパー部152によって左方へ移動させ、ソレノイド110の駆動軸110aを突出状態に復帰させることで第1位置に戻すとともに、第4位置にある解除レバー91を、第2テーパー部157によって左方へ移動させ、トリガレバー100と係合状態に復帰させることで第3位置に戻し、これによって防火扉の突起が再度進入したときに係支できる状態に復帰させる。
【0058】
次に、上記構成の係支装置30の動作を説明する。
図2の状態(初期状態)から図9のように進入した防火扉の突起P(例えばU字状フック)によって捕捉片46と係支片41が押され、第1スプリング65の付勢力に抗して反時計回りに回動する。
【0059】
そして、図10のように、防火扉の突起Pに押された捕捉片46の第1腕部46bが案内溝33、80からなる案内路とほぼ直交する位置まで回動すると、係支片41の段部45に制止片70の第1腕部70bが係合して、捕捉片46の戻りが規制された状態となる。このとき、捕捉片46の第2腕部46cが案内路とほぼ直交するように交差するので、防火扉の突起Pは、案内路から抜けない状態(ロック状態)に係支され、防火扉が開いた状態(平常時)となる。
【0060】
このロック状態においては、ロック解除機構部300は、図11のように、ソレノイド110の駆動軸110aが突出状態に保持されているため、スライドレバー130が左端側の第1位置に停止し、解除レバー91がトリガレバー100に係合した左端側の第3位置に停止した状態にある。
【0061】
そして、この状態から、火災発生等によってソレノイド110に通電がなされると、その駆動軸110aを突出状態(第1状態)に保持する力がなくなり第2状態となって、図12の矢印Aのように、コイルスプリング135の付勢力で内側に押し込まれ、回動レバー123が時計回りに回動し、スライドレバー130が矢印Bのように第1位置から右方へ移動する。
【0062】
このスライドレバー130に右方への移動に伴い、トリガレバー100が矢印Cのように反時計回りに回動し、解除レバー91との係合が解除される。
【0063】
このため、解除レバー91が、図13の矢印Dのように第3位置から右方の第4位置へ移動し、その腕部91bに押されて制止片70の第2腕部70dが矢印Eのように右方に移動する。
【0064】
このため、図14のように、制止片70が時計回りに回動して、係支片41との係合が解除され、係支片41による回動規制が解除され、係支片41と捕捉片46とが一体的に時計回りに回動して、その第2腕部46cを案内溝33の側方へ退避させ、防火扉の突起Pを案内溝33から抜け出させ、防火扉で所定通路を閉鎖できるようにする。
【0065】
このとき、図13に示しているように、解除レバー91の腕部91bが、制止片70の腕部70dの左方近傍にあるので、防火扉の突起Pが再挿入されても制止片70の反時計回りの回動が規制されて、係支片41と係合できず、係支状態にはならない(再ロック防止状態)。
【0066】
そして、この状態から図15のように、操作レバー150を矢印Fのように奥に押し込むと、図16のように、第1テーパー部152に第3腕部138を当接させたスライドレバー130が矢印Gのように左方に移動する。これによってソレノイド110の駆動軸110aを押し込む力がなくなり、駆動軸110aが矢印Hのように突出して、永久磁石の吸着力でその突出状態(第1状態)を保持する。このとき回動レバー123は突出した駆動軸110aに押されて矢印Iのように反時計回りに回動し、スライドレバー130の第1腕部136に係合する。
【0067】
また、これと並行して、第2テーパー部157に先端を当接させた解除レバー91が矢印Jのように左方に移動する。そして図17のように、操作レバー150が奥端まで押されたときに、解除レバー91のストッパ部91cがトリガレバー100の第1腕部100bを通過し、トリガレバー100が矢印Kのように時計回りに回動して第1腕部100bがストッパ部91cの段部に係合する。この状態から操作レバー150を離せば、図13の初期状態に戻って、再度防火扉の突起Pを受け入れてロック可能な状態に戻る。
【0068】
以上説明したように、この係支装置30に用いたロック解除機構部300は、ソレノイド110と操作レバー150の他に、2つのスライド型のレバーと2つの回動型のレバーを用い、スライド型レバーの一つを係支機構部200の特定レバー(制止片70d)に作用させることでロック解除させ、再ロック防止状態を維持させているから、ロック解除機構部300自体の構成を格段に簡単化でき、低コストに作ることができる。また、係支機構部の特定レバーに解除レバーを作用させるだけで済むので、係支機構部自体の構造に対する依存性が弱く、汎用性が格段に高くなり、種々の係支機構への対応が可能となる。
【0069】
また、スライドレバー130を戻してソレノイド110の駆動軸110aを突出状態に戻す作業を操作レバー150の操作で行っているが、これと並行して解除レバー91の初期状態への復帰も行え、強いコイルバネ92に係支機構ロック解除のために必要な強い力を蓄えることができる。
【0070】
なお、上記した係支機構部200の構造は一例であって、ベース部材に対する解除レバー91、トリガレバー100、ソレノイド110、回動レバー123およびスライドレバー130の支持構造や、それらの形状等について本発明の要旨を逸脱しない範囲で変形可能であり、特定レバーに一定方向の力を与えることでロック解除される係支機構に対して本発明のロック解除機構が適用できる。
【0071】
また、前記実施形態は、常時非通電方式に対応するために自己保持形のソレノイドを用いていたが、平穏時にソレノイドへの通電を連続して行い、火災発生時に非通電状態となる常時通電方式の場合には、自己保持型でなく、通電された電磁石の磁力によって駆動軸を突出状態に保持し、非通電にすると駆動軸が軽い力で内部に押し込まれる構造の一般的なソレノイドを用いればよい。この場合、例えば、前記構造のソレノイド110の永久磁石110bの代わりに、それと同形で軟鉄材からなる電磁石の鉄心を配置すれば、コイルに対する通電によって発生する磁力で駆動軸110aを突出状態に保持した第1状態と、非通電によって駆動軸110aが内部に押し込まれる第2状態を実現できる。
【符号の説明】
【0072】
30……係支装置、31……下シャーシ、32……上シャーシ、41……係止片、46……捕捉片、70……制止片(特定レバー)、91……解除レバー、100……トリガレバー、110……ソレノイド、123……回動レバー、130……スライドレバー、150……操作レバー
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