特許第6010983号(P6010983)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6010983
(24)【登録日】2016年9月30日
(45)【発行日】2016年10月19日
(54)【発明の名称】回路遮断器
(51)【国際特許分類】
   H01H 71/12 20060101AFI20161006BHJP
【FI】
   H01H71/12
【請求項の数】2
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2012-86090(P2012-86090)
(22)【出願日】2012年4月5日
(65)【公開番号】特開2013-218808(P2013-218808A)
(43)【公開日】2013年10月24日
【審査請求日】2015年3月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】508296738
【氏名又は名称】富士電機機器制御株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100161562
【弁理士】
【氏名又は名称】阪本 朗
(72)【発明者】
【氏名】江村 武史
【審査官】 段 吉享
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭62−105333(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 71/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定接点を有する固定接触子と、
該固定接点と接離する可動接点を有する可動接触子と、
ハンドルのオンオフ操作により前記可動接触子を開閉駆動する開閉機構部とを備えた回路遮断器において、
前記可動接触子の後端に係止部を設け、
前記開閉機構部に、前記可動接触子の係止部と係止する係止部を有し、可動接触子がオフ位置からオン位置まで移動する途中で、該係止部が可動接触子の係止部と係合し、可動接点と固定接点との間に間隔があくように可動接触子を保持するラチェットを設け、さらにハンドルをオン位置に操作すると、ラチェットの係止部と可動接触子の係止部との係合が外れるようにするとともに、前記ラチェットに押圧部を設け、前記可動接触子を保持する可動接触子ホルダで押圧部を押すことで可動接触子の係止部とラチェットの係止部との係合を外すことを特徴とする回路遮断器。
【請求項2】
前記ラチェットにラチェットバネを設け、該ラチェットバネによりラチェットを可動接触子と係合する方向に付勢することを特徴とする請求項1に記載の回路遮断器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配線用遮断器や漏電遮断器などの回路遮断器に関し、特に回路遮断器の開閉機構部に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の回路遮断器として、特許文献1に開示された構成が知られている。
この回路遮断器は、本体ケースから突出するハンドルと、固定接点を有する固定接触子と、固定接点と接離する可動接点を有する可動接触子と、この可動接触子を駆動する開閉機構部と、過電流を検出する過電流引外し装置と、固定接点と可動接点間に発生したアークを消弧する消弧装置とを備えている。
【0003】
上記回路遮断器において、回路遮断器のオン状態では、可動接触子が閉極しており、可動接触子の可動接点と固定接触子の固定接点が接触している。
回路遮断器のオン状態からハンドルをオフ操作すると、開閉機構部を介して可動接触子が開極し、可動接点と固定接点が開離する。また、ハンドルをオン操作すると、開閉機構部を介して可動接触子が閉極し、可動接点と固定接点が接触する。
【0004】
上記回路遮断器のオン状態において、主回路に過電流が流れると、過電流引外し装置が過電流を検出し、開閉機構部を介して可動接触子が固定接触子から開極する。また、可動接点と固定接点との間に発生したアークは、消弧装置により消弧される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】

【特許文献1】特開2001−307613号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、従来の回路遮断器は、ハンドルをオフ位置からオン位置まで操作すると、ハンドル操作に連動して可動接触子がオフ位置からオン位置まで移動し、可動接点が固定接点に接触するように構成されている。そのため、例えば、接点の投入操作時にハンドルをオフ位置からオン位置に向けてゆっくりと投入操作した場合に、ハンドルのオン位置の寸前で可動接点と固定接点が接触と開離を繰り返し、接点が溶着してしまうというおそれがあった。
【0007】
そこで、本発明の課題は、可動接点と固定接点との溶着を防止できるようにした回路遮断器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を達成するために、本発明によれば、固定接点を有する固定接触子と、該固定接点と接離する可動接点を有する可動接触子と、ハンドルのオンオフ操作により前記可動接触子を開閉駆動する開閉機構部とを備えた回路遮断器において、前記可動接触子の後端に係止部を設け、前記開閉機構部に、前記可動接触子の係止部と係止する係止部を有し、可動接触子がオフ位置からオン位置まで移動する途中で、該係止部が可動接触子の係止部と係合し、可動接点と固定接点との間に間隔があくように可動接触子を保持するラチェットを設け、さらにハンドルをオン位置に操作すると、ラチェットの係止部と可動接触子の係止部との係合が外れるようにするとともに、前記ラチェットに押圧部を設け、前記可動接触子を保持する可動接触子ホルダで押圧部を押すことで可動接触子の係止部とラチェットの係止部との係合を外すようにする。
【0010】
また、前記ラチェットにラチェットバネを設け、該ラチェットバネによりラチェットを可動接触子と係合する方向に付勢するようにしてもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、開閉機構部にラチェットを設けたので、可動接点と固定接点の溶着を防止することができ、信頼性の高い回路遮断器を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の第1の実施形態を示す回路遮断器のオン状態を示す側面図
図2】回路遮断器のオフ状態を示す側面図
図3】本発明におけるラチェットの構成を示す斜視図
図4】本発明の回路遮断器のオフ状態を示す開閉機構部の側面図
図5】ラチェットと可動接触子が係合した状態を表す開閉機構部の側面図
図6】ラチェットと可動接触子との係合が外れた状態を表す開閉機構部の側面図
図7】本発明の回路遮断器のオン状態を示す開閉機構部の側面図
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態を図1図7に基づいて説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態を示す回路遮断器のオン状態を示す側面図、図2は、回路遮断器のオフ状態を示す側面図、図3は、本発明におけるラチェットの構成を示す斜視図である。
【0014】
図において、1はケースとカバーからなる左右2分割構造の樹脂製の本体ケース、2は本体ケース1から操作部2aが外部に突出するハンドル、3は固定接点3aを有する固定接触子、4は一端に可動接点4aを有する可動接触子、5は可動接触子4を保持する絶縁性の可動接触子ホルダ、8は図示しないフレーム間に配置されるラッチ6及びラッチ受け7から構成される開閉機構部であり、ラッチ受け7は、可動接触子ホルダ5と重なるように配置されている。また、可動接触子4の他端には、後述するラチェット20の係止部20cと係止する係止部4bが形成されている。
【0015】
9はラッチ6とハンドル2とを連結するラッチピン、10は一端がラッチ受け7の下端に連結され、他端がケース本体1に設けた溝内に摺動可能に保持された連結ピン、11は一端が可動接触子4の他端側に係止されるとともに、他端がケース本体1に設けた係止部に係止された開閉スプリングである。
【0016】
また、図4は本発明の回路遮断器のオフ状態を示す開閉機構部の拡大側面図である。
図4において、ラッチ6は、一端が軸6aにより図示しないフレームに回動可能に軸支されており、他端がラッチピン9の一端に連結されている。ラッチ受け7は軸部18により図示しないフレームに回動可能に軸支されており、ばね19により、ラッチ6とラッチ受け7が係合する方向に付勢されている。可動接触子ホルダ5は、軸部18により軸支されており、軸部18を中心に回動する。
【0017】
また、本実施形態では、開閉機構部8にラチェット20とラチェットバネ21を追加装備している。ラチェット20は、図3に示すように、図示しないフレームに軸支される軸部20bと本体部20aとからなり、本体部20aには係止部20cと押圧部20dが形成されている。ラチェットばね21は、一端が本体ケースに係止されており、ラチェット20を軸部20bを中心に時計方向、すなわちラチェット20の係止部20cが可動接触子4の係止部4bに係止する方向に付勢している。
【0018】
ラチェット20に形成した係止部20cは、可動接触子4がオフ状態からオン状態に移動する途中で、可動接触子4の係止部4bと係止して、可動接点3aと固定接点4aとの間に間隔があいた状態で、可動接触子4の動きを止めるものである。また、押圧部20dは、可動接触子4がオフ状態からオン状態に移動する途中で、可動接触子4を保持する可動接触子ホルダ5により押圧されて、可動接触子4の係止部4bとラチェット20の係止部20cとの係合を引き外すものである。
【0019】
このように、本実施形態では、開閉機構部8に、可動接触子4がオフ位置からオン位置まで移動する途中で、可動接触子4と係合し、可動接点3aと固定接点4aとの間に間隔があくように可動接触子4を保持するラチェット20を設け、さらにハンドル2をオン位置に操作することで、ラチェット20と可動接触子4との係合を外すように構成している。
【0020】
図1に戻り、12は複数のグリット板を備え、接点部に発生したアークを消弧する消弧装置、13は消弧装置12の下端側に配置されたアーク転流板、14は負荷側の端子部、15は電源側の端子部であり、負荷側の端子部14は、アーク転流板13の一端と電気的に接続されるとともに、可動接触子4に図示しないリード線を介して電気的に接続されている。
【0021】
16はアーク転流板13の一端と負荷側の端子部14との間に下端部が接続されたバイメタルであり、過電流が流れると、バイメタル16の上端が図1の左側に撓み、連結ピン10を介してラッチ受け7を左側に引っ張ることでラッチ受け7とラッチ6との係合を引き外して、可動接触子4を固定接触子3から開離させる。
【0022】
また、17は短絡電流などの過電流を検出する過電流検出装置であり、プランジャ17aとコイル17bを備えている。コイル17bの一端は固定接触子3に接続されており、コイル17bの他端は電源側の端子部15に接続されている。また、プランジャ17aは、短絡電流などの過電流を検出すると、ラッチ受け7側に突出し、ラッチ受け7の一端を押すことでラッチ受け7とラッチ6との係合を引き外し、可動接触子4を固定接触子3から開離させる。
【0023】
次に本発明のラチェットの動作について図4図7を用いて説明する。
図4は、本発明の回路遮断器のオフ状態を示す開閉機構部の側面図、図5は、ラチェットと可動接触子が係合した状態を表す開閉機構部の側面図、図6は、ラチェットと可動接触子との係合が外れた状態を表す開閉機構部の側面図、図7は、本発明の回路遮断器のオン状態を示す開閉機構部の側面図である。
【0024】
図4において、回路遮断器のオフ状態では、ラチェット20は、ラチェットバネ21の他端が本体ケースに係止されており、図4の位置に保持されている。また、可動接触子4は固定接触子3から開離しており、ラチェット20の係止部20cと可動接触子4の係止部4bとの係合は外れている。
【0025】
次に、回路遮断器のオフ状態からハンドル2をオン操作すると、開閉機構部8を介して可動接触子ホルダ5及び可動接触子4が閉極する。ここで、図5に示すように、可動接触子4がオフ状態からオン状態に移動する途中で、可動接触子4がある程度回動すると、可動接触子4の係止部4bがラチェット20の係止部20cに係止されて、可動接触子4は図5の位置に保持される。そして、更に、ハンドル2をオン位置に操作すると、可動接触子4を保持する可動接触子ホルダ5が更に回転することで、可動接触子ホルダ5によりラチェット20の押圧部20dがばね21に抗して押圧され、図6に示すように、可動接触子4の係止部4bとラチェット20の係止部20cとの係合が引き外される。
【0026】
そして、ラチェット20との係止が解かれた可動接触子4は、図7に示すように、固定接触子3側に駆動されて、可動接点4aと固定接点3aが接触する。この回路遮断器のオン状態では、ラチェット20の押圧部20dと可動接触子ホルダ5とは当接しており、ラチェット20は、図7に示す位置に保持されている。
【0027】
このように、本実施形態によれば、可動接触子がオフ状態からオン状態に移動する途中で、可動接触子をラチェットに係合させて、可動接触子を一旦、可動接点と固定接点との間に間隔があくように保持し、さらにハンドルをオン位置に操作することで、ラチェットと可動接触子との係合が外れるようにしたので、可動接触子は、ラチェットとの係合が解かれると固定接触子に対して、勢いよく接触するようになる。
【0028】
したがって、接点の投入操作時にハンドルをオフ位置からオン位置に向けてゆっくりと投入操作した場合でも、ハンドルのオン位置の寸前で可動接点と固定接点が接触と開離を繰り返すことを防止できる。
【0029】
なお、回路遮断器のオン状態からハンドル2をオフ操作すると、開閉機構部8を介して可動接触子4が開極するが、このときラチェット20は、最初、可動接触子ホルダ5により押圧部20dが押圧されているので、可動接触子4の係止部4bはラチェット20の係止部20cを乗り越えて、図4に示すオフ状態の位置まで移動する。
【0030】
このように、ラチェット20は、回路遮断器のオン状態からオフ状態では、可動接触子4の係止部4dと係合しないように構成されている。
また、上記回路遮断器のオン状態において、主回路に過電流が流れると、バイメタル16の上端が図1の左側に撓み、連結ピン10を介してラッチ受け7を左側に引っ張ることで開閉機構部8のラッチ受け7とラッチ6との係合を引き外して、可動接触子4を固定接触子3から開離させる。
【0031】
さらに、主回路に短絡電流などの過電流が流れると、過電流引外し装置17が過電流を検出し、プランジャ17aがラッチ受け7側に突出してラッチ受け7の一端を押すことで、開閉機構部8のラッチ6とラッチ受け7との係合を引き外して、可動接触子4を固定接触子3から開極させる。また、可動接点4aと固定接点3aとの間に発生したアークは、消弧装置12により消弧される。
【符号の説明】
【0032】
1 本体ケース
2 ハンドル
3 固定接触子
4 可動接触子
4b 係止部
6 ラッチ
7 ラッチ受け
8 開閉機構部
20 ラチェット
20c 係止部
21 ラチェットバネ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7