特許第6010744号(P6010744)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6010744文書作成システム、文書作成装置、文書作成方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6010744
(24)【登録日】2016年9月30日
(45)【発行日】2016年10月19日
(54)【発明の名称】文書作成システム、文書作成装置、文書作成方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/048 20130101AFI20161006BHJP
   G06T 11/60 20060101ALI20161006BHJP
【FI】
   G06F3/048
   G06T11/60 100C
【請求項の数】10
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2012-124518(P2012-124518)
(22)【出願日】2012年5月31日
(65)【公開番号】特開2013-250730(P2013-250730A)
(43)【公開日】2013年12月12日
【審査請求日】2014年10月17日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000136136
【氏名又は名称】株式会社PFU
(74)【代理人】
【識別番号】100137394
【弁理士】
【氏名又は名称】横井 敏弘
(72)【発明者】
【氏名】萩沢 章一
(72)【発明者】
【氏名】道場 郷
(72)【発明者】
【氏名】佐野 秀夫
【審査官】 佐藤 匡
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−022718(JP,A)
【文献】 特開平11−203491(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/048,17/21
G06T 11/60
G06Q 10/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
文書作成装置、及び文書閲覧装置を含む文書作成システムであって、
前記文書作成装置は、
画像に重ね合わせるレイヤであって、少なくとも一部が透明であり、かつ、このレイヤ内の所定の領域に対して機能が定義された機能レイヤを格納する機能レイヤ格納手段と、
前記機能レイヤ格納手段に格納された機能レイヤの中から、適用する機能レイヤを選択する選択手段と、
前記選択手段により選択された機能レイヤの機能が定義された領域を変更する編集手段と、
前記編集手段により、領域が変更された機能レイヤを画像に重ね合わせる合成手段と
を有し、
前記文書閲覧装置は、
前記合成手段により重ね合わせられた画像について、前記重ね合わせられた機能レイヤに従って、表示処理、入力受付処理、又は、出力処理を行う
文書作成システム。
【請求項2】
前記文書作成装置は、
前記選択手段により選択された機能レイヤに対して所定の領域を指定して、少なくとも、入力受付機能、ファイル制御機能、又は、表示制御機能を定義する機能定義手段
をさらに有し、
前記合成手段は、前記機能定義手段により、機能が定義された機能レイヤを、画像に重ね合わせる
請求項1に記載の文書作成システム。
【請求項3】
前記機能定義手段は、ユーザの指示に応じて、機能レイヤにおける領域、及び、この領域で受け付ける入力操作の種類を指定する入力受付定義情報を、この機能レイヤに付加し、
前記文書閲覧装置は、
前記機能レイヤに付加された入力受付定義情報に従って、表示される画像に重ね合わせられた機能レイヤの、入力受付定義情報により指定される領域において、入力受付定義情報により指定された種類の入力操作を受け付け、受け付けた入力操作をこの領域に表示する入力受付手段
を有する
請求項2に記載の文書作成システム。
【請求項4】
前記機能定義手段は、少なくとも、ファイル全体の転送先を指定する出力定義情報、ファイルの出力先を指定する出力定義情報、又は、ファイルに対するセキュリティ付加を指定する出力定義情報を機能レイヤに付加し、
前記文書閲覧装置は、
前記機能レイヤに付加された出力定義情報に従って、この機能レイヤが含まれるファイルに対して転送、出力、又は、セキュリティ付加を行う出力制御手段
を有する
請求項2に記載の文書作成システム。
【請求項5】
前記機能定義手段は、少なくとも、機能レイヤにおける既定の領域において、表示範囲、表示サイズ、又は、表示順序を指定する表示定義情報を機能レイヤに付加し、
前記文書閲覧装置は、
前記機能レイヤに付加された表示定義情報に従って、この機能レイヤが重ねられた画像を表示する表示制御手段
を有する
請求項2に記載の文書作成システム。
【請求項6】
前記機能定義手段は、ユーザの指定に応じて、機能レイヤに重ね合わせる画像、又はレイヤを指定し、指定された画像、又は、レイヤに対して電子的な証明情報を生成するよう指示する電子証明定義情報を、機能レイヤに付加し、
前記文書閲覧装置は、
前記機能レイヤに付加された電子証明定義情報に従って、この機能レイヤに重ねられた画像、又は、レイヤに対して、電子的な証明情報を生成する電子証明手段
を有する
請求項2に記載の文書作成システム。
【請求項7】
前記文書作成装置は、
前記合成手段により、ユーザにより指定された画像のデータファイルと、選択された機能レイヤのデータファイルとを一つのデータファイルに統合し、統合されたデータファイルを送信する送信手段
を有し、
前記文書閲覧装置は、
表示画面にタッチパネル機能を搭載した閲覧装置であって、
前記合成手段により一つに統合されたデータファイルを受信する受信手段
を有し、
前記受信手段は、前記送信手段により送信されたデータファイルを受信する
請求項1に記載の文書作成システム。
【請求項8】
画像に重ね合わせるレイヤであって、少なくとも一部が透明であり、かつ、このレイヤ内の所定の領域に対して機能が定義された機能レイヤを格納する機能レイヤ格納手段と、
前記機能レイヤ格納手段に格納された機能レイヤの中から、適用する機能レイヤを選択する選択手段と、
前記選択手段により選択された機能レイヤの機能が定義された領域を変更する編集手段と、
前記編集手段により、領域が変更された機能レイヤを画像に重ね合わせる合成手段と
を有する文書作成装置。
【請求項9】
画像に重ね合わせるレイヤであって、少なくとも一部が透明であり、かつ、このレイヤ内の所定の領域に対して機能が定義された機能レイヤを格納するステップと、
格納された機能レイヤの中から、適用する機能レイヤを選択するステップと、
選択された機能レイヤの機能が定義された領域を変更するステップと、
領域が変更された機能レイヤを画像に重ね合わせるステップと
を有する文書作成方法。
【請求項10】
画像に重ね合わせるレイヤであって、少なくとも一部が透明であり、かつ、このレイヤ内の所定の領域に対して機能が定義された機能レイヤを格納するステップと、
格納された機能レイヤの中から、適用する機能レイヤを選択するステップと、
選択された機能レイヤの機能が定義された領域を変更するステップと、
領域が変更された機能レイヤを画像に重ね合わせるステップと
をコンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、文書作成システム、文書作成装置、文書作成方法、及びプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1では、ウェブブラウザを有する帳票データ入力装置にインターネットを介して接続される帳票処理装置であって、レイアウト情報、出力制御情報、入力制御情報を含む帳票定義情報に基づいて、前記帳票データ入力装置に送信して当該帳票イメージを表示するためのHTMLファイルを作成する帳票定義情報変換部と、前記帳票定義情報と前記帳票データ入力装置から送信された出力用データとに基づいて、当該帳票である出力物を出力する帳票出力部とを備えることを特徴とする帳票処理装置として開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−6556号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、複数の文書を効率的に作成できる文書作成システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る文書作成システムは、文書作成装置、及び文書閲覧装置を含む文書作成システムであって、前記文書作成装置は、画像に重ね合わせるレイヤであって、少なくとも一部が透明であり、かつ、このレイヤ内の所定の領域に対して機能が定義された機能レイヤを格納する機能レイヤ格納手段と、前記機能レイヤ格納手段に格納された機能レイヤの中から、適用する機能レイヤを選択する選択手段と、前記選択手段により選択された機能レイヤを画像に重ね合わせる合成手段とを有し、前記文書閲覧装置は、前記合成手段により重ね合わせられた画像について、前記重ね合わせられた機能レイヤに従って、表示処理、入力受付処理、又は、出力処理を行う。
【0006】
好適には、前記文書作成装置は、前記選択手段により選択された機能レイヤを編集する編集手段をさらに有し、前記合成手段は、前記編集手段により、編集された機能レイヤを、画像と重ね合わせる。
【0007】
好適には、前記文書作成装置は、前記選択手段により選択された機能レイヤに対して所定の領域を指定して、少なくとも、入力受付機能、ファイル制御機能、又は、表示制御機能を定義する機能定義手段をさらに有し、前記合成手段は、前記機能定義手段により、機能が定義された機能レイヤを、画像に重ね合わせる。
【0008】
好適には、前記機能定義手段は、ユーザの指示に応じて、機能レイヤにおける領域、及び、この領域で受け付ける入力操作の種類を指定する入力受付定義情報を、この機能レイヤに付加し、前記文書閲覧装置は、前記機能レイヤに付加された入力受付定義情報に従って、表示される画像に重ね合わせられた機能レイヤの、入力受付定義情報より指定される領域において、入力受付定義情報により指定された種類の入力操作を受け付け、受け付けた入力操作をこの領域に表示する入力受付手段を有する。
【0009】
好適には、前記機能定義手段は、少なくとも、ファイル全体の転送先を指定する出力定義情報、ファイルの出力先を指定する出力定義情報、又は、ファイルに対するセキュリティ付加を指定する出力定義情報を機能レイヤに付加し、前記文書閲覧装置は、前記機能レイヤに付加された出力定義情報に従って、この機能レイヤが含まれるファイルに対して転送、出力、又は、セキュリティ付加を行う出力制御手段を有する。
【0010】
好適には、前記機能定義手段は、少なくとも、機能レイヤにおける既定の領域において、表示範囲、表示サイズ、又は、表示順序を指定する表示定義情報を機能レイヤに付加し、前記文書閲覧装置は、前記機能レイヤに付加された表示定義情報に従って、この機能レイヤが重ねられた画像を表示する表示制御手段を有する。
【0011】
好適には、前記機能定義手段は、ユーザの指定に応じて、機能レイヤに重ね合わせる画像、又はレイヤを指定し、指定された画像、又は、レイヤに対して電子的な証明情報を生成するよう指示する電子証明定義情報を、機能レイヤに付加し、前記文書閲覧装置は、前記機能レイヤに付加された電子証明定義情報に従って、この機能レイヤに重ねられた画像、又は、レイヤに対して、電子的な証明情報を生成する電子証明手段を有する。
【0012】
好適には、前記文書作成装置は、前記合成手段により、ユーザにより指定された画像のデータファイルと、選択された機能レイヤのデータファイルとを一つのデータファイルに統合し、統合されたデータファイルを送信する送信手段を有し、前記文書閲覧装置は、表示画面にタッチパネル機能を搭載した閲覧装置であって、前記合成手段により一つに統合されたデータファイルを受信する受信手段を有し、前記受信手段は、前記送信手段により送信されたデータファイルを受信する。
【0013】
本発明に係る文書作成装置は、画像に重ね合わせるレイヤであって、少なくとも一部が透明であり、かつ、このレイヤ内の所定の領域に対して機能が定義された機能レイヤを格納する機能レイヤ格納手段と、前記機能レイヤ格納手段に格納された機能レイヤの中から、適応する機能レイヤを選択する選択手段と、前記選択手段により選択された機能レイヤを画像に重ね合わせる合成手段とを有する。
【0014】
本発明に係る文書作成方法は、画像に重ね合わせるレイヤであって、少なくとも一部が透明であり、かつ、このレイヤ内の所定の領域に対して機能が定義された機能レイヤを格納するステップと、格納された機能レイヤの中から、適応する機能レイヤを選択するステップと、選択された機能レイヤを画像に重ね合わせるステップとを有する。
【0015】
本発明に係るプログラムは、画像に重ね合わせるレイヤであって、少なくとも一部が透明であり、かつ、このレイヤ内の所定の領域に対して機能が定義された機能レイヤを格納するステップと、格納された機能レイヤの中から、適応する機能レイヤを選択するステップと、選択された機能レイヤを画像に重ね合わせるステップとをコンピュータに実行させる。
【0016】
本発明によれば、複数の文書を効率的に作成でき、文書に係る情報を管理することが できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本実施形態に係る文書作成システム1の概要を説明する図である。
図2】本実施形態に係る文書作成プログラム40の機能構成を説明する図である。
図3】本実施形態に係る閲覧端末プログラム60の機能構成を説明する図である。
図4】文書作成処理の動作(S50)を説明するフローチャートである。
図5】閲覧端末処理の動作(S90)を説明するフローチャートである。
図6図4の機能定義処理(S525)を説明する図である。
図7図4の合成処理(S535)を例示する図である。
図8図5の表示処理(S910)を例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態の構成を、図面を参照して説明する。ただし、本発明の範囲は、図示例に限定されるものではない。
【0019】
[システム構成]
文書作成システム1の全体構成を説明する。
図1は、本実施形態に係る文書作成システム1の概要を説明する図である。
図1に例示すように、本実施形態に係る文書作成システム1は、文書読取装置2、文書作成装置4、閲覧端末6、及び、文書管理サーバ8により構成される。
文書読取装置2は、原稿台に載置された原稿から光学的に画像を読み取るスキャナ機能を有した装置である。文書読取装置2は、原稿から読み取られた画像データを、文書作成装置4に出力する。
【0020】
文書作成装置4は、本発明に係る文書作成装置の一例である。
文書作成装置4は、画像データと、既定の領域において機能を定義される機能レイヤとを用いて文書ファイルを作成する工程を管理するコンピュータ端末であり、サーバ機能を有する。文書作成装置4は、作成された文書ファイルを閲覧端末6に送信する。ここで、文書ファイルは、本発明の画像データと、機能レイヤとを統合したデータファイルの一例である。
本例では、文書読取装置2と文書作成装置4とは、USBケーブルなどの通信回線を介して接続しており、文書読取装置2から、文書作成装置4に情報を送ることができる。また、文書読取装置2、及び文書作成装置4を一台に複合化してもよい。
【0021】
閲覧端末6は、本発明に係る文書閲覧装置の一例である。
閲覧端末6は、ユーザが操作するコンピュータ端末である。閲覧端末6は、文書作成装置4より文書ファイルを受信する。閲覧端末6は、機能レイヤに定義される情報に従って機能を実行し、ユーザからの情報を受け付ける。閲覧端末6は、ユーザからの情報を受け付けた文書ファイルを既定の保存先に保存する。
閲覧端末6は、例えば、通信機能を有するパーソナルコンピュータ、スキャナ(ネットワークスキャナ)、PDA、携帯電話、スマートフォン(多機能型携帯電話)、タブレット型情報端末、又は複合機であってもよい。
また、本例では、文書作成装置4と、閲覧端末6とは、ネットワークを介して接続されており、様々な地点でも情報のやり取りが行える。
【0022】
文書管理サーバ8は、例えば、コンピュータ端末であり、サーバ機能を有する。文書管理サーバ8は、入力を受け付けた文書ファイルを保存する。
本例の閲覧端末6と、文書管理サーバ8とは、ネットワークを介して接続されており、様々な地点でも情報のやり取りが行うことができる。
本例の文書作成システム1は、上記システム構成により、原稿から読み取られた画像データと、機能レイヤと統合した文書ファイルを作成する管理を行う。また、複数の画像データに対して、設定された機能レイヤを用いることにより容易で、迅速に文書ファイルを作成する。
【0023】
次に文書作成プログラム40について説明する。
図2は、本実施形態に係る文書作成プログラム40の機能構成を説明する図である。
文書作成プログラム40は、例えば、CD-ROMなどの記録媒体を介して、文書作成装置4にインストールされたコンピュータプログラムである。
図2に例示するように、文書作成装置4は、画像データベース415(画像DB415)、及びテンプレートデータベース425(テンプレートDB425)を具備する。ここで、テンプレートDB425は、本発明に係る機能レイヤ格納手段の一例である。テンプレートDB425は、画像に重ね合わせることができ、少なくとも一部が透明であり、かつ、機能レイヤの既定の領域に対して機能が定義された機能レイヤを格納する。また、本発明に係る機能レイヤとは、例えば、既定の領域に機能が定義されたテンプレートレイヤである。
また、図2に例示するように、文書作成プログラム40は、画像読取部400、画像データ格納部410、選択部420、編集部430、合成部440、及び通信部450により構成される。また、選択部420には、テンプレートレイヤ選択部422、及び画像データ選択部424が含まれる。また、編集部430には、機能定義部432が含まれる。また、通信部450には、送信部452が含まれる。
【0024】
画像読取部400は、文書読取装置2より原稿から光学的に読み取られて生成された画像のデータ(画像データ)を受け取る。
また、画像読取部400は、例えば、文書読取装置2と文書作成装置4とが複合化された場合に、原稿から光学的に画像を読み取り、画像データを生成してもよい。
【0025】
画像データ格納部410は、文書読取装置2により生成された、画像データを画像DB415に格納する。
【0026】
選択部420は、画像DB415に格納される画像データと、テンプレートレイヤDB425に格納されるテンプレートレイヤのデータとを、選択する。具体的には、選択部420は、テンプレートレイヤ選択部422、及び画像データ選択部424を含む。
画像データ選択部424は、ユーザにより選択された画像データを画像DB415より選択する。
次に、テンプレートレイヤ選択部422は、適用するテンプレートレイヤをテンプレートレイヤDB425より選択する。選択部420は、選択された画像データに対して、必要な情報を付されたテンプレートレイヤを一部、又は複数選択することができる。
ここで、選択部420は、本発明に係る選択手段の一例である。
【0027】
編集部430は、本発明に係る編集手段の一例である。
編集部430は、選択部420により選択されたテンプレートレイヤを編集する。具体的には、編集部430は、少なくとも、テンプレートレイヤの既定の領域に対して、機能を定義する機能定義部432を含む。さらに具体的には、機能定義部432は、少なくとも、入力受付機能、ファイル制御機能、及び表示制御機能を実行させる定義情報を付加する。機能定義部432は、テンプレートレイヤの既定の領域に入力受付定義情報、ファイル制御定義情報、及び表示制御定義情報を付加することで、閲覧端末6により画像データとテンプレートレイヤとを統合した文書ファイルを開封された場合に、テンプレートレイヤに付加された定義情報に従って、この機能を実行する。
【0028】
入力受付機能は、少なくとも、キー入力、手書き入力、選択操作、又は、画像の挿入を受け付け、受け付けた入力結果を表示する機能である。また、入力受付機能を実行させる入力受付定義情報には、ユーザの指示に応じて、テンプレートレイヤにおける領域、及び、この領域で受け付ける入力操作の種類を指定する定義情報が含まれる。
【0029】
ファイル制御機能は、少なくとも、ファイル全体の転送先、ファイルの出力先、又は、ファイルに対するセキュリティ付加を指定する機能である。また、ファイル制御機能を実行させるファイル制御定義情報には、ファイル全体の転送先、ファイルの出力先、又は、ファイルに対するセキュリティ付加を指定する定義情報が含まれる。また、ファイル制御定義情報には、ファイルを開封したことを通知する定義情報を含んでもよい。
【0030】
表示制御機能は、少なくとも、テンプレートレイヤにおける既定の領域において、表示範囲、表示サイズ、又は、表示順序を指定する機能である。また、表示制御機能を実行させる表示制御定義情報には、テンプレートレイヤにおける領域、及び、この領域で表示する表示範囲、表示サイズ、又は、表示順序を指定する定義情報が含まれる。
【0031】
また、機能定義部432は、電子的な証明情報を生成する電子証明生成機能を実行させるための電子証明定義情報を付加する。
電子証明機能は、ユーザの指定に応じて、指定された重ね合わせるための画像、又は、テンプレートレイヤに対して電子的な証明情報を生成する機能である。また、電子証明機能を実行させる電子証明定義情報には、指定された画像、又は、テンプレートレイヤに対して電子的な証明情報を生成するよう指示する定義情報が含まれる。ここで、電子的な証明情報とは、例えば、タイムスタンプ、又は電子署名である。また、機能定義部432は、ユーザ名、位置情報、出力時間、又は、作成時間を付加することもできる。
【0032】
合成部440は、ユーザにより指定された画像のデータファイルと、適用するテンプレートレイヤとを重ね合わせて、一つのデータファイルに統合し文書ファイルを合成する。具体的には、合成部440は、選択部420により選択されたテンプレートレイヤ、又は、編集部430により機能を定義されたテンプレートレイヤと、画像データとを統合する。
【0033】
通信部450は、送信部452が含まれる。送信部452は、合成部440により統合された文書ファイルを送信する。具体的には、送信部452は、文書ファイルを閲覧端末6に送信する。
【0034】
次に、閲覧端末プログラム60について説明する。
図3は、本実施形態に係る閲覧端末プログラム60の機能構成を説明する図である。
閲覧端末プログラム60は、例えば、CD-ROMなどの記録媒体を介して、閲覧端末6にインストールされたコンピュータプログラムである。また、閲覧端末プログラム60は、閲覧端末6にアプリケーションとしてインストールされてもよい。
図3に例示するように、閲覧端末プログラム60は、通信部600、閲覧制御部610、及び、通知部620により構成される。
【0035】
通信部600には、少なくとも、受信部602、及び、送信部604が含まれる。
受信部602は、文書作成装置4より送信されたデータを受信する。具体的には、受信部602は、文書作成プログラム40により合成された文書ファイルを受信する。
送信部604は、受信部602により受信した文書ファイルを送信する。具体的には、送信部604は、後述する閲覧制御部610によって処理された文書ファイルを既定の保存先に送信する。
【0036】
閲覧制御部610は、受信部602により受信した文書ファイルの処理を行う。具体的は、閲覧制御部610は、文書作成プログラム40により、文書ファイルに含まれるテンプレートレイヤデータ、又は、画像データに定義される定義情報に従って処理を行う。
閲覧制御部610は、定義される定義情報に従って表示処理、入力受付処理、又は、出力処理を行うため、少なくとも、入力受付部612、ファイル制御部614、表示制御部616、及び、電子情報部618が含まれる。
【0037】
表示制御部616は、文書ファイルに含まれるテンプレートレイヤに付加された入力受付定義情報に従って、表示処理を行う。具体的には、表示制御部616は、少なくとも、テンプレートレイヤにおける既定の領域において、表示範囲、表示サイズ、又は、表示順序を指定する。
入力受付部612は、文書ファイルに含まれるテンプレートレイヤに付加された入力受付定義情報に従って、入力受付処理行う。具体的には、入力受付部612は、少なくとも、キー入力、手書き入力、選択操作、又は、画像の挿入を受け付け、受け付けた入力結果を表示する。
ファイル制御部614は、文書ファイルに含まれるテンプレートレイヤに付加されたファイル制御定義情報に従って、出力処理を行う。具体的には、ファイル制御部614は、少なくとも、ファイル全体の転送先、ファイルの出力先、又は、ファイルに対するセキュリティ付加を指定する。ファイル制御部614は、ファイル制御定義情報に従って、ファイルを開封したことを通知する処理を行う。
【0038】
電子情報部618は、文書ファイルに含まれるテンプレートレイヤに付加された電子証明定義情報に従って、電子的な証明情報を生成する処理を行う。具体的には、電子情報部618は、指定された画像、又は、テンプレートレイヤに対して電子的な証明情報を生成するよう指示する。
【0039】
通知部620は、ファイル制御部614の処理に基づいて、文書ファイルが開封されたことを通知する。通知部620は、通知手段を選択して、送信部604に開封された通知を送信するよう促す。通知部620は、例えば、メール機能を選択して通知を行ってもよい。
【0040】
図4は、文書作成処理の動作(S50)を説明するフローチャートである。
図4に例示すように、ステップ500(S500)において、画像読取部400は、文書読取装置2により読み取られた画像データを読み込む。画像データ格納部410は、読み込まれた画像データを画像DB415に格納する。
【0041】
ステップ505(S505)において、画像データ選択部424は、ユーザにより指定された画像データを、画像DB415から選択する。また、画像データ選択部424は、ユーザの指定により、文書読取装置2により読み取られた画像データを選択してもよい。
ステップ510(S510)において、テンプレートレイヤ選択部422は、テンプレートレイヤDB425に格納されるテンプレートレイヤの中から、適用するテンプレートレイヤを選択する。
【0042】
ステップ515(S515)において、テンプレートレイヤ選択部422は、必要なテンプレートレイヤがすべて選択された否かの判断を表示する。
文書作成処理S50は、ユーザによりテンプレートレイヤの選択が必要な指示を受け付けた場合に、テンプレートレイヤの選択を行うため、S510の処理に移行し、
ユーザによりテンプレートレイヤの選択が完了した指示を受け付けた場合に、S520の処理に移行する。
【0043】
ステップ520(S520)において、選択部420は、選択されたテンプレートレイヤに対して編集を行うか否かの判断を表示する。文書作成処理S50は、ユーザよりテンプレートレイヤに定義情報を付加する指示を受け付けた場合に、S525の処理に移行する。選択部420は、ユーザよりテンプレートレイヤに定義情報を付加しない指示を受け付けた場合に、S535の処理に移行する。
【0044】
ステップ525(S525)において、編集部430は、テンプレートレイヤ選択部422により選択されたテンプレートレイヤに対して、所定の領域に機能を定義する。具体的には、機能定義部432は、テンプレートレイヤの所定の領域に、少なくとも、入力受付機能、ファイル制御機能、及び表示制御機能を実行させる入力受付定義情報、ファイル制御定義情報、及び表示制御定義情報を付加する。また、機能定義部432は、電子的な証明情報を生成する電子証明機能を実行せるための電子証明定義情報を付加する。
【0045】
ステップ530(S530)において、編集部430は、機能定義部432により定義情報を付加されたテンプレートレイヤをテンプレートレイヤDB425に格納する。
【0046】
ここで、選択部420は、編集部430によりテンプレートレイヤDB425に格納されたテンプレートレイヤを選択し、用いることができるので、容易にテンプレートレイヤを生成することができる。
【0047】
ステップ535(S535)において、合成部440は、ユーザにより指定された画像データと、テンプレートレイヤのデータとを重ね合わせる。具体的には、択部420により選択されたテンプレートレイヤ、又は、編集部430により機能を定義されたテンプレートレイヤを、画像に統合し、文書ファイルを作成する。
【0048】
ステップ540(S540)において、送信部452は、閲覧端末6に統合した文書ファイルを送信する。
【0049】
図6は、図4の機能定義処理(S525)を説明する図である。
図6(a)に例示するように、画像データ格納部410により格納される画像データの一例である。機能定義部432は、画像データ格納部410により格納される画像データに基づいて、テンプレートレイヤに定義情報を付加する。
また、図6(b)に例示するように、機能定義部432は、画像データに基づいて、A1〜A5の領域において、入力受付定義情報を定義したものである。機能定義部432は、A1〜A5の領域において、少なくとも、キー入力、手書き入力、選択操作、又は、画像の挿入を受け付け、受け付けた入力結果を表示するよう定義情報を付加する。機能定義部432は、定義を付加する領域を任意に変更できる。
【0050】
また、図6(c)に例示するように、機能定義部432は、画像データに基づいて、B1〜B5の領域において、出力定義情報を定義したものである。機能定義部432は、B1〜B5の領域において、ファイル全体の転送先、ファイルの出力先、又は、ファイルに対するセキュリティ付加を指定する定義情報を付加する。機能定義部432は、例えば、複数選択されたテンプレートレイヤのうち、ユーザにより選択されたテンプレートレイヤに出力定義情報を付加することができる。また、機能定義部432は、出力定義情報によりファイル全体の転送先、又はファイルの出力先をテンプレートレイヤ毎に指定することもできる。また、機能定義部432は、ファイルに対するセキュリティだけでなく、領域を指定してセキュリティを付加することもできる。
【0051】
また、図6(d)に例示するように、機能定義部432は、画像データに基づいて、C1〜C5の領域において、表示定義情報を定義したものである。機能定義部432は、C1〜C5の領域において、少なくとも、テンプレートレイヤにおける既定の領域において、表示範囲、表示サイズ、又は、表示順序を指定する定義情報を付加する。機能定義部432は、定義を付加する領域を変更することや、定義しないこともできる。
【0052】
図7は、図4の合成処理(S535)を例示する図である。
図7に例示するように、合成部440は、図6(b)のA1〜A5の領域に入力受付定義情報を定義されたテンプレートレイヤ、図6(c)のB1〜B5の領域に出力定義情報を定義されたテンプレートレイヤ、及び、図6(d)のC1〜C5の領域に表示定義情報を定義されたテンプレートレイヤと、画像データとを重ね合わせて、文書ファイルを合成する。合成部440は、定義情報を重ねる順序は任意に変更することができる。また、図7に例示する重ねられた定義領域は、可視化できるようにサイズを一部変更して記載している。
【0053】
図5は、閲覧端末処理の動作(S90)を説明するフローチャートである。
図5に例示すように、ステップ900(S900)において、受信部602は、文書作成装置4より送信された文書ファイルを受信する。
【0054】
ステップ905(S905)において、閲覧制御部610は、受信した文書ファイルに定義される定義情報に従って開封する。通知部620は、受信した文書ファイルが開封されたことを受けて、通知手段を選択する。送信部604は、通知部620により選択された通知手段に従って、既定の通知場所に文書ファイルが開封されたことを通知する。
【0055】
ステップ910(S910)において、表示制御部616は、文書ファイルに含まれるテンプレートレイヤに定義される表示定義情報に従って、文書ファイルを表示する。
【0056】
ステップ915(S915)において、入力受付部612は、文書ファイルに含まれるテンプレートレイヤに定義される入力受付定義情報に従って、ユーザからの入力を受け付ける。
【0057】
ステップ920(S920)において、閲覧制御部610は、入力受付部612により文書ファイルにある入力すべき領域に対して、情報を入力できたか否かを判断する。
閲覧端末処理S90は、文書ファイルにある入力すべき領域に対して、情報を入力できた場合に、S925の処理に移行し、文書ファイルにある入力すべき領域に対して、情報を入力できていない場合に、S910の処理に移行する。
【0058】
ステップ925(S925)において、電子情報部618は、文書ファイルに含まれるテンプレートレイヤに付加された電子証明定義情報に従って、電子的な証明情報を生成する処理を行う。また、ファイル制御部614は、文書ファイルに含まれるテンプレートレイヤに定義される出力定義情報に従って、文書管理サーバ8に出力する。
【0059】
図8は、図5の表示処理(S910)を例示する図である。
図8に例示するように、閲覧端末6に表示する表示形態の一例である。表示制御部616は、文書ファイルに含まれるテンプレートレイヤに定義される表示定義情報に従って、文書ファイルを表示する。
図8(a)は、閲覧端末6により文書ファイルを表示されたものである。図8(b)は、表示制御部616は、テンプレートレイヤに定義される表示定義情報に従って、D1の領域を拡大表示し、ユーザにより入力を受け付けたものを表したものである。図8(c)は、表示制御部616は、定義される表示定義情報に従って、D1の領域の入力を受け付けてからD2の領域に表示領域を移動させて表示したものである。以上のように、機能定義部432は、表示制御情報に従って表示することができる。また、機能定義部432は、表示範囲、表示サイズ、又は、表示順序を定義したことで、自動的に判断し表示することができる。
【0060】
以上、説明したように、本実施形態の文書作成システム1は、文書読取装置2により原稿から光学的に読み取られた画像データと、既定の領域に定義されたテンプレートレイヤとを用いることで、統合した文書ファイルを容易に作成することができる。また、文書作成システム1は、テンプレートレイヤを用いることで、複数の画像データに対する定義を一度に行うことができ、また、特定の画像データにだけ定義を付加することもできる。
また、図8に例示するように、文書作成システム1は、閲覧端末6で表示する形態を表示定義情報に従って表示し、文書ファイルのレイアウト(表示内容)から、拡大する表示範囲を自動で判断して表示する。また、文書作成システム1は、入力受付定義情報、及び、出力定義情報に従って、入力方法やセキュリティなどを各領域で行うことができ、文書ファイルの一部だけを、例えば、紙のような記録媒体に出力することもできる。文書作成システム1は、出力する文書ファイルに対して、タイムスタンプや電子署名を付加でき、さらに、ユーザ名、時間、及び位置情報をより詳しく付加することもできる。
また、文書作成システム1は、原稿から読み取った画像データに基づいて作成するため、視認性を活かした表示方法を用いることができる。
以上、本発明に係る実施形態について説明したが、これらに限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更、追加等が可能である。
【0061】
[変形例]
次に、上記実施形態の変形例を説明する。
本実施形態では、文書読取装置2より読み込まれた画像データをテンプレートレイヤに重ね合わせる形態を説明したが、これに限定するものではなく、例えば、画像データ選択手段424は、PDFデータなどの電子文書、又は、文書作成システム1に保存される画像データ等を選択し、選択されたデータの表示画像にテンプレートレイヤを重ね合わせてもよい。
【符号の説明】
【0062】
2 文書読取装置
4 文書作成装置
6 閲覧端末
8 文書管理サーバ
400 画像読取部
410 画像データ格納部
420 選択部
422 テンプレートレイヤ選択部
424 画像データ選択部
430 編集部
432 機能定義部
440 合成部
450 600 通信部
452 604 送信部
415 画像DB
425 テンプレートBD
602 受信部
610 閲覧制御部
612 ファイル制御部
614 表示制御部
618 電子情報部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8