【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の特徴は、
ルーフパネルの側部に接合されるルーフサイドレールインナパネルにアシスタントグリップが支持ブラケットを介して取り付けられているアシスタントグリップの取り付け構造であって、
前記支持ブラケットは、前記アシスタントグリップが取り付けられる取り付け面部と、
前記ルーフサイドレールインナパネルに取り付けられる脚部とを備え、
前記脚部は、前記取り付け面部の車両前方側の端部に連設された前側脚部と、
前記取り付け面部の車両後方側の端部に連設された後側脚部と、
前記取り付け面部の下端部に連設された下側脚部とから成り、
前記下側脚部の先端部から長手方向中間部にわたって下方に膨出する膨出部が前記下側脚部に形成され、
前記前側脚部と後側脚部と下側脚部に、衝撃荷重の入力により容易に変形する易変形部が設けられて
いて、
前記支持ブラケットの下方には車両前後方向に沿ってエアバッグが配置されている点にある。(請求項1)
【0007】
この構成によれば、使用中のアシスタントグリップに加わる荷重を、前側脚部と後側脚部と下側脚部により3点支持することができる。また、前記下側脚部の先端部から長手方向中間部にわたって下方に膨出する膨出部が下側脚部に形成されているから、下側脚部の強度を向上させることができる。これにより、使用中のアシスタントグリップに加わる荷重を充分に支持することができて、使用中のアシスタントグリップの支持強度を向上させることができる。
そして、アシスタントグリップに衝撃荷重が加わった場合、衝撃荷重の入力により前記前側脚部と後側脚部と下側脚部の易変形部が容易に変形し、衝撃荷重によるエネルギを効果的に吸収することができる。
このように、使用中のアシスタントグリップの支持強度の向上と、衝撃荷重によるエネルギの吸収性能の向上とを両立させることができる。
また、下側脚部の強度を向上させる手段として、前記下側脚部の先端部から長手方向中間部にわたって下方に膨出する膨出部を前記下側脚部に形成してあるから、次の効果を得ることができる。
すなわち、通常、支持ブラケットの下方には、折り畳み状態のエアバッグが車両前後方向に沿って配置される。本発明の上記構成によれば、下側脚部に前記膨出部が形成されている。従って、下側脚部の側縁がエアバッグ側(下方)を向かなくなり、例えば、脚部の側部に、脚部の外側に張り出すフランジを形成して脚部の強度を向上させる従来の技術に比べると、エアバッグが膨張展開した時に下側脚部の側縁にエアバッグが引っ掛かりにくくなる。(請求項1)
【0008】
本発明において、
前記前側脚部と前記取り付け面部を接続する接続部を前記前側脚部と取り付け面部に対して傾斜した傾斜壁状に形成して前記前側脚部の易変形部が構成され、
前記後側脚部と前記取り付け面部を接続する接続部を前記後側脚部と取り付け面部に対して傾斜した傾斜壁状に形成して前記後側脚部の易変形部が構成されていると、次の作用を奏することができる。(請求項2)
【0009】
アシスタントグリップに衝撃荷重が加わった場合に前記前側脚部の易変形部と後側脚部の易変形部を容易に変形させることができる。また、前記前側脚部の易変形部と後側脚部の易変形部を容易に製作することができる。(請求項2)
【0010】
本発明において、
前記下側脚部の基端部を非膨出部に形成して前記下側脚部の易変形部が構成されていると、次の作用を奏することができる。(請求項3)
【0011】
アシスタントグリップに衝撃荷重が加わった場合に前記前側脚部の易変形部と後側脚部の易変形部を容易に変形させることができる。(請求項3)
【0012】
本発明において、
前記取り付け面部の車両前方側の端部と車両後方側の端部と下端部に、前記ルーフサイドレールインナパネル側に張り出す前側フランジと後側フランジと下側フランジとが連続して設けられ、
前記前側フランジと後側フランジと下側フランジに囲まれる前記取り付け面部の裏側空間は上方に開放していると、次の作用を奏することができる。(請求項4)
【0013】
前記取り付け面部の車両前方側の端部と車両後方側の端部と下端部に、前記ルーフサイドレールインナパネル側に張り出す前側フランジと後側フランジと下側フランジとが連続して設けられているから、前記取り付け面部の剛性を向上させることができる。
また、前記取り付け面部の上端部にはフランジが設けられることなく、前記前側フランジと後側フランジと下側フランジに囲まれる前記取り付け面部の裏側空間は上方に開放しているから、取り付け面部の剛性が向上しすぎることを防止することができる。その結果、アシスタントグリップに衝撃荷重が加わった場合に前記取り付け面部を変形させやすくすることができる。また、前記取り付け面部の上端部にフランジが設けられていないことで、取り付け面部を容易に成形することができて、成形性を向上させることができる。(請求項4)
【0014】
本発明において、
前記取り付け面部に、前記ルーフサイドレールインナパネル側に凹む凹部が設けられていると、次の作用を奏することができる。(請求項5)
【0015】
前記取り付け面部の上端部にフランジが設けられていないことに起因して、取り付け面部の剛性が弱くなり過ぎることを回避することができる。つまり、前記取り付け面部の剛性を向上させて、アシスタントグリップの取り付け面部への取り付け強度を向上させることができる。(請求項5)