(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記画像形成手段は、前記原稿画像データのうち前記追加画像データに基づく前記追加画像を、前記記録材のうち前記元画像データに対応する前記元画像が形成される領域である枠内領域に形成することを特徴とする請求項1記載の印刷システム。
前記画像形成手段は、前記原稿画像データのうち前記追加画像データに基づく前記追加画像を、前記記録材のうち前記元画像データに対応する前記元画像が形成される領域である枠内領域に形成することを特徴とする請求項6記載の印刷システム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、元画像と元画像とは別個に作成された追加画像とを含む原稿画像を印刷する場合に、記録材に形成された元画像の検査の精度を担保することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の発明は、外部から入力された元画像データ各々に対し、特定の属性を有する追加画像データを作成し、当該元画像データに追加して原稿画像データを作成する追加手段と、前記原稿画像データに基づいて、前記元画像データに対応する元画像と前記追加画像データに対応する追加画像とを含む原稿画像を記録材に形成する画像形成手段と、前記画像形成手段によって前記記録材に形成された画像を読み取って読取画像データを作成する画像読取手段と、前記元画像データと前記読取画像データとの差分をとることにより差分画像データを作成する差分画像作成手段と、前記差分画像データに対し、前記属性に基づいて前記追加画像データに起因する差分を無効化する修正を施して、修正後差分画像データを作成する無効化手段と、前記修正後差分画像データに基づいて、前記画像形成手段によって前記記録材に形成された前記元画像における欠陥を検出する検出手段とを含む印刷システムである。
【0007】
請求項2記載の発明は、前記画像形成手段は、前記原稿画像データのうち前記追加画像データに基づく前記追加画像を、前記記録材のうち前記元画像データに対応する前記元画像が形成される領域である枠内領域に形成することを特徴とする請求項1記載の印刷システムである。
請求項3記載の発明は、前記追加手段は、第1の属性を有する第1追加画像データと、第2の属性を有する第2追加画像データとを、1つの前記元画像データに追加し、前記画像形成手段は、前記原稿画像データのうち、前記第1追加画像データに基づく第1追加画像を前記枠内領域に形成し、前記第2追加画像データに基づく第2追加画像を前記元画像データに対応する前記元画像が形成されない枠外領域に形成し、前記無効化手段は、前記差分画像データのうち、前記枠内領域に存在する前記第1追加画像データに対応する画素の画素値を低減する処理を施し、前記枠外領域に存在するすべての画素の画素値を一律に低減する処理を施すことを特徴とする請求項2記載の印刷システムである。
請求項4記載の発明は、前記追加画像データは、前記枠内領域に特定の周期で分散して配置され、共通の特定の色を有するドットからなるという前記属性を有し、前記無効化手段は、前記差分画像データのうち、前記枠内領域に存在する画素について、前記特定の色を有するドットに対応する画素の画素値を低減する処理を施すことを特徴とする
請求項2記載の印刷システムである。
請求項5記載の発明は、前記特定の色は、イエローであり、前記画像形成手段は、シアン、マゼンタ、イエロー、黒の色材を用いて前記記録材に画像を形成し、前記画像読取手段は、前記記録材に形成された画像を赤、緑、青の色で読み取り、前記無効化手段は、前記差分画像データのうち、青のデータに対して無効化処理を施すことを特徴とする請求項4記載の印刷システムである。
【0008】
請求項6記載の発明は、外部から入力された元画像データ各々に対し、特定の属性を有する追加画像データを作成し、当該元画像データに追加して原稿画像データを作成する追加手段と、前記原稿画像データに基づいて、前記元画像データに対応する元画像と前記追加画像データに対応する追加画像とを含む原稿画像を記録材に形成する画像形成手段と、前記画像形成手段によって前記記録材に形成された画像を読み取って読取画像データを作成する画像読取手段と、前記読取画像データに対し、前記属性に基づいて前記追加画像データに起因する差分を無効化する修正を施して、修正後読取画像データを作成する無効化手段と、前記元画像データと前記修正後読取画像データとの差分をとることにより差分画像データを作成する差分画像作成手段と、前記差分画像データに基づいて、前記画像形成手段によって前記記録材に形成された前記元画像における欠陥を検出する検出手段とを含む印刷システムである。
【0009】
請求項7記載の発明は、前記画像形成手段は、前記原稿画像データのうち前記追加画像データに基づく前記追加画像を、前記記録材のうち前記元画像データに対応する前記元画像が形成される領域である枠内領域に形成することを特徴とする請求項6記載の印刷システムである。
請求項8記載の発明は、前記追加手段は、第1の属性を有する第1追加画像データと、第2の属性を有する第2追加画像データとを、1つの前記元画像データに追加し、前記画像形成手段は、前記原稿画像データのうち、前記第1追加画像データに基づく第1追加画像を前記枠内領域に形成し、前記第2追加画像データに基づく第2追加画像を前記元画像データに対応する前記元画像が形成されない枠外領域に形成し、前記無効化手段は、前記読取画像データのうち、前記枠内領域に存在する前記第1追加画像データに対応する画素の画素値を低減する処理を施し、前記枠外領域に存在するすべての画素の画素値を一律に低減する処理を施すことを特徴とする請求項7記載の印刷システムである。
請求項9記載の発明は、前記追加画像データは、前記枠内領域に特定の周期で分散して配置され、共通の特定の色を有するドットからなるという前記属性を有し、前記無効化手段は、前記読取画像データのうち、前記枠内領域に存在する画素について、前記特定の色を有するドットに対応する画素の画素値を低減する処理を施すことを特徴とする
請求項7記載の印刷システムである。
請求項10記載の発明は、前記特定の色は、イエローであり、前記画像形成手段は、シアン、マゼンタ、イエロー、黒の色材を用いて前記記録材に画像を形成し、前記画像読取手段は、前記記録材に形成された画像を赤、緑、青の色で読み取り、前記無効化手段は、前記読取画像データのうち、青のデータに対して無効化処理を施すことを特徴とする請求項9記載の印刷システムである。
【0010】
請求項11記載の発明は、外部から入力された元画像データ各々に対し、特定の属性を有する追加画像データを作成し、当該元画像データに追加して原稿画像データを作成する追加手段と、前記原稿画像データに基づいて、前記元画像データに対応する元画像と前記追加画像データに対応する追加画像とを含む原稿画像を記録材に形成する画像形成手段と、前記画像形成手段によって前記記録材に形成された画像を読み取って読取画像データを作成する画像読取手段と、前記元画像データと前記読取画像データとの差分をとることにより差分画像データを作成する差分画像作成手段と、前記差分画像データに対し、前記属性に基づいて前記追加画像データに起因する差分を無効化する修正を施して、修正後差分画像データを作成する無効化手段と、前記修正後差分画像データを出力する出力手段とを含む画像形成装置である。
【0011】
請求項12記載の発明は、外部から入力された元画像データ各々に対し、特定の属性を有する追加画像データを作成し、当該元画像データに追加して原稿画像データを作成する追加手段と、前記原稿画像データに基づいて、前記元画像データに対応する元画像と前記追加画像データに対応する追加画像とを含む原稿画像を記録材に形成する画像形成手段と、前記画像形成手段によって前記記録材に形成された画像を読み取って読取画像データを作成する画像読取手段と、前記読取画像データに対し、前記属性に基づいて前記追加画像データに起因する差分を無効化する修正を施して、修正後読取画像データを作成する無効化手段と、前記修正後読取画像データと前記元画像データとを出力する出力手段とを含む画像形成装置である。
【発明の効果】
【0012】
請求項1記載の発明によれば、本構成を有していない場合と比較して、元画像と元画像とは別個に作成された追加画像とを含む原稿画像を印刷する場合に、記録材に形成された元画像の検査の精度を担保することができる。
請求項2記載の発明によれば、本構成を有していない場合と比較して、枠内領域に形成された追加画像に起因する差分を欠陥として検出することを防ぐことができる。
請求項3記載の発明によれば、本構成を有していない場合と比較して、追加画像のうち、元画像が形成される枠内領域に形成されるものについては、元画像を残しつつ取り除くことが可能となり、元画像が形成されない枠外領域に形成されるものについては、確実に取り除くことができる。
請求項4記載の発明によれば、本構成を有しない場合と比較して、元画像が形成される枠内領域に形成される追加画像について、より容易に取り除くことができる。
請求項5記載の発明によれば、本構成を有しない場合と比較して、元画像が形成される枠内領域に形成される追加画像について、より容易に取り除くことができる。
請求項6記載の発明によれば、本構成を有していない場合と比較して、元画像と元画像とは別個に作成された追加画像とを含む原稿画像を印刷する場合に、記録材に形成された元画像の検査の精度を担保することができる。
請求項7記載の発明によれば、本構成を有していない場合と比較して、枠内領域に形成された追加画像に起因する差分を欠陥として検出することを防ぐことができる。
請求項8記載の発明によれば、本構成を有していない場合と比較して、追加画像のうち、元画像が形成される枠内領域に形成されるものについては、元画像を残しつつ取り除くことが可能となり、元画像が形成されない枠外領域に形成されるものについては、確実に取り除くことができる。
請求項9記載の発明によれば、本構成を有しない場合と比較して、元画像が形成される枠内領域に形成される追加画像について、より容易に取り除くことができる。
請求項10記載の発明によれば、本構成を有しない場合と比較して、元画像が形成される枠内領域に形成される追加画像について、より容易に取り除くことができる。
請求項11記載の発明によれば、本構成を有していない場合と比較して、元画像と元画像とは別個に作成された追加画像とを含む原稿画像を印刷する場合に、記録材に形成された元画像の検査の精度を担保することが可能になる。
請求項12記載の発明によれば、本構成を有していない場合と比較して、元画像と元画像とは別個に作成された追加画像とを含む原稿画像を印刷する場合に、記録材に形成された元画像の検査の精度を担保することが可能になる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
<実施の形態1>
図1は、本実施の形態が適用される印刷システムの構成を示す図である。
本実施の形態の印刷システムは、用紙に画像を印刷する印刷装置1と、印刷装置1において印刷すべき画像データ(元画像データ)とその印刷条件とを設定する設定装置2と、印刷装置1によって用紙に印刷された画像(印刷画像)の内容を検査する検査装置3と、これら印刷装置1、設定装置2および検査装置3を相互に接続するネットワーク4とを備えている。
【0015】
図2は、印刷装置1の構成を示す図である。本実施の形態の印刷装置1は、電子写真方式にて画像の印刷を行う、無版式印刷装置である。
この印刷装置1は、所謂タンデム型の構成を有するものであって、電子写真方式により各色成分のトナー像を形成する複数の画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Kを備えている。また、印刷装置1は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などを含んで構成され、印刷装置1を構成する各装置および各部の動作(画像処理を含む)を制御する制御部100を備えている。ここで、複数の画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Kは、それぞれ、イエロー、マゼンタ、シアン、黒の画像を形成する。
【0016】
また、印刷装置1は、各画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Kにて形成された各色成分トナー像が順次転写(一次転写)されるとともにこのトナー像を保持する中間転写ベルト20と、中間転写ベルト20上のトナー像を矩形状に形成された記録材の一例としての用紙Pに一括転写(二次転写)する二次転写装置30とを備えている。
【0017】
ここで、複数の画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Kの各々は、回転可能に取り付けられた感光体ドラム11を備えている。また、画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Kの各々において、感光体ドラム11の周囲には、感光体ドラム11を帯電する帯電装置12、感光体ドラム11を露光して静電潜像を書き込む露光装置13、感光体ドラム11上の静電潜像を対応する色のトナーにより可視像化する現像装置14が設けられている。さらに、画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Kの各々には、感光体ドラム11上に形成された各色成分トナー像を中間転写ベルト20に転写する一次転写装置15、感光体ドラム11上の残留トナーを除去するドラム清掃装置16が設けられている。
【0018】
次に、中間転写ベルト20は、それぞれが回転可能に設けられた3本のロール部材21〜23に掛け渡され、回転するように設けられている。これら3本のロール部材21〜23のうち、ロール部材22は、中間転写ベルト20を駆動する。また、ロール部材23は、中間転写ベルト20を挟んで二次転写ロール31に対向配置されており、これら二次転写ロール31およびロール部材23によって二次転写装置30が構成されている。なお、中間転写ベルト20を挟んでロール部材21と対向する位置には、中間転写ベルト20上の残留トナーを除去するベルト清掃装置24が設けられている。
【0019】
また、印刷装置1には、二次転写装置30に向けて搬送される用紙Pが通過する第1搬送経路R1、二次転写装置30を通過した後の用紙Pが通過する第2搬送経路R2、定着装置50(後述)よりも下流側にて第2搬送経路R2から分岐するとともに第1搬送経路R1の下方まで延び、用紙Pを再び第1搬送経路R1に導く第3搬送経路R3が設けられている。なお、第2搬送経路R2に沿って搬送されてきた用紙Pのうち、第3搬送経路R3に導かれないものは、印刷装置1の外部に排出され、図示しない用紙積載部に積載される。
【0020】
また、印刷装置1は、これら第1搬送経路R1、第2搬送経路R2および第3搬送経路R3に沿って用紙Pを搬送する用紙搬送部40を有している。この用紙搬送部40は、第1搬送経路R1に用紙Pを供給する第1用紙供給装置40Aと、第1用紙供給装置40Aよりも用紙Pの搬送方向における下流側に設けられ、第1搬送経路R1に用紙Pを供給する第2用紙供給装置40Bとを備えている。なお、第1用紙供給装置40Aおよび第2用紙供給装置40Bは同じ構造を有しており、第1用紙供給装置40Aおよび第2用紙供給装置40Bの各々には、用紙Pを収容する用紙収容部41、用紙収容部41に収容された用紙Pを取り出して搬送する取り出しロール42が設けられている。ここで、第1用紙供給装置40Aおよび第2用紙供給装置40Bには、異なるサイズおよび向きや異なる種別の用紙Pが収容され得る。
【0021】
さらに、用紙搬送部40は、第1搬送経路R1、第2搬送経路R2および第3搬送経路R3のそれぞれにおいて用紙Pを挟んで搬送する複数の搬送ロール43を備えている。さらにまた、用紙搬送部40は、第2搬送経路R2において、二次転写装置30を通過した用紙Pを定着装置50側へと搬送するベルト搬送部44を備えている。
【0022】
また、印刷装置1は、第2搬送経路R2上に、二次転写装置30により用紙P上に二次転写された画像をこの用紙Pに定着させる定着装置50をさらに備えている。この定着装置50は、内蔵されたヒータ(不図示)により加熱される加熱ロール50Aと、加熱ロール50Aを押圧する押圧ロール50Bとを有している。そして、この定着装置50では、加熱ロール50Aと押圧ロール50Bとの間を用紙Pが通過することで、用紙Pが加熱および加圧され、用紙P上の画像が用紙Pに定着される。
【0023】
なお、以下の説明においては、上述した画像形成ユニット10Y、10M、10C、10K、中間転写ベルト20、二次転写装置30、用紙搬送部40および定着装置50を、まとめて画像形成部10と呼ぶ。本実施の形態の画像形成部10は、画像形成手段の一例としての機能を有している。
【0024】
本実施の形態の印刷装置1では、第1用紙供給装置40A等から供給された用紙Pの第1面に画像を印刷することができるのに加え、用紙Pの第2面に画像を印刷することができるようになっている。より具体的に説明すると、この印刷装置1では、第1面に画像が転写された後に定着装置50を通過した用紙Pの表裏が、第3搬送経路R3を介して搬送されることで反転され、表裏が反転された用紙Pが再度二次転写装置30へと供給される。そして、二次転写装置30にて用紙Pの第2面に対して画像が転写される。その後、この用紙Pは定着装置50を再び通過し、転写されたこの画像は用紙Pに定着される。これにより、用紙Pの第1面のみならず、第2面にも画像が形成されるようになる。
【0025】
そして、本実施の形態の印刷装置1には、第2搬送経路R2のうち、定着装置50よりも用紙Pの搬送方向下流側であって、第2搬送経路R2と第3搬送経路R3との分岐部よりも用紙Pの搬送方向上流側に、二次転写および定着を経て用紙Pに印刷された画像を読み取る画像読取部70が設けられている。読取手段の一例としての画像読取部70は、二次転写装置30を通過する用紙Pのうち、中間転写ベルト20と対向する側の面、すなわち、直前に画像の二次転写が行われた面の画像を読み取るように構成されている。ここで、画像読取部70は、例えば用紙Pの搬送方向と交差する方向に配置された、赤(R)、緑(G)および青(B)の画像を読み取る3本のラインセンサ(図示せず)を有しており、各ラインセンサは、搬送されてくる用紙Pの一方の面を、1ライン分ずつ読み取るようになっている。ただし、画像読取部70については、これに限られるものではなく、RGB各色を読み取る二次元のエリアセンサで構成してもかまわない。
【0026】
図3は、
図1に示す設定装置2の機能構成を示すブロック図である。本実施の形態の設定装置2は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などを含むコンピュータ装置によって構成されている。ここで、設定装置2は、1回の指示に基づいて1または複数の用紙Pに画像を連続印刷して出力するジョブの実行に際して、印刷装置1に入力するためのデータ処理を行うDFE(Digital Front End)と呼ばれるものである。
この設定装置2は、元画像作成部201と、ユーザインタフェース(UI)202と、送受信部203とを備えている。
【0027】
元画像作成部201は、外部から入力されてくる入力画像データに基づいて、印刷装置1にて解釈が可能な『元画像データ』を作成する。
【0028】
UI202は、上記元画像データに基づく印刷を印刷装置1で実行するにあたって、印刷に要求される各種設定の入力を受け付ける。ここで、UI202を介して受け付ける設定としては、例えば元画像データを定義するための色空間や、元画像データに基づく印刷を実行する際の解像度などが挙げられる。ただし、色空間や解像度の情報が、既に入力画像データに含まれている場合もある。なお、以下の説明においては、元画像データの色空間を『設定色空間』と呼び、元画像データの解像度を『設定解像度』と呼ぶ。この例において、設定色空間はCMYK色空間にて定義される。また、UI202は、ネットワーク4を介して、
図1に示す印刷装置1や検査装置3から送られてきたデータに基づく画像を、図示しないディスプレイに表示する。
【0029】
送受信部203は、
図1に示す印刷装置1や検査装置3との間で、ネットワーク4を介して、各種データの送受信を行う。
【0030】
図4は、本実施の形態における印刷装置1の機能構成を示すブロック図である。
本実施の形態の印刷装置1は、用紙Pに画像を印刷する画像形成部10と、用紙P上の印刷画像を読み取る画像読取部70と、ユーザによる画像形成の実行・中止の指示や追加画像(詳細は後述する)の作成の有無等を受け付けるユーザインタフェース(UI)80と、これら画像形成部10、画像読取部70およびUI80を制御する制御部100とを有している。また、制御部100は、送受信部101と、追加画像作成部102と、画像重畳部103と、照合用元画像作成部104と、画像照合部105と、差分画像修正部106とを備えている。
【0031】
送受信部101は、
図1に示す設定装置2や検査装置3との間で、ネットワーク4を介して、各種データの送受信を行う。
【0032】
追加画像作成部102は、設定装置2から送受信部101を介して入力されてくる元画像データに対応して、この元画像データとともに用紙P上に印刷する『追加画像データ』を作成する。ここで、追加画像作成部102は、追加画像データを作成するに際して、追加画像データの色空間を上述した設定色空間に設定し、追加画像データの解像度を上述した設定解像度に設定する。なお、追加画像データの詳細については後述する。
【0033】
画像重畳部103は、設定装置2から送受信部101を介して入力されてくる元画像データと、追加画像作成部102で作成された追加画像データとを、頁毎に重畳(合成)することによって、『原稿画像データ』を作成する。本実施の形態において、原稿画像データの色空間(『出力色空間』と呼ぶ)は、設定色空間(CMYK色空間)と同じである。これは、画像形成部10で使用する色材がCMYKの4色であることによる。なお、元画像データおよび追加画像データが定義される設定色空間と、画像形成部10で使用する色材の組み合わせとが異なる場合には、画像重畳部103において原稿画像データを作成する際に、元画像データおよび追加画像データの重畳とともに、画像形成部10の色材に合わせた色変換(設定色空間から出力色空間への変換)が行われることになる。また、画像重畳部103は、元画像データおよび追加画像データから原稿画像データを作成するに際して、元画像データおよび追加画像データの設定解像度をそのまま、『出力解像度』として使用する。ただし、出力解像度を、設定解像度とは異ならせる設定を行ってもかまわない。
なお、本実施の形態では、追加画像作成部102および画像重畳部103の両者が、追加手段として機能している。
【0034】
画像形成部10は、画像重畳部103で作成された原稿画像データを用い、設定色空間および設定解像度に基づく画像(印刷画像)を、用紙Pに印刷する。
【0035】
画像読取部70は、3本のラインセンサを用いて、用紙P上の印刷画像を読み取る。そして、画像読取部70は、各ラインセンサから入力されてくる読み取り結果に基づき、『読取画像データ』を作成する。ここで、画像読取部70は、印刷画像の読取結果から読取画像データを作成するに際して、読取画像データの色空間を、各ラインセンサの読取色に対応する色空間(『入力色空間』と呼ぶ)に設定する。なお、この例において、入力色空間は、画像読取部70を構成する各ラインセンサの色(この例では赤、緑、青)に対応するRGB色空間にて定義される。また、画像読取部70は、印刷画像の読取結果から読取画像データを作成するに際して、読取結果に基づく解像度(『入力解像度』)を設定する。なお、入力解像度は、各ラインセンサを構成する複数のセンサの配列間隔、各ラインセンサにおける読取周期、さらには用紙Pの搬送速度等によって決まるものであり、出力解像度と同じ値となることもあるし、出力解像度とは異なる値となることもある。
【0036】
照合用元画像作成部104は、設定装置2から送受信部101を介して入力されてくる元画像データに基づき、画像照合部105での照合に用いるための基準となる、『照合用元画像データ』を作成する。ここで、照合用元画像作成部104は、元画像データから照合用元画像データを作成するに際して、元画像データの設定色空間を、画像照合部105での照合に対応する色空間(『検査色空間』と呼ぶ)に変換する。なお、この例において、検査色空間は、上述した入力色空間と同じRGB色空間にて定義される。また、照合用元画像作成部104は、元画像データから照合用元画像データを作成するに際して、設定解像度を、必要に応じて、画像照合部105での照合に対応する解像度(『検査解像度』と呼ぶ)に変換する。なお、検査解像度は、画像形成部10における出力解像度と画像読取部70における入力解像度との関係に基づいて決まり、この例においては、上述した入力解像度と同じ値に設定される。
【0037】
差分画像作成手段の一例としての画像照合部105は、同じ元画像データに基づいて、照合用元画像作成部104で作成された照合用元画像データと、画像読取部70で作成された読取画像データとを用い、両者を照合することによって『差分画像データ』を作成する。なお、この例では、同じ元画像データに基づいて得られた照合用元画像データと読取画像データとに基づき、画素毎に両者の画素値の差分を演算することによって差分画像データを作成している。そして、この例では、照合用元画像データおよび読取画像データが検査色空間で定義されるとともに検査解像度で作成されているために、差分画像データも、検査色空間で定義されるとともに検査解像度にて作成される。
【0038】
無効化手段の一例としての差分画像修正部106は、画像照合部105から入力されてくる差分画像データに対し、元画像データに追加画像データが追加されたことに起因して、用紙P上の印刷画像中に存在することとなった追加画像の画素成分を、差分画像データから取り除くための修正を行うことで、『修正後差分画像データ』を作成する。なお、この例では、差分画像データが検査色空間で定義されるとともに検査解像度で作成されているために、修正後差分画像データも、検査色空間で定義されるとともに検査解像度にて作成される。検査の目的は、外部から入力した元画像データに基づいて元画像が用紙Pに欠陥なく印刷されているかを知ることにあるため、検査装置3は印刷装置側が作成した追加画像について、欠陥を検出する必要はない。よって、本実施の形態では、上述のようにして得られた修正後差分画像データが、出力手段の一例としての送受信部101を介して検査装置3に送られる。
【0039】
図5は、
図1に示す検査装置3の機能構成を示すブロック図である。本実施の形態の検査装置3は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などを含むコンピュータ装置によって構成されている。この検査装置3は、印刷装置1によって用紙Pに印刷された印刷画像における画像欠陥の有無を検査するものである。
本実施の形態の検査装置3は、送受信部301と、画像欠陥判定部303とを有している。
【0040】
送受信部301は、
図1に示す印刷装置1や設定装置2との間で、ネットワーク4を介して、各種データの送受信を行う。
【0041】
検出手段の一例としての画像欠陥判定部303は、印刷装置1から送受信部301を介して入力されてくる修正後差分画像データに基づいて、用紙Pに印刷された印刷画像における画像欠陥の有無を判定する。なお、この判定結果は、送受信部301を介して設定装置2に送られる。
【0042】
次に、本実施の形態の印刷装置1で用いられる、元画像データ、追加画像データおよび原稿画像データの関係について説明する。
図6および
図7は、元画像および追加画像と、これらを重畳して得られる原稿画像との関係を説明するための概念図である。ここで、
図6は追加画像として枠内追加画像(詳細は後述する)が追加される場合を、
図7は追加画像として枠外追加画像(詳細は後述する)が追加される場合を、それぞれ例示している。
【0043】
各画像の相関を説明する前に、まず、
図6および
図7を参照しつつ、用紙P上における画像の印刷領域について説明しておく。本実施の形態の印刷装置1では、画像形成部10によって用紙P上に画像の印刷を行うが、その際、元画像データに基づく画像は、用紙Pにおける四辺の縁を除く中央側の領域に印刷される。なお、以下の説明においては、用紙P上において元画像データに基づく画像が印刷され得る領域の外縁を、設定枠F(図中に破線で示す)と呼ぶ。また、用紙P上において、設定枠Fの内側すなわち元画像データに基づく画像が印刷され得る領域を枠内領域Aiと呼び、設定枠Fの外側すなわち元画像データに基づく画像が印刷され得ない領域を枠外領域Aoと呼ぶ。ここで、元画像は、上述したようにCMYK各色の色材を用いて印刷され得るが、
図6および
図7に示す例において、元画像(「あいうえお」の文字画像)は、Kの色材を用いて印刷される。
【0044】
これに対し、追加画像データに基づく画像は、枠内領域Aiおよび枠外領域Aoの両者に対して印刷され得る。そして、追加画像のうち、枠内領域Aiに印刷されるものが
図6に示す枠内追加画像となり、枠外領域Aoに印刷されるものが
図7に示す枠外追加画像となる。
【0045】
したがって、元画像と追加画像とを重畳して得られる原稿画像においては、枠内領域Aiに元画像および枠内追加画像が存在し得ることになり、また、枠外領域Aoに枠外追加画像が存在し得ることになる。
【0046】
ここで、第1追加画像の一例としての枠内追加画像は、例えば、得られた印刷物の出所を特定するためのコード情報を含んだコード画像にて構成される。コード画像は、あとからセンサで読み取られることでコード画像として識別可能なように、特定の属性を有している。なお、
図6に示す例においては、枠内追加画像(コード画像)は、Yの色材を用いて枠内に予め定められた周期で印刷されるという属性を有している。
【0047】
一方、第2追加画像の一例としての枠外追加画像は、例えば、印刷および製本の過程において、作業上必要となる目印画像にて構成される。目印画像は、印刷の後工程に設けられた各種センサで読み取られる必要があるから、枠外の特定の位置に作成される。つまり、枠外追加画像は、枠外の特定の位置に印刷されるという属性を有している。このような目印画像としては、トンボ、色玉(カラーバー、カラーパッチ)が挙げられる。また、目印画像として、印刷および製本の過程での管理において使用するQRコード(株式会社デンソーウェーブの登録商標)やバーコードなども挙げられる。なお、本実施の形態において、枠外追加画像(目印画像)は、CMYK各色の色材を用いて印刷される。
【0048】
そして、本実施の形態の場合、印刷後の用紙Pは、各種後工程を経た後、設定枠Fに沿って(あるいは設定枠Fに基づいて印刷された角トンボを基準として)裁断される。このため、裁断後においては、用紙P上の枠内領域Aiのみが残り、枠外領域Aoは取り除かれる。
【0049】
図8は、
図6に示す枠内追加画像の構成例を示す図である。
本実施の形態では、上述したように、枠内追加画像が、印刷物の出所を特定するためのコード画像で構成される。そして、この例において、枠内追加画像は、目視での認識が困難なYの色材を、付与されるコード情報に応じて配置したドット画像で構成される。例えば画像形成部10の出力解像度が600dpi(dot per inch)の場合、枠内追加画像を構成する各ドット画像は、1dotを単位として配置される。このとき、各ドット画像の大きさは、約42.3μmとなる。
【0050】
図9は、
図4に示す印刷装置1に設けられた差分画像修正部106の機能ブロック図である。
本実施の形態の差分画像修正部106は、画像分離部1061と、枠内画像修正部1062と、枠外画像修正部1063と、画像合成部1064とを備えている。
【0051】
画像分離部1061は、画像照合部105から入力されてくる差分画像データを、この差分画像データの元となる元画像データにおける設定枠F(
図6、
図7参照)の情報に基づき、枠内差分画像データと枠外差分画像データとに分離する。
【0052】
枠内画像修正部1062は、画像分離部1061で分離された枠内差分画像データに対し、元画像に追加画像(枠内追加画像)が追加されたことに起因して、用紙P上の印刷画像中に存在することとなった枠内追加画像の画素成分を、枠内差分画像データから取り除くための修正を行うことで、修正後枠内差分画像データを作成する。
【0053】
枠外画像修正部1063は、画像分離部1061で分離された枠外差分画像データに対し、元画像に追加画像(枠外追加画像)が追加されたことに起因して、用紙P上の印刷画像中に存在することとなった枠外追加画像の画素成分を、枠外差分画像データから取り除くための修正を行うことで、修正後枠外差分画像データを作成する。
【0054】
画像合成部1064は、枠内画像修正部1062で作成された修正後枠内差分画像データと、枠外画像修正部1063で作成された修正後枠外差分画像データとを合成して修正後差分画像データを作成し、送受信部101(
図4参照)へと出力する。
なお、本実施の形態では、枠内画像修正部1062と枠外画像修正部1063とで、画像データの修正手法が異なっているのであるが、このことについては後述する。
【0055】
図10は、本実施の形態の印刷システムによる印刷および検査の手順を説明するための図である。以下では、
図10にしたがって、印刷システムを構成する各装置の動作および各装置間でのデータのやりとりについて説明を行う。
【0056】
設定装置2(図示せず)で作成された元画像データ(設定色空間(この例ではCMYK)、設定解像度)が、印刷装置1の画像重畳部103に入力される。また、印刷装置1の追加画像作成部102(図示せず)が、この元画像データに対応する追加画像データ(CMYK、設定解像度)を作成し、画像重畳部103に出力する。ここで、追加画像データのうち、枠内追加画像データは、UI80等を介したユーザからの作成の指示を受け付けることなく、画像作成部102が自動的に作成する一方、枠外追加画像データは、UI80等を介したユーザからの指示を受けて画像作成部102が作成する。画像重畳部103は、入力されてきた元画像データと追加画像データとを重畳し、原稿画像データ(出力色空間(この例ではCMYK)、出力解像度)を作成する。また、同じ元画像データ(CMYK、設定色空間)が、印刷装置1の照合用元画像作成部104に入力される。これに伴い、照合用元画像作成部104は、元画像データ(CMYK、設定色空間)に基づく照合用元画像データ(検査色空間(この例ではRGB)、検査解像度)を作成する。
【0057】
また、印刷装置1では、画像重畳部103で作成された印刷画像データ(CMYK、出力解像度)が、画像形成部10に入力される。これに伴い、画像形成部10が、CMYKの各色を含む画像を用紙Pに印刷する。続いて、この用紙P上の印刷画像を、印刷装置1に設けられた画像読取部70が読み取る。そして、画像読取部70は、3本のラインセンサを用いた読取結果に基づいて、読取画像データ(入力色空間(この例ではRGB)、入力解像度)を作成する。
【0058】
そして、印刷装置1では、同じ元画像データ(CMYK、設定解像度)に基づいて得られた、読取画像データ(RGB、入力解像度(この例では入力解像度=検査解像度))および照合用元画像データ(RGB、検査解像度)が、画像照合部105に入力される。これに伴い、画像照合部105は、これら読取画像データ(RGB、検査解像度)と照合用元画像データ(RGB、検査解像度)とを用いて、二次元座標上で同一位置にある画素毎に画素値同士の差分を演算し、得られた差分をそれぞれの画素値とする差分画像データ(RGB、検査解像度)を作成する。
【0059】
続いて、印刷装置1では、同じ元画像データ(CMYK、設定解像度)に基づいて得られた差分画像データ(RGB、検査解像度)が、差分画像修正部106に入力される。これに伴い、差分画像修正部106は、差分画像データ(RGB、検査解像度)に対し、元画像データに追加画像データが追加されたことに起因して、用紙P上の印刷画像中に存在することとなった追加画像の画素成分を、差分画像データから取り除くための修正を行い、修正後差分画像データ(RGB、検査解像度)を作成する。なお、差分画像修正部106における処理の具体的な手順については後述する。
【0060】
次に、検査装置3では、印刷装置1の差分画像修正部106から出力された修正後差分画像データが、画像欠陥判定部303に入力される。これに伴い、画像欠陥判定部303は、この修正後差分画像データに基づいて、用紙Pに印刷された印刷画像における画像欠陥の有無を判定する。なお、画像欠陥判定部303における画像欠陥の判定手法としては、例えば修正後差分画像データを構成する画素の画素値すなわち色差が、予め決められた基準値よりも大きい場合に、画像欠陥の発生を検出するやり方が挙げられる。ここで、画像欠陥の発生が検出された場合は、この判定結果が、設定装置2に送信される。そして、設定装置2では、UI202(
図3参照)に、画像欠陥の発生を伝えるための画像が表示される。
【0061】
図11は、本実施の形態において、読取画像データおよび照合用元画像データから修正後差分画像データを作成する手順を説明するための図である。なお、以下では、
図6および
図7に示す「あいうえお」の文字画像が元画像となっており、且つ、
図6に示す枠内追加画像(コード画像)および
図7に示す枠外追加画像(目印画像)の両者を含むものが追加画像となっている場合を、例として説明を行う。
【0062】
図11(a)は、画像読取部70で用紙P上の印刷画像を読み取って得られた読取画像データを示している。また、
図11(b)は、この読取画像データと同じ元画像データに基づき、照合用元画像作成部104で得られた照合用元画像データを示している。これらのうち、
図11(b)に示す照合用元画像データは、枠内領域Aiに「あいうえお」の文字画像を有している。これに対し、
図11(a)に示す読取画像データは、枠内領域Aiに「あいうえお」の文字画像と枠内追加画像データに基づく枠内追加画像(コード画像:
図6参照)とを有しており、さらに、枠外領域Aoに枠外追加画像(目印画像:
図7参照)を有している。
【0063】
図11(c)は、
図11(a)に示す読取画像データと、
図11(b)に示す照合用元画像データとに基づき、画像照合部105で作成された差分画像データを示している。この例においては、読取画像データおよび照合用元画像データの両者に、元画像(「あいうえお」の文字画像)が含まれているため、差分画像データには、元画像データの画素成分が存在しなくなる。一方、この例においては、読取画像データのみに追加画像(枠内追加画像および枠外追加画像)が存在するため、差分画像データには、追加画像データの画素成分が残ることになる。
【0064】
図11(d)は、
図11(c)に示す差分画像データを、
図9に示す差分画像修正部106の画像分離部1061にて分離して得られた、枠内差分画像データを示している。また、
図11(e)は、
図11(c)に示す差分画像データを、
図9に示す差分画像修正部106の画像分離部1061にて分離して得られた、枠外差分画像データを示している。このとき、
図11(d)に示す枠内差分画像データは、枠内領域Aiのみに対応するものであり、ここには、枠内追加画像(コード画像:
図6参照)が差分として存在している。これに対し、
図11(e)に示す枠外差分画像データは、枠外領域Aoのみに対応するものであり、ここには、枠外追加画像(目印画像:
図7参照)が差分として存在している。
【0065】
図11(f)は、
図11(d)に示す枠内差分画像データを、
図9に示す差分画像修正部106の枠内画像修正部1062で修正して得られた、修正後枠内差分画像データを示している。この例においては、枠内領域Aiに存在する枠内追加画像が、上述したようにYのドット画像(各ドットの外径は約42.3μm)によって構成されている。このため、枠内画像修正部1062においては、枠内差分画像データに対し、このサイズのYのドット画像を実質的に消去することが可能な平滑化フィルタ処理を施すことで、修正後枠内差分画像データを作成している。より具体的に説明すると、この例では、枠内差分画像データを構成するRGB各色のデータのうち、RおよびGのデータについては特に処理を施さず、Yに対応するBのデータに対し平滑化フィルタ処理を施している。ただし、修正後枠内差分画像データの作成手法はこれに限られるものではなく、例えば、枠内差分画像データの解像度(この例では検査解像度)を、より低解像度に変換することにより、修正後枠内差分画像データにおいて枠内追加画像すなわちYのドット画像を実質的に消去する手法を採用してもよい。また、これ以外にも、例えば、枠内差分画像データにおける各画素値(明度や彩度)が、予め決められた設定値よりも小さい画素については、その画素値を0に変更することにより、修正後枠内差分画像データにおいて枠内追加画像すなわちYのドット画像を実質的に消去する手法を採用することもできる。なお、このようなことが可能であるのは、本実施の形態の枠内追加画像が、背景の白色と色差が小さいYの色材によって構成されていることによるものである。
【0066】
図11(g)は、
図11(e)に示す枠外差分画像データを、
図9に示す差分画像修正部106の枠外画像修正部1063で修正して得られた、修正後枠外差分画像データを示している。ここで、枠外領域Aoに存在する枠外追加画像は、元画像が存在する枠内領域Aiの外側にあり、しかも、上述したように用紙P上に印刷された後に最終的には裁断によって取り除かれる部位でもある。このため、枠外画像修正部1063においては、枠外差分画像データを構成する各画素の画素値を、一律にすべて0に置き換える置換処理を施すことで、修正後枠外差分画像データを作成している。
【0067】
図11(h)は、
図11(f)に示す修正後枠内差分画像データと、
図11(g)に示す修正後枠外差分画像データとを、
図9に示す差分画像修正部106の画像合成部1064で合成して得られた、修正後差分画像データを示している。この例においては、修正後枠内差分画像データおよび修正後枠外差分画像データのそれぞれにおいて、追加画像の存在に起因する差分が取り除かれているため、修正後差分画像データを構成する各画素の画素値が、それぞれ0となっている。ただし、枠内領域Ai内に、追加画像の存在に起因せず、且つ差分画像修正部106で消去されない差分が存在している場合、すなわち、印刷画像に、差分画像修正部106で消去されないような元画像および追加画像以外の画像(例えば汚れ)が存在している場合、あるいは、印刷画像に元画像に対応する画像が存在していない場合には、その部位にある画素の画素値が、ある大きさを持つことになる。
【0068】
なお、上述した例においては、差分画像修正部106において、差分画像データを、枠内差分画像データおよび枠外差分画像データに分離した後、各画像データにそれぞれ修正を施した後に、得られた修正後枠内差分画像データおよび修正後枠外差分画像データを合成して、修正後差分画像データを得ていた。ただし、枠外追加画像は、画像欠陥を判定する際に実質的に不要である。このため、差分画像修正部106において、差分画像データを、枠内差分画像データおよび枠外差分画像データに分離した後、枠内差分画像データのみに修正を施し、得られた修正後枠内差分画像データを、そのまま修正後差分画像データとして検査装置3に出力するようにしてもかまわない。
【0069】
<実施の形態2>
実施の形態1では、印刷装置1で印刷前後の2つの画像データの差分を取った画像データ(修正後差分画像データ)を作成し、検査装置3において、この修正後差分画像データに基づく画像欠陥の検出を行っていた。これに対し、本実施の形態は、印刷装置1で印刷前後の2つの画像データの作成を行うとともに、検査装置3において、これら印刷前後の2つの画像データの差分を取った画像データ(差分画像データ)の作成と、この差分画像データに基づく画像欠陥の検出とを行うようにしたものである。なお、本実施の形態において、実施の形態1と同様のものについては、同じ符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0070】
図12は、本実施の形態における印刷装置1の機能構成を示すブロック図である。
本実施の形態の印刷装置1は、用紙Pに画像を印刷する画像形成部10と、用紙P上の印刷画像を読み取る画像読取部70と、ユーザによる画像形成の実行・中止の指示や追加画像(詳細は後述する)の作成の有無等を受け付けるユーザインタフェース(UI)80と、これら画像形成部10、画像読取部70およびUI80を制御する制御部100とを有している。また、制御部100は、送受信部101と、追加画像作成部102と、画像重畳部103と、照合用元画像作成部104と、読取画像修正部107とを備えている。すなわち、本実施の形態の制御部100は、読取画像修正部107をさらに備える一方、画像照合部105および差分画像修正部106を備えていない点で、実施の形態1とは異なる。なお、制御部100のうち、追加画像作成部102、画像重畳部103および照合用元画像作成部104の機能は、実施の形態1と同じである。
【0071】
無効化手段の一例としての読取画像修正部107は、画像読取部70から入力されてくる読取画像データに対し、元画像データに追加画像データが追加されたことに起因して、用紙P上の印刷画像中に存在することとなった追加画像の画素成分を、読取画像データから取り除くための修正を行うことで、『修正後読取画像データ』を作成する。なお、この例では、読取画像データが入力色空間で定義されるとともに入力解像度で作成されているために、修正後読取画像データも、入力色空間で定義されるとともに入力解像度で作成される。ここで、本実施の形態の読取画像修正部107が有する機能は、実施の形態1において印刷装置1に設けられていた差分画像修正部106と同じである。このため、以下の説明では、
図9に示す差分画像修正部106を、読取画像修正部107と読み替えて説明を行う。すなわち、本実施の形態の読取画像修正部107は、画像分離部1061と、枠内画像修正部1062と、枠外画像修正部1063と、画像合成部1064とを備えている。
【0072】
そして、本実施の形態では、同じ元画像データに基づいて、照合用元画像作成部104で作成された照合用元画像データと、読取画像修正部107で作成された修正後読取画像データとが、送受信部101を介して検査装置3に送られる。
【0073】
図13は、本実施の形態における検査装置3の機能構成を示すブロック図である。
本実施の形態の検査装置3は、送受信部301と、画像照合部302と、画像欠陥判定部303とを備えている。すなわち、本実施の形態の検査装置3は、画像照合部302をさらに備えている点で、実施の形態1とは異なる。なお、検査装置3に設けられる、差分画像作成手段の一例としての画像照合部302が有する機能は、実施の形態1において印刷装置1に設けられていた画像照合部105と同じである。
【0074】
図14は、本実施の形態の印刷システムによる印刷および検査の手順を説明するための図である。以下では、
図14にしたがって、印刷システムを構成する各装置の動作および各装置間でのデータのやりとりについて説明を行う。
【0075】
設定装置2(図示せず)で作成された元画像データ(設定色空間(この例ではCMYK)、設定解像度)が、印刷装置1の画像重畳部103に入力される。また、印刷装置1の追加画像作成部102(図示せず)が、この元画像データに対応する追加画像データ(CMYK、設定解像度)を作成し、画像重畳部103に出力する。これに伴い、画像重畳部103は、入力されてきた元画像データと追加画像データとを重畳し、原稿画像データ(出力色空間(この例ではCMYK)、出力解像度)を作成する。また、同じ元画像データ(CMYK、設定色空間)が、印刷装置1の照合用元画像作成部104に入力される。これに伴い、照合用元画像作成部104は、元画像データ(CMYK、設定色空間)に基づく照合用元画像データ(検査色空間(この例ではRGB)、検査解像度)を作成する。
【0076】
また、印刷装置1では、画像重畳部103で作成された印刷画像データ(CMYK、出力解像度)が、画像形成部10に入力される。これに伴い、画像形成部10が、CMYKの各色を含む画像を用紙Pに印刷する。続いて、この用紙P上の印刷画像を、印刷装置1に設けられた画像読取部70が読み取る。そして、画像読取部70は、3本のラインセンサを用いた読取結果に基づいて、読取画像データ(入力色空間(この例ではRGB)、入力解像度)を作成する。
【0077】
続いて、印刷装置1では、画像読取部70で作成された読取画像データ(RGB、入力解像度)が、読取画像修正部107に入力される。これに伴い、読取画像修正部107は、読取画像データ(RGB、入力解像度)に対し、元画像データに追加画像データが追加されたことに起因して、用紙P上の印刷画像中に存在することとなった追加画像の画素成分を、読取画像データから取り除くための修正を行い、修正後読取画像データ(RGB、検査解像度)を作成する。なお、読取画像修正部107における処理の具体的な手順については後述する。
【0078】
そして、印刷装置1からは、同じ元画像データ(CMYK、設定解像度)に基づいて得られた照合用元画像データ(RGB、検査解像度)および修正後読取画像データ(RGB、検査解像度)が、検査装置3に向けて出力される。
【0079】
次に、検査装置3では、印刷装置1から出力された、同じ元画像データに基づく照合用元画像データ(RGB、検査解像度)および修正後読取画像データ(RGB、検査解像度)が、画像照合部302に入力される。これに伴い、画像照合部302は、これら照合用元画像データ(RGB、検査解像度)と修正後読取画像データ(RGB、検査解像度)とを用いて、二次元座標上で同一位置にある画素毎に画素値同士の差分を演算し、得られた差分をそれぞれの画素値とする差分画像データ(RGB、検査解像度)を作成する。
【0080】
続いて、検査装置3では、画像照合部302で作成された差分画像データが、画像欠陥判定部303に入力される。これに伴い、画像欠陥判定部303は、この差分画像データに基づいて、用紙Pに印刷された印刷画像における画像欠陥の有無を判定する。ここで、画像欠陥の発生が検出された場合は、この判定結果が、設定装置2に送信される。そして、設定装置2では、UI202(
図3参照)に、画像欠陥の発生を伝えるための画像が表示される。
【0081】
図15は、本実施の形態において、読取画像データおよび照合用元画像データから差分画像データを作成する手順を説明するための図である。なお、以下では、実施の形態1と同じく、
図6および
図7に示す「あいうえお」の文字画像が元画像となっており、且つ、
図6に示す枠内追加画像(コード画像)および
図7に示す枠外追加画像(目印画像)の両者を含むものが追加画像となっている場合を、例として説明を行う。
【0082】
図15(a)は、画像読取部70で用紙P上の印刷画像を読み取って得られた読取画像データを示している。
図15(a)に示す読取画像データは、枠内領域Aiに「あいうえお」の文字画像と枠内追加画像データに基づく枠内追加画像(コード画像:
図6参照)とを有しており、さらに、枠外領域Aoに枠外追加画像(目印画像:
図7参照)を有している。
【0083】
図15(b)は、
図15(a)に示す読取画像データを、読取画像修正部107の画像分離部1061で分離して得られた、枠内読取画像データを示している。また、
図15(c)は、
図15(a)に示す読取画像データを、読取画像修正部107の画像分離部1061で分離して得られた、枠外読取画像データを示している。このとき、
図15(b)に示す枠内読取画像データは、枠内領域Aiのみに対応するものであり、ここには、元画像における文字画像と枠内追加画像(コード画像:
図6参照)とが存在している。これに対し、
図15(c)に示す枠外読取画像データは、枠外領域Aoのみに対応するものであり、ここには、枠外追加画像(目印画像:
図7参照)が存在している。
【0084】
図15(d)は、
図15(b)に示す枠内読取画像データを、読取画像修正部107の枠内画像修正部1062で修正して得られた、修正後枠内読取画像データを示している。この例においては、実施の形態1で枠内差分画像データに施していたのと同じ処理を、枠内読取画像データに施すことで、修正後枠内読取画像データを作成している。このとき、枠内領域Aiに存在していた追加画像(枠内追加画像)の画素成分は実質的に消去されるが、同じ枠内領域Aiに存在していた元画像の画素成分(「あいうえお」の文字画像)は、消去されずにそのまま残る。
【0085】
図15(e)は、
図15(c)に示す枠外読取画像データを、読取画像修正部107の枠外画像修正部1063で修正して得られた、修正後枠内読取画像データを示している。この例においては、実施の形態1において枠外差分画像データに施していたのと同じ処理を、枠外画像読取データに施すことで、修正後枠外読取画像データを作成している。このとき、枠外領域Aoに存在していた追加画像(枠外追加画像)の画素成分は完全に消去される。
【0086】
図15(f)は、
図15(d)に示す修正後枠内読取画像データと、
図15(e)に示す修正後枠外読取画像データとを、読取画像修正部107の画像合成部1064で合成して得られた、修正後読取画像データを示している。この例においては、修正後枠内読取画像データおよび修正後枠外読取画像データのそれぞれにおいて、追加画像の存在に起因する差分が取り除かれているため、修正後差分画像データを構成する各画素の画素値が、元画像データに基づいて文字画像が存在している画素を除き、すべて0となっている。ただし、枠内領域Ai内に、追加画像の存在に起因しない差分が存在している場合、すなわち、印刷画像に元画像および追加画像以外の画像(汚れ)が存在している場合、あるいは、印刷画像に元画像に対応する画像が存在していない場合には、その部位にある画素の画素値が、ある大きさを持つことになる。
【0087】
図15(g)は、上述した読取画像データと同じ元画像データに基づき、照合用元画像作成部104で得られた照合用元画像データを示している。この照合用元画像データは、枠内領域Aiに「あいうえお」の文字画像を有している。
【0088】
図15(h)は、
図15(f)に示す修正後読取画像データと、
図15(g)に示す照合用元画像データとに基づき、画像照合部302で作成された差分画像データを示している。この例においては、修正後読取画像データおよび照合用元画像データの両者に、元画像(「あいうえお」の文字画像)が含まれているため、差分画像データには、元画像の画素成分が存在しなくなる。また、この例では、修正後読取画像データにおいて、既に追加画像に起因する画素成分が取り除かれているため、差分画像データには、追加画像の画素成分も残らなくなる。ただし、上述した汚れに起因する画像の付加や元画像の欠落等が生じている場合、差分画像データは、その部位にある画素の画素値が、ある大きさを持つことになる。