(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
1.実施形態
1−1.全体構成
図1は、本実施形態に係る装置9の全体構成を示す図である。以下、図において、装置9の各構成の配置を説明するため、各構成が配置される空間をxyz右手系座標空間として表す。図に示す座標記号のうち、白い円の中に黒い円を描いた記号は、紙面奥側から手前側に向かう矢印を表している。また、白い円の中に交差する2本の線分を描いた記号は、紙面手前側から奥側に向かう矢印を表している。空間においてx軸に沿う方向をx軸方向という。また、x軸方向のうち、x成分が増加する方向を+x方向といい、x成分が減少する方向を−x方向という。同様に、y、z成分についても、y軸方向、+y方向、−y方向、z軸方向、+z方向、−z方向を定義する。
【0014】
装置9は、例えば、用紙などの媒体上に電子写真方式によって画像を形成する画像形成装置や、媒体上に形成された画像を光学的に読み取る画像読取装置などである。また、装置9は、放送電波を受信してその電波に応じた画像・音声を再生する受信装置であってもよく、コンピュータ装置や各種の通信装置などであってもよい。要するに装置9は、導線によって接続された複数の基板を有し、制御されることにより何らかの機能を実現する装置であればよい。
【0015】
装置9は、上述した機能を実現するための様々な構成のほか、
図1に示すように第1基板1と、第2基板2と、通知部3とを備える。第1基板1は、第2基板2と信号をやり取りすることによって装置9を制御するための基板であり、制御部11、接続部12、給電部13、およびケーブル14を有する。
通知部3は、第1基板1の制御部11に接続されており、制御部11の制御の下でユーザへ通知を行う。この通知は、第1基板1と第2基板2とが正常に接続されているか否かをユーザに知らせるためのものである。具体的には、通知部3は、例えば、通電されると緑や赤といった異なる色に発光する2種類の発光体を有しており、正常に接続されている旨の信号を受け取ると、正常を示す色(例えば、緑色)に発光する発光体を発行させ、接続状態に異常がある、すなわち、正常に接続されていない旨の信号を受け取ると、異常を示す色(例えば、赤色)の発光体を発光させる。
【0016】
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)を有する。制御部11のCPUは、ハードディスクドライブなどの記憶部(図示せず)やROMに記憶されているコンピュータプログラム(以下、単にプログラムという)を読み出して実行することにより装置9の各構成を制御する。
【0017】
第1基板1と第2基板2とは、x軸方向に並んでおり、x軸方向に伸びるケーブル14によって互いに接続されている。ケーブル14は、第1基板1と第2基板2との間で信号や電力をやり取りするための導線群またはケーブルハーネスである。ケーブル14は、給電線141と、検査信号線142と、信号線群143とを有する。給電線141は、電力を供給(給電)するための導線である。検査信号線142は、第2基板2から第1基板1へ伝達する情報が示された信号であって、かつ、第1基板1と第2基板2とが接続されているか否かを検査するための信号を伝達する導線である。
【0018】
信号線群143は、第1基板1と第2基板2との間でやり取りされる複数の信号をそれぞれ伝達するための複数の導線である。
図1に示す実施形態において、信号線群143は、6本の信号線の束である。これら各信号線はいずれもx軸方向に伸びており、y軸方向に並んでいる。そして、信号線群143の+y方向の端には給電線141が、信号線群143の−y方向の端には検査信号線142がそれぞれ位置している。ケーブル14の両端には、給電線141、検査信号線142、および信号線群143の各導線にそれぞれ対応するピンが設けられている。これらのピンは、凸形状に形成された接点であり、第1基板1の接続部12や第2基板2の接続部22に備えられた端子にそれぞれ差し込まれるものである。
【0019】
給電部13は、給電線141を介して第2基板2へ給電する。接続部12は、ケーブル14を介して制御部11と第2基板2とを接続するコネクタである。接続部12は、給電端子121、検査信号端子122、および信号端子群123を有する。
【0020】
給電端子121は、凹形状に形成された端子であり、ケーブル14の給電線141に対応するピンが差し込まれる。これにより、給電端子121と給電線141とは結線する。給電端子121は、給電部13に接続されており、給電部13から供給される電力を給電線141に送る。
【0021】
検査信号端子122は、凹形状に形成された端子であり、ケーブル14の検査信号線142に対応するピンが差し込まれる。これにより、検査信号端子122と検査信号線142とは結線する。検査信号端子122は、制御部11の決められたポートに接続されており、検査信号線142を介して第2基板2から出力される信号を受け取って制御部11に送る。
【0022】
信号端子群123は、凹形状に形成された複数(この場合6個)の端子であり、それぞれにケーブル14の信号線群143の各信号線に対応するピンが差し込まれる。これにより、信号端子群123の各端子と、信号線群143の各信号線とがそれぞれ結線する。信号端子群123の各端子は、それぞれ制御部11に接続されており(図示略)、信号線群143を介して第2基板2から出力される各種の信号を受け取って制御部11に送る。
【0023】
第2基板2は、装置9に備えられた何らかの構成に信号処理を行わせて、その構成を制御する基板である。第2基板2は、検査部21、および接続部22を有する。検査部21は、第1基板1と第2基板2とが接続されているか否かを検査するための信号(以下、検査信号という)を生成する発振回路であり、センサ211とインバータ212とを有する。センサ211は、例えば、湿度センサであり、周囲の湿度を計測して計測結果をデジタル信号として出力する。インバータ212は、センサ211が出力したデジタル信号を矩形波の検査信号に変換する。つまり、給電されたときに検査部21は、変化が決められた範囲に収まるように調整された信号を検査信号として生成する。
【0024】
接続部22は、給電端子221、検査信号端子222、および信号端子群223を有する。給電端子221は、凹形状に形成された端子であり、ケーブル14の給電線141に対応するピンが差し込まれる。これにより、給電端子221と給電線141とは結線する。給電端子221は、検査部21に接続されており、ケーブル14の給電線141を介して第1基板1の給電部13から供給された電力を検査部21に供給する。
【0025】
検査信号端子222は、凹形状に形成された端子であり、ケーブル14の検査信号線142に対応するピンが差し込まれる。これにより、検査信号端子222と検査信号線142とは結線する。検査信号端子222は、検査部21に接続されており、検査信号線142を介して検査部21から出力される検査信号を第1基板1に送る。
【0026】
信号端子群223は、凹形状に形成された複数(この場合6個)の端子であり、それぞれにケーブル14の信号線群143の各信号線に対応するピンが差し込まれる。これにより、信号端子群223の各端子と、信号線群143の各信号線とがそれぞれ結線する。信号端子群223の各端子は、第2基板2において各種の機能を果たす構成と接続されており、制御のための制御信号や、各種の情報を表す信号などをこれらの構成とやり取りする。
【0027】
1−2.接続部
図2は、第1基板1の接続部12、ケーブル14、および第2基板2の接続部22における端子またはピンの配列を示す図である。第2基板2の側から第1基板1の接続部12を見ると、
図2(a)に示すように、給電端子121、検査信号端子122、および信号端子群123は、+y方向に沿って検査信号端子122→信号端子群123→給電端子121の順に並んでいる。
【0028】
第1基板1の側からケーブル14の端部を見ると、
図2(b)に示すように、給電線141、検査信号線142、および信号線群143は、+y方向に沿って検査信号線142→信号線群143→給電線141の順に並んでいる。
【0029】
第1基板1の側から第2基板2の接続部22を見ると、
図2(c)に示すように、給電端子221、検査信号端子222、および信号端子群223は、+y方向に沿って検査信号端子222→信号端子群223→給電端子221の順に並んでいる。
【0030】
図3は、接続部12とケーブル14との接続の様子を示す図である。ここでは接続部12とケーブル14との接続について説明するが、接続部22とケーブル14との接続も同様である。以下、接続部22とケーブル14とは正常に接続されているものとして説明する。
【0031】
なお、ケーブル14を第2基板2に属するものとして見た場合、ケーブル14のピンであって、接続部12に備えられた各端子のそれぞれに一対一で接続される複数のピンは、決められた方向に並べられ、第1基板が有する複数の端子のそれぞれに一対一で接続される複数の接点の一例である。
【0032】
また、ケーブル14を第1基板1に属するものとして見た場合、ケーブル14のピンであって、接続部22に備えられた各端子のそれぞれに一対一で接続される複数のピンは、第1基板が有する、決められた方向に並べられた複数の端子の一例である。そして、この場合、第2基板2の接続部22に備えられた各端子は、決められた方向に並べられ、第1基板が有する複数の端子のそれぞれに一対一で接続される複数の接点の一例である。
【0033】
接続部12およびケーブル14を上から、すなわち、+z方向から−z方向に向かって見ると、
図3(a)に示すように、接続部12に備えられた端子およびケーブル14に備えられたピンは、いずれもy軸方向に沿って並んでいる。接続部12の各端子にケーブル14の各ピンが嵌るように、ケーブル14は接続部12に差し込まれる。
【0034】
ところが、ケーブル14を接続部12に対して斜めに差し込むと、例えば、
図3(b)に示す接続状態となる。
図3(b)に示す接続状態では、検査信号端子122と検査信号線142は結線しているが、給電端子121と給電線141とは結線していない。したがって、検査部21に電力が供給されないため、検査部21から検査信号は出力されず、検査信号端子122は検査信号を受け取らない。その結果、制御部11は、検査信号を検出しない。
【0035】
また、ケーブル14を接続部12に対して斜めに差し込んだ状態として、
図3(c)に示す接続状態もある。
図3(c)に示す接続状態では、給電端子121と給電線141とは結線しているが、検査信号端子122と検査信号線142は結線していない。したがって、検査部21に電力は供給されるが、検査部21から出力された検査信号は検査信号端子122に伝達されない。その結果、制御部11は、検査信号を検出しない。
【0036】
ケーブル14を接続部12に対して差し込み、全ての端子とピンとが結線した接続状態を
図3(d)に示す。
図3(d)に示す接続状態では、給電端子121と給電線141とが結線し、かつ、検査信号端子122と検査信号線142が結線している。したがって、検査部21に電力が供給され、かつ、検査部21から出力された検査信号は検査信号端子122を通って制御部11に検出される。そして、これらに挟まれた信号端子群123の各端子と、信号線群143の各ピンとは全て結線しているため、第2基板2に設けられた各構成は、第1基板1の制御部11によって制御される。
【0037】
1−3.制御部の機能的構成
図4は、制御部11の機能的構成を示す図である。制御部11はプログラムを実行することにより、検出部111、判断部112、および出力部113として機能する。検出部111は、検査信号端子122から伝達される信号を検出する。判断部112は、検出部111が検出した信号が決められた条件を満たすか否かを判断する。具体的には、判断部112は、検出部111が検出した信号に予め変化が決められた範囲に収まっているか否かを判断する。この変化とは、例えば、その信号が示す電位や電流の変動などであり、決められた範囲で信号に変化が生じている場合に、判断部112は、上記の信号が決められた条件を満たしており、検出部111は、第2基板により供給される検査信号を検出していると判断する。
【0038】
出力部113は、判断部112の判断結果に応じた信号を通知部3に出力する。例えば、判断部112が上記の信号に予め変化が決められた範囲に収まっていると判断した場合に、出力部113は、第1基板1と第2基板2とが正常に接続されている旨の信号を通知部3に出力する。一方、判断部112が上記の信号に予め変化が決められた範囲に収まっていないと判断した場合に、出力部113は、第1基板1と第2基板2との接続に異常がある旨の信号を通知部3に出力する。通知部3は、受け取った信号に応じた色の発光体を発光させて、ユーザに対して第1基板1と第2基板2との接続状態が正常であるか否かについて、通知を行う。なお、通知部3は、上記の接続が正常または異常のいずれか一方の場合にのみ発光体を発光させて、上記の通知を行ってもよい。要するに、接続に異常がある旨の信号を通知部3が受けたときに、ユーザが通知部3の通知によりその信号の内容を把握するように、通知部3が構成されていればよい。
【0039】
1−4.動作
図5は、本実施形態に係る装置9の動作の流れを示すフロー図である。第1基板1の制御部11は、第2基板2に備えられた検査部21が出力した検査信号を検出する(ステップS11)。そして、制御部11は、この検査信号に予め決められた変化があるか否かを判断する(ステップS12)。検査信号に予め変化が決められた範囲に収まっている、と判断した場合(ステップS12;YES)、制御部11は、第1基板1と第2基板2との接続状態が正常であるときに行われるように定められた処理を実行する(ステップS13)。この処理とは、例えば、検査信号の周波数を計測する処理などである。また、この処理とは、接続状態が正常である旨の通知を通知部3に行わせる処理であってもよい。
【0040】
一方、検査信号に予め変化が決められた範囲に収まっていない、と判断した場合(ステップS12;NO)、制御部11は、第1基板1と第2基板2との接続状態が異常であるときに行われるように定められた処理を実行する(ステップS14)。この処理とは、例えば、通知部3を制御して、接続状態に異常が生じていることをユーザに知らせる処理である。
【0041】
ここで、本実施形態に係る装置9の特徴を説明するため、装置9を従来技術と対比する。
図3(a)に示したように、接続部12のどの端子もケーブル14のピンに接続していないことを検出すればよいのであれば、端子とピンのどの組み合わせを接続状態の検出のために用いたとしても、この検出は可能である。しかしながら、実際には、
図3(b)や
図3(c)に示したように、いわゆる斜め差しと呼ばれる接続状態がある。これら斜め差しの接続状態では、導線の配列方向における一端で端子とピンとが正常に接続していたとしても、他端で端子とピンとが正常に接続していない。したがって、端子とピンの一組のみを接続状態の検出のために用いたとすると、こういった斜め差しの接続状態が正常な接続状態として誤認される場合がある。
【0042】
したがって、導線の配列方向における両端の接続状態を監視し、この接続状態のいずれもが正常であることをもって、導線の接続が正常であると判断する技術が開発されている。
図6は、この従来技術の一例を示す図である。
図6に示す装置9aは、第1基板1aと、第2基板2aと、通知部3aとを備える。
【0043】
第1基板1aは、装置9aを制御するための基板であり、制御部11a、接続部12a、およびケーブル14aを有する。制御部11aは、CPU、ROM、RAMを有し、CPUがROMなどに記憶されているプログラムを読み出して実行することにより装置9aの各構成を制御する。
【0044】
ケーブル14aは、第1基板1aと第2基板2aとの間で信号や電力をやり取りするための導線群またはケーブルハーネスである。ケーブル14aは、第1検査信号線141aと、第2検査信号線142aと、信号線群143aとを有する。
【0045】
接続部12aは、第1検査信号端子121a、第2検査信号端子122a、および信号端子群123aを有する。第1検査信号端子121aは、第1検査信号線141aと結線する。第2検査信号端子122aは、第2検査信号線142aと結線する。そして、信号端子群123aは、信号線群143aと結線する。
【0046】
第2基板2aは、装置9aに備えられた何らかの構成に信号処理を行わせて、その構成を制御する基板である。第2基板2aは、第1検査部21a、第2検査部23a、および接続部22aを有する。第1検査部21aおよび第2検査部23aは、いずれも第1基板1と第2基板2とが接続されているか否かを検査するための信号を生成する回路である。
【0047】
接続部22aは、第1検査信号端子221a、第2検査信号端子222a、および信号端子群223aを有する。第1検査信号端子221aは、第1検査信号線141aと結線する。第2検査信号端子222aは、第2検査信号線142aと結線する。そして、信号端子群123aの各端子は、信号線群143aの各信号線とそれぞれ結線する。
【0048】
通知部3aは、第1基板1aの制御部11aに接続されており、制御部11aの制御の下でユーザへ通知を行う。この通知は、第1基板1aと第2基板2aとが正常に接続されているか否かをユーザに知らせるためのものである。
【0049】
第1検査部21aから出力された検査信号(以下、第1検査信号という)は、接続部22aの第1検査信号端子221a、およびケーブル14aの第1検査信号線141aを経て、接続部12aの第1検査信号端子121aによって受け取られる。第1検査信号端子121aによって受け取られた第1検査信号は、第1基板1aの制御部11aによって検出される。
【0050】
また、第2検査部23aから出力された検査信号(以下、第2検査信号という)は、接続部22aの第2検査信号端子222a、およびケーブル14aの第2検査信号線142aを経て、接続部12aの第2検査信号端子122aによって受け取られる。第2検査信号端子122aによって受け取られた第2検査信号は、第1基板1aの制御部11aによって検出される。
【0051】
制御部11aは、第1検査信号および第2検査信号を監視し、これらに予め決められた変化があるか否かを判断する。少なくともどちらか一方に、予め決められた変化がない場合に、制御部11aは、第1基板1aと第2基板2aとの接続状態が異常であると判断する。一方、第1検査信号および第2検査信号の両方に、予め決められた変化が認められる場合に、制御部11aは、第1基板1aと第2基板2aとの接続状態が正常であると判断する。
【0052】
図6に示す従来技術では、第2基板2aに2つの検査部を設けなければならない。そして、各検査部(第1検査部21aおよび第2検査部23a)が、第1基板1aへそれぞれの検査信号(第1検査信号および第2検査信号)を送るためには、各検査部にそれぞれ個別の導線を割り当てる必要がある。2つの検査部の両方を、第2基板2aに設けられたセンサと兼用することも可能であるが、この場合、第2基板2aから第1基板1aへ送られる信号は最低でも2種類必要になる。すなわち、装置9と比較して
図6に示す装置9aは基板の構成が限定される。したがって、
図6に示す従来技術で、装置9と同じ分量の信号のやり取りをするならば、信号線群143aは、信号線群143よりも一本多く、信号端子群123aは、信号端子群123よりも一個多く、信号端子群223aは、信号端子群223よりも一個多くしなければならない。また、
図6に示す従来技術では第1基板1aの制御部11aには、第1検査信号および第2検査信号をそれぞれ検出するポートを設けなければならない。
【0053】
また、
図7は、
図6に示した従来技術と異なる従来技術の一例を示す図である。
図7に示す装置9bは、第1基板1bと、第2基板2bと、通知部3bとを備える。装置9bにおいて、第1基板1bは、制御部11b、接続部12b、給電部13b、プルアップ抵抗R、およびケーブル14bを有している。また、第2基板2bは、接続部22bを有しており、上述した検査部を有していない。
【0054】
ケーブル14bは、第1基板1bと第2基板2bとの間で信号や電力をやり取りするための導線群またはケーブルハーネスである。ケーブル14bは、第1検査信号線141bと、第2検査信号線142bと、信号線群143bとを有する。
【0055】
接続部12bは、第1検査信号端子121b、第2検査信号端子122b、および信号端子群123bを有する。第1検査信号端子121bは、第1検査信号線141bと結線する。第2検査信号端子122bは、第2検査信号線142bと結線する。そして、信号端子群123bは、信号線群143bと結線する。
【0056】
接続部22bは、第1検査信号端子221b、第2検査信号端子222b、および信号端子群223bを有する。第1検査信号端子221bは、第1検査信号線141bと結線する。第2検査信号端子222bは、第2検査信号線142bと結線する。そして、信号端子群123bの各端子は、信号線群143bの各信号線とそれぞれ結線する。
【0057】
第2基板2bにおいて、第1検査信号端子221bは、第2検査信号端子222bと接続されている。したがって、第1検査信号端子121b→第1検査信号線141b→第1検査信号端子221bという経路、および第2検査信号端子222b→第2検査信号線142b→第2検査信号端子122bという経路の少なくともいずれか一方に、接続の異常があれば、給電部13bとプルアップ抵抗Rとにより「高レベル」の電圧が第1基板1bの制御部11bのポートに印加される。一方、これらの経路がいずれも正常に接続されていれば、これら経路の末端が接地点Gに接続されているため、制御部11bのポートには「低レベル」の電圧が印加される。制御部11bは、ポートに印加される電圧のレベルを監視することで、接続の異常を検出する。
【0058】
図7に示す従来技術は、検査信号を検出するためのポートを制御部11bに1つだけ設ければよく、また、第2基板2bに検査部を設けなくてもよい。しかし、
図7に示す従来技術は、第1基板1bと第2基板2bとの接続状態が正常であるか否かを、これらの間を往復する電流によって判断しているため、
図6に示した従来技術と同様に、接続状態の判断のために信号線が2本必要である。したがって、
図7に示す従来技術で、装置9と同じ分量の信号のやり取りをするならば、信号線群143bは、信号線群143よりも一本多く、信号端子群123bは、信号端子群123よりも一個多く、信号端子群223bは、信号端子群223よりも一個多くしなければならない。つまり、
図6,7に示した従来技術では、導線が並ぶ方向において、両端に配置された2つの導線は、それぞれ接続状態を検出するためだけに用いられることとなるので、これら2つの導線を除いた導線によって、基板同士の通信を確立しなければならない。
【0059】
装置9は、+y方向の端部の接続状態を、第1基板1から第2基板2へ給電する給電線141によって検出し、−y方向の端部の接続状態を、第2基板2から第1基板1へ検査信号を送信する検査信号線142によって検出する。検査部21が出力する検査信号は、第2基板2から第1基板1へ供給される信号であればよいので、接続状態の検出を目的とした用途のほかに、上述したように計測した湿度の情報を制御部11に供給するといったものであってもよい。つまり、装置9は、導線が並ぶ方向において両端に配置された2つの導線を、接続状態の検出に用いるが、そのうちの一方の導線を、他の用途に兼用してよいので、従来技術よりも少ない本数の導線で構成される。そして、装置9は、検査信号を検出するためのポートを制御部11に1つだけ備えればよい。
【0060】
2.変形例
以上が実施形態の説明であるが、この実施形態の内容は以下のように変形し得る。また、以下の変形例を組み合わせてもよい。
2−1.変形例1
上述した実施形態において、検査信号は、デジタル信号が変換された矩形波の信号であったが、変化する信号でなくてもよい。検査信号は、例えば、アナログ値を表す信号であってもよい。
図8は、この変形例における装置9cの全体構成を示す図である。
図8に示す装置9cは、
図1に示した装置9と共通の構成を有しており、各構成の符号にはそれぞれ添字「c」が付されている。装置9cが、装置9と異なる点は、検査部21cが出力する検査信号がアナログ値を表す信号である点である。検査部21cは、第1基板1cと第2基板2cとが接続されているか否かを検査するための検査信号を生成する回路であり、センサ211cとアンプ212cとを有する。
【0061】
センサ211cは、例えば、湿度センサであり、周囲の湿度を計測して計測結果に応じた電圧をアンプ212cに供給する。アンプ212cは、センサ211から供給された電圧を増幅して出力する。アンプ212cは、検査部21cから出力される電圧(以下、出力電圧という)がV1からV2までの範囲に収まるようにオフセット電圧などが調整されている。この出力電圧は、検査信号端子222c、検査信号線142c、および検査信号端子122cを介して制御部11cに伝えられる。制御部11cは、伝えられた電圧の値に応じて、第1基板1cと第2基板2cとの接続状態が正常か否かを判断する。
【0062】
図9は、基板間の接続状態が正常と見做される出力電圧の範囲(以下、正常範囲という)を示した図である。給電端子121cと給電線141cとの間や、給電線141cと給電端子221cとの間で断線が起きている場合であれば、検査部21cに電力が供給されていないので、制御部11cに伝えられる電圧は0Vになる。また、検査信号端子222cと検査信号線142cとの間や、検査信号線142cと検査信号端子122cとの間で断線が起きている場合であれば、検査部21cに電力は供給されていて、検査部21cは0Vではない電圧を出力しているが、検査部21cの下流において断線しているため、制御部11cに伝えられる電圧は0Vになる。つまり、給電端子121c→給電線141c→給電端子221cという給電のための経路において異常があっても、検査信号端子222c→検査信号線142c→検査信号端子122cという出力電圧の伝達のための経路において異常があっても、制御部11cは0Vの電圧を観測する。
【0063】
一方、これら2つの経路に異常がない場合、アンプ212cによって、検査部21cの出力電圧は、V1からV2までの正常範囲に調整されている。したがって、制御部11cは、
図9に示すように、伝えられた電圧がV1からV2までの正常範囲に収まる場合に、第1基板1cと第2基板2cとの接続状態が正常であると判断し、この正常範囲に収まらない場合に、接続状態が異常であると判断する。そして制御部11cは、接続状態が正常であると判断した場合に、V1からV2までの範囲に収まっている上記の電圧の値に基づいて、検査部21cのセンサ211が計測した値(例えば、湿度の値など)を取得する。
【0064】
図10は、この変形例に係る装置9cの動作の流れを示すフロー図である。第1基板1cの制御部11cは、第2基板2cに備えられた検査部21cが出力した検査信号によってしめされる出力値を検出する(ステップS21)。そして、制御部11cは、この出力値が正常範囲にあるか否かを判断する(ステップS22)。出力値が正常範囲にある、と判断した場合(ステップS22;YES)、制御部11cは、第1基板1cと第2基板2cとの接続状態が正常であるときに行われるように定められた処理を実行する(ステップS23)。この処理とは、例えば、検査信号の周波数を計測する処理などである。また、装置9cが、画像形成装置である場合に、この処理は、画像形成の処理を続行する処理などであってもよい。また、この処理とは、接続状態が正常である旨の通知を通知部3cに行わせる処理であってもよい。
【0065】
一方、出力値が正常範囲にない、と判断した場合(ステップS22;NO)、制御部11cは、第1基板1cと第2基板2cとの接続状態が異常であるときに行われるように定められた処理を実行する(ステップS24)。この処理とは、例えば、通知部3cを制御して、接続状態に異常が生じていることをユーザに知らせる処理である。
【0066】
上述した構成であっても、制御部11cが検出する出力値は、接続状態の検出を目的とした用途と、他の用途とを兼ねているので、この出力値を伝える導線は一本で足りる。すなわち、この構成は、従来技術よりも少ない本数の導線で構成される。
【0067】
2−2.変形例2
上述した実施形態において装置9の機能・種別などを特に限定しなかったが、装置9を媒体に画像を形成する画像形成装置9dに適用する場合、画像形成装置9dは、以下の構成を備えていてもよい。
【0068】
図11は、この変形例に係る画像形成装置9dの全体構成を示す図である。同図に示すように、画像形成装置9dは、第1基板1dと、第2基板2dと、通知部3dと、画像形成部8とを備えている。そして、画像形成部8は、現像部4Y,4M,4C,4Kと、転写部5と、定着部6と、搬送部7とを備えている。なお、符号のY,M,C,Kはそれぞれ、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのトナーに対応した構成であることを意味している。現像部4Y,4M,4C,4Kのそれぞれは、用いるトナーが異なるのみであって、その構成に大きな差異はない。以下、現像部4Y,4M,4C,4Kのそれぞれを特に区別する必要がない場合には、トナーの色を示す符号末尾のアルファベットを省略して「現像部4」とする。
【0069】
第1基板1dは、画像形成装置9dを制御するための基板であり、制御部11d、接続部12d、給電部13d、およびケーブル14dを有する。第1基板1dの各構成は、装置9の第1基板1の各構成と共通するため説明を省略する。
第2基板2dは、画像形成装置9dに備えられた構成である現像部4、転写部5、定着部6、または搬送部7に信号処理を行わせて、その構成を制御する基板である。第2基板2dは、検査部21d、および接続部22dを有する。第2基板2dの各構成は、装置9の第2基板2の各構成と共通するため説明を省略する。
通知部3dは、第1基板1dの制御部11dに接続されており、制御部11dの制御の下でユーザへ通知を行う。通知部3dは、装置9の通知部3と共通するため説明を省略する。
【0070】
搬送部7は、容器と搬送ロールとを有する。容器には、予め定められたサイズにカットされた、媒体としての用紙Pが収容される。容器に収容されている用紙Pは、第1基板1dの制御部11dの指示により搬送ロールによって1枚ずつ取り出され、用紙搬送路を経由して転写部5へと搬送される。なお、媒体は用紙に限らず、例えば樹脂製のシートなどであってもよい。要するに、媒体は、表面に画像を記録し得るものであればよい。
【0071】
各現像部4は、感光体ドラム41と、帯電器42と、露光装置43と、現像器44と、一次転写ロール45と、ドラムクリーナ46とを備えている。感光体ドラム41は電荷発生層や電荷輸送層を有する像保持体であり、図示しない駆動部により図中の矢線D4の方向に回転させられる。帯電器42は感光体ドラム41の表面を帯電させる。露光装置43はレーザ発光源やポリゴンミラー等(いずれも図示せず)を備え、制御部11dの制御の下、画像データに応じたレーザ光を、帯電器42により帯電させられた後の感光体ドラム41に向けて照射する。これにより、各感光体ドラム41には潜像が保持される。なお、上記の画像データは、制御部11dが図示しない通信部を介して外部装置から取得したものであってもよい。外部装置とは、例えば原画像を読み取る読取装置や画像を示すデータを記憶した記憶装置などである。
【0072】
現像器44はY,M,C,Kのいずれかの色のトナーと、フェライト粉などの磁性キャリアを含む二成分現像剤を収容する。そして現像器44に形成された磁気ブラシの穂先が感光体ドラム41の表面に接触することで、トナーは感光体ドラム41表面で露光装置43により露光された部分、すなわち静電潜像の画線部に付着し、感光体ドラム41に画像が形成(現像)される。
【0073】
一次転写ロール45は転写部5の中間転写ベルト51が感光体ドラム41と対向する位置において予め定めた電位差を生じさせ、この電位差によって中間転写ベルト51に画像を転写する。ドラムクリーナ46は、画像の転写後に感光体ドラム41の表面に残留している未転写のトナーを取り除き、感光体ドラム41表面を除電する。即ち、ドラムクリーナ46は、次の画像形成に備えて、感光体ドラム41から不要なトナーや電荷を除去するものである。
【0074】
転写部5は、中間転写ベルト51と、二次転写ロール52と、ベルト搬送ロール53と、バックアップロール54とを備えており、現像部4によって形成された画像を、ユーザの操作に応じて決められた紙種の用紙Pに転写する転写部である。中間転写ベルト51は無端のベルト部材であり、ベルト搬送ロール53およびバックアップロール54はこの中間転写ベルト51を張架する。ベルト搬送ロール53およびバックアップロール54の少なくとも1つには駆動部(図示せず)が備えられており、中間転写ベルト51を図中の矢印D5方向に移動させる。なお、駆動部を有さないベルト搬送ロール53またはバックアップロール54は、中間転写ベルト51の移動に従動して回転する。中間転写ベルト51が図中の矢印D5方向に移動して回転することにより、中間転写ベルト51上の画像は、二次転写ロール52とバックアップロール54とに挟まれる領域に移動させられる。
【0075】
二次転写ロール52は、中間転写ベルト51との電位差によって、中間転写ベルト51上の画像を搬送部7から搬送されてきた用紙Pに転写させる。ベルトクリーナ59は、中間転写ベルト51の表面に残留している未転写のトナーを取り除く。そして、転写部5または搬送部7は、画像が転写された用紙Pを定着部6へと搬送する。定着部6は、加熱によって用紙Pに転写された画像を定着させる。定着部6によって画像が定着された用紙Pは、搬送部7によって画像形成装置9dの上面に設けられた用紙置き場に積載される。
【0076】
第2基板2dが、画像形成部8の構成である現像部4、転写部5、定着部6、または搬送部7に信号処理を行わせる場合、その構成が配置された環境の湿度によって運転条件を変えなければならないときがある。例えば、現像部4ではトナーを収容する現像器44を有するため、現像器44の内部の湿度によっては、結露防止のため現像器44の内部の温度を上昇させなければならないことがある。例えば、第2基板2dが、現像器44の内部の湿度を計測する検査部21dを備えており、さらに、現像器44の内部を加熱する発熱体のコントローラを有している場合、第1基板1dの制御部11dは、検査部21dの計測結果を検査信号に基づいて取得し、その計測結果に応じて、発熱体を制御するコントローラに制御信号を送ればよい。そして、制御部11dは、検査信号に基づいて第1基板1dと第2基板2dとの接続状態が異常であると判断する場合には、通知部3dを制御して、接続状態に異常が生じていることをユーザに知らせればよい。
【0077】
2−3.変形例3
上述した実施形態において通知部3は、異なる色に発光する2種類の発光体を用いて、基板間の接続状態が正常であるか否かをユーザに知らせていたが、他の方法で知らせてもよい。通知部3は、例えば、接続状態が正常であるか否かを音声によってユーザに知らせてもよいし、液晶パネルなどに表示する画像や文字などによってユーザに知らせてもよい。