特許第6010825号(P6010825)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6010825ネットワーク検出および選択のためのシステムおよび方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6010825
(24)【登録日】2016年9月30日
(45)【発行日】2016年10月19日
(54)【発明の名称】ネットワーク検出および選択のためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   H04W 48/08 20090101AFI20161006BHJP
   H04W 48/16 20090101ALI20161006BHJP
   H04W 36/22 20090101ALI20161006BHJP
   H04W 36/14 20090101ALI20161006BHJP
【FI】
   H04W48/08
   H04W48/16 135
   H04W36/22
   H04W36/14
【請求項の数】10
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2015-511917(P2015-511917)
(86)(22)【出願日】2013年5月15日
(65)【公表番号】特表2015-525492(P2015-525492A)
(43)【公表日】2015年9月3日
(86)【国際出願番号】CN2013075652
(87)【国際公開番号】WO2013170751
(87)【国際公開日】20131121
【審査請求日】2014年12月24日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】504161984
【氏名又は名称】ホアウェイ・テクノロジーズ・カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100146835
【弁理士】
【氏名又は名称】佐伯 義文
(74)【代理人】
【識別番号】100140534
【弁理士】
【氏名又は名称】木内 敬二
(72)【発明者】
【氏名】ジジャン・ジャン
(72)【発明者】
【氏名】カイパリマリル・マシュー・ジョン
(72)【発明者】
【氏名】ヒンフン・アンソニー・チャン
(72)【発明者】
【氏名】ホスロー・トニー・サブーリアン
(72)【発明者】
【氏名】カイディ・ファン
【審査官】 伊東 和重
(56)【参考文献】
【文献】 特表2012−531089(JP,A)
【文献】 特開2010−154150(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/065008(WO,A1)
【文献】 欧州特許出願公開第02237610(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24−7/26
H04W 4/00−99/00
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−2
CT WG1
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ機器(UE)により、負荷閾値要素を含むネットワーク検出選択ポリシを受信するステップと、
前記UEにより、アクセス・ネットワーク(AN)に関連付けられた負荷情報要素を受信するステップと、
前記ネットワーク検出選択ポリシを前記ANに適用するステップであって、前記ネットワーク検出選択ポリシを適用するステップは、負荷情報要素により示される負荷レベルを前記負荷閾値要素と比較するステップを含むステップと、
を含み、
前記負荷閾値要素は広域ネットワーク(WAN)トラフィック負荷閾値要素であり、前記負荷情報要素はWANトラフィック負荷情報要素であり、
前記WANトラフィック負荷閾値要素は、WANバックホール・アップリンク負荷閾値、バックホール・ダウンリンク負荷閾値、バックホール・アップリンク速度閾値、バックホール・ダウンリンク速度閾値、バックホール・アップリンク帯域幅閾値、バックホール・ダウンリンク帯域幅閾値、またはそれらの組合せを含み、
前記WANトラフィック負荷情報要素は、WANバックホール・アップリンク負荷情報、バックホール・ダウンリンク負荷情報、バックホール・アップリンク速度情報、バックホール・ダウンリンク速度情報、バックホール・アップリンク帯域幅情報、バックホール・ダウンリンク帯域幅情報、またはそれらの組合せを含む、ネットワーク選択のための方法。
【請求項2】
前記UEにより、前記WANトラフィック負荷情報要素を用いて前記負荷レベルを計算するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ネットワーク検出選択ポリシを適用するステップは、前記負荷情報要素で示される前記負荷レベルが前記負荷閾値要素を満たすときに、前記ANを、選択するのに適した候補ANのリストに追加するステップをさらに含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記ネットワーク検出選択ポリシを適用するステップは、前記負荷情報要素で示される前記負荷レベルが前記負荷閾値要素を満たすまで、前記ANを選択するステップをさらに含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項5】
前記アクセス・ネットワークは、アクセス・ポイント、ユニバーサル地上波無線アクセス・ネットワーク(UTRAN)、または発展型UTRANである、請求項1乃至4の何れか1項に記載の方法。
【請求項6】
請求項1乃至5の何れか1項に記載の方法の諸ステップを実施するように構成された手段を備える、ユーザ機器(UE)。
【請求項7】
ネットワーク装置により、ネットワーク検出選択ポリシをユーザ機器(UE)に送信するステップであって、前記ネットワーク検出選択ポリシは負荷閾値要素を含み、前記負荷閾値要素は、前記負荷閾値要素をアクセス・ネットワーク(AN)に関連付けられた負荷情報要素で示される負荷レベルと比較することにより前記ネットワーク検出選択ポリシを適用する際に前記UEにより使用されるものであるステップを含み、
前記負荷閾値要素は広域ネットワーク(WAN)トラフィック負荷閾値要素であり、前記負荷情報要素はWANトラフィック負荷情報要素であり、
前記WANトラフィック負荷閾値要素は、WANバックホール・アップリンク負荷閾値、バックホール・ダウンリンク負荷閾値、バックホール・アップリンク速度閾値、バックホール・ダウンリンク速度閾値、バックホール・アップリンク帯域幅閾値、バックホール・ダウンリンク帯域幅閾値、またはそれらの組合せを含み、
前記WANトラフィック負荷情報要素は、WANバックホール・アップリンク負荷情報、バックホール・ダウンリンク負荷情報、バックホール・アップリンク速度情報、バックホール・ダウンリンク速度情報、バックホール・アップリンク帯域幅情報、バックホール・ダウンリンク帯域幅情報、またはそれらの組合せを含む、ネットワーク選択ポリシを設定するための方法。
【請求項8】
前記負荷情報要素はデバイスによって前記UEに送信され、前記デバイスは、アクセス・ポイント、eNodeB、ユニバーサル地上波無線アクセス・ネットワーク(UTRAN)、または発展型UTRANである、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記ネットワーク検出選択ポリシを適用するステップは、前記負荷情報要素で示される前記負荷レベルが前記負荷閾値要素を満たすまで、前記ANを選択するステップをさらに含む、請求項7または8に記載の方法。
【請求項10】
請求項7乃至9の何れか1項に記載の方法の諸ステップを実施するように構成された手段を備える、ネットワーク装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、発明の名称を「アクセス・ネットワーク探索選択機能のためのシステムおよび方法」とした2012年5月15日出願の米国仮特許出願第61/647、287号、発明の名称を「サービス品質を考慮したネットワーク選択のためのシステムおよび方法」とした2012年6月28日出願の米国仮特許出願第61/665、712号、および発明の名称を「ネットワーク検出および選択のためのシステムおよび方法」とした2013年1月7日出願の米国非仮特許出願第13/735、627号の利益を主張し、それらを引用により本明細書に取り込む。
【0002】
本発明は、無線通信のためのシステムと方法に関し、具体的な実施形態において、ネットワーク検出および選択のためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0003】
無線ネットワーク(例えば、WiFi)の使用は、運用者が市場の要求を満たしその優位性を高めるのを支援するセルラ動作の重要な部分になりつつある。セルラの運用者は、WiFiアクセスを自らの既存のセルラ・ネットワークに統合しようとしており、多くの既存のモバイル装置がデュアル・モード(WiFiとセルラ)接続機能を有している。WiFi可能な装置を使用する1つの態様は、適切なネットワーク接続を検出し選択することである。このネットワーク検出と選択の技術を、様々な技術標準を用いて促進することができる。例えば、WiFi Allianceは現在、デュアル・モード装置またはWiFi専用装置が適切なWiFiネットワーク接続をより良く選択するのを支援するために、ホットスポット2.0仕様を定義している。IEEE802.11uまたは3GPPのような他の標準も、装置が固定ネットワーク内の無線ローカル・エリア・ネットワーク(WLAN)のような適切なネットワークを検出し選択するのを支援する機構の定義の手助けとなるかもしれない。さらに、ユーザ機器(UE)の運用者により静的に事前構成するかまたはUEにネットワーク検出選択ポリシ(例えば、3GPPネットワークにおけるアクセス・ネットワーク探索選択機能(ANDSF)ポリシ)を定期的に送信することにより運用者が動的に設定できるポリシを介して、これらのネットワーク検出および選択の技術を実装することができる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】IEEE802.11−2007
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
これらおよび他の問題は、ネットワーク検出および選択のためのシステムおよび方法である本発明の好適な諸実施形態により、一般的に解決または回避され、技術的利点が一般的に実現される。
【課題を解決するための手段】
【0006】
1実施形態によれば、ネットワーク選択のための方法は、ユーザ機器(UE)により、負荷閾値要素を含むネットワーク検出選択ポリシを受信し、アクセス・ネットワーク(AN)に関連付けられた負荷情報要素を受信するステップと、当該ネットワーク検出選択ポリシを当該ANに適用するステップとを含む。当該ネットワーク検出選択ポリシを適用するステップは、当該負荷情報要素を当該負荷閾値要素と比較するステップを含む。
【0007】
別の実施形態によれば、ユーザ機器(UE)は、プロセッサと当該プロセッサにより実行するためのプログラムを格納したコンピュータ可読記憶媒体とを備える。当該プログラムは、負荷閾値要素を含むネットワーク検出選択ポリシを受信し、アクセス・ネットワーク(AN)に関連付けられた負荷情報要素を受信し、当該ネットワーク検出選択ポリシを当該ANに適用するための命令を含む。当該ネットワーク検出選択ポリシを適用するための命令はさらに、当該負荷情報要素で示される負荷レベルを当該負荷閾値要素と比較するための命令を含む。
【0008】
別の実施形態によれば、ネットワーク選択ポリシを設定するステップは、アクセス・ネットワーク(AN)に関連付けられた負荷情報要素で示される負荷レベルを当該負荷閾値要素と比較することによってネットワーク検出選択ポリシを適用する際に当該UEにより使用するために、ネットワーク装置により、負荷閾値要素を含むネットワーク検出選択ポリシを送信するステップを含む。
【0009】
別の実施形態によれば、ネットワーク装置が、プロセッサと当該プロセッサにより実行するためのプログラムを格納したコンピュータ可読記憶媒体とを備える。当該プログラムは、アクセス・ネットワーク(AN)に関連付けられた負荷情報要素で示される負荷レベルを当該負荷閾値要素と比較することによってネットワーク検出選択ポリシを適用する際に当該UEにより使用するために、WANトラフィック負荷閾値を含むネットワーク検出選択ポリシをユーザ機器(UE)に送信するための命令を含む。
【0010】
別の実施形態によれば、ネットワーク選択ポリシを更新するための方法が、ユーザ機器(UE)により、タイマを含むネットワーク検出選択ポリシを受信するステップであって、当該タイマは、いつ当該UEが更新されたネットワーク検出選択ポリシを次にチェックすべきかに関する更新間隔を指定するステップと、当該更新間隔の期間だけ待機するステップと、当該UEにより、更新されたネットワーク検出選択ポリシをチェックするステップとを含む。
【0011】
別の実施形態によれば、ユーザ機器(UE)がプロセッサと当該プロセッサにより実行するためのプログラムを格納したコンピュータ可読記憶媒体とを備える。当該プログラムは、いつ当該UEが更新されたネットワーク検出選択ポリシを次にチェックすべきかに関する更新間隔を指定するタイマを含むネットワーク検出選択ポリシを受信し、当該更新間隔の期間だけ待機し、更新されたネットワーク検出選択ポリシをチェックするための命令を含む。
【0012】
さらに別の実施形態によれば、ネットワーク装置がプロセッサと当該プロセッサにより実行するためのプログラムを格納したコンピュータ可読記憶媒体とを備える。当該プログラムは、いつ当該UEが更新されたネットワーク検出選択ポリシを次にチェックすべきかに関する間隔を示すポリシ・タイマを含むネットワーク検出選択ポリシをユーザ機器(UE)に送信するための命令を含む。
【0013】
本発明のより十分な理解とその利点に関して、添付図面とともに下記の詳細な説明を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】当業界で公知な典型的なUEとネットワークの接続動作の流れ図である。
図2】当業界で公知なアクセス・ネットワーク探索選択機能(ANDSF)ポリシを受信するUEのブロック図である。
図3】1実施形態に従う周波数帯選択ポリシを含むANDSFポリシを実装するUEの流れ図である。
図4】1実施形態に従うWANトラフィック負荷閾値要素を含むANDSFポリシを実装するUEの流れ図である。
図5A】様々な実施形態に従うエア・インタフェース負荷閾値要素を含むANDSFポリシを実装するUEの流れ図である。
図5B】様々な実施形態に従うエア・インタフェース負荷閾値要素を含むANDSFポリシを実装するUEの流れ図である。
図6】1実施形態に従うエア・インタフェース負荷閾値要素を含むANDSFポリシを実装するUEの流れ図である。
図7】1実施形態に従うエア・インタフェースサービス品質(QoS)閾値要素を含むANDSFポリシを実装するUEの流れ図である。
図8】1実施形態に従う閾値要素を実装するネットワークの流れ図である。
図9】1実施形態に従う負荷閾値要素を含むANDSFポリシを実装するUEの流れ図である。
図10】1実施形態に従うネットワーク検出選択ポリシを更新するUEの流れ図である。
図11】1実施形態に従う、例えば本明細書で説明した装置と方法を実装するために使用できるコンピューティング・プラットフォームを示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下では、現時点で好適な諸実施形態の実施と利用を説明する。しかし、本発明が、多種多様な具体的な状況で具体化できる多数の適用可能な革新的概念を提供することは理解される。説明する具体的な諸実施形態は本発明を実施し利用するための具体的な方法を示すにすぎず、本発明の範囲を限定するものではない。
【0016】
図1は、様々な標準、例えば、ホットスポット2.0、IEEE802.11u、3GPP等に従う典型的なユーザ機器(UE102)とWi−Fiネットワーク接続動作を示す。列挙した標準または代替的な標準のうち1つまたは幾つかに従って様々な実施形態を動作させてもよい。UE102が無線ネットワーク(例えば、WiFi)に接続することを決定すると、当該UEはまず利用可能なホットスポット(即ち、アクセス・ネットワーク)をスキャンする。図1では、当該アクセス・ネットワークをアクセス・ポイント(AP)104として示してあるが、当該アクセス・ネットワークがユニバーサル地上波無線アクセス・ネットワーク(UTRAN)または発展型UTRAN(E−UTRAN)のような別の形態のアクセス・ネットワークであってもよい。AP104は、当該UEとネットワーク106(例えば、固定ネットワークまたは広域ネットワーク(WAN)における無線ローカル・エリア・ネットワーク(WLAN))の間の接続点の役割を果たす。利用可能なAPを、同一または複数の異なるネットワークに接続してもよい。この場合、各APは単一のネットワークに対する接続点の役割を果たす。IEEE802.11uにより、APの汎用通知サービス(GAS)を用いて適切なAPを探索することができる。GASは、認証前にネットワーク106におけるUE102とサーバの間で通知プロトコルのフレームのレイヤ2転送を提供する。GASにより、未認証のUEが、ネットワーク106のタイプ(例えば、プライベート、パブリック、有償等)、ローミング・コンソーシアム、場所情報等のような一定の情報の通知を介して特定のAPの利用可能性および当該APに関する一般的な情報を決定することができる。したがって、GASにより、UE102は、どのAPに接続できるかを判定することができる。
【0017】
次いでUE102は、ネットワーク検出選択ポリシを用いて接続すべき特定のAPを選択してもよい。UE102の運用者は、ネットワーク検出選択ポリシを定期的にUE102に送信することによってこれらのポリシを設定してもよい。例えば、3GPP標準では、運用者が、運用者のネットワーク内でアクセス・ネットワーク探索選択機能(ANDSF)を用いてUE102に対するネットワーク検出選択ポリシを設定してもよい。
【0018】
次いでUE102は、利用可能なAPに関する情報を収集し、運用者が設定したネットワーク検出選択ポリシを実装する。情報収集を、AP104のIEEE802.11uアクセス・ネットワーク問合せプロトコル(ANQP)、問合せ/応答動作を用いてGAS上で実施してもよい。当該ANQPを介して提供された情報は一般に、ネットワーク106の様々な特徴と利用可能なサービスを含む。UE102はまた、AP104からの様々な他の制御メッセージ(例えば、AP104のビーコンまたは応答プローブ)を用いてAP104自体の情報を収集してもよい。どのAPに接続すべきかをUE102が判定した後、UE102は、認証プロセスを実行し、APに接続し、APのネットワークに参加する。ANDSFポリシのようなネットワーク検出選択ポリシにより、いつどのようにUE102がAPおよび/またはネットワークへの接続を変更するかを判定するためのパラメータを設定してもよい。
【0019】
今日のネットワーク検出選択ポリシ(例えば、ANDSFポリシ等)が過度に単純であり、適切なANと対応するネットワークの選択においてUEに利用可能な全範囲の情報の利用に失敗することがある。さらに、ネットワーク検出選択ポリシを更新するための今日の方法は不十分であり不要なネットワーク・リソースを使用することがある。
【0020】
様々な実施形態を、具体的な状況における好適な実施形態、即ち、様々なホットスポット2.0、IEEE802.11u、および/または3GPP標準に従って動作する無線通信システムに関して説明する。ネットワーク検出選択ポリシを、3GPP標準(即ち、ANDSFサーバにより送信されたANDSFポリシであるネットワーク検出選択ポリシ)を用いて実装してもよい。しかし、諸実施形態を、1組のホットスポット2.0、IEEE802.11u、3GPP、または他の標準に従って動作できる他のシステムに適用してもよく、ネットワーク検出選択ポリシを、ホットスポット2.0標準等のような非3GPP標準に従って実装してもよい。諸実施形態を、例えば、3GPP SA2仕様(23.402)またはCT24.402、24.312で実装してもよい。さらに、様々な実施形態を、アクセス・ポイントを介した無線ネットワークへの接続に関して説明するが、他の様々な形態のアクセス・ネットワーク(例えば、ユニバーサル地上波無線アクセス・ネットワーク(UTRAN)または発展型UTRAN(E−UTRAN))を使用して無線ネットワークに接続してもよい。様々な実施形態を、WiFiアクセス・ポイント(AP)、アクセス・コントローラ、ANDSFサーバ、WiFiおよびセルラ・デュアル・モードUE、ホットスポット2.0サポート付きUE等に適用してもよい。
【0021】
図2は、ネットワーク検出選択ポリシを設定するための動作例を示す。与えた例は、3GPP標準で定義されるANDSF動作を示すものである。しかし、ホットスポット2.0のような他の標準を使用してネットワーク検出選択ポリシを設定してもよい。UE202はS14インタフェースを介してANDSF204と対話して、ネットワーク検出選択ポリシ(即ち、ANDSFポリシ)をネットワークから取得する。S14インタフェースはIPレベルのシグナリングを可能とするものである。UE202に送信されたANDSFポリシがシステム間ルーティング・ポリシ(ISRP)を含んでもよい。一般に、ISRPは、提供されたポリシが正当である間の時間フレームを示す正当性条件を含む。ISRPはさらに、IFOM(IP flow mobility and seamless offload)に対する1つまたは複数のフィルタ規則を含んでもよい。これらのフィルタ規則は、アクセス技術/アクセス・ネットワークの優先度付リストを生成してもよい。当該優先度付リストは、利用可能なときには、特定のアクセス・ポイント名(APN)または任意のAPN上の特定のIPフィルタにマッチするトラフィックを経路付けするためにUEにより使用されるべきである。フィルタ規則が、特定のAPNまたは任意のAPN上の特定のIPフィルタにマッチするトラフィックに対してどの無線アクセスが制限されるか(例えば、WLANはAPN−x上のリアルタイム転送プロトコル・トラフィックに対しては許可されない)を特定してもよい。
【0022】
AN(例えば、AP)選択に関する今日のポリシは、あまりに広範囲に定義されており、適切な選択を行う際に今日の標準により利用できる全範囲の情報を利用できない可能性がある。例えば、ホットスポット2.0標準はANに対する複数の周波数帯動作をサポートしており、これにより、UEはANによりサポートされる幾つかの周波数帯のうち1つで動作することができる。ANDSFポリシのような今日のネットワーク検出選択ポリシでは、周波数帯情報については考慮されていない。したがって、今日のネットワーク選択の最小粒度はANごとであり、ANがサポートする周波数帯ごとではない。
【0023】
1実施形態では、アクセス技術選択の粒度を増大させ、利用可能なANによりサポートされる様々な周波数帯にUEが接続できるようにする。周波数帯要素が、運用者により設定されたネットワーク検出選択ポリシに追加される。当該周波数帯要素が、ANで利用可能な帯域の検出を含んでもよく、特定の周波数帯を選択するためのポリシを生成してもよい。
【0024】
例えば、図3は、ANDSFポリシに適用される本実施形態に従う流れ図を示す。周波数帯選択ポリシが、ANDSFポリシに(例えば、当該ANDSFのシステム間モビリティ・ポリシ(ISMP)および/またはシステム間ルーティング・ポリシ(ISRP))に追加されている。当該周波数帯選択ポリシにより、UEはANによりサポートされる特定の帯域を選択することができる。ステップ302で、当該ANDSFポリシが、周波数帯選択ポリシを含み、運用者のセルラ・ネットワーク(例えば、ロング・ターム・エボリューション(LTE)ネットワーク)を介して運用者によりUEに送信される。ステップ304で、UEが当該ポリシを受信し、周波数帯選択ポリシを実装して、利用可能なANによりサポートされる周波数帯を選択する。
【0025】
今日のネットワーク検出選択ポリシでは、ネットワークのトラフィック負荷を説明できないおそれがある。例えば、IEEE802.11u標準により、AN(例えば、AP)はAPのANQPを介して広域ネットワーク(WAN)のトラフィック負荷情報に関する情報を送信することができる。送信可能なWANトラフィック情報が、WANバックホールのアップリンク負荷情報、バックホールのダウンリンク負荷情報、バックホールのアップリンク速度、バックホールのダウンリンク速度、バックホールのアップリンク帯域幅、バックホールのダウンリンク帯域幅等を含んでもよい。このWANトラフィック負荷情報により、UEが高負荷ネットワークを選択するのを防ぐことによって、ネットワークにおける負荷共有の改善を支援することができる。しかし今日のネットワーク検出選択ポリシはネットワーク選択に関するトラフィック負荷情報を考慮しておらず、特に、負荷共有のケースの考慮が欠けている。さらに、今日のネットワーク検出選択ポリシでは、その現在関連付けられているネットワークが過負荷なために、UEが有益に別のネットワークに移動するかまたは無線接続からWiFiに移動する状況を正確に説明することができない。
【0026】
1実施形態では、WANトラフィック負荷閾値要素をネットワーク検出選択ポリシ(例えば、ANDSF ISRPおよび/またはISMP)に取り込む。当該トラフィックWANトラフィック負荷閾値要素をセルラまたはWLAN WANトラフィック負荷の何れかに適用してもよい。実装される具体的な閾値は運用者ポリシにより決定されるが、閾値を含めることで、例えばUEが高負荷ネットワークを選択するのを防いで、ネットワーク間の負荷共有を改善してもよい。
【0027】
図4はANDSFポリシに適用されるWANトラフィック負荷閾値を含むネットワーク検出選択ポリシの1実施形態を示す。ステップ402では、ネットワーク装置はWAN負荷閾値要素(例えば、最大アップリンク負荷閾値を80%に設定する要素)を含むANDSFポリシを送信する。当該ネットワーク装置が、当該UEのセルラ・ネットワーク上のANDSFポリシサーバであってもよい。当該WAN負荷閾値要素が、アップリンク負荷閾値、バックホールのダウンリンク負荷閾値、バックホールのアップリンク速度閾値、バックホールのダウンリンク速度閾値、バックホールのアップリンク帯域幅閾値、バックホールのダウンリンク帯域幅閾値等のようなネットワーク負荷条件に関する1つまたは複数の閾値を含んでもよい。さらに、当該ネットワーク検出選択ポリシが複数のWAN負荷閾値要素を含んでもよい。図4に示す例では、当該ANDSFポリシのWAN負荷閾値要素は最大アップリンク負荷に対する1つの閾値を80%に設定しているにすぎない。このANDSFポリシは運用者によりセルラ・ネットワークで送信されUEにより受信される。
【0028】
ステップ404および406で、当該UEが、ANQP問合せ/応答を使用してWANトラフィック負荷情報要素をANから受信する。ANが、WiFi APまたは他の何らかの形態のAN(例えば、UTRANまたはE−UTRAN)であってもよい。このWANトラフィック負荷情報要素が、WANトラフィック負荷レベルに関連する広範囲の情報を示してもよい。例えば、当該WANトラフィック負荷情報が、ANでのWANアップリンク負荷が90%であることを当該UEに通知してもよい。当該UEは次いで、ステップ408で、WAN負荷レベルをWAN負荷閾値と比較することによって、ANDSFポリシを実装する。アップリンク負荷が当該閾値を満たさない(実際のアップリンク負荷が90%であり、80%閾値より大きい)ので、UEは当該ANを選択すべきでないと判定する。本例における数字は例示の目的のためにすぎず、ネットワーク検出選択ポリシで設定した閾値の数とタイプに関する詳細事項は運用者の選択に依存する。
【0029】
WANトラフィック負荷閾値をネットワーク検出選択ポリシに含めることにより、当該UEはどのANが適切な選択候補であるかを判定することができる。閾値を満たすANのトラフィック負荷は、必ずしも当該UEが当該ANを選択することを必要としない。当該ネットワーク検出選択ポリシにより設定した他の検討事項をなお適用してもよい。当該閾値は、当該UEが選択できる潜在的な候補ANのリストを生成するように作用するにすぎない。代替的な実施形態では、当該WANトラフィック負荷閾値はまた、当該UEが現在関連付けられているネットワークが過負荷になったため代替的なネットワークに参加するように変更することを当該UEがいつ決定するかに関するトリガ点として作用する。
【0030】
代替的な実施形態では、当該UEが、WANトラフィック負荷閾値に対して比較するためのWANトラフィック負荷レベルを計算する必要があってもよい。例えば、当該ネットワーク検出選択ポリシが最小の利用可能なWANバックホール帯域幅閾値を含んでもよい。しかし、ANにより送信されたWANトラフィックの負荷情報要素が、WANバックホール帯域幅に関する情報を含まなくともよい。当該ANが、その代りにWANスループットに関するUE情報を送信してもよい。当該UEが、当該ANに関連付けられた適切なWAN帯域幅負荷レベルを、公知な式とWANスループットに関して受信した情報とを用いて計算してもよい。1実施形態では、WAN帯域幅負荷レベルを計算することは、期待されたWAN帯域幅負荷レベルを予測することを含む。当該UEは次いで、計算されたWAN帯域幅負荷レベルを使用して閾値に対して比較してもよい。
【0031】
さらに、今日のネットワーク検出選択ポリシでは、利用可能なエア・インタフェース負荷情報を説明できない。ANが、例えばそのビーコンまたはプローブ応答を介して、当該エア・インタフェース負荷に関する情報を提供してもよい。当該ANが、WiFi APまたは他の何らかの形態のAN(例えば、UTRANまたはE−UTRAN)であってもよい。IEEE802.11−2007標準によれば、当該ANは、そのビーコンまたはプローブ応答に関する基本サービス・セット(BSS)負荷情報要素を含むことができる。当該エア・インタフェース負荷要素は、当該ANに現在関連付けられているUEの数、チャネル利用率(当該ANがビジーであったことが検出された時間の割合)、およびUEに割り当てることができる残存許可制御期間(remaining admission control time)関する情報を含んでもよい。当該エア・インタフェース負荷情報が、UEがANに接続されている場合に、当該UEに対して適用可能なサービス品質(QoS)を示してもよい。今日、ネットワーク検出選択ポリシ(例えばANDSF ISRP/ISMPポリシ)では、ネットワーク選択に関してエア・インタフェース情報を考慮しない。
【0032】
1実施形態では、エア・インタフェース負荷閾値要素を含むネットワーク検出選択ポリシを提供する。この拡張されたネットワーク検出選択ポリシが、UEに関するエア・インタフェース負荷閾値を設定することによって良好なAN/ネットワーク選択を提供する。当該エア・インタフェース負荷閾値が、BSS負荷閾値、エア・インタフェースQoS閾値、AN閾値に関連付けられたユーザ機器(UE)の数、AN閾値のチャネル利用率、UE閾値に利用可能な残存許可制御期間等であってもよい。当該閾値を含めることで、適切な負荷レベルをサポートできるANのみをUEが選択できるようにしてもよい。
【0033】
代替的な実施形態では、評価期間を有するエア・インタフェース負荷閾値を、エア・インタフェース負荷評価に関するネットワーク検出選択ポリシに含める。評価期間を、ピン・ポン状況(即ち、UEが複数のANに同時に接続しようとする状況)を回避するために実装してもよい。当該評価期間は、当該ポリシを適用するときに適用可能なエア・インタフェース負荷情報を考慮するための時間フレームを構成する。当該時間フレーム外のエア・インタフェース負荷情報は考慮されない。例えば、評価期間を有するネットワーク検出選択ポリシにより、当該エア・インタフェース負荷閾値をANからの評価期間中の平均BSS負荷値と比較することをUEに要求してもよい。
【0034】
図5Aおよび5Bは、ANDSFポリシとAPに適用されるエア・インタフェース負荷閾値を含むネットワーク検出選択ポリシの1実施形態を示す。ステップ502で、ネットワーク装置が、(例えば、BSS負荷閾値を設定する)エア・インタフェース負荷閾値要素を含むANDSFポリシを送信する。このANDSFポリシは、運用者によりそのセルラ・ネットワーク上で送信され、UEにより受信される。
【0035】
ステップ504で、UEは、(図5Aで示した)APのビーコンまたは(図5Bで示した)応答プローブを用いてエア・インタフェース負荷情報要素を受信する。例えば、図5Aおよび5Bでは、当該エア・インタフェース負荷情報要素はBSS負荷情報要素である。前述したように、当該BSS負荷情報要素が、APに現在関連付けられているUEの数、APのチャネル利用率、およびAPの残存許可制御期間に関して当該UEに通知してもよい。当該UEは次いで、ステップ506で、当該BSS負荷情報要素で示されたBSS負荷レベルを当該BSS負荷閾値要素と比較することによってANDSFポリシを実装する。当該BSS負荷レベルが当該閾値を満たさない場合には、当該UEは当該APを選択すべきでないと判定する。
【0036】
図6は、ANDSFポリシに適用されるエア・インタフェース負荷閾値を含むネットワーク検出選択ポリシを実装するためのUE動作の1実施形態を示す。ステップ602で、当該UEが、上述のエア・インタフェース負荷閾値のようなエア・インタフェース負荷閾値を有するANDSFを受信する。ステップ604で、当該UEがエア・インタフェース負荷情報をANから受信する。当該情報を、BSS負荷情報要素のようなエア・インタフェース負荷情報要素として受信してもよい。ステップ606で、当該UEが、当該エア・インタフェース負荷情報で示されるエア・インタフェース負荷レベルがANDSFポリシからのエア・インタフェース負荷閾値を満たすかどうかを評価する。当該負荷レベルが当該閾値を満たさない場合には、当該UEは適切な接続点としての当該ANを拒絶し、そうでなければ、ステップ608で、当該UEが当該ANを選択してもよい。
【0037】
図7は、ANDSFポリシに適用する際のQoSを考慮したネットワーク検出選択ポリシ拡張に関する流れ図の例を示す。ステップ702で、UEの運用者が、エア・インタフェースQoS閾値を含むANDSFポリシ(例えば、ベスト・エフォート・トラフィックのサポート)を当該UEに提供する。ステップ704で、ANが、例えば、当該ANのビーコンまたは応答プローブを用いてエア・インタフェース負荷情報要素を当該UEに提供する。説明したように、当該エア・インタフェース負荷情報要素がBSS負荷情報要素であってもよい。ステップ706で、当該UEが、当該エア・インタフェース負荷情報要素に関する情報を用いて当該ANを選択した場合に当該UEに適用される期待QoSレベルを計算する。例えば、当該UEは、当該ANがバックグラウンド・トラフィックしかサポートできないと計算する。当該バックグラウンド・トラフィックはベスト・エフォート・トラフィックより小さい。1実施形態では、期待QoSレベルを計算することは期待QoSレベルを予測することを含む。したがって、当該UEはこのANが適切でないと判定し、別のネットワークを選択する。他方、当該UEが、当該ANがベスト・エフォート・トラフィックをサポートできる(即ち、当該閾値が満たされる)と計算した場合には、ステップ710で、当該UEはこのネットワークを選択することを決定してもよい。
【0038】
エア・インタフェース負荷閾値要素をネットワーク検出選択ポリシに含めることで、ANが適切な選択候補であるかを当該UEが判定することができる。WAN閾値要素に関する場合と同様に、当該ネットワーク検出選択ポリシにより設定された他の検討事項も依然として適用できるので、当該閾値を満たすことで当該UEが当該ANを選択することが保証される。当該閾値は単に、当該UEが選択できる潜在的な候補ANのリストを生成するように作用する。代替的な実施形態では、当該エア・インタフェース負荷閾値はまた、当該UEが現在関連付けられているANがもはや所望のエア・インタフェース負荷をサポートできないため当該UEが代替的なANに参加する(または代替的なネットワーク)に参加するように変更することをいつ決定すべきかに関するトリガ点として作用してもよい。
【0039】
図8は、様々な閾値要素が無線ネットワーク側で実装される代替的な実施形態を示す。ステップ802で、ANが、WANトラフィック負荷情報要素および/またはエア・インタフェース負荷情報要素を、当該ネットワークに接続を試みるUEに送信する。ステップ804で、当該ANが、関連付け/ハンドオーバ要求を当該UEから受信し、当該ネットワークがその負荷能力を評価する。この評価を、ネットワーク側の一定のWANトラフィック負荷またはエア・インタフェース負荷閾値を設定することにより実現してもよい。ステップ806で、ネットワークが現在過負荷であると当該ネットワークが判定した場合には、当該ネットワークは当該UEからの接続要求を拒否する。しかし、当該ネットワークが当該UEに対する負荷容量があると当該ネットワークが判定した場合には、当該ネットワークは、関連付け/ハンドオーバ要求と接続プロセスを進めることを許可する。
【0040】
図9は、UEが負荷情報(例えば、WANトラフィック負荷情報またはエア・インタフェース負荷情報)を、当該UEが接続されたセルラ・ネットワークに関連付けられたeNodeBから受信する、代替的な実施形態を示す。ステップ902で、セルラ運用者は、ネットワーク装置(例えば、eNodeB)を介してネットワーク検出選択ポリシ(例えば、ANDSFポリシ)をUEに送信する。当該ネットワーク検出選択ポリシは負荷閾値要素(例えば、WANトラフィック負荷閾値またはエア・インタフェース負荷閾値)を含む。例えば、図9で、当該ネットワーク検出選択ポリシがBSS負荷閾値を設定する。ステップ904で、当該ネットワーク装置は、当該ANの問合せ/応答プロトコルを用いて当該UEに利用可能なAN(例えば、AP)から負荷情報を取得する。図9では、eNodeBはBSS負荷情報を受信するが、WANトラフィック負荷情報またはエア・インタフェース負荷情報のような他種の負荷情報も取得してもよい。ステップ906で、eNodeBが次いで当該ANに関する負荷情報を当該UEに送信する。ステップ908で、当該UEはANDSFポリシを適用し、当該負荷閾値を当該負荷情報と比較して当該ANを選択すべきかどうかを判定する。例えば、当該UEが、当該負荷情報が示す負荷レベルが当該負荷閾値を満たさないと判定した場合には、当該UEは、代替的なANを選択するかまたはセルラ・ネットワークに留まるかを決定してもよい。
【0041】
一般に、ポリシをUEに送信する方法が2つある。即ち、(ネットワークがポリシをUEにプッシュする)プッシュ・モードまたは(UEがポリシをネットワークに要求する)プル・モードである。プッシュ方法はネットワーク・サーバの実装に依存し、これは移動するUEには不適切でありうるので、プル方法がより現実的であり一般には望ましい。プル方法を実装する1態様は、UEをネットワーク・サーバと同期して最新のポリシを取得する。例えば、現在の3GPP24.312標準では、ANDSFポリシの更新を要求すべきかどうかをUEが判定するための更新ポリシ指示を定義する。このアプローチの問題は、どのポリシを当該UEが現在使用しているかおよびどの更新が必要であるかをネットワーク・サーバが知らないことである。幾つかのケースでは、UEが、ポリシ全体ではなくそのポリシの一部のみの更新を要求してもよい。1実施形態では、ネットワーク検出選択ポリシの更新に関連付けられた、新たなポリシ指示と手続きを生成する。
【0042】
図10は、ネットワーク検出選択ポリシ(例えば、ANDSF ISRP/ISMP)における再同期タイマ要素を含む1実施形態を示す。ステップ1002で、当該ネットワークが、再同期タイマを含むネットワーク検出選択ポリシのバージョン1.1を送信する。再同期タイマは、UEがそのポリシをネットワークと再同期するためのトリガとして動作する。再同期タイマは、いつ当該UEが更新されたネットワーク検出選択ポリシに関してネットワークを次にチェックすべきかを設定する更新間隔要素を有する。ステップ1004で、当該UEは当該更新間隔の期間だけ待機し、ステップ1006で、当該UEが、更新されたネットワーク検出選択ポリシに関してネットワークをチェックする。
【0043】
1実施形態ではさらにステップ1002を含む。当該ステップでは、UEが、当該UEでの現在の既存のポリシを示す、ネットワーク検出選択ポリシに沿ったポリシ・バージョン要素(バージョン1.1)をネットワークから受信する。ステップ1008で、当該UEが更新されたポリシをチェックするとき、当該ネットワークが、当該ネットワークに既知である直近のネットワーク検出選択ポリシを示す最新のポリシ・バージョン要素(バージョン1.2)を当該UEに送信してもよい。当該UEは、当該既存のポリシ・バージョン要素に対して比較するためにネットワークが返した最新のポリシ・バージョン要素を使用して、更新が必要であるかどうかを判定する。バージョン1.2はバージョン1.1より新しいので、ステップ1010で、当該UEは最新のネットワーク検出選択ポリシ(バージョン1.2)をネットワークから引き出す。代替的な実施形態では、当該UEが、当該ポリシ・バージョン要素を使用して、そのポリシのどの部分が古いかどうかを判定し、当該UEでの既存のポリシと異なる更新されたポリシの部分のみを引き出すように当該UEをトリガしてもよい。
【0044】
あるいは、最新のポリシが当該UEでの現在のポリシより新しくないことを最新のポリシ・バージョン要素が示す場合(図示せず)には、更新が必要でないと当該UEが判定する。当該UEは次いで、更新されたポリシを再度チェックするために当該更新間隔の期間だけ待機してもよい。再度更新が必要でない(即ち、最新のポリシ・バージョン要素が、ポリシが更新されていないことを示す)場合には、当該UEは当該更新間隔の期間だけ待機し、ポリシの更新をチェックする。反復プロセスにおいて、当該UEは、更新が必要であると当該UEが判定するまで、更新間隔の後に、更新されたポリシに関してネットワークを定期的にチェックしてもよい。
【0045】
代替的な実施形態では、ポリシ・バージョン要素をネットワークによって使用して、新たなポリシをUEにプッシュするかどうかを判定してもよい。さらに、当該UEの問合せに基づいて、ネットワークが、当該UEでの既存のポリシと異なるポリシの部分のみをプッシュしてもよい。
【0046】
図11は、本明細書で説明した装置と方法を実装するために使用できる処理システムのブロック図である。特定の装置が図示した構成要素の全てを利用してもよく、または、当該構成要素の一部のみを使用してもよく、統合のレベルは装置ごとに異なってもよい。さらに、装置が複数の処理ユニット、プロセッサ、メモリ、送信器、受信器等のような、複数の構成要素のインスタンスを含んでもよい。当該処理システムが、スピーカ、マイクロフォン、マウス、タッチスクリーン、キーパッド、キーボード、プリンタ、ディスプレイ等のような1つまたは複数の入出力装置を具備した処理ユニットを備えてもよい。当該処理ユニットが、中央演算装置(CPU)、メモリ、大容量記憶装置、ビデオ・アダプタ、およびバスに接続されたI/Oインタフェースを備えてもよい。
【0047】
当該バスが、メモリ・バスまたはメモリ・コントローラ、周辺バス、ビデオ・バス等を含む任意のタイプの幾つかのバス・アーキテクチャのうち1つまたは複数であってもよい。CPUが、任意の種類の電子データ・プロセッサを備えてもよい。メモリが、静的ランダム・アクセス・メモリ(SRAM)、動的ランダム・アクセス・メモリ(DRAM)、同期DRAM(SDRAM)、読取専用メモリ(ROM)、それらの組合せ等のような任意の種類のシステム・メモリを含んでもよい。1実施形態では、メモリが、起動時に使用するためのROM、プログラム実行中に使用するためにプログラムとデータを記憶するためのDRAMを含んでもよい。
【0048】
大容量記憶装置が、データ、プログラム、および他の情報を格納しバスを介して当該データ、プログラム、および他の情報にアクセス可能にするように構成された任意の種類の記憶装置を含んでもよい。当該大容量記憶装置が、例えば、固体ドライブ、ハード・ディスク・ドライブ、磁気ディスク・ドライブ、光ディスク・ドライブ等のうち1つまたは複数を含んでもよい。
【0049】
ビデオ・アダプタと入出力インタフェースは、処理ユニットに対する外部入力と出力装置を接続するインタフェースを提供する。示したように、入力装置と出力装置の例には、ビデオ・アダプタに接続されたディスプレイや、入出力インタフェースに接続されたマウス/キーボード/プリンタが含まれる。他の装置を処理ユニットに接続してもよく、それより多くのまたは少ないインタフェース・カードを利用してもよい。例えば、ユニバーサル・シリアル・バス(USB)(図示せず)のようなシリアル・インタフェースを使用してプリンタに対するインタフェースを提供してもよい。
【0050】
処理ユニットはまた1つまたは複数のネットワーク・インタフェースを含み、当該インタフェースは、様々なネットワークにアクセスするための、イーサネット・ケーブル等のような有線リンクおよび/またはノードもしくは無線リンクを含んでもよい。当該ネットワーク・インタフェースにより、処理ユニットはネットワークを介してリモート・ユニットと通信することができる。例えば、当該ネットワーク・インタフェースが、1つまたは複数の送信器/送信アンテナおよび1つまたは複数の受信器/受信アンテナを介して無線通信を提供してもよい。1実施形態では、処理ユニットは、他の処理ユニット、インターネット、リモート記憶設備等のようなリモート装置とデータ処理および通信するためのローカル・エリア・ネットワークまたは広域ネットワークに接続される。
【0051】
非特許文献1は本願の主題に関連するものである。当該文献は引用により全体として本明細書に組み込まれる。
【0052】
例示的な実施形態を参照して本発明を説明したが、当該説明は限定的な意味として解釈するものではない。当該例示的な実施形態の様々な修正および組合せならびに本発明の他の実施形態は、本明細書を参照すれば当業者には明らかであろう。したがって、添付の特許請求の範囲は任意のかかる修正または実施形態を包含することを意図している。
【符号の説明】
【0053】
106 ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6
図7
図8
図9
図10
図11