(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。
図1は、マニュアル更新システム1の概要を説明する図である。
図2は、マニュアル更新システム1の構成を説明する図である。
図1に例示するように、本実施形態のマニュアル更新システム1は、ユーザ端末3A〜3Cと、周辺装置5A〜5Bと、マニュアル管理装置7と、コール情報管理装置9とを有する。
【0011】
図1及び
図2に例示するように、ユーザ端末3は、中央演算装置、主記憶装置、外部記録装置、入力装置、及びモニタなどで構成されたコンピュータ端末である。ユーザ端末3は、ネットワーク8を介してマニュアル管理装置7に接続し、接続ケーブルを介して周辺装置5に接続している。
ユーザ端末3は、本発明に係るクライアント端末の一例であり、ユーザ端末3の利用者は、ユーザ端末3のマニュアル表示画面11(
図4に後述)を介してマニュアルを閲覧する。マニュアル表示画面11は、マニュアル情報を表示するためのユーザーインターフェースのトップページである。
また、ユーザ端末3は、マニュアル表示画面11に表示される利用者に適した表示メニュー(後述するFAQメニュー114)を選択し、選択された表示メニューを含むマニュアル表示画面11に更新する。ここで、「FAQメニュー114を選択する」とは、マニュアル表示画面11に表示されるメニューの候補として選択することを意味する。なお、利用者が表示メニュー(後述するFAQメニュー114)を選択する操作は、「選択操作」と表し、これと区別する。
さらに、ユーザ端末3は、表示メニューを選択するための根拠となる装置情報を収集する。
【0012】
図2に例示するように、ユーザ端末3は、マニュアル格納データベース200(マニュアル格納DB200)を有する。マニュアル格納DB200には、装置情報と、マニュアルデータと、FAQデータとが格納されている。
ここで、装置情報とは、ユーザ端末3または周辺装置5(後述)のソフトウェア版数、操作履歴、装置履歴、エラーログ、あるいは、ユーザ端末3に格納されているマニュアルのマニュアル版数などのように、装置に関する情報である。ソフトウェア版数とは、ユーザ端末3にインストールされているドライバソフトウェアまたはアプリケーションソフトウェアのバージョン情報である。操作履歴とは、利用者によるユーザ端末3または周辺装置5に対する操作の履歴である。例えば、操作履歴とは、アプリケーションソフトウェアに対する操作の履歴なども含まれる。本例の操作履歴は、スキャナドライバやOCR(Optical Character Recognition)ソフトウェアなどの連携ソフトウェア等に対する操作の履歴である。装置履歴とは、エラーではない装置内部の情報である。具体的には、装置履歴は、ハードウェアにインストールされたオペレーティングシステム(OS)のOS情報、または、OSや周辺装置5に対する設定情報である。エラーログとは、ユーザ端末3又は周辺装置5に発生するエラーの履歴である。マニュアル版数とは、マニュアル格納DB200に格納されるマニュアルデータのバージョン情報である。マニュアルデータとは、機械、道具、又は、アプリケーションソフトウェアなどの使用説明書をデータ化(コンピュータが記録/処理できる形式に変換)したものである。
【0013】
周辺装置5は、ユーザ端末3に接続された外部装置である。周辺装置5は、例えば、ユーザ端末3とネットワーク接続またはケーブル接続されたスキャナやプリンタなどである。本例の周辺装置5Aは、ユーザ端末3にUSB(Universal Serial Bus)接続されたスキャナである。
【0014】
コール情報管理装置9は、利用者の電話による問い合わせ情報を管理するコンピュータ端末であり、サーバ機能を有する。問い合わせ情報とは、マニュアルの対象となる装置又はソフトウェアに関する利用者の問い合わせに関する情報であり、例えば、電話による問い合わせがあった内容そのもの、これに対する回答、これらを識別するための識別情報、同一問い合わせ内容の問い合わせ頻度、回答が役立った頻度、問い合わせ日時、問い合わせた利用者の属性(性別、年齢、または地域)、及び、これらの組み合わせを含む概念である。具体的な問い合わせ内容として、コール情報管理装置9は、スキャナの使用方法、又は、スキャナの障害に関する利用者の電話による問い合わせ内容を管理する。
利用者の電話による問い合わせに関する情報(コール情報)には、少なくとも、利用者からの複数の異なる質問が含まれ、一つの質問には、質問内容と、質問回数であるコール回数と、質問に対する回答と、役立った回答の回数(以下、お役立ち回数)とが含まれる。これらの情報は、例えば、電話を受け付けたオペレータによりコール情報管理装置9に入力される。
【0015】
マニュアル管理装置7は、サーバ機能を有するコンピュータ端末であり、本発明に係る情報処理装置の一例である。
マニュアル管理装置7は、ユーザ端末3に格納されているマニュアル(HTML版)を更新するための更新データをユーザ端末3に配信する。また、マニュアル管理装置7は、印刷用のマニュアルをダウンロード可能な状態で格納し、ユーザ端末3からの要求に応じて、印刷用のマニュアルを提供する。ここで、印刷用のマニュアルとは、例えば、PDF(Adobe社が開発したPortable Document Format)形式のマニュアルである。
【0016】
図2に例示するように、マニュアル管理装置7は、マニュアル管理データベース600(マニュアル管理DB600)を有する。マニュアル管理DB600には、コール情報と、FAQデータと、マニュアルデータと、更新マニュアルと、一般/個別マニュアルデータとが格納される。マニュアル管理DB600は、本発明に係るファイル格納手段の一例である。
コール情報とは、電話による問い合わせに関する情報であり、例えば、マニュアル管装置7によりコール情報管理装置9から抽出された少なくとも、コール回数と、お役立ち回数とが含まれる。
【0017】
図3は、マニュアル表示画面11を例示する図である。
図3に例示するように、マニュアル表示画面11は、更新部分13と、非更新部分とからなる。マニュアル表示画面11のトップページは、トップページ構成ファイルにより構成される。トップページ構成ファイルは、ユーザ端末3により保持される。さらに、トップページ構成ファイルは、ローカルマニュアル更新プログラム30(後述)によって更新される。
【0018】
図4は、マニュアル表示画面11の更新部分13を例示する図である。
図4に例示するように、マニュアル表示画面11には、マニュアル更新ボタン110と、表示メニューカテゴリ112A〜112Bと、FAQメニュー114A1〜114A4、FAQメニュー114B1〜114B4と、マニュアル印刷ボタン116とが含まれる。
マニュアル更新ボタン110は、マニュアル表示画面11の更新処理を開始するトリガーとなる。すなわち、ユーザ端末3は、利用者がマニュアル更新ボタン110を押下した場合に、マニュアル表示画面11の更新処理を開始する。
表示メニューカテゴリ112は、FAQメニュー114を分類分けした分類のタイトルであり、本例の表示メニューカテゴリ112には、「よくあるご質問(Q&A)個別」と、「よくあるご質問(Q&A)一般」とが含まれる。
FAQメニュー114A1〜114A4は、「よくあるご質問(Q&A)個別」メニュー112Aに属するFAQメニュー114である。FAQメニュー114B1〜114B4は、「よくあるご質問(Q&A)一般」メニュー112Bに属するFAQメニュー114である。
マニュアル印刷ボタン116は、マニュアルの印刷処理を開始するトリガーとなる。すなわち、ユーザ端末3は、利用者がマニュアル印刷ボタン116を押下した場合に、マニュアルの印刷処理を開始する。より具体的には、ユーザ端末3は、利用者がマニュアル印刷ボタン116を押下した場合に、印刷用マニュアルのダウンロードを開始し、ダウンロードした印刷用マニュアルを印刷する。
【0019】
図5は、マニュアル更新システム1のローカルマニュアル更新プログラム30の機能構成を説明する図である。
図5に例示するように、ローカルマニュアル更新プログラム30は、装置情報収集部300と、送信部310と、受信部320と、構造化文書更新部330と、表示部340と、ダウンロード部350とを有する。ローカルマニュアル更新プログラム30は、例えば、CD−ROMなどの記録媒体を介して、ユーザ端末3にインストールされる。
【0020】
ローカルマニュアル更新プログラム30において、装置情報収集部300は、ユーザ端末3の装置情報、又は、ユーザ端末3に接続された周辺装置5の装置情報を収集する。
具体的には、装置情報収集部300は、少なくとも、ユーザ端末3と周辺装置5(スキャナ)とのソフトウェア版数、操作履歴、装置履歴、エラーログ、及び、マニュアル版数とを収集する。
本例の装置情報収集部300は、利用者により、マニュアル表示画面11のマニュアル更新ボタン110が押下されることで機能する。装置情報収集部300は、ユーザ端末3及び周辺装置5(スキャナ)から収集したソフトウェア版数、操作履歴情報、装置履歴情報、エラーログ、及びマニュアル版数をマニュアル格納DB200に格納する。装置情報収集部300は、本発明に係る版数特定手段の一例である。
【0021】
送信部310は、装置情報収集部300により収集されたユーザ端末3又は周辺装置5の装置情報(ソフトウェア版数とマニュアル版数とを含む)を、マニュアル管理装置7に送信する。
受信部320は、マニュアル管理装置7から送信された更新データを受信し、受信した更新データを構造化文書更新部330に出力する。
【0022】
構造化文書更新部330は、マニュアル管理装置7から配信された更新データに基づいて、構造化文書として構成されたマニュアル情報を更新する。構造化文書とは、タグ等によって構造化された文書ファイルであり、例えば、HTMLファイルである。
本例の構造化文書更新部330は、受信部320から入力された更新データに基づいて、マニュアル格納DB200に格納される閲覧用のマニュアルデータ(HTML版)を更新し、保存する。
【0023】
表示部340は、マニュアル表示画面11をユーザ端末3に表示させる。
本例の表示部340は、構造化文書更新部330に更新されたマニュアルデータのトップページ構成ファイルに基づいて、マニュアル表示画面11をユーザ端末3に表示させる。
【0024】
ダウンロード部350は、マニュアル管理装置7にアクセスして、マニュアル情報のPDFファイルを印刷用のマニュアルとしてダウンロードする。
例えば、ダウンロード部350は、マニュアルを識別するマニュアルIDをマニュアル管理装置7に送信して、このマニュアルIDに対応するマニュアルのPDFファイルをダウンロードする。
本例のダウンロード部350は、利用者による表示画面11のマニュアル印刷ボタン116押下をトリガーとして、マニュアルIDをマニュアル管理装置7に送信し、マニュアル管理装置7から、マニュアルIDに対応するマニュアルのPDFファイルをダウンロードする。
【0025】
図6は、サーバマニュアル更新プログラム70の機能構成を説明する図である。
図6に例示するように、サーバマニュアル更新プログラム70は、収集部700と、情報選択部710と、構造化文書生成部720と、送信部730と、識別情報送受信部740と、PDF生成部750と、ファイル送信部760とを有する。サーバマニュアル更新プログラム70は、例えば、CD−ROMなどの記録媒体を介して、マニュアル管理装置7にインストールされる。
【0026】
収集部700は、ユーザ端末3から送信された装置情報(ソフトウェア版数とマニュアル版数とを含む)を受信する。また、収集部700は、コール情報管理装置9からコール情報を収集する。
本例の収集部700は、情報選択部710(後述)により選択されたFAQメニュー114に対応するコール回数及びお役立ち回数を、コール情報管理装置9から収集する。さらに、収集部700は、コール情報管理装置9から収集したコール情報を情報選択部710に通知する。
【0027】
情報選択部710は、ユーザ端末3又は周辺装置5の装置情報と、コール情報とに基づいて、表示画面11に表示するFAQメニュー114を選択する。
例えば、情報選択部710は、収集部700により収集された装置情報に基づいて、FAQメニュー114をマニュアル管理DB600から選択する。
本例の情報選択部710は、収集部700により収集された装置情報に含まれる機能使用履歴及びエラー履歴と、収集されたコール情報に含まれるコール回数及びお役立ち回数とに基づいて、表示メニューカテゴリ112A〜112Bに属するFAQメニュー114をマニュアル管理DB600から選択する。
装置情報に基づいて選択されたFAQメニュー114は、「よくあるご質問(Q&A)個別」メニュー112Aに表示され、コール情報に基づいて選択されたFAQメニュー114は、「よくあるご質問(Q&A)一般」メニュー112Bに表示される。
【0028】
情報選択部710は、選択したFAQメニュー114を、構造化文書生成部720に通知する。また、情報選択部710は、更新されるマニュアルのマニュアルIDを識別情報送受信部740(後述)に通知する。さらに、情報選択部710は、識別情報送受信部740(後述)により通知されたマニュアルIDに関連付けられるマニュアルデータを検索し、検索結果のマニュアルPDFデータをファイル送信部760(後述)へ通知する。
【0029】
構造化文書生成部720は、マニュアルデータ(HTML版)を更新するための更新データを生成し、更新データに対応するマニュアルを識別するためのマニュアルIDを、更新データ(すなわち、更新されたマニュアル)に付与する。
例えば、構造化文書生成部720は、マニュアル管理DB600に登録される新規に作成されたマニュアルデータ、改版されたマニュアルデータ、及び、トップページ構成ファイルをHTML形式で生成し、更新部分に相当する更新データを生成する。
構造化文書生成部720は、生成したHTML形式の更新データを送信部730に通知する。構造化文書生成部720は、本発明に係る更新手段の一例である。
【0030】
送信部730は、構造化文書として構成されたマニュアル情報をユーザ端末3上で更新するための更新データを、ユーザ端末3に配信する。
本例の送信部730は、構造化文書生成部720により生成された更新データを、ユーザ端末3に送信する。送信部730は、本発明に係る配信手段の一例である。
【0031】
識別情報送受信部740は、送信部730によりユーザ端末3に配信された、更新データで更新される、マニュアル(HTML版)のマニュアルIDを、このユーザ端末3に送信する。すなわち、識別情報送受信部740は、更新データにより更新されるマニュアルのマニュアルIDをユーザ端末3に送信し、利用者がマニュアル印刷ボタン116を押下した場合に、ダウンロード部350により通知されるマニュアルIDを受信し、受信したマニュアルIDを情報選択部710に通知する。
【0032】
PDF生成部750は、情報選択部710により通知された更新データにより更新されたマニュアル情報と同じ内容のマニュアル情報が掲載されたPDFファイルを生成する。
例えば、PDF生成部750は、マニュアルのうち、ユーザ端末毎に変化させる可変部分をPDFファイルに変換し、変換された可変部分のPDFファイルと、予め用意された固定部分のPDFファイルとを統合して、ユーザ端末毎に更新されたマニュアルのPDFファイルを生成する。
本例では、
図8に例示するように、トップページがユーザ毎に更新される可変部分であり、残りの部分が固定部分であるため、PDF生成部750は、構造化文書生成部720により生成されたマニュアルのうち、トップページのみをPDFファイルに変換し、変換されたトップページのPDFファイルと、予め用意された残りの部分のPDFファイルとを統合して、ユーザ端末毎に更新されたマニュアルのPDFファイルを生成し、生成されたマニュアルのPDFファイルをマニュアルIDに関連付けてマニュアル管理DB600に登録する。
【0033】
ファイル送信部760は、ユーザ端末3から受信したマニュアルIDに関連付けられたPDFファイルを、マニュアル管理DB600から読み出し、読み出されたPDFファイルをこのユーザ端末3に送信する。
【0034】
図7は、マニュアル管理装置7におけるHTML版及びPDF版の更新処理(S10)を説明する図である。
図7に例示するように、ステップ100(S100)において、ユーザ端末3は、利用者がマニュアル更新ボタン110を押下したことを検知した場合に、マニュアルデータの更新処理を開始し、S105の処理に移行する。
【0035】
ステップ105(S105)において、収集部700は、ユーザ端末3により送信されるソフトウェア版数、操作履歴、装置履歴、エラーログ、及びマニュアル版数等を収集し、情報選択部710に通知する。また、収集部700は、コール情報管理装置9からコール情報を収集し、情報選択部710に通知する。
【0036】
ステップ110(S110)において、情報選択部710は、収集したソフトウェア版数とマニュアル管理DB600に保存される最新のソフトウェア版数とを比較する。ソフトウェア版数が同じ場合に、マニュアルデータの更新処理(S10)は、S120に移行し、ソフトウェア版数が異なる場合に、S115に移行する。
【0037】
ステップ115(S115)において、情報選択部710は、
図10に例示される更新テーブルを参照し、収集したソフトウェア版数に対応するマニュアルの変更コンテンツ、追加コンテンツ、又は削除コンテンツを構造化文書生成部720に通知する。ここで、更新テーブルは、
図10に例示するように、ソフトウェアの版数に関連付けて、変更コンテンツ(HTML版マニュアルのうち、置換すべき部分)、追加コンテンツ(HTML版マニュアルに追加すべき部分)、削除コンテンツ(HTML版マニュアルから削除すべき部分)、及び、これらの更新処理が施されたマニュアルのPDFファイルを格納している。
構造化文書生成部720は、通知されたマニュアルの変更コンテンツ、追加コンテンツ、又は削除コンテンツに基づいて、マニュアルを更新するためのHTML形式の更新データ(
図9に例示するデータファイル)を作成する。
さらに、情報選択部710は、作成した更新データをPDF生成部750に通知する。
【0038】
ステップ120(S120)において、情報選択部710は、収集したマニュアル版数と、マニュアル管理DB600に保存される最新のマニュアル版数とを比較する。マニュアル版数が同じ場合に、マニュアルデータの更新処理(S10)は、終了し、マニュアル版数が異なる場合に、マニュアルデータの更新処理(S10)は、S125に移行する。
【0039】
ステップ125(S125)において、情報選択部710は、操作履歴、装置履歴、エラーログに基づいて、マニュアル管理DB600から、「よくあるご質問(Q&A)個別」メニュー112AとしてFAQメニュー114を選択し、選択されたFAQメニュー114を構造化文書生成部720に通知する。
【0040】
ステップ130(S130)において、情報選択部710は、コール情報に基づいて、マニュアル管理DB600から、「よくあるご質問(Q&A)一般」メニュー112BとしてFAQメニュー114を選択し、選択されたFAQメニュー114を構造化文書生成部720に通知する。
【0041】
ステップ135(S135)において、構造化文書生成部720は、S125において選択されたFAQメニュー114に基づいて、「よくあるご質問(Q&A)個別」メニュー112Aを更新するためのHTML形式の更新データを作成する。また、構造化文書生成部720は、S130において選択されたFAQメニュー114に基づいて、「よくあるご質問(Q&A)一般」メニュー112Bを更新するためのHTML形式の更新データを作成する。
【0042】
ステップ140(S140)において、PDF生成部750は、情報選択部710により通知された更新データに基づいて、マニュアルのPDFデータを作成し、作成されたPDFデータをマニュアルIDに関連付けてマニュアル管理DB600に保存する。
【0043】
ステップ145(S145)において、送信部730は、構造化文書生成部720により生成された更新データをユーザ端末3に送信し、識別情報送受信部740は、この更新データに対応するマニュアルのマニュアルIDをユーザ端末3に送信する。
【0044】
図11は、ユーザ端末3におけるHTML版の更新処理(S20)を説明する図である。
図11に例示するように、ステップ200(S200)において、構造化文書更新部330は、
図9に例示される更新データの制御情報に含まれる「VL」で表される版数と、マニュアル格納DB200に保持されるマニュアルの版数とを比較する。
更新処理(S20)は、マニュアルの版数が異なる場合に、S205に移行し、マニュアルの版数が同じ場合は、終了する。
【0045】
ステップ205(S205)において、構造化文書更新部330は、制御情報の「CHG_PARA」を確認する。
更新処理(S20)は、「CHG_PARA」に入れ替えファイル情報が記載されている場合に、S210に移行し、入れ替えファイル情報が記載されていない場合に、S215に移行する。
【0046】
ステップ210(S210)において、構造化文書更新部330は、制御情報の「CHG_PARA」に記載されているファイルを、マニュアル格納DB200に保持されているマニュアル(HTML版)の既存ファイルと入れ替える。
【0047】
ステップ215(S215)において、構造化文書更新部330は、制御情報の「ADD_PARA」を確認する。
更新処理(S20)は、「ADD_PARA」に追加ファイル情報が記載されている場合に、S220に移行し、追加ファイル情報が記載されていない場合に、S225に移行する。
【0048】
ステップ220(S220)において、構造化文書更新部330は、制御情報の「ADD_PARA」に記載されているファイルを、マニュアル格納DB200に保持されているマニュアル(HTML版)に追加する。
【0049】
ステップ225(S225)において、構造化文書更新部330は、制御情報の「DEL_PARA」を確認する。
更新処理(S20)は、「DEL_PARA」に削除ファイル情報が記載されている場合に、S230に移行し、削除ファイル情報が記載されていない場合に、終了する。
【0050】
ステップ230(S230)において、構造化文書更新部330は、制御情報の「DEL_PARA」に記載されているファイルを、マニュアル格納DB200に保持されているマニュアル(HTML版)から削除する。
【0051】
このように、ユーザ端末3は、更新データに基づいて、HTML版のマニュアルのみを更新し、PDF版のマニュアルについては、マニュアル管理装置7から通知されたマニュアルIDに基づいて、マニュアル管理装置7から、更新されたものをダウンロードする。
これにより、マニュアル更新システム1は、更新部分のPDF化に要するコスト(例えば、PDFファイルを生成するアプリケーションプログラムの購入費用、PDFファイルの生成に要する処理負荷や作業時間など)をユーザ側に負担させることなく、ウェブブラウザで閲覧しているマニュアルと同じ印刷用のマニュアル(PDF版)をユーザに提供することができる。特に、マニュアルの内容が、ソフトウェアの版数などに基づいて、ユーザ個別に更新される場合に好適である。同様に、以下のように、装置情報やコール情報に基づいてトップページが動的に更新される場合にも好適である。
【0052】
図12は、装置履歴情報に基づいたFAQメニュー114の選択例である。
情報選択部710は、収集部700により収集した装置情報から、FAQメニュー114に対応する機能使用履歴と、エラー履歴の件数とを出力する。出力された機能使用履歴とエラー履歴との件数から履歴計(合計)が算出される。
図12に例示するように、例えば、読み取り画像についてのFAQ項目一覧の「圧縮形式と圧縮率は?」に対応する機能使用履歴は「2」であり、エラー履歴は、存在せず、この場合の履歴計は、「2」となる。このように、算出された各FAQメニュー114の履歴計から履歴計の多い順に上位4件が選択される。
図12では、履歴計多順の上位4件は、「画像をエクセレントにしたのですが、<Word文書に変換><Excel文書に変換>または<Power Pointl文書に変換>実行中に<Not enough memory!>と表示されました。」と「コンピュータとモバイル機(iPad/iPhone/iPad touch/Android端末)が接続できません。」と「サムネイル表示中のファイルを移動しようとするとエラーになって移動できません。」と「認識されない項目がある。」となり、これらがFAQメニュー114の選択結果となる。装置履歴情報から選択されたFAQメニュー114は、「よくあるご質問(Q&A)個別」メニュー112Aとして表示画面11に表示される。
【0053】
図13は、コール情報に基づいたFAQメニュー114の選択例である。
情報選択部710は、収集部700により収集したコール情報からFAQメニュー114に対応するコール回数とお役立ち回数とを出力する。出力されたコール回数とお役立ち回数とからコール情報計が算出される。
図13に例示するように、例えば、読み取り画像についてのFAQ項目一覧の「圧縮形式と圧縮率は?」に対応するコール回数は、「1」であり、お役立ち回数は、「15」であり、この場合のコール情報計は、「16」となる。このように、算出された各FAQメニュー114のコール情報計からコール情報計の多い順に上位4件が選択される。
図13では、コール情報計の多い順の上位4件は、「指摘可能な原稿サイズは?」と「<Word文書に変換><Excel文書に変換>または<Power Pointl文書に変換>で、読み込む原稿によって認識率が低いものがありますが、なぜでしょうか?」と「iPad、iPhoneおよびiPad touchと連携できますか?」と「サムネイル表示中のファイルを移動しようとするとエラーになって移動できません。」とが一旦選択される。しかし、「サムネイル表示中のファイルを移動しようとするとエラーになって移動できません。」は、既に112AのFAQメニュー114として選択されており重複するため、次にコール情報計の多い「ファイルの保存先はどこになりますか?ネットワークの共有フォルダに保存できますか?」となり、これらがFAQメニュー114の選択結果となる。コール情報から選択されたFAQメニュー114は、よくあるご質問(Q&A)一般メニュー112Bとして表示画面11に表示される。
【0054】
以上説明したように、本実施形態のマニュアル更新システム1によれば、マニュアルはユーザ個別の事情(ソフトウェアの版数、操作履歴など)に応じて更新され、ユーザ端末3は、マニュアル管理装置7から配信された更新データに基づいて、更新されたマニュアル(HTML版)を動的に生成できる。また、ユーザ端末3は、ユーザが印刷用のマニュアルを要求した場合に、マニュアル管理装置7から通知されたマニュアルIDに基づいて、マニュアル管理装置7から、更新されたマニュアル(PDF版)をダウンロードできる。
これによって、マニュアル更新システム1は、更新部分のPDF化に要するコスト(例えば、PDFファイルを生成するアプリケーションプログラムの購入費用、PDFファイルの生成に要する処理負荷や作業時間など)をユーザ側に負担させることなく、ウェブブラウザで閲覧しているマニュアルと同じ印刷用のマニュアル(PDF版)をユーザに提供することができる。特に、ソフトウェアの版数や操作履歴などユーザ個別の事情に基づいて、マニュアルの内容が更新される場合に好適である。