(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
音高がそれぞれ割り当てられていて、演奏者の押離鍵操作によって前端が上下方向に揺動するように鍵支点部にて支持された複数の鍵であって、前記前端から前記鍵支点部までの長さを互いに異ならせた複数の鍵と、
前記複数の鍵の下方に配置され、前記複数の鍵に係合する係合部をそれぞれ有していて、前記複数の鍵の揺動に連動して揺動するようにハンマー支点部にて支持された複数のハンマーであって、前記ハンマー支点部の上下方向及び前後方向の位置を共通とし、かつ離鍵状態における前記係合部の上下方向及び前後方向の位置を共通とした複数のハンマーと、
前記複数の鍵の並び方向にそれぞれ延設されていて、前記複数のハンマーの揺動角度の範囲が共通になるように、前記複数のハンマーの揺動を規制する第1規制部材及び第2規制部材とを備えた電子楽器の鍵盤装置であって、
前記複数の鍵のうちの第1の鍵の前端から前記鍵支点部までの距離を、前記第1の鍵よりも高音部側に位置する第2の鍵の前端から前記鍵支点部までの距離よりも長く設定し、
前記複数の鍵は、それぞれ下方へ延びる駆動部であって、前記複数のハンマーの係合部にそれぞれ係合して前記複数のハンマーをそれぞれ駆動する駆動部を有し、
前記複数の鍵の駆動部の上下方向の長さを共通として、前記複数の鍵の上面であって、前記係合部の上方に位置する部分の押鍵深さの最大値を共通としたことを特徴とする電子楽器の鍵盤装置。
【発明の概要】
【0004】
上記従来の鍵盤装置においては、鍵の揺動を規制するストッパを備えていて、鍵の押鍵深さの最大値が全ての鍵について同じ深さになっている。しかし、ハンマーの回動支点が前後方向にずれているため、割り当てられた音高ごとに、ハンマーの回動角度の範囲が異なる。そのため、ハンマーの揺動によって押されるゴムスイッチの位置及び特性を割り当てられた音高ごとに異ならせておく必要があった。また、離鍵状態及び押鍵状態における各鍵の前端の高さ、各鍵の傾斜角度などを共通にしてアコースティックピアノの外観を模擬するためには、鍵の揺動を規制するストッパの位置及び厚さなどを割り当てられた音高ごとに異ならせておく必要があった。したがって、部品の種類が多く、鍵盤装置の生産性が低かった。
【0005】
本発明は上記問題を解決するためになされたものであり、その目的は、各鍵の支点の位置を前後方向に異ならせてアコースティックピアノの鍵タッチ感及び外観を模擬した鍵盤装置のコストを削減するとともに、生産性を向上させることにある。なお、下記本発明の各構成要件の記載においては、本発明の理解を容易にするために、実施形態の対応箇所の符号を括弧内に記載しているが、本発明の各構成要件は、実施形態の符号によって示された対応箇所の構成に限定解釈されるべきものではない。
【0006】
前記目的を達成するため、本発明の特徴は、音高がそれぞれ割り当てられていて、演奏者の押離鍵操作によって前端が上下方向に揺動するように鍵支点部(Kw,Kb)にて支持された複数の鍵であって、前端から鍵支点部までの長さを互いに異ならせた複数の鍵(11w,11b)と、
前記複数の鍵の下方に配置され、複数の鍵に係合する係合部(Pw1,Pb1)をそれぞれ有していて、複数の鍵の揺動に連動して揺動するようにハンマー支点部(Hw,Hb)にて支持された複数のハンマーであって、ハンマー支点部の上下方向及び前後方向の位置を共通とし、かつ離鍵状態における係合部の上下方向及び前後方向の位置を共通とした複数のハンマーと(16w,16b)、複数の鍵の並び方向にそれぞれ延設されていて、複数のハンマーの揺動角度の範囲が共通になるように、複数のハンマーの揺動を規制する第1規制部材(20)及び第2規制部材(21)とを備えた電子楽器の鍵盤装置であって、
前記複数の鍵のうちの第1の鍵の前端から前記鍵支点部までの距離を、前記第1の鍵よりも高音部側に位置する第2の鍵の前端から前記鍵支点部までの距離よりも長く設定し、前記複数の鍵は、それぞれ下方へ延びる駆動部(11w1,11b1)であって、前記複数のハンマーの係合部にそれぞれ係合して前記複数のハンマーをそれぞれ駆動する駆動部を有し、前記複数の鍵の駆動部の上下方向の長さを共通として、前記複数の鍵の上面であって、前記係合部の上方に位置する部分の押鍵深さの最大値を共通とした電子楽器の鍵盤装置としたことにある。
【0007】
この場合、鍵の前端から係合部までの前後方向の距離(Lw1,Lb1)を、前記鍵の前端から前記鍵の鍵支点部までの前後方向の距離(Lw2,Lb2)の30%以内に設定するとよい。
【0008】
上記のように構成した鍵盤装置によれば、複数のハンマーの揺動角度の範囲が共通であるので、白鍵及び黒鍵において、対応するハンマーとの係合部付近の押鍵深さの最大値も共通である。とくに、係合部を鍵の前端に近い位置に設ければ、鍵の前端の押鍵深さの最大値もほぼ共通であるので、演奏し易い。
【0009】
また、複数のハンマーの離鍵状態における係合部の前後方向及び上下方向の位置が共通である。したがって、鍵の組み付けにおいて、複数の鍵を各ハンマーに同時に係合させ易い。すなわち、鍵を組み付ける際の作業性を向上させることができる。また、上記のように、ハンマー支点部の位置が共通である(すなわち、ハンマーの揺動中心が同一軸線上に位置する)ので、第1規制部材及び第2規制部材を鍵の並び方向に延設しておけば、複数のハンマーと、第1規制部材及び第2規制部材との当接部の上下方向及び前後方向の位置を共通にできる。すなわち、第1規制部材及び第2規制部材は、複数のハンマーの揺動を規制するので、ハンマーごとに規制部材を設ける場合に比べて、部品点数を削減することができ、鍵盤装置のコストを削減できる。
【0010】
また、本発明の他の特徴は、複数の鍵の揺動に関する物理量をそれぞれ検出する複数の鍵動作検出手段(SW1)を、複数の鍵の並び方向に平行に並設したことにある。この場合、鍵の前端から前記鍵にそれぞれ対応する鍵動作検出手段までの前後方向の距離(Lw3,Lb3)を、前記鍵の前端から前記鍵の鍵支点部までの前後方向の距離(Lw2,Lb2)の30%以内に設定するとよい。
【0011】
上記のように、係合部付近の押鍵深さの最大値が共通であるので、全ての鍵動作検出手段の特性を同一とした状態で、鍵動作検出手段を鍵の並び方向(左右方向)に並設しておけば、鍵動作検出手段の出力と押鍵深さとの関係を、全ての鍵動作検出手段においてほぼ統一することができる。とくに、鍵動作検出手段を、係合部付近にて並設しておけば、鍵動作検出手段の出力と押鍵深さとの関係を、全ての鍵動作検出手段においてほとんど一致させることができる。したがって、部品の種類を削減して、鍵盤装置のコストを削減できるだけでなく、鍵盤装置が適用される電子楽器において、各鍵の押鍵深さを同様の処理によって検出できる。
【0012】
また、本発明の他の特徴は、複数のハンマーの揺動に関する物理量をそれぞれ検出する複数のハンマー動作検出手段(SW2)を、前記複数の鍵の並び方向に平行に並設したことにある。
【0013】
上記のように、複数のハンマーの揺動角度の範囲が共通であるので、全てのハンマー動作検出手段の特性を同一とした状態で、ハンマー動作検出手段を左右方向に並設しておけば、ハンマー動作検出手段の出力とハンマーの揺動角度との関係を、全てのハンマー動作検出手段において統一することができる。したがって、部品の種類を削減して、鍵盤装置のコストを削減できるだけでなく、鍵盤装置が適用される電子楽器において、各ハンマーの揺動角度を同様の処理によって検出できる。
【0014】
また、本発明の他の特徴は、複数のハンマーをそれぞれ駆動する複数のハンマー駆動手段(SD1〜SD3)を、複数の鍵の並び方向に平行に並設したことにある。上記のように、複数のハンマーの揺動角度の範囲が共通であるので、全てのハンマー駆動手段の特性を同一とした状態で、ハンマー駆動手段を左右方向に並設しておけば、複数のハンマー駆動手段に供給する駆動信号も共通にできる。すなわち、駆動信号をハンマーごとに調整する必要が無い。また、部品の種類を削減できるので、鍵盤装置のコストを削減できる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の一実施形態について図面を用いて説明する。以下の説明では、演奏者に近い側を「前側」とし、演奏者から遠い側を「後側」とする。また、高音部側を「右側」とし、低音部側を「左側」とする。
【0017】
この鍵盤装置は、
図1乃至
図3に示すように、複数の白鍵11w及び複数の黒鍵11bを有している。この複数の白鍵11w及び複数の黒鍵11bには、互いに異なる音高がそれぞれ割り当てられている。本実施形態においては、白鍵11wには、「C3」、「D3」・・・「C6」のうちのいずれか1つの音高がそれぞれ割り当てられており、黒鍵11bには、「C#3」、「D#3」・・・「B#5」のうちのいずれか1つの音高がそれぞれ割り当てられている。白鍵11w及び黒鍵11bは、それぞれ合成樹脂によって長尺状に一体成型されている。低音部の白鍵11wから高音部の白鍵11wに向かうに従って、白鍵11wの長さを徐々に短くし、低音部の黒鍵11bから高音部の黒鍵11bに向かうに従って、黒鍵11bの長さを徐々に短くしている。なお、黒鍵11bの後端の位置は、隣り合う白鍵11wの後端よりも後方に位置している。
【0018】
割り当てられた音高が異なる白鍵11wは、前後方向の長さが異なっているが、他の構成は同様である。また、割り当てられた音高が異なる黒鍵11bは、前後方向の長さが異なっているが、他の構成は同様である。白鍵11wは、黒鍵11bに比べて、上下方向の幅が小さく、左右方向の幅が大きい。白鍵11w及び黒鍵11bは、前後方向に延設された薄肉の上壁及び上壁の左右端からそれぞれ下方へ延設された薄肉の側壁を有し、下方に開放した中空状に形成されている。また、白鍵11w及び黒鍵11bの側壁の後部には、それぞれ対向する貫通孔Kw及び貫通孔Kbが設けられている。貫通孔Kw及び貫通孔Kbから、それぞれの鍵の後端までの距離は、全ての鍵について同一である。そして、白鍵11w及び黒鍵11bは、貫通孔Kw及び貫通孔Kbにて、後述する鍵フレーム12の鍵支持部13w及び鍵支持部13bによって支持されている。
【0019】
鍵フレーム12は、前後方向及び左右方向に延設された上板部12aを有する。上板部12aの低音部側の前端と高音部側の前端の位置は同一であるが、低音部側の後端は、高音部側の後端よりも後方に位置している。また、鍵フレーム12は、上板部12aの前端から下方へ垂直に延設された前板部12b、前板部12bの下端から前方へ水平に延設された底板部12c、底板部12cの前端から上方へ垂直に延設された前板部12dを有する。また、鍵フレーム12は、上板部12aの後端から下方へ垂直に延設された後板部12e及び後板部12eの下端から後方へ水平に延設された底板部12fを有する。底板部12cの下面の高さと底板部12fの下面の高さは同じであり、底板部12cの下面と底板部12fの下面を電子楽器のフレームFRに当接させて固定することにより、この鍵盤装置が、電子楽器のフレームFRに支持される。上記の鍵支持部13w及び鍵支持部13bは、上板部12aの上面から上方へ突出するように形成されている。鍵支持部13bは、隣り合う鍵支持部13wよりも後方に位置している。鍵支持部13w及び鍵支持部13bは、それぞれ対向する2枚の板状に形成されていて、内側に対向する突出部13w1及び突出部13b1をそれぞれ備えている。突出部13w1及び突出部13b1は、貫通孔Kw及び貫通孔Kbに嵌合している。これにより、白鍵11w及び黒鍵11bは、突出部13w1及び突出部13b1回りに回転可能にそれぞれ支持され、前端部が上下方向に揺動可能となっている。
【0020】
また、白鍵11wの中間部から下方へ向かって駆動部11w1が延設されている。駆動部11w1は、上下に延設された薄肉の前壁及び前壁の左右端からそれぞれ後方へ延設された薄肉の側壁を有し、後方に開放した中空状に形成されている。駆動部11w1の下端は下端壁により閉じている。一方、黒鍵11bも白鍵11wと同様の駆動部11b1を有する。ただし、黒鍵11bは、離鍵状態において白鍵11wの上面よりも上方に突出した部分(以下、黒鍵11bの見え掛り部という。)の前端から下方へ延設された後、僅かに前方へ湾曲させられた連結部を有し、この連結部の先端に、駆動部11b1の上端が接続されている。
【0021】
白鍵11wの前端から駆動部11w1までの前後方向の距離Lw1は、最高音の白鍵11w(すなわち、複数の白鍵11wのうちで最も短い鍵)の前端から貫通孔Kwまでの距離Lw2の30%以内である。距離Lw1は、全ての白鍵11wについて共通である。また、黒鍵11bの見え掛り部の前端から駆動部11b1までの前後方向の距離Lb1は、最高音の黒鍵11b(すなわち、複数の黒鍵11bのうちで最も短い鍵)の見え掛り部の前端から貫通孔Kbまでの距離Lb2の30%以内である。距離Lb1は、全ての黒鍵11bについて共通である。そして、白鍵11w及び黒鍵11bの離鍵状態において、駆動部11w1と駆動部11b1の前後方向の位置は同一であり、駆動部11w1と駆動部11b1の下端壁の上下方向の位置も同一である。すなわち、駆動部11w1及び駆動部11b1は、黒鍵11bの見え掛り部の前端よりも前方に位置しており、駆動部11w1及び駆動部11b1は、左右方向に並設されている。言い換えれば、離鍵状態において、駆動部11w1及び駆動部11b1の前後方向及び上下方向の位置が同一である。
【0022】
前板部12bと前板部12dとの間に設けられた上方に開口した開口部内にて、駆動部11w1及び駆動部11b1の下端部が、ハンマー16w及びハンマー16bの前端部にそれぞれ係合している。離鍵状態において、駆動部11w1及び駆動部11b1の下端部と、ハンマー16w及びハンマー16bの前端部との当接部Pw1及び当接部Pb1は、左右方向(鍵の並び方向に平行な方向)に延びる同一直線上に位置している。
【0023】
ハンマー16wは、合成樹脂製の基部16w1と、金属製の連結棒16w2及び質量体16w3とからなる。ハンマー16bは、ハンマー16wと同様に、基部16b1、連結棒16b2及び質量体16b3からなる。基部16w1及び基部16b1は、板状の部材であって、右側面から左側面に貫通する貫通孔Hw及び貫通孔Hbをそれぞれ有する。上板部12aの下面には、下方に突出するようにして、ハンマー支持部18w及びハンマー支持部18bが形成されている。ハンマー支持部18w及びハンマー支持部18bは、それぞれ対向する2枚の板状に形成されていて、それぞれ内側に対向する突出部18w1及び突出部18b1を備えている。前記突出部18w1及び突出部18b1は、貫通孔Hw及び貫通孔Hbにそれぞれ嵌合している。これにより、基部16w1及び基部16b1は、突出部18w1及び突出部18b1回りに回転可能に支持されている。すなわち、ハンマー16w及びハンマー16bは、前端部及び後端部が上下方向に揺動可能に支持されている。ハンマー支持部18wとハンマー支持部18bの前後方向及び上下方向の位置は全てのハンマーについて同一である。すなわち、複数のハンマー支持部18w及びハンマー支持部18bが、左右方向に並設されていて、ハンマー16w及びハンマー16bの揺動中心の前後方向及び上下方向の位置は、全てのハンマー16w及びハンマー16bについて同一である。言い換えれば、ハンマー16w及びハンマー16bの揺動中心は、左右方向に延びる同一直線上に位置している。
【0024】
また、基部16w1は、前端部に上下一対の脚部Fw1及び脚部Fw2を備え、上側に位置する脚部Fw1は下側に位置する脚部Fw2より短く形成されている。基部16b1も、基部16w1と同様に、前端部に上下一対の脚部Fb1及び脚部Fb2を備えている。前板部12bには、ハンマー16w及びハンマー16bごとに、上下方向に長いスリット状の開口部12b1が設けられている。各ハンマー16w及びハンマー16bの前端部は、開口部12b1を通って、前板部12bよりも前方に突出している。脚部Fw1と脚部Fw2の間には、駆動部11w1の下端壁が侵入しており、脚部Fb1と脚部Fb2の間には、駆動部11b1の下端壁が侵入している。脚部Fw1及び脚部Fb1は、それぞれ、駆動部11w1及び駆動部11b1の下端壁と、駆動部11w1及び駆動部11b1内であって、それぞれの下端壁との間に隙間を形成する中間壁との間に侵入している。駆動部11w1及び駆動部11b1の下端壁には、ゴム、ウレタン、フエルトなどの衝撃吸収材が嵌め込まれて固着されている。この衝撃吸収材は、駆動部11w1と脚部Fw2の上面との衝突、駆動部11b1の下端と脚部Fb2の上面との衝突、駆動部11w1の下端と脚部Fw1の下面との衝突、及び駆動部11b1の下端と脚部Fb1の下面との衝突による衝撃をそれぞれ緩和している。
【0025】
基部16w1及び基部16b1の後端部に、連結棒16w2及び連結棒16b2の前端部がそれぞれ組み付けられている。連結棒16w2及び連結棒16b2は、それぞれ後方へ延設されている。連結棒16w2と連結棒16b2の後端の前後方向の位置は同一である。そして、連結棒16w2及び連結棒16b2の後端には、次に説明する質量体16w3及び質量体16b3が組み付けられている。
【0026】
上記のように、割り当てられた音高によって、鍵の支点の位置が異なる。したがって、白鍵11wの揺動中心から脚部Fw2における駆動部11w1との当接部Pw1までの距離は、割り当てられた音高によって異なる。また、黒鍵11bの揺動中心から脚部Fb2における駆動部11b1との当接部Pb1までの距離も、割り当てられた音高によって異なる。さらに、白鍵11wにおいては、押離鍵操作される可能性のある位置の前端である押離鍵操作位置W0が当接部Pw1よりも前方に位置するのに対して、黒鍵11bにおいては、押離鍵操作される可能性のある位置の前端である押離鍵操作位置B0が当接部Pb1の後方に位置している。したがって、全てのハンマーについて質量体の質量が同一であれば、てこの原理によって、押離鍵操作位置W0,B0においては、低音部よりも中音部の鍵タッチ感が重く、中音部よりも高音部の鍵タッチ感がさらに重い。
【0027】
また、この場合、各音域における白鍵11wと黒鍵11bの鍵タッチ感が統一されない。すなわち、鍵11bの鍵タッチ感は隣り合う2つの白鍵11wの鍵タッチ感に比べて重い。そこで、
図4に示すように、質量体16w3及び質量体16b3の質量を鍵ごとに調整している。すなわち、音高順に質量体16w3及び質量体16b3の質量を表した特性曲線図において、質量体16w3の特性曲線と質量体16b3の特性曲線が右下がりの平行な曲線であって、質量体16b3の特性曲線が質量体16w3の特性曲線の下側に位置するように、質量体16w3及び質量体16b3の質量を調整している。これにより、
図5に一点鎖線で示すように、押離鍵操作位置W0,B0における鍵タッチ感を、低音から高音へ向かうに従って徐々に軽くしている。したがって、
図5に破線で示すように、押離鍵操作位置W0,B0からそれぞれ距離dだけ後方に位置する押離鍵操作位置W1,B1における鍵タッチ感も、低音から高音へ向かうに従って徐々に軽くなっている。ただし、割り当てられた音高が高い鍵ほど鍵の長さが短いので、押離鍵操作位置W0,B0における鍵タッチ感と、押離鍵操作位置W1,B1における鍵タッチ感との差は、低音から高音に向かうに従って大きくなる。すなわち、押離鍵操作位置の前後方向の違いによる鍵タッチ感の違いは、低音部において小さく、中音部において中程度であり、高音部において大きい。
【0028】
白鍵11w及び黒鍵11bの離鍵時には、ハンマー16w及びハンマーの16bの自重により、ハンマー16w及びハンマー16bの前端部がそれぞれ上方へ変位する。このとき、脚部Fw2及び脚部Fb2により駆動部11w1及び駆動部11b1がそれぞれ上方へ付勢され、白鍵11w及び黒鍵11bの前端部はそれぞれ上方へ変位する。一方、白鍵11w及び黒鍵11bの押鍵時には、駆動部11w1及び駆動部11b1の下端面が脚部Fw2及び脚部Fb2の上面をそれぞれ押圧し、ハンマー16w及びハンマー16bの前端部がそれぞれ下方へ変位する。
【0029】
鍵フレーム12には、押鍵時にハンマー16w及びハンマー16bの質量体16w1及び質量体16b1の上面に当接して、ハンマー16w及びハンマー16bの後端部の上方への変位を規制することにより、白鍵11w及び黒鍵11bの前端部の下方への変位を規制する下限ストッパ20が設けられている。下限ストッパ20は、ストッパレール20a及び緩衝材20bからなる。ストッパレール20aは、上板部12aの中間部の下面から下方へ突出していて、左右方向に延設されていて、ハンマー16w及びハンマー16bの質量体16w3及び質量体16b3の上方に位置している。また、ストッパレール20aの各ハンマーとの当接部における前板部12aの下面からの突出量は左右方向に一定である。そして、ストッパレール20aの下端面に緩衝材20bが固着されている。緩衝材20bは、ゴム、フエルトなどの衝撃吸収材によって構成した長尺状の部材である。緩衝材20bは、一端から他端に至るまで断面形状が同一である。
【0030】
また、フレームFRの中間部には、離鍵時に、ハンマー16w及びハンマー16bの質量体16w1及び質量体16b1の下面に当接して、ハンマー16w及びハンマー16bの後端部の下方への変位を規制することにより、白鍵11w及び黒鍵11bの前端部の上方への変位を規制する上限ストッパ21が設けられている。上限ストッパ21は、下限ストッパ20と同様に、ストッパレール21a及び緩衝材21bからなる。すなわち、ストッパレール21aも左右方向に延設されていて、フレームFRからの突出量は、左右方向に一定である。そして、ストッパレール21aの上面に緩衝材21bが固着されている。緩衝材21bも、緩衝材20bと同様に、一端から他端に至るまで断面形状が同一である。また、ストッパレール20a及びストッパレール21aは、左右方向に連続的に延設されていてもよいし、断続的に延設されていてもよい。また、ストッパレール20a及びストッパレール21aは、それぞれ上板部12a及びフレームFRと一体的に設けられていてもよいし、別部品として構成されていて、それぞれ上板部12a及びフレームFRに組み付けられるようにしてもよい。
【0031】
また、白鍵11w及び黒鍵11bの中間部の下面には、スイッチ駆動部AC1が設けられている。スイッチ駆動部AC1は、白鍵11w及び黒鍵11bの内部にて上下方向に延設された板状の部分であり、スイッチ駆動部AC1の下端面が、スイッチSW1の上面に当接している。スイッチSW1は、鍵ごとに設けられ、鍵によって押圧されて、各鍵の押離鍵状態を検出する。すなわち、スイッチSW1は、鍵によって押圧されると、ゴム製の本体部が変形して、回路基板23上に形成された2つの接点を短絡することにより、OFF状態からON状態に変化する。回路基板23は、左右方向に延設されている。回路基板23には、上面から下面に貫通した貫通孔が設けられている。この貫通孔は、上板部12aの上面に一体的に形成されたボス24に対応している。この貫通孔にねじを通してボス24にねじ込むことにより、回路基板23が、鍵フレーム12に固定される。各鍵にそれぞれ対応した複数のスイッチSW1の前記本体部が、回路基板23の上面に左右方向に並設されている。白鍵11w用のスイッチSW1と黒鍵11b用のスイッチSW1の前後方向の位置が同一である。白鍵11wの前端からスイッチSW1までの前後方向の距離Lw3が、最高音の白鍵11wの前端から貫通孔Kwまでの距離Lw2の30%以内であり、かつ黒鍵11bの見え掛り部の前端からスイッチSW1までの前後方向の距離Lb3が、最高音の黒鍵11bの見え掛り部の前端から貫通孔Kbまでの距離Lb2の30%以内である。なお、白鍵11w用のスイッチSW1と黒鍵11b用のスイッチSW1をそれぞれ左右方向に並設しておき、両者の前後方向の位置をずらしてもよい。
【0032】
また、前板部12dの上端面から上方に突出するようにして、白鍵11wの揺動をガイドするための鍵ガイド25wが形成されている。鍵ガイド25wは、白鍵11wに下方から侵入しており、押離鍵時に鍵ガイド25wの側面と白鍵11wの側壁の内側の面が摺接するようになっている。これにより、押離鍵時の白鍵11wの左右方向の微少な変位を抑制している。
【0033】
また、上板部12aの前端部の上面から上方に突出するようにして、黒鍵11bの揺動をガイドするための鍵ガイド25bが形成されている。鍵ガイド25bは、黒鍵11bに下方から侵入しており、押離鍵時に鍵ガイド25bの側面と黒鍵11bの側壁の内側の面が摺接するようになっている。これにより、押離鍵時の黒鍵11bの左右方向の微少な変位を抑制している。
【0034】
上記のように構成した鍵盤装置においては、ハンマー16w及びハンマー16bにおける、質量体16w3及び質量体16b3を除く部分の部品を全てのハンマー16w及びハンマー16bについて共通とした。したがって、部品の種類を削減できるので、鍵盤装置のコストを削減できる。また、全てのハンマーの揺動中心の前後方向及び上下方向の位置を同一とし、上限ストッパ21及び下限ストッパ20の前後方向及び上下方向の位置も全てのハンマーについて同一とした。したがって、上限ストッパ21及び下限ストッパ20を簡単に組み付けることができる。また、ハンマーごとにストッパを設ける場合に比べて、部品点数を削減でき、鍵盤装置のコストを削減できる。また、上記のように、全てのハンマーの揺動中心、上限ストッパ21及び下限ストッパ20の前後方向及び上下方向の位置を同一にしたことにより、全てのハンマーの揺動角度の範囲を同一とすることができる。
【0035】
また、本実施形態においては、白鍵11wを鍵フレーム12に組み付ける際には、脚部Fw1と脚部Fw2の間に、駆動部11w1の下端壁を侵入させる必要がある。また、黒鍵11bを鍵フレーム12に組み付ける際には、脚部Fb1と脚部Fb2の間に、駆動部11b1の下端壁を侵入させる必要がある。本実施形態においては、離鍵状態における、当接部Pw1及び当接部Pb1の前後方向の位置及び上下方向の位置を全ての鍵及びハンマーについて同一としたので、複数の白鍵11w及び複数の黒鍵11bの駆動部11w1及び駆動部11b1の下端壁を同時に脚部の間に侵入させ易い。すなわち、複数の鍵をまとめて組み付けることができるので、鍵を鍵フレーム12に組み付ける作業の作業性を向上させることができる。
【0036】
また、上記のように、全てのハンマーの揺動角度の範囲が同一であるので、当接部Pw1及び当接部Pb1の揺動範囲は、全ての鍵について同一である。本実施形態においては、距離Lw1及び距離Lb1を、距離Lw2及び距離Lb2に比べて十分に小さくした。したがって、鍵の前端の押鍵深さの最大値も、全ての鍵についてほぼ同一であるので、演奏し易い。
【0037】
また、各鍵にそれぞれ対応した複数のスイッチSW1を左右方向に並設した。上記のように、全ての鍵について、鍵の前端の押鍵深さの最大値がほぼ同一であるので、鍵の前端に近い位置にて、スイッチSW1を左右方向に並設しておけば、スイッチSW1のON/OFF状態が切り替わるときの押鍵深さもほぼ同一である。したがって、全てのスイッチSW1の特性を同一とすることができる。すなわち、部品の種類を削減して、鍵盤装置のコストを削減できるだけでなく、この鍵盤装置が適用される電子楽器において、各鍵の押離鍵状態を同様の処理によって検出できる。また、複数のスイッチSW1の接点部を含む回路基板23を左右方向に延設したので、スイッチSW1を鍵ごとに組み付ける場合に比べて、組み付け作業の作業性を向上させることができる。
【0038】
さらに、本発明の実施にあたっては、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
【0039】
例えば、上記実施形態おいては、スイッチSW1を、駆動部11w1,11b1の後方に設けたが、駆動部11w1,11b1の前方に設けてもよい。この場合、例えば、前板部12dの上端部から前方又は後方へ延設された水平部を設け、この水平部に、回路基板23を組み付ければよい。そして、スイッチ駆動部AC1を、駆動部11w,11b1の前方かつスイッチSW1の上方に設ければよい。このように構成しても、上記実施形態と同様の効果が得られる。なお、スイッチSW1に代えて、又は加えて、光センサ、磁気センサ、静電容量センサ、感圧センサなどを用いて、鍵の押離鍵状態を検出してもよい。
【0040】
また、上記実施形態においては、ハンマー16w及びハンマー16bの揺動中心をそれらの中間部に設けた。そして、白鍵11w及び黒鍵11bとハンマー16w及びハンマー16bとの係合部を、ハンマー16w及びハンマー16bの前端部にそれぞれ設けた。しかし、各ハンマーの揺動中心及び係合部の位置は、上記実施形態に限られない。例えば、揺動中心をハンマー16w及びハンマー16bの後端部にそれぞれ設けてもよい。そして、係合部をハンマー16w及びハンマー16bの中間部に設け、ハンマー16w及びハンマー16bの前端部に質量体16w3及び質量体16b3をそれぞれ設ければよい。この場合、離鍵時において、バネ、ゴムなどの弾性体によって、ハンマー16w及びハンマー16bの前端部を上方へ付勢しておく。この場合も、各ハンマーの揺動中心及び係合部を左右方向に並設し、ハンマー16w及びハンマー16bの揺動を規制するストッパを左右方向に延設すればよい。上記のように、ハンマー16w及びハンマー16bの後端部を中心として、前端部が上下方向に揺動するように構成しても、上記実施形態と同様の効果が得られる。
【0041】
また、例えば、上記実施形態及においては、質量体16w3及び質量体16b3を連結棒16w2及び連結棒16b2の後端に組み付けているが、質量体16w3及び質量体16b3を組み付けるのではなく、連結棒16w2及び連結棒16b2の先端を前側に折り返すことにより、ハンマー16w及びハンマー16bの後端に質量を集中させるようにしてもよい。そして、折り返す部分の長さを調整することにより、ハンマー16w及びハンマー16bの後端部の質量を調整すればよい。
【0042】
また、例えば、上記実施形態においては、各鍵によって押圧されて、各鍵の押離鍵状態を検出するスイッチSW1を設けたが、これに代えて、
図6及び
図7に示すように、ハンマー16w及びハンマー16bによってそれぞれ押圧されて、各鍵の押離鍵状態を検出するスイッチSW2を設けてもよい。この場合、上板部12aの下面にて、回路基板23と同様の回路基板26を左右方向に延設すればよい。すなわち、上板部12aの下面に、ボス27を設けておき、ボス27に回路基板26を組み付ければよい。そして、回路基板26の下面に、各ハンマーに対応した複数のスイッチSW2を左右方向に並設すればよい。また、連結棒16w2及び連結棒16b2の中間部の上面に、スイッチSW2を押圧する凸状のスイッチ駆動部AC2をそれぞれ設ければよい。他の構成は、上記実施形態と同様であるので、説明を省略する。なお、上記実施形態に加えて、スイッチSW2を設けてもよい。
【0043】
上記のように、全てのハンマーの揺動角度の範囲が同一であるので、スイッチSW2を左右方向に並設しておけば、スイッチSW2のON/OFF状態が切り替わるときのハンマーの揺動角度が、全てのハンマーについて同一である。したがって、全てのスイッチSW2の特性を同一とすることができる。すなわち、部品の種類を削減して、鍵盤装置のコストを削減できるだけでなく、この鍵盤装置が適用される電子楽器において、各ハンマーの揺動角度を同様の処理によって検出できる。また、複数のスイッチSW2の接点部を含む回路基板26を左右方向に延設したので、スイッチSW2をハンマーごと組み付ける場合に比べて、組み付け作業の作業性を向上させることができる。
【0044】
また、例えば、
図8及び
図9に示すように、上記実施形態又は上記変形例に加えて、ハンマー16w及びハンマー16bを駆動する駆動装置(例えば、ソレノイドSD1〜SD3)を設けてもよい。例えば、ソレノイドSD1は、連結棒16w2及び連結棒16b2の下方にて、左右方向に並設されていて、この鍵盤装置が適用される電子楽器が備えるコントローラによって制御されて、プランジャが上下方向に移動する。このプランジャによって、ハンマー16w及びハンマー16bの後端部を上下方向にそれぞれ移動させることにより、白鍵11w及び黒鍵11bを押離鍵動作させる。
【0045】
また、ソレノイドSD2は、上板部12aの前後方向の中間部の下面から下方向かつ左右方向に延設された垂直板部12gの前面にて、左右方向に並設されていて、前記コントローラによって制御されて、プランジャが前後方向に移動する。押鍵時には、プランジャを前方へ突出させて、質量体16w3及び質量体16b3の後端面に軽く衝突させる。一方、離鍵時には、プランジャを後方へ後退させて、質量体16w3及び質量体16b3に衝突させない。これにより、アコースティックピアノの鍵を押鍵したときに感じるクリック感を模擬している。
【0046】
また、ソレノイドSD3は、上板部12aの下面にて、左右方向に並設されていて、前記コントローラによって制御されて、プランジャが上下方向に移動する。押鍵時においては、プランジャを上方へ後退させておき、離鍵開始時にプランジャを下方へ突出させて、質量体16w3及び質量体16b3の上面を下方へ押すことにより、離鍵動作を速く終了させる。なお、ソレノイドSD1〜SD3のうちのいずれか1つ又は2つを設けるだけでもよい。
【0047】
上記のように、全てのハンマーの揺動角度の範囲が同一であるので、ソレノイドSD1を左右方向に並設しておき、複数のソレノイドSD1のプランジャの突出量を同一にするよう制御すれば、複数のハンマーの揺動角度を同一にして、前記複数のハンマーに係合する鍵の押鍵深さを同一にすることができる。したがって、全てのソレノイドSD1の特性を同一にできる。すなわち、割り当てられた音高に応じてソレノイドSD1の特性を異ならせる必要が無く、部品の種類を削減できるので、鍵盤装置のコストを削減できる。
【0048】
ソレノイドSD2についても、上記のようにソレノイドSD2を左右方向に並設しておき、複数のソレノイドSD2のプランジャの突出量を同一にするよう制御すれば、前記複数のソレノイドSD2に対応する鍵のクリック感を同一に設定することができる。したがって、全てのソレノイドSD2の特性を同一にできる。すなわち、割り当てられた音高に応じてソレノイドSD2の特性を異ならせる必要が無く、部品の種類を削減できるので、鍵盤装置のコストを削減できる。
【0049】
また、ソレノイドSD3についても、上記のように左右方向に並設しておき、離鍵時において、複数のソレノイドSD3の駆動力を同一にするよう制御すれば、前記複数のソレノイドSD3に対応する複数の鍵の離鍵動作の速度を同一に設定できる。したがって、全てのソレノイドSD3の特性を同一にできる。すなわち、割り当てられた音高に応じてソレノイドSD3の特性を異ならせる必要が無く、部品の種類を削減できるので、鍵盤装置のコストを削減できる。なお、駆動装置は、ソレノイドに限られず、モータであってもよいし、座屈バネ、シリコンゴムなどの反力を利用する装置であってもよい。また、駆動装置は、ハンマーを制動する装置であってもよいし、ハンマーの駆動力(すなわち、鍵タッチ感)に対抗する粘性抵抗力を付与する装置であってもよい。
【0050】
また、例えば、
図10に示すように、全体の音域を低音部L、中音部M及び高音部Hに分割して、分割した音域ごとに、駆動部の位置、ハンマーの揺動中心の位置、上限ストッパ21及び下限ストッパ20の位置(以下、各部の位置と言う)をそれぞれ統一するようにしてもよい。この場合、各音域のハンマーの前後方向の長さを同一としておくとよい。そして、中音部Mにおける各部の位置を低音部Lにおける各部の位置よりもやや前方にずらすようにし、さらに、高音部Hにおける各部の位置を中音部Mにおける各部の位置よりもやや前方にすらすとよい。これによれば、割り当てられた音高が異なる複数の鍵の押鍵時における傾斜角度を互いに近似させることができる。
【0051】
また、上記実施形態及びその変形例においては、質量体16w3及び質量体16b3の質量を調整して、低音側の鍵から高音側の鍵に向かうに従って、鍵の前端の鍵タッチ感を徐々に軽くしたが、必ずしもこのように構成する必要はなく、各音域における鍵の前端の鍵タッチ感を同一とし、高音域に向かうに従って、音域ごとに段階的に鍵タッチ感が軽くなるようにしてもよい。また、一部の音域においてのみ、音高順に鍵タッチ感が軽くなるようにしてもよいし、全ての鍵について、鍵タッチ感を同一にしてもよい。
【0052】
また、上記実施形態及びその変形例においては、低音部の白鍵11wから高音部の白鍵11wに向かうに従って、白鍵11wの長さを徐々に短くし、低音部の黒鍵11bから高音部の黒鍵11bに向かうに従って、黒鍵11bの長さを徐々に短くした。しかし、必ずしもこのように構成する必要はなく、複数の鍵において、揺動中心の位置を前後方向にずらしておき、それらの鍵に関する前記各部の位置を統一すればよい。例えば、全体の音域を複数の音域に分割し、前記分割した音域に属する鍵の長さを同一(すなわち、鍵の揺動中心の前後方向及び上下方向の位置を同一)としておき、前記分割した音域ごとに鍵の長さを異ならせてもよい。そして、前記分割した複数の音域の前記各部の位置を統一すればよい。これによっても、上記実施形態と同様の効果が得られる。
【0053】
また、上記実施形態及びその変形例においては、ハンマーの前後方向の長さを共通としたが、低音部のハンマーから高音部のハンマーへ向かうに従って、徐々に短くなるようにしてもよい。この場合、低音部から高音部へ向かうハンマーの長さの変化率を一定としておき、下限ストッパ20及び上限ストッパ21を低音部側よりも高音部側が前方に位置するように延設しておけばよい。すなわち、平面視において、下限ストッパ20及び上限ストッパ21を斜めに延設して、各ハンマーの揺動角度の範囲を共通にすればよい。これによっても、ハンマーごとにストッパを設ける場合に比べて、部品点数を削減でき、鍵盤装置のコストを削減できる。