特許第6010800号(P6010800)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6010800
(24)【登録日】2016年9月30日
(45)【発行日】2016年10月19日
(54)【発明の名称】車両用カバー
(51)【国際特許分類】
   B60R 13/08 20060101AFI20161006BHJP
   B62D 25/08 20060101ALI20161006BHJP
【FI】
   B60R13/08
   B62D25/08 H
   B62D25/08 J
【請求項の数】5
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2012-264498(P2012-264498)
(22)【出願日】2012年12月3日
(65)【公開番号】特開2014-108737(P2014-108737A)
(43)【公開日】2014年6月12日
【審査請求日】2015年4月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】000110321
【氏名又は名称】トヨタ車体株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(72)【発明者】
【氏名】西本 岳史
【審査官】 加藤 信秀
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭57−165545(JP,U)
【文献】 特開平10−100811(JP,A)
【文献】 特開2011−093550(JP,A)
【文献】 特開2007−007235(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 13/08
B62D 25/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
可撓性を有する車両用カバーであって、
ダクトが内嵌される孔と、車体に対してそれぞれ組み付けられる基端と同基端とは反対側の先端とを有するとともに可撓性を有するシート状のカバー本体と、同カバー本体よりも硬質の材料からなり、同カバー本体の基端に固定されるとともに同基端を補強する補強部材と、を備え、
前記補強部材にはカバー本体の先端を含む部位が折り返された際にカバー本体の先端が係合可能な係合部が設けられている、
車両用カバー。
【請求項2】
カバー本体の基端には切欠が形成され、補強部材の基端内側面には前記切欠に嵌合可能な突部が設けられている、
請求項1に記載の車両用カバー。
【請求項3】
カバー本体の先端には孔が形成され、
前記係合部は前記孔に挿通可能な突起部とされている、
請求項に記載の車両用カバー。
【請求項4】
カバー本体の先端は前記孔を介して車体に組み付けられている、
請求項3に記載の車両用カバー。
【請求項5】
前記突起部は補強部材に複数設けられている、
請求項3又は請求項4に記載の車両用カバー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、可撓性を有する車両用カバーに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1には一人乗りの電気自動車の車両が開示されている。この車両にはフロントパネルやフロントガラスが嵌め込まれたルーフモジュールが設けられており、これらによって車室内への風や水の浸入が抑制されるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007―30706号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、こうした車両においてはフロントパネルやルーフモジュールが設けられてはいるものの、これらの隙間等を通じて車内へ風や水が浸入するおそれがある。そこで、これらルーフモジュールやフロントパネルの内側にカバーを設けることで水の浸入を抑制することが考えられる。しかしながら、例えばカバーの基端がルーフモジュールに予め組み付けられている場合のように車体に対してカバーの基端が予め組み付けられていると、その後においてカバーの内側でワイヤハーネスの結線等の作業が行なわれる際に、同カバーが邪魔になって当該作業が煩雑なものとなる。
【0005】
本発明の目的は、カバーの内側での作業性を向上させることができる車両用カバーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するための車両用カバーは、可撓性を有するものであり、ダクトが内嵌される孔と、車体に対してそれぞれ組み付けられる基端と同基端とは反対側の先端とを有するとともに可撓性を有するシート状のカバー本体と、同カバー本体よりも硬質の材料からなり、同カバー本体の基端に固定されるとともに同基端を補強する補強部材と、を備え、前記補強部材にはカバー本体の先端を含む部位が折り返された際にカバー本体の先端が係合可能な係合部が設けられている。
【0007】
同構成によれば、カバー本体の先端を含む部位が折り返された際にカバー本体の基端に固定される補強部材の係合部にカバー本体の先端を係合させることが可能となるため、カバー本体の先端を含む部位を折り返された状態に保持することが可能となる。このため、車体に対してカバーの基端が組み付けられた後であってもカバーの先端を含む部位に対応する空間を開放状態とすることができ、作業者がカバーの内側に容易に手を伸すことができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、カバーの内側での作業性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】一実施形態における車両の斜視構造を示す斜視図。
図2】同実施形態における車両について、外装パネルの非装着時におけるダクト及びカバーを中心とした斜視構造を示す斜視図。
図3】同実施形態のカバーを構成するカバー本体と補強部材との斜視構造を併せ示す分解斜視図。
図4】同実施形態のカバーの正面構造を示す正面図。
図5図4の5−5線に対応する位置でのカバー及びダクトを中心とした車両の断面構造を示す断面図。
図6図4の6−6線に対応する位置でのカバー及びダクトを中心とした車両の断面構造を示す断面図。
図7】同実施形態の作用を説明するための図であって図5に対応する断面図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図1図7を参照して、車両用カバーの支持構造を具体化した一実施形態について説明する。
図1に示すように、一人乗りの電気自動車の車体10にはルーフモジュール15が取り付けられており、このルーフモジュール15の開口にはフロントガラス16が嵌め込まれている。また、車体10においてルーフモジュール15の前方には車体前部を覆うフロントパネル11が取り付けられている。フロントパネル11の上部には一対の空気孔群12が車幅方向に並んで形成されている。
【0011】
図2図5、及び図6に示すように、車体10においてフロントガラス16の前部とフロントパネル11の後部との継ぎ目の内側には前後方向に延びる板状のカウル18が設けられている。
【0012】
また、図5及び図6に示すように、車体10においてカウル18の下方には車幅方向に沿って延びるリンフォース19が設けられている。また、図5に示すように、リンフォース19の直上には図示しないワイパ装置のモータに給電するワイヤハーネス50が設けられている。リンフォース19の前方にはウォッシャ液を貯留するタンク60が設けられている。
【0013】
図2に示すように、車体10には、各空気孔群12に対応して一対のダクト20が取り付けられている。各ダクト20は前方に向けて開口する吸入口21を有するとともに同吸入口21から後方に向けて延びている。また、車体10には車体前部の隙間を覆うためのシート状のカバー30が取り付けられている。このカバー30には一対のダクト20が内嵌される一対の孔34が形成されている。
【0014】
図3及び図4に示すように、カバー30は、ゴム材料からなり可撓性を有するシート状のカバー本体31と、同ゴム材料よりも硬質の合成樹脂材料、例えばポリプロピレンからなるとともにカバー本体31に固定される補強部材36とを備えている。
【0015】
カバー本体31は車幅方向に対して長い帯状をなしており、上記一対のダクト20が挿入される一対の孔34を有している。カバー本体31の上端32には補強部材36を取り付けるための複数の取付孔31aが形成されている。また、カバー本体31の上端32及び下端33には複数の取付孔32a、33aが形成されている。
【0016】
また、カバー本体31における各孔34よりも下側の部位全体、すなわち下側縁35から下端33までの部位は上下に延びる分断線Lに沿って左右に分断されている。
補強部材36は車幅方向に対して長い板状をなしており、その内側面には複数の爪部37が突設されている。これら爪部37がカバー本体31の取付孔31aに係合されることで、図4に示すように、カバー本体31に対して補強部材36が組み付けられる。また、カバー本体31の上端32の幅方向中央には切欠31bが形成されており、補強部材36の上端の内側面には突部36bが設けられている。切欠31bに突部36bが嵌合されることによりカバー本体31と補強部材36とが位置決めされる。
【0017】
また、補強部材36の上端面には一対の取付片38が車幅方向に並んで立設されており、これら取付片38には取付孔38aが形成されている。また、補強部材36にはカバー本体31の取付孔32aに対応する位置に取付孔39aが形成されている。
【0018】
また、補強部材36の上端面には4つの突起部40が車幅方向に並んで立設されている。突起部40は各取付片38の車幅方向外側に1つずつ形成されている。また、突起部40は各取付片38と突部36bとの間に1つずつ形成されている。これら突起部40の車幅方向の幅は取付孔33aよりも僅かに大きく設定されている。
【0019】
図5及び図6に示すように、カウル18の前端部は下方に屈曲しており、同前端部には取付孔18aが形成されている。
図5に示すように、カウル18の取付孔18aに対して補強部材36、カバー本体31の各取付孔39a、32aを対応させた状態でこれらの取付孔39a、32a、18aにはクリップ41が前側から挿入されている。また、図7に示すように、補強部材36の取付片38及びカウル18の各取付孔38a、18aにはクリップ41が前側から挿入されている。このようにしてカバー30の上端がカウル18に取り付けられている。
【0020】
図5に示すように、リンフォース19の前面には取付孔19aが形成されている。また、カバー本体31及びリンフォース19の各取付孔33a、19aにクリップ41が前側から挿入されることでカバー本体31の下端33がリンフォース19に取り付けられている。
【0021】
次に、本実施形態の作用について説明する。
図7に示すように、本実施形態では、ルーフモジュール15にカウル18が予め組み付けられ、更に同カウル18の前端部にカバー30の上端が予め組み付けられたサブアッセンブリ70が、図示しないシャシに対して組み付けられる。
【0022】
このとき、作業者によってカバー30の下端33を含む部位が手前側に折り返され、カバー30の取付孔33aに突起部40が内挿される。このことにより、突起部40にカバー30の下端33を安定して係合させることが可能となり、カバー30の下端33を含む部位を折り返された状態に保持することが可能となる。
【0023】
従って、上記サブアッセンブリ70をシャシに組み付けるべく、図中に矢印Aにて示す方向に同サブアッセンブリ70を移動させる際に、リンフォース19の前方に近接配置されているタンク60が邪魔になることを回避することができる。
【0024】
また、上記サブアッセンブリ70がシャシに組み付けられた後であっても、カバー30の下端33を含む部位に対応する空間を開放状態とすることができる。従って、作業者がカバー30の内側に配置されているワイヤハーネス50やその周囲に対して容易に手を伸すことができる。
【0025】
以上説明した本実施形態に係る車両用カバーによれば、以下に示す効果が得られるようになる。
(1)カバー30の上端にはカバー30の下端を含む部位が折り返された際にカバー30の下端の取付孔33aに挿通されることで同取付孔33aに係合可能な突起部40が設けられている。こうした構成によれば、カバー30の下端を含む部位が手前側に折り返された際にカバー30の下端の取付孔33aに突起部40が内挿されることにより、同突起部40を介してカバー30の下端が安定して係合される。このことにより、カバー30の下端を含む部位を折り返された状態に保持することができるため、車体10に対してカバー30の上端が組み付けられた後であってもカバー30の下端を含む部位に対応する空間が開放状態となり、作業者がカバー30の内側に容易に手を伸すことができる。従って、カバー30の内側でのワイヤハーネス50の結線等の作業性を向上させることができる。
【0026】
(2)カバー30は、可撓性を有するシート状のカバー本体31と、同カバー本体31よりも硬質の材料からなり、同カバー本体31の上端32に固定されるとともに同上端32を補強する補強部材36と、を備えている。また、突起部40は補強部材36に形成されている。こうした構成によれば、カバー本体31の上端32が補強部材36によって好適に補強される。また、突起部40が補強部材36に形成されるため、カバー本体自体に突起部が形成される構成に比べて突起部40の剛性が好適に高められる。従って、突起部40を介してカバー30の下端33を安定して係合させることができる。
【0027】
(3)カバー本体31の下端33は取付孔33aを介して車体10に組み付けられている。こうした構成によれば、カバー本体31の下端33を車体10に組み付けるための取付孔33aが補強部材36の突起部40が内挿される孔として用いられる。このため、カバー本体31に形成される孔の数を必要最小限にすることができる。
【0028】
(4)突起部40は補強部材36に複数設けられている。こうした構成によれば、カバー本体31の取付孔33aが外嵌される突起部40を、複数の補強部材36から選択することが可能となる。このため、カバー30の下端33を含む部位が折り返されることによって生じる開放空間の位置や形状を変更することが可能となる。従って、上記開放空間の位置や形状を適宜変更することにより、カバー30の内側での作業性を一層向上させることができる。
【0029】
尚、本発明に係る車両用カバーは、上記実施形態にて例示した構成に限定されるものではなく、これを適宜変更した例えば次のような形態として実施することもできる。
・突起部の数を3つ以下とすることもできるし、5つ以上とすることもできる。
【0030】
・突起部が挿入される孔を、カバー本体の下端を車体に組み付けるための取付孔とは別に形成してもよい。
・カバー本体の下端に突起部を形成し、補強部材に同突起部が挿通可能な孔を形成することもできる。
【0031】
・カバーをカバー本体と補強部材とによって構成するのではなく、可撓性を有するカバー本体のみによってカバーを構成することもできる。この場合には、カバー本体の上端が他の部位に比べて硬質となるように硬度の異なるゴム材料を用いた二色成形によってカバー本体を形成することが望ましい。
【符号の説明】
【0032】
10…車体、11…フロントパネル、12…空気孔群、13…シート、15…ルーフモジュール、16…フロントガラス、18…カウル、18a…取付孔、19…リンフォース、19a…取付孔、20…ダクト、21…吸入口、30…カバー、31…カバー本体、31a…係合孔、31b…切欠、32…上端、32a…取付孔、33…下端、33a…取付孔、34…孔、35…下側縁、36…補強部材、36b…突部、37…係合突起、38…取付片、38a…取付孔、39a…取付孔、40…突起部(係合部)、41…クリップ、50…ワイヤハーネス、60…タンク、70…サブアッセンブリ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7