(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6010778
(24)【登録日】2016年9月30日
(45)【発行日】2016年10月19日
(54)【発明の名称】ドア
(51)【国際特許分類】
E06B 7/22 20060101AFI20161006BHJP
E06B 7/23 20060101ALI20161006BHJP
E06B 3/88 20060101ALI20161006BHJP
E06B 3/36 20060101ALI20161006BHJP
【FI】
E06B7/22 F
E06B7/23 A
E06B3/88
E06B3/36
【請求項の数】6
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-48988(P2012-48988)
(22)【出願日】2012年3月6日
(65)【公開番号】特開2013-185310(P2013-185310A)
(43)【公開日】2013年9月19日
【審査請求日】2015年2月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】302045705
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】100123663
【弁理士】
【氏名又は名称】広川 浩司
(72)【発明者】
【氏名】本橋 成哲
【審査官】
家田 政明
(56)【参考文献】
【文献】
特開2009−024458(JP,A)
【文献】
特開2007−009647(JP,A)
【文献】
特開2007−009646(JP,A)
【文献】
特開2011−144546(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 7/00−7/36
E06B 3/54−3/88
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物のドア開口部に枠体を取付け、該枠体内にパネル状のドア本体を開閉自在に納めてなるドアにおいて、
前記ドア本体下辺に沿ってドア下端緩衝部材が設けられ、
前記ドア下端緩衝部材は、前記ドア本体の下端面に固定される硬質の固定部と、該固定部の室外端部に設けられる軟質の室外緩衝部と、前記固定部の室内端部に設けられる軟質の室内緩衝部とを有し、
前記室外緩衝部は、前記ドア本体の下端面と室外側面とでなす室外角部を長手方向に沿って覆うように形成されて、前記ドア本体の下端面を覆う下端構成部と、前記ドア本体の室外側面を覆う室外構成部とを有してなり、前記室内緩衝部は、前記ドア本体の下端面と室内側面とでなす室内角部を長手方向に沿って覆うと共に、前記室外緩衝部より小さく形成され、
前記枠体の下辺には室外側に向かって面する気密材が長手方向に沿って設けられ、該気密材は、前記ドア下端緩衝部材よりも上方であって、前記ドア本体の室内側面に当接することを特徴とするドア。
【請求項2】
前記室外緩衝部は前記固定部の室外端面を覆い、前記室内緩衝部は前記固定部の室内端面を覆っていることを特徴とする請求項1記載のドア。
【請求項3】
前記室内緩衝部は、前記ドア本体の下端面を覆う下端構成部と、前記ドア本体の室内側面を覆う室内構成部とを有してなることを特徴とする請求項1または2記載のドア。
【請求項4】
前記固定部は金属材からなると共に、室外端部には室外被嵌合部を、室内端部には室内被嵌合部を、それぞれ備え、前記室外被嵌合部には前記室外緩衝部が、前記室内被嵌合部には前記室内緩衝部が、それぞれ嵌合されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のドア。
【請求項5】
前記室外緩衝部は前記室外被嵌合部に対してスライド嵌合自在な硬質の室外嵌合部を有し、前記室内緩衝部は前記室内被嵌合部に対してスライド嵌合自在な硬質の室内嵌合部を有することを特徴とする請求項4記載のドア。
【請求項6】
前記固定部は硬質樹脂材からなり、前記室外緩衝部及び室内緩衝部は軟質樹脂材からなると共に、前記固定部と共押出成形され一体化されてなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のドア。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物開口部に設けられるドア本体の下辺に沿って設けられるドア下端緩衝部材
を備えたドアに関し、特にドア本体下端の角部を覆ってこれを保護すると共に意匠性にも配慮したドア下端緩衝部材
を備えたドアに関する。
【背景技術】
【0002】
建物の玄関や部屋の入口に設置されるドアは、パネル状に形成されてなるドア本体からなり、このドア本体が開口部に対し開閉自在に取付けられる。ドア本体は、パネル状であるから、室内側面と下端面、及び室外側面と下端面のそれぞれに、下辺に沿う角部が形成される。
【0003】
ドア本体の下端面と建物側の敷居面との間には若干の隙間があるため、ドア本体の開閉に伴って足や物などが挟まれないよう、ドア本体の下辺角部に沿って緩衝材が設けられる。ドア本体は、室内側から室外側に向かって開くため、緩衝材は、ドア本体下辺の角部のうち、室外側の角部に設けられる。
【0004】
ドア本体の室内側においては、気密材を確保するため、室内側面の縁部が建物側に設けられる気密材に対して当接する構造が設けられる。従来のドアでは、ドア本体の下端面を建物の敷居面からやや高い位置に設定し、室外側端部には緩衝材を設け、室内側端部には室内側面が下方に垂下された当接面を設け、当接面で建物の室内側に設けられた気密材に対して当接するように構成していた。このようなドアとしては、例えば特許文献1に挙げるようなものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第4818217号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来のドアの構造では、アルミ製の補助枠をドア本体の下端部に取付け、補助枠の室外端部の下面にゴムスポンジを取付け、補助枠の室内端部に前記当接面を形成している。このように、ドア本体下端の室外側の角部については緩衝材を設けているが、ドア本体の室内側については、気密材が当接するため、室内側の角部は金属材がそのまま露出していた。ドア本体の室内側についても、気密性能を確保しつつ緩衝材を設けることが求められていた。
【0007】
また、従来のドアでは、気密材と当接する当接面の部分は、アルミの板1枚で室内外を隔てることとなるため、ドアの断熱性能を低下させるという問題があった。さらには、アルミ製の補助枠は室内外の端面がそれぞれ露出するため、ドア本体の色と合わず、意匠性を低下させるという問題もあった。
【0008】
本発明は前記課題を鑑みてなされたものであり、ドアの気密性能を確保しつつドア本体下端の室内外角部をそれぞれ保護すると共に、断熱性能及び意匠性も向上させることのできるドア下端緩衝部材
を備えるドアを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するため、本発明に係る
ドアは、建物のドア開口部に枠体を取付け、該枠体内にパネル状のドア本体を開閉自在に納めてなるドア
において、
前記ドア本体下辺に沿ってドア下端緩衝部材が設けられ、
前記ドア下端緩衝部材は、前記ドア本体の下端面に固定される硬質の固定部と、該固定部の室外端部に設けられる軟質の室外緩衝部と、前記固定部の室内端部に設けられる軟質の室内緩衝部とを有し、
前記室外緩衝部は、前記ドア本体の下端面と室外側面とでなす室外角部を長手方向に沿って覆うように形成されて、前記ドア本体の下端面を覆う下端構成部と、前記ドア本体の室外側面を覆う室外構成部とを有してなり、前記室内緩衝部は、前記ドア本体の下端面と室内側面とでなす室内角部を長手方向に沿って覆うと共に、前記室外緩衝部より小さく形成され
、
前記枠体の下辺には室外側に向かって面する気密材が長手方向に沿って設けられ、該気密材は、前記ドア下端緩衝部材よりも上方であって、前記ドア本体の室内側面に当接することを特徴として構成されている。
【0010】
また、本発明に係る
ドアは、前記室外緩衝部は前記固定部の室外端面を覆い、前記室内緩衝部は前記固定部の室内端面を覆っていることを特徴として構成されている。
【0011】
さらに、本発明に係る
ドアは、前記室内緩衝部は、前記ドア本体の下端面を覆う下端構成部と、前記ドア本体の室内側面を覆う室内構成部とを有してなることを特徴として構成されている。
【0012】
さらにまた、本発明に係る
ドアは、前記固定部は金属材からなると共に、室外端部には室外被嵌合部を、室内端部には室内被嵌合部を、それぞれ備え、前記室外被嵌合部には前記室外緩衝部が、前記室内被嵌合部には前記室内緩衝部が、それぞれ嵌合されることを特徴として構成されている。
【0013】
そして、本発明に係る
ドアは、前記室外緩衝部は前記室外被嵌合部に対してスライド嵌合自在な硬質の室外嵌合部を有し、前記室内緩衝部は前記室内被嵌合部に対してスライド嵌合自在な硬質の室内嵌合部を有することを特徴として構成されている。
【0014】
また、本発明に係る
ドアは、前記固定部は硬質樹脂材からなり、前記室外緩衝部及び室内緩衝部は軟質樹脂材からなると共に、前記固定部と共押出成形され一体化されてなることを特徴として構成されている。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係る
ドアによれば、固定部に室外緩衝部と室内緩衝部を設け、室外緩衝部は、ドア本体の下端面と室外側面とでなす室外角部を長手方向に沿って覆うように形成されて、ドア本体の下端面を覆う下端構成部と、ドア本体の室外側面を覆う室外構成部とを有してなり、室内緩衝部は、ドア本体の下端面と室内側面とでなす室内角部を長手方向に沿って覆うと共に、室外緩衝部より小さく形成されることにより、パネル状に形成されるドア本体の室外角部及びその近傍を長手方向に沿って保護すると共に、ドア本体の室内角部も長手方向に沿って保護して、ドア本体の開閉に伴い足や物が挟まれることを確実に防止することができ、かつ、下枠の気密材に室内緩衝部が干渉しないようにすることができるから、断熱性と共に気密性を十分に確保することができる。
【0018】
また、本発明に係る
ドアによれば、室外緩衝部は固定部の室外端面を覆い、室内緩衝部は固定部の室内端面を覆っていることにより、固定部を室内外に露出させず、露出する部分は着色自在な軟質材の部分のみとなるから、軟質材をドア本体の色と合わせることで、意匠性の高いドアとすることができる。
【0019】
さらに、本発明に係る
ドアによれば、室内緩衝部は、ドア本体の下端面を覆う下端構成部と、ドア本体の室内側面を覆う室内構成部とを有してなることにより、ドア本体の室内角部についても、両側の面が被覆されて、保護をより確実とすることができる。
【0020】
さらにまた、本発明に係る
ドアによれば、固定部は金属材からなると共に、室外端部には室外被嵌合部を、室内端部には室内被嵌合部を、それぞれ備え、室外被嵌合部には室外緩衝部が、室内被嵌合部には室内緩衝部が、それぞれ嵌合されることにより、室外緩衝部及び室内緩衝部を嵌合構造により固定部に対し容易に取付けることができる。
【0021】
そして、本発明に係る
ドアによれば、室外緩衝部は室外被嵌合部に対してスライド嵌合自在な硬質の室外嵌合部を有し、室内緩衝部は室内被嵌合部に対してスライド嵌合自在な硬質の室内嵌合部を有することにより、固定部をドア本体から取り外さなくても、室外緩衝部及び室内緩衝部を交換することができ、ドア本体を枠体から取り外す必要がないから、交換作業を容易にすることができる。
【0022】
また、本発明に係る
ドアによれば、固定部は硬質樹脂材からなり、室外緩衝部及び室内緩衝部は軟質樹脂材からなると共に、固定部と共押出成形され一体化されてなることにより、全体を一体形成することができ、組み立て作業を容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図5】ドア下端緩衝部材を取付けたドア下辺の拡大断面図である。
【
図6】第2の形態のドア下端緩衝部材の側面図である。
【
図7】第2の形態のドア下端緩衝部材を取付けたドア下辺の拡大断面図である。
【
図8】第3の形態のドア下端緩衝部材の側面図である。
【
図9】第3の形態のドア下端緩衝部材を取付けたドア下辺の拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明の実施形態について図面に沿って詳細に説明する。
図1には、本実施形態におけるドアの正面図を示している。
図1はドアの外観図を示している。本実施形態のドアは、建物のドア開口部に取付けられる枠体1内にパネル状のドア本体2を開閉自在に納めてなるものである。
【0025】
枠体1は、上枠10と下枠11及び左右の縦枠12、12を方形状に枠組みして構成されている。ドア本体2は、一方の側部中央部に開閉を行うためのハンドル3を備え、さらにその上下部にはそれぞれ錠部4が配置される。ドア本体2の下辺は、下枠11との間に若干の隙間が設けられると共に、その長手方向に沿ってドア下端緩衝部材30が設けられる。
【0026】
図2にはドアの縦断面図を、
図3にはドアの横断面図を、それぞれ示している。
図3において、ドア本体2の左側が吊り元側であり、ドア本体2の右側が戸先側である。ドア本体2の吊り元側には、枠体1に対して回動自在となる回動軸部2aが設けられており、ドア本体2の戸先側縦辺には、戸先部材24が設けられている。また、
図2に示されているように、枠体1とドア本体2は、ドアクローザー5を介して連結されている。ドアクローザー5は、ドア本体2が閉じる際に抵抗力を発生し、ドア本体2が閉じるスピードを遅くすることができる。
【0027】
ドア本体2は、パネル状に形成されているから、室外側面20と室内側面21、下端面22及び上端面23を有している。枠体1は、ドア本体2の室内側面21の縁部に当接する気密材13を、四周に渡って保持している。この気密材13にドア本体2の室内側面21が四周に渡って当接することにより、ドアの気密性が確保される。
【0028】
ドア本体2の下端部には、室外側面20と下端面22により室外角部25が、室内側面21と下端面22により室内角部26が、それぞれ形成されている。これらの室外角部25及び室内角部26を覆うように、ドア下端緩衝部材30が取付けられている。
【0029】
図4には、ドア下端緩衝部材30の側面図を示している。ドア下端緩衝部材30は、ドア本体2の下端面22に沿う形状を有した固定部31と、固定部31の室外端部に設けられる室外緩衝部32と、固定部31の室内端部に設けられる室内緩衝部33とを有して構成されている。ドア下端緩衝部材30を構成する固定部31は、硬質の材料、具体的にはアルミの押出型材によって形成されている。一方、室外緩衝部32と室内緩衝部33は、固定部31に対する固定部分以外は、軟質のゴムスポンジによって形成されている。
【0030】
固定部31の室外端部は、断面略L字状をなすように形成され、下面側と室外面側にそれぞれホルダ状の室外被嵌合部31a、31aが形成されている。室外緩衝部32は、固定部31の室外端部のうち、下面側を覆う下端構成部32aと、室外面側を覆う室外構成部32bとが略L字状をなし、下端構成部32aと室外構成部32bのそれぞれに、固定部31の室外被嵌合部31a、31aと嵌合する室外嵌合部32c、32cが形成されている。室外嵌合部32c、32cは、硬質のゴム材料により構成されており、軟質の材料と一体的に成形されている。
【0031】
固定部31の室内端部は、ドア本体2の室内側面21よりもやや室外側に端面を有すると共に、ホルダ状の室内被嵌合部31bが形成されている。室内緩衝部33は、固定部31の室内端部のうち、下面側を覆う下端構成部33aと、固定部31の室内端面を覆う室内構成部33bとが略L字状をなし、下端構成部33aには固定部31の室内被嵌合部31bと嵌合する室内嵌合部33cが形成されている。室内緩衝部33のうち、室内被嵌合部31bを含む下端構成部33aは、硬質のゴム材料により構成されており、軟質の室内構成部33bと一体的に成形されている。
【0032】
図5には、ドア下端緩衝部材30を取付けたドア下辺の拡大断面図を示している。下枠11は、ドア本体2の下端面22と対向する内周面部11aと、ドア本体2より室内側に形成される段部11bとを有しており、段部11bには室外側に向かって面する気密材13が保持される。
【0033】
固定部31は、ドア本体2の下端面22に当接してネジ止め固定される。室外緩衝部32は、下端構成部32aがドア本体2の下端面22を覆い、室外構成部32bがドア本体2の室外側面20を覆うことで、ドア本体2の室外角部25を長手方向に沿って覆っており、また、固定部31の室外端面が外部に露出しないようにその全体を覆っている。
【0034】
室内緩衝部33は、室内構成部33bが固定部31の室内端面及びドア本体2の下端面22室内端部を覆うことで、ドア本体2の室内角部26を長手方向に沿って覆っている。室内緩衝部33は、室外緩衝部32よりも小さく形成されており、ドア本体2の室内側面21までは伸びていない。これにより、ドア本体2の室内側面21に凹凸が形成されず、下枠11に保持されている気密材13が確実にドア本体2の室内側面21に当接し、気密性能を確保することができる。
【0035】
固定部31の室外被嵌合部31aと室内被嵌合部31bは、いずれもホルダ状に形成され、室外緩衝部32の室外嵌合部32cは室外被嵌合部31aに対して嵌合自在な凸形状を長手方向に沿って有し、室内緩衝部33の室内嵌合部33cは室内被嵌合部31bに対して嵌合自在な凸形状を長手方向に沿って有しているから、室外緩衝部32と室内緩衝部33は、固定部31に対して長手方向にスライド嵌合させることができる。
【0036】
これによって、金属材からなる固定部31をドア本体2の下端面22に固定しておけば、室外緩衝部32と室内緩衝部33については、ドア本体2を枠体1から取り外すことなく交換することが可能であるから、交換作業を容易にすることができる。
【0037】
このように、ドア下端緩衝部材30を、固定部31に室外緩衝部32と室内緩衝部33を設けて構成し、室外緩衝部32はドア本体2の下端面22から室外側面20にかけて室外角部25を覆うと共に、室内緩衝部33を室外緩衝部32より小さく形成したことにより、パネル状に形成されるドア本体2の室外角部25及びその近傍を長手方向に沿って保護すると共に、ドア本体2の室内角部26も長手方向に沿って保護して、ドア本体2の開閉に伴い足や物が挟まれることを確実に防止することができ、かつ、下枠11の気密材13に室内緩衝部33が干渉しないようにすることができて、断熱性と共に気密性を十分に確保することができる。
【0038】
また、室外緩衝部32と室内緩衝部33は、固定部31の室内外端面をそれぞれ覆っているので、金属材からなる固定部31を室内外に露出させることがなく、露出する部分はゴムスポンジからなる軟質材の部分のみとなる。そして、軟質材には自由に着色することができるので、ドア本体2の色と合わせることができ、意匠性の高いドアとすることができる。
【0039】
ドア下端緩衝部材30の構成としては、
図4に示すものには限られない。
図6には、第2の形態のドア下端緩衝部材30の側面図を示している。本形態のドア下端緩衝部材30の構成は、第1の形態のドア下端緩衝部材30の構成と概ね同じであるので、共通した部分についての説明は省略する。本形態のドア下端緩衝部材30は、室内緩衝部33の形状が異なっている。
【0040】
図6のドア下端緩衝部材30における室内緩衝部33は、
図4に示すものより室内構成部33bが室内側に張り出し、この張り出した部分には、上方に突出する室内側面被覆部33dが形成されている。
【0041】
図7には、第2の形態のドア下端緩衝部材30を取付けたドア下辺の拡大断面図を示している。この図に示すように、第2の形態のドア下端緩衝部材30をドア本体2の下端部に取付けると、室内緩衝部33の室内構成部33bがドア本体2の室内角部26のうち下端面22側を被覆すると共に、室内側面被覆部33dがドア本体2の室内側面21を被覆し、これらによってドア本体2の室内角部26を保護している。
【0042】
このように、第2の形態のドア下端緩衝部材30では、室内緩衝部33に室内側面被覆部33dを設けて、ドア本体2の室内角部26において下端面22側と室内側面21側の両方を被覆するようにしたことにより、ドア本体2の室内角部26の保護をより確実なものとすることができる。また、本形態においても、室内緩衝部33は室外緩衝部32よりも小さく形成され、室内側面被覆部33dも小さいから、気密材13の当接にはあまり影響を与えず、気密性能も確保することができる。
【0043】
図8には、第3の形態のドア下端緩衝部材30の側面図を示している。本形態のドア下端緩衝部材30も、固定部31と室外緩衝部32及び室内緩衝部33によって構成されている点は、第1及び第2の形態と同様である。一方で、本形態のドア下端緩衝部材30は、固定部31が硬質の樹脂材によって形成されており、室外緩衝部32及び室内緩衝部33は、軟質の樹脂材によって形成されている。これら硬質の樹脂材と軟質の樹脂材は、共押出成形によって、一体的に成形されている。
【0044】
本形態でも、室外緩衝部32はドア本体2の下端面22から室外側面20に渡るように形成されて、ドア本体2の室外角部25を長手方向に沿って保護し、室内緩衝部33もドア本体2の下端面22から室内側面21に渡るように形成されて、ドア本体2の室内角部26を長手方向に沿って保護する。また、室内緩衝部33は室外緩衝部32よりも小さく形成されて、気密材13がドア本体2の室内側面21に対して確実に当接できるようにしている。これによって、第2の形態のドア下端緩衝部材30と同様の効果を得ることができる。
【0045】
第1〜第3の形態のドア下端緩衝部材30は、ドアの施工時において最初から設けられていてもよいし、既存のドアに後付けで設けてもよい。特に、第1の形態または第2の形態のドア下端緩衝部材30においては、ドア本体2の下端部に一旦、固定部31を固定しておけば、室外緩衝部32や室内緩衝部33は後からでも固定部31に対しスライド嵌合により取付けることができる。
【0046】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の適用は本実施形態には限られず、その技術的思想の範囲内において様々に適用されうるものである。
【符号の説明】
【0047】
1 枠体
2 ドア本体
10 上枠
11 下枠
12 縦枠
13 気密材
20 室外側面
21 室内側面
22 下端面
23 上端面
24 戸先部材
25 室外角部
26 室内角部
30 ドア下端緩衝部材
31 固定部
31a 室外被嵌合部
31b 室内被嵌合部
32 室外緩衝部
32a 下端構成部
32b 室外構成部
32c 室外嵌合部
33 室内緩衝部
33a 下端構成部
33b 室内構成部
33c 室内嵌合部
33d 室内側面被覆部